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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】包装仕切構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
B65D81/05
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020064937
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021160788
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢志
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-200988(JP,A)
【文献】特開2009-292482(JP,A)
【文献】特開2017-145014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器に収容される被包装物の一方向の端部および前記一方向について前記一方向の端部と対向する前記包装容器の第1側板との間に配置される第1包装仕切と、前記包装容器内において前記被包装物の前記一方向に対して直交する他方向の端部および前記他方向について前記他方向の端部と対向する前記包装容器の第2側板との間に配置される第2包装仕切とを備える包装仕切構造であって、
前記第2包装仕切は、
前記被包装物の前記他方向の端部と当接する本体部と、
前記本体部の前記一方向の端部において前記包装容器の前記第1側板側に延伸する延伸姿勢、および屈曲姿勢に可変する延伸部と
を備える、包装仕切構造。
【請求項2】
前記第2包装仕切は、紙製であり、
前記延伸部は、
前記本体部の前記一方向の端部において前記本体部の上面から連続する第1面と、
前記第1面から連続するとともに、前記本体部の前記一方向の端部において前記上面に対して直交する面から連続する第2面と
を備え、
前記第1面は、前記本体部との接続部分となる第1折線を有し、前記第1折線に沿って山折りに折り曲げ可能であり、
前記第2面は、前記延伸部が前記延伸姿勢の場合に前記第1折線から斜め下方に延びる第2折線を有し、前記第2折線に沿って谷折りに折り曲げ可能である、請求項1に記載の包装仕切構造。
【請求項3】
前記第1面は、前記第1折線を跨いで前記本体部の前記上面から連続する開口部を有する、請求項2に記載の包装仕切構造。
【請求項4】
前記第2面は、前記第2折線の前記第1折線と接続されない側の端部と接続するように形成された切欠き部を有する、請求項2または3に記載の包装仕切構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、包装仕切構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温水洗浄便座などの電子機器のような各種装置や機器を流通させる際の包装容器として、段ボール箱が広く用いられている。このような段ボール箱の内部には、たとえば、外部からの衝撃によって被包装物(段ボール箱の内容物)が破損しないよう被包装物を保護するために、被包装物と段ボール箱の側板との間に緩衝材などの仕切(包装仕切という)が配置される。
【0003】
包装仕切としては、たとえば、所定の形状を有する発泡スチロール製のものの他、近年の発泡スチロールの廃棄上の問題や在庫保管上の観点から、段ボールなどの紙製のものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-164978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、被包装物には、たとえば、同じ型式の製品でありながら一方向(たとえば、左右方向)にサイズ違いのものがある。具体例としては、たとえば、温水洗浄便座の場合、使用者が人体局部洗浄などを行う場合に操作する操作部を、便座の左右いずれか一方の外側方に備えるもの、備えないものがある。この場合、2つの温水洗浄便座は、操作部の有無以外は同様の外観形状である。
【0006】
このような一方向にサイズ違いの被包装物を包装容器で包装する場合、被包装物の一方向の端部から包装容器の一方向の側板までの距離が、たとえば、操作部の分だけ違うため、包装仕切(第1包装仕切という)も被包装物のサイズに応じたものを用いる。
【0007】
また、被包装物の一方向に対して直交する他方向(たとえば、前後方向)の端部には、被包装物の他方向の移動を規制しつつ被包装物の他方向の端部の緩衝材としても機能する包装仕切(第2包装仕切という)が配置される。第2包装仕切は、包装容器内において被包装物の他方向の端部と、他方向の端部と対向する包装容器の側板との間に配置される。
【0008】
しかしながら、このような第2包装仕切では、一方向にサイズ違いの被包装物を包装容器で包装する場合、被包装物のサイズごとに対応するものが必要であった。
【0009】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、一方向について延伸および屈曲の2つの姿勢をとることで、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができる包装仕切構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の一態様に係る包装仕切構造は、包装容器に収容される被包装物の一方向の端部および前記一方向について前記一方向の端部と対向する前記包装容器の第1側板との間に配置される第1包装仕切と、前記包装容器内において前記被包装物の前記一方向に対して直交する他方向の端部および前記他方向について前記他方向の端部と対向する前記包装容器の第2側板との間に配置される第2包装仕切とを備える包装仕切構造であって、前記第2包装仕切は、前記被包装物の前記他方向の端部と当接する本体部と、前記本体部の前記一方向の端部において前記包装容器の前記第1側板側に延伸する延伸姿勢、および屈曲姿勢に可変する延伸部とを備える。
【0011】
このような構成によれば、たとえば、一方向にサイズ違いの被包装物を包装容器で包装する場合、第2包装仕切が一方向について延伸する延伸姿勢と、屈曲姿勢とに可変することで、第2包装仕切を、被包装物のサイズに応じて、一方向について2つの位置で位置決めすることができる。これにより、一方向にサイズ違いの2種類の被包装物に対して単一の包装仕切(第2包装仕切)で対応することができ、環境面やコスト面において有効なものとなる。
【0012】
また、包装仕切構造では、前記第2包装仕切は、紙製であり、前記延伸部は、前記本体部の前記一方向の端部において前記本体部の上面から連続する第1面と、前記第1面から連続するとともに、前記本体部の前記一方向の端部において前記上面に対して直交する面から連続する第2面とを備え、前記第1面は、前記本体部との接続部分となる第1折線を有し、前記第1折線に沿って山折りに折り曲げ可能であり、前記第2面は、前記第1折線から斜め下方に延びる第2折線を有し、前記第2折線に沿って谷折りに折り曲げ可能である。
【0013】
このような構成によれば、延伸部は、第2面によって延伸部の一方向の強度を高めることができるとともに、第2折線によって延伸部を屈曲させることができる。すなわち、所望の強度を有する延伸姿勢と、屈曲姿勢との2つの姿勢に可変する第2包装仕切を、簡素な構造で実現することができる。
【0014】
また、包装仕切構造では、前記第1面は、前記第1折線を跨いで前記本体部の前記上面から連続する開口部を有する。
【0015】
このような構成によれば、第1折線の折り曲げ強度を低下させることができる。このように、第1折線の折り曲げ強度を意図的に低下させることで、第1面を確実に折り曲げることができ、延伸部の姿勢を確実に変更することができる。
【0016】
また、包装仕切構造では、前記第2面は、前記第2折線の端部と接続するように形成された切欠き部を有する。
【0017】
このような構成によれば、第2折線の折り曲げ強度を低下させることができる。このように、第2折線の折り曲げ強度を意図的に低下させることで、第2面を確実に折り曲げることができ、延伸部の姿勢を確実に変更することができる。
【発明の効果】
【0018】
実施形態の一態様によれば、一方向について延伸および屈曲の2つの姿勢をとることで、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、包装容器および被包装物の一例を示す概略斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る包装仕切構造の第1形態を示す平面図である。
図3図3は、第1形態の第2包装仕切の背面図である。
図4図4は、実施形態に係る包装仕切構造の第2形態を示す平面図である。
図5図5は、第2形態の第2包装仕切の背面図である。
図6図6は、第2包装仕切の延伸部の展開状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する包装仕切構造の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
<包装容器および被包装物>
まず、図1を参照して実施形態に係る包装仕切構造20が採用される包装容器1および包装容器1に収容される被包装物10について説明する。図1は、包装容器1および被包装物10の一例を示す概略斜視図である。なお、図1には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。
【0022】
以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を右方、X軸の負方向を左方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定し、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。また、このような直交座標系は、他の図にも示している場合がある。
【0023】
図1に示すように、包装容器1は、矩形状(たとえば、直方体状)の箱である。包装容器1は、たとえば、紙製の箱であり、さらに言えば、段ボール箱である。
【0024】
包装容器である段ボール箱1は、上側が開口側である。段ボール箱1は、内部空間(収容空間)を形成する面として、一方向(X軸方向、すなわち、左右方向という)に対向する一対の側板(第1側板)2,2と、一方向と直交する他方向(Y軸方向、すなわち、前後方向という)に対向する一対の側板(第2側板)3,3と、上下方向に対向する、天板4と、底板5とを有する。
【0025】
天板4は、矩形状(長方形状)の4つのフラップ板4aによって形成される。4つのフラップ4aは、開いた状態では段ボール箱1内に被包装物10を入れるための開口を形成し、閉じた状態で天板4を形成する。フラップ板4aを閉じる場合には、左右方向の2つのフラップ板4aを閉じた後、前後方向の2つのフラップ板4aを、先端同士を突き合わせた状態で閉じる。なお、図示しないが、底板5も、天板4と同様、4つのフラップ板によって形成される。
【0026】
被包装物10は、段ボール箱1に収容される。すなわち、被包装物10は、段ボール箱1の内容物である。被包装物10は、たとえば、電子機器などの各種装置や機器であり、さらに言えば、たとえば、洋式便器の上部に設置され、使用者の人体局部を洗浄する温水洗浄便座(以下、便座装置という)である。
【0027】
被包装物である便座装置10は、本体部11と、操作部12とを備える。操作部12は、たとえば、本体部11を構成する便座(図示せず)の左右いずれか一方(左方)の外側部に設けられる。なお、便座装置10は、操作部12を備えなくてもよい。便座装置10が操作部12を備えない場合、操作部12は、たとえば、トイレ室の壁面などに設けられる。
【0028】
便座装置10は、たとえば、型式が異なる場合など、左右方向にサイズが違うことがある。このように、便座装置10には、左右方向にサイズ違いのものがある。
【0029】
このような便座装置10が段ボール箱1に収容される場合、段ボール箱1内において、便座装置10を保護するための包装仕切構造を備える。
【0030】
<包装仕切構造>
次に、図2図6を参照して実施形態に係る包装仕切構造20について説明する。図2は、実施形態に係る包装仕切構造20の第1形態を示す平面図である。図3は、第1形態の第2包装仕切30の背面図である。図4は、実施形態に係る包装仕切構造20の第2形態を示す平面図である。図5は、第2形態の第2包装仕切30の背面図である。図6は、第2包装仕切30の延伸部33の展開状態を示す平面図である。なお、図5および図6には、折り曲げの基準線(折線という)を破線で示している。
【0031】
実施形態に係る包装仕切構造20は、段ボール箱1に収容される便座装置10の左右方向のサイズに応じて異なる形態となる。
【0032】
上記したように、被包装物である便座装置10には、操作部12を本体部11の左側部に備えるもの(便座装置10B)がある。また、便座装置10には、操作部12を備えないもの(便座装置10A)もある。このように、便座装置10(10A,10B)には、同じ型式の製品でありながら左右方向にサイズ違いのものがある。このような2種類の便座装置10A,10Bは、操作部12の有無以外は同様の外観形状である。
【0033】
実施形態に係る包装仕切構造20は、このように操作部の有無のような左右方向にサイズ違いの便座装置10A,10Bに対応することができる。
【0034】
実施形態に係る包装仕切構造20は、段ボール箱1に収容される便座装置10A,10Bの左右方向のサイズに応じて異なる形態となる。図2および図4に示すように、実施形態に係る包装仕切構造20は、複数の形態を備える。具体的には、実施形態に係る包装仕切構造20は、左右方向に小サイズの第1形態と、左右方向に大サイズの第2形態とを備える。
【0035】
図2および図4に示すように、包装仕切構造20は、パレット21と、包装仕切(第1包装仕切25および第2包装仕切30)とを備える。パレット21は、紙製である。パレット21は、たとえば、段ボール製である。パレット21は、段ボール箱1に収容される。パレット21は、段ボール箱1内において、底板5(図1参照)上に配置される。パレット21は、載置部22と、緩衝部23と、挿通部24とを備える。
【0036】
載置部22は、平板状である。載置部22は、パレット21の略全体を構成する。載置部22は、段ボール箱1内において、底板5と対面しつつ底板5に対して重なるように配置される。載置部22の載置面221には、便座装置10A,10Bの本体部11が載置される。
【0037】
緩衝部23は、載置部22上に形成される。この場合、緩衝部23は、便座装置10A,10Bの底面に当接する。また、緩衝部23は、載置部22と異なる他の部材を用いて載置部22の周りに設けられる。このように、緩衝部23は、便座装置10A,10Bの前面、後面、左右の側面および底面などに当接するように複数の位置に配置され、便座装置10A,10Bを衝撃などから保護する。緩衝部23は、たとえば、折り曲げられた段ボールのクッション性を利用して緩衝する。
【0038】
挿通部24は、載置面22上における左右方向の一方の端部(左端部)に形成される。挿通部24には、後述する第1包装仕切25の第1延出部28Aが左方から挿通される。挿通部24には、第1延出部28Aが挿通された状態で後述する基板部26や第2延出部28Bが当接する。
【0039】
挿通部24は、載置面221において、前後方向に沿って形成された2つの平行な切れ目(図示せず)の間が上方に向けて立ち上がることで、左右方向の挿通孔(図示せず)を有するように形成される。
【0040】
<第1包装仕切>
第1包装仕切25は、紙製である。第1包装仕切25は、たとえば、段ボール製である。第1包装仕切25は、段ボール箱1に収容される。図2および図4に示すように、第1包装仕切25は、便座装置10A,10Bの左端部および段ボール箱1の左右方向の側板(第1側板)2のうち便座装置10A,10Bの左端部と対向する側板2の間に配置される。
【0041】
第1包装仕切25は、基板部26と、側板部27と、第1延出部28Aと、第2延出部28Bとを備える。基板部26は、平板状である。このため、基板部26は、パレット21の載置面221に対して平行な面を有する。基板部26上には、たとえば、図2に示すように、第1形態の場合には便座装置10A,10Bの左端部、図4に示すように、第2形態の場合には便座装置10Bの操作部12が載置される。
【0042】
側板部27は、平板状であり、基板部26に対して直交して設けられる。側板部27には、緩衝部271が形成される。緩衝部271は、たとえば、段ボールのクッション性を利用して緩衝する。
【0043】
第1延出部28Aは、平板状であり、基板部26から左右方向に沿って延出している。第1延出部28Aは、パレット21側に向けて、すなわち、右方に向けて延出している。
【0044】
第1延出部28Aは、第1包装仕切25がパレット21に取り付けられた状態では、挿通部24の挿通孔に挿通される。
【0045】
第2延出部28Bは、平板状であり、基板部26から左右方向に沿って延出している。第2延出部28Bは、パレット21側に向けて、すなわち、右方に向けて延出している。第1延出部28Aおよび第2延出部28Bは、前後方向に並んでいる。
【0046】
第1包装仕切25は、左右方向について複数(2つ)の位置で位置決めされる。具体的には、第1包装仕切25は、第1包装仕切25およびパレット21が左右方向について複数(2つ)の位置で当接することで、左右方向について複数(2つ)の位置で位置決めされる。
【0047】
このため、第1包装仕切25は、第1当接部29Aと、第2当接部29Bとを備える。第1当接部29Aは、基板部26の右端縁部である。第2当接部29Bは、第2延出部28Bの先端縁部(右端縁部)である。
【0048】
図2に示すように、包装仕切構造20の第1形態では、第1当接部29Aが選択される。第1包装仕切25は、第1当接部29Aが挿通部24の左端縁部と当接することで、左右方向の所定位置に位置決めされる。なお、第1形態では、段ボール箱1に収容される便座装置10Aは、操作部12(図4参照)を備えないものである。
【0049】
図4に示すように、包装仕切構造20の第2形態では、第2当接部29Bが選択される。第1包装仕切25は、第2当接部29Bが挿通部24の左端縁部と当接することで、左右方向の所定位置に位置決めされる。なお、第2形態では、段ボール箱1に収容される便座装置10Bは、操作部12を備えるものである。
【0050】
このように、左右方向にサイズ違いの便座装置10A,10Bを段ボール箱1で包装する場合、第1包装仕切25とパレット21とが当接する位置を変更することで、第1包装仕切25を、便座装置10A,10Bのサイズに応じて、左右方向について複数(2つ)の位置で位置決めすることができる。これにより、左右方向にサイズ違いの便座装置10A,10Bに対して単一の第1包装仕切25で対応することができ、環境面やコスト面において有効なものとなる。
【0051】
なお、本実施形態では、第1包装仕切25は、第1当接部39Aおよび第2当接部39Bによる2つの位置で位置決めされるが、たとえば、当接部を左右方向にさらに段違いとなるように設け、3つ以上の位置で位置決め可能に構成されてもよい。
【0052】
<第2包装仕切>
第2包装仕切30は、紙製である。第2包装仕切30は、たとえば、段ボール製である。第2包装仕切30は、段ボール箱1に収容される。図3および図5に示すように、第2包装仕切30は、便座装置10A,10Bの前端部および段ボール箱1の前後方向の側板(第2側板)3のうち便座装置10A,10Bの前端部と対向する側板3の間に配置される。
【0053】
第2包装仕切30は、本体部31と、延伸部33とを備える。本体部31は、段ボール箱1内において、便座装置10A,10Bの前方に配置され、便座装置10A,10Bと当接する。本体部31は、左右方向から見た場合、略コ字状である。本体部31は、便座装置10A,10Bと対向する対向面32に形成された凹部33を有する。凹部32は、便座装置10A,10Bの前部が入り込むことで、便座装置10A,10Bの前部を保護する。
【0054】
延伸部33は、本体部31の左端部から左方に向けて連続して形成される。図5および図6に示すように、延伸部33は、第1面34と、第2面35とを備える。第1面34は、本体部31の左端部において、本体部31の上面から連続する面である。第1面34は、本体部31との接続部分となる第1折線341を有する。第1面34は、第1折線341に沿って山折りに折り曲げ可能である。
【0055】
第1面34は、開口部342を有する。開口部342は、第1折線341を跨いで本体部31の上面から連続して形成される。
【0056】
第2面35は、第1面34の後端部から連続して形成される。図5に示すように、第2面35は、第1折線341から斜め下方に延びる第2折線351を有する。第2面35は、第2折線351に沿って谷折りに折り曲げ可能である。
【0057】
図5および図6に示すように、第2面35は、切欠き部352を有する。切欠き部352は、第2面35の端縁部において、第2折線351の端部と接続するように形成される。
【0058】
そして、延伸部33は、屈曲姿勢および延伸姿勢の2つの姿勢に変化する。屈曲姿勢では、図3および図6に示すように、第1折線341が山折りされるとともに第2折線351が谷折りされ、本体部31の左端部から延伸部33が延出しない。延伸姿勢では、本体部31の左端部において、左方、すなわち、段ボール箱1(図2および図4参照)の第1側板3側に延伸する。
【0059】
図2および図3に示すように、包装仕切構造20の第1形態では、延伸部33が屈曲姿勢となることで、第2包装仕切30の左右方向の長さが設定される。なお、上記したように、第1形態では、段ボール箱1に収容される便座装置10Aは、操作部12(図4参照)を備えないものである。
【0060】
図3および図4に示すように、包装仕切構造20の第2形態では、延伸部33が延伸姿勢となることで、第2包装仕切30の左右方向の長さが設定される。なお、上記したように、第2形態では、段ボール箱1に収容される便座装置10Bは、操作部12を備えるものである。
【0061】
このように、実施形態に係る包装仕切構造20によれば、左右方向にサイズ違いの便座装置10A,10Bを段ボール箱1で包装する場合、第2包装仕切30が延伸姿勢および屈曲姿勢に可変することで、第2包装仕切30を、便座装置10A,10Bのサイズに応じて、左右方向について2つの位置で位置決めすることができる。これにより、左右方向にサイズ違いの2種類の便座装置10A,10Bに対して単一の第2包装仕切20で対応することができ、環境面やコスト面において有効なものとなる。
【0062】
また、延伸部33は、第2面35によって延伸部33の左右方向の強度を高めることができるとともに、第2折線351によって延伸部33を屈曲させることができる。すなわち、所望の強度を有する延伸姿勢と、屈曲姿勢との2つの姿勢に可変する第2包装仕切30を、簡素な構造で実現することができる。
【0063】
また、第1面34に開口部342が形成されることで、第1折線341の折り曲げ強度を低下させることができる。このように、第1折線341の折り曲げ強度を意図的に低下させることで、第1面34を確実に折り曲げることができ、延伸部33の姿勢を確実に変更することができる。
【0064】
また、第2面35に切欠き部352が形成されることで、第2折線351の折り曲げ強度を低下させることができる。このように、第2折線351の折り曲げ強度を意図的に低下させることで、第2面35を確実に折り曲げることができ、延伸部33の姿勢を確実に変更することができる。
【0065】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 包装容器
2 第1側板
3 第2側板
10 被包装物
20 包装仕切構造
25 第1包装仕切
30 第2包装仕切
31 本体部
33 延伸部
34 第1面
341 第1折線
342 開口部
35 第2面
351 第2折線
352 切欠き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6