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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】電池制御装置及び電池を含む電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240501BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240501BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20240501BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/34 B
H02J1/00 306K
H02J1/00 306M
H01M10/48 P
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020044553
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021010292
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2019-0078186
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0100499
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン ユン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン ウォン
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-037098(JP,A)
【文献】国際公開第2017/150195(WO,A1)
【文献】特開2017-011145(JP,A)
【文献】特開2009-193727(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0094065(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/34
H02J 1/00
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池から出力部に流れる第1電流を感知するように構成された第1電流感知部と、
前記第1電流感知部の感知結果を用いて前記第1電流が基準電流を超えた場合に、前記第1電流の増加を制限するように構成された第1電流制限部と、
前記第1電流制限部の制限動作に基づいて第2電池の第2電流を前記出力部に流すように構成された第2電流活性部と、を含む、電池制御装置。
【請求項2】
前記第1電池は液体電解質を含み、
前記第2電池は固体電解質を含む、請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項3】
前記第2電池は、
前記固体電解質の上面及び下面のうち1つに配置された内部正極と、
前記固体電解質の上面及び下面のうち他の1つに配置された内部負極と、
前記内部正極に接続され、前記固体電解質の第1側面に配置される外部正極と、
前記内部負極に接続され、前記固体電解質の第2側面に配置される外部負極と、をさらに含む、請求項2に記載の電池制御装置。
【請求項4】
前記第2電流活性部は、前記第1電流制限部の制限動作に基づいて、前記第2電池に電気的に連結された第3電池の第3電流を前記出力部に流すように構成される、請求項2に記載の電池制御装置。
【請求項5】
前記第2電池の第2電圧が前記第1電池の第1電圧にさらに近くなるように前記第2電圧を調整するように構成された電圧調整部をさらに含む、請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項6】
前記第1電流制限部は、ダイオードの降伏電圧を用いて、前記第1電流の増加を制限するように構成される、請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項7】
前記第1電流制限部は、前記第1電流に対応する電流が流れる経路を提供し、前記降伏電圧に対応する入力電圧の入力を受けて前記第1電流の増加を制限する電流制限トランジスタを含む、請求項6に記載の電池制御装置。
【請求項8】
前記第2電流活性部は、ダイオードの降伏電圧に応じたベース電流に基づいて、前記第2電池と前記出力部の間の電気的経路を提供する電流活性化トランジスタを含む、請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項9】
前記第1電流感知部は、前記第1電流に基づいて感知電流を生成する変流器を含み、
前記第1電流制限部は、
前記感知電流に対応する感知電圧を提供するインピーダンス素子と、
前記感知電圧が前記基準電流に対応する基準電圧に達した場合に降伏状態になるダイオードを含む、請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項10】
前記第1電流感知部の感知結果に基づいて制御信号を生成する制御部をさらに含み、
前記第1電流制限部は、前記制御信号に応じて前記第1電流の増加制限の有無が選択されるように構成される、請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項11】
負荷の配置スペースを提供する基板と、
前記負荷に第1電力を提供し、液体電解質を含む第1電池と、
前記基板上に実装され、固体電解質を含む第2電池と、
前記第1電池から前記負荷に流れる入力電流を感知し、前記入力電流の感知結果を用いて記入力電流が基準電流以下である場合には、前記第2電池から前記負荷に提供される第2電力を遮断し、前記入力電流が基準電流を超えた場合には、前記第1電池から前記負荷に提供される第1電力の増加を制限するとともに前記第2電力の前記負荷への供給を活性化するように構成された電池制御部と、を含む、電子機器。
【請求項12】
前記第2電池は、
前記固体電解質の上面及び下面のうち1つに配置された内部正極と、
前記固体電解質の上面及び下面のうち他の1つに配置された内部負極と、
前記内部正極に接続され、前記固体電解質の第1側面に配置される外部正極と、
前記内部負極に接続され、前記固体電解質の第2側面に配置される外部負極と、をさらに含み、
前記基板は、
前記外部正極が配置される上面を有する第1電気連結構造体と、
前記外部負極が配置される上面を有する第2電気連結構造体と、を含む、請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記電池制御部は、
前記第1電池の正極が接続される第1正極接続部と、
前記第1電池の負極が接続される第1負極接続部と、
前記第2電池の正極が接続される第2正極接続部と、
前記第2電池の負極が接続される第2負極接続部と、を含む、請求項11または12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記電池制御部は、
前記基板の配線を介して前記第2電池の正極が接続される第2正極接続部と、
前記基板の配線を介して前記第2電池の負極が接続される第2負極接続部と、を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項15】
前記電池制御部はツェナーダイオードを含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項16】
前記電池制御部は、バイポーラ接合トランジスタ及び電界効果トランジスタを含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池制御装置及び電池を含む電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、コンピュータ、携帯電話端末などの電子機器の普及に伴い、その電源である電池に対しては益々小型化且つ高容量化が求められている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図ることができるリチウムイオン二次電池が実用化されつつあり、ポータブル電源としての需要も増大している。しかし、用いられる電子機器の種類によっては、このリチウムイオン二次電池では未だに十分な連続使用時間を保証するまでに至っていない。
【0003】
例えば、電子機器が、様々な機能を提供するために、様々な電流量や高電流を必要とする一方で、電池の寿命は、このような多様であり且つ高い電流量を提供するにつれて減少する可能性がある。
【0004】
携帯用端末などの電子機器の寿命は、実質的に電池の寿命によって決定されるため、電池の寿命減少は電子機器にとっても致命的となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-4379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電池制御装置及び電池を含む電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による電池制御装置は、第1電池から出力部に流れる第1電流を感知するように構成された第1電流感知部と、上記第1電流感知部の感知結果を用いて上記第1電流が基準電流を超えた場合に、上記第1電流の増加を制限するように構成された第1電流制限部と、上記第1電流制限部の制限動作に基づいて第2電池の第2電流を上記出力部に流すように構成された第2電流活性部と、を含むことができる。
【0008】
本発明の一実施形態による電子機器は、負荷の配置スペースを提供する基板と、上記負荷に第1電力を提供し、液体電解質を含む第1電池と、上記基板上に実装され、固体電解質を含む第2電池と、上記負荷の入力電流が基準電流以下である場合には、上記第2電池から上記負荷に提供される第2電力を遮断し、上記負荷の入力電流が基準電流を超えた場合には、上記第2電力の上記負荷への供給を活性化するように構成された電池制御部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態による電池制御装置は、電池の寿命を容易に延長させることができ、電池に要求される規格(例:最大電流、定格容量)の緩和によって電池のサイズを容易に減らすとともに、電池の安全性(例:高温環境における爆発可能性)をさらに改善させることができる。
【0010】
本発明の一実施形態による電池を含む電子機器は、電池の寿命短縮を実質的に誘発することなく、負荷の実質的な性能を向上させることができるため、より改善されたアプリケーション(例:通信、ディスプレイ、ビッグデータの管理など)の性能を確保するとともに、電池の安定性及び耐久性を向上させることにより、より改善された電子機器の安定性及び耐久性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】本発明の一実施形態による電池制御装置を示す図である。
図1b図1aに示された電池制御装置よりも電池の数が多くなった構造を示す図である。
図1c図1aに示された電池制御装置に電圧調整部が追加された構造を示す図である。
図1d】本発明の一実施形態による電池を含む電子機器を示す図である。
図2a】本発明の一実施形態による電池制御装置の各構成要素間の連結関係を示す図である。
図2b】本発明の一実施形態による電池制御装置を示す回路図である。
図2c】第1電流が基準電流以下である場合の図2bに示された第1電流制限部の等価回路を示す回路図である。
図2d】第1電流が基準電流を超えた場合の図2bに示された第1電流制限部の等価回路を示す回路図である。
図2e図2dに示された第1電流制限部及び第2電流活性部の電圧ベースの動作構造を示す回路図である。
図2f】本発明の一実施形態による電池制御装置の能動制御構造を示す回路図である。
図2g】本発明の一実施形態による電池制御装置の電圧調整部が省略された構造を示す回路図である。
図2h図1bに示された電池制御装置を示す回路図である。
図3】本発明の一実施形態による電池制御装置の負荷に流れる電流の変化に伴う第1及び第2電池の第1及び第2電流の変化を示すグラフである。
図4a】本発明の一実施形態による電池制御装置の制御対象である第2電池を示す側面図である。
図4b図4aに示された基板上における第2電池の実装を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による電池制御装置及び/又は電子機器の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
後述する本発明の詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるよう、十分に詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は、互いに異なっているが、相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連し、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態に実現される必要がある。また、それぞれの開示された実施形態内における個々の構成要素の位置又は配置は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取られるものではなく、本発明の範囲は、請求項が主張するものと均等なすべての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。尚、図面において同様の参照符号は、いくつかの側面に渡って同一又は類似の機能を指す。
【0013】
以下では、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の実施形態について添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1aは本発明の一実施形態による電池制御装置を示す図であり、図2aは本発明の一実施形態による電池制御装置の各構成要素間の連結関係を示す図である。
【0015】
図1a及び図2aを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置100aは、出力部50から負荷40に流れる出力電流I0による第1及び第2電流I1、I2の量を調整することができる。ここで、出力電流I0は、第1電池10の第1電流I1と第2電池20の第2電流I2の和に対応することができる。
【0016】
電池制御装置100aは、第1電池10及び第2電池20に対する制御を介して第1及び第2電流I1、I2を調整することができる。
【0017】
第1電池10及び第2電池20は互いに異なる特性(例:定格電圧、定格容量、電気的安定性、物理的/化学的耐久性、サイズなど)を有することができる。
【0018】
例えば、第1電池10は第1電流I1の量を比較的容易に増加させることができ、大きい容量を有することにより第1電流I1を安定的に負荷40に提供できるように構成されることができる。
【0019】
一例として、第1電池10は、液体電解質を含むように構成されることができ、第2電池20に比べて相対的に高いエネルギー密度を有するか、又は単位エネルギーを基準に相対的に安価に製作されることができる。これにより、第1電池10は、第2電池20の第2電流I2よりもさらに大きい第1電流I1を負荷40に比較的容易に供給することができる。
【0020】
一例として、第2電池20は、比較的小電流である第2電流I2をスムーズに負荷40に提供することができ、高い安定性/耐久性を有するか、又は比較的容易に小型化することができる。
【0021】
例えば、第2電池20は、固体電解質を含むように構成されることができ、第1電池10に比べて相対的に温度変化や外部衝撃に強い特性を有することができる。これにより、固体電解質の安定した状態に基づいて、負荷40に供給される第2電流I2の変化にさらに効率的に対応することができる。
【0022】
電池制御装置100aは、互いに異なる特性の第1電池10及び第2電池20に対して互いに異なる原理及び/又は方法で制御することにより、互いに異なる特性の第1及び第2電流を効率的に組み合わせて出力電流I0を提供することができる。
【0023】
図1a及び図2aを参照すると、第1電流感知部110、第1電流制限部120、及び第2電流活性部130を含む。
【0024】
例えば、第1電流感知部110、第1電流制限部120、第2電流活性部130は、単一のIC(Integrated Circuit)で構成されることができる。尚、電力管理回路とともに単一のICで構成されてもよく、複数のICで構成されてもよい。
【0025】
第1電流感知部110は、第1電池10から出力部50に流れる第1電流I1を感知するように構成される。
【0026】
第1電流制限部120は、第1電流感知部110の感知結果を用いて第1電流I1が基準電流(例:3A)を超えた場合に、第1電流I1の増加を制限するように構成される。
【0027】
第2電流活性部130は、第1電流制限部120の制限動作に基づいて第2電池20の第2電流I2を出力部50に流すように構成される。
【0028】
例えば、出力電流I0の量が基準電流以下である場合、電池制御装置100aは、実質的に第1電池10だけを負荷40に第1電流I1を供給するように、第1及び第2電池10、20を制御することができる。
【0029】
尚、出力電流I0の量が基準電流を超えた場合に、電池制御装置100aは、第1電池10が基準電流と実質的に同一の量の第1電流I1を負荷40に供給し、第2電池20が出力電流I0から第1電流I1を除外した残りに対応する第2電流I2を負荷40に供給するように、第1及び第2電池10、20を制御することができる。
【0030】
これにより、電池制御装置100aは、第1電流I1の量が大きくなりすぎることを制限することができるため、第1電池10の寿命を容易に延長させることができ、第1電池10に要求される規格(例:最大電流、定格容量)の緩和により、第1電池10のサイズをさらに容易に減らすとともに、第1電池10の安定性(例:高温環境における爆発可能性)をさらに改善させることができる。
【0031】
また、電池制御装置100aは、第2電池20の最大電流及び/又は定格容量とは関係なく、大きい出力電流を負荷40に提供することができる。
【0032】
尚、負荷40は、第1電池10の寿命短縮を実質的に誘発することなく、広い範囲の出力電流I0の提供をスムーズに受けることができるため、様々な回路動作を効率的に行うか、又は様々なエネルギー需要に効率的に対応することができる。例えば、負荷40は、比較的大きい出力電流I0の提供を円滑に受けることにより、用いる信号の歪曲現象(例:パルス波形の上昇/下降速度の限界、上昇/下降の飽和など)を防止することができる。
【0033】
図1bは図1aに示された電池制御装置よりも電池の数が多くなった構造を示す図である。
【0034】
図1bを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置は、第3電池31、32、33をさらに制御することができる。
【0035】
第2電流活性部130は、第1電流制限部120の制限動作に基づいて第2電池20に電気的に連結された第3電池31、32、33の第3電流を出力部50に流すように構成されることができる。
【0036】
第3電池31、32、33が第2電池20に並列連結される場合、負荷に提供される出力電流の量は、第1電池10の第1電流の実質的増加がなくても、さらに大きくなることができる。
【0037】
また、第3電池31、32、33が第2電池20に直列連結される場合、第2電池20と第電池31、32、33の総電圧は、第2電池20の第2電圧に比べてさらに高くなることができる。
【0038】
これにより、第2電池20と第3電池31、32、33の総電圧は、第1電池10の第1電圧が比較的高い場合、上記第1電圧にさらに容易に合わせることができる。
【0039】
図1cは図1aに示された電池制御装置に電圧調整部が追加された構造を示す図である。
【0040】
図1cを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置は、電圧調整部140をさらに含むことができる。
【0041】
電圧調整部140は、第2電池20の第2電圧が第1電池10の第1電圧にさらに近くなるよう、第2電圧を調整するように構成されることができる。
【0042】
例えば、電圧調整部140は、ブースト(boost)DC-DCコンバータ回路、又はチャージポンプ回路で実現されることができ、第1電池10と第2電池20の間で充放電をサポートすることができる。
【0043】
第2電池20の第2電圧が第1電池10の第1電圧に近くなるほど、第2電池20の第2電流量の変化に伴う負荷の電圧の変化率は小さくなることができる。これにより、負荷は、第1及び第2電池10、20から比較的大きい出力電流の提供を安定的に受けることができ、負荷に連係され得る低電圧保護回路などの動作を防止することができる。
【0044】
図1dは本発明の一実施形態による電池を含む電子機器を示す図である。
【0045】
図1dを参照すると、本発明の一実施形態による電池を含む電子機器は、基板60、第1電池10、第2電池20、及び電池制御部100bを含むことができる。
【0046】
例えば、本発明の一実施形態による電子機器の種類は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smartwatch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができるが、これに限定されない。
【0047】
基板60は、負荷40の配置スペースを提供することができる。
【0048】
例えば、基板60は、プリント回路基板(PCB)のように配線と絶縁層が交互に積層された構造を有することができ、負荷40と電池制御部100bの間を電気的に連結させる第1配線、及び第2電池20と電池制御部100bの間を電気的に連結させる第2配線が配置された構造を有することができる。
【0049】
例えば、負荷40は、中央処理装置(CPU)やアプリケーションプロセッサ(application processor)の一部又は周辺の構成要素であることができ、第1電池10及び/又は第2電池20からの供給を受ける出力電流に基づいて、デジタル及び/又はアナログ信号を生成するか、又は信号に基づいて情報を処理/出力することができる。例えば、上記信号及び/又は情報は、通信モデムや高周波回路などに伝達されて通信に用いられるか、又はディスプレイ装置や映像処理ユニットに伝達されてディスプレイに用いられることができる。
【0050】
例えば、負荷40は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)を介して電池制御部100bの出力電流を調整することができるが、これに限定されない。
【0051】
第1電池10は、負荷40に第1電力を提供し、液体電解質を含むことができる。
【0052】
第2電池20は、基板60上に実装され、固体電解質を含むことができる。
【0053】
電池制御部100bは、本発明の一実施形態による電池制御装置に対応することができる。電池制御部100bは、負荷40の入力電流が基準電流以下である場合には、第2電池20から負荷40に提供される第2電力を遮断し、負荷40の入力電流が基準電流を超えた場合には、第2電力の負荷40への供給を活性化するように構成されることができる。
【0054】
これにより、負荷40は、第1電池10の寿命の短縮を実質的に誘発することなく、広い範囲の出力電流の供給をスムーズに受けることができるため、様々な回路動作を効率的に行うか、又は様々なエネルギー需要に効率的に対応することができる。例えば、負荷40は、比較的大きい出力電流の提供を円滑に受けることができることにより、用いる信号の歪曲現象(例:パルス波形の上昇/下降速度の限界、上昇/下降の飽和など)を防止することができる。
【0055】
すなわち、本発明の一実施形態による電池を含む電子機器は、第1電池10の寿命の短縮を実質的に誘発することなく、負荷40の実質的性能を向上させることができるため、より改善されたアプリケーション(例:通信、ディスプレイ、ビッグデータの管理など)の性能を確保するとともに、第1及び第2電池10、20の安定性及び耐久性を向上させることにより、より改善された電子機器の信頼性及び耐久性を有することができる。
【0056】
一方、図1a~図1dを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置は100a及び/又は電池制御部100bは、第1正極接続部LB+、第1負極接続部LB-、第2正極接続部SB+、及び第2負極接続部SB-を含むことができる。
【0057】
第1正極接続部LB+は、第1電池10の正極が接続されるように構成されることができる。
【0058】
第1負極接続部LB-は、第1電池10の負極が接続されるように構成されることができる。
【0059】
第2正極接続部SB+は、第2電池20の正極が接続されるように構成されることができる。
【0060】
第2負極接続部SB-は、第2電池20の負極が接続されるように構成されることができる。
【0061】
すなわち、第1電池10及び第2電池20は、互いに異なる電気的経路を介して電池制御装置100a及び/又は電池制御部100bに電気的に連結されることができる。
【0062】
これにより、第1電池10及び第2電池20はそれぞれ、電子機器内において互いに適した位置に配置されることができるため、電子機器内における第1電池10及び第2電池20の配置自由度を向上させることができる。
【0063】
例えば、第1電池10が比較的大きいサイズを有する場合、第1電池10は、基板60から分離して配置されることができる。
【0064】
一例として、電池制御部100b及び第2電池20が基板60に電気的に連結される場合、第2正極接続部SB+及び第2負極接続部SB-は、基板60の互いに異なる複数の配線を介して第2電池20の正極及び負極にそれぞれ接続されることができる。
【0065】
図2bは本発明の一実施形態による電池制御装置を示す回路図である。
【0066】
図2bを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置は、第1電流感知部110a、第1電流制限部120a、及び第2電流活性部130aを含むことができ、負荷40aに供給される出力電流に基づいて、第1電池10a及び第2電池20aを制御することができる。
【0067】
第1電池10aは、第1及び第2キャパシタC、C、第0、第1及び第2抵抗R、R、R、及び開放回路電圧Vocの組み合わせでモデリングされることができる。
【0068】
また、第2電池20aは、第3キャパシタCs及び第3抵抗Rsの組み合わせでモデリングされることができる。
【0069】
負荷40aは、最大抵抗Rmax、最小抵抗Rmin、スイッチton、及びtoffの組み合わせでモデリングされることができ、出力部50に連結されることができる。
【0070】
第1電流感知部110aは、第1電流に基づいて感知電流を生成する変流器を含むことができる。変流器の1次側CT11は、第1電池10aと負荷40aの間に電気的に連結されることができ、変流器の2次側CT12は、第1電流制限部120aに電気的に連結されることができる。
【0071】
第1電流制限部120aは、変流器の2次側CT12に流れる感知電流に対応する感知電圧を提供するインピーダンス素子RCTを含むことができる。
【0072】
第1電流制限部120aは、上記感知電圧が基準電流に対応する基準電圧に達した場合、降伏状態になるダイオードUを含むことができる。例えば、ダイオードUは、ツェナーダイオードであることができる。
【0073】
ダイオードUに逆方向バイアスが印加され、上記感知電圧が上記基準電圧に達していない場合、ダイオードUの電流は非常に小さくてもよい。
【0074】
これに対し、ダイオードUに逆方向バイアスが印加され、上記感知電圧が基準電圧に達した場合、ダイオードUの電流は、ダイオードUの降伏状態に応じて急激に大きくなることができる。
【0075】
また、ダイオードUが降伏状態である場合、ダイオードUの電流変化による電圧変化率は非常に小さくてもよい。
【0076】
第1電流制限部120aは、ダイオードUの電圧をゲート端子を介して入力される電流制限トランジスタMを含むことができる。
【0077】
ダイオードUが降伏状態である場合、ダイオードUの電圧がほとんど変わらないため、電流制限トランジスタMのドレイン端子とソース端子の間を流れる電流もほとんど変わらなくてもよい。
【0078】
電流制限トランジスタMは、ドレイン端子とソース端子の間の経路を第1電池10aの第1電流に対応する電流が流れる経路として用いることができる。
【0079】
ダイオードUが降伏状態である場合、電流制限トランジスタMのドレイン端子とソース端子の間を流れる電流がほとんど変わらないため、第1電池10aの第1電流の増加は制限されることができる。
【0080】
すなわち、第1電流制限部120aは、ダイオードUの降伏電圧を用いることにより、第1電池10aの第1電流の増加を制限するように構成されることができる。
【0081】
ダイオードUの電流は、駆動抵抗Rを介して第2電流活性部130aに伝達されることができる。
【0082】
第2電流活性部130aは、ダイオードUの電流の入力を、ベース端子を介して受ける電流活性化トランジスタQを含むことができる。
【0083】
電流活性化トランジスタQは、エミッタ端子とコレクタ端子の間の経路を第2電池20と出力部50の間の電気的経路として用いることができる。
【0084】
ダイオードUが降伏状態ではない場合、電流活性化トランジスタQのベース端子のベース電流は非常に小さくてもよく、電流活性化トランジスタQのエミッタ端子とコレクタ端子の間の電流も小さくてもよい。これにより、電流活性化トランジスタQは、第2電池20と出力部50の間の電気的経路を遮断することができる。
【0085】
ダイオードUが降伏状態である場合、電流活性化トランジスタQのベース端子のベース電流は大きくなってもよく、電流活性化トランジスタQのエミッタ端子とコレクタ端子の間の電流も大きくなってもよい。これにより、電流活性化トランジスタQは、第2電池20と出力部50の間の電気的経路を活性化させることができる。
【0086】
つまり、第2電流活性部130aは、第1電流制限部120aの第1電流の増加の制限動作に基づいて第2電池20の第2電流を出力部50に流すことができる。
【0087】
一方、電流制限トランジスタMは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)であり、電流活性化トランジスタQは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)であることができるが、これに限定されない。例えば、電流活性化トランジスタQは、ベース端子の電流に基づいて動作する他のタイプのトランジスタで構成されることもできる。
【0088】
図2cは第1電流が基準電流以下である場合の図2bに示された第1電流制限部の等価回路を示す回路図である。
【0089】
図2cを参照すると、出力電流I0又は第1電流I1が基準電流IR以下である場合、ダイオードDの電圧VBは、基準電圧VRに達することができず、ダイオードDの電流IBはほぼ0Aに近くなることができる。
【0090】
これにより、第2電流I2もほぼ0Aに近くなることができ、出力電流I0及び第1電流I1はほぼ同一であることができる。
【0091】
図2dは第1電流が基準電流を超えた場合の図2bに示された第1電流制限部の等価回路を示す回路図である。
【0092】
図2dを参照すると、出力電流I0又は第1電流I1が基準電流IRを超えた場合に、ダイオードは、降伏状態に応じて、定電圧源VSとして動作することができる。
【0093】
これにより、ダイオードの電圧VBの変化は制限されることができ、第1電流I1の増加は制限されることができる。
【0094】
また、ダイオードの電流IBは、より自由に変動することができるため、0Aよりも大きくなることができ、第2電流I2も0Aよりも大きくなることができる。これにより、出力電流I0はほとんど変化がない第1電流I1と流動的な第2電流I2の和に対応する量を有することができる。
【0095】
また、ダイオードの降伏状態に応じた定電圧源VSの動作は、電圧調整部140の動作(例:電荷充放電)にも対応することができる。
【0096】
図2eは図2dに示された第1電流制限部及び第2電流活性部の電圧ベースの動作構造を示す回路図である。
【0097】
図2eを参照すると、第2電流活性部130bは、設計に応じて、第2電界効果トランジスタMで実現されることもできる。これにより、第2電流活性部130bに含まれるトランジスタの種類は特に制限されない。
【0098】
ここで、第2電界効果トランジスタMのゲート端子は、ダイオードのゲート抵抗Rと接地抵抗Rに連結されることができ、ダイオードのゲート抵抗Rは、接地に連結されることができる。
【0099】
ダイオードの降伏状態に基づいた定電圧源VSに、他の電流がダイオードゲート抵抗Rと接地抵抗Rを介して接地に流れることができ、ダイオードゲート抵抗Rと上記ゲート端子の間の電圧は、ダイオードの電流に対応することができる。
【0100】
図2fは本発明の一実施形態による電池制御装置の能動制御構造を示す回路図である。
【0101】
図2fを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置は、第1電流感知部110bの感知結果Vに基づいて制御信号Vを生成する制御部150をさらに含むことができる。すなわち、第1電流感知部110bの動作原理は、降伏電圧に限定されない。
【0102】
第1電流制限部120bは、上記制御信号Vに応じて、第1電池10aの第1電流の増加制限の有無が選択されるように構成されることができる。
【0103】
例えば、第1電流制限部120bは、上記制御信号Vに応じて、オン/オフの状態が決定されるスイッチT1を含むことができる。ここで、スイッチT1は、ドレイン端子とソース端子の間の電気的経路の活性化有無を、ゲート端子に入力される制御信号Vに応じて決定するようにトランジスタで構成されることができる。
【0104】
図2gは本発明の一実施形態による電池制御装置の電圧調整部が省略された構造を示す回路図である。
【0105】
図2gを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置の電圧調整部は省略されることができる。
【0106】
例えば、第1及び第2電池10a、20aの第1及び第2電圧が互いに類似する場合、電圧調整部は容易に省略されることができる。
【0107】
例えば、負荷40aに要求される電圧安定性が低いか、又は負荷40aが電圧変動を緩和させる補助構造をさらに含む場合、電圧調整部は容易に省略されることができる。
【0108】
図2hは図1bに示された電池制御装置を示す回路図である。
【0109】
図2hを参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置は、第3電池31、32、33の電流を第2電流活性部130aの活性化有無に応じて選択的に負荷40aに提供することができる。
【0110】
すなわち、本発明の一実施形態による電池制御装置の回路構造における電池の数は、特に限定されない。
【0111】
図3は本発明の一実施形態による電池制御装置の負荷に流れる電流の変化に伴う第1及び第2電池の第1及び第2電流の変化を示すグラフである。
【0112】
図3を参照すると、負荷に供給される総電流IOが増加時間TLの間に最大電流Imaxに増加するとき、第1電池の第1電流I1は基準電流IRまで増加することができ、第2電池の第2電流I2は、第1電流I1が基準電流加した瞬間から増加することができる。
【0113】
図4aは本発明の一実施形態による電池制御装置の制御対象である第2電池を示す側面図である。
【0114】
図4aを参照すると、第2電池20aは、固体電解質21、内部正極22a、内部負極22b、正極遮断部23a、負極遮断部23b、正極マージン部24a、負極マージン部24b、外部正極25a、及び外部負極25bを含むことができる。
【0115】
内部正極22aは、固体電解質21の上面及び下面のうち1つに配置されることができる。内部負極22bは、固体電解質21の上面及び下面のうち他の1つに配置されることができる。
【0116】
例えば、内部正極22a及び内部負極22bは、固体電解質21を間に挟んで交互に積層されることができる。一例として、内部負極22b及び内部正極22aは、セラミック酸化物系材料を含むことができるが、これに限定されない。
【0117】
例えば、固体電解質21は、リチウムイオンが内部正極22aと内部負極22bの間で移動する領域として作用することができ、セラミック酸化物系材料を含むことができるが、これに限定されない。
【0118】
尚、固体電解質21、内部正極22a、及び内部負極22bは、スラリー状態またはペースト状態で積層された後に焼成されることができる。スラリーは、ドクターブレード法などで積層されることができ、ペーストは、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などで所定の形で印刷されることができる。
【0119】
外部正極25aは、内部正極22aに接続され、固体電解質21の第1側面に配置されることができる。
【0120】
また、外部負極25bは、内部負極22bに接続され、固体電解質21の第2側面に配置されることができる。
【0121】
例えば、外部正極25a及び外部負極25bは、貴金属(例:Pt、Au、Ag)を含むことができるが、これに限定されず、Cu、Pd、Pb、Ni、Snのような金属を含むように構成されることもでき、めっき層を含むことができる。
【0122】
外部正極25a及び外部負極25bの外部表面は、はんだペーストに接触することができ、はんだペーストを介してPCBのような基板に電気的に連結されることができる。上記はんだペーストは、全固体電池が基板上に実装された状態で固まることができる。
【0123】
図4bは図4aに示された基板上における第2電池の実装を示す斜視図である。
【0124】
図4bを参照すると、第2電池20aの外部正極25a及び外部負極25bはそれぞれ、第1及び第2電気連結構造体61a、61bの上面上に配置されることができる。第1及び第2電気連結構造体61a、61bは、基板60上に配置されることができる。
【0125】
ここで、外部正極25a及び外部負極25bは、スズ、又はスズを含む合金ベースのはんだにより、第1及び第2電気連結構造体61a、61bにそれぞれ固定されることができる。
【0126】
図5は本発明の一実施形態による電池制御装置、及び/又は電子機器の制御を示すフローチャートである。
【0127】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による電池制御装置及び/又は電子機器は、第1段階S110において、第1電池の第1電流又は出力電流を感知することができる。
【0128】
上記電池制御装置及び/又は電子機器は、第2段階S115において、第1電流が基準電流を超えたか否かを確認することができる。
【0129】
上記電池制御装置及び/又は電子機器は、第3段階S120において、第1電流が基準電流を超えた場合に、第1電流の増加を制限することができる。
【0130】
上記電池制御装置及び/又は電子機器は、第4段階S131において、第1電流が基準電流を超えた場合に、第2電池の第2電流を活性化することができる。
【0131】
上記電池制御装置及び/又は電子機器は、第5段階S132において、第1電流が基準電流以下である場合に、第2電池の第2電流を遮断することができる。
【0132】
一方、本発明の一実施形態による電子機器は、図5に示された制御方法を電池制御装置を介して行うことができるが、これに限定されず、PMICによって行ってもよく、プロセッサなどによりソフトウェア的に行ってもよい。
【0133】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0134】
10 第1電池
20 第2電池
31、32、33 第3電池
40 負荷
50 出力部
100a 電池制御装置
100b 電池制御部
110 第1電流感知部
120 第1電流制限部
130 第2電流活性部
140 電圧調整部
150 制御部
LB+ 第1正極接続部
LB- 第1負極接続部
SB+ 第2正極接続部
SB- 第2負極接続部
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図3
図4a
図4b
図5