(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/016 20230101AFI20240501BHJP
【FI】
G06Q30/016
(21)【出願番号】P 2020025748
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小金平 修一
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-021091(JP,A)
【文献】特開2002-288484(JP,A)
【文献】特開2010-117749(JP,A)
【文献】特開2005-189943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
B41J 2/01
B41J 2/165- 2/20
B41J 2/21 - 2/215
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置の消耗品を定期供給して課金するサービスを提供するための情報処理装置であって、
課金額を算出するために用いる情報である課金算出情報を記憶する記憶部と、
前記課金算出情報を用いて算出された前記課金額を利用者に課金する課金処理部と、を備え、
前記課金算出情報は、
前記サービスの契約期間を表す契約期間情報と、
前記契約期間中に購入する前記消耗品の目標購入数量に対応する基本料金を表す基本料金情報と、
前記サービスを受ける特定の前記利用者が属するグループ、または、前記サービスを受ける前記利用者全体が購入した前記消耗品の累積数量を表す累積数量情報と、
前記累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、前記目標購入数量を超える前記消耗品の超過数量に対応する割引料金に関する割引情報と、を含
み、
前記課金処理部は、前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量に達した場合であって、かつ、前記累積数量が前記ステージアップ数量に達した第2の場合に、前記超過数量に対して前記割引料金を適用して課金する、
、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記課金処理部は、
前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量よりも少ない第1の場合に、前記基本料金を適用して課金
する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項
1または請求項2に記載の情報処理装置であって、さらに、
前記第2の場合になり前記割引料金の適用が可能であることを、前記利用者に通知する通知処理部を備える、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記通知処理部は、前記割引料金の適用を受けるための専用ウェブサイトのアドレスと、前記専用ウェブサイト上で入力するための専用識別情報と、を前記利用者に通知する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項
1から請求項4までのいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記課金算出情報は、さらに、前記目標購入数量を超える前記消耗品の購入に対応する割増料金に関する割増情報を含み、
前記課金処理部は、前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量に達した場合であって、かつ、前記累積数量が前記ステージアップ数量に達していない第3の場合に、前記超過数量に対して前記割増料金を適用して課金する、情報処理装置。
【請求項6】
印刷装置の消耗品を定期供給して課金するサービスを提供するための情報処理方法であって、
コンピューターが、課金額を算出するために用いる情報である課金算出情報を
記憶部に記憶させる工程と、
前記コンピューターが、前記課金算出情報を用いて算出された前記課金額
を利用者に課金する工程と、を備え、
前記課金算出情報は、
前記サービスの契約期間を表す契約期間情報と、
前記契約期間中に購入する前記消耗品の目標購入数量に対応する基本料金を表す基本料金情報と、
前記サービスを受ける特定の前記利用者が属するグループ、または、前記サービスを受ける前記利用者全体が購入した前記消耗品の累積数量を表す累積数量情報と、
前記累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、前記目標購入数量を超える前記消耗品の超過数量に対応する割引料金に関する割引情報と、を含
み、
前記利用者に課金する工程は、前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量に達した場合であって、かつ、前記累積数量が前記ステージアップ数量に達した第2の場合に、前記超過数量に対して前記割引料金を適用して課金する工程を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されるように、印刷ジョブに関連付けられた課金情報を用いて印刷ジョブについての課金処理を行う技術が知られている。特許文献1では、一つのフォーム当たり所定ページ数を超える部分については、通常の1ページの料金の数分の1といった割引料金を設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置のインクカートリッジなどの消耗品を定期供給して課金するサービスにおいて、従来の技術のように、利用者それぞれに対して所定ページ数を超える部分について割引料金を設定することが考えられる。この場合、利用者それぞれの利用状況に応じて割引料金が設定されるものの、他の利用者の利用状況が割引料金に反映されないため、利用者に対して消耗品の購入を促進することができない場合が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、印刷装置の消耗品を定期供給して課金するサービスを提供するための情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、課金額を算出するために用いる情報である課金算出情報を記憶する記憶部と、前記課金算出情報を用いて算出された前記課金額を利用者に課金する課金処理部と、を備え、前記課金算出情報は、前記サービスの契約期間を表す契約期間情報と、前記契約期間中に購入する前記消耗品の目標購入数量に対応する基本料金を表す基本料金情報と、前記サービスを受ける特定の前記利用者が属するグループ、または、前記サービスを受ける前記利用者全体が購入した前記消耗品の累積数量を表す累積数量情報と、前記累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、前記目標購入数量を超える前記消耗品の超過数量に対応する割引料金に関する割引情報と、を含む。
【0006】
本開示の他の形態によれば、印刷装置の消耗品を定期供給して課金するサービスを提供するための情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、課金額を算出するために用いる情報である課金算出情報を準備する工程と、前記課金算出情報を用いて算出された前記課金額を前記利用者に課金する工程と、を備え、前記課金算出情報は、前記サービスの契約期間を表す契約期間情報と、前記契約期間中に購入する前記消耗品の目標購入数量に対応する基本料金を表す基本料金情報と、前記サービスを受ける特定の前記利用者が属するグループ、または、前記サービスを受ける前記利用者全体が購入した前記消耗品の累積数量を表す累積数量情報と、前記累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、前記目標購入数量を超える前記消耗品の超過数量に対応する割引料金に関する割引情報と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.実施形態:
図1は、本実施形態の情報処理システム200を示す図である。情報処理システム200は、複数の特定の利用者が属するグループ100と、供給元80と、情報処理装置90とを備える。情報処理システム200は、印刷装置50の消耗品20を、利用者に定期供給して課金するサービスを提供するためのシステムである。
【0009】
グループ100は、複数の印刷システム10を備える。複数の印刷システム10を区別して用いる場合には、末尾に「Xn」を付し、「n」には1以上の整数が割り当てる。印刷システム10は、印刷装置50と、印刷装置50を制御するためのプログラムが記憶された制御装置としてのパーソナルコンピューター9と、を備える。印刷装置50は、例えば、ヘッドからインクを吐出して画像を印刷媒体上に形成するインクジェットプリンターである。印刷装置50は、消耗品としてのインクカートリッジ20を備える。インクカートリッジ20は着脱可能に印刷装置50に取り付けられ、ヘッドへとインクを供給する。インクカートリッジ20のインクが消費されて無くなった場合に、新たなインクカートリッジ20に交換される。
【0010】
グループ100は、印刷装置50の消耗品20を定期供給して課金するサービスを受ける特定の利用者が属する。特定の利用者とは、サービスの提供を受ける利用者のうち、特定の条件に当てはまる利用者を意味し、例えば、東京都や関東など特定の場所に住んでいる利用者や、特定の年齢の利用者や、後述するサービスのコース毎の利用者を意味する。また、グループ100は、特定の条件を適用することなく、コースの種類にかかわらずサービスを受ける利用者全体によって構成されていてもよい。本実施形態では、サービスを受ける利用者全体をグループとして取り扱う。
【0011】
供給元80は、サービスの内容に応じたり、利用者からの注文を受けたりすることで、消耗品20を利用者に配送する。なお、供給元80は、消耗品20を製造してもよい。
【0012】
情報処理装置90は、消耗品20を定期供給して課金するサービスを提供するサーバーである。グループ100と供給元80と情報処理装置90とはインターネットINTを介して互いに情報を送受信できる。
【0013】
図2は、消耗品20の定期供給のサービスを申し込むための申込画面91を示す図である。申込画面91は、例えば、パーソナルコンピューター9を用いて利用者がURLを指定することで、パーソナルコンピューター9のモニターに表示される。URLは、例えば、情報処理装置90によって管理される。
【0014】
申込画面91は、説明画像IM1と、サービス選択画像IM2と、注記画像IM3と、第1入力画像IM4と、第2入力画像IM5と、申請画像IM6とを含む。説明画像IM1は、申込画面91の説明を行うための画像である。
【0015】
サービス選択画像IM2は、複数のサービスの内容であるコースA~Dを説明するための画像である。サービス選択画像IM2は、定期供給に関して、提供される4種類のサービスのコースA~Dを選択可能に表示する。サービス選択画像IM2は、選択ボックスと、各コースA~Dの内容を表示する。選択ボックスは、各コースA~Dの内容の左側に四角の画像を表示し、四角の画像を選択することでコースA~Dが択一的に選択される。
【0016】
各コースA~Dの内容は、契約年数、年度基本料金、第1の年度購入数量、第1料金、第2の年度購入数量、第2料金、ステージアップの条件、第3料金を含む。契約年数は、サービスの契約期間である。年度基本料金は、サービスの提供を受ける場合の1年間の基本料金である。
【0017】
第1の年度購入数量は、年度基本料金内で購入できる消耗品20の最大数量である。第1の年度購入数量は、1年間の目標購入数量ともいえる。例えば、一番上のコースAのサービスでは、年度基本料金が2000円で、最大4個まで消耗品20を購入できる。第1料金は、年度基本料金を第1の年度購入数量における最大数量で除した料金、つまり、消耗品20について、1個あたりの料金である。第1料金は、定期購入の契約を行っていない場合の消耗品20の購入料金よりも低く設定されることが好ましい。こうすることで、利用者に定期購入の契約を促すことができる。
【0018】
第2の年度購入数量は、年度基本料金とは別料金で購入する必要が生じる消耗品20の数量を示す。例えば、コースAでは、一年間において、消耗品20の購入数量が5個目から割増料金である第2料金が発生する。
【0019】
第2料金は、第1の年度購入数量を超過した数量の消耗品20ごとの料金を示す。本実施形態では、各コースA~Dにおいて、第2料金は第1料金よりも1割高い料金に設定されている。なお、第2料金は、定期購入の契約を行っていない場合の消耗品20の購入料金よりも高く設定されることが好ましい。こうすることで、利用者が不必要に消耗品20を購入して在庫を抱えることを抑制できる。
【0020】
ステージアップの条件は、後述する割引料金である第3料金が適用されるための、消耗品20の累積販売数量を示す。ステージアップの条件は、例えば、同じ型番や同じ商品コードの消耗品20の販売された累積数量であってもよい。累積数量は、予め定められた期間、たとえば1年間において、サービスを受ける利用者全体の累積数量である。例えば、コースAでは、1年の間において、サービスを受けている特定の利用者が属するグループが購入した消耗品の累積数量が4億個に到達した場合であって、利用者が目標購入数量である第1の年度購入数量を超えた場合に、割引料金である第3料金が適用される。なお、ステージアップの条件は、グループ全体に代えて、特定の利用者が属するグループを対象としてもよい。
【0021】
第3料金は、ステージアップ条件を満たした場合において、第1の年度購入数量を超える消耗品20の超過数量に対応する消耗品20の料金である。第3料金は、第1料金よりも低い料金である。本実施形態では、第3料金は、第1料金の2割引きの料金である。
【0022】
注記画像IM3は、上記のサービス選択画像IM2に記載のサービスの内容の説明内容が記載される。なお、
図2では、説明内容の一部は省略している。
【0023】
第1入力画像IM4は、サービスを受ける利用者の料金の支払い方法を選択するための画像である。第2入力画像IM5は、サービスを受ける利用者の連絡先、本実施形態ではメールアドレスを入力するための画像である。申請画像IM6は、利用者が希望するコースA~Dを申請するための画像である。申請画像IM6がカーソルによって押下されることで、申込画面91に入力された情報が、インターネットINTを介して情報処理装置90に送信される。
【0024】
図3は、情報処理装置90の内部ブロック図である。情報処理装置90は、印刷装置50の消耗品20を定期供給して課金するサービスを提供する。情報処理装置90は、制御部92と、記憶部97と、通信部99とを備える。
【0025】
記憶部97は、RAMやROMによって構成されている。記憶部97には、情報処理装置90を制御するための各種プログラムの他に、課金算出情報98を記憶する。課金算出情報98は、サービスの提供を申し込んだ利用者に対する課金額を算出するために用いる情報である。
【0026】
制御部92は、記憶部97に予め記憶された各種プログラムを実行することで、課金処理部94と、通知処理部95として機能する。課金処理部94は、課金算出情報98を用いてサービスを受けることを申し込んだ利用者に対する課金額を算出する。また課金処理部94は、算出された課金額を利用者に課金する。また、課金処理部94は、課金算出情報98の更新を行う。課金算出情報98および課金処理部94の詳細は後述する。
【0027】
通知処理部95は、予め定めた条件を満たした場合に、割引料金の適用が可能であることを知らせる割引適用案内を、割引料金の適用を受けることが可能な利用者に通信部99を介して通知する。具体的には、通知処理部95は、申込画面91に入力されたメールアドレスに割引適用案内を送信する。予め定めた条件とは、契約期間中において、予め定めた期間、例えば契約日から1年間の間に、利用者の消耗品20の購入数量が目標購入数量に達した場合であって、かつ、利用者が属するグループの消耗品20の購入数量である累積数量がステージアップ数量に達した第2の場合になったという条件である。通知処理部95が実行する処理の詳細は後述する。通信部99は、有線や無線によって外部、例えばパーソナルコンピューター9や供給元80のデータの送受信を行う。
【0028】
図4は、課金算出情報98を説明するための図である。課金算出情報98は、利用者IDと、利用者IDに関連付けられた個別内容とを有する。個別内容は、サービスのコース情報、契約期間情報、基本料金情報、契約開始日情報、目標購入数量情報、実購入数量情報、割増情報、ステージアップ数量情報、累積数量情報、および割引情報を有する。
【0029】
利用者IDは、利用者を識別するための情報である。課金処理部94は、申込画面91を介してサービスの申し込みを受け付けた場合、申し込んだ利用者を識別するための利用者IDを生成して、個別内容と関連付けて記憶部97に記憶する。
【0030】
課金算出情報98の契約期間情報は、申込画面91の契約年数に対応し、サービスの契約期間を表す。課金算出情報98の基本料金情報は、申込画面91の年度基本料金に対応し、契約期間中に購入する消耗品20の目標購入数量に対応する基本料金を表す。目標購入数量情報は、上述のごとく、基本料金内で購入できる消耗品20の最大数量を表す。契約開始日情報は、利用者が申込画面91を介してサービスの提供を申し込んで契約が成立した日を表す。例えば、契約開始日は、申込画面91を介して申し込んだ日であったり、申し込んだ日から予め定めた日数経過後の日であったりする。
【0031】
課金算出情報98の目標購入数量情報は、申込画面91の第1の年度購入数量に対応し、基本料金内で購入できる消耗品20の最大個数を表す。課金算出情報98の実購入数量情報は、サービスを申し込んだ利用者ごとの実際の消耗品20の購入数量を表す。実購入数量情報は、例えば、契約開始日から1年経過ごとにリセットされてカウントされる。
【0032】
課金算出情報98の割増情報は、申込画面91の第2料金に対応する情報であり、以下に説明する第3の場合に適用される消耗品20の1個あたりの料金を表す。割増情報は、消耗品20の目標購入数量を超える消耗品20の購入に対応する割増料金に関する情報である。第3の場合とは、利用者の契約期間中、例えば契約日から1年間ごとの期間において、購入数量が目標購入数量に達した場合であって、かつ、サービスを受ける利用者全体が購入した消耗品20の累積数量がステージアップ数量に達していない場合である。なお、他の実施形態では、第3の場合とは、利用者の契約期間中、例えば契約日から1年間ごとの期間において、購入数量が目標購入数量に達した場合であって、かつ、サービスを受ける特定の利用者が属するグループが購入した消耗品20の累積数量がステージアップ数量に達していない場合であってもよい。特定の利用者とは、コースA~Dごとの利用者であったり、コースA~Dを問わず特定の場所に住んでいる利用者であったり、複数の条件を満たす利用者であってもよい。なお、割増情報は、割増料金を表す必要はなく、基本となる消耗品20の料金を表す第1料金情報と、第1料金に対する割増率とで表されていてもよい。
【0033】
課金算出情報98のステージアップ数量情報は、申込画面91のステージアップの条件に対応する。課金算出情報98の累積数量情報は、コースA~Dのサービスを受ける利用者全体が購入した消耗品20の累積数量を表す。なお、他の実施形態では、課金算出情報98の累積数量情報は、サービスを受ける特定の利用者が属するグループが購入した消耗品20の累積数量を表してもよい。特定の利用者とは、コースA~Dごとの利用者であったり、コースA~Dを問わず特定の場所に住んでいる利用者であったり、複数の条件を満たす利用者であってもよい。
【0034】
課金算出情報98の割引情報は、申込画面91の第3料金に対応し、累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、目標購入数量を超える消耗品20の超過数量に対応する割引料金に関する情報である。本実施形態では、割引情報は、消耗品20の1個当たりの料金を表す。なお、他の実施形態では、割引情報は、割引料金を表す必要はなく、基本となる消耗品20の料金を表す第1料金情報と、第1料金に対する割引率とで表されていてもよい。
【0035】
図3に示す課金処理部94は、予め定めたタイミング、例えば各月の末日ごとのタイミングで供給元80から消耗品20の販売数量および販売先を含む販売実績情報を、インターネットINTを介して取得する。また、課金処理部94は利用者が入力した申込画面91のサービス申込情報を、インターネットを介して取得する。課金処理部94は、取得した販売実績情報やサービス申込情報を用いて課金算出情報98を更新する。
【0036】
また課金処理部94は、課金算出情報98を用いて利用者に課金する。具体的には、課金処理部94は、利用者の契約期間中、例えば契約日から1年間ごとの期間において、利用者の消耗品20の購入数量が目標購入数量よりも少ない第1の場合に、基本料金を適用して課金する。基本料金の課金は、予め定めたタイミング、例えば、契約開始日や、契約開始日から契約が満了するまで1年間ごとに行われる。例えば、契約開始日に基本料金の課金が行われた場合には、契約開始日から1年間は、購入数量が目標購入数量に到達していない場合は、課金は行われない。なお、課金処理部94は基本料金を複数回に分けて利用者に課金してもよい。
【0037】
また例えば、課金処理部94は、利用者の契約期間中、例えば契約日から1年間ごとの期間において、購入数量が目標購入数量に達した場合であって、かつ、累積数量がステージアップ数量に達した第2の場合に、超過数量に対して割引料金を適用して課金する。例えば、利用者IDが「100003」の利用者は、第2の場合に該当するため、新たに消耗品20を購入する場合、課金処理部94は、購入個数に割引情報の割引料金を掛けることで課金額を算出して、利用者に課金する。なお、本実施形態の場合、割引料金の適用を受けるための事前申請が必要となる。この事前申請が行われている場合において、課金処理部94は割引料金の適用を実行する。この事前申請の内容の詳細については後述する。
【0038】
また、課金処理部94は、上述の第3の場合に、消耗品20の超過数量に対し割増料金を適用して利用者に課金する。例えば、利用者IDが「100004」の利用者は、第3の場合に該当するため、新たに消耗品20を購入する場合、課金処理部94は、購入個数に割増情報の割増料金を掛けることで課金額を算出して、利用者に課金する。これにより、利用者が不必要に消耗品20を購入することを抑制できるため、利用者が保有する消耗品20の在庫が過剰になる可能性を低減できる。
【0039】
図5は、割引料金の適用が可能であることを知らせる割引適用案内を表す通知画面110を示す図である。通知処理部95は、利用者ごとに、累積数量がステージアップ数量に到達した場合、通知画面110を利用者に通知する。例えば、通知処理部95は、登録されたメールアドレスに通知画面110を送る。通知画面110は、割引料金の適用を受けるための事前申請を行うためのウェブサイトのアドレスと、事前申請に必要な専用IDとを含む。
【0040】
図6は、事前申請を行うための画面112を示す図である。画面112は、
図5に示すウェブサイトのアドレスにアクセスすることで表示される。画面112は、利用者IDおよび専用IDを入力するための項目を含む。利用者IDは、
図4に示す利用者IDと同じであり、利用者がサービスを申請した際に、通知処理部95によってサービスの申し込みの際に入力したメールアドレスに送信される。利用者は、画面112において、利用者IDと専用IDを入力し、申請ボタンをカーソルなどで押下することで、事前申請の情報が情報処理装置90に送信される。情報処理装置90の制御部92は、事前申請を受信した場合、事前申請が行われた旨を示す申請済情報を、利用者IDに関連付けて課金算出情報98に記憶させる。課金処理部94は、契約期間中の購入数量が目標購入数量に達した場合であって、かつ、累積数量がステージアップ数量に達した第2の場合において、申請済情報が利用者IDに関連付けられている場合に、割引料金を適用して課金する。以上のように、通知処理部95は、割引料金の適用を受けるための専用ウェブサイトのアドレスと、専用ウェブサイト上で入力するための専用識別情報である専用IDと、を利用者に通知する。これにより、利用者に対して割引料金の適用を受けるかどうかを選択させることができる。
【0041】
上記のように、通知処理部95は、第2の場合になり割引料金の適用が可能であることを利用者に通知することで、利用者は割引料金で消耗品20が購入できる権利を得たことを知ることができる。これにより、利用者それぞれの消耗品20の購入をさらに促進できる。
【0042】
図7は、状況確認画面114を示す図である。状況確認画面114は、予め準備されたウェブページのアドレスにアクセスすることでパーソナルコンピューター9や携帯端末のモニターに表示される。状況確認画面114のウェブページのアドレスは、利用者が申込画面91を介してサービスの申請を行った場合に、通知処理部95によって申込画面91に入力されたメールアドレスに送信される。
【0043】
状況確認画面114は、利用者が適用を受けているサービスのステージアップ数量と、現在の累積数量が模式的に表示された画像を含む。利用者は状況確認画面114で、累積数量と、ステージアップ数量を容易に確認できる。これにより、例えば、利用者に対して消耗品20の購入を促すことができる。具体的には、例えば、累積数量がステージアップ数量に近づいてきている場合、割引料金の適用を受けるために、ステージアップ数量に累積数量が到達できるように、利用者全体、または、グループに属する利用者が消耗品20を購入しようとする。
【0044】
上記実施形態によれば、利用者が属するグループ、または、利用者全体が購入した消耗品20の累積数量がステージアップ数量に達した場合に割引料金の適用が可能となるため、グループに属する利用者や、利用者全体の消耗品20の購入を促進できる。
【0045】
また上記実施形態によれば、課金処理部94は、消耗品20の購入数量が目標購入数量に達した場合であって、かつ、累積数量がステージアップ数量に達した第2の場合に、超過数量に対して割引料金を適用して課金する。これにより、利用者の購入数量が目標購入数量に達したことを割引料金の適用の条件の一つにすることで、利用者それぞれの消耗品20の購入を促進できる。
【0046】
B.他の実施形態:
B-1.他の実施形態1:
上記実施形態では、
図3に示す情報処理装置90の制御部92が、課金算出情報98を用いて課金額を算出していたが、これに限定されるものではない。例えば、課金額は、情報処理装置90ではなく人によって算出されてもよい。この場合、人は、記憶部97に記憶された課金算出情報98を表示装置に表示し、表示された課金算出情報98を用いて課金額を算出する。算出された課金額は、利用者IDに関連付けられて情報処理装置90に入力される。課金処理部94は、入力された課金額を利用者に課金する。また、課金算出情報98は、記憶部97に記憶されていたが、紙などの媒体に記載されていてもよい。また、情報処理装置90は、単一の装置であったが、複数の装置が組み合わされて構成されていてもよい。例えば、課金処理部94と通知処理部95とを備える第1装置と、課金算出情報98を記憶する記憶部を備える装置と備える第2装置とによって構成されていてもよい。第1装置と第2装置とは有線や無線によってデータ通信が可能に構成されている。
【0047】
B-2.他の実施形態2:
上記実施形態では、消耗品20は、インクカートリッジであったが印刷装置50の消耗品であればこれに限定されるものではない。例えば、印刷装置50が、インクカートリッジに代えてインクを補充可能なインクタンクを備える場合、インクタンクにインクを供給するインクボトルを消耗品20として取り扱ってもよい。利用者は、インクタンクのインクが残りわずかやゼロになった場合、インクボトルを購入して、インクタンクにインクを注入する。また、消耗品20はインク自体であってもよい。つまり、供給元80は、インクを量り売りする。利用者は、インクタンクのインクが残りわずかやゼロになった場合、希望するインク量を供給元80から購入する。
【0048】
C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0049】
(1)本開示の一形態によれば、印刷装置の消耗品を定期供給して課金するサービスを提供するための情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、課金額を算出するために用いる情報である課金算出情報を記憶する記憶部と、前記課金算出情報を用いて算出された前記課金額を利用者に課金する課金処理部と、を備え、前記課金算出情報は、前記サービスの契約期間を表す契約期間情報と、前記契約期間中に購入する前記消耗品の目標購入数量に対応する基本料金を表す基本料金情報と、前記サービスを受ける特定の前記利用者が属するグループ、または、前記サービスを受ける前記利用者全体が購入した前記消耗品の累積数量を表す累積数量情報と、前記累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、前記目標購入数量を超える前記消耗品の超過数量に対応する割引料金に関する割引情報と、を含む。
この形態によれば、利用者が属するグループ、または、利用者全体が購入した消耗品の累積数量がステージアップ数量に達した場合に割引料金の適用が可能となるため、グループに属する利用者や、利用者全体の消耗品の購入を促進できる。
【0050】
(2)上記形態において、前記課金処理部は、前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量よりも少ない第1の場合に、前記基本料金を適用して課金し、前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量に達した場合であって、かつ、前記累積数量が前記ステージアップ数量に達した第2の場合に、前記超過数量に対して前記割引料金を適用して課金してもよい。
この形態によれば、利用者の購入数量が目標購入数量に達したことを割引料金の適用の条件の一つにすることで、利用者それぞれの消耗品の購入を促進できる。
【0051】
(3)上記形態において、さらに、前記第2の場合になり前記割引料金の適用が可能であることを、前記利用者に通知する通知処理部を備えてもよい。
この形態によれば、利用者に割引料金の適用が可能であることを通知することで、利用者それぞれの消耗品の購入をさらに促進できる。
【0052】
(4)上記形態において、前記通知処理部は、前記割引料金の適用を受けるための専用ウェブサイトのアドレスと、前記専用ウェブサイト上で入力するための専用識別情報と、を前記利用者に通知してもよい。
この形態によれば、利用者に対して割引料金の適用を受けるかどうかを選択させることができる。
【0053】
(5)上記形態において、前記課金算出情報は、さらに、前記目標購入数量を超える前記消耗品の購入に対応する割増料金に関する割増情報を含み、前記課金処理部は、前記利用者の前記契約期間中の購入数量が前記目標購入数量に達した場合であって、かつ、前記累積数量が前記ステージアップ数量に達していない第3の場合に、前記超過数量に対して前記割増料金を適用して課金してもよい。
この形態によれば、利用者が不必要に消耗品を購入することを抑制できるため、利用者が保有する消耗品の在庫が過剰になる可能性を低減できる。
【0054】
(6)本開示の他の形態によれば、印刷装置の消耗品を定期供給して課金するサービスを提供するための情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、課金額を算出するために用いる情報である課金算出情報を準備する工程と、前記課金算出情報を用いて算出された前記課金額を前記利用者に課金する工程と、を備え、前記課金算出情報は、前記サービスの契約期間を表す契約期間情報と、前記契約期間中に購入する前記消耗品の目標購入数量に対応する基本料金を表す基本料金情報と、前記サービスを受ける特定の前記利用者が属するグループ、または、前記サービスを受ける前記利用者全体が購入した前記消耗品の累積数量を表す累積数量情報と、前記累積数量が予め定められた数量であるステージアップ数量に達した場合において、前記目標購入数量を超える前記消耗品の超過数量に対応する割引料金に関する割引情報と、を含む。
この形態によれば、利用者が属するグループ、または、利用者全体が購入した消耗品の累積数量に応じて割引料金が算出されるため、グループに属する利用者や、利用者全体の消耗品の購入を促進できる。
【0055】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法以外に種々の形態で実現することも可能である。例えば、情報処理システム、情報処理方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【0056】
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
【符号の説明】
【0057】
9…パーソナルコンピューター、10…印刷システム、20…消耗品、50…印刷装置、80…供給元、90…情報処理装置、91…申込画面、92…制御部、94…課金処理部、95…通知処理部、97…記憶部、98…課金算出情報、99…通信部、100…グループ、110…通知画面、112…画面、114…状況確認画面、200…情報処理システム、IM1…説明画像、IM2…サービス選択画像、IM3…注記画像、IM4…第1入力画像、IM5…第2入力画像、IM6…申請画像、INT…インターネット