(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッド
(51)【国際特許分類】
A61F 13/471 20060101AFI20240430BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61F13/471
A61F13/56 110
(21)【出願番号】P 2024028026
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519460926
【氏名又は名称】荘司 博則
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】荘司 博則
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102019001811(DE,A1)
【文献】特開2002-336285(JP,A)
【文献】登録実用新案第3131743(JP,U)
【文献】特開2004-180933(JP,A)
【文献】特開2019-017970(JP,A)
【文献】実開平05-037220(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/471
A61F 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰茎先端部と、陰嚢部を仕切る仕切り部と、この仕切り部の下端から前開き下着パンツの前開き部の方向に延出するとともに、前記前開き下着パンツの内面の前記前開き部の前開き機能を阻害しない位置に配置されて、排尿後尿滴下による滴下尿を吸収可能な滴下尿受部と、前記仕切り部の下端から前記前開き下着パンツの尻側に延出して、前記前開き下着パンツの少なくとも股の部分に対面する部分に沿うように配置される後側添設部を備え、
前記仕切り部が、前記陰茎を挿通可能な孔と、切欠と、前記孔または切欠形成用のミシン目の少なくともいずれかを備えるとともに、前記陰茎が前記孔あるいは切欠に挿通された状態を保持可能に、前記前開き下着パンツまたは使用者の体に貼着可能な貼着層を備えている
前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッドであって、前記滴下尿受部が、寸法調整時に手で切断可能に少なくとも1本のミシン目を備えていることを特徴とする前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッド
【請求項2】
少なくとも前記滴下尿受部が、吸水性ポリマー層を備えている請求項1に記載の前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
男性は尿道が長く、加齢による筋肉の衰えや、前立腺の肥大等が原因で、排尿によって、尿道内の尿が十分に排出できず、排尿後に、陰茎を下着パンツ内に収容したのちに、尿道に残った尿が漏れ出る、所謂、ちょいモレと称される排尿後尿滴下が起こる場合がある。
そして、この排尿後尿滴下が起こると、滴下した尿が、ズボンの外側にまで染みてしまうため、恥ずかしい思いをすることがある。
【0003】
そこで、排尿後尿滴下による尿を吸収してズボン側への染み出しを防止するために、下着パンツ内の陰茎の先端が接触する面に貼り付けて使用する吸水性シート(たとえば、ユニ・チャーム社の商品名ライフリーさわやかパッド男性用など)がいろいろな衛生用品メーカーから市販されている。
上記の吸水性シートは、前開き下着パンツに使用した場合、上記のように、前開き下着パンツの前開きが吸収性シートで塞がれてしまい、前開きを利用できないという問題がある。
【0004】
そこで、吸水性シートの陰茎の先端が接触する面に上下方向にスリットを設けるとともに、スリットの両側部の上方部分をパンツの内面に粘着剤により固定するようにした男性用尿もれパッドが提案されている(特許文献1)。
すなわち、この男性用尿もれパッドは、上記のようにスリットを備えているので、排尿の際に、スリットおよび前開き下着パンツの前開きを介して陰茎を外部に露出させることができ、前開き下着パンツの前開きを有効に利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記男性用尿もれパッドの場合、前開き下着パンツの前開きおよびスリットを介して陰茎の出し入れを行わなければならないため、陰茎の出し入れに時間がかかり、頻尿の人などはパンツ内で漏らしてしまう恐れがあるとともに、排尿のたびにスリットを拡げるためスリットが開放状態になったままとなり、排尿後、パッド内に陰茎を一旦収納しても、スリットから陰茎が飛び出して滴下尿がパンツを濡らす恐れがある。
また、慌てた場合、パッドが破れる恐れもある。
さらに、パンツの前開きは、一般に人体側からみて左側に開口部が設けられているので、上記のように、スリットの両側を粘着剤で固定するような構造では、開口部が塞がれて使用できなくなる恐れもある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて、前開き下着パンツの前開きを利用して排尿を容易に行えるとともに、排尿後の滴下尿を確実に吸収してパンツ外に滲みだすことを防止できる前開きパンツ用排尿後滴下尿吸収パッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッド(以下、「本発明の尿吸収パッド」と記す)は、陰茎先端部と、陰嚢部を仕切る仕切り部と、この仕切り部の下端から前開きパンツの前開き部の方向に延出するとともに、前記前開きパンツの内面の前記前開き部の前開き機能を阻害しない位置に配置されて、排尿後尿滴下による滴下尿を吸収可能な滴下尿受部と、前記仕切り部の下端から前記前開き下着パンツの尻側に延出して、前記前開き下着パンツの少なくとも股の部分に対面する部分に沿うように配置される後側添設部を備え、前記仕切り部が、前記陰茎を挿通可能な孔、切欠または前記孔の形成用ミシン目を備えるとともに、前記陰茎が前記孔あるいは切欠に挿通された状態を保持可能に、前記前開き下着パンツまたは使用者の体に貼着可能な貼着層を備えている前開き下着パンツ用排尿後滴下尿吸収パッドであって、前記滴下尿受部が、寸法調整時に手で切断可能に少なくとも1本のミシン目を備えていることを特徴している。
なお、本明細書では、以下、「前開き下着パンツ」をパンツとのみ記す。
【0010】
本発明の尿吸収パッドは、少なくとも滴下尿受部のみが尿吸収性を有する材質で形成されていればよいが、仕切り部や後側添設部も尿吸収性を有する材質で形成されていてもよい。
【0011】
本発明の尿吸収パッドは、特に限定されないが、たとえば、各部が、公知の紙おむつや女性用生理用品と同じような材質の層構成で形成されていてもよいが、少なくとも滴下尿受部が、吸水性ポリマー層を備えていることが好ましい。
すなわち、上記構成にすれば、滴下尿が多い場合や、複数回の使用においてもパンツ側への尿もれをより確実に防止することができる。
上記吸水性ポリマー層を構成するポリマーとしては、尿を吸収してゼリー状になれば、特に限定されず、市販の紙オムツや女性の生理用品に用いられているもので構わない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の尿吸収パッドは、以上のように、陰茎先端部と、陰嚢部を仕切る仕切り部と、この仕切り部の下端からパンツの前開き部の方向に延出するとともに、前記パンツの内面の前記前開き部の前開き機能を阻害しない位置に配置されて、排尿後尿滴下による滴下尿を吸収可能な滴下尿受部と、前記仕切り部の下端から前記パンツの尻側に延出して、前記パンツの少なくとも股の部分に対面する部分に沿うように配置される後側添設部を備え、前記仕切り部が、前記陰茎を挿通可能な孔、切欠または前記孔の形成用ミシン目を備えるとともに、前記陰茎が前記孔あるいは切欠に挿通された状態を保持可能に、前記パンツまたは使用者の体に貼着可能な貼着層を備えているとともに、前記滴下尿受部が、寸法調整時に手で切断可能に少なくとも1本のミシン目を備えているので、以下のような優れた機能を有している。
【0013】
すなわち、滴下尿受部を備え、滴下尿受部がパンツの内面の前記前開き部の前開き機能を阻害しない位置に配置されるようになっているので、陰茎を前開き部から自由に出し入れできるとともに、用便し終わり、陰茎をパンツ内に収容したのちに、発生する排尿後尿滴下による滴下尿が、滴下尿受部に受けられる。そして、受けられた滴下尿が滴下尿受部に吸収され、パンツおよびズボンの外側に滲み出すことを防止できる。
しかも、滴下尿受部が前開き部の使用を阻害しない位置に設けられているので、前開き部からの陰茎の出し入れを容易に行える。
すなわち、上記構成にすれば、孔または切欠を介して陰茎の先端部側を滴下尿受部の上側により正確に維持することができる。
また、滴下尿受部が、寸法調整時に手で切断可能に少なくとも1本のミシン目を備えているので、使用者や介助者が、滴下尿受部を、パンツの前開きの構造や、使用者の身体的特徴に適合する大きさに所望のミシン目部分で切り取るようにすれば、使用者が気持ちよく使用することができる。
なお、ミシン目の本数および方向は、特に限定されず、たとえば、仕切り部に平行に複数本形成されていてもよい。幅方向の端縁部分には、仕切り部に直交する方向に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の尿吸収パッドの第1の実施の形態をあららわす斜視図である。
【
図2】
図1の尿吸収パッドの装着状態を側面方向から見た断面図である
【
図3】
図1の尿吸収パッドの装着状態をパンツの前面側から見た図である。
【
図4】本発明の尿吸収パッドの仕切り部の変形例を概略的にあらわす図である。
【
図5】本発明の尿吸収パッドの仕切り部の固定部の変形例を模式的にあらわす図である。
【
図6】本発明の尿吸収パッドの仕切り部の固定部の他の変形例を模式的にあらわす図である。
【
図7】本発明の尿吸収パッドの台部の変形例をあらわす図である。
【
図8】本発明の尿吸収パッドの第2の実施の形態を、側面から見た状態を模式的にあらわす図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する.
図1~
図3は、本発明の尿吸収パッドの第1の実施の形態をあらわしている。
【0016】
図1~
図3に示すように、この尿吸収パッド1aは、滴下尿受部3aおよび後側添設部4aからなる台部2aと、仕切り部5aを備えている。
台部2aは、図示していないが、第1層と第2層と吸水性ポリマー層(図示せず)を備える積層体で形成されていて、第1層と第2層が周縁部で熱融着されている。
第1層は、使用者8の肌側の面を構成するようになっていて、公知の紙おむつや女性用生理用品に用いられている不織布や織布からなる。
第2層は、使用者8のパンツ7の内面に沿う面を構成するようになっていて、公知の紙おむつや女性用生理用品に用いられている樹脂フィルムからなる。
吸水性ポリマー層は、第1層と第2層の間に設けられていて、公知の紙おむつや女性用生理用品に用いられている吸水性ポリマーが用いられている。
【0017】
後側添設部4aは、ほぼ矩形をしていて、パンツ7の内面に沿う面に離型フィルム(図示せず)を備えた第1粘着層41が設けられている。
滴下尿受部3aは、後側添設部4aより外側に張り出すように設けられた張り出し部31を両側に対称形状に備えているとともに、後述する仕切り部5aの下端に平行な5本のミシン目31aを等ピッチで備えている。
また、滴下尿受部3aは、張り出し部31のミシン目31aとミシン目31aの間のパンツ7の内面に沿う面に離型フィルム(図示せず)を備えた第2粘着層32がそれぞれ設けられている。
【0018】
仕切り部5aは、滴下尿受部3aが陰茎Pの先端部を少なくとも下方から受けられ、後側添設部4aが少なくとも陰嚢Hを下方から受けることができるように、滴下尿受部3aと、後側添設部4aを仕切るように設けられていて、その下端が、台部2aの第1層側で台部2aに融着あるいは接着によって一体化されている。
また、仕切り部5aは、上部に、陰茎挿通部となる切欠51aと、その両側に設けられた一対の固定部52aを有し、下部に尿吸収部53aを備えている。
【0019】
固定部52aは、切欠51aの両側に対称に上記台部2aの第1層と同じ不織布で形成されて、幅方向の中央部に陰茎挿入口となる切欠51aを備えるとともに、切欠51aの両側となる一対の固定部52aを備えている。
固定部52aは、それぞれその上縁部に、使用時に使用者の肌側の面に離型シートを備えた第3粘着層54aを備えている。
【0020】
切欠51aは、その幅方向の寸法が4cm程度である。
尿吸収部53aは、上記台部2aと同様の吸水性ポリマーが上記台部2aの第1層と同じ不織布によって両側から挟まれた状態の積層構造になっている。
【0021】
上記尿吸収パッド1aは、特に限定されないが、たとえば、以下の第1装着例あるいは第2装着例のようにしてパンツ7に装着して使用することができる。
【0022】
〔第1装着例〕
(1)使用者8が、必要に応じて滴下尿受部3aを所望のミシン目31a部分で切り取り、使用するパンツ7の前開き71の形状や、使用者8の体形等に合うように、滴下尿受部3aの仕切り部5a下端からの出幅を調整する。
(2)パンツ7の着衣前(パンツ7の足ぐり内に両足を通すとともにパンツ7を足首付近までずり下げた状態を含む)に、
図2および
図3に示すように、出幅を調整した滴下尿受部3aをその端縁に最も近い第2粘着層32から離型フィルムを取り除いた状態でパンツ7の内面の前開き71の機能を阻害しない位置に第1粘着層41を介して貼着するとともに、後側添設部4aを第1粘着層41から離型フィルムを取り除いた状態でパンツ7の股部分に第1粘着層41を介して貼着した状態に、尿吸収パッド1aの台部2aをパンツ7に固定する。
(3)パンツ7を、使用者8のパンツ7の着衣位置あるいはその近傍まで引き上げたのち、パンツ7の前側と使用者の腹との間に手を入れて、仕切り部5aの切欠51a内に陰茎Pに挿通させて、陰茎Pの先端側が滴下尿受部3aを上方から臨み、陰嚢Hが後側添設部4aを上方から臨むようにしたのち、離型フィルムを剥がし、第3粘着層54aを介して固定部52aを使用者8の鼠径部近傍の腹に貼着して固定部52aがズレ動かないようにする。
【0023】
〔第2装着例〕
(1)使用者8が、必要に応じて滴下尿受部3aを所望のミシン目31a部分で切り取り、使用するパンツ7の前開き71の形状や、使用者8の体形等に合うように、滴下尿受部3aの仕切り部5a下端からの出幅を調整する。
(2)パンツ7の着衣前に尿吸収パッド1aの仕切り部5aの切欠51aに陰茎Pを挿入するとともに、離型フィルムを剥がして第3粘着層54aを、使用者8の鼠径部近傍の腹に貼着して固定部52aで尿吸収パッド1aを使用者8に吊り下げたようにする。
(3)パンツ7を使用者8のほぼ正常着衣位置まで引き上げるとともに、パンツ7の中に手を入れ、離型フィルムを剥がし、第2粘着層32を前開き71近傍の前開き機能を阻害しない位置でパンツ7の内面に貼着させるとともに、第1粘着層41をパンツ7の股部分の内面に貼着し、台部2aをパンツ7に固定する。
【0024】
この尿吸収パッド1aは、上記のようになっており、上記のように装着しておけば、滴下尿受部3aが前開き71の機能を損なわない位置に配置されているので、小用の場合、通常と同様に前開き71から陰茎Pを出し入れすることができる。
そして、排尿後、陰茎Pをパンツ7内に収容したのちに、排尿後尿滴下が起こったとしても、滴下尿が尿吸収機能を備えた滴下尿受部3aに受けられて吸収される。
したがって、排尿後尿滴下による滴下尿がズボンの外側まで滲み出ないようにすることができる。
【0025】
この尿吸収パッド1aは、仕切り部5aが固定部52aを備え、この固定部52aが第3粘着層54aを介して使用者8の鼠径部近傍の腹に固定するようにしたので、仕切り部5aの切欠51aをパンツ7内で安定した位置に保持できる。
したがって、陰茎Pの先端が、滴下尿受部3aの上方に安定的に保持され、滴下尿を確実に吸収することができる。
【0026】
さらに、この尿吸収パッド1aは、滴下尿受部3aが、仕切り部5aの下端に平行な5本のミシン目31aを等ピッチで備えているので、はさみなどの治具を用いずとも、必要なミシン目31a部分で、手で簡単に切り取ることができる。
すなわち、パンツ7の構造や使用者の身体的特徴は、一律ではない。
そこで、上記のように、ミシン目31aを設けることによって、使用者や介助者が、はさみなどの治具を用いずとも手で所望のミシン目31a部分で切り取ることで、滴下尿受部3aの仕切り部5aからの出幅をパンツ7の構造や、身体の特徴に応じて調整することができる。
したがって、いずれの使用者も気持ちの良い状態、使用勝手の良い状態で使用することができる。
【0027】
図4は、本発明の尿吸収パッドの仕切り部の変形例を後側添設部側から見てあらわしている。
図4(a)に示すように、この仕切り部5bは、固定部52bの中央に陰茎挿通部となる矩形の孔51bが穿設されていて、孔51bの上縁を含む固定部52bの上縁部に全幅にわたって第3粘着層54bが設けられている。
【0028】
図4(b)に示すように、この仕切り部5cは、固定部52cの中央の上縁に沿って陰茎挿通部となる矩形の孔51cが穿設されていて、固定部52cの孔51cの両側に第3粘着層54cが設けられている。
図4(c)に示すように、この仕切り部5dは、固定部52dの中央部に陰茎挿通部となる孔を形成するためのミシン目51dが放射状に設けられているとともに、固定部52dの上縁部の全幅にわたって第3粘着層54dが設けられている。
【0029】
図4(d)に示すように、この仕切り部5eは、固定部52eの中央部に陰茎挿通部となる孔を形成するためのミシン目51eが設けられているとともに、固定部52eの上縁部の全幅にわたって第3粘着層54eが設けられている。
なお、
図4中、53b、53c、53d、53eは、尿吸収部である。
【0030】
図5は、本発明の尿吸収パッドの仕切り部の固定部の変形例をあらわしている。
図5(a)に示すように、この仕切り部5fの固定部52fは、陰茎挿通部となる逆三角形の孔51fを備えている。
図5(b)に示すように、この仕切り部5gの固定部52gは、陰茎挿通部となる逆三角形の孔51gと上縁側から孔51gに達するスリット58を備えている。
図5(c)に示すように、この仕切り部5hの固定部52hは、陰茎挿通部となる三角形の孔51hを備えている。
図5(d)に示すように、この仕切り部5iの固定部52iは、陰茎挿通部となる三角形の孔51iと上縁側から孔51iに達するスリット58を備えている。
【0031】
図6は、本発明の尿吸収パッドの仕切り部の固定部の他の変形例をあらわしている。
図6(a)に示すように、この仕切り部5jの固定部52jは、陰茎挿通部となる円形の孔51jを備えている。
図6(b)に示すように、この仕切り部5kの固定部52kは、陰茎挿通部となる円形の孔51kと上縁側から孔51kに達するスリット58を備えている。
図6(c)に示すように、この仕切り部5lの固定部52lは、陰茎挿通部となる逆台形をした切欠51lを備えている。
図6(d)に示すように、この仕切り部5mの固定部52mは、陰茎挿通部となる逆三角形をした切欠51mを備えている。
【0032】
図7は、本発明の尿吸収パッドの台部の変形例をあらわしている。
図7(a)に示すように、この台部2bは、滴下尿受部3bが本体部33と、本体部33の幅方向両側から延出する延出部33aを備え、この延出部33aが必要に応じて簡単に切除できるように本体部33との境界に点線で示すミシン目が設けられている以外は、上記台部2aと同様になっている。
すなわち、この台部2bのようにすれば、延出部33aをミシン目に沿って切り取ることによって前開きの構造に応じて滴下尿受部3bの長さを短くすることができる。
【0033】
図7(b)に示すように、この台部2cは、滴下尿受部3cが本体部34と、本体部34の周縁を囲むように立ち上がり壁34aが設けられている以外は、上記台部2aと同様になっている。
すなわち、この台部2cのようにすれば、本体部34の周縁からの滴下尿のはみ出しを防止することができる。
なお、
図7中、Lは仕切り部の下端固定位置を示す。
【0034】
図8は、本発明の尿吸収パッドの第2の実施の形態を模式的にあらわしている。
図8に示すように、この尿吸収パッド1bは、台部2aの幅方向の両側に横もれ防止壁9が設けられている以外は、第1の実施の形態の尿吸収パッド1aと同様になっている。
【0035】
したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は、同じ符号を付している。
横もれ防止壁9は、不織布などの吸水性を有するシート材からなり、襞状をした略直角三角形をしていて、三角形の直角部を挟む一辺が滴下尿受部3aの側縁に一体化され、他片が仕切り部5aの側縁に一体化されている。
また、横もれ防止壁9は、滴下尿受部3aのミシン目31aに一致する数のミシン目91を備えている。
すなわち、滴下尿受部3aのミシン目31a部分の切断にあわせてミシン目91のところで、切断できるようになっている。
【0036】
この尿吸収パッド1bは、上記のように横もれ防止壁9を備え、滴下尿の横もれを防止することができるので、陰茎Pをパンツ7内へ収納途中に排尿後尿滴下が発生しても、滴下尿のズボンへの染み出しを防止しやすくなる。
【0037】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の第1の実施の形態では、仕切り部の第3粘着層を使用者の腹に粘着させて固定部の位置を安定させるようにしていたが、パンツ側に第3粘着層を設け、この第3粘着層をパンツの前開きの機能を阻害しない位置に粘着固定するようにしてもよい。また、第3粘着層は、固定部の両面に設けるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、第1粘着層、第2粘着層が滴下尿受部および後側添設部の一部に設けられていたが、全面にわたって設けられていても構わないし、間欠的に設けられていても構わないし、無くても構わない。
【0038】
上記の実施の形態では、仕切り部の下部に尿吸収部を備えていたが、滴下入受部が十分な吸水能を備えていれば、尿吸収部は設けなくても構わない。
上記の実施の形態では、陰茎挿通部になる孔あるいは切欠が円形、三角形、矩形、台形であったが、五角形以上でも構わないし、U字形、楕円形でも構わない。
【符号の説明】
【0039】
1a、1b 尿吸収パッド
2a、2b、2c 台部
3a、3b、3c 滴下尿受部
31 張り出し部
31a ミシン目
32 第2粘着層
33 本体部
33a 延出部
34 本体部
34a 立ち上がり壁
4a 後側添設部
41 第1粘着層
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5i、5j、5k 仕切り部
5l、5m 仕切り部
51a、51l、51m 切欠(陰茎挿通部)
51b、51c、51f、51g、51h、51i、51j、51k 孔(陰茎挿通部)
51d ミシン目(陰茎挿通部)
52a、52b、52c、52d、52e、52f、52g、52h、52i 固定部
52j、52k、52l、52m 固定部
53a、53b、53c、53d、53e 尿吸収部
54a、54b、54c、54d、54e 第3粘着層
58 スリット
7 パンツ
71 前開き
8 使用者
9 横もれ防止壁
91 ミシン目
P 陰茎
H 陰嚢
【要約】
【課題】前開き下着パンツの前開きを利用して排尿を容易に行えるとともに、排尿後の滴下尿を確実に吸収してパンツ外に滲みだすことを防止できる前開きパンツ用排尿後滴下尿吸収パッドを提供する。
【解決手段】仕切り部5aと、仕切り部5aの下端から仕切り部5aに直交するように設けられた滴下尿受部3aと、仕切り部5aの下端から滴下尿受部3aと逆方向に延出する後側添設部4aを備え、滴下尿受部3aを前開きパンツ内の前開き機能を阻害しない位置に配置し、仕切り部5aの固定部を使用者の腹に固定する一方、切欠51aを介して陰茎を滴下尿受部3aの上方に維持できるようにして、排尿後に前開きを介してパンツ内に収納した陰茎からの排尿後の滴下尿を滴下尿受部3aで吸収できるようにした。
【選択図】
図1