IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240501BHJP
   H04N 1/113 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G03G21/00 500
H04N1/113
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020146851
(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2022041573
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 達也
(72)【発明者】
【氏名】生田 克行
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆史
(72)【発明者】
【氏名】石田 岳士
(72)【発明者】
【氏名】林 明洋
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-225305(JP,A)
【文献】特開2011-016250(JP,A)
【文献】特開2014-037082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/04
G03G 13/045
G03G 13/056
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/04 -15/043
G03G 13/047
G03G 15/056
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 2/47
H04N 1/04 - 1/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記憶部を含み、感光体を露光する発光素子を制御する第1制御部と、
第2記憶部を含み、前記第1制御部と通信可能に接続された第2制御部とを備え、
前記第1記憶部には、前記第2制御部から送信される前記発光素子の制御に関する制御パラメータが記憶可能であり、前記第1制御部に電力が供給されてから前記第2制御部と通信可能とする前の状態では特定情報が記憶され、
前記第2記憶部には、前記特定情報が記憶されており、
前記第2制御部は、
前記第1制御部と通信を開始した後、前記第1記憶部に記憶させる前記制御パラメータを前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部と通信を開始した後、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータが正しい情報であるか否かを判断し、
前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、前記第2記憶部に記憶されている前記特定情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の前記制御パラメータを前記第1記憶部に再記憶させるときの通信形式を決定する、画像形成装置。
【請求項2】
前記第2制御部は、前記第1制御部に送信した前記制御パラメータと、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータとが異なり、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータと、前記第2記憶部に記憶されている前記特定情報とが異なる場合に、前記第1制御部に送信した前記制御パラメータのうち、当該異なる制御パラメータのみを前記第1記憶部に再記憶させるために前記第1記憶部に送信する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2制御部は、前記第1制御部に送信した前記制御パラメータと、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータとが異なり、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータと前記第2記憶部に記憶されている前記特定情報とが一致する場合に、前記第1制御部に送信した前記制御パラメータのすべてを前記第1記憶部に再記憶させるために前記第1記憶部に送信する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2制御部は、前記第1制御部に送信した前記制御パラメータと、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータとが一致する場合に、当該制御パラメータの正しい情報が記憶されていると判断する、請求項1~請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2制御部は、複数種類の前記制御パラメータを種類毎に分けて前記第1制御部に送信し、すべての種類の前記制御パラメータが前記第1記憶部に記憶されたときに、前記制御パラメータの送信を終了し、前記発光素子の制御を開始させる、請求項1~請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記発光素子を制御することは、少なくとも、前記発光素子の水平同期信号を得るための同期発光のタイミングと、前記発光素子の光量のサンプリングをするためのサンプリング発光のタイミングとを制御することを含む、請求項1~請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御パラメータは、前記感光体を露光するために必要となる前記発光素子の発光制御に関するパラメータである、請求項1~請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1制御部は、複数設けられ、
前記第2制御部は、複数の前記第1制御部と通信可能に接続され、
前記第2制御部は、
前記複数の第1制御部と通信を開始した後、前記複数の第1記憶部のうち少なくとも1つの前記第1記憶部にさらに記憶させる前記制御パラメータの情報を前記複数の第1制御部に送信し、
前記複数の第1制御部と通信を開始した後、前記複数の第1記憶部のうち少なくとも1つの前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータの情報が正しい情報であるか否かを判断し、
複数の第1記憶部のうち少なくとも1つの前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、前記第2記憶部に記憶されている前記特定情報と、前記制御パラメータの情報が正しい情報ではないと判断した前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータとを比較することに基づき、前記複数の第1記憶部のすべてにおいて、前記複数の第1記憶部の各々に正しい情報の前記制御パラメータを再記憶させるときの通信形式を決定する、請求項1~請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1記憶部は、前記第1制御部に供給される電力が断たれた状態で記憶情報が所定情報となり、
前記第2記憶部には、前記特定情報に加えて前記所定情報が記憶されており、
前記第2制御部は、さらに、前記第2記憶部に記憶されている前記所定情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の前記制御パラメータを前記第1記憶部に再記憶させるときの通信形式を決定する、請求項1~請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、画像形成装置全体を制御する主制御部と、感光体を露光する発光素子を制御する発光制御部とを備え、主制御部から発光制御部に、発光素子を制御するための各種の制御パラメータがシリアル通信により送信され、発光制御部が受信した制御パラメータが発光制御部に含まれる記憶部に書まれ、当該制御パラメータを用いて発光素子が制御される。
【0003】
従来の画像形成装置では、発光制御部において、受信した制御パラメータが書込まれる場合に、通信データのベリファイが実行される。このようなベリファイにおいてエラーが発生した場合、従来の画像形成装置では、エラーが解消されるまで、エラーが生じた制御パラメータの通信をリトライする制御が実行されていた。
【0004】
このような通信エラーが生じた場合の対策として実行する従来の制御技術としては、通信エラー時に、通信エラーの状況に応じて通信速度を変えるものがあった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-13648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、通信データのエラーが発生した場合に、エラーが解消されるまで、エラーが生じた制御パラメータの通信をリトライする制御が実行される従来の画像形成装置では、画像形成装置の構造上、発光制御部への電力供給のみが遮断されて、発光制御部の記憶部に記憶されたすべての通信データがリセットされてしまい、ベリファイでエラーが生じた制御パラメータの通信をリトライするだけでは、発光素子の発光制御を正常に実行することができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に開示された技術では、通信エラーの状況に応じて通信速度を変えることが可能であるが、発光制御部の記憶部に記憶されたすべての通信データがリセットされてしまったエラー状況への対処をすることができなかった。
【0008】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、発光素子を制御するための通信に異常が生じた場合でも、異常の状況に応じた形式で異常を解消可能な再通信を実行することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施の形態に従う画像形成装置は、第1記憶部を含み、感光体を露光する発光素子を制御する第1制御部と、第2記憶部を含み、第1制御部と通信可能に接続された第2制御部とを備え、第1記憶部には、第2制御部から送信される発光素子の制御に関する制御パラメータが記憶可能であり、第1制御部に電力が供給されてから第2制御部と通信可能とする前の状態では特定情報が記憶され、第2記憶部には、特定情報が記憶されており、第2制御部は、第1制御部と通信を開始した後、第1記憶部に記憶させる制御パラメータを第1制御部に送信し、第1制御部と通信を開始した後、第1記憶部に記憶されている制御パラメータが正しい情報であるか否かを判断し、第1記憶部に記憶されている制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、第2記憶部に記憶されている特定情報と、第1記憶部に記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の制御パラメータを第1記憶部に再記憶させるときの通信形式を決定する。
【0010】
ある局面において、第2制御部は、第1制御部に送信した制御パラメータと、第1記憶部に記憶されている制御パラメータとが異なり、第1記憶部に記憶されている制御パラメータと、第2記憶部に記憶されている特定情報とが異なる場合に、第1制御部に送信した制御パラメータのうち、当該異なる制御パラメータのみを第1記憶部に再記憶させるために第1記憶部に送信する。
【0011】
ある局面において、第2制御部は、第1制御部に送信した制御パラメータと、第1記憶部に記憶されている制御パラメータとが異なり、第1記憶部に記憶されている制御パラメータと第2記憶部に記憶されている特定情報とが一致する場合に、第1制御部に送信した制御パラメータのすべてを第1記憶部に再記憶させるために第1記憶部に送信する。
【0012】
ある局面において、第2制御部は、第1制御部に送信した制御パラメータと、第1記憶部に記憶されている制御パラメータとが一致する場合に、当該制御パラメータの正しい情報が記憶されていると判断する。
【0013】
ある局面において、第2制御部は、複数種類の制御パラメータを種類毎に分けて第1制御部に送信し、すべての種類の制御パラメータが第1記憶部に記憶されたときに、制御パラメータの送信を終了し、発光素子の制御を開始させる。
【0014】
ある局面において、発光素子を制御することは、少なくとも、発光素子の水平同期信号を得るための同期発光のタイミングと、発光素子の光量のサンプリングをするためのサンプリング発光のタイミングとを制御することを含む。
【0015】
ある局面において、制御パラメータは、感光体を露光するために必要となる発光素子の発光制御に関するパラメータである。
【0016】
ある局面において、第1制御部は、複数設けられ、第2制御部は、複数の第1制御部と通信可能に接続され、第2制御部は、複数の第1制御部と通信を開始した後、複数の第1記憶部のうち少なくとも1つの第1記憶部にさらに記憶させる制御パラメータの情報を複数の第1制御部に送信し、複数の第1制御部と通信を開始した後、複数の第1記憶部のうち少なくとも1つの第1記憶部に記憶されている制御パラメータの情報が正しい情報であるか否かを判断し、複数の第1記憶部のうち少なくとも1つの第1記憶部に記憶されている制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、第2記憶部に記憶されている特定情報と、制御パラメータの情報が正しい情報ではないと判断した第1記憶部に記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、複数の第1記憶部のすべてにおいて、複数の第1記憶部の各々に正しい情報の制御パラメータを再記憶させるときの通信形式を決定する。
【0017】
ある局面において、第1記憶部は、第1制御部に供給される電力が断たれた状態で記憶情報が所定情報となり、第2記憶部には、特定情報に加えて所定情報が記憶されており、第2制御部は、さらに、第2記憶部に記憶されている所定情報と、第1記憶部に記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の制御パラメータを第1記憶部に再記憶させるときの通信形式を決定する。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、発光素子を制御するための通信に異常が生じた場合でも、異常の状況に応じた形式で異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ある実施の形態に従う画像形成装置100の一例を示す図である。
図2】画像形成装置100の発光制御に関する制御系の一部の例を示す模式図である。
図3】発光制御部211におけるレーザーダイオード213を制御するための構成の一例を示す模式図である。
図4】発光制御部211の瞬断発生時の通信リトライ制御タイミングの一例を示す図である。
図5】画像形成装置100における主制御部50と発光制御部211との間の通信制御処理の一例を示すフローチャートである。
図6】複数の発光制御部211A,211Bを備える場合のレーザーダイオード213の発光制御をするための第1構成の一例を示す模式図である。
図7】複数の発光制御部211A,211Bを備える場合のレーザーダイオード213の発光制御をするための第2構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
<A.画像形成装置の概要>
図1は、本実施の形態に従う画像形成装置100の一例を示す図である。本実施の形態に従うと、発光制御部による発光制御中に、発光制御部に対する通信処理を抑制する画像形成装置100が提供される。図1を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成の概要について説明する。画像形成装置100は、プリントエンジン110と、原稿読取部120と、操作パネル60とを備える。
【0022】
プリントエンジン110は、イメージングユニット10と、中間転写ベルト12と、定着部22と、給紙部30と、送出ローラー32と、搬送ローラー34と、レジストローラー36と、主制御部50と、電源部52とを備える。プリントエンジン110は、給紙部30内の媒体に対して印刷処理を行う。送出ローラー32は、給紙部30から媒体を搬送する。さらに、搬送ローラー34は、中間転写ベルト12の方向に向けて媒体を搬送する。
【0023】
イメージングユニット10は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キー・プレート(K)のそれぞれのトナー像を形成するイメージングユニット10C,10M,10Y,10Kを含む。イメージングユニット10C,10M,10Y,10Kは、感光体1と、帯電部(図示せず)と、現像部(図示せず)と、クリーニング部(図示せず)と、中間転写体接触ローラー(図示せず)とを含む。
【0024】
露光部3は、イメージングユニット10C,10M,10Y,10Kに対して共通である。ある局面において、イメージングユニット10C,10M,10Y,10Kの各々が、個別の露光部3を含んでいてもよい。これ以降の説明では、露光部3は、イメージングユニット10C,10M,10Y,10Kの各々に対して共通であるとする。
【0025】
イメージングユニット10および中間転写ベルト12は、媒体に転写されるトナー像を形成する。帯電部は、感光体1の表面を一様に帯電する。露光部3は、レーザー書き込み等により、指定された画像パターンに従って感光体1の表面を露光することで、その表面上に静電潜像を形成する。現像部は、感光体1上に形成された静電潜像をトナー像として現像する。
【0026】
レジストローラー36は、中間転写ベルト12の手前で、媒体の搬送タイミングを調節する。中間転写ベルト12は、媒体にトナー像を転写する。定着部22は、媒体に定着処理を行う。最後に、媒体は、排出トレイに排出される。
【0027】
感光体1の表面に形成されたトナー像は、中間転写体接触ローラーにより、中間転写ベルト12に転写される。中間転写ベルト12上には、それぞれの感光体1からトナー像が順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされることになる。重ね合わされたトナー像は、中間転写ベルト12から媒体に転写される。
【0028】
原稿読取部120は、原稿を読み取って、その読み取り結果をプリントエンジン110に対する入力画像として出力する。イメージスキャナー122は、プラテンガラス上に配置された原稿をスキャンし、生成した画像データを主制御部50に送信する。自動原稿送り装置126は、原稿給紙台124に配置された原稿を連続してスキャンする。原稿給紙台124上に配置された原稿は、送出ローラー(図示しない)により1枚ずつ送られ、イメージスキャナー122または自動原稿送り装置126内に配置されたイメージセンサーによって順次スキャンされる。スキャン後の原稿は、原稿排紙台128へ排出される。主制御部50は、画像形成装置100全体を制御する。電源部52は、交流電力源に接続され、画像形成装置100に電力を供給する。電源部52は、その内部に整流回路を含み、交流電力源から供給される交流を直流に変換し、画像形成装置100内の一部または全ての各回路に直流を供給し得る。
【0029】
操作パネル60は、表示部(図示せず)と、操作部(図示せず)とを含む。表示部は液晶モニター、有機EL(Electro Luminescence)モニター等を含む。液晶モニター、有機ELモニター等は、タッチセンサーを含み、操作メニューを表示すると共に、ユーザーからのタッチによる入力を受付けることができる。操作部は、複数のボタンを含み、タッチパネルと同様に、ユーザーからの入力を受付けることができる。操作パネル60は、受け付けた入力を主制御部50に送信する。
【0030】
図2は、画像形成装置100の発光制御に関する制御系の一部の例を示す模式図である。図2に示す各構成は、電気回路および電気回路と組み合わせて使用されるハードウェアによって実現され得る。主制御部50は、画像処理部203と、発光モード制御部204と、判定パラメータ値メモリ205とを含む。また、主制御部50は、湿度センサー216に接続される。プリントヘッド部210は、発光制御部211と、ポリゴンモーター212と、レーザーダイオード213と、光センサー214と、粉塵センサー215とを含む。
【0031】
主制御部50は、CPU(Central Processing Unit)(図示せず)と、RAM(Random Access Memory)(図示せず)と、ROM(Read Only Memory)(図示せず)とを含む。CPUは、RAMに読み込まれた各種プログラムおよびデータを実行または参照する。ある局面において、CPUは、組み込みCPUであってもよいし、FPGA(Field-Programmable Gate Array)であってもよいし、またはこれらの組み合わせ等によって構成される。CPUは、画像形成装置100の各種機能を実現するためのプログラムを実行し得る。
【0032】
RAMは、CPUによって実行されるプログラムと、CPUによって参照されるデータとを格納する。ある局面において、RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)によって実現されてもよい。
【0033】
ROMは、不揮発性メモリであり、CPUによって実行されるプログラムを格納してもよい。その場合、CPUは、ROMからRAMに読み出されたプログラムを実行する。ある局面において、ROMは、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)またはフラッシュメモリによって実現されてもよい。
【0034】
画像処理部203は、発光制御部211に対して、画像信号を送信する。当該画像信号は、イメージスキャナー122によって読み込まれた画像データ、または画像形成装置100が備える通信部(図示せず)を介して外部装置から取得した画像データに基づいて生成され得る。発光制御部211は、画像信号に基づいて、レーザーダイオード213に感光体1の表面に静電潜像を形成させる。
【0035】
発光モード制御部204は、レーザーダイオード(発光素子)213の露光タイミング用の水平同期信号であるSOS(Start of Scan)信号を得るための同期発光に関する情報と、レーザーダイオード213の光量を調整するためのSH(Sample Hold)発光に関する情報とを発光制御部211に送信する。これらの情報は、各信号の発生タイミングおよび終了タイミングなどを定義するためのカウンター値を含む。
【0036】
SOS信号は、発光の開始タイミングを決定するために使用され得る。SOS信号は、光センサー214がSOS信号を得るための同期発光(以下、「SOS発光」と呼ぶ)を検出したことにより発生する。SH発光は、感光体1に照射する光量をサンプリングして調整するための発光である。レーザーダイオード213のバックライトを検出するための光センサー(図示せず)は、SH発光を検出し、検出値に基づく信号を発光制御部211または主制御部50に送信する。発光制御部211または主制御部50は、SH発光の検出値(サンプリング値)に基づいて、レーザーダイオード213の光量を補正し得る。ある局面において、光センサー214がSH発光を検出してもよい。
【0037】
ある局面において、画像処理部203および発光モード制御部204は、主制御部50が備える個別のハードウェアとして実現されてもよい。他の局面において、画像処理部203および発光モード制御部204は、主制御部50のCPUによって実行されるプログラムとして実現されてもよい。
【0038】
発光制御部211は、プリントヘッド部210の各ハードウェア(ポリゴンモーター212、レーザーダイオード213等)を制御する。ポリゴンモーター212は、レーザーダイオード213が照射したレーザーを反射するためのポリゴンミラーを駆動するためのモーターである。レーザーダイオード213は、感光体1にレーザーを照射し、その表面に静電潜像を形成する。発光制御部211は、ポリゴンモーター212およびレーザーダイオード213を制御することで、各色の感光体1の表面の任意の場所にレーザーを照射し得る。
【0039】
SOS信号を得るための同期発光に関する情報、および、SH発光に関する情報のように、発光モード制御部204から発光制御部211に送信される情報は、発光制御部211に含まれるカウンター値メモリ(図3のカウンター値メモリ315)に記憶され、レーザーダイオード(発光素子)213の発光制御に用いられる。このように発光モード制御部204から送信されてカウンター値メモリに記憶され、発光制御に用いられる情報は、発光制御の制御パラメータと呼ばれる。
【0040】
発光モード制御部204から送信されて発光制御部211におけるカウンター値メモリに記憶される各種の制御パラメータについては、発光モード制御部204から制御パラメータが送信される毎に、発光モード制御部204から送信した制御パラメータと比較され、正しい情報であるか否かを判定するベリファイが主制御部50の側で行われる。
【0041】
このようなベリファイの結果に問題がある場合、すなわち、通信エラーの発生等の原因により、カウンター値メモリにおいて、発光モード制御部204から送信された情報として正しい情報が記憶されていない場合は、主制御部50において、当該カウンター値メモリに正しい情報を記憶させるために、発光モード制御部204から制御パラメータを再送信して当該制御パラメータをカウンター値メモリに再記憶させる通信リトライ制御が主制御部50の側で実行される。
【0042】
このようなリトライ制御を実行するときの制御パラメータの通信形式としては、ベリファイ結果に基づき正しい情報ではないと判断された制御パラメータのみを再送信する第1の通信形式と、電源部52から電力の供給を開始するときに操作される電源スイッチ(図示省略)がON状態に操作されることにより主制御部50および発光制御部211に電力の供給が開始された後に発光モード制御部204から送信されたすべての情報を再送信する第2の通信形式と、の何れかの通信形式が選択されて用いられる。主制御部50の側において、でこのような通信形式の選択をするときは、カウンター値メモリに記憶された制御パラメータの情報と、所定の判定情報とを比較し、その比較結果に基づいて、通信形式が決定される。このような所定の判定情報は、判定パラメータと呼ばれる。このような判定パラメータのデータが、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている。
【0043】
光センサー214は、レーザーダイオード213が照射するレーザー光を検出する。光センサー214は、検出した光量を示す信号を発光制御部211に送信する。ある局面において、光センサー214は、ポリゴンミラーに反射したレーザー光を検出してもよい。
【0044】
粉塵センサー215は、レーザーヘッド部210周辺の粉塵を検出する。粉塵センサー215は、検出した粉塵の量を示す信号を発光制御部211に送信する。ある局面において、発光制御部211は、粉塵の量が一定以上の場合、主制御部50にエラーを出力し得る。
【0045】
湿度センサ-216は、画像形成装置100の筐体の内部または外部に設置され得る。湿度センサ-216は、湿度センサ-216の周辺の湿度を検出する。湿度センサ-216は、検出した湿度に関する信号を主制御部50に送信する。主制御部50は、湿度に応じて、感光体1の帯電プロセス、露光プロセスおよび現像プロセス等の各種パラメーター(帯電電圧、光量、トナー量等)を調整し得る。
【0046】
<B.発光制御および発光制御のための通信>
図3は、発光制御部211におけるレーザーダイオード213を制御するための構成の一例を示す模式図である。図3を参照して、主制御部50および発光制御部211の主な構成と、発光制御部211による発光制御と、主制御部50および発光制御部211の間の通信とについて説明する。
【0047】
(B-1.主制御部50の構成)
画像形成装置100に設けられた電源スイッチ(図示省略)がON状態に操作されると、主制御部50は、電源部52から電源スイッチを介して電力の供給を受けて動作する。このような状態は電源ON状態と呼ばれる。主制御部50は、レーザーダイオード213の発光制御に関連する構成として、前述した画像処理部203、発光モード制御部204、および、判定パラメータ値メモリ205を含む。主制御部50と、発光制御部211とは、画像信号線302、シリアル信号線303およびSOS信号線304を介して接続されている。画像処理部203は、画像信号線302およびSOS信号線304を介して発光制御部211と接続されている。発光モード制御部204は、シリアル信号線303を介して発光制御部211と接続されている。判定パラメータ値メモリ205は、発光モード制御部204と接続されている。
【0048】
(B-2.発光制御部211の構成)
画像形成装置100に設けられた電源スイッチ(図示省略)がON状態に操作されると、発光制御部211は、電源部52から電源スイッチを介して電力の供給を受けて動作する。扉スイッチ部53は、画像形成装置100において、プリントエンジン110の前面側を覆う態様で開閉可能に設けられた前面扉(図示省略)が開いた状態でOFF状態となり、前面扉が閉じたときに状態でON状態となるスイッチよりなる。このような扉スイッチ部53が設けられていることにより、電源スイッチがON状態で電源部52から主制御部50および発光制御部211の両方に電力が供給されている状態で、人により前面扉を開く操作がされると、主制御部50には電力が供給されるが発光制御部211に電力が供給されなくなる(電源OFF状態)。このように、主制御部50と、発光制御部211とのそれぞれには、電源スイッチを介して、別の配線経路で電源部52からの電力が供給される。
【0049】
発光制御部211は、主制御部50とは別の配線経路で電力が供給され、その配線経路には前面扉の開閉状態に応じてON/OFFされる扉スイッチ部53が設けられている。このため、発光制御部211は、人により前面扉を開く操作がされると、前面扉が開いている間は電源OFF状態となる。また、発光制御部211は、プリントエンジン110の異常な振動等の各種の原因により前面扉が短い間隔で閉状態と開状態とを繰り返すと、扉スイッチ部53が短い周期でON状態とOFF状態とを繰り返すチャタリング状態となる場合がある。チャタリング状態においては、電力供給が瞬間的に断たれる瞬断状態が生じ得る。
【0050】
主制御部50へ電力を供給する配線経路には、発光制御部211へ電力を供給する配線経路に設けられたような扉スイッチ部53が設けられていないため、扉スイッチ部53のチャタリング状態となって発光制御部211が電源OFF状態が発生しても、主制御部50では、そのような電源OFF状態が発生したことを容易には認識不可能である。
【0051】
OR回路311は、2つの入力信号を受け付け、1つの出力信号を出力する。1つ目の入力信号は、画像信号線302を介して画像処理部203から出力される画像信号である。2つ目の入力信号は、タイミング信号発生部314から出力されるタイミング信号である。OR回路311は、画像信号の入力を受け付けると、画像信号と同じ信号をレーザーダイオード駆動部312に出力する。また、OR回路311は、タイミング信号の入力を受け付けると、タイミング信号と同じ信号をレーザーダイオード駆動部312に出力する。
【0052】
レーザーダイオード駆動部312は、OR回路311から出力される信号に基づいて、レーザーダイオード213を駆動する。例えば、レーザーダイオード駆動部312は、画像信号を受信すると、レーザーダイオード213を制御して、当該画像信号に基づく静電潜像を感光体1の表面に形成する。また、レーザーダイオード駆動部312は、タイミング信号を受信すると、レーザーダイオード213を制御して、SOS発光またはSH発光を実行する。レーザーダイオード213から出力されるレーザー光は、ポリゴンミラー321によって進路が調整される。
【0053】
タイミング信号発生部314は、SOS発光またはSH発光の実行タイミングを計測し、SOS発光またはSH発光の実行タイミングに合わせて、タイミング信号をOR回路311に向けて出力する。カウンター値メモリ315は、各信号のカウンター値を保持する。例えば、カウンター値メモリ315は、タイマーにおける各信号のマッチング設定、タイマーのリセットタイミング等を保持する。カウンター316は、タイマー用のカウンターである。タイミング信号発生部314は、カウンター316のカウント値をカウントアップまたはカウントダウンする。タイミング信号発生部314は、カウンター316のカウント値と、カウンター値メモリ315の各信号のマッチング設定のカウント値とを比較して、これらが一致していた場合にタイミング信号を生成する。
【0054】
発光モード制御部204は、シリアル信号線303を介して、SOS発光またはSH発光に関するカウンター値を発光制御部211に送信する。ある局面において、これらのカウンター値は、SOS発光のマッチング設定と、SH発光のマッチング設定と、タイマーのリセットタイミングとを含み得る。発光制御部211は、受信したこれらのカウンター値をカウンター値メモリ315に保存する。主制御部50は、シリアル通信機能をディセイブルにする期間を検出するために、これらのカウンター値を使用する。
【0055】
なお、シリアル信号線303は、一例として、シリアルクロック信号線、データインプット信号線、データアウトプット信号線の3つの信号線を含み得る。シリアルクロック信号線は、シリアル通信におけるクロックを伝送する。シリアル通信のデータは、当該クロックのタイミングで送受信される。ある局面において、主制御部50は、シリアルクロック信号線に送信するクロックを生成する。
【0056】
データインプット信号線は、スレイブ(発光制御部211)からマスター(主制御部50)に向けてデータを伝送する。発光モード制御部204は、データインプット信号線を介して、発光制御部211からのデータを受信する。
【0057】
データアウトプット信号線は、マスター(主制御部50)からスレイブ(発光制御部211)に向けてデータを伝送する。発光モード制御部204は、データアウトプット信号線を介して、発光制御部211にデータを送信する。例えば、発光モード制御部204は、データアウトプット信号線を介して、発光制御部211にSOS発光およびSH発光に関するカウンター値を送信する。
【0058】
光量補正部317は、レーザーダイオード駆動部312に光量補正信号を送信する。光量補正部317は、補正値メモリ318に基づいて、光量補正信号を生成する。光量補正部317は、発光モード制御部204およびタイミング信号発生部314からの信号に基づいて、補正値メモリ318に補正値を格納し得る。発光制御部211は、シリアル信号線303を介して主制御部50から取得した光量の補正値の信号に基づいて、補正値メモリ318を書き換えてもよい。
【0059】
基準クロック発生部319は、タイミング信号発生部314によって使用されるタイマーの基準クロックを生成する。基準クロック発生部319は、光センサー214がSOS発光の検出時に出力するSOS信号に基づいて、基準クロックの開始位置または終了位置を調整し得る。SOS信号は、SOS信号線304を介して、基準クロック発生部319と、主制御部50に送信される。
【0060】
エラー検出部320は、プリントヘッド部210で発生した各種エラーを検出する。各種エラーは、一例として、レーザーダイオード213への過電流、発光制御部211の電圧低下、カウンター316の誤作動等を含む。エラー検出部320は、これらのエラーを検出すると、内蔵するレジスタの対応するビットが0から1になる。主制御部50は、シリアル信号線303を介して、エラー検出部320が記憶するエラー情報を読み出す。より具体的には、主制御部50は、シリアル信号線303を介して、発光制御部211にエラー読み出し要求を送信し、発光制御部211からエラー情報を受信する。
【0061】
(B-3.判定パラメータ値メモリの記憶情報)
発光モード制御部204では、発光制御に用いる制御パラメータをカウンター値メモリ315に送信する場合に、制御パラメータを送信する毎に、送信した制御パラメータの情報(データ)を一時記憶用アドレスに一時的に記憶し、発光制御部211において、受信されてカウンター値メモリ315に記憶された当該制御パラメータの情報(データ)を読み出し、読み出した制御パラメータのデータと、一時記憶されている制御パラメータのデータとを比較することにより、データのベリファイを実行する。
【0062】
発光モード制御部204では、このようなベリファイの結果、カウンター値メモリ315に記憶された制御パラメータが正しい情報(データ)であると判断したときは、次の送信順番の制御パラメータの送信を実行する。発光モード制御部204では、このようなベリファイの結果、カウンター値メモリ315に記憶された制御パラメータが正しい情報(データ)ではないと判断したときは、カウンター値メモリに正しい情報を記憶させるために、発光モード制御部204から制御パラメータを再送信して制御パラメータをカウンター値メモリに再記憶させる通信リトライ制御を実行する。
【0063】
このような通信リトライ制御を実行するときの制御パラメータの通信形式としては、ベリファイ結果に基づき正しい情報ではないと判断された制御パラメータのみを再送信する第1の通信形式と、電源スイッチがON状態になって主制御部50に電力の供給から開始されてからこれまでに送信されたすべての制御パラメータを再送信する第2の通信形式とのいずれかが選択される。通信リトライ制御を実行するときの制御パラメータの通信形式を選択するための判定に用いる判定情報としての判定パラメータ値のデータが、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている。
【0064】
発光モード制御部204では、このようなベリファイの結果、カウンター値メモリ315に記憶された制御パラメータが正しい情報(データ)ではないと判断したときは、判定パラメータ値メモリ205に記憶された判定パラメータ値のデータを読み出し、当該判定パラメータ値と、カウンター値メモリ315に記憶された制御パラメータ値とを比較することに基づいて、通信リトライ制御を実行するときの制御パラメータの通信形式を選択する。
【0065】
発光制御部211において、発光制御部電源がOFF状態からON状態に変化する瞬断状態が発生した場合には、カウンター値メモリ315において、すべての記憶アドレスの値が、特定値(例えば16進数で「FFFF」)に書き換えられ、リセットされる。一方、新たにカウンター値メモリ315に書き込まれた最新の制御パラメータが、通信障害等により誤った情報となった場合には、カウンター値メモリ315において、すべての記憶アドレスの値が特定値に書き換えられるのではなく、新たに書き込まれた制御パラメータのみが誤った情報となっている。このような特定値(例えば16進数で「FFFF」)は、電源スイッチが操作されて画像形成装置100が起動するときにおいて、主制御部50と発光制御部211との通信が開始される前のカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)の初期値となる値である。
【0066】
発光制御部211において、発光制御部電源がOFF状態からON状態に変化する瞬断状態が発生した場合には、カウンター値メモリ315において、すべての記憶アドレスの値が、特定値(例えば16進数で「FFFF」)に書き換えられ、リセットされる。一方、新たにカウンター値メモリ315に書き込まれた最新の制御パラメータが、通信障害等により誤った情報となった場合には、カウンター値メモリ315において、すべての記憶アドレスの値が特定値に書き換えられるのではなく、新たな通信に基づいて書き込まれた制御パラメータの記憶アドレスの値が誤った情報となっている。
【0067】
したがって、発光モード制御部204では、ベリファイの結果、カウンター値メモリ315に記憶された制御パラメータが正しい情報(データ)ではないと判断したときは、前述の特定値(例えば16進数で「FFFF」)を判定パラメータ値として用い、当該判定パラメータ値のデータと、カウンター値メモリ315から読み出した最新の制御パラメータのデータとを比較する。そして、発光モード制御部204では、判定パラメータ値と、カウンター値メモリ315から読み出した最新の制御パラメータとが一致しない場合には、ベリファイ結果に基づき正しい情報ではないと判断された制御パラメータのみを再送信する第1の通信形式を選択し、通信リトライ制御を実行する。一方、発光モード制御部204では、判定パラメータ値と、カウンター値メモリ315から読み出した最新の制御パラメータとが一致する場合には、主制御部50に電力の供給から開始されてからこれまでに送信されたすべての制御パラメータを再送信する第2の通信形式を選択し、通信リトライ制御を実行する。
【0068】
判定パラメータ値メモリ205には、このように通信リトライ制御の通信形式の選択の判定のために用いられる前述の特定値よりなる判定パラメータ値が記憶されている。判定パラメータ値メモリ205に記憶された判定データは、発光モード制御部204により読み出され、前述のベリファイの結果、カウンター値メモリ315に記憶された制御パラメータが正しい情報(データ)ではないと判断したときに、通信リトライ制御の通信形式を選択するために用いられる。
【0069】
第1の通信形式で通信リトライ制御が実行された場合は、カウンター値メモリ315において、再送信されて来た制御パラメータが、制御パラメータ記憶用のアドレスのうち、ベリファイの結果が正しい情報ではないと判断された制御パラメータのアドレスに新たに記憶される。第2の通信形式で通信リトライ制御が実行された場合は、カウンター値メモリ315において、再送信されて来た制御パラメータが、送信された順番に従って、制御パラメータ記憶用のアドレスのうち最初のアドレスから記憶されていく。
【0070】
(B-4.各発光の発生タイミング)
次に、レーザーダイオード213の発光が発生するタイミングについて説明する。上記のように、露光プロセスにおいて、プリントヘッド部210は、SOS発光、SH発光、および静電潜像の形成のための発光を実行する。
【0071】
プリントヘッド部210は、感光体1の表面に1つの画像を形成するために、SOS発光、SH発光、および静電潜像を形成する発光の各々を複数回繰り返す。プリントヘッド部210は、感光体1の表面にライン単位で静電潜像の一部を形成する。プリントヘッド部210は、感光体1の表面にライン単位での静電潜像の一部の形成を繰り返すことで、最終的に感光体1の表面に1つの画像の静電潜像を形成する。SOS発光、SH発光、および静電潜像を形成する発光は、このライン単位で発生する。例えば、プリントヘッド部210が感光体1の表面にライン単位で静電潜像の一部を1000回形成する場合、SOS発光、SH発光、および静電潜像を形成する発光も1000回発生する。プリントヘッド部210は、例えば、静電潜像を形成する発光、SOS発光、SH発光を含む各発光を繰り返し実行する。
【0072】
(B-5.主制御部50と発光制御部211との間で発生する通信)
上記の主制御部50と、発光制御部211との間で発生する発光制御に関連する通信は、少なくとも以下の第1の通信~第4の通信を含む。
【0073】
第1の通信は、SOS発光およびSH発光に関するカウンター値の通信である。当該通信は、シリアル信号線303を介して実行される。発光制御部211は、第1の通信に基づいて、タイミング信号発生部314のカウンター値メモリ315を書き換えて、SOS発光またはSH発光のタイミングをカウントし得る。プリントヘッド部210は、感光体1の表面に静電潜像を形成する発光の前後に、SOS発光と、SH発光とを実行する。
【0074】
第2の通信は、画像信号の通信である。主制御部50は、画像データおよび印刷指令を取得したことに基づいて、画像信号を発光制御部211に送信する。画像信号は、プリントヘッド部210に感光体1の表面に静電潜像を形成させるための信号である。発光制御部211は、第2の通信に基づいて、感光体1の表面に静電潜像を形成する発光を実行する。
【0075】
第3の通信は、光センサー214の検出値の通信である。光センサー214は、レーザーダイオード213のレーザー光を検出すると、SOS信号線304を介して、基準クロック発生部319と、主制御部50とに検出信号を送信する。光センサー214から送信される検出信号は、少なくとも、SOS信号を含み得る。基準クロック発生部319は、SOS発光を検出したときのSOS信号に基づいて、基準クロックを調整し得る。
【0076】
第4の通信は、エラー情報の読み出しのための通信である。主制御部50は、エラー検出部320のエラー情報を読み出すために、シリアル信号線303を介して、発光制御部211と通信する。当該第4の通信は、第1の通信の直後に行なわれ得る。
【0077】
<C.発光制御部211の瞬断発生時の通信リトライ制御タイミング>
図4は、発光制御部211の瞬断発生時の通信リトライ制御タイミングの一例を示す図である。図4においては、主制御部50への電源部52からの電力供給状態(主制御部電源)、発光制御部211への電源部52からの電力供給状態(発光制御部電源)、SOS信号の状態(SOS信号)、SOS発光の状態(SOS発光)、SH発光の状態(SH発光)、通信(SK、DI,DO)の状態、および、レーザーダイオード213の発光状態(レーザー発光状態)が示されている。通信(SK、DI,DO)は、シリアルクロック信号、データインプット信号、データアウトプット信号である。
【0078】
発光制御期間404は、発光制御部211により発光制御が実行され、レーザーダイオード213が発光される期間である。言い換えれば、発光制御期間404は、印刷ジョブの画像形成処理が実行されている期間である。発光制御期間404においては、発光制御部211により、SH発光、SOS発光、および、SOS信号発生等の処理が実行される。
【0079】
発光制御期間404に至る前のシリアル通信期間401においては、主制御部50(発光モード制御部204)から発光制御部211(カウンター値メモリ315)に、SOS信号を得るための同期発光に関する情報として、SOS発光スタートカウンター値およびSOS発光エンドカウンター値のような制御パラメータが順次送信され、さらに、レーザーダイオード213の光量を調整するためのSH発光に関する情報として、SH発光スタートカウンター値、および、SH発光エンドカウンター値のような制御パラメータが順次送信される。
【0080】
図4では、発光制御期間404における4種類目の制御パラメータの送信中において、発光制御部211で瞬断状態402が発生している例が示されている。このような瞬断状態402が発生した場合は、発光制御部電源が一時的にOFF状態となった後ON状態に変化する。このように発光制御部電源がOFF状態からON状態に変化する瞬断状態402が発生した場合には、カウンター値メモリ315において、すべての記憶アドレスの値が、特定値(例えば16進数で「FFFF」)に書き換えられ、リセットされる。
【0081】
このように、瞬断状態402が発生した場合には、それまでに記憶されていたすべての制御パラメータのデータがリセットされる。したがって、瞬断状態402が発生した場合には、通信リトライ制御状態403として、主制御部電源および発光制御部電源が最初にON状態となってから瞬断状態402が発生したときまでの間に、発光モード制御部204から送信されてカウンター値メモリ315に書き込まれたすべての制御パラメータ(図4の例では4種類の制御パラメータ)を送信順番に従って発光モード制御部204から再送信してカウンター値メモリ315に順番に再記憶させる形式での通信リトライ制御が実行される。
【0082】
<D.通信制御処理>
次に、図5を用いて画像形成装置100の発光制御における主制御部50と発光制御部211との間の通信制御処理について説明する。ある局面において、主制御部50のCPUは、図5の通信制御処理を行うためのプログラムを主制御部50のROMまたは他の記憶媒体から主制御部50のRAMに読み込んで、当該プログラムを実行する。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0083】
図5は、画像形成装置100における主制御部50と発光制御部211との間の通信制御処理の一例を示すフローチャートである。図5に示された通信制御処理の一例は、発光制御部211による発光制御を実施する前に、主制御部50が、制御パラメータとして、発光制御部211にSOS発光スタートカウンター値、SOS発光エンドカウンター値、SH発光スタートカウンター値、および、SH発光エンドカウンター値を順番に送信し、発光制御部211において、これらのカウンター値の各々をカウンター値メモリ315に書き込む通信制御処理である。
【0084】
主制御部50のCPUは、以下のような通信制御処理を実行する。ステップS1により、発光モード制御部204から、発光制御部211に、制御パラメータとしてのSOS発光スタートカウンター値を送信する。このように送信されたSOS発光スタートカウンター値は、発光制御部211においてカウンター値メモリ315に書き込まれて記憶される。
【0085】
ステップS2により、発光モード制御部204において、ステップS1により送信されてカウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光スタートカウンター値について、データのベリファイを実行する。具体的に、発光モード制御部204においては、ステップS1により送信されたSOS発光スタートカウンター値のデータが一時記憶用アドレスに一時的に記憶されている。ステップS2において、発光モード制御部204は、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光スタートカウンター値を読み出し、読み出したSOS発光スタートカウンター値と、一時記憶されているSOS発光スタートカウンター値とを比較することにより、データのベリファイを実行する。
【0086】
ステップS2のベリファイにおいて、比較したデータが一致する場合は、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光スタートカウンター値が正しい情報であると判断され、比較したデータが一致しない場合は、当該SOS発光スタートカウンター値が正しい情報ではない(異常情報)と判断される。
【0087】
ステップS3により、ステップS2でのベリファイの結果に基づいて、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光スタートカウンター値に問題があるか否かを判断する。すなわち、ステップS3では、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光スタートカウンター値が正しい情報であるか否かが判断される。
【0088】
ステップS3においてベリファイの結果に問題があると判断された場合は、ステップS4により、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが、判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)のデータであるか否かが判断される。具体的に、ステップS4では、判定パラメータ値メモリ205から判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)を読み出し、その判定パラメータ値と、S1によりカウンター値メモリ315から読み出したSOS発光スタートカウンター値とを比較し、これらの値が一致する場合か否かが判断される。
【0089】
ステップS4において、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータ値と一致すると判断された場合は、ステップS1に戻り、SOS発光スタートカウンター値の再送信を実行させる。具体的に、ステップS4において、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータのデータと一致すると判断された場合は、ステップS1でのSOS発光スタートカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源断状態となった後、電源供給状態に復帰した場合であり、電源断状態となる以前に送信されてカウンター値メモリ315に記憶されていたデータのすべてが特定値(16進数で「FFFF」)に書き換えられている状態である。
【0090】
したがって、ステップS4において、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータのデータであると判断された場合は、複数回に分けて、主制御部50から発光制御部211に送信する複数種類の制御パラメータの再送信を最初の制御パラメータから実行させるために、ステップS1に戻る処理が実行される。この例では、一連の制御パラメータのうちの最初に送信される制御パラメータが、SOS発光スタートカウンターであるので、複数種類の制御パラメータの再送信を最初の制御パラメータから実行させることが、必然的に、SOS発光スタートカウンター値を再送信させることとなる。
【0091】
一方、ステップS4において、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータのデータではないと判断された場合は、S1に戻り、SOS発光スタートカウンター値の再送信を実行させる。具体的に、ステップS4において、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータではないと判断された場合は、ステップS1でのSOS発光スタートカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源OFF状態から電源ON状態となったのではなく、例えば通信障害(通信エラー)等により、誤ったSOS発光スタートカウンター値がカウンター値メモリ315に記憶されていた場合であり、当該SOS発光スタートカウンター値のデータのみに誤りがある状態である。したがって、ステップS4において、読み出されたSOS発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータではないと判断された場合は、当該SOS発光スタートカウンター値のみの再送信を実行させるために、ステップS1に戻る処理が実行される。
【0092】
ステップS3においてベリファイの結果に問題がないと判断された場合は、ステップS5により、発光モード制御部204から、発光制御部211に、制御パラメータとしてのSOS発光エンドカウンター値を送信する。このように送信されたSOS発光エンドカウンター値は、発光制御部211においてカウンター値メモリ315に書き込まれて記憶される。
【0093】
ステップS6により、発光モード制御部204において、ステップS5により送信されてカウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光エンドカウンター値について、データのベリファイを実行する。具体的に、発光モード制御部204においては、ステップS5により送信されたSOS発光エンドカウンター値のデータが一時記憶用アドレスに一時的に記憶されている。ステップS6において、発光モード制御部204は、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光エンドカウンター値を読み出し、読み出したSOS発光エンドカウンター値と、一時記憶されているSOS発光エンドカウンター値とを比較することにより、データのベリファイを実行する。
【0094】
ステップS6のベリファイにおいて、比較したデータが一致する場合は、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光エンドカウンター値が正しい情報であると判断され、比較したデータが一致しない場合は、当該SOS発光エンドカウンター値が正しい情報ではない(異常情報)と判断される。
【0095】
ステップS7により、ステップS6でのベリファイの結果に基づいて、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光エンドカウンター値に問題があるか否かを判断する。すなわち、ステップS7では、カウンター値メモリ315に記憶されたSOS発光エンドカウンター値が正しい情報であるか否かが判断される。
【0096】
ステップS7においてベリファイの結果に問題があると判断された場合は、ステップS8により、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが、判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)のデータであるか否かが判断される。具体的に、ステップS8では、判定パラメータ値メモリ205から判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)を読み出し、その判定パラメータ値と、S5によりカウンター値メモリ315から読み出したSOS発光エンドカウンター値とを比較し、これらの値が一致する場合か否かが判断される。
【0097】
ステップS8において、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータ値と一致すると判断された場合は、S1に戻り、制御パラメータの再送信をSOS発光エンドカウンター値から順番に開始させる。具体的に、ステップS4において、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータと一致すると判断された場合は、ステップS5でのSOS発光エンドカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源断状態となった後、電源供給状態に復帰した場合であり、電源断状態となる以前に送信されてカウンター値メモリ315に記憶されていたデータのすべてが特定値(16進数で「FFFF」)に書き換えられている状態である。
【0098】
したがって、ステップS8において、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータであると判断された場合は、複数回に分けて、主制御部50から発光制御部211に送信する複数種類の制御パラメータの再送信を最初の制御パラメータから実行させるために、ステップS1に戻る処理が実行される。
【0099】
一方、ステップS8において、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータではないと判断された場合は、S5に戻り、SOS発光エンドカウンター値の再送信を実行させる。具体的に、ステップS8において、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータではないと判断された場合は、ステップS5でのSOS発光エンドカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源OFF状態から電源ON状態となったのではなく、例えば通信障害(通信エラー)等により、誤ったSOS発光エンドカウンター値がカウンター値メモリ315に記憶されていた場合であり、当該SOS発光エンドカウンター値のデータのみに誤りがある状態である。したがって、ステップS8において、読み出されたSOS発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータではないと判断された場合は、当該SOS発光エンドカウンター値のみの再送信を実行させるために、ステップS5に戻る処理が実行される。
【0100】
ステップS7においてベリファイの結果に問題がないと判断された場合は、ステップS9により、発光モード制御部204から、発光制御部211に、制御パラメータとしてのSH発光スタートカウンター値を送信する。このように送信されたSH発光スタートカウンター値は、発光制御部211においてカウンター値メモリ315に書き込まれて記憶される。
【0101】
ステップS10により、発光モード制御部204において、ステップS9により送信されてカウンター値メモリ315に記憶されたSH発光スタートカウンター値について、データのベリファイを実行する。具体的に、発光モード制御部204においては、ステップS9により送信されたSH発光スタートカウンター値のデータが一時記憶用アドレスに一時的に記憶されている。ステップS10において、発光モード制御部204は、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光スタートカウンター値を読み出し、読み出したSH発光スタートカウンター値と、一時記憶されているSH発光スタートカウンター値とを比較することにより、データのベリファイを実行する。
【0102】
ステップS10のベリファイにおいて、比較したデータが一致する場合は、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光スタートカウンター値が正しい情報であると判断され、比較したデータが一致しない場合は、当該SH発光スタートカウンター値が正しい情報ではない(異常情報)と判断される。
【0103】
ステップS11により、ステップS10でのベリファイの結果に基づいて、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光スタートカウンター値に問題があるか否かを判断する。すなわち、ステップS11では、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光スタートカウンター値が正しい情報であるか否かが判断される。
【0104】
ステップS11においてベリファイの結果に問題があると判断された場合は、ステップS12により、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが、判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)のデータと一致するか否かが判断される。具体的に、ステップS12では、判定パラメータ値メモリ205から判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)を読み出し、その判定パラメータ値と、S9によりカウンター値メモリ315から読み出したSOS発光スタートカウンター値とを比較し、これらの値が一致する場合か否かが判断される。
【0105】
ステップS12において、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータのデータと一致すると判断された場合は、S1に戻り、制御パラメータの再送信をSOS発光スタートカウンター値から順番に開始させる。具体的に、ステップS12において、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータと一致すると判断された場合は、ステップS9でのSH発光スタートカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源断状態となった後、電源供給状態に復帰した場合であり、電源断状態となる以前に送信されてカウンター値メモリ315に記憶されていたデータのすべてが特定値(16進数で「FFFF」)に書き換えられている状態である。
【0106】
したがって、ステップS12において、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータのデータであると判断された場合は、複数回に分けて、主制御部50から発光制御部211に送信する複数種類の制御パラメータの再送信を最初の制御パラメータから実行させるために、ステップS1に戻る処理が実行される。
【0107】
一方、ステップS12において、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータのデータではないと判断された場合は、S9に戻り、SH発光スタートカウンター値の再送信を実行させる。具体的に、ステップS12において、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータではないと判断された場合は、ステップS9でのSH発光スタートカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源OFF状態から電源ON状態となったのではなく、例えば通信障害(通信エラー)等により、誤ったSH発光スタートカウンター値がカウンター値メモリ315に記憶されていた場合であり、当該SH発光スタートカウンター値のデータのみに誤りがある状態である。したがって、ステップS12において、読み出されたSH発光スタートカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータではないと判断された場合は、当該SH発光スタートカウンター値のみの再送信を実行させるために、ステップS9に戻る処理が実行される。
【0108】
ステップS11においてベリファイの結果に問題がないと判断された場合は、ステップS13により、発光モード制御部204から、発光制御部211に、制御パラメータとしてのSH発光エンドカウンター値を送信する。このように送信されたSH発光エンドカウンター値は、発光制御部211においてカウンター値メモリ315に書き込まれて記憶される。
【0109】
ステップS14により、発光モード制御部204において、ステップS13により送信されてカウンター値メモリ315に記憶されたSH発光エンドカウンター値について、データのベリファイを実行する。具体的に、発光モード制御部204においては、ステップS13により送信されたSH発光エンドカウンター値のデータが一時記憶用アドレスに一時的に記憶されている。ステップS14において、発光モード制御部204は、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光エンドカウンター値を読み出し、読み出したSH発光エンドカウンター値と、一時記憶されているSH発光エンドカウンター値とを比較することにより、データのベリファイを実行する。
【0110】
ステップS14のベリファイにおいて、比較したデータが一致する場合は、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光エンドカウンター値が正しい情報であると判断され、比較したデータが一致しない場合は、当該SH発光エンドカウンター値が正しい情報ではない(異常情報)と判断される。
【0111】
ステップS15により、ステップS14でのベリファイの結果に基づいて、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光エンドカウンター値に問題があるか否かを判断する。すなわち、ステップS15では、カウンター値メモリ315に記憶されたSH発光エンドカウンター値が正しい情報であるか否かが判断される。
【0112】
ステップS15においてベリファイの結果に問題があると判断された場合は、ステップS16により、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが、判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)のデータであるか否かが判断される。具体的に、ステップS16では、判定パラメータ値メモリ205から判定パラメータ値(16進数で「FFFF」)を読み出し、その電源オンオフ時パラメータ値と、S13によりカウンター値メモリ315から読み出したSOS発光エンドカウンター値とを比較し、これらの値が一致する場合か否かが判断される。
【0113】
ステップS16において、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータ値のデータと一致すると判断された場合は、S1に戻り、制御パラメータの再送信をSOS発光エンドカウンター値から順番に開始させる。具体的に、ステップS16において、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータと一致すると判断された場合は、ステップS13でのSH発光エンドカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源断状態となった後、電源供給状態に復帰した場合であり、電源断状態となる以前に送信されてカウンター値メモリ315に記憶されていたデータのすべてが特定値(16進数で「FFFF」)に書き換えられている状態である。
【0114】
したがって、ステップS16において、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータであると判断された場合は、複数回に分けて、主制御部50から発光制御部211制御に送信する複数種類の制御パラメータの再送信を最初の制御パラメータから実行させるために、ステップS1に戻る処理が実行される。
【0115】
一方、ステップS16において、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータではないと判断された場合は、S13に戻り、SH発光エンドカウンター値の再送信を実行させる。具体的に、ステップS16において、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータではないと判断された場合は、ステップS13でのSH発光エンドカウンター値の送信中において、発光制御部211が電源OFF状態から電源ON状態となったのではなく、例えば通信障害(通信エラー)等により、誤ったSH発光エンドカウンター値がカウンター値メモリ315に記憶されていた場合であり、当該SH発光エンドカウンター値のデータのみに誤りがある状態である。したがって、ステップS16において、読み出されたSH発光エンドカウンター値のデータが判定パラメータのデータではないと判断された場合は、当該SH発光エンドカウンター値のみの再送信を実行させるために、ステップS13に戻る処理が実行される。
【0116】
ステップS15においてベリファイの結果に問題がないと判断された場合は、S17により、発光制御部211により、前述したような発光制御(例えば感光体の表面への静電潜像の形成、SOS発光、SH発光の制御等)を実施させ、通信制御処理がリターンする。
【0117】
以上に説明した通信制御処理によれば、主制御部50(発光モード制御部204)が発光制御部211と通信を開始した後、カウンター値メモリ315に記憶させる制御パラメータを発光制御部211に送信し、主制御部50(発光モード制御部204)が発光制御部211と通信を開始した後、カウンター値メモリ315に記憶されている制御パラメータが正しい情報であるか否かを判断し、カウンター値メモリ315に記憶されている制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている判定パラメータ値と、カウンター値メモリ315に記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の制御パラメータをカウンター値メモリ315に再記憶させるときの通信形式(第1通信形式、第2通信形式)を決定する処理が実行される。そして、カウンター値メモリ315において、送信されたすべての種類の制御パラメータが記憶されたときに、発光素子の制御を開始させる処理が実行される。
【0118】
ある局面においては、発光制御部211が、電源OFF状態から電源ON状態となった場合とは異なり、電源OFF状態となったときに、カウンター値メモリ315に記憶されているすべての制御パラメータの記憶アドレスが前述した特定値(FFFF)とは異なる所定値に書き換えられる場合には、当該所定値も、特定値に加えて、正しい情報の制御パラメータをカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に再記憶させるときの通信形式を決定するための判定パラメータ値として用いてもよい。例えば、ステップS4、S8,S12,S16での判定パラメータ値と、カウンター値メモリ315から読み出した制御パラメータとの比較処理において、電源OFF状態から電源ON状態となった場合の特定値を用いた比較に加えて、電源OFF状態となった場合の所定値を用いた比較を実行してもよい。
【0119】
このような電源OFF状態となった場合の所定値とを用いたカウンター値メモリ315から読み出した制御パラメータとの比較処理を実行する場合において、比較の結果が一致したと判断された場合には、電源OFF状態から電源ON状態となった場合の特定値を用いた比較結果に対応する処理と同様に、主制御部電源および発光制御部電源が最初にON状態となってから電源OFF状態が発生したときまでの間に、発光モード制御部204から送信されてカウンター値メモリ315に書き込まれたすべての制御パラメータを送信順番に従って発光モード制御部204から再送信してカウンター値メモリ315に順番に再記憶させる形式での通信リトライ制御を実行すればよい。このような比較結果を実行する場合には、電源OFF状態となってから電源ON状態に確実に回復するような特定の遅延時間(例えば扉スイッチ部53のチャタリング状態が発生場合に確実にチャタリングが収まるまでの時間等)が経過した後に、通信リトライ制御を実行すればよい。
【0120】
<E.他の装置構成への応用>
上記の発光制御の制御パラメータに関する通信制御は、図6および図7に示すような複数の発光制御部211A,211Bを備える画像形成装置100に対しても適用可能である。
【0121】
図6は、複数の発光制御部211A,211Bを備える場合のレーザーダイオード213の発光制御をするための第1構成の一例を示す模式図である。図6に示す例は、複数の発光制御部211A,211Bが発光制御を実行する点で、図3に示す例と異なる。例えば、発光制御部211Aは、イエロー(Y)、シアン(C)の静電潜像の形成を実行し、発光制御部211Bはマゼンタ(M)、キープレート(ブラック)(K)の静電潜像の形成を実行し得る。このように、プリントヘッド部210は、複数の発光制御部211A,211Bを備えることで、感光体1の表面に高速に静電潜像を形成し得る。
【0122】
図6の例では、主制御部50は、シリアル通信の通信先を指定するためのセレクトポート(図示せず)を少なくとも2つ備える。第1のセレクトポートは、信号線801Aを介して、発光制御部211Aに接続される。第2のセレクトポートは、信号線801Bを介して、発光制御部211Bに接続される。
【0123】
主制御部50は、第1のセレクトポートまたは第2のセレクトポートの片方の出力(セレクト信号)をHIGHにすることで、通信先を決定する。例えば、主制御部50が第1のセレクトポートの出力をHIGHにし、第2のセレクトポートの出力をLOWにした場合、発光制御を実行する発光制御部として第1の発光制御部211Aが選択されて、発光制御が実行される。一方、主制御部50が第1のセレクトポートの出力をLOWにし、第2のセレクトポートの出力をHIGHにした場合、発光制御を実行する発光制御部として第2の発光制御部211Bが選択されて、発光制御が実行される。
【0124】
図6の例では、画像処理部203に接続されて画像信号を出力する画像信号線302が、第1の発光制御部211Aに画像信号を送信する第1の画像信号線302Aと、第2の発光制御部211Bに画像信号を送信する第2の画像信号線302Bとに分けて設けられている。一方、画像処理部203に接続されて画像信号を出力する画像信号線302が、第1の発光制御部211Aに画像信号を送信する第1の画像信号線302Aと、第2の発光制御部211Bに画像信号を送信する第2の画像信号線302Bとの2つの画像信号線に分けて設けられている。
【0125】
発光モード制御部204に接続されて発光制御に関する制御パラメータ等を送信するシリアル信号線303は、1本であるが、主制御部50からの出力後、発光制御部211への入力前の位置で2本に分岐され、第1の発光制御部211Aと、第2の発光制御部211Bとのそれぞれと接続される。このような構成により、各種制御パラメータは、セレクト信号によりどちらの発光制御部が選択されているかに関わらず、第1の発光制御部211Aのカウンター値メモリ315Aと、第2の発光制御部211Bのカウンター値メモリ315Bとの両方に送信されて、記憶される。
【0126】
図6のような複数の発光制御部211A,211Bを備えた画像形成装置100においては、図5に示したような発光制御の制御パラメータに関する通信制御処理を、両方の発光制御部を対象として、実行すればよい。なお、図6のような複数の発光制御部211A,211Bを備えた画像形成装置100においては、図5に示したような発光制御の制御パラメータに関する通信制御処理を少なくとも一方の発光制御部を対象として、実行してもよい。
【0127】
図7は、複数の発光制御部211A,211Bを備える場合のレーザーダイオード213の発光制御をするための第2構成の一例を示す模式図である。
【0128】
図7に示す例が図6に示す例と異なる構成は、次のとおりである。発光モード制御部204に接続されたシリアル信号線が、データインプット信号およびデータアウトプット信号を第1の発光制御部211Aに送信する信号線1001と、シリアルクロック信号を第2の発光制御部211Bに送信する第2の信号線1002とに分けられている。
【0129】
主制御部50と、第1の発光制御部211Aとの間に、第1の信号線1001で送信されるクロック信号と、第1の発光制御部211Aのセレクト信号を送信する信号線1003Aで送信される第1のセレクト信号を入力とし、これらの論理積を、シリアルクロック信号として第1の発光制御部211Aに出力するANDゲート1004Aが設けられている。主制御部50と、第2の発光制御部211Bとの間に、第2の信号線1002で送信されるクロック信号と、第2の発光制御部211Bのセレクト信号を送信する信号線1003Bで送信される第2のセレクト信号を入力とし、これらの論理積を、シリアルクロック信号として第2の発光制御部211Bに出力するANDゲート1004Bとが設けられている。
【0130】
このような構成により、シリアルクロック信号は、セレクト信号により選択された発光制御部211A,211Bに対応するANDゲート1004A,1004Bのいずれかから、選択された発光制御部のみに入力される。一方、各種制御パラメータは、セレクト信号によりどちらの発光制御部が選択されているかに関わらず、第1の発光制御部211Aのカウンター値メモリ315Aと、第2の発光制御部211Bのカウンター値メモリ315Bとの両方に送信されて、記憶される。第1のセレクト信号は、信号線1003Aが分岐して、直接的に第1の発光制御部211Aにも入力される。第2のセレクト信号は、信号線1003Bが分岐して、直接的に第2の発光制御部211Bにも入力される。
【0131】
このような構成により、シリアルクロック信号は、セレクト信号により選択された発光制御部にのみ入力される。一方、各種制御パラメータは、セレクト信号によりどちらの発光制御部が選択されているかに関わらず、第1の発光制御部211Aのカウンター値メモリ315Aと、第2の発光制御部211Bのカウンター値メモリ315Bとの両方に送信されて、記憶される。
【0132】
図7のような複数の発光制御部211A,211Bを備えた画像形成装置100においては、図5に示したような発光制御の制御パラメータに関する通信制御処理を、両方の発光制御部を対象として、実行すればよい。なお、図7のような複数の発光制御部211A,211Bを備えた画像形成装置100においては、図5に示したような発光制御の制御パラメータに関する通信制御処理を少なくとも一方の発光制御部を対象として、実行してもよい。
【0133】
図6および図7の構成においては、複数設けられた発光制御部211A,211Bのうち、1つの発光制御部が、1つのレーザーダイオードを制御する例を示した。ある局面においては、図6および図7の構成においては、複数設けられた発光制御部211A,211Bにより、1つのレーザーダイオードを制御するようにしてもよい。
【0134】
<F.実施の形態により得られる効果>
(1) この実施形態では、図5のステップS1~S16等に示すように、主制御部50(発光モード制御部204)が発光制御部211(211A,211Bを含む)と通信を開始した後、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶させる制御パラメータを発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信し、制御部50(発光モード制御部204)が発光制御部211(211A,211Bを含む)と通信を開始した後、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータが正しい情報であるか否かを判断し、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている判定パラメータ値と、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の制御パラメータをカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に再記憶させるときの通信形式(第1通信形式、第2通信形式)を決定する(S1~S16)。これにより、レーザーダイオード(発光素子)213を制御するための通信に異常が生じた場合でも、異常の状況に応じた形式で異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0135】
(2) この実施形態では、主制御部50(発光モード制御部204)は、図5のステップS3,S4,S1、S7,S8,S5、S11,S12,S9、S15,S16,S13等に示すように、発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信した制御パラメータと、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータとが異なり、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータと、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている判定パラメータ値とが異なる場合に、発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信した制御パラメータのうち、当該異なる制御パラメータのみをカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に再記憶させるためにカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に送信する。これにより、レーザーダイオード(発光素子)213を制御するための制御パラメータの通信に異常が生じた場合でも、判定パラメータ値により判定されるカウンター値メモリ315の異常の状況に応じた形式でカウンター値メモリ315の異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0136】
(3) この実施形態では、主制御部50(発光モード制御部204)は、図5のステップS3,S4,S1、S7,S8,S1、S11,S12,S1、S15,S16,S1等に示すように、発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信した制御パラメータと、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータとが異なり、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータと、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている判定パラメータ値とが一致する場合に、発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信した制御パラメータのすべてをカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に再記憶させるためにカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に送信する。これにより、レーザーダイオード(発光素子)213を制御するための制御パラメータの通信に異常が生じた場合でも、判定パラメータ値により判定されるカウンター値メモリ315の異常の状況に応じた形式でカウンター値メモリ315の異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0137】
(4) この実施形態では、図5のステップS3,S7,S11,S15等に示すように、発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信した制御パラメータと、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータとが一致する場合に、当該制御パラメータの正しい情報が記憶されていると判断する。これにより、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータが正しい情報であるか否かを確実に判断することができる。
【0138】
(5) この実施形態では、主制御部50は、図5のステップS1,S5,S9,S13等に示すように、複数種類の制御パラメータを種類毎に分けて発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信し、図5のステップS17等に示すように、すべての種類の制御パラメータがカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されたときに、制御パラメータの送信を終了し、発光素子の制御を開始させる。これにより、レーザーダイオード(発光素子)213を制御するための制御パラメータの通信に異常が生じていない状態で、発光制御を開始させることができる。
【0139】
(6) この実施形態では、図5のステップS1,S5,S9,S13等に示すように、レーザーダイオード(発光素子)213を発光素子を制御することは、少なくとも、レーザーダイオード(発光素子)213のSOS信号を得るための同期発光のタイミングと、レーザーダイオード(発光素子)213の光量のサンプリングをするためのSH発光のタイミングとを制御することを含む。これにより、レーザーダイオード(発光素子)213を制御するためのSOS信号およびSH発光の制御に関する制御パラメータの通信に異常が生じた場合でも、異常の状況に応じた形式で異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0140】
(7) この実施形態では、制御部50(発光モード制御部204)から発光制御部211(211A,211Bを含む)に送信される制御パラメータは、図5のステップS1,S5,S9,S13等に示すように、発光制御部211にSOS発光スタートカウンター値、SOS発光エンドカウンター値、SH発光スタートカウンター値、および、SH発光エンドカウンター値のように、感光体を露光するために必要となるレーザーダイオード(発光素子)213の発光制御に関するパラメータである。これにより、感光体を露光するために必要となる発光制御をするための通信に異常が生じた場合でも、異常の状況に応じた形式で異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0141】
(8) この実施形態では、図6および図7に示すように、発光制御部211は、発光制御部211A,211Bのように複数設けられ、制御部50は、複数の発光制御部211A,211Bと通信可能に接続され、制御部50は、複数の発光制御部211A,211Bと通信を開始した後、複数のカウンター値メモリ315A,315Bのうち少なくとも1つのカウンター値メモリにさらに記憶させる制御パラメータの情報を複数のカウンター値メモリ315A,315Bに送信し、複数の発光制御部211A,211Bと通信を開始した後、複数のカウンター値メモリ315A,315Bのうち少なくとも1つのカウンター値メモリに記憶されている制御パラメータの情報が正しい情報であるか否かを判断し、複数のカウンター値メモリ315A,315Bのうち少なくとも1つのカウンター値メモリに記憶されている制御パラメータが正しい情報ではないと判断した場合に、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている判定パラメータ値と、制御パラメータの情報が正しい情報ではないと判断したカウンター値メモリ315A,315Bに記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、複数のカウンター値メモリ315A,315Bのすべてにおいて、複数のカウンター値メモリ315A,315Bの各々に正しい情報の制御パラメータを再記憶させるときの通信形式を決定する。これにより、複数の発光制御部211A,211Bを備えた画像形成装置において、レーザーダイオード(発光素子)213を制御するための通信に異常が生じた場合でも、異常の状況に応じた形式で異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0142】
(9) この実施形態では、図5において、さらに電源OFF時に記憶される所定値を用いて、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)は、発光制御部211(211A,211Bを含む)に供給される電力が断たれて電源OFF状態から電源ON状態となった状態で記憶情報が特定値(例えば16進数で「FFFF」)の情報となり、判定パラメータ値メモリ205には判定パラメータ値として、特定値(例えば16進数で「FFFF」)に加えて、発光制御部211(211A,211Bを含む)に供給される電力が断たれて電源OFF状態となったときの所定値(電源OFF状態値)が記憶されており、制御部50は、さらに、判定パラメータ値メモリ205に記憶されている所定値(電源OFF状態値)と、カウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に記憶されている制御パラメータとを比較することに基づき、正しい情報の制御パラメータをカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)に再記憶させるときの通信形式を決定する。これにより、制御パラメータの通信に異常が生じた場合でも、より具体的なカウンター値メモリ315の異常の状況に応じた形式でカウンター値メモリ315の異常を解消可能な再通信を実行することができる。
【0143】
<G.実施の形態の変形例>
(1) 図1画像形成装置100としては、MFP(Multi-Functional Peripheral)、コピー機、プリンタ、ファクシミリ等のあらゆる画像形成装置が対象とされる。
【0144】
(2) 前述したカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)においては、発光制御部211(211A,211Bを含む)に供給される電力が断たれて電源OFF状態から電源ON状態となったときに、記憶アドレスのすべてが特定値(例えば16進数で「FFFF」)に書き換えられる例を示した。このような場合に書き換えられる値は、特定値に限らず、電源OFFから電源ON状態になったことを特定可能な値であれば、特定値以外の値であってもよい。また、発光制御部211が、電源OFF状態から電源ON状態となった場合とは異なり、電源OFF状態となったときに、カウンター値メモリ315に記憶されているすべての制御パラメータの記憶アドレスが前述した特定値(FFFF)とは異なる所定値に書き換えられる場合についても、発光制御部211が、電源OFF状態となったことが特定可能な値であれば、所定値以外の値であってもよい。
【0145】
(3) 図5に示したS2,S6,S10,S14における、送信した制御パラメータと、カウンター値メモリ315から読み出した制御パラメータとを比較する処理方法としては、全部のアドレスのデータを比較してもよく、一部のアドレスのデータを比較する等のその他の比較方法を用いてもよい。その他の比較方法としては、パリティチェック等の誤り検出処理方法を用いてもよい。
【0146】
(4) 前述したカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)においては、発光制御部211(211A,211Bを含む)に供給される電力が断たれて電源OFF状態から電源ON状態となったときに、記憶アドレスのすべてが特定値(例えば16進数で「FFFF」)に書き換えられる例を示した。このような特定値は、電源スイッチが操作されて画像形成装置100が起動するときにおいて、主制御部50と発光制御部211との通信が開始される前のカウンター値メモリ315(315A,315Bを含む)の初期値となる値であるが、この初期値は、単なるメモリ装置の起動時の初期値ではなく、単なる初期値に対して特定の初期値が書き込また値であってもよい。
【0147】
(5) 図5の通信制御処理において、送信される制御パラメータとしては、発光制御に関する制御パラメータであれば、どのような制御パラメータであってもよく、例えば、発光のタイミング、発光の光量、発光制御の開始時期、発光制御の終了時期、発光制御のエラー情報の送信要求等の各種の制御パラメータが含まれる。
【0148】
(6) 今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0149】
1 感光体、213,213A,213B レーザーダイオード、211,211A,211B 発光制御部、50 主制御部、315,315A,315B カウンター値メモリ、205 判定パラメータ値メモリ、100画像形成装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7