(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20240501BHJP
H04R 3/12 20060101ALI20240501BHJP
H04R 5/033 20060101ALI20240501BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240501BHJP
H04S 1/00 20060101ALI20240501BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240501BHJP
H04Q 9/02 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
H04R3/12 Z
H04R1/10 101A
H04R5/033 Z
H04R3/00 310
H04S1/00 500
H04Q9/00 301E
H04Q9/02 B
(21)【出願番号】P 2020052622
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】富澤 克美
(72)【発明者】
【氏名】宮口 涼
(72)【発明者】
【氏名】竹原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】小俣 成史
(72)【発明者】
【氏名】崔 丁珠
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108934083(CN,A)
【文献】特開2009-89397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04R 3/12
H04R 5/033
H04R 3/00
H04S 1/00
H04Q 9/00
H04Q 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する音入出力制御装置であって、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上か否かを判定する距離判定部と、
前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離未満であると判定された場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する、動作制御部と、
を備える、音入出力制御装置。
【請求項2】
前記距離判定部は、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の通信における信号状態に基づいて、複数の前記音出力装置の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する、請求項1に記載の音入出力制御装置。
【請求項3】
前記距離判定部が複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離の判定に用いる通信の形式は、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間における音声信号の送受信に用いられる通信の形式とは異なる、請求項2に記載の音入出力制御装置。
【請求項4】
前記距離判定部は、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つのそれぞれの位置情報に基づいて、複数の前記音出力装置の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する、請求項1に記載の音入出力制御装置。
【請求項5】
前記音出力装置の少なくとも1つは、当該音出力装置が装着されたユーザの音声を収音する音入力部を備え、
前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、前記動作制御部は、一の前記音出力装置から当該音出力装置の前記音入力部によって収音された音声を他の前記音出力装置に出力させる、請求項1乃至4の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項6】
前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、前記動作制御部は、前記音出力装置のそれぞれにモノラル方式の音を出力させる、請求項1乃至5の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項7】
前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、前記動作制御部は、前記音出力装置のそれぞれの音量を個別に調整可能とする、請求項1乃至6の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項8】
ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を音入出力制御装置によって制御する音入出力制御方法であって、
前記音入出力制御装置が、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上か否かを判定し、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する、音入出力制御方法。
【請求項9】
音入出力制御装置に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する処理を実行させるプログラムであって、
前記音入出力制御装置に、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上か否かを判定する処理と、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、
複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する処理と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アドホックワイヤレスネットワーク及びインフラストラクチャ・ワイヤレスネットワーク経由でストリーミング・オーディオ・データを受信するイヤホンが記載されている。具体的には、データソースがアドホックワイヤレスネットワークを介したイヤホンとの通信範囲にある場合、イヤホンは当該データソースから当該アドホックワイヤレスネットワークを介してストリーミング・オーディオ・データを受信する。また、データソースがアドホックワイヤレスネットワークを介したイヤホンとの通信範囲にない場合、イヤホンはインフラストラクチャ・ワイヤレスネットワークを介してストリーミング・オーディオ・データを受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年、左右のイヤホンが完全にワイヤレスな、フルワイヤレスイヤホン(TWS:True Wireless Stereo)が普及しつつある。フルワイヤレスイヤホンは、左右のイヤホンによってステレオ方式で音を出力する。本発明者らは、フルワイヤレスイヤホンのように、独立して使用可能な複数の音出力装置における、ステレオ方式の音の出力という通常の動作モード以外の動作モードも可能にする技術に想到した。
【0005】
本発明は、音出力装置により広い用途を付与できる音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る音入出力制御装置は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する音入出力制御装置であって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上か否かを判定する距離判定部と、前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離未満であると判定された場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、前記距離判定部によって、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する、動作制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る音入出力制御方法は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を音入出力制御装置によって制御する音入出力制御方法であって、前記音入出力制御装置が、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上か否かを判定し、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御するものである。
【0008】
本発明に係るプログラムは、音入出力制御装置に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する処理を実行させるプログラムであって、前記音入出力制御装置に、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上か否かを判定する処理と、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、複数の前記音出力装置のうち少なくとも2つの間の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音出力装置により広い用途を付与できる音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る音入出力制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る音入出力制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る音入出力制御方法の他の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る音入出力制御方法の他の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態2に係る音入出力制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態2に係る音入出力制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る音入出力制御装置の他の例を模式的に示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施の形態2に係る音入出力制御装置の他の例を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る音入出力制御装置200の構成を模式的に示すブロック図である。音入出力制御装置200は、
図1に示す音出力装置100の動作を制御する。具体的には、音入出力制御装置200は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置100を制御する。これにより、音入出力制御装置200は、音出力装置100に、より広い用途を付与することができる。
【0012】
音出力装置100は、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等の完全に独立した個々のイヤホン等であり、例えばユーザの左右の耳に独立して装着される。すなわち、複数の音出力装置100は、互いに完全に独立して、ユーザに装着される。通常、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等は、2個の完全に独立したイヤホンが1組となっている。しかし、本発明では、3個以上の音出力装置100が1組となっていてもよい。複数の音出力装置100は、ユーザの頬骨などに左右独立して装着されてもよく、首掛けスピーカやウェアラブルスピーカであってもよい。音出力装置100は、フルワイヤレス型に限定されず、その一部が有線接続であってもよい。
【0013】
本実施の形態1に係る音出力装置100は、
図1に示すように、信号状態取得部101、音出力部102、音入力部103、第1通信部104、第2通信部105等を備える。なお、1組の音出力装置100のうち、少なくとも1つの音出力装置100が信号状態取得部101、音入力部103を備えていればよく、他の音出力装置100は信号状態取得部101、音入力部103を備えていなくてもよい。また、1組の音出力装置100のすべてが音入力部103を備えない形態であってもよい。
【0014】
信号状態取得部101は、複数の音出力装置100間の通信における信号状態を取得する。ここで、信号状態とは、当該信号状態取得部101が備えられる音出力装置100が他の音出力装置100から受信する信号の受信感度を意味する。また、複数の音出力装置100の間の通信として、近接場磁気誘導(NFMI:Near Field Magnetic Induction)通信、及び、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信等が挙げられる。信号状態取得部101が取得した信号状態は、第1通信部104によって、音入出力制御装置200に送信される。なお、信号状態取得部101は、1組の音出力装置100のうち、全ての音出力装置100に備えられていてもよいし、少なくとも1つの音出力装置100に備えられていてもよい。1組の音出力装置100のうち、1台の音出力装置100にのみ信号状態取得部101が備えられる場合、信号状態取得部101が備えられた音出力装置100をマスター装置とし、他の音出力装置100をスレーブ装置としてもよい。
また、信号状態取得部101が取得する信号状態の信号の通信形式は、複数の音出力装置100間における音声信号の送受信に用いられる通信形式とは異なっていてもよい。例えば、複数の音出力装置100間における音声信号の送受信に近接場磁気誘導通信を用い、複数の音出力装置100間における音声信号の送受信に無線LANを用いる場合、信号状態取得部101は、複数の音出力装置100間における赤外線通信の受信感度を上記信号状態として取得してもよい。
【0015】
音出力部102は、スピーカ、又は、骨伝導スピーカ等を備え、スマートフォン等の携帯機器、DAP(Digital Audio Player)、CDプレーヤ等の音楽再生装置(図示省略)から取得する音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する。音楽再生装置からの音声信号は、音入出力制御装置200を介して第1通信部104によって受信されてもよいし、音入出力制御装置200を介さずに、直接、第1通信部104によって受信されてもよい。
また、音出力部102は、他の音出力装置100から第2通信部105が受信した音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する形態があってもよい。具体的には、他の音出力装置100の音入力部103が音声を収音することにより音声信号を取得し、音出力部102は、当該他の音出力装置100から第2通信部105が受信した当該音声信号に従って、当該音声を出力する。
【0016】
音入力部103は、マイク等であり、音出力装置100を装着したユーザの音声を収音して音声信号を取得する。なお、音入力部103は、ユーザが当該音出力装置100を装着した状態で、ユーザの音声を収音可能となっている。音入力部103が取得した音声信号は、第2通信部105によって、音入出力制御装置200又は他の音出力装置100に送信される。なお、音入力部103は、1組の音出力装置100のうち、全ての音出力装置100に備えられていてもよいし、少なくとも1つの音出力装置100に備えられていてもよい。1組の音出力装置100のうち、1台の音出力装置100にのみ音入力部103が備えられる場合、音入力部103が備えられた音出力装置100をマスター装置とし、他の音出力装置100をスレーブ装置としてもよい。
【0017】
第1通信部104は、当該第1通信部104が備えられる音出力装置100と、他の音出力装置100、音入出力制御装置200、及び音楽再生装置(図示省略)との間の通信を行う。例えば、第1通信部104は、当該音出力装置100と、他の音出力装置100、音入出力制御装置200、及び音楽再生装置との間における音声信号の送受信を行う。また、第1通信部104は、当該音出力装置100から音入出力制御装置200へ信号状態を送信する。さらに、第1通信部104は、音入出力制御装置200から当該音出力装置100を制御するための制御信号を受信する。
第1通信部104による音出力装置100間の通信は、近接場磁気誘導(NFMI:Near Field Magnetic Induction)通信、及び、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信等である。第1通信部104による音出力装置100間の通信として何れの通信を用いるのか、音出力装置100間の距離に応じて切り替えられてもよい。
第1通信部104による音出力装置100と音入出力制御装置200及び音楽再生装置との間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。第1通信部104による音出力装置100と音入出力制御装置200及び音楽再生装置との間の通信として何れの通信を用いるのか、音出力装置100と音入出力制御装置200及び音楽再生装置との間の距離に応じて切り替えられてもよい。
【0018】
第2通信部105は、当該第2通信部105が備えられる音出力装置100と、他の音出力装置100、又は上述した音楽再生装置(図示省略)との間の通信を行う。例えば、第2通信部105は、当該音出力装置100と他の音出力装置100との間における音声信号の送受信を行う。
第2通信部105による音出力装置100間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信等である。第2通信部105による音出力装置100間の通信として何れの通信を用いるのか、音出力装置100間の距離に応じて切り替えられてもよい。
【0019】
なお、第1通信部104と第2通信部105は1つの通信部であってもよい。この場合、音出力装置100と、他の音出力装置100、音入出力制御装置200、及び音楽再生装置(図示省略)との間の通信は、近接場磁気誘導通信、及び、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。また、当該通信として何れの通信を用いるのか、音出力装置100と、他の音出力装置100、音入出力制御装置200、及び音楽再生装置(図示省略)との間の距離に応じて切り替えられてもよい。さらに、当該通信に同一形式の通信を用いる場合、音出力装置100と、他の音出力装置100、音入出力制御装置200、及び音楽再生装置(図示省略)との間の距離に応じて、信号の出力強度が切り替えられてもよい。例えば、音出力装置100間の音声信号の通信には、出力強度の小さいモードで通信が行われ、音出力装置100間の音声信号の通信には、出力強度の小さいモードで通信が行われてもよい。
【0020】
音入出力制御装置200は、上述したように、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置100を制御する。例えば、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100のうち、少なくとも2台の音出力装置100を制御する。音入出力制御装置200は、
図1に示すように、距離判定部201、動作制御部202、音入出力処理部203、通信部204等を備える。
【0021】
距離判定部201は、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する。具体的には、距離判定部201は、複数の音出力装置100間の通信における信号状態に基づいて、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する。より具体的には、音入出力制御装置200の通信部204が、1組の音出力装置100の少なくとも1つの音出力装置100から、当該音出力装置100が他の音出力装置100から受信する信号の受信感度を信号状態として受信する。そして、距離判定部201は、通信部204が受信した当該信号状態(受信感度)に基づいて、当該音出力装置100と他の音出力装置との間の距離が所定の距離以上か否かを判定する。このとき、所定の距離であるとは、音出力装置100のそれぞれが同一のユーザに装着されているか否かを判定するための距離であり、例として1mまたは50cmである。例えば、当該所定の距離が1mである場合、距離判定部201は、当該受信感度が複数の音出力装置100の間の距離が1mである場合における通信限界強度未満の場合、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離(ここでは1m)以上であると判定する。
【0022】
動作制御部202は、1組の音出力装置100のそれぞれの動作を制御する。
具体的には、距離判定部201によって、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離未満であると判定された場合に、動作制御部202は、音出力装置100のそれぞれが同一のユーザに装着されている場合に適した第1の動作、例えば音楽再生装置から取得する音声信号をステレオモードで再生する動作を行うように音出力装置100のそれぞれを制御する。動作制御部202は、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離未満であると判定された場合に、特定された動作を第1の動作として行うことなく、ユーザ指定の動作を行う、または通常動作を継続する形態であってもよい。言い換えると、第1の動作は、特に指定された動作でなくともよい。
また、距離判定部201によって、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、動作制御部202は、音出力装置100のそれぞれが異なるユーザに装着されている場合に適した第2の動作、例えば音楽再生装置から取得する音声信号をモノラルモードで再生する動作を行うように音出力装置100のそれぞれを制御する。
上記第1の動作及び上記第2の動作の詳細については、後述する。
【0023】
したがって、本実施の形態1に係る音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が2台の音出力装置100からなる場合、当該2台の音出力装置100の間の距離が所定の距離未満である場合、当該2台の音出力装置100は同一のユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第1の動作を行うように当該2台の音出力装置100を制御する。
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が2台の音出力装置100からなる場合、当該2台の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上である場合、当該2台の音出力装置100は異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第2の動作を行うように当該2台の音出力装置100を制御する。
【0024】
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が3台以上の音出力装置100からなり、1組の音出力装置100のうち2台の音出力装置100の間の距離が所定の距離未満である場合、当該2台の音出力装置100は同一のユーザに装着されていると判断する。同時に、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100のうち音出力装置100の間の距離が所定の距離以上である他の音出力装置100がある場合、1組の音出力装置100のうち他の音出力装置100は異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第1の動作を行うように当該2台の音出力装置100を制御するとともに、上記第2の動作を行うように他の音出力装置100を制御する。
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が3台以上の音出力装置100からなり、これらの音出力装置100の間の距離がいずれも所定の距離以上である場合、これらの音出力装置100はいずれも異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第2の動作を行うようにこれらの音出力装置100を制御する。
【0025】
音入出力処理部203は、通信部204が音楽再生装置(図示省略)から受信した音声信号に所定の処理を行って、それぞれの音出力装置100に送信する音声信号を生成する。例えば、音入出力処理部203は、ステレオ方式の音声信号又はモノラル方式の音声信号を生成する。そして、音入出力処理部203が生成した音声信号は、通信部204によって、それぞれの音出力装置100に送信される。
例えば、1組の音出力装置100が、右耳用の音出力装置100、左耳用の音出力装置100からなり、これらの音出力装置100が同一のユーザに装着されている場合、第1の動作として、音入出力処理部203は、右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部204は、音入出力処理部203が生成した右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、音入出力処理部203が生成した左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。言い換えると、第1の動作とは、ステレオ方式の音声信号の再生動作(一人モード)である。
また、1組の音出力装置100が異なるユーザに装着されている場合、第2の動作として、音入出力処理部203は、モノラル方式の音声信号を生成し、通信部204は、モノラル方式の音声信号をそれぞれの音出力装置100に送信する。
1組の音出力装置100が異なるユーザに装着されている場合、第2の動作として、音入出力処理部204は、音入力部103が収音した音声信号を取得し、通信部205は、収音した音声信号を他の音出力装置100に送信してもよい。言い換えると、第2の動作とは、音出力装置100による異なるユーザ間の通信動作(トランシーバモード)であってもよい。トランシーバモードは、片方向の送受信のみであってもよく、双方向に送受信が可能であってもよい。
第2の動作とは、後述するように、音声出力の音量または音質調整などを別個に設定可能な動作モードであってもよい。
【0026】
通信部204は、音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置(図示省略)との間の通信を行う。
音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置との間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置との間の通信として何れの通信を用いるのか、音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置との間の距離に応じて切り替えられてもよい。
【0027】
なお、音入出力制御装置200は、スマートフォン等の携帯機器、DAP、CDプレーヤ等の音楽再生装置と一体であってもよい。この場合通信部204は、音入出力制御装置200と音出力装置100との通信を行う。また、音楽再生装置に音入出力制御装置200の上記機能を実行させるアプリーケーションプログラムがインストールされてもよい。
【0028】
次に、
図2~
図4を参照しながら、本発明の実施の形態1に係る音入出力制御方法の例について説明する。なお、以下の説明では、1組の音出力装置100が2台の音出力装置100からなり、一方の音出力装置100がマスター装置となり、他方の音出力装置100がスレーブ装置となる場合を例に挙げて説明する。また、当該2台の音出力装置100が同一のユーザに装着される際、一方の音出力装置100は左耳用であり、他方の音出力装置100は右耳用であるとする。
【0029】
最初に、
図2に示す音入出力制御方法の例について説明する。
まず、マスター装置である音出力装置100の信号状態取得部101が、当該音出力装置100とスレーブ装置である音出力装置100との間の通信における信号状態を取得する(ステップS101)。また、信号状態取得部101が取得した信号状態は、第1通信部104によって、音入出力制御装置200に送信される。
【0030】
次に、距離判定部201は、ステップS101において取得された信号状態に基づいて、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する(ステップS102)。
【0031】
ステップS102において、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離未満である場合(ステップS102;Yes)、動作制御部202は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を音声出力モード(第1の動作)で動作するように制御する(ステップS103)。
【0032】
そして、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100において通常動作が行われる(ステップS104)。具体的には、音入出力処理部203が右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部204が右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102が当該右耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力し、左耳用の音出力装置100の音出力部102が当該左耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0033】
ステップS102において、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上である場合(ステップS102;No)、動作制御部202は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100をトランシーバモード(第2の動作)で動作するように制御する(ステップS105)。
【0034】
そして、一方の音出力装置100のマイク(音入力部)103で収音したユーザの音声信号が他方の音出力装置100へ送信され、他方の音出力装置100が当該音声信号を受信し、他方の音出力装置100の音出力部102は、当該音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する(ステップS106)。例えば、右耳用の音出力装置100を装着したユーザの音声が当該右耳用の音出力装置100のマイク(音入力部)103によって収音され、左耳用の音出力装置100へ送信される。そして、左耳用の音出力装置100の音出力部102は、当該音声信号に従って、当該左耳用の音出力装置100を装着したユーザに向けて音を出力する。反対に、左耳用の音出力装置100を装着したユーザの音声が当該左耳用の音出力装置100のマイク(音入力部)103によって収音され、右耳用の音出力装置100へ送信される。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102は、当該音声信号に従って、当該右耳用の音出力装置100を装着したユーザに向けて音を出力する。これにより、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100とが異なるユーザに装着された場合に、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100とをトランシーバとして用いることができる。
【0035】
なお、上記トランシーバモードにおいて、動作制御部202は、音出力部102による音声信号に基づく音の出力を停止させるように、又は、音声信号に基づく音の出力の音量を低下させるように音出力装置100を制御してもよい。また、上記トランシーバモードにおいて、動作制御部202は、右耳用の音出力装置100又は左耳用の音出力装置100の何れか一方における音入力部103による収音を停止させるように音出力装置100を制御してもよい。
【0036】
次に、
図3に示す音入出力制御方法の例について説明する。
図3に示す音入出力制御方法において、ステップS201、ステップS202、ステップS204の処理は、それぞれ、
図2に示す音入出力制御方法のステップS101、ステップS102、ステップS104の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0037】
ステップS202において、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離未満である場合(ステップS202;Yes)、動作制御部202は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を一人モード(第1の動作)で動作するように制御する(ステップS203)。
【0038】
ステップS202において、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上である場合(ステップS202;No)、動作制御部202は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を二人モード(第2の動作)で動作するように制御する(ステップS205)。
【0039】
そして、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100においてモノラル方式で音楽の再生が行われる(ステップS206)。具体的には、音入出力処理部203がモノラル方式の音声信号を生成し、通信部204が当該モノラル方式の音声信号を右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100とに送信する。そして、右耳用の音出力装置100音出力部102と左耳用の音出力装置100の音出力部102とが、それぞれ、当該モノラル方式の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0040】
次に、
図4に示す音入出力制御方法の例について説明する。
図4に示す音入出力制御方法において、ステップS301、ステップS302、ステップS303、ステップS305の処理は、それぞれ、
図3に示す音入出力制御方法のステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS205の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
ステップS303において、右耳用及び左耳用の音出力装置100が一人モード(第1の動作)で動作するように制御された後、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100において音量や音質等の同時調整(通常動作)が行われる(ステップS304)。具体的には、音入出力処理部203が右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部204が右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。また、動作制御部202は、例えば、右耳用及び左耳用の音出力装置100における音出力部102が音を出力する音量や音質を実質的に同じ音量や音質となるように同時に調整する。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102が当該右耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力し、左耳用の音出力装置100の音出力部102が当該左耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0042】
ステップS305において、右耳用及び左耳用の音出力装置100が二人モード(第2の動作)で動作するように制御された後、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100において音量や音質の個別調整が行われる(ステップS306)。具体的には、音入出力処理部203が右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部204が右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。また、動作制御部202は、例えば、右耳用及び左耳用の音出力装置100における音出力部102が音を出力する音量や音質を個別に調整可能とする。例えば、音入出力制御装置200又は音楽再生装置が、自身の表示部(図示省略)に、右耳用の音量や音質を調整するための設定画面と左耳用の音量や音質を調整するための設定画面を別々に表示する。これにより、右耳用の音出力装置100を装着したユーザ及び左耳用の音出力装置100を装着したユーザがそれぞれの設定画面を操作することにより、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100の音量や音質をそれぞれのユーザごとに好みのものに設定できる。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102が当該右耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力し、左耳用の音出力装置100の音出力部102が当該左耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0043】
実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2に係る音入出力制御装置400の構成を模式的に示すブロック図である。音入出力制御装置400は、実施の形態1と同様に、
図5に示す音出力装置300の動作を制御する。すなわち、音入出力制御装置400は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置300を制御する。これにより、音入出力制御装置400は、音出力装置300に、より広い用途を付与することができる。
【0044】
本実施の形態2に係る音出力装置300は、
図5に示すように、位置センサ301、音出力部102、音入力部103、第1通信部104、第2通信部105等を備える。なお、1組の音出力装置100のうち、少なくとも1つの音出力装置100が音入力部103を備えていればよく、他の音出力装置100は音入力部103を備えていなくてもよい。また、1組の音出力装置100のすべてが音入力部103を備えない形態であってもよい。
また、音出力装置300は、信号状態取得部101の代わりに位置センサ301を備える点が、実施の形態1に係る音出力装置100と異なる。すなわち、音出力装置300のその他の構成は、実施の形態1に係る音出力装置100と同様である。そのため、音出力装置300の実施の形態1に係る音出力装置100と同様の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0045】
位置センサ301は、当該位置センサ301が備えられた音出力装置300の位置を算出するための位置信号を取得する。位置センサ301は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ビーコン受信機等である。位置センサ301がGNSS受信機である場合、位置センサ301は、例えば、4機以上のGNSS衛星から送信されたGNSS信号を位置信号として取得する。また、位置センサ301がビーコン受信機である場合、位置センサ301は、複数のビーコン発信機から送信されたビーコン信号を位置信号として取得する。位置センサ301が取得した位置信号は、第1通信部104によって、音入出力制御装置400に送信される。なお、位置センサ301は、1組の音出力装置300のうち、全ての音出力装置300に備えられていてもよいし、一部の音出力装置300にのみ備えられていてもよい。例えば、1組の音出力装置300のうち、少なくとも1つの音出力装置300が携帯機器等と有線で接続される場合など、携帯機器等と所定の距離以内の位置に配置される場合、当該少なくとも1つの音出力装置300の位置信号は、当該携帯機器によって取得される当該携帯機器の位置信号によって代替されてもよい。この場合、当該少なくとも1つの音出力装置300には位置センサ301が備えられていなくてもよい。なお、当該少なくとも1つの音出力装置300と携帯機器との距離における「所定の距離」と、距離判定部402の判定に用いられる複数の音出力装置300の間の距離における「所定の距離」とは、同じ距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0046】
音入出力制御装置400は、
図5に示すように、位置情報取得部401、距離判定部402、動作制御部202、音入出力処理部203、通信部204等を備える。また、音入出力制御装置400は、位置情報取得部401、距離判定部402が、実施の形態1に係る音入出力制御装置200と異なる。すなわち、音入出力制御装置400のその他の構成は、実施の形態1に係る音入出力制御装置200と同様である。そのため、音入出力制御装置400の実施の形態1に係る音入出力制御装置200と同様の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0047】
位置情報取得部401は、複数の音出力装置300から送信される位置信号に基づいて、複数の音出力装置300の位置情報をそれぞれ算出する。例えば、位置情報取得部401が位置信号としてGNSS信号を受信する場合、当該GNSS信号に含まれる時刻情報に基づいて信号伝播時間を算出し、当該信号伝播時間と当該GNSS信号に含まれるGNSS衛星の位置情報とに基づいて当該GNSS衛星と当該音出力装置300との距離を算出することにより、当該音出力装置300の位置を算出する。位置情報取得部401が位置信号としてビーコン信号を受信する場合、ビーコン発信機の位置と当該ビーコン信号の強度とに基づいて、音出力装置300の位置情報を算出する。
【0048】
距離判定部402は、複数の音出力装置300のそれぞれの位置情報に基づいて、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する。具体的には、距離判定部402は、位置情報取得部401によって算出されたそれぞれの音出力装置300の位置情報に基づいて複数の音出力装置300の間の距離を算出し、複数の音出力装置300の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する。例えば、当該所定の距離は1mである。
【0049】
次に、
図6を参照しながら、実施の形態2に係る音入出力制御方法の例について説明する。なお、以下の説明では、1組の音出力装置300が2台の音出力装置300からなり、一方の音出力装置300がマスター装置となり、他方の音出力装置300がスレーブ装置となる場合を例に挙げて説明する。また、当該2台の音出力装置300が同一のユーザに装着される際、一方の音出力装置300は左耳用であり、他方の音出力装置300は右耳用であるとする。
また、
図6に示す音入出力制御方法において、ステップS403~ステップS206の処理は、それぞれ、
図2に示す音入出力制御方法のステップS103~ステップS106の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0050】
まず、複数の音出力装置300から、当該音出力装置300の位置信号が、それぞれ、音入出力制御装置400に送信され、位置情報取得部401が、当該位置信号に基づいてそれぞれの音出力装置300の位置情報を算出する(ステップS401)。
【0051】
次に、距離判定部402は、ステップS401において取得された位置情報に基づいて、複数の音出力装置100の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する(ステップS402)。具体的には、距離判定部402は、ステップS401において算出されたそれぞれの音出力装置300の位置情報に基づいて複数の音出力装置300の間の距離を算出し、複数の音出力装置300の間の距離が所定の距離以上か否かを判定する。
【0052】
なお、実施の形態2に係る音入出力制御装置400は、
図3、
図4に示す音入出力制御方法を実施することができる。具体的には、
図3に示す音入出力制御方法のステップS201及びステップS202を、
図6に示す音入出力制御方法のステップS401及びステップS402に置き換えれば、音入出力制御装置400は、
図3に示す音入出力制御方法を実施することができる。同様に、
図4に示す音入出力制御方法のステップS301及びステップS302を、
図6に示す音入出力制御方法のステップS401及びステップS402に置き換えれば、音入出力制御装置400は、
図4に示す音入出力制御方法を実施することができる。
【0053】
次に、
図7を参照しながら、実施の形態1に係る音入出力制御装置200の他の例を説明する。
図7は、実施の形態1に係る音入出力制御装置200の他の例を模式的に示すブロック図である。
図7に示す音入出力制御装置としてのヒアラブルデバイス500は、実施の形態1に係る音出力装置100と音入出力制御装置200とが一体化したものである。したがって、ヒアラブルデバイス500に備えられる、信号状態取得部501、音出力部502、音入力部503、第1通信部504、第2通信部505、距離判定部506、動作制御部507、音入出力処理部508の機能は、
図1に示す信号状態取得部101、音出力部102、音入力部103、第1通信部104、第2通信部105、距離判定部201、動作制御部202、音入出力処理部203と同様である。
【0054】
また、ヒアラブルデバイス500は、実施の形態1に係る音出力装置100と同様に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する。具体的には、ヒアラブルデバイス500は、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等の完全に独立した個々のイヤホン等であり、ユーザの左右の耳に独立して装着される。すなわち、複数のヒアラブルデバイス500は、互いに完全に独立して、ユーザに装着される。通常、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等は、2個の完全に独立したイヤホンが1組となっている。しかし、本発明では、3個以上のヒアラブルデバイス500が1組となっていてもよい。
【0055】
次に、
図8を参照しながら、実施の形態2に係る音入出力制御装置400の他の例を説明する。
図8は、実施の形態2に係る音入出力制御装置400の他の例を模式的に示すブロック図である。
図8に示す音入出力制御装置としてのヒアラブルデバイス700は、実施の形態2に係る音出力装置300と音入出力制御装置400とが一体化したものである。したがって、ヒアラブルデバイス700に備えられる、位置センサ701、音出力部702、音入力部703、第1通信部704、第2通信部705、位置情報取得部706、距離判定部707、動作制御部708、音入出力処理部709の機能は、
図5に示す位置センサ301、音出力部102、音入力部103、第1通信部104、第2通信部105、位置情報取得部401、距離判定部402、動作制御部202、音入出力処理部203と同様である。
【0056】
また、ヒアラブルデバイス700は、実施の形態2に係る音出力装置300と同様に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する。具体的には、ヒアラブルデバイス700は、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等の完全に独立した個々のイヤホン等であり、ユーザの左右の耳に独立して装着される。すなわち、複数のヒアラブルデバイス700は、互いに完全に独立して、ユーザに装着される。通常、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等は、2個の完全に独立したイヤホンが1組となっている。しかし、本発明では、3個以上のヒアラブルデバイス700が1組となっていてもよい。
【0057】
以上に説明した、実施の形態1に係る音入出力制御装置200又はヒアラブルデバイス500、音入出力制御方法、及びプログラムによれば、距離判定部201、506が、複数の音出力装置100又は複数のヒアラブルデバイス500の間の距離が所定の距離(例えば、1m)以上か否かが判定される。また、距離判定部201、506によって複数の音出力装置100又は複数のヒアラブルデバイス500の間の距離が所定の距離未満であると判定された場合に、動作制御部202、507は、音出力装置100又はヒアラブルデバイス500のそれぞれが同一のユーザに装着されている場合に適した第1の動作を行うように音出力装置100又はヒアラブルデバイス500のそれぞれを制御する。また、距離判定部201、506によって複数の音出力装置100又は複数のヒアラブルデバイス500の間の距離が所定の距離以上であると判定された場合に、動作制御部202は、音出力装置100又はヒアラブルデバイス500のそれぞれが異なるユーザに装着されている場合に適した第2の動作を行うように音出力装置100又はヒアラブルデバイス500のそれぞれを制御する。
【0058】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、
図2乃至4及び
図6のフローチャートに記載の処理手順を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0059】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0060】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
100、300 音出力装置
200、400 音入出力制御装置
500、700 ヒアラブルデバイス(音入出力制御装置)
600 携帯機器(音楽再生装置)
101、501 信号状態取得部
102、502、702 音出力部
103、503、703 音入力部
104、504、704 第1通信部
105、505、705 第2通信部
301、701 位置センサ
401、706 位置情報取得部
201、402、506、707 距離判定部
202、507、708 動作制御部
203、508、709 音入出力処理部
204 通信部