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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】照明システムおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20240501BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20240501BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20240501BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240501BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/155
H05B47/165
H05B47/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019227563
(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公開番号】P2021096957
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
(72)【発明者】
【氏名】船山 信介
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-178702(JP,A)
【文献】登録実用新案第3053000(JP,U)
【文献】特開2013-153705(JP,A)
【文献】特開2019-169249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源部と、前記第1光源部を点灯させる第1点灯回路部と、調光器から入力される調光信号に応じて前記第1点灯回路部を制御する第1制御部と、を備える第1照明装置と、
第2光源部と、前記第2光源部を点灯させる第2点灯回路部と、前記調光信号に応じて前記第2点灯回路部を制御する第2制御部と、を備える第2照明装置と、
を備え、
前記調光信号はゆらぎ成分を含み、
前記ゆらぎ成分に応じて前記第1光源部の明るさと前記第2光源部の明るさは、同期してゆらぎ、
前記第1光源部の前記明るさと前記第2光源部の前記明るさのゆらぎは、1/fゆらぎであることを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記調光信号を生成する前記調光器を備えることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記ゆらぎ成分として規定時間毎に調光指令値を受信し、前記調光指令値に応じて前記第1光源部を点灯させ、
前記第2制御部は、前記ゆらぎ成分として前記規定時間毎に前記調光指令値を受信し、前記調光指令値に応じて前記第2光源部を点灯させることを特徴とする請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項4】
第1光源部と、
前記第1光源部を点灯させる第1点灯回路部と、
第2光源部と、
前記第2光源部を点灯させる第2点灯回路部と、
外部から入力される調光信号に応じて前記第1点灯回路部と前記第2点灯回路部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1光源部の明るさを一定に維持するように前記第1点灯回路部を制御しながら、前記第2光源部の明るさがゆらぐように前記第2点灯回路部を制御し、
前記調光信号はゆらぎ成分を含み、
前記制御部は、前記調光信号から前記ゆらぎ成分を除いた調光指令値で前記第1光源部が点灯するように前記第1点灯回路部を制御し、前記ゆらぎ成分に応じて前記第2光源部の前記明るさがゆらぐように前記第2点灯回路部を制御することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
第1光源部と、
前記第1光源部を点灯させる第1点灯回路部と、
第2光源部と、
前記第2光源部を点灯させる第2点灯回路部と、
外部から入力される調光信号に応じて前記第1点灯回路部と前記第2点灯回路部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1光源部の明るさを一定に維持するように前記第1点灯回路部を制御しながら、前記第2光源部の明るさがゆらぐように前記第2点灯回路部を制御し、
前記調光信号はゆらぎ成分を含み、
前記制御部は、前記第1点灯回路部から前記第1光源部への出力電流または出力電圧が予め定められた値と一致するように、前記ゆらぎ成分の周期よりも長い時間をかけてフィードバック制御を行うことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記第2光源部の前記明るさのゆらぎは、1/fゆらぎであることを特徴とする請求項4または5に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システムおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には照明装置が開示されている。この照明装置では、LEDの光量の強弱に1/fゆらぎの特性をもたせて点灯させるパターンを生成し、生成されたパターンに基づいてLEDを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-160553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に複数の照明装置を同時に使用することがある。また、一般施設では天井に複数の照明装置が備えつけられることが多い。このような場合、使用者は複数の照明装置から明かりを得る。
【0005】
ここで、複数の照明装置に対して1/fゆらぎ制御を行うことを考える。特許文献1では、1/fゆらぎの特性をもたせてLEDを点灯させるパターンを照明装置内で生成している。このため、複数の照明装置がそれぞれ1/fゆらぎ制御を行うと、ゆらぎの位相がずれるおそれがある。このため、複数の照明装置からの光を同時に見る使用者は、不快な気分になるおそれがある。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、光源部が複数ある場合に効果的にゆらぎ制御を実現できる照明システムおよび照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明システムは、第1光源部と、該第1光源部を点灯させる第1点灯回路部と、調光器から入力される調光信号に応じて該第1点灯回路部を制御する第1制御部と、を備える第1照明装置と、第2光源部と、該第2光源部を点灯させる第2点灯回路部と、該調光信号に応じて該第2点灯回路部を制御する第2制御部と、を備える第2照明装置と、を備え、該調光信号はゆらぎ成分を含み、該ゆらぎ成分に応じて該第1光源部の明るさと該第2光源部の明るさは、同期してゆらぎ、該第1光源部の該明るさと該第2光源部の該明るさのゆらぎは、1/fゆらぎである。
【0008】
本開示に係る照明装置は、第1光源部と、該第1光源部を点灯させる第1点灯回路部と、第2光源部と、該第2光源部を点灯させる第2点灯回路部と、外部から入力される調光信号に応じて該第1点灯回路部と該第2点灯回路部を制御する制御部と、を備え、該制御部は、該第1光源部の明るさを一定に維持するように該第1点灯回路部を制御しながら、該第2光源部の明るさがゆらぐように該第2点灯回路部を制御し、該調光信号はゆらぎ成分を含み、該制御部は、該調光信号から該ゆらぎ成分を除いた調光指令値で該第1光源部が点灯するように該第1点灯回路部を制御し、該ゆらぎ成分に応じて該第2光源部の該明るさがゆらぐように該第2点灯回路部を制御する。
本開示に係る照明装置は、第1光源部と、該第1光源部を点灯させる第1点灯回路部と、第2光源部と、該第2光源部を点灯させる第2点灯回路部と、外部から入力される調光信号に応じて該第1点灯回路部と該第2点灯回路部を制御する制御部と、を備え、該制御部は、該第1光源部の明るさを一定に維持するように該第1点灯回路部を制御しながら、該第2光源部の明るさがゆらぐように該第2点灯回路部を制御し、該調光信号はゆらぎ成分を含み、該制御部は、該第1点灯回路部から該第1光源部への出力電流または出力電圧が予め定められた値と一致するように、該ゆらぎ成分の周期よりも長い時間をかけてフィードバック制御を行う。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る照明システムでは、調光信号のゆらぎ成分に応じて第1光源部の明るさと第2光源部の明るさは同期してゆらぐ。このため、効果的にゆらぎ制御を実現できる。
本開示に係る照明装置では、第1光源部の明るさは一定に維持され、第2光源部の明るさはゆらぐ。従って、効果的にゆらぎ制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明システムの回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る調光指令値とLED出力比を説明する図である。
図3】時刻T1からT2の拡大図である。
図4】実施の形態2に係る照明装置の回路ブロック図である。
図5】実施の形態2に係るLED出力比を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
各実施の形態に係る照明システムおよび照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明システム100の回路ブロック図である。照明システム100は、第1照明装置10と第2照明装置40を備える。商用電源ACは、第1照明装置10および第2照明装置40に接続され、電力を供給している。
【0013】
また、照明システム100は調光信号入力部60を備える。調光信号入力部60は、第1照明装置10および第2照明装置40に接続される。調光信号入力部60は、例えば第1照明装置10および第2照明装置40の外部に設けられた調光器である。調光信号入力部60は、後述する調光信号を生成する。調光信号入力部60は、第1照明装置10および第2照明装置40に調光信号を送信する。
【0014】
商用電源AC及び調光信号入力部60に対して、第1照明装置10と第2照明装置40は並列に接続されている。
【0015】
第1照明装置10は、商用電源ACと接続されるACDC変換部11を備える。ACDC変換部11は交流電源である商用電源ACから供給される電圧を整流して脈流電圧を生成する。また、ACDC変換部11は、脈流電圧から平滑された直流電圧を生成する。ACDC変換部11の出力は、第1点灯回路部21及び第2点灯回路部22に接続されている。
【0016】
第1点灯回路部21と第2点灯回路部22の出力には、それぞれ第1光源部31と第2光源部32が接続される。第1点灯回路部21と第2点灯回路部22は、それぞれACDC変換部11で生成された直流電圧を電力変換して、第1光源部31および第2光源部32に供給する。これにより、第1点灯回路部21は第1光源部31を点灯させる。また、第2点灯回路部22は第2光源部32を点灯させる。
【0017】
第1光源部31及び第2光源部32は、それぞれ複数のLEDで構成される。これに限らず、第1光源部31と第2光源部32の各々は、1つ以上のLEDから構成されればよい。また、第1光源部31と第2光源部32の各々は、光源としてLED以外の発光素子を有しても良い。第1光源部31と第2光源部32は、色、明るさ等が異なる。
【0018】
また、第1照明装置10は、調光信号入力部60と接続される調光信号変換部12を備える。調光信号変換部12の出力は、第1点灯回路部21及び第2点灯回路部22に接続される。調光信号変換部12は検出した調光信号を制御信号に変換する。調光信号変換部12は、制御信号を第1点灯回路部21に送信し、第1光源部31の明るさを制御する。また、調光信号変換部12は、制御信号を第2点灯回路部22に送信し、第2光源部32の明るさを制御する。
【0019】
このように、調光信号変換部12は、外部から入力される調光信号に応じて第1点灯回路部21および第2点灯回路部22を制御する第1制御部である。調光信号変換部12は、調光信号に応じて第1光源部31と第2光源部32の明るさが変化するように調光指令を行う。なお、調光信号変換部12が第1点灯回路部21および第2点灯回路部22に送信する制御信号は、同じであっても異なっていても良い。
【0020】
第2照明装置40の構成は、第1照明装置10と同様である。第2照明装置40は、ACDC変換部11および調光信号変換部12に代えて、ACDC変換部41および調光信号変換部42を備える。
【0021】
また、第2照明装置40は、第1点灯回路部21と第2点灯回路部22に代えて、第3点灯回路部23と第4点灯回路部24を備える。また、第2照明装置40は、第1光源部31と第2光源部32に代えて、第3光源部33と第4光源部34を備える。
【0022】
調光信号変換部42は、外部から入力される調光信号に応じて第3点灯回路部23および第4点灯回路部24を制御する第2制御部である。調光信号変換部42は、調光信号に応じて第3光源部33と第4光源部34の明るさが変化するように調光指令を行う。
【0023】
図2は、実施の形態1に係る調光指令値とLED出力比を説明する図である。ここで、第1光源部31~第4光源部34の各々において、LED出力比は最大LED出力に対する現在のLED出力の割合を意味する。第1点灯回路部21~第4点灯回路部24の各点灯回路部において、光源部への出力電力が定電流制御されている場合、LED出力は点灯回路部の出力電流である。また、各点灯回路部で光源部への出力電力が定電圧制御されている場合、LED出力は点灯回路部の出力電圧である。
【0024】
LED出力は、例えば第1光源部31~第4光源部34の各々の明るさまたは光源電流に対応する。ここで、明るさは例えば照度である。LED出力比は、調光信号に含まれる調光指令値に比例する。LED出力比は、各光源部の調光率に対応しても良い。
【0025】
第1光源部31~第4光源部34は、色または明るさ等の特性が異なっていても良い。また、第1点灯回路部21~第4点灯回路部24は、同じ調光指令値に対して出力電圧または出力電流が異なっても良い。以上から、同じ調光指令値に対して、第1光源部31~第4光源部34の出力する光の明るさまたは色は、異なる場合がある。一方で、第1光源部31~第4光源部34について、同じ調光指令値に対するLED出力比は同じである。
【0026】
調光信号の調光指令値はゆらぎ成分を含む。図2に示されるように、調光指令値は平均値に対してゆらいでいる。各光源部のLED出力は調光指令値に従う。このため、LED出力には、平均出力に対してゆらぎ成分が重畳される。つまり、調光信号のゆらぎ成分に応じて、第1光源部31~第4光源部34の明るさはゆらぐ。
【0027】
本実施の形態の調光信号は、調光信号入力部60で生成される。調光信号は、第1照明装置10及び第2照明装置40に送信される。このため、第1光源部31~第4光源部34では、同様にLED出力が変動する。従って、図2に示されるように、第1光源部31~第4光源部34の明るさは、同期してゆらぐ。
【0028】
本実施の形態において、調光信号のゆらぎ成分は1/fゆらぎである。つまり、第1光源部31~第4光源部34の各々のLED出力のゆらぎは、1/fゆらぎとなる。従って、第1照明装置10と第2照明装置40において、同期した1/fゆらぎパターンを実現できる。
【0029】
図3は、時刻T1からT2の拡大図である。調光信号入力部60からは、規定時間ΔT毎に調光指令値が出力される。調光信号入力部60は例えば1kHzで調光指令値を含む調光信号を出力する。このため、調光信号変換部12は、ゆらぎ成分として規定時間ΔT毎に調光指令値を受信する。調光信号変換部12は、受信した調光指令値に応じて第1光源部31および第2光源部32を点灯させる。同様に、調光信号変換部42は、ゆらぎ成分として規定時間ΔT毎に調光指令値を受信する。調光信号変換部42は、受信した調光指令値に応じて第3光源部33および第4光源部34を点灯させる。従って、各光源部において規定時間ΔT毎にLED出力が設定される。
【0030】
このように、第1照明装置10と第2照明装置40には、ゆらぎ成分を含んだ調光信号がストリーミング送信される。調光信号変換部12、42は、規定時間ΔT毎に受信した調光指令値を、順番にLED出力に反映させる。これにより、各光源部のLED出力はストリーミング制御される。また、ストリーミング送信された各調光指令値は第1光源部31~第4光源部34で同時に反映される。従って、第1照明装置10と第2照明装置40で同期した1/fゆらぎを実現することができる。
【0031】
自然界に存在する1/fゆらぎは、人に快適感を与えるものとして一般に認知されている。具体的には、ろうそくの炎、そよ風、小川のせせらぎなど様々な自然現象の中に1/fゆらぎが発見されている。このような1/fゆらぎには、リラクゼーション効果があると言われている。1/fゆらぎは、様々な民生品に採用されている。照明装置においても、1/fゆらぎはリラクゼーション効果を期待して採用されることがある。
【0032】
ここで、点灯装置を制御するICによって、1/fゆらぎ制御が実現されることがある。例えば、ICが記憶している不特定パターンによって光源部を点灯制御することで、1/fゆらぎ制御が実現させることが考えられる。しかし、不特定パターンを複数の照明装置のそれぞれで実施すると、パターンにずれが生じる可能性がある。このため、複数の照明装置の全体から得られる光には、1/fゆらぎが効果的に反映されないおそれがある。また、使用者が不快な気分になるおそれがある。
【0033】
これに対し本実施の形態では、第1光源部31~第4光源部34の明るさは、同期してゆらぐ。従って、光源部が複数ある場合に効果的にゆらぎ制御を実現できる。また、使用者が不快な気分になることを抑制できる。
【0034】
本実施の形態のゆらぎ制御は1/fゆらぎ制御である。1/fゆらぎの周波数fは、例えば第1光源部31~第4光源部34の何れかが発する光の周波数である。これに限らず、調光信号が含むゆらぎ成分は、1/fゆらぎではなくても良い。ゆらぎ成分は、例えば周期的に変化する成分またはランダムなゆらぎの成分であっても良い。
【0035】
本実施の形態では、第1光源部31~第4光源部34に調光指令値を同時に反映させる方法として、ストリーミング制御の例を挙げた。これに限らず、ゆらぎ制御を実現するためのプログラムが調光信号変換部12、42の各々で実行されるものとしても良い。この場合、照明システム100は、調光信号変換部12、42に同じタイミングでプログラムを実施させる同期手段を備えても良い。
【0036】
本実施の形態の調光信号は、例えば符号付きのコマンド信号である。調光信号は、PWM(Pulse Width Modulation)信号などの有線信号であっても良い。また、調光信号は無線信号でも構わない。調光信号は、第1照明装置10と第2照明装置40が調光信号に従って動作するものであればよい。
【0037】
また、調光信号入力部60は、例えばユーザーから入力された調光指令値にゆらぎ成分を重畳させて、調光信号として出力しても良い。この場合、ユーザーから入力される調光指令値は、例えば図2に示される調光指令値の平均値に該当する。調光信号入力部60は、マイコンまたは専用のハードウェアから構成されても良い。調光信号入力部60は、壁スイッチまたはリモコンであっても良い。
【0038】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明システムおよび照明装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明システムおよび照明装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0039】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る照明装置210の回路ブロック図である。照明装置210は、ゆらぎ信号解析部213を備える点が第1照明装置10と異なる。照明装置210において、ACDC変換部11の出力は、第1点灯回路部221及び第2点灯回路部222に接続されている。第1点灯回路部221と第2点灯回路部222の出力には、それぞれ第1光源部231と第2光源部232が接続される。
【0040】
調光信号変換部12の出力は、第1点灯回路部221及びゆらぎ信号解析部213に接続される。ゆらぎ信号解析部213の出力は第2点灯回路部222に接続される。
【0041】
本実施の形態では、調光信号入力部60から入力される調光信号には、ゆらぎ成分が含まれていない。調光信号変換部12は調光信号入力部60からの調光信号を制御信号に変換する。調光信号変換部12は、制御信号を第1点灯回路部221に送信し、第1光源部231の明るさを制御する。このとき、第1光源部231の明るさは、調光信号に応じて一定に設定される。
【0042】
また、調光信号変換部12は、制御信号をゆらぎ信号解析部213に送信する。ゆらぎ信号解析部213はゆらぎ成分を生成する。ゆらぎ信号解析部213は、調光信号変換部12から受けた制御信号に応じて、ゆらぎ成分を算出する。ゆらぎ成分は、例えば第2光源部232が発する光の周波数等に応じて算出されても良い。ゆらぎ信号解析部213は、制御信号にゆらぎ成分を重畳させて第2点灯回路部222に送信する。これにより、第2光源部232の明るさが制御される。このとき、第2光源部232の明るさは、ゆらぎ成分に応じてゆらぐ。
【0043】
本実施の形態では、調光信号変換部12とゆらぎ信号解析部213は、外部から入力される調光信号に応じて第1点灯回路部221と第2点灯回路部222を制御する制御部を構成する。制御部は、調光信号に応じて第1光源部231の明るさを一定に維持するように第1点灯回路部221を制御する。また制御部は、ゆらぎ成分を生成し、ゆらぎ成分に応じて第2光源部232の明るさがゆらぐように第2点灯回路部222を制御する。第2光源部232の明るさのゆらぎは、例えば1/fゆらぎである。
【0044】
図5は、実施の形態2に係るLED出力比を説明する図である。第1光源部231にはゆらぎ成分が反映されないため、LED出力比は一定である。一方で、第2光源部232のLED出力比には、平均出力に対してゆらぎ成分が重畳される。つまり、制御信号のゆらぎ成分に応じて、第2光源部232の明るさはゆらぐ。
【0045】
このように、照明装置210は、ゆらぎ成分を含まないで点灯する第1光源部231と、ゆらぎ成分を含んで点灯する第2光源部232を備える。制御部は、第1光源部231の明るさを一定に維持するように第1点灯回路部221を制御しながら、第2光源部232の明るさがゆらぐように第2点灯回路部222を制御する。
【0046】
本実施の形態では、ベースとなる規定の明るさを第1光源部231から得ながら、ゆらぎによる演出効果を第2光源部232から得ることができる。従って、光源部が複数ある場合にも、効果的にゆらぎ制御を実現できる。
【0047】
本実施の形態は、複数色の光源部を備える照明装置において、ゆらぎ制御をすべての光源部に適用する必要がない場合に特に有効である。照明装置210において、例えばベースとなる白色光を第1光源部231から出力し、暖色系または寒色系の光を第2光源部232からゆらぎを持たせて出力しても良い。これにより、使用者は一定の照度を得ながら快適性を得ることができる。従って、本実施の形態によれば、照明装置210の使用形態の可能性を広げることができる。なお、第1光源部231と第2光源部232の色は同じであっても良い。
【0048】
また、本実施の形態において、ゆらぎ成分の出力源はゆらぎ信号解析部213のみである。従って、ゆらぎパターンがずれることを防止でき、使用者が不快な気分になることを抑制できる。
【0049】
また、調光信号入力部60から入力される調光信号は、ゆらぎ成分を含んでいても良い。この場合、制御部は調光信号からゆらぎ成分を取り除き、第1点灯回路部221に送信する。制御部は、ゆらぎ成分を除いた調光指令値で第1光源部231が点灯するように、第1点灯回路部221を制御する。また、制御部は調光信号に含まれるゆらぎ成分に応じて第2光源部232の明るさがゆらぐように、第2点灯回路部222を制御する。
【0050】
また、第1点灯回路部221は、調光信号変換部12から送信される制御信号のゆらぎ成分を無視するように構成されていても良い。例えば、調光信号変換部12は、第1点灯回路部221から第1光源部231への出力電流または出力電圧が予め定められた値と一致するように、フィードバック制御を行う。このとき、調光信号変換部12は、フィードバック制御をゆらぎ成分の周期よりも長い時間をかけて実施しても良い。これにより、実質的にゆらぎ成分が無効となる。
【0051】
本実施の形態の照明装置210には2つの光源部が設けられた。これに限らず、光源部は複数設けられれば良い。この場合、複数の光源部のうち少なくとも1つで明るさが一定に制御され、複数の光源部のうち少なくとも1つで明るさがゆらぐように制御されればよい。
【0052】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 第1照明装置、11 ACDC変換部、12 調光信号変換部、21 第1点灯回路部、22 第2点灯回路部、23 第3点灯回路部、24 第4点灯回路部、31 第1光源部、32 第2光源部、33 第3光源部、34 第4光源部、40 第2照明装置、41 ACDC変換部、42 調光信号変換部、60 調光信号入力部、100 照明システム、210 照明装置、213 ゆらぎ信号解析部、221 第1点灯回路部、222 第2点灯回路部、231 第1光源部、232 第2光源部、AC 商用電源
図1
図2
図3
図4
図5