(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】電池温調装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6557 20140101AFI20240501BHJP
F28F 13/02 20060101ALI20240501BHJP
F28F 27/02 20060101ALI20240501BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240501BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240501BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20240501BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240501BHJP
【FI】
H01M10/6557
F28F13/02 Z
F28F27/02 C
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/617
H01M10/647
(21)【出願番号】P 2020005226
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001472
【氏名又は名称】弁理士法人かいせい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓善
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 智秀
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-228301(JP,A)
【文献】特開2012-123997(JP,A)
【文献】特開2015-103392(JP,A)
【文献】特開2014-127402(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0006822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6557
H01M 10/613
H01M 10/615
H01M 10/617
H01M 10/647
H01M 50/20
F28F 13/02
F28F 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の電池セル(11)を有する電池モジュール(10)と、
内部を流れる熱媒体と前記電池セルとを熱交換する複数の熱交換器(20、30)と、
を備え、
前記熱交換器は、前記熱媒体が流入する流入部(21、31)と、前記熱媒体が流出する流出部(22、32)とを有しており、
隣接する前記熱交換器は、一方の前記熱交換器の前記熱媒体の流れ方向における前記流入部に近い上流側部位と、他方の前記熱交換器の前記熱媒体の流れ方向における前記流出部に近い下流側部位とが熱的に接触し、一方の前記熱交換器の前記下流側部位と、他方の前記熱交換器の前記上流側部位とが熱的に接触して
おり、
前記熱交換器は、前記電池セルとともに積層され、内部を流れる熱媒体と前記電池セルとを熱交換する複数の熱交換部(20a、30a)を有しており、
前記熱媒体は複数の前記熱交換部を連続的に流れるようになっており、
前記熱交換器は、前記電池モジュールの全体に渡って蛇行状に設けられており、
前記熱交換部は、2つの前記電池セルに挟まれて配置されている電池温調装置。
【請求項2】
隣接する前記熱交換器は、前記熱媒体の流れ方向が逆向きになっており、
一方の前記熱交換器の前記流入部と他方の前記熱交換器の前記流出部が前記電池セルの積層方向における同じ側に設けられており、一方の前記熱交換器の前記流出部と他方の前記熱交換器の前記流入部が、前記電池セルの積層方向における同じ側に設けられている請求項1に記載の電池温調装置。
【請求項3】
隣接する前記熱交換器は、互いに接触する面がそれぞれ対応する形状となっている請求項1または2に記載の電池温調装置。
【請求項4】
積層された複数の電池セル(11)を有する電池モジュール(10)と、
内部を流れる熱媒体が流れる複数の熱媒体通路(40a、40
b)を有し、前記熱媒体と前記電池セルとを熱交換す
る熱交換器(4
0)と、
を備え、
前記熱交換器は、前記熱媒体が流入する流入部(4
1)と、前記熱媒体が流出する流出部(4
2)とを有しており、
隣接する前記熱媒体通路は、一方の前記熱媒体通路の前記熱媒体の流れ方向における前記流入部に近い上流側部位と、他方の前記熱媒体通路の前記熱媒体の流れ方向における前記流出部に近い下流側部位とが熱的に接触し、一方の前記熱媒体通路の前記下流側部位と、他方の前記熱媒体通路の前記上流側部位とが熱的に接触して
おり、
前記熱交換器は、前記電池セルとともに積層され、内部を流れる熱媒体と前記電池セルとを熱交換する複数の熱交換部(40c)を有しており、
前記熱媒体は複数の前記熱交換部を連続的に流れるようになっており、
前記熱交換器は、前記電池モジュールの全体に渡って蛇行状に設けられており、
前記熱交換部は、2つの前記電池セルに挟まれて配置されている電池温調装置。
いる電池温調装置。
【請求項5】
隣接する前記熱媒体通路は、前記熱媒体の流れ方向が逆向きになっており、
一方の前記熱媒体通路の前記流入部と他方の前記熱媒体通路の前記流出部が前記電池セルの積層方向における同じ側に設けられており、一方の前記熱媒体通路の前記流出部と他方の前記熱媒体通路の前記流入部が、前記電池セルの積層方向における同じ側に設けられている請求項4に記載の電池温調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の温度を調整する電池温調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電池セルが積層された電池モジュールと、電池セルとともに積層され、内部を熱媒体と電池セルとを熱交換する複数の熱交換器を備えた電池温調装置が開示されている。この電池温調装置では、複数の熱交換器を並列接続して熱媒体流通機構を構成し、複数の熱媒体流通機構を熱媒体流れ方向に沿って直接接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の電池温調装置では、熱交換器で電池セルと熱交換する熱媒体は、熱媒体流れ方向の下流側に行くにしたがって、上流側との温度差が大きくなる。この結果、電池モジュール内で温度分布が発生する。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、熱媒体が流れる熱交換器によって複数の電池セルが積層された電池モジュールの温度調整を行う電池温調装置において、電池モジュール内の温度分布を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の電池温調装置は、電池モジュール(10)と、複数の熱交換器(20、30)とを備える。電池モジュールは、積層された複数の電池セル(11)を有する。複数の熱交換器は、内部を流れる熱媒体と前記電池セルとを熱交換する。
【0007】
熱交換器は、熱媒体が流入する流入部(21、31)と、熱媒体が流出する流出部(22、32)とを有している。隣接する熱交換器は、一方の熱交換器の熱媒体流れ方向における流入部に近い上流側部位と、他方の熱交換器の熱媒体流れ方向における流出部に近い下流側部位とが熱的に接触している。また、一方の熱交換器の下流側部位と、他方の熱交換器の上流側部位とが熱的に接触している。熱交換器は、電池セルとともに積層され、内部を流れる熱媒体と電池セルとを熱交換する複数の熱交換部(20a、30a)を有している。熱媒体は複数の熱交換部を連続的に流れるようになっている。熱交換器は、電池モジュールの全体に渡って蛇行状に設けられている。熱交換部は、2つの電池セルに挟まれて配置されている。
また、請求項4に記載の電池温調装置は、電池モジュール(10)と、熱交換器(40)とを備える。電池モジュールは、積層された複数の電池セル(11)を有している。熱交換器は、内部を流れる熱媒体が流れる複数の熱媒体通路(40a、40b)を有し、熱媒体と電池セルとを熱交換する。
熱交換器は、熱媒体が流入する流入部(41)と、熱媒体が流出する流出部(42)とを有している。隣接する熱媒体通路は、一方の熱媒体通路の熱媒体の流れ方向における流入部に近い上流側部位と、他方の熱媒体通路の熱媒体の流れ方向における流出部に近い下流側部位とが熱的に接触し、一方の熱媒体通路の下流側部位と、他方の熱媒体通路の上流側部位とが熱的に接触している。熱交換器は、電池セルとともに積層され、内部を流れる熱媒体と電池セルとを熱交換する複数の熱交換部(40c)を有している。熱媒体は複数の熱交換部を連続的に流れるようになっている。熱交換器は、電池モジュールの全体に渡って蛇行状に設けられている。熱交換部は、2つの電池セルに挟まれて配置されている。
【0008】
これにより、隣接する複数の熱交換器のそれぞれで、熱媒体流れ方向の上流側部位と下流側部位における温度分布を抑制できる。この結果、電池モジュールを構成する電池セルを均温化することができ、電池モジュールの温度分布を抑制できる。
【0009】
なお、上記各構成要素の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の電池温調装置の斜視図である。
【
図2】第1実施形態の電池温調装置の平面図である。
【
図3】第1実施形態の電池温調装置の正面図である。
【
図4】第1実施形態の電池温調装置の主要構成を示す平面図である。
【
図8】セル積層方向に直交する方向の熱交換器の断面図である。
【
図9】第2実施形態の電池温調装置の斜視図である。
【
図10】第2実施形態の電池温調装置の正面図である。
【
図11】第2実施形態の電池温調装置の主要構成を示す平面図である。
【
図12】第2実施形態のセル積層方向に直交する方向の熱交換器の断面図である。
【
図13】第3実施形態の電池温調装置の斜視図である。
【
図14】第3実施形態のセル積層方向に直交する方向の熱交換器の断面図である。
【
図15】第4実施形態の電池温調装置の主要構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態のうち、第1~第3実施形態が、特許請求の範囲に記載した発明の実施形態であり、第4実施形態は、参考例として示す形態である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図4に示すように、本実施形態の電池温調装置1は、電池モジュール10と、熱交換器20、30とを備えている。電池モジュール10と熱交換器20は積層体を構成している。なお、
図4では、拘束部材102、103、104、105の図示を省略している。
【0012】
電池モジュール10は、積層された複数の電池セル11によって構成されている。電池セル11は、平坦な板面を有する扁平形状となっている。本実施形態の電池セル11は扁平な直方体形状であり、矩形状の板面を有している。
【0013】
複数の電池セル11は、それぞれの板面が平行となるように並列配置されている。電池セル11の板面は、電池セル11の積層方向と直交している。以下、電池セル11の積層方向を「セル積層方向」という。
図1では、紙面の左下と右上を結ぶ方向がセル積層方向であり、
図2~
図6では、紙面左右方向がセル積層方向である。
【0014】
電池セル11は、任意の種類の電池を用いることができ、本実施形態ではリチウムイオン電池を用いている。リチウムイオン電池は充放電可能な2次電池である。電池セル11の表面は、例えばポリプロピレンからなる絶縁フィルムで覆われている。電池セル11としては、角型やラミネート型といった形状の電池を用いることができる。
【0015】
積層された電池セル11の両端に、一組のエンドプレート100、101が配置されている。第1エンドプレート100および第2エンドプレート101は、両端に位置する電池セル11の外側に配置されている。第1エンドプレート100および第2エンドプレート101は、それぞれ電池セル11に対応した形状となっており、電池セル11とともに積層されている。
【0016】
一組のエンドプレート100、101は、拘束部材102、103、104、105で接続されている。拘束部材102、103、104、105は、一組のエンドプレート100、101の対応する角部同士を接続するように設けられている。積層された電池セル11と熱交換器20、30は、エンドプレート100、101の外側から所定の拘束荷重をかけられた状態で、拘束部材102、103、104、105によって固定されている。
【0017】
熱交換器20、30は、内部を熱媒体が流通しており、電池セル11と熱媒体との熱交換を行う。これにより、電池セル11が冷却または加熱され、電池セル11が温度調整される。本実施形態では、熱交換器20、30を流れる熱媒体によって、電池セル11が冷却されるものとする。熱交換器20、30で低温の熱媒体によって電池セル11を冷却する場合には、熱媒体は熱媒体流れ方向の下流側に行くにしたがって、電池セル11から熱を受け取って温度が上昇する。
【0018】
熱交換器20、30は、例えばアルミニウムによって構成することができる。熱媒体としては、例えばエチレングリコール系の不凍液(LLC)を用いることができる。
【0019】
熱交換器20、30は、扁平断面を有する管状部材である。熱交換器20、30は、電池モジュール10におけるセル積層方向の全長に渡って形成されている。
【0020】
本実施形態では、複数種類の熱交換器20、30が設けられている。複数種類の熱交換器20、30には、第1熱交換器20と第2熱交換器30が含まれている。第1熱交換器20と第2熱交換器30は、熱媒体流れ方向が異なっている。
【0021】
本実施形態の電池温調装置1は、第1熱交換器20と第2熱交換器30が3個ずつ設けられている。
図3~
図7では、第1熱交換器20の熱媒体流れ方向を破線で示し、第2熱交換器30の熱媒体流れ方向を一点鎖線で示している。
図8では、紙面垂直方向が熱交換器20、30の熱媒体流れ方向となっている。
【0022】
図5、
図6に示すように、第1熱交換器20と第2熱交換器30は同一形状である。第1熱交換器20と第2熱交換器30は、セル積層方向を回転軸として180°反転した状態となっている。
【0023】
図5に示すように、第1熱交換器20は、熱交換部20aと接続部20bとを有している。
図6に示すように、第2熱交換器30は、熱交換部30aと接続部30bとを有している。熱交換器20、30において、熱交換部20a、30aは、2つの電池セル11に挟まれた部位であり、電池セル11とともに積層されている。接続部20b、30bは、隣接する熱交換部20a、30aを接続する部位である。
【0024】
熱交換部20a、30aは平板状であり、接続部20b、30bは湾曲している。複数の熱交換部20a、30aは、セル積層方向に所定間隔で並列配置されている。熱交換部20aは、板面がセル積層方向に直交するように配置されており、熱媒体流れ方向がセル積層方向に直交している。隣接する熱交換部20a、30aは接続部20b、30bによって接続され、蛇行状の熱交換器20、30を構成している。つまり、熱交換器20、30は、蛇行状に折り曲げられたサーペンタイン型となっている。
【0025】
熱交換器20、30は、内部に熱媒体通路が形成された筒状部材である。
図8に示すように、本実施形態の熱交換器20、30は、熱媒体流れ方向に直交する断面が矩形となっている。
【0026】
本実施形態の熱交換器20、30では、一つの筒状部材を接続部20bに対応する部位を曲げ加工することで蛇行状にしている。このため、熱交換部20a、30aと接続部20b、30bは一体的に構成されている。
【0027】
セル積層方向において、電池セル11と、熱交換器20、30の熱交換部20a、30aとが交互に積層して配置されている。セル積層方向に隣接する熱交換部20a、30aの間には、1つの電池セル11が配置されている。熱交換部20a、30aは、隣接する電池セル11と熱的に接触している。本明細書において「熱的に接触」とは、熱の授受が可能となっていればよく、直接接触している構成のみならず、他の部材を介して間接的に接触している場合を含む。
【0028】
本実施形態の電池温調装置1は、第1熱交換器20と第2熱交換器30がそれぞれ複数設けられている。複数の第1熱交換器20と複数の第2熱交換器30は、熱交換器20、30の幅方向に交互に積層されている。熱交換器20、30の数は任意に設定でき、熱交換器20、30の数が多いほど、熱交換器20、30同士の接触面積を大きくすることができる。
【0029】
第1熱交換器20と第2熱交換器30は、それぞれ1個以上設けられていればよい。本実施形態の電池温調装置1は、第1熱交換器20と第2熱交換器30が3個ずつ設けられており、合計6個の熱交換器20、30が積層されている。
【0030】
熱交換器20、30の幅方向は、熱媒体流れ方向に直交する熱交換部20a、30aの板面に沿った方向である。
図1、
図3、
図7、
図8では紙面上下方向が熱交換器20、30の幅方向であり、
図2、
図4~
図6では紙面垂直方向が熱交換器20、30の幅方向である。熱交換器20、30の幅方向は、熱交換器20、30の積層方向と一致している。
【0031】
複数の熱交換器20、30では、熱交換部20a、30aは重なり合っているのに対し、接続部20b、30bは重なり合っていない。熱交換器20、30の幅方向からみたとき、第1熱交換器20の接続部20bと第2熱交換器30の接続部30bは互い違いに配置されている。具体的には、電池セル11の一端側に第1熱交換器20の接続部20bが配置され、電池セル11の他端側に第2熱交換器30の接続部30bが配置されている。このため、電池セル11の両端は、第1熱交換器20の接続部20bと第2熱交換器30の接続部30bで挟まれた状態となっている。
【0032】
第1熱交換器20には、第1流入部21および第1流出部22が設けられている。第2熱交換器30には、第2流入部31および第2流出部32が設けられている。流入部21、31は、熱交換器20、30の内部に熱媒体を流入させる。流出部22、32は、熱交換器20、30の内部から熱媒体を流出させる。
【0033】
第1流入部21と第2流出部32は、第2エンドプレート101に設けられている。第1流出部22と第2流入部31は、第1エンドプレート100に設けられている。つまり、熱交換器20、30では、第1流入部21と第2流出部32はセル積層方向における同じ側に設けられており、第1流出部22と第2流入部31はセル積層方向における同じ側に設けられている。
【0034】
第1熱交換器20の流入側端部は、第2エンドプレート101に接続されており、第1熱交換器20の流出側端部は、第1エンドプレート100に接続されている。第2熱交換器30の流入側端部は、第1エンドプレート100に接続されており、第2熱交換器30の流出側端部は、第2エンドプレート101に接続されている。
【0035】
第1エンドプレート100および第2エンドプレート101の内部には、流入部21、31から流入した熱媒体を分岐して熱交換器20、30に供給する流入側連通路が設けられている。同様に、第1エンドプレート100および第2エンドプレート101の内部には、熱交換器20、30を流れた熱媒体を集合して流出部22、32に供給する流出側連通路が設けられている。
【0036】
第1熱交換器20は、第2エンドプレート101内に設けられた流入側連通路を介して第1流入部21と連通し、第1エンドプレート100内に設けられた流出側連通路を介して第1流出部22と連通している。第2熱交換器30は、第1エンドプレート100内に設けられた流入側連通路を介して第2流入部31と連通し、第2エンドプレート101内に設けられた流出側連通路を介して第2流出部32と連通している。
【0037】
第1流入部21から流入した熱媒体は、第2エンドプレート101内の流入側連通路で分岐して複数の第1熱交換器20に供給される。複数の第1熱交換器20を流れる熱媒体は、第1エンドプレート100内の流出側連通路で集合して第1流出部22に供給される。
【0038】
第2流入部31から流入した熱媒体は、第1エンドプレート100内の流入側連通路で分岐して複数の第2熱交換器30に供給される。複数の第2熱交換器30を流れる熱媒体は、第2エンドプレート101内の流出側連通路で集合して第2流出部32に供給される。
【0039】
第1熱交換器20と第2熱交換器30は、セル積層方向において熱媒体が一方向に流れる。第1熱交換器20と第2熱交換器30では、熱媒体流れ方向がセル積層方向において逆向きになっている。つまり、第1熱交換器20における第1流入部21から第1流出部22に向かう方向と、第2熱交換器30における第2流入部31から第2流出部32に向かう方向が逆向きになっている。
【0040】
第1熱交換器20は、
図2~
図4等において、図中の右側に第1流入部21が設けられており、左側に第1流出部22が設けられている。このため、第1熱交換器20では、
図2~
図4等において、熱媒体は図中の右側から左側に向かって蛇行しながら流れる。
【0041】
第2熱交換器30は、
図2~
図4等において、図中の左側に第2流入部31が設けられ、右側に第2流出部32が設けられている。このため、第2熱交換器30では、
図2~
図4等において、熱媒体は図中の左側から右側に向かって蛇行しながら流れる。
【0042】
図7、
図8に示すように、第1熱交換器20と第2熱交換器30は、それぞれの熱交換部20a、30aが重なり合った状態で積層されている。このため、第1熱交換器20の熱交換部20aと第2熱交換器30の熱交換部30aは、熱的に接触している。
【0043】
本実施形態では、第1熱交換器20の熱媒体流れ方向の上流側に位置する熱交換部20aと、第2熱交換器30の熱媒体流れ方向の下流側に位置する熱交換部30aが熱的に接触している。また、第1熱交換器20の熱媒体流れ方向の下流側に位置する熱交換部20aと、第2熱交換器30の熱媒体流れ方向の上流側に位置する熱交換部30aとが熱的に接触している。
【0044】
つまり、隣接する熱交換器20、30は、一方の熱交換器20、30の上流側部位と、他方の熱交換器20、30の下流側部位とが熱的に接触しており、一方の熱交換器20、30の下流側部位と、他方の熱媒体流れの上流側部位とが熱的に接触している。熱交換器20、30の上流側部位は、熱交換器20、30における熱媒体流れの流入部20a、20aに近い部位であり、熱交換器20、30の下流側部位は、熱交換器20、30における熱媒体流れの流出部20b、20bに近い部位である。
【0045】
上述のように、熱交換器20、30で低温の熱媒体によって電池セル11を冷却する場合には、熱媒体は熱媒体流れ方向の下流側に行くにしたがって温度が上昇する。本実施形態では、隣接する熱交換器20、30において、互いの上流側部位と下流側部位との間で熱の移動が行われる。これにより、隣接する熱交換器20、30において、互いの温度が高くなる部位と温度が低くなる部位との間で熱の移動を行うことができ、複数の熱交換器20、30のそれぞれで温度分布を抑制できる。
【0046】
以上説明した本実施形態では、電池温調装置1に熱媒体流れ方向が異なる複数種類の熱交換器20、30を設け、互いの上流側部位と下流側部位が熱的に接触するように配置している。これにより、隣接する第1熱交換器20と第2熱交換器30のそれぞれで、熱媒体流れ方向の上流側部位と下流側部位における温度分布を抑制できる。この結果、電池モジュール10を構成する電池セル11を均温化することができ、電池モジュール10の温度分布を抑制できる。
【0047】
また、本実施形態では、複数の第1熱交換器20と複数の第2熱交換器30を交互に積層することで、第1熱交換器20および第2熱交換器30の接触面積を大きくすることができる。これにより、第1熱交換器20と第2熱交換器30との間の熱交換効率を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、複数の第1熱交換器20と複数の第2熱交換器30を交互に積層している。これにより、熱交換器20、30の積層数を調整することで、大きさの異なる電池セル11に容易に対応することができ、電池温調装置1の汎用性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、複数の第1熱交換器20と複数の第2熱交換器30を設けることで、個々の熱交換器20、30の流路断面積を小さくすることができ、熱交換器20、30を構成する管状部材を細くすることができる。このため、熱交換器20、30は、接続部20b、30bを湾曲させやすくなり、接続部20b、30bを電池セル11に近接させることができる。この結果、電池温調装置1を小型化することができ、さらに電池セル11と熱交換器20、30の熱交換効率を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、第1熱交換器20と第2熱交換器30を、それぞれの接続部20b、30bが互い違いになるように配置している。これにより、電池セル11は、熱交換器20、30の接続部20b、30bによって両側から保持されることとなり、電池温調装置1の生産性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1熱交換器20および第2熱交換器30として、180°反転して配置した同一形状の部材を用いている。このため、電池温調装置1の構成を簡素化することができる。この結果、電池温調装置1のコストを低減できるとともに、第1熱交換器20と第2熱交換器30の組み付け作業を容易に行うことができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0053】
上記第1実施形態の電池温調装置1は、複数の熱交換器20、30が積層して設けられていた。これに対し、本第2実施形態の電池温調装置1は、
図9~
図12に示すように、1つの熱交換器40を備えている。
【0054】
図9、
図10、
図12に示すように、熱交換器40は、内部に複数の熱媒体通路40a、40bが設けられている。複数の熱媒体通路40a、40bは、並列して配置されている。本第2実施形態の熱交換器40としては、扁平多穴チューブを用いることができる。熱交換器40は、例えば押出成形によって形成することができる。
【0055】
複数の熱媒体通路40a、40bは、第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bを含んでいる。第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bは、熱的に接触している。
【0056】
図10、
図11では、第1熱媒体通路40aの熱媒体流れ方向を破線で示し、第2熱媒体通路40bの熱媒体流れ方向を一点鎖線で示している。
図10、
図11に示すように、第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bは、熱媒体流れ方向が異なっている。
【0057】
本第2実施形態では、第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bがそれぞれ複数設けられている。複数の第1熱媒体通路40aと複数の第2熱媒体通路40bは、熱交換器40の幅方向に交互に設けられている。熱媒体通路40a、40bの数は任意に設定でき、熱媒体通路40a、40bの数が多いほど、熱媒体通路40a、40b同士の接触面積を大きくすることができる。
【0058】
第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bは、それぞれ1本以上設けられていればよい。本実施形態の電池温調装置1は、第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bが3本ずつ設けられており、合計6本の熱媒体通路40a、40bが設けられている。
【0059】
図11に示すように、熱交換器40は、熱交換部40cと接続部40dとを有している。熱交換器40において、熱交換部40cは、2つの電池セル11に挟まれた部位であり、電池セル11とともに積層されている。接続部40dは、隣接する熱交換部40cを接続する部位である。
【0060】
熱交換部40cは平板状であり、接続部40dは湾曲している。複数の熱交換部40cは、セル積層方向に所定間隔で並列配置されている。熱交換部40cは、板面がセル積層方向に直交するように配置されており、熱媒体流れ方向がセル積層方向に直交している。隣接する熱交換部40cは接続部40dによって接続され、蛇行状の熱交換器40を構成している。つまり、熱交換器40は、蛇行状に折り曲げられたサーペンタイン型となっている。
【0061】
熱交換器40には、流入部41、43および流出部42、44が2組設けられている。第1流入部41および第1流出部42は、第1熱媒体通路40aに対応しており、第2流入部43および第2流出部44は、第2熱媒体通路40bに対応している。
【0062】
熱交換器40の一端側は第1エンドプレート100に接続され、熱交換器40の他端側は第2エンドプレート101に接続されている。第2エンドプレート101には、第1流入部41および第2流出部44が設けられている。第1エンドプレート100には、第1流出部42および第2流入部43が設けられている。つまり、熱交換器40では、第1流入部41と第2流出部44はセル積層方向における同じ側に設けられており、第1流出部42と第2流入部43はセル積層方向における同じ側に設けられている。
【0063】
第1エンドプレート100および第2エンドプレート101の内部には、流入部41、43から流入した熱媒体を分岐して熱交換器40に供給する流入側連通路と、熱交換器40を流れた熱媒体を集合して流出部42、44に供給する流出側連通路が設けられている。
【0064】
第1熱媒体通路40aは、第2エンドプレート101内に設けられた流入側連通路を介して第1流入部41と連通し、第1エンドプレート100内に設けられた流出側連通路を介して第1流出部42と連通している。第2熱媒体通路40bは、第1エンドプレート100内に設けられた流入側連通路を介して第2流入部43と連通し、第2エンドプレート101内に設けられた流出側連通路を介して第2流出部44と連通している。
【0065】
第1流入部41から流入した熱媒体は、第2エンドプレート101内の流入側連通路で分岐して複数の第1熱媒体通路40aに供給される。複数の第1熱媒体通路40aを流れる熱媒体は、第1エンドプレート100内の流出側連通路で集合して第1流出部42に供給される。
【0066】
第2流入部43から流入した熱媒体は、第1エンドプレート100内の流入側連通路で分岐して複数の第2熱媒体通路40bに供給される。複数の第2熱媒体通路40bを流れる熱媒体は、第2エンドプレート101内の流出側連通路で集合して第2流出部44に供給される。
【0067】
図9~
図11において、図中の右側に第1流入部41が設けられており、左側に第1流出部42が設けられている。第1熱媒体通路40aでは、
図8~
図11において、熱媒体は図中の右側から左側に向かって蛇行しながら流れる。
【0068】
図9~
図11において、図中の左側に第2流入部43が設けられ、右側に第2流出部44が設けられている。第2熱媒体通路40bでは、
図8~
図11において、熱媒体は図中の左側から右側に向かって蛇行しながら流れる。
【0069】
第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bは、セル積層方向において熱媒体が一方向に流れるようになっている。第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bでは、熱媒体流れ方向が逆向きになっている。つまり、第1熱媒体通路40aにおける第1流入部41から第1流出部42に向かう方向と、第2熱媒体通路40bにおける第2流入部43から第2流出部44に向かう方向が逆向きになっている。
【0070】
図9、
図10、
図12に示すように、第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bは、熱交換器40の幅方向に沿って交互に配置されている。このため、第1熱媒体通路40aの第2熱媒体通路40bは、熱的に接触している。
【0071】
本第2実施形態の熱交換器40では、第1熱媒体通路40aの熱媒体流れ方向の上流側部位と、第2熱媒体通路40bの熱媒体流れ方向の下流側部位とが熱的に接触している。また、第1熱媒体通路40aの熱媒体流れ方向の下流側部位と、第2熱媒体通路40bの熱媒体流れ方向の上流側部位とが熱的に接触している。
【0072】
つまり、隣接する熱媒体通路40a、40bは、一方の熱媒体通路40a、40bの上流側部位と、他方の熱媒体通路40a、40bの下流側部位とが熱的に接触しており、一方の熱媒体通路40a、40bの下流側部位と、他方の熱媒体流れの上流側部位とが熱的に接触している。熱媒体通路40a、40bの上流側部位は、熱媒体通路40a、40bにおける熱媒体流れの流入部41、43に近い部位であり、熱媒体通路40a、40bの下流側部位は、熱媒体通路40a、40bにおける熱媒体流れの流出部42、44に近い部位である。
【0073】
これにより、一方の熱媒体通路40a、40bの温度が高くなる部位と、他方の熱媒体通路40a、40bの温度が低くなる部位との間で熱の移動を行うことができ、複数の熱媒体通路40a、40bのそれぞれで温度分布を抑制できる。
【0074】
以上説明した本第2実施形態では、電池温調装置1に熱媒体流れ方向が異なる複数種類の熱媒体通路40a、40bを有する熱交換器40を設け、互いの上流側部位と下流側部位が熱的に接触するように配置している。これにより、第1熱媒体通路40aと第2熱媒体通路40bのそれぞれで、熱媒体流れ方向の上流側部位と下流側部位における温度分布を抑制できる。この結果、電池モジュール10を構成する電池セル11を均温化することができ、電池モジュール10の温度分布を抑制できる。
【0075】
また、本実施形態では、1つの熱交換器40に設けられた複数の熱媒体通路40a、40bにおいて、互いの上流側部位と下流側部位が熱的に接触するように配置している。このため、複数の熱交換器を用いる場合に比べて構成を簡素化することができる。
【0076】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0077】
図13、
図14に示すように、本第3実施形態では、上記第1実施形態と同様、第1熱交換器20と第2熱交換器30が交互に積層されている。本実施形態では、第1熱交換器20と第2熱交換器30は同一形状である。複数の熱交換器20、30は、熱交換部20a、30aおよび接続部20b、30bが重なり合っている。
【0078】
図14に示すように、熱交換器20、30の積層方向の両側に位置する面は、一方の面が凸形状であり、他方の面が凹形状である。これらの凸形状および凹形状は、それぞれ対応する形状となっている。つまり、熱交換器20、30における隣接する熱交換器20、30と接触する面の断面形状は、凸形状あるいは凹形状となっている。
【0079】
本第3実施形態では、隣接する熱交換器20、30は、互いに接触する面がそれぞれ対応する形状となっている。このため、電池温調装置1の製造時に複数の熱交換器20、30を積層する際に熱交換器20、30の位置決めを容易に行うことができる。このため、熱交換器20、30の組付けを容易に行うことができ、電池温調装置1の生産効率を向上させることができる。
【0080】
また、本第3実施形態では、第1熱交換器20と第2熱交換器30を交互に積層したときに、互いの接触面積が大きくなることから、第1熱交換器20と第2熱交換器30との間の熱交換効率を向上させることができる。
【0081】
また、本第3実施形態では、第1熱交換器20と第2熱交換器30が同一形状なので、電池温調装置1の構成を簡素化することができる。
【0082】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。以下、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0083】
図15に示すように、本第4実施形態では、複数の電池セル11が積層された電池モジュール10の底面に接するように1つの熱交換器50が設けられている。本第4実施形態の熱交換器50は、電池セル11とともに積層されていない。なお、
図15では、電池温調装置1における電池モジュール10と熱交換器50以外の構成部材の図示を省略している。
【0084】
熱交換器50は、セル積層方向において、電池モジュール10の全体に渡って設けられている。熱交換器50は、すべての電池セル11と熱的に接触している。このため、電池モジュール10を構成する電池セル11は、1つの熱交換器50によって温度調整される。
【0085】
図16に示すように、熱交換器50は複数の熱媒体通路50a、50bを備えている。複数の熱媒体通路50a、50bは、第1熱媒体通路50aと第2熱媒体通路50bを含んでいる。
図16では、第1熱媒体通路50aの熱媒体流れ方向を破線で示し、第2熱媒体通路50bの熱媒体流れ方向を一点鎖線で示している。
【0086】
本第4実施形態では、第1熱媒体通路50aと第2熱媒体通路50bは、熱媒体流れがUターンするようになっている。第1熱媒体通路50aと第2熱媒体通路50bは、並列して配置されている。
【0087】
熱交換器50は、2つの流入部51、53と、2つの流出部52、54を備えている。第1流入部51および第1流出部52は、第1熱媒体通路50aに対応しており、第2流入部53および第2流出部54は、第2熱媒体通路50bに対応している。
【0088】
これらの流入部51、53および流出部52、54は、熱交換器50における同一端部に設けられている。つまり、熱交換器50では、第1流入部51と第2流出部54はセル積層方向における同じ側に設けられており、第1流出部52と第2流入部53はセル積層方向における同じ側に設けられている。
【0089】
第1熱媒体通路50aと第2熱媒体通路50bは、隣接して設けられている。第1熱媒体通路50aと第2熱媒体通路50bは、熱媒体流れ方向が逆向きになっている。このため、第1熱媒体通路50aの上流側部位と第2熱媒体通路50bの下流側部位が対応し、第1熱媒体通路50aの下流側部位と第2熱媒体通路50bの上流側部位が対応している。
【0090】
本第4実施形態の熱交換器50では、第1熱媒体通路50aの熱媒体流れ方向の上流側部位と、第2熱媒体通路50bの熱媒体流れ方向の下流側部位とが熱的に接触している。また、第1熱媒体通路50aの熱媒体流れ方向の下流側部位と、第2熱媒体通路50bの熱媒体流れ方向の上流側部位とが熱的に接触している。このため、第1熱媒体通路50aおよび第2熱媒体通路50bで、互いの熱媒体流れの上流側部位と熱媒体流れの下流側部位との間で熱交換が行われる。
【0091】
以上説明した本第4実施形態では、電池温調装置1に熱媒体流れ方向が異なる複数種類の熱媒体通路50a、50bを有する熱交換器50を設け、互いの上流側部位と下流側部位が熱的に接触するように配置している。これにより、第1熱媒体通路50aと第2熱媒体通路50bのそれぞれで、熱媒体流れ方向の上流側部位と下流側部位における温度分布を抑制できる。この結果、電池モジュール10を構成する電池セル11を均温化することができ、電池モジュール10の温度分布を抑制できる。
【0092】
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
【0093】
例えば、上記第1実施形態では、複数の熱交換器20、30を熱交換部20a、30aが重なり合い、接続部20b、30bが重なり合わないように配置したが、熱交換部20a、30aおよび接続部20b、30bが重なり合うように配置してもよい。
【0094】
また、上記第3実施形態では、複数の熱交換器20、30を熱交換部20a、30aおよび接続部20b、30bが重なり合うように配置したが、熱交換部20a、30aが重なり合い、接続部20b、30bが重なり合わないように配置してもよい。
【0095】
また、上記第1~第3実施形態では、熱交換器20、30、40の隣接する熱交換部20a、30a、40aの間に1つの電池セル11が配置されるようにしたが、隣接する熱交換部20a、30a、40aの間に2以上の電池セル11が配置されるようにしてもよい。
【0096】
また、上記第1、第3実施形態では、熱交換器20、30の熱媒体がセル積層方向において一方向に流れるようにしたが、熱交換器20、30の熱媒体がセル積層方向においてUターンして流れるようにしてもよい。この場合には、第1流入部21および第2流出部32と、第1流出部22および第2流入部31と、セル積層方向における同じ側に設けられることになる。
【0097】
また、上記第2実施形態では、熱交換器40の熱媒体通路40a、40bの熱媒体がセル積層方向において一方向に流れるようにしたが、熱媒体通路40a、40bの熱媒体がセル積層方向においてUターンして流れるようにしてもよい。この場合には、第1流入部41および第2流出部44と、第1流出部42および第2流入部43と、セル積層方向における同じ側に設けられることになる。
【0098】
また、上記第4実施形態では、熱交換器50の熱媒体通路50a、50bにおける熱媒体流れがUターンするように構成したが、熱交換器50の熱媒体通路50a、50bにおける熱媒体流れが一方向となるようにしてもよい。
【0099】
具体的には、熱媒体流れ方向が逆向きの第1熱媒体路50aと第2熱媒体通路50bを並列して配置すればよい。そして、第1流入部51および第2流出部54と、第1流出部52および第2流入部53を、熱交換器50のセル積層方向における異なる端部に設ければよい。この場合にも、第1流入部51と第2流出部54がセル積層方向における同じ側に設けられ、第1流出部52と第2流入部53がセル積層方向における同じ側に設けられる。
【符号の説明】
【0100】
10…電池モジュール、11…電池セル、20、30、40、50…熱交換器、21、31、41、43、51、53…流入部、22、32、42、44、52、54…流出部、20a、30a、40c…熱交換部、40a、50a…第1熱媒体通路、40b、50b…第2熱媒体通路。