(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】画像データ設定装置、画像データ設定方法および画像データ設定プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/405 20060101AFI20240501BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240501BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04N1/405
G03G21/00 376
G06F3/12 308
G06F3/12 342
(21)【出願番号】P 2020128385
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山室 達郎
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-60065(JP,A)
【文献】特開2009-12411(JP,A)
【文献】特開2010-247515(JP,A)
【文献】特開2017-223734(JP,A)
【文献】特開2001-191700(JP,A)
【文献】特開2012-084993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/40
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔形成画像に係る画像データを設定可能な画像データ設定装置であって、
前記画像データに係る印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて前記画像データにおける網点設定を変更する設定部と、
を備える画像データ設定装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、各網点のそれぞれに箔を配置した際、隣り合う箔がつながらないように前記網点設定を制御する、
請求項1に記載の画像データ設定装置。
【請求項3】
前記設定部は、
前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれないと判定された場合、前記網点設定を第1設定とし、
前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、前記網点設定を、前記第1設定よりも網点の線数が少ない第2設定とする、
請求項1または請求項2に記載の画像データ設定装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記箔形成画像に用いる箔の種類に基づいて前記網点設定における網点の線数を制御する、
請求項1~3の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記箔形成画像が形成される記録媒体の設定に基づいて前記網点設定における網点の線数を制御する、
請求項1~4の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記箔形成画像に用いるトナーの種類に基づいて前記網点設定における網点の線数を制御する、
請求項1~5の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記画像データにおける階調に基づいて前記網点設定における網点の線数を制御する、
請求項1~6の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項8】
前記設定部は、
前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれないと判定された場合、前記網点設定をラインタイプとし、
前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、前記網点設定をドットタイプとする、
請求項1~7の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項9】
前記設定部は、
前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれないと判定された場合、前記網点設定における角度を第1角度とし、
前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、前記網点設定における角度を前記第1角度とは異なる第2角度とする、
請求項1~8の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項10】
前記設定部は、前記判定部により前記印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、前記画像データにおける角度成分に基づいて前記第2角度を調整する、
請求項9に記載の画像データ設定装置。
【請求項11】
前記設定部は、前記箔形成画像に用いる箔の種類、前記箔形成画像が形成される記録媒体の設定、前記箔形成画像に用いるトナーの種類、および、前記画像データにおける階調の、2以上の組み合わせに基づいて、前記網点設定を制御する、
請求項1~10の何れか1項に記載の画像データ設定装置。
【請求項12】
箔形成画像に係る画像データを設定可能な画像データ設定装置の画像データ設定方法であって、
前記画像データに係る印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定し、
判定結果に応じて前記画像データにおける網点設定を変更する画像データ設定方法。
【請求項13】
箔形成画像に係る画像データを設定可能な画像データ設定装置に関する画像データ設定プログラムであって、
コンピューターに、
前記画像データに係る印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定する判定処理と、
前記判定処理の判定結果に応じて前記画像データにおける網点設定を変更する設定処理と、を実行させる画像データ設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ設定装置、画像データ設定方法および画像データ設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箔押し装置を用いて、箔を画像に形成した箔形成画像を形成可能なシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムでは、例えば、記録媒体に画像(トナー像)を形成した後、当該画像の上に箔を押して、トナーを箔の接着剤として利用することにより、箔形成画像を記録媒体に形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、商業印刷において、グラデーションのような階調を有するオブジェクトを形成する場合がある。商業印刷では、グラデーションを作成する場合、例えば175線のような小さい網点を使用して作成することが一般的である。
【0005】
しかしながら、箔形成画像において上記のオブジェクトを形成する場合、通常の画像を形成する場合と同様の設定とすると、箔に対して網点が小さすぎて、隣り合う箔がつながる等して、オブジェクトに係る階調を正確に表現することができないおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、グラデーションのような階調を有するオブジェクトに対しても正確に箔押し加工処理が施され、ひいては箔による階調を正確に表現することが可能な画像データ設定装置、画像データ設定方法および画像データ設定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像データ設定装置は、
箔形成画像に係る画像データを設定可能な画像データ設定装置であって、
前記画像データに係る印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて前記画像データにおける網点設定を変更する設定部と、
を備える。
【0008】
本発明に係る画像データ設定方法は、
箔形成画像に係る画像データを設定可能な画像データ設定装置の画像データ設定方法であって、
前記画像データに係る印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定し、
判定結果に応じて前記画像データにおける網点設定を変更する。
【0009】
本発明に係る画像データ設定プログラムは、
箔形成画像に係る画像データを設定可能な画像データ設定装置に関する画像データ設定プログラムであって、
コンピューターに、
前記画像データに係る印刷ジョブに前記箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定する判定処理と、
前記判定処理の判定結果に応じて前記画像データにおける網点設定を変更する設定処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、グラデーションのような階調を有するオブジェクトに対しても正確に箔押し加工処理が施され、ひいては箔による階調を正確に表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2B】本実施の形態における箔の配置例を示す図である。
【
図3】画像データ設定装置における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】画像データ設定装置における、箔の種類に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】画像データ設定装置における、記録媒体の設定に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】画像データ設定装置における、トナーの種類に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】画像データ設定装置における、画像の濃度に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】画像データ設定装置における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】画像データ設定装置における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図10】第2角度を調整する画像データ設定装置における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】画像データ設定装置における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る画像形成システム1は、箔形成画像を記録媒体に形成可能なシステムであり、画像形成装置10と、箔押し装置20と、画像データ設定装置100とを備える。
【0014】
画像形成装置10は、例えば、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。具体的に、画像形成装置10は、感光体ドラム上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルトに一次転写し、中間転写ベルト上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニットから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
【0015】
画像形成装置10は、画像データ設定装置100を介して印刷ジョブに基づく画像データを取得し、当該画像データに基づく出力画像を記録媒体に形成する。画像形成装置10は、操作表示部11、画像処理部12、画像形成部13、定着部14、搬送部15および制御部16等を備える。
【0016】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置10の各ブロック等の動作を集中制御する。
【0017】
操作表示部11は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部および操作部として機能する。表示部は、制御部16から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部16に出力する。
【0018】
画像処理部12は、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部12は、制御部16の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。
【0019】
画像形成部13は、画像処理後の画像データに基づいて記録媒体に画像(トナー像)を形成する。画像形成部13は、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット、中間転写ユニット等を有する。
【0020】
定着部14は、トナー像が転写され、搬送されてきた記録媒体を定着ニップで加熱、加圧することにより、記録媒体にトナー像を定着させる。
【0021】
搬送部15は、給紙部、排紙部、及び搬送経路部等を備える。給紙部には、坪量やサイズ等に基づいて識別された記録媒体が収容される。
【0022】
搬送経路部は、レジストローラー対等の複数の搬送ローラー対、記録媒体を画像形成部13および定着部14を通過させ、画像形成装置10の機外に排出する通常搬送路等を有する。
【0023】
給紙部に収容される記録媒体は、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部により画像形成部13に搬送される。画像形成部13においては、中間転写ベルトのトナー像が記録媒体の一方の面に一括して二次転写され、定着部14において定着工程が施される。画像形成された記録媒体は、排紙ローラーを備えた排紙部により機外に排紙される。
【0024】
箔押し装置20は、印刷ジョブにおいて箔形成画像に関する設定が含まれる場合、記録媒体に箔押し加工処理を施して箔形成画像を記録媒体に形成する。箔押し装置20は、画像形成装置10から排出された記録媒体の搬送経路に配置された箔転写部21等を有する。
【0025】
箔転写部21は、例えば転写ニップを形成する加熱ローラーおよび加圧ローラー等を有しており、転写ニップを通過する記録媒体のトナー像を溶融して接着剤として用いることにより箔を記録媒体に転写する。なお、箔転写部21の転写ニップには、例えば箔が積層された箔用紙が給送されるようになっている。
【0026】
このように、画像形成システム1では、画像形成装置10および箔押し装置20により、箔形成画像を記録媒体に形成可能である。
【0027】
画像データ設定装置100は、例えばパーソナルコンピューター等のコンピューター装置である。画像データ設定装置100は、CPU、ROM、RAM等を備えており、印刷ジョブにおける箔形成画像に係る画像データを設定可能である。画像データ設定装置100は、印刷データ作成部110と、判定部120と、設定部130とを有する。
【0028】
印刷データ作成部110は、例えば、画像形成システム1に入力された印刷ジョブに係る画像データを作成する。画像データには、画像形成装置10で形成する画像のデータと、箔押し装置20で形成する箔形成画像に係る箔データとが含まれる。
【0029】
判定部120は、印刷データ作成部110により作成された画像データに係る印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれるか否かについて判定する。箔形成画像に関する設定は、当該画像データにおいて、箔押し装置20により箔押し加工処理を施す部分を有する設定である。
【0030】
判定部120は、画像データに箔押し装置20により箔押し加工処理を施す部分がある場合、印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれると判定し、画像データに箔押し装置20により箔押し加工処理を施す部分がない場合、印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれないと判定する。
【0031】
設定部130は、判定部120の判定結果に応じて画像データにおける網点設定を変更する。具体的には、設定部130は、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれないと判定された場合、網点設定を第1設定とする。第1設定は、箔を形成しない通常の画像形成における一般的な設定であり、例えば、網点の線数が175線となる設定である。
【0032】
設定部130は、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、網点設定を第2設定とする。
【0033】
第2設定は、網点の線数が第1設定よりも少ない線数となる設定であり、網点の線数が、各網点のそれぞれに箔を配置した際、隣り合う箔がつながらないような線数(例えば60線)となる設定である。設定部130は、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、各網点のそれぞれに箔を配置した際、隣り合う箔がつながらないように網点設定を制御する。
【0034】
ところで、画像形成システム1においては、グラデーションのような階調を有するオブジェクトを記録媒体に形成するような印刷が行われる場合がある。商業印刷では、グラデーションを形成する場合、例えば175線のような比較的小さい網点を使用して、印刷物を作成することが一般的である。
【0035】
しかし、箔形成画像において上記のオブジェクトを形成する場合、通常の画像を形成する場合と同様の設定とすると、箔に対して網点が小さすぎて、隣り合う箔がつながる等して(例えば、
図2A参照)、オブジェクトに係る階調を正確に表現することができないおそれがある。
【0036】
本実施の形態では、箔形成画像を形成する場合、網点設定を、通常の第1設定よりも線数の小さい第2設定とするので、隣り合う箔がつながらずに配置されてグラデーションを正確に表現することができる(例えば、
図2B参照)。すなわち、本実施の形態では、グラデーションのような階調を有するオブジェクトに対しても正確に箔押し加工処理が施され、ひいては箔による階調を正確に表現することができる。
【0037】
以上のように構成された画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例について説明する。
図3は、画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図3における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0038】
図3に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS101)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS101、NO)、画像データ設定装置100は、第1設定に網点を設定する(ステップS102)。
【0039】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS101、YES)、画像データ設定装置100は、第2設定に網点を設定する(ステップS103)。ステップS102またはステップS103の後、本制御は終了する。
【0040】
以上のように構成された本実施の形態によれば、グラデーションのような階調を有するオブジェクトに対しても正確に箔押し加工処理が施され、ひいては箔による階調を正確に表現することができる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、箔の種類については言及されていなかったが、本発明はこれに限定されない。例えば、設定部130は、箔形成画像に用いる箔の種類に基づいて網点設定における網点の線数を制御しても良い。
【0042】
例えばメタリックホイル箔、ホログラム箔、レインボー箔等、通常の色箔と比較して圧着率が悪い箔が、箔形成画像に用いられる場合がある。このような場合、通常の色箔と同様の線数とした場合、正確に箔押し加工処理ができなくなる可能性がある。
【0043】
そのため、設定部130は、箔の圧着率に応じて網点の線数を制御する。具体的には、設定部130は、例えば箔の圧着率が小さくなるほど、網点の線数を少なくするように網点の線数を制御する。
【0044】
このようにすることによって、網点設定を正確に設定することができ、ひいては正確な箔押し加工処理を行うことができる。
【0045】
この箔の種類に基づく画像データ設定制御の動作例について説明する。
図4は、画像データ設定装置100における、箔の種類に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図4における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0046】
なお、
図4におけるフローチャートは、一例として箔の種類が色箔である場合、網点を上記の第2設定とし、箔の種類が色箔以外の箔である場合、網点を第2設定より線数の少ない第3設定とする。
【0047】
図4に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS201)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS201、NO)、画像データ設定装置100は、第1設定に網点を設定する(ステップS202)。
【0048】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS201、YES)、画像データ設定装置100は、箔の種類が色箔であるか否かについて判定する(ステップS203)。
【0049】
判定の結果、箔の種類が色箔である場合(ステップS203、YES)、画像データ設定装置100は、第2設定に網点を設定する(ステップS204)。一方、箔の種類が色箔ではない場合(ステップS203、NO)、画像データ設定装置100は、第3設定に網点を設定する(ステップS205)。ステップS202、ステップS204またはステップS205の後、本制御は終了する。
【0050】
また、上記実施の形態では、箔形成画像が形成される記録媒体の設定について言及されていなかったが、設定部130は、箔形成画像が形成される記録媒体の設定に応じて網点設定における網点の線数を制御しても良い。
【0051】
記録媒体の設定としては、例えば記録媒体の種類、厚さ、加工状態、通紙方向等が挙げられる。例えば、マット紙のような、箔の圧着性のよい記録媒体(種類または加工状態)である場合、箔がトナー像に圧着されやすくなる。また、記録媒体の厚さや記録媒体の通紙方向によって、記録媒体の搬送速度や箔転写部21における転写圧等の設定が異なるので、箔の圧着性が異なる。
【0052】
そのため、設定部130は、記録媒体の設定における箔の圧着性に応じて網点の線数を制御する。具体的には、設定部130は、記録媒体の設定における箔の圧着性が小さくなるほど、網点の線数を少なくする。
【0053】
このようにすることによって、網点設定を正確に設定することができ、ひいては正確な箔押し加工処理を行うことができる。
【0054】
この記録媒体の設定に基づく画像データ設定制御の動作例について説明する。
図5は、画像データ設定装置100における、記録媒体の設定に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図5における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0055】
なお、
図5におけるフローチャートは、一例として記録媒体の種類(設定)がマット紙でない場合、網点を上記の第2設定とし、記録媒体の種類(設定)がマット紙である場合、網点を第2設定より線数の多い第4設定とする。
【0056】
図5に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS301)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS301、NO)、画像データ設定装置100は、第1設定に網点を設定する(ステップS302)。
【0057】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS301、YES)、画像データ設定装置100は、記録媒体の設定がマット紙であるか否かについて判定する(ステップS303)。
【0058】
判定の結果、記録媒体の設定がマット紙でない場合(ステップS303、NO)、画像データ設定装置100は、第2設定に網点を設定する(ステップS304)。一方、記録媒体の設定がマット紙である場合(ステップS303、YES)、画像データ設定装置100は、第4設定に網点を設定する(ステップS305)。ステップS302、ステップS304またはステップS305の後、本制御は終了する。
【0059】
また、上記実施の形態では、トナーの種類について言及されていなかったが、設定部130は、トナーの種類に基づいて網点設定における網点の線数を制御しても良い。
【0060】
トナーの種類によって、トナーの材料が異なるので、粘着性が異なってくる。そのため、設定部130は、トナーの粘着性に応じて網点の線数を制御する。具体的には、設定部130は、トナーの粘着性が小さくなるほど、網点の線数を少なくする。
【0061】
このようにすることによって、網点設定を正確に設定することができ、ひいては正確な箔押し加工処理を行うことができる。
【0062】
なお、トナーの種類は、トナーの色、画像形成装置の機種、画像形成装置の製造元等、どのような方法で識別しても良い。
【0063】
このトナーの種類に基づく画像データ設定制御の動作例について説明する。
図6は、画像データ設定装置100における、トナーの種類に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図6における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0064】
なお、
図6におけるフローチャートは、一例としてトナーの種類が所定トナーである場合、網点を上記の第2設定とし、トナーの種類が所定トナー以外である場合、網点を第2設定より線数の少ない第5設定とする。所定トナーは、比較的粘着性の高いトナーであり、所定トナー以外のトナーは、所定トナーよりも粘着性の低いトナーである。
【0065】
図6に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS401)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS401、NO)、画像データ設定装置100は、第1設定に網点を設定する(ステップS402)。
【0066】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS401、YES)、画像データ設定装置100は、トナーの種類が所定トナーであるか否かについて判定する(ステップS403)。
【0067】
判定の結果、トナーの種類が所定トナーである場合(ステップS403、YES)、画像データ設定装置100は、第2設定に網点を設定する(ステップS404)。一方、トナーの種類が所定トナーではない場合(ステップS403、NO)、画像データ設定装置100は、第5設定に網点を設定する(ステップS405)。ステップS402、ステップS404またはステップS405の後、本制御は終了する。
【0068】
また、上記実施の形態では、画像の濃度について言及されていなかったが、設定部130は、画像の濃度に応じて網点設定における網点の線数を制御しても良い。
【0069】
画像の濃度が薄くなるほど、画像におけるドット数が減り、ひいては各ドットの間隔が広くなるので、ドットごとに箔を乗せやすくなる。そのため、設定部130は、画像の濃度が薄くなるほど、網点の線数を多くする。
【0070】
このようにすることによって、網点設定を正確に設定することができ、ひいては正確な箔押し加工処理を行うことができる。
【0071】
この画像の濃度に基づく画像データ設定制御の動作例について説明する。
図7は、画像データ設定装置100における、画像の濃度に基づく画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図7における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0072】
なお、
図7におけるフローチャートは、一例として画像の濃度が所定濃度以上である場合、網点を上記の第2設定とし、画像の濃度が所定濃度未満である場合、網点を第2設定より線数の多い第6設定とする。
【0073】
図7に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS501)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS501、NO)、画像データ設定装置100は、第1設定に網点を設定する(ステップS502)。
【0074】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS501、YES)、画像データ設定装置100は、画像の濃度が所定濃度以上であるか否かについて判定する(ステップS503)。
【0075】
判定の結果、画像の濃度が小堤濃度以上である場合(ステップS503、YES)、画像データ設定装置100は、第2設定に網点を設定する(ステップS504)。一方、画像の濃度が所定濃度未満である場合(ステップS503、NO)、画像データ設定装置100は、第6設定に網点を設定する(ステップS505)。ステップS502、ステップS504またはステップS505の後、本制御は終了する。
【0076】
また、上記実施の形態では、印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれる場合、網点の線数を変更していたが、本発明はこれに限定されず、例えば、網点設定のタイプを変更しても良い。
【0077】
具体的には、設定部130は、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれないと判定された場合、網点設定をラインタイプとし、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、網点設定をドットタイプとする。
【0078】
つまり、箔形成画像を形成する場合は、網点設定をドットタイプとして、各点に間隔をあけることにより、箔を各点に配置しやすくする。これにより、網点設定を正確に設定することができ、ひいては正確な箔押し加工処理を行うことができる。
【0079】
この画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例について説明する。
図8は、画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図8における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0080】
図8に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS601)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS601、NO)、画像データ設定装置100は、ラインタイプに網点を設定する(ステップS602)。
【0081】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS601、YES)、画像データ設定装置100は、ドットタイプに網点を設定する(ステップS603)。ステップS602またはステップS603の後、本制御は終了する。
【0082】
また、設定部130は、網点設定における網点の角度を変更しても良い。具体的には、設定部130は、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれないと判定された場合、網点設定における角度を第1角度とし、判定部120により印刷ジョブに箔形成画像に関する設定が含まれると判定された場合、網点設定における角度を第2角度とする。
【0083】
第1角度は、箔を形成しない通常の画像形成における一般的に設定される角度であり、トナーの色に応じて適宜設定される。第2角度は、第1角度とは異なる角度であり、各網点の間隔が、第1角度で設定される各網点の間隔よりも広くなるような角度である。
【0084】
このようにすることで、網点設定を正確にすることができ、ひいては正確な箔押し加工処理を行うことができる。
【0085】
この画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例について説明する。
図9は、画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図9における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0086】
図9に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS701)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS701、NO)、画像データ設定装置100は、第1角度に網点を設定する(ステップS702)。
【0087】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS701、YES)、画像データ設定装置100は、第2角度に網点を設定する(ステップS703)。ステップS702またはステップS703の後、本制御は終了する。
【0088】
また、画像形成装置10により形成される画像においては、搬送方向に対して傾斜した傾斜画像が存在する。このような傾斜画像に箔を形成する場合、傾斜画像の傾斜に合わせて上記の第2角度を調整する必要がある。
【0089】
つまり、設定部130は、画像データにおける角度成分に基づいて第2角度を調整する。第2角度の調整方法については、傾斜のない画像に対して設定される設定第2角度に対して、傾斜画像の傾斜角や、記録媒体の設定(通紙方向等)を考慮して、傾斜画像に係るトナー像に対して、ずれが生じないような調整第2角度に調整するようにすれば良い。
【0090】
このようにすることで、傾斜画像に合わせた網点設定をすることができる。
【0091】
第2角度を調整する画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例について説明する。
図10は、第2角度を調整する画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図10における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0092】
なお、
図10におけるフローチャートでは、一例として画像データに傾斜画像がない場合の上記設定第2角度を第3角度とし、画像データに傾斜画像がある場合の上記調整第2角度を第4角度とする。
【0093】
図10に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS801)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS801、NO)、画像データ設定装置100は、第1角度に網点を設定する(ステップS802)。
【0094】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS801、YES)、画像データ設定装置100は、画像データに傾斜画像があるか否かについて判定する(ステップS803)。
【0095】
判定の結果、画像データに傾斜画像がない場合(ステップS803、NO)、画像データ設定装置100は、第3角度に網点を設定する(ステップS803)。一方、画像データに傾斜画像がある場合(ステップS803、YES)、画像データ設定装置100は、第4角度に網点を設定する(ステップS805)。ステップS802、ステップS804またはステップS805の後、本制御は終了する。
【0096】
また、上記各実施の形態に係る各パラメーターを対応付けたテーブルを参照して、網点設定を行うようにしても良い。つまり、設定部130は、箔形成画像に用いる箔の種類、箔形成画像が形成される記録媒体の設定および箔形成画像に用いるトナーの種類の2つ以上の組み合わせに基づいて、網点設定を制御しても良い。
【0097】
この画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例について説明する。
図11は、画像データ設定装置100における画像データ設定制御の動作例を示すフローチャートである。
図11における処理は、例えば、画像データ設定装置100が印刷ジョブの実行指令を受け付けた際に適宜実行される。
【0098】
図11に示すように、画像データ設定装置100は、印刷ジョブに箔形成画像の設定があるか否かについて判定する(ステップS901)。判定の結果、印刷ジョブに箔形成画像の設定がない場合(ステップS901、NO)、画像データ設定装置100は、通常の設定に係る網点を設定する(ステップS902)。
【0099】
一方、印刷ジョブに箔形成画像の設定がある場合(ステップS901、YES)、画像データ設定装置100は、上記のテーブルから抽出した設定に網点を設定する(ステップS903)。ステップS902またはステップS903の後、本制御は終了する。
【0100】
また、上記実施の形態では、画像データ設定装置100が画像形成装置10とは別に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、画像形成装置内に設けられていても良い。
【0101】
また、上記実施の形態では、画像形成装置10と箔押し装置20とが別々に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、画像形成装置と箔押し装置とが一体に構成されていても良い。
【0102】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
11 操作表示部
12 画像処理部
13 画像形成部
14 定着部
15 搬送部
16 制御部
20 箔押し装置
21 箔転写部
100 画像データ設定装置
110 印刷データ作成部
120 判定部
130 設定部