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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】画像検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20240501BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20240501BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240501BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G01N21/88 J
B41J29/393 101
B41J29/38
B41J29/42 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020101029
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021196202
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上中 淳平
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129652(JP,A)
【文献】特開2016-024527(JP,A)
【文献】特開2016-024528(JP,A)
【文献】特開2016-115306(JP,A)
【文献】特開2002-032740(JP,A)
【文献】特開2012-083990(JP,A)
【文献】特開2020-006603(JP,A)
【文献】特開2015-231181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0291409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
B41J 29/00 - B41J 29/70
G03G 21/00 - G03G 21/20
G06T 7/00 - G06T 7/90
G06T 11/00 - G06T 11/80
H04N 1/00 - H04N 1/64
G03F 1/00 - G03F 3/10
G06F 17/00 - G06F 17/40
G06F 3/00 - G06F 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の検査基準となり、かつ編集可能な基準画像に対して、検査の特殊領域を設定する設定部と、
前記設定部により設定された第1版の第1の基準画像に設定された第1の特殊領域設定情報と、
第2版の第2の基準画像に設定された第2の特殊領域設定情報とを比較する特殊領域検査部と、
前記特殊領域検査部による前記第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果を出力する出力部とを備える、画像検査装置。
【請求項2】
前記第1の基準画像と前記第2の基準画像とを比較する基準画像検査部をさらに備え、
前記出力部は、前記特殊領域検査部による前記第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果および前記基準画像検査部による前記第1および第2の基準画像の差分結果を出力する、請求項1記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記差分結果に基づいて前記第1の特殊領域設定情報の一部の情報を前記第2の特殊領域設定情報に追加する編集部をさらに備える、請求項1記載の画像検査装置。
【請求項4】
検査の特殊領域について予め設定された第3の特殊領域設定情報を前記第1および第2の特殊領域設定情報の少なくとも一方に追加する編集部をさらに備える、請求項1記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記特殊領域検査部による前記第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果を集約して出力する、請求項1記載の画像検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置で紙面に形成された画像を検査する画像検査装置、及び画像検査を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
検版とは、一般に、印刷ワークフローにおいて、製版フィルムや刷版を作成する前に、その作成元である版下やフィルム等に誤りがないか調べる作業のことをいうが、最近では、DTP技術の進歩により、いずれもRIP処理(ラスタライズ処理)されている初校時の印刷データと再校時の印刷データとをディスプレイ画面上で画素単位で比較し、個々の画素の色濃度(階調値)の差分値などを検出することで、色校正をも合わせて行うデジタル検版を行う装置も公知である。RIP処理された印刷データから直接に製版を行うCTP(Computer To Plate)や、あるいは直接に印刷物を作成するデジタル印刷が一般的なワークフローとなった昨今では、デジタル検版処理の重要性がさらに増している。
【0003】
デジタル検版処理の場合、コンピュータ等の端末上で作業を行うことになるので、校正印刷物等を目視することによる旧来の検版(目視検版)と比べると、効率的かつ低コストで検版処理を行えるが、目視検版に比べると誤りに気付きにくく、緻密な確認が必要なため、検版作業に時間がかかってしまうなどの問題もある。
【0004】
一方で、製版、印刷会社や、製版、印刷システムのメーカーなど、業務上、多量のデータを検版する必要があるところでは、検版処理の効率化に対する強い要望がある。こうした要望に対応すべく、デジタル検版処理を効率化するための技術は、すでに公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
デジタル検版機能とは別に出力画像に対する検査を実施する上で、基準画像上で事前に指定した画像領域に対し、特殊なスキャン画像解析処理を実施する「特殊領域設定」という設定がある。
【0006】
この「特殊領域設定」には、「検査除外領域」、「用紙端部除外領域」、「自動画質補正パッチ除外領域」、「数字指定領域」、「バーコード指定領域」、「QRコード(登録商標)指定領域」等の情報が含まれており、「検査除外領域」の場合、指定した画像領域に対しては、汚れの検査を実施しない(除外する)といった処理を実施する。また、「数字指定領域」であれば、指定領域に数字が印字されている画像を画像解析により、数字の文字列情報としてデコードする処理を実施する。
【0007】
上述の特殊領域設定は、基準画像の形状や位置、トーンカーブや画像シフト等の階調情報に影響を与える設定ではなく、デジタル検版の後工程である検品実施時において、スキャン画像解析処理に影響を与える設定である。
【0008】
したがって、特殊領域設定の差分の有無および内容は、基準画像上の差分からでは検出できないため、差分の有無および内容がユーザーの意図通りであるかどうかは、従来のデジタル検版結果上からは確認することができなかった。
【0009】
また、特殊領域設定は、1ページ内に複数種類、複数箇所設定でき、かつそれをページ単位で設定可能であり、既存の特殊領域設定画面内で、ユーザー目視による人力での特殊領域設定差分検出を実施することは、ユーザー側に多大な確認負荷を強いることになり、利便性が悪かった。
【0010】
もし、特殊領域設定差分がユーザーの意図通りでないまま、検品工程まで実施してしまった場合、ユーザーにとって想定外の検品結果となってしまう可能性がある。例えば、改訂による修正前後で基準画像上に差分がないページにおいて、修正後の方にのみ、誤って検査除外領域設定が付与されてしまった場合には、誤って付与された検査除外領域については、検品時に汚れ検出が実施されない可能性がある。
【0011】
印刷後、この検査除外領域設定ミスが発覚すると、誤って設定された検査除外領域内に汚れが存在していないかどうかを出力済みの印刷物全てからユーザー目視で再チェックしなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2004-294681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で特殊領域設定の差分を検出可能な画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ある局面に従う画像検査装置は、印刷物の検査基準となる基準画像に対して、検査の特殊領域を設定する設定部と、設定部により設定された第1の基準画像に設定された第1の特殊領域設定情報と、第2の基準画像に設定された第2の特殊領域設定情報とを比較する特殊領域検査部と、特殊領域検査部による第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果を出力する出力部とを備える。
【0015】
好ましくは、第1の基準画像と第2の基準画像とを比較する基準画像検査部をさらに備える。出力部は、特殊領域検査部による第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果および基準画像検査部による第1および第2の基準画像の差分結果を出力する。
【0016】
好ましくは、差分結果に基づいて第1の特殊領域設定情報の一部の情報を第2の特殊領域設定情報に追加する編集部をさらに備える。
【0017】
好ましくは、検査の特殊領域について予め設定された第3の特殊領域設定情報を第1および第2の特殊領域設定情報の少なくとも一方に追加する編集部をさらに備える。
【0018】
好ましくは、出力部は、特殊領域検査部による第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果を集約して出力する。
【0019】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1に従う画像検査装置1の外観を説明する図である。
図2】実施形態1に従う画像検査装置1の構成を説明する図である。
図3】実施形態1に従う画像検査装置1の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に従う第1および第2の基準画像について説明する図である。
図5】実施形態に従う第1および第2の基準画像に対して特殊領域設定について説明する図である。
図6】実施形態に従う表示パネル105に表示された基準画像管理画面200について説明する図である。
図7】実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック確認画面210について説明する図である。
図8】実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック完了確認画面220について説明する図である。
図9】実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面230(その1)について説明する図である。
図10】実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面240(その2)について説明する図である。
図11】実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面250(その3)について説明する図である。
図12】実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面260(その4)について説明する図である。
図13】実施形態に従う表示パネル105に表示された基準画像管理画面201について説明する図である。
図14】実施形態に従う表示パネル105に表示されたデジタル検版確認画面211について説明する図である。
図15】実施形態に従う表示パネル105に表示されたデジタル検版完了確認画面221について説明する図である。
図16】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面231(その1)について説明する図である。
図17】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面241(その2)について説明する図である。
図18】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面242(その3)について説明する図である。
図19】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面243(その4)について説明する図である。
図20】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面244(その5)について説明する図である。
図21】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その1)である。
図22】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その2)である。
図23】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その3)である。
図24】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その4)である。
図25】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その5)である。
図26】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その6)である。
図27】実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その7)である。
図28】実施形態に従う表示パネル105に表示された別のチェック結果画面260について説明する図である。
図29】実施形態に従うデジタル検版処理のフローについて説明する図である。
図30】実施形態に従う検査処理のサブルーチンについて説明する図である。
図31】実施形態に従う表示処理のサブルーチンについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
以下の実施形態では、画像検査装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミリなどが挙げられる。
[1.画像検査装置1の構成]
図1は、実施形態1に従う画像検査装置1の外観を説明する図である。図1を参照して、画像検査装置1は、カラープリンターとしての画像検査装置1が示されている。以下では、カラープリンターとしての画像検査装置1について説明するが、画像検査装置1は、カラープリンターに限定されない。たとえば、画像検査装置1は、モノクロプリンターであってもよいし、モノクロプリンターまたはカラープリンターとファクシミリとの複合機(所謂MFP(Multi Functional Peripheral))であってもよい。
【0023】
画像検査装置1は、画像読取部としてのスキャナー20と、画像形成部としてのプリンター25とを備える。スキャナー20には、ADF(Auto Document Feeder)24が設けられている。プリンター25には、用紙を収納するトレイ37が設けられている。画像検査装置1は、画像検査装置1に関する各種の設定操作や情報を表示するための表示パネル105を備える。表示パネル105は、画像検査装置1の正面側に設けられている。
【0024】
図2は、実施形態1に従う画像検査装置1の構成を説明する図である。図2を参照して、画像検査装置1の上部には、スキャナー20が設けられている。スキャナー20は、カバー21と、用紙台22と、トレイ23と、ADF24とを含む。カバー21の一端は、用紙台22に固定されており、カバー21は、当該一端を支点として開閉可能に構成されている。操作者は、カバー21を開くことで、原稿を用紙台22にセットすることができる。画像検査装置1は、原稿が用紙台22にセットされた状態でスキャン指示を受け付けると、用紙台22にセットされた原稿のスキャンを開始する。また、画像検査装置1は、原稿がトレイ23にセットされた状態でスキャン指示を受け付けると、ADF24によって1枚ずつ自動的に原稿を読み取る。
【0025】
プリンター25は、画像作成部90Y,90M,90C,90Kと、IDC(Image Density Control)センサー19と、転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、転写駆動機32と、二次転写ローラー33と、トレイ37A~37Cと、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、クリーニングユニット43と、定着器60と、読取装置2と、制御装置101とを備える。
【0026】
画像作成部90Y,90M,90C,90Kは、転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像作成部90Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像作成部90Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像作成部90Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像作成部90Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。画像作成部90Y,90M,90C,90Kは、それぞれ、転写ベルト30に沿って転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像作成部90Y,90M,90C,90Kはそれぞれ、回転可能に構成されている感光体10と、帯電装置11と、露光装置13と、現像器14と、クリーニングユニット17と、トナーセンサー18とを備える。画像作成部90Y,90M,90C,90Kがそれぞれ、上述したように作動した後に、転写駆動機32の転写によって、イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が転写ベルト30上に形成される。
【0027】
IDCセンサー19は、転写ベルト30上に形成されるトナー像の濃度を検知する。典型的には、IDCセンサー19は、反射型フォトセンサーからなる光強度センサーであり、転写ベルト30の表面からの反射光強度を検知する。転写ベルト30は、従動ローラー38と駆動ローラー39とに張架されている。駆動ローラー39はモーター(図示しない)に接続されている。当該モーターを制御することにより、駆動ローラー39は回転する。転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に送られる。トレイ37A~37Cのそれぞれには、異なる大きさの用紙がセットされる。用紙は、記録媒体の一例である。用紙は、トレイ37A~37Cのいずれかから1枚ずつ給紙機構を介してタイミングローラー40に搬送される。そして、タイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。用紙が送り出されるタイミングに合わせて、二次転写ローラー33に印加する転写電圧を制御する。
【0028】
二次転写ローラー33は、トナー像の帯電極性と逆極性の転写電圧を搬送中の用紙に印加する。その結果、トナー像は、転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、転写ベルト30上のトナー像が転写される。二次転写ローラー33への用紙の搬送タイミングは、転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって制御される。その結果、転写ベルト30上のトナー像は、用紙の適切な位置に転写される。定着器60は、定着器60を通過する用紙を加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙に定着する。その後、用紙は、トレイ49に排紙される。クリーニングユニット43は、転写ベルト30から用紙へのトナー像の転写後に転写ベルト30の表面に残留するトナーを回収する。回収されたトナーは、搬送スクリュー(図示しない)で搬送され、廃トナー容器(図示しない)に貯められる。
【0029】
読取装置2は、用紙に形成された画像を読み取るラインイメージセンサを含む。
【0030】
[2.ハードウェア構成]
図3は、実施形態1に従う画像検査装置1の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。図3を参照して、画像検査装置1のハードウェア構成の一例について説明する。画像検査装置1は、スキャナー20およびプリンター25に加え、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークインターフェイス104と、表示パネル105と、マイク106と、記憶装置110とを含む。制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。制御装置101は、画像検査装置1の制御パラメーターを調整するためのプログラム112などの各種プログラムを実行することで画像検査装置1の動作を制御する。制御装置101は、プログラム112の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置110からRAM103にプログラム112を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、プログラム112の実行に必要な各種データを一時的に格納する。ネットワークインターフェイス104には、アンテナ(図示しない)や無線モジュールなどが接続される。画像検査装置1は、アンテナや無線モジュールを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信端末、サーバーなどを含む。画像検査装置1は、プログラム112をアンテナを介してサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
【0031】
表示パネル105は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイおよびタッチパネルは互いに重ねられており、画像検査装置1に対する操作をタッチ操作で受け付ける。また、表示パネル105は、設定操作を受け付けるのみならず、ユーザーに各種の情報を提供することが可能である。
【0032】
記憶装置110は、たとえば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)その他の記憶装置である。記憶装置110は、内蔵式、外付け式のいずれであってもよい。記憶装置110は、実施形態に従うプログラム112などを格納する。ただし、プログラム112の格納場所は記憶装置110に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。プログラム112は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、実施形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、実施形態に従うプログラム112の趣旨を逸脱するものではない。さらに、プログラム112によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーがプログラム112の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で画像検査装置1が構成されてもよい。マイク106は、音声の入力を受け付ける。
【0033】
制御装置101は、読取画像検査部3と、設定部4と、特殊領域検査部5と、基準画像検査部6と、出力部7と、編集部8とを含む。読取画像検査部3は、画像形成部によって紙面上に画像形成を行う出力対象画像のデータを取得する。対象画像(出力対象画像)のデータは、RIP(Raster Image Processor)データとも称する。読取画像検査部3は、読取装置2で得た読取画像データと、RIPデータとを比較して、読取画像の欠陥を判定する。画像検査部3が判定した結果は、画像検査装置1に接続された表示パネル105に表示される。また、画像検査部3が判定した結果に基づいて搬送部での用紙搬送を制御して、欠陥がある画像が形成された用紙を、通常の排紙トレイとは別の排紙トレイに送るようにしてもよい。設定部4は、印刷物の検査基準となる基準画像(出力対象画像)に対して、検査の特殊領域を設定する。例えば、「検査除外領域」、「用紙端部除外領域」、「自動画質補正パッチ除外領域」、「数字指定領域」、「バーコード指定領域」、「QRコード指定領域」等の情報が含まれており、「検査除外領域」の場合、指定した画像領域に対しては、汚れの検査を実施しない(除外する)といった処理を実施する。また、「数字指定領域」であれば、指定領域に数字が印字されている画像を画像解析により、数字の文字列情報としてデコードする処理を実施する。特殊領域検査部5は、設定部4により設定された第1の基準画像(第1の出力対象画像)に設定された第1の特殊領域設定情報と、第2の基準画像(第2の出力対象画像)に設定された第2の特殊領域設定情報とを比較する。基準画像検査部6は、第1の基準画像(第1の出力対象画像)と第2の基準画像(第2の出力対象画像)とを比較する。出力部7は、特殊領域検査部5による第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果を出力する。編集部8は、第1および第2の特殊領域設定情報の少なくとも一方を編集する編集処理を実行する。具体的には、編集部8は、第1および第2の特殊領域設定情報の差分結果に基づいて第1の特殊領域設定情報の一部の情報を第2の特殊領域設定情報に追加する。編集部8は、検査の特殊領域について予め設定された第3の特殊領域設定情報を第1および第2の特殊領域設定情報の少なくとも一方に追加する。また、以降の実施例では、特殊領域設定情報として、「検査除外領域」の設定時のケースを取り上げて説明する。
【0034】
図4は、実施形態に従う第1および第2の基準画像について説明する図である。図4(A)には、第1の基準画像(初版)が示されている。図4(B)には、第2の基準画像(第2版)が示されている。具体的には、第1および第2の基準画像は、それぞれ4頁で構成されている。第1の基準画像と、第2の基準画像とは、1頁と4頁目にコンテンツ画像上に差異がある。この点で、第2の基準画像(第2版)の1頁目には「ABCDEFG」の文字画像が付与されている。また、第2の基準画像(第2版)の4頁目に「2014年6月13日第2版1刷発行」の文字画像が付与されている。
【0035】
図5は、実施形態に従う第1および第2の基準画像に対して特殊領域設定について説明する図である。図5には、実施形態に従う第1および第2の基準画像に対して特殊領域設定として、1頁目~3頁目に検査除外領域設定を設定した場合が示されている。この点で、1頁目と3頁目の検査除外領域設定に差異がある。上述の特殊領域設定の領域を指定する形状は、以降の実施例では矩形を前提に記述しているが、特に形状は問わない。
【0036】
図6は、実施形態に従う表示パネル105に表示された基準画像管理画面200について説明する図である。図6には、基準画像管理画面200に設けられた基準画像リストを表示する複数のタブが設けられている。一例として、タブ202が選択されて、基準画像リストL1が202が設けられており、基準画像リストL1における複数の基準画像データの一覧が示されている。具体的には、「ID」と、「基準画像名」と、「更新日時」と、「用紙サイズ」と、「ページ」とがそれぞれ関連付けられてリスト表示されている場合が示されている。本例においては、ID「0103」、基準画像名「初版.pdf」、更新日時「11/07 17:08」、用紙サイズ「A4」、ページ「4」に対応する第1の基準画像と、ID「0104」、基準画像名「第2版.pdf」、更新日時「11/07 21:19」、用紙サイズ「A4」、ページ「4」に対応する第2の基準画像とを比較する検査について説明する。表示パネル105は、タッチパネルが設けられており、タッチ操作を受け付ける。本例においては、上記の第1基準画像および第2基準画像が選択されている場合が示されている。基準画像管理画面200には、基準画像同士を比較する処理を実行するための「デジタル検版」ボタン204が設けられている。また、設定された特殊領域の設定情報を比較する処理を実行するための「設定差分チェック」ボタン206が設けられている。また、設定部4による検査の特殊領域を設定する処理を実行するための「特殊領域設定」ボタン208が設けられている。
【0037】
図7は、実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック確認画面210について説明する図である。図7には、基準画像管理画面200上にポップアップ画面として、設定差分チェック確認画面210が表示されている場合が示されている。「設定差分チェック」ボタン206を選択することにより、当該設定差分チェック確認画面210が表示される。設定差分チェック確認画面210には、「指定した基準画像の設定差分チェックを開始します」の表示とともに、「はい」ボタン212、「いいえ」ボタン214が設けられている。「はい」ボタン212を選択することにより、設定された特殊領域の設定情報を比較する処理が開始される。「いいえ」ボタン214を選択した場合には、前の基準画像管理画面200に戻る。
【0038】
図8は、実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック完了確認画面220について説明する図である。図8には、基準画像管理画面200上にポップアップ画面として、設定差分チェック完了確認画面220が表示されている場合が示されている。図7で表示された設定差分チェック確認画面210において、「はい」ボタン212が選択されることにより設定された特殊領域の設定情報を比較する処理が開始されて、当該比較する処理が完了した場合に当該設定差分チェック完了確認画面が表示される。設定差分チェック完了確認画面220には、「設定差分チェック完了しました」の表示とともに、「結果」ボタン222、「戻る」ボタン224が設けられている。「結果」ボタン222を選択することにより、設定差分チェック結果画面が表示される。「戻る」ボタン224を選択することにより、設定差分チェック結果画面を表示することなく、前の基準画像管理画面200に戻る。
【0039】
図9は、実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面230(その1)について説明する図である。図9には、設定差分チェック結果画面230が表示されている場合が示されている。図8で表示された設定差分チェック完了確認画面220において、「結果」ボタン222が選択されることにより当該設定差分チェック結果画面が表示される。設定差分チェック結果画面230には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とがそれぞれ示されている。そして、設定差分チェック結果として、「差分検知ページ:1,3」が示されている。すなわち、1頁目と、3頁目に特殊領域の設定情報に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0040】
図10は、実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面240(その2)について説明する図である。図10には、設定差分チェック結果画面240が表示されている場合が示されている。設定差分チェック結果画面240には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とのそれぞれにおいて、差分となる設定された領域の詳細が示されている。具体的には、比較元データにおいて、「1頁目」の「検査除外領域」の「2箇所目」について、X,Y座標で規定される領域データ「(X:90,Y:250)~(X:125,Y:280)」が示されている。また、「3頁目」の「検査除外領域」の「1箇所目」について、X,Y座標で規定される領域データ「(X:90,Y:20)~(X:125,Y:50)」が示されている。また、比較先データにおいて、「1頁目」の「検査除外領域」の「2箇所目」について、X,Y座標で規定される領域データ「(X:90,Y:250)~(X:170,Y:280)」が示されている。また、「3頁目」の「検査除外領域」の「1箇所目」について、X,Y座標で規定される領域データ「(X:150,Y:100)~(X:180,Y:130)」が示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0041】
図11は、実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面250(その3)について説明する図である。図11には、設定差分チェック結果画面250が表示されている場合が示されている。設定差分チェック結果画面250には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、差分となる設定された領域が明示されている。具体的には、1頁目において、差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域とにそれぞれグループ分けされて、表示される。本例においては、1頁目において、比較先データの1頁目の検査除外領域の範囲が比較元データの1頁目の検査除外領域よりも大きく設定されている。したがって、当該部分について、比較先のみ存在する検査除外領域としてグループ分けされたことが識別可能なように表示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0042】
図12は、実施形態に従う表示パネル105に表示された設定差分チェック結果画面260(その4)について説明する図である。図12には、設定差分チェック結果画面260が表示されている場合が示されている。設定差分チェック結果画面260には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、差分となる設定された領域が明示されている。具体的には、3頁目において、差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域とにそれぞれグループ分けされて、表示される。本例においては、3頁目において、比較元データの3頁目の検査除外領域の範囲と、比較先データの3頁目の検査除外領域の範囲とが異なる。したがって、当該部分について、比較元のみ存在する検査除外領域のグループと、比較先のみ存在する検査除外領域のグループとが識別可能なように表示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。上記においては、特殊領域の設定情報の差分を検出する場合について説明したが、通常の基準画像の情報の差分も合わせて検出するようにしてもよい。
【0043】
図13は、実施形態に従う表示パネル105に表示された基準画像管理画面201について説明する図である。図13には、基準画像管理画面201に設けられた基準画像リストを表示する複数のタブが設けられている。基準画像管理画面201は、図6の基準画像管理画面200と比較して、「設定差分チェック」ボタン206を削除して、「デジタル検版」ボタン205のみにした点が異なる。「デジタル検版」ボタン205を選択することにより、基準画像同士を比較する処理を実行するとともに、設定された特殊領域の設定情報を比較する処理を実行する。
【0044】
図14は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたデジタル検版確認画面211について説明する図である。図14には、基準画像管理画面201上にポップアップ画面として、デジタル検版確認画面211が表示されている場合が示されている。「デジタル検版」ボタン205を選択することにより、当該デジタル検版確認画面211が表示される。デジタル検版確認画面211には、「指定した基準画像でデジタル検版を実施します」の表示とともに、「はい」ボタン213、「いいえ」ボタン215が設けられている。「はい」ボタン213を選択することにより、基準画像同士を比較する処理とともに、設定された特殊領域の設定情報を比較する処理が開始される。「いいえ」ボタン215を選択した場合には、前の基準画像管理画面201に戻る。
【0045】
図15は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたデジタル検版完了確認画面221について説明する図である。図15には、基準画像管理画面201上にポップアップ画面として、デジタル検版完了確認画面221が表示されている場合が示されている。図14で表示されたデジタル検版確認画面211において、「はい」ボタン213が選択されることにより設定された基準画像同士を比較する処理とともに、特殊領域の設定情報を比較する処理が開始されて、当該比較する処理が完了した場合に当該デジタル検版完了確認画面221が表示される。デジタル検版完了確認画面221には、「デジタル検版完了しました」の表示とともに、「結果」ボタン223、「戻る」ボタン225が設けられている。「結果」ボタン223を選択することにより、チェック結果画面が表示される。「戻る」ボタン225を選択することにより、チェック結果画面を表示することなく、前の基準画像管理画面201に戻る。
【0046】
図16は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面231(その1)について説明する図である。図16には、チェック結果画面231が表示されている場合が示されている。図15で表示されたデジタル検版完了確認画面221において、「結果」ボタン223が選択されることにより当該チェック結果画面が表示される。チェック結果画面231には、「デジタル検版レポートサマリー」との表示とともに、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とがそれぞれ示されている。そして、基準画像比較結果として、「画像差分頁:1,3,4」と、「設定情報差分検知ページ:1,3」とが示されている。すなわち、1頁目と、3頁目と、4頁目とに基準画像同士に差異があることが示されている。また、1頁目と、3頁目とに、特殊領域の設定情報に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で基準画像同士の差分とともに、特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0047】
図17は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面241(その2)について説明する図である。図17には、チェック結果画面241が表示されている場合が示されている。チェック結果画面241には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、差分となる設定された領域が明示されている。具体的には、1頁目において、比較元データ(「初版.pdf」)と、比較先データ(「第2版.pdf」)とが示されている。差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域と、画像上の差分領域とにそれぞれグループ分けされて、表示される。本例においては、1頁目において、比較先データの1頁目の検査除外領域の範囲が比較元データの1頁目の検査除外領域よりも大きく設定されている。したがって、当該部分について、比較先のみ存在する検査除外領域としてグループ分けされたことが識別可能なように表示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。また、「ABCDEFG」の領域が識別可能なように表示されている。これにより基準画像上に差分領域があることが示されており、特殊領域設定情報の差分とともに基準画像の差分も検出することが可能である。
【0048】
図18は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面242(その3)について説明する図である。図18には、チェック結果画面242が表示されている場合が示されている。チェック結果画面242には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、差分となる設定された領域が明示されている。具体的には、2頁目において、比較元データ(「初版.pdf」)と、比較先データ(「第2版.pdf」)とが示されている。差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域と、画像上の差分領域とにそれぞれグループ分けされて、表示される。本例においては、2頁目においては、差分なしの検査除外領域が表示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異が無いことが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0049】
図19は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面243(その4)について説明する図である。図19には、チェック結果画面243が表示されている場合が示されている。チェック結果画面243には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、差分となる設定された領域が明示されている。具体的には、3頁目において、比較元データ(「初版.pdf」)と、比較先データ(「第2版.pdf」)とが示されている。差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域と、画像上の差分領域とにそれぞれグループ分けされて、表示される。本例においては、3頁目において、比較元データの3頁目の検査除外領域の範囲と、比較先データの3頁目の検査除外領域の範囲とが異なる。したがって、当該部分について、比較元のみ存在する検査除外領域のグループと、比較先のみ存在する検査除外領域のグループとが識別可能なように表示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0050】
図20は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面244(その5)について説明する図である。図20には、チェック結果画面244が表示されている場合が示されている。チェック結果画面244には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、差分となる設定された領域が明示されている。具体的には、4頁目において、比較元データ(「初版.pdf」)と、比較先データ(「第2版.pdf」)とが示されている。差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域と、画像上の差分領域とにそれぞれグループ分けされて、表示される。本例においては、4頁目において、比較元データの4頁目の基準画像と、比較先データの4頁目の基準画像とが異なる。「2014年6月13日第2版第1刷発行」の領域が識別可能なように示されている。したがって、当該部分について、基準画像に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で基準画像の差分を検出することが可能である。
【0051】
図21は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その1)である。図21には、図19で説明したチェック結果画面243について編集処理を実行する場合が示されている。編集処理として、ここでは、「コピー」ボタン300と、「削除」ボタン302とが設けられている場合が示されている。
【0052】
具体的には、3頁目において、比較元データ(「初版.pdf」)と、比較先データ(「第2版.pdf」)とが示されており、比較元データの検査除外領域を比較先データにコピーする場合について説明する。具体的には、コピーの元となる検査除外領域を選択する。そして、選択状態にした後、「コピー」ボタン300を押下する。これにより、比較先データに比較元データの検査除外領域の一部の情報を上書きすることが可能となる。
【0053】
図22は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その2)である。図22には、図21で説明したチェック結果画面について編集処理を実行する場合が示されている。図21のチェック結果において、「コピー」ボタン300を押下したことにより、比較先データに比較元データの検査除外領域の情報が上書きされる。すなわち、比較先データについて、比較元データと同じ位置に検査除外領域が設定される。これにより比較元データと比較先データとについて差分が生じないため差分なしの検査除外領域として表示される場合が示されている。
【0054】
図23は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その3)である。図23には、図22で説明したチェック結果画面について編集処理を実行する場合が示されている。編集処理として、比較先データの検査除外領域を削除する場合について説明する。具体的には、削除対象となる検査除外領域を選択する。そして、選択状態にした後、「削除」ボタン302を押下する。これにより、比較先データから当該検査除外領域の一部の情報が消去されて上書きすることが可能となる。
【0055】
図24は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その4)である。図24には、図23で説明したチェック結果画面について編集処理を実行する場合が示されている。図23のチェック結果において、「削除」ボタン302を押下したことにより、比較先データの検査除外領域の情報が上書きされて削除された状態として表示されている。
【0056】
図25は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その5)である。図25には、図17で説明したチェック結果画面について編集処理を実行する場合が示されている。編集処理として、設定プロファイルとして検査除外領域を適用する場合について説明する。具体的には、予め登録されている設定プロファイルを適用対象となる検査除外領域を選択する。「設定プロファイル」ボタン310を押下する。これにより、設定プロファイルのリストが表示される。
【0057】
図26は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その6)である。図26には、図25で説明したチェック結果画面について編集処理を実行する場合が示されている。図25のチェック結果において、「設定プロファイル」ボタン310を押下したことにより、複数の設定プロファイルのリスト選択画面312が示されている。
【0058】
本例においては、リスト選択画面312において、「TestProfile2」が選択されている場合が示されている。また、リスト選択画面312において、「適用」ボタン314が設けられている。当該「適用」ボタン314を押下することにより、「TestProfile2」の設定プロファイルの検査除外領域を設定することが可能となる。
【0059】
図27は、実施形態に従う表示パネル105に表示されたチェック結果画面の編集処理について説明する図(その7)である。図27には、図26で説明したチェック結果画面について編集処理を実行する場合が示されている。図26のチェック結果において、「適用」ボタン314を押下したことにより、「TestProfile2」の設定プロファイルの検査除外領域が設定される。本例においては、ポップ画面316が表示されるとともに、「TestProfile2を適用しました」の表示が示されている。そして、「TestProfile2」の設定プロファイルに基づく検査除外領域が設定された場合が示されている。1頁目において、比較先データの1頁目の検査除外領域の範囲が比較元データの1頁目の検査除外領域よりも大きく設定されていたが、「TestProfile2」の設定プロファイルの適用により、比較元データと同じ領域に設定された場合が示されている。
【0060】
上記においては、チェック結果画面として比較元データと、比較先データとをそれぞれ対比可能なように表示する場合について説明したが、集約表示させても良い。
【0061】
図28は、実施形態に従う表示パネル105に表示された別のチェック結果画面260について説明する図である。図28には、チェック結果画面260が表示されている場合が示されている。チェック結果画面260には、比較元データ(第1基準画像のデータ)と、比較先データ(第2基準画像のデータ)とを比較して、それぞれの情報を集約した状態が示されている。具体的には、3頁目において、比較元データ(「初版.pdf」)と、比較先データ(「第2版.pdf」)との差分なしの検査除外領域と、比較元のみ存在する検査除外領域と、比較先のみ存在する検査除外領域と、画像上の差分領域とにそれぞれグループ分けされて、同じ領域に表示されている。本例においては、3頁目において、比較元データの3頁目の検査除外領域の範囲と、比較先データの3頁目の検査除外領域の範囲とが異なる。したがって、当該部分について、比較元のみ存在する検査除外領域のグループと、比較先のみ存在する検査除外領域のグループとが識別可能なように表示されている。すなわち、特殊領域の設定情報の範囲に差異があることが示されている。これにより、簡易な方式で特殊領域設定情報の差分を検出することが可能である。
【0062】
(処理フロー)
図29は、実施形態に従うデジタル検版処理のフローについて説明する図である。図29を参照して、制御装置101は、検査処理を実行する(ステップST2)。検査処理の詳細については後述する。具体的には、特殊領域検査部5は、設定部4により設定された比較元データに設定された第1の特殊領域設定情報と、比較先データに設定された第2の特殊領域設定情報とを比較する検査処理を実行する。基準画像検査部6は、比較元データの基準画像と比較先データの基準画像とを比較する検査処理を実行する。
【0063】
次に、制御装置101は、検査処理に基づく検査結果の表示処理を実行する(ステップST4)。具体的には、出力部7は、検査処理に基づく検査結果の表示処理を実行する。表示処理の詳細については後述する。
【0064】
次に、制御装置101は、編集指示が有るか否かを判断する(ステップST6)。
【0065】
ステップST6において、制御装置101は、編集指示が有ると判断した場合(ステップST6においてYES)には、編集処理を実行する(ステップST8)。具体的には、編集部8は、編集処理を実行する。編集部8は、図21で説明したように「コピー」ボタン300の選択を受け付けて、比較先データに比較元データの検査除外領域の一部の情報を追加する編集処理を実行する。また、編集部8は、図23で説明したように「削除」ボタン302の選択を受け付けて、比較先データの検査除外領域の一部の情報を削除する編集処理を実行するようにしても良い。また、編集部8は、図25図27で説明したように、「設定プロファイル呼び出し」ボタン310の選択を受け付けて、選択されたリスト内の設定プロファイルを比較先データに適用する編集処理を実行するようにしても良い。具体的には、編集部8は、比較先データの検査除外領域の一部の情報に設定プロファイルの情報を含めて更新する編集処理を実行するようにしても良い。
【0066】
次に、制御装置101は、処理を終了するか否かを判断する(ステップST10)。
【0067】
ステップST10において、制御装置101は、処理を終了しないと判断した場合(ステップST10においてNO)には、ステップST4に戻る。
【0068】
一方、制御装置101は、処理を終了すると判断した場合(ステップST10においてYES)には、処理を終了する(エンド)。
【0069】
図30は、実施形態に従う検査処理のサブルーチンについて説明する図である。図30を参照して、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域設定が有るか否かを判断する(ステップS2)。
【0070】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域設定が有ると判断した場合(ステップS2においてYES)には、比較元データの特殊領域を抽出する(ステップS4)。
【0071】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域と座標が一致する比較先データの特殊領域が存在するか否かを判断する(ステップS6)。
【0072】
ステップS6において、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域と座標が一致する比較先データの特殊領域が存在すると判断した場合(ステップS6においてYES)には、共通する特殊領域として記録する(ステップS8)。
【0073】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、頁情報を記録する(ステップS10)。
【0074】
一方、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域と座標が一致する比較先データの特殊領域が存在しないと判断した場合(ステップS6においてNO)には、比較元のみ存在する特殊領域として記録する(ステップS12)。
【0075】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、頁情報を記録する(ステップS10)。
【0076】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域設定が他に有るか否かを判断する(ステップS14)。
【0077】
ステップS14において、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域設定が他に有る判断した場合(ステップS14においてYES)には、ステップS4に戻る。そして、制御装置101の特殊領域検査部5は、再び、比較元データの特殊領域を抽出して、上述の処理を繰り返す。
【0078】
一方、ステップS14において、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較元データの特殊領域設定が他に無いと判断した場合(ステップS14においてNO)には、比較先データのみの特殊領域設定が有るか否かを判断する(ステップS16)。
【0079】
ステップS16において、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較先データのみの特殊領域が有ると判断した場合(ステップS16においてYES)には、比較先のみ存在する特殊領域を抽出する(ステップS18)。
【0080】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較先のみ存在する特殊領域として記録する(ステップS20)。
【0081】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、頁情報を記録する(ステップS22)。
【0082】
次に、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較先データのみの特殊領域設定が他に有るか否かを判断する(ステップS24)。
【0083】
次に、ステップS24において、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較先データのみの特殊領域設定が他に有る判断した場合(ステップS24においてYES)には、ステップS18に戻る。
【0084】
そして、制御装置101の特殊領域検査部5は、再び、比較先データのみの特殊領域を抽出して、上述の処理を繰り返す。
【0085】
一方、ステップS24において、制御装置101の特殊領域検査部5は、比較先データのみの特殊領域設定が他に無いと判断した場合(ステップS24においてNO)には、処理を終了する(リターン)。
【0086】
なお、上記においては、制御装置101の特殊領域検査部5において、比較元データと、比較先データとの特殊領域設定を比較して検査する場合について説明したが、制御装置101の基準画像検査部6において、比較元データと、比較先データとの基準画像をそれぞれ比較して検査する場合についても同様である。
【0087】
図31は、実施形態に従う表示処理のサブルーチンについて説明する図である。図31を参照して、制御装置101の出力部7は、比較元データ、比較先データの情報、差分を検知した頁番号、差分のあった座標情報を表示する(ステップS30)。具体的には、出力部7は、図9および図10で説明したような設定差分チェック結果画面230,240を表示するようにしても良い。
【0088】
次に、制御装置101の出力部7は、記録した共通する特殊領域設定を第1パターンで表示する(ステップS32)。
【0089】
次に、制御装置101の出力部7は、比較元のみ存在する特殊領域設定を第2パターンで表示する(ステップS34)。
【0090】
次に、制御装置101の出力部7は、比較先のみ存在する特殊領域設定を第3パターンで表示する。具体的には、出力部7は、図11および図12で説明したように設定差分チェック結果画面250,260を表示するようにしてもよい。
【0091】
そして、処理を終了する(リターン)。
【0092】
なお、上記においては、比較元データと、比較先データとの特殊領域設定を比較して、比較結果に基づいて表示形式を変更する処理について説明した。特殊領域設定に限られず出力部7は、比較元データと、比較先データとの基準画像をそれぞれ比較して比較結果に基づいて表示形式を変更することも同様に可能である。
【0093】
具体的には、出力部7は、図16で説明したようにチェック結果画面242を表示するようにしても良い。また、出力部7は、図17図20で説明したチェック結果画面241~244を表示するようにしてもよい。
【0094】
また、出力部7は、図28で説明したように、比較元データと、比較先データとを比較して、それぞれの情報を集約した状態で表示するようにしても良い。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0096】
1 画像検査装置、2 読取装置、3 画像検査部、4 設定部、5 特殊領域検査部、6 基準画像検査部、7 出力部、8 編集部、10 感光体、11 帯電装置、13 露光装置、14 現像器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31