(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】運転支援装置および運転支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/0962 20060101AFI20240501BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20240501BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240501BHJP
G08B 21/06 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G08G1/0962
B60W40/08
B60W50/14
G08B21/06
(21)【出願番号】P 2020169938
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 康利
(72)【発明者】
【氏名】林 啓太
(72)【発明者】
【氏名】谷山 紘史
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-135694(JP,A)
【文献】特開2016-184282(JP,A)
【文献】特開2014-134503(JP,A)
【文献】特開2014-167438(JP,A)
【文献】特開2007-203913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G08B 21/00 - 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内の乗員の情報を取得する乗員情報取得部と、
前記乗員情報取得部が取得した情報から乗員の覚醒状態を判断する判断部と、
前記車両が連続的な走行を行っている時間を取得する走行情報取得部と、
前記車両の運転者の覚醒度が低下していない状態で、前記判断部による前記車両の運転者以外の乗員の覚醒度が低い
時間が長い乗員の割合に基づき、前記走行情報取得部が取得した前記車両の連続的な走行を行っている時間に基づく前記運転者に対する休憩促進の通知タイミングを
早めて、前記運転者に休憩促進通知を行う通知制御部と、
を備える運転支援装置。
【請求項2】
前記通知制御部は、前記車両の運転者以外の乗員の覚醒度が低い時間が長いほど、前記運転者に対する休憩促進の通知タイミングを早めて前記運転者に休憩促進通知を行う、
請求項
1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
車両の車室内の乗員の情報を取得する乗員情報取得ステップと、
前記乗員情報取得ステップで取得した情報から乗員の覚醒状態を判断する判断ステップと、
前記車両が連続的な走行を行っている時間を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両の運転者の覚醒度が低下していない状態で、前記判断ステップでの前記車両の運転者以外の乗員の覚醒度が低い
時間が長い乗員の割合に基づき、前記走行情報取得ステップで取得した前記車両の連続的な走行を行っている時間に基づく前記運転者に対する休憩促進の通知タイミングを
早めて、前記運転者に休憩促進通知を行う通知ステップと、
を含む方法を運転支援装置が実行する運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置および運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の連続運転時間が所定時間を経過した際に、休憩を促す情報を出力する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。休憩を促す指標となる所定時間は、例えば、走行路、走行速度の状況、または休憩可能な施設等の位置によって設定される。また、近年では、車両にドライバモニタリングシステムが装着されてきており、運転者のみならず他の同乗者もモニタリング対象にすることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者の眠気が発生するような連続運転時間は、上述した様々なパラメータによっても変動するが、同乗者の状態によっても変動することがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の運転者に適切に休憩を促すことができる運転支援装置および運転支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様の運転支援装置は、車両の車室内の乗員の情報を取得する乗員情報取得部と、前記乗員情報取得部が取得した情報から乗員の覚醒状態を判断する判断部と、前記車両が連続的な走行を行っている時間を取得する走行情報取得部と、前記判断部による前記車両の運転者以外の乗員の覚醒度が低い状態となっている時間に基づき、前記走行情報取得部が取得した前記車両の連続的な走行を行っている時間に基づく前記運転者に対する休憩促進の通知タイミングを変更して、前記運転者に休憩促進通知を行う通知制御部と、を備える。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様の運転支援方法は、車両の車室内の乗員の情報を取得する乗員情報取得ステップと、前記乗員情報取得ステップで取得した情報から乗員の覚醒状態を判断する判断ステップと、前記車両が連続的な走行を行っている時間を取得する走行情報取得ステップと、前記判断ステップでの前記車両の運転者以外の乗員の覚醒度が低い状態となっている時間に基づき、前記走行情報取得ステップで取得した前記車両の連続的な走行を行っている時間に基づく前記運転者に対する休憩促進の通知タイミングを変更して、前記運転者に休憩促進通知を行う通知ステップと、を含む方法を運転支援装置が実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の運転者に適切に休憩を促すことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る運転支援装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る運転支援装置について実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態の記載に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、実質的に同一のもの、あるいは均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。以下の実施形態では、本発明に係る運転支援装置の実施形態を例示する上で、必要となる構成要素を説明し、その他の構成要素を省略する。なお、以下の実施形態の説明において、同一構成には同一符号を付し、異なる構成には異なる符号を付すものとする。
【0011】
(第1実施形態)
[装置の構成]
図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る運転支援装置10について説明する。
図1は、第1実施形態に係る運転支援装置10の一例を示すブロック図である。運転支援装置10は、運転者に対して休憩促進の通知を行う装置であり、特に、車両に搭乗する乗員の覚醒状態に基づいて、運転者に対して休憩促進の通知を行う装置である。本発明は、運転者と、1人以上の運転者以外の乗員(以降、同乗者と称する)とが車両に搭乗している場合に適用される。なお、乗員が運転者のみである場合、本発明は適用されず、運転者の覚醒度や連続的な走行を継続している時間に基づき、運転者に対して休憩促進の通知を行う。
【0012】
第1実施形態の運転支援装置10は、撮像部11と、辞書記憶部12と、通知部16と、運転支援制御装置20と、を備える。また、運転支援装置10は、車両に搭載されるナビゲーション装置90と電気的にまたは通信回線を介して接続している。なお、運転支援装置10は、ナビゲーション装置90の機能として備えられていてもよく、ナビゲーション装置90と連携した車両のインキャビンモニタシステムの機能として備えられていてもよい。
【0013】
撮像部11は、運転支援装置10が搭載されている車両において用いられ、車両の車室内の任意の範囲を撮影するカメラを含む。カメラは、撮像素子と赤外発光素子とを含む赤外カメラまたは近赤外カメラである。カメラは、車両に搭乗する乗員全員の顔を撮影可能な画角を備える。カメラは、例えば、運転支援装置10に固有のカメラ、または、車両に搭載されるドライブレコーダ等の他の装置で用いられるカメラ等でもよい。カメラは、車両の車室内前方かつ上方に、車室内側を撮影可能なように配置される。カメラは、車両のインナーミラーの近傍に設けられていてもよく、インナーミラーに内蔵されていてもよい。撮像部11は、カメラが撮影した映像データを、運転支援制御装置20の映像取得部31へ出力する。
【0014】
辞書記憶部12は、運転支援制御装置20の乗員検出部32が乗員の顔および顔のパーツを検出するための人物モデル情報としての辞書データを記憶している。辞書記憶部12は、例えば、撮像部11のカメラが配置される位置、車両に搭乗する運転者が着座している場合の運転者の顔が位置する範囲、同乗者が着座している場合の各乗員の顔が位置する範囲等、乗員の顔を検出する位置を特定するような車室内情報を記憶していてもよい。車室内情報における、乗員の顔が位置する範囲は、車室内の座席の配置と乗員定員に基づいて設定される。辞書記憶部12は、乗員検出部32に辞書データを参照される。
【0015】
通知部16は、運転支援制御装置20の通知制御部60から出力された映像信号、音声信号等を含む制御信号に基づいて、休憩促進のための通知情報を車両の運転者等に通知する。通知部16は、視覚的な通知情報を通知する表示装置、音によって通知情報を通知するスピーカ、光によって通知情報を通知する発光装置の少なくともいずれか1つを含む。表示装置は、例えば、運転支援装置10に固有の表示装置、または、ナビゲーション装置90を含む他のシステムと共用した表示装置等である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含むディスプレイである。表示装置は、各種操作を入力可能な操作部として機能するタッチパネル式のディスプレイであってもよい。表示装置は、車両の運転者前方の、ダッシュボード、インストルメントパネル、センターコンソール等、車両の運転者が目視可能な位置に配置される。
【0016】
運転支援制御装置20は、運転支援装置10の機能の1つとして実装されてもよい。第1実施形態において、運転支援制御装置20は、運転支援装置10の機能の1つとして実装される。運転支援制御装置20は、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置、および予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。このため、運転支援制御装置20は、運転支援装置10による運転支援方法を実行する。また、運転支援制御装置20は、本発明にかかるプログラムを動作させるコンピュータである。記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ等である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)、システムLSI(Large Scale Integration)等である。運転支援制御装置20は、1つの記憶装置または複数の記憶装置と、1つの演算処理装置または複数の演算処理装置と、から実装される。運転支援制御装置20は、乗員情報取得部30と、判断部40と、走行情報取得部50と、通知制御部60と、を機能として含む。
【0017】
乗員情報取得部30は、運転支援装置10を搭載する車両の車室内の乗員の情報を示す乗員情報を取得する。より詳しくは、判断部40が乗員の覚醒状態を判断するために必要な乗員情報を取得する。乗員情報は、例えば、乗員の顔の向き、乗員の目の開度および開度の時間経過に基づく変化量、乗員の心拍数または体温の時間経過に基づく変化量、等を含む。乗員の顔の向き、乗員の目の開度等は、撮像部11が撮影した映像データから取得可能である。乗員の心拍数は、例えば、心拍センサによって取得可能である。乗員の体温は、例えば、体温を測定するセンサによって取得可能である。乗員の心拍数は、接触型の心拍センサを用いてもよいが、撮像部11が乗員の顔を撮影した映像データから、ヘモグロビンが吸収する波長の検出によって、心拍数を検出してもよい。また、乗員の体温は、接触型の体温センサを用いてもよいが、赤外カメラとしての撮像部11が乗員の顔を撮影した映像データから、体温を検出してもよい。乗員情報取得部30は、第1実施形態において、映像取得部31と、乗員検出部32と、を含む。
【0018】
第1実施形態においては、乗員情報取得部30は、撮像部11が撮影した映像データに基づいて乗員情報を取得する例として説明する。映像取得部31は、撮像部11から撮像部11が撮影した映像データを取得する。映像取得部31は、車両の車室内に搭乗している乗員全員の顔を撮影した映像データを取得する。映像取得部31は、撮像部11から取得した映像データを、乗員検出部32へ出力する。
【0019】
乗員検出部32は、映像取得部31が取得した映像データから、車両の車室内に搭乗する乗員を検出する。乗員検出部32は、主に乗員の顔を検出することによって、車室内の各々の座席に着座者である乗員が存在するか否かを検出する。乗員検出部32は、辞書記憶部12から参照した人物モデル情報に基づいて、乗員の顔を検出する。乗員検出部32は、車室内情報を参照して、例えば、撮像部11のカメラが配置される位置、および車両に搭乗する運転者が運転席に着座している場合の運転者の顔が位置する範囲、同乗者が着座している場合の各乗員の顔が位置する範囲に基づいて、運転者および同乗者の顔を検出してもよい。乗員検出部32は、車両に搭乗する乗員において、運転者と同乗者とを判別可能である。また、乗員検出部32は、同乗者が複数存在する場合、各々の同乗者を判別可能である。
【0020】
判断部40は、乗員情報取得部30が取得した情報から乗員の覚醒状態を判断する。判断部40は、第1実施形態において、乗員検出部32が検出した乗員の覚醒状態を判断する。より詳しくは、判断部40は、乗員情報取得部30が取得した運転者および同乗者の乗員情報に基づいて、運転者および同乗者が予め定める条件を満たすか否かを判断する。判断部40は、この判断結果に基づいて、運転者および同乗者の覚醒度を判断する。予め定める条件は、例えば、乗員の顔の向き、乗員の目の開度および開度の時間経過に基づく変化量等を用いる。判断部40は、乗員の心拍数または体温の時間経過に基づく変化量に関する条件を含んで同乗者の覚醒度を判断してもよい。判断部40は、第1実施形態において、乗員情報取得部30が取得した映像データによって乗員の覚醒状態を判断する。したがって、第1実施形態における予め定める条件は、例えば、乗員の顔の向き、乗員の目の開度および開度の時間経過に基づく変化量に関する条件を含む。判断部40は、例えば、乗員の存在が検出されているにもかかわらず、乗員が下を向いて顔のパーツが検出されない状態が所定時間以上継続している場合、覚醒度が低いと判断する。判断部40は、例えば、乗員の目が閉じている、またはほぼ閉じている状態が所定時間以上継続している等の場合、覚醒度が低いと判断する。判断部40は、判断結果を、通知制御部60へ出力する。
【0021】
走行情報取得部50は、車両に搭載されるナビゲーション装置90から車両の走行情報を取得して、車両が連続的な走行を継続している時間を算出する。または、走行情報取得部50は、ナビゲーション装置90から車両が連続的な走行を継続している時間を取得する。連続的な走行を継続している時間とは、運転開始または前回休憩からの時間である。すなわち、連続的な走行を継続している時間とは、一時停止、数分の停止、および道路上での渋滞等を含み、運転者の休憩なしで車両の走行が継続している時間である。また、走行情報取得部50は、車両の連続的な走行時間を取得する際に、乗員検出部32による運転席の位置で検出された運転者が同一であることを条件として加えてもよい。走行情報取得部50は、車両が連続的な走行を継続している時間を、通知制御部60へ出力する。
【0022】
通知制御部60は、予め定められた条件および取得した通知情報に基づいて通知部16に通知情報を通知させるよう制御する。通知制御部60は、判断部40から取得した判断結果と、走行情報取得部50から取得した車両が連続的な走行を継続している時間と、に基づいて、運転者に休憩を促す通知である休憩促進通知を含む通知情報を、通知部16に通知させるよう制御する。休憩促進通知は、通知部16が映像表示または音声等で行う。休憩促進通知において、進行方向におけるパーキングまたは道の駅等の休憩可能な施設を提示してもよい。
【0023】
通知制御部60は、デフォルト値として設定された時間の連続的な走行が継続された場合、運転者に休憩促進通知を行う。デフォルト値は、第1実施形態において、一例として120分が設定されている。通知制御部60は、運転者の覚醒度が低下していることが検出された場合に、休憩促進通知を行う。通知制御部60は、車両の同乗者の覚醒度が低い状態となっている時間に基づいて、車両の連続的な走行を継続している時間に基づく運転者に対する休憩促進の通知タイミングを、デフォルト値より早めるように変更して、運転者に休憩促進通知を行う。
【0024】
通知制御部60は、第1実施形態において、車両の運転者の覚醒度が低下していない状態で、車両の同乗者の覚醒度が低い時間が長いほど、運転者に対する休憩促進の通知タイミングを早めて運転者に休憩促進通知を行う。例えば、車両の乗員が運転者以外に同乗者が存在する場合、かつ同乗者の覚醒度が低い時間が所定の時間、例えば20分以上40分以内であった場合、通知制御部60は、第1実施形態において、連続的な走行がデフォルト値の120分に達していない所定時間、例えば100分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。例えば、車両の乗員が運転者以外に同乗者が存在する場合、かつ同乗者の覚醒度が低い時間が所定の時間、例えば40分以上であった場合、通知制御部60は、第1実施形態において、連続的な走行がデフォルト値の120分に達していない所定時間、例えば80分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。
【0025】
[装置による処理]
図2および
図3を用いて、第1実施形態に係る運転支援装置10における処理の流れについて説明する。第1実施形態は、同乗者が1人である場合の運転支援処理の例である。
図2および
図3は、第1実施形態に係る運転支援装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
図2および
図3に示す処理は、運転支援装置10が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。
図2に示す処理と
図3に示す処理とは、並行して行われる。運転支援装置10は、例えば、車両が動作可能になる、運転支援装置10に車両から電源が供給される、休憩後の走行開始、運転者の変更、またはナビゲーション装置90に目的地を設定されること等によって、
図2に示すステップS101および
図3に示すステップS201に移行して各々の処理を開始する。
【0026】
まず、
図2に示すフローチャートの処理について説明する。運転支援装置10は、処理の開始に伴い、同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間T
maxをT
max=0として設定する(ステップS101)。設定した時間T
maxは、例えば、運転支援制御装置20の記憶装置に一時的に記憶される。運転支援装置10は、ステップS102へ移行する。
【0027】
また、運転支援装置10は、処理の開始とともに、乗員の覚醒度の判定を開始する(ステップS102)。ステップS102における乗員の覚醒度の判定の開始とは、映像取得部31が、撮像部11が撮影した車室内の映像を取得し、乗員検出部32が映像から乗員を検出し、判断部40が、各乗員の覚醒度の判定を行うことである。
【0028】
ステップS102で、乗員の覚醒度の判断を開始した後、運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低いか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、判断部40が、ステップS102における判断部40による判断結果に基づいて、同乗者の覚醒度が低いか否か、言い換えると覚醒度の低い同乗者が存在するか否かを判断する。同乗者の覚醒度が低いと判断された場合(ステップS103;Yes)、運転支援装置10は、ステップS104へ移行する。同乗者の覚醒度が低いと判断されない場合(ステップS103;No)、運転支援装置10は、ステップS106へ移行する。
【0029】
同乗者の覚醒度が低いと判断された場合(ステップS103;Yes)、運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間Tを測定するタイマが作動中か否かを判断する(ステップS104)。タイマが作動中である場合(ステップS104;Yes)、運転支援装置10は、ステップS110へ移行する。タイマが作動中でない場合(ステップS104;No)、運転支援装置10は、ステップS105へ移行する。
【0030】
タイマが作動中でない場合(ステップS104;No)、運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間TをT=0として、カウントアップタイマを開始させ(ステップS105)、ステップS110へ移行する。
【0031】
同乗者の覚醒度が低いと判断されない場合(ステップS103;No)、運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間Tを測定するタイマが作動中か否かを判断する(ステップS106)。タイマが作動中である場合(ステップS106;Yes)、運転支援装置10は、ステップS107へ移行する。タイマが作動中でない場合(ステップS106;No)、運転支援装置10は、ステップS110へ移行する。
【0032】
タイマが作動中である場合(ステップS106;Yes)、運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間Tを測定するタイマのカウントアップを停止させ(ステップS107)、ステップS108へ移行する。
【0033】
運転支援装置10は、ステップS107で停止させたタイマによって測定された時間Tが、同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間Tmaxとして既に記憶されている時間Tmaxを超えているか否かを判断する(ステップS108)。すなわち、運転支援装置10は、T>Tmaxを満たしているか否かを判断する。T>Tmaxであると判断された場合(ステップS108;Yes)、運転支援装置10は、ステップS109へ移行する。T≦Tmaxであると判断された場合(ステップS108;No)、運転支援装置10は、ステップS110へ移行する。
【0034】
ステップS108で、T>Tmaxであると判断された場合(ステップS108;Yes)、運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間TmaxをTmax=Tとして設定する(ステップS109)。すなわち、運転支援装置10は、ステップS107で停止させたタイマによって測定された時間Tが、同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間Tmaxであるものとして、時間Tmaxの値を更新し、ステップS110へ移行する。
【0035】
運転支援装置10は、運転支援処理を終了するか否かを判断する(ステップS110)。運転支援装置10は、例えば、所定の終了操作を受け付ける、ナビゲーション装置90に設定された目的地に到着する、休憩のために車両が駐車状態になること等によって、運転支援処理を終了する。運転支援処理を終了する場合(ステップS110;Yes)、運転支援装置10は、
図2に示すフローチャートの処理を終了する。運転支援処理を終了しない場合(ステップS110;No)、運転支援装置10は、ステップS103へ戻り、ステップS110でYesと判断されるまで、ステップS103からステップS109までの処理を所定の周期毎に繰り返し実行する。
【0036】
次に、
図3に示すフローチャートの処理について説明する。運転支援装置10は、処理の開始に伴い、連続的な走行が開始されたものとして、連続的な走行を継続している走行継続時間tをt=0として、カウントアップタイマを開始させる(ステップS201)。運転支援装置10は、ステップS202へ移行する。
図3の処理中は、
図2に示す同乗者の覚醒度が低い時間Tの計測処理が行われている。
【0037】
運転支援装置10は、処理の開始から経過した時間である走行継続時間tについて、t=0の運転開始から休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0以上経過しているか否かの判断を開始する(ステップS202)。すなわち、通知制御部60は、ステップS201の時点からt≧t0を満たした時間が経過したか否かを判断する。具体的には、まず、走行情報取得部50が、車両に搭載されるナビゲーション装置90から車両の走行情報を取得して、車両が連続的な走行を継続している走行継続時間tを算出する。または、走行情報取得部50が、ナビゲーション装置90から車両が連続的な走行を継続している走行継続時間tを取得する。次に、通知制御部60が、走行情報取得部50から取得した走行継続時間tについて、t≧t0を満たしているか否かを判断する。なお、運転開始から休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0は、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。ステップS202において、t≧t0を満たしたと判断された場合(ステップS202;Yes)、運転支援装置10は、ステップS208へ移行する。ステップS202において、t≧t0を満たしていない、つまりt<t0であると判断された場合(ステップS202;No)、運転支援装置10は、ステップS203へ移行する。
【0038】
ステップS203においては、運転支援装置10は、運転者の覚醒度が低いか否かを判断する。具体的には、
図2のステップS102で開始した判断部40による判断結果に基づいて、運転者の覚醒度が低いか否かを判断する。運転者の覚醒度が低いと判断された場合(ステップS203;Yes)、運転支援装置10は、ステップS208へ移行する。運転者の覚醒度が低いと判断されない場合(ステップS203;No)、運転支援装置10は、ステップS204へ移行する。
【0039】
運転支援装置10は、走行継続時間tについて、運転開始から休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0より早めた所定の時間t-2(t-2<t0)以上経過しているか否かを判断する(ステップS204)。すなわち、通知制御部60は、t≧t-2を満たしているか否かを判断する。具体的には、通知制御部60が、ステップS202において取得した走行継続時間tについて、t≧t-2を満たしているか否かを判断する。なお、休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0より早めた所定の時間t-2は、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。t≧t-2を満たしていると判断された場合(ステップS204;Yes)、運転支援装置10は、ステップS205へ移行する。t≧t-2を満たしていると判断されない場合、つまりt<t-2であると判断された場合(ステップS204;No)、運転支援装置10は、ステップS209へ移行する。
【0040】
運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間T
maxが、所定の時間T
2以上か否かを判断する(ステップS205)。すなわち、通知制御部60は、T
max≧T
2を満たしているか否かを判断する。具体的には、通知制御部60が、まず、
図2に示すフローチャートの処理で随時更新される同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間T
maxの最新値を取得する。次に、通知制御部60が、取得したT
maxについて、T
max≧T
2を満たしているか否かを判断する。なお、所定の時間T
2は、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。T
max≧T
2を満たしていると判断された場合(ステップS205;Yes)、運転支援装置10は、ステップS208へ移行する。T
max≧T
2を満たしていると判断されない場合、つまりT
max<T
2であると判断された場合(ステップS205;No)、運転支援装置10は、ステップS206へ移行する。
【0041】
運転支援装置10は、走行継続時間tについて、運転開始から休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0より早めた所定の時間t-1(t-2<t-1<t0)以上経過しているか否かを判断する(ステップS206)。すなわち、通知制御部60は、t≧t-1を満たしているか否かを判断する。具体的には、通知制御部60が、ステップS204において取得した走行継続時間tについて、t≧t-1を満たしているか否かを判断する。なお、休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0より早めた所定の時間t-1は、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。t≧t-1を満たしていると判断された場合(ステップS206;Yes)、運転支援装置10は、ステップS207へ移行する。t≧t-1を満たしていると判断されない場合、つまりt<t-1であると判断された場合(ステップS206;No)、運転支援装置10は、ステップS209へ移行する。
【0042】
運転支援装置10は、同乗者の覚醒度が低い時間Tが最も継続した時間Tmaxが、所定の時間T1(T1<T2)以上か否かを判断する(ステップS207)。すなわち、通知制御部60は、Tmax≧T1を満たしているか否かを判断する。具体的には、通知制御部60が、ステップS205で取得したTmaxについて、Tmax≧T1を満たしているか否かを判断する。なお、所定の時間T1は、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。Tmax≧T1を満たしていると判断された場合(ステップS207;Yes)、運転支援装置10は、ステップS208へ移行する。Tmax≧T1を満たしていると判断されない場合、つまりTmax<T1であると判断された場合(ステップS207;No)、運転支援装置10は、ステップS209へ移行する。
【0043】
運転支援装置10は、走行継続時間tがデフォルト値の時間t0以上経過している場合(ステップS202;Yes)、運転者の覚醒度が低い場合(ステップS203;Yes)、または所定の時間T2、T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に基づいて早めた休憩促進通知までの所定の時間t-2、t-1以上経過している場合(ステップS205;Yes、ステップS207;Yes)、休憩促進を通知する(ステップS208)。具体的には、通知制御部60が、運転者に休憩促進の通知を示す休憩促進通知を含む通知情報を、通知部16に通知させるよう制御する。運転支援装置10は、ステップS209へ移行する。
【0044】
運転支援装置10は、運転支援処理を終了するか否かを判断する(ステップS209)。運転支援装置10は、例えば、所定の終了操作を受け付ける、ナビゲーション装置90に設定された目的地に到着する、休憩のために車両が駐車状態になること等によって、運転支援処理を終了する。運転支援処理を終了する場合(ステップS209;Yes)、運転支援装置10は、
図3に示すフローチャートの処理を終了する。運転支援処理を終了しない場合(ステップS209;No)、運転支援装置10は、ステップS202へ戻り、ステップS209でYesと判断されるまで、ステップS202からステップS209までの処理を所定の周期毎に繰り返し実行する。
【0045】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る運転支援装置10について説明する。第2実施形態に係る運転支援装置10の構成は、第1実施形態に係る運転支援装置10と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
第2実施形態に係る運転支援装置10は、車両の運転者の覚醒度が低下していない状態で、車両の同乗者のうち覚醒度が低い時間が長い乗員の割合に基づいて、運転者に対する休憩促進の通知タイミングを早めて運転者に休憩促進通知を行うことが、第1実施形態と異なる。
【0047】
【0048】
【0049】
表1は、時間T2以上覚醒度が低い同乗者の割合に対する、通知制御部60が休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taの設定の一例を示す表である。表2は、時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に対する、通知制御部60が休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taの設定の一例を示す表である。表1および表2において、時間taは、運転開始から休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0に対して休憩促進通知を早める時間を示す。
【0050】
表1に示すように、通知制御部60は、第2実施形態において、時間T2以上覚醒度が低い同乗者の割合が100%である場合、連続的な走行が80分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。通知制御部60は、第2実施形態において、時間T2以上覚醒度が低くない同乗者が1人である場合、連続的な走行が100分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。通知制御部60は、第2実施形態において、覚醒度が低くない同乗者が2人以上である場合、連続的な走行がデフォルト値の120分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。
【0051】
表2に示すように、通知制御部60は、第2実施形態において、時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合が100%である場合、連続的な走行が100分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。通知制御部60は、第2実施形態において、時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合が50%を超え100未満である場合、連続的な走行が110分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。通知制御部60は、第2実施形態において、時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合が50%以下である場合、連続的な走行がデフォルト値の120分継続したタイミングで、運転者に休憩促進通知を行う。
【0052】
[装置による処理]
図4を用いて、第2実施形態に係る運転支援装置10における処理の流れについて説明する。第2実施形態は、同乗者が2人以上である場合の運転支援処理の例である。
図4は、第2実施形態に係る運転支援装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示す処理は、運転支援装置10が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。なお、
図4に示す処理と平行して、
図2に示すような処理によって、各々の同乗者の覚醒度が低い時間Tが測定されているものとする。
図4におけるステップS301からステップS304までの処理、およびステップS312からステップS313までの処理は、
図3におけるステップS201からステップS204までの処理、およびステップS208からステップS209までの処理と同一であるため、説明を省略する。
【0053】
運転支援装置10は、ステップS304において、t≧t-2を満たしていると判断された場合(ステップS304;Yes)、ステップS305へ移行する。t≧t-2を満たしていると判断されない場合、つまりt<t-2であると判断された場合(ステップS304;No)、運転支援装置10は、ステップS313へ移行する。
【0054】
運転支援装置10は、覚醒度が低い時間がT
2以上の同乗者の割合を取得する(ステップS305)。具体的には、
図2のステップS102で開始した判断部40による判断結果に基づいて、まず、時間T
2以上覚醒度が低い同乗者の人数を取得すし、判断部40が、乗員検出部32が検出した同乗者の総人数に対する、時間T
2以上覚醒度が低い同乗者の割合を算出する。運転支援装置10は、ステップS306へ移行する。
【0055】
運転支援装置10は、時間T2以上覚醒度の低い同乗者の割合に基づいて、休憩促進通知までの走行継続時間t0-taを取得する(ステップS306)。具体的には、まず、通知制御部60が、予め設定された時間T2以上覚醒度が低い同乗者の割合に対する、通知制御部60が休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taの対応データ(例えば、表1に示す)を参照する。次に、通知制御部60が、ステップS305で算出した時間T2以上覚醒度が低い同乗者の割合に対応する休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taを取得する。なお、時間T2以上覚醒度が低い同乗者の割合に対する通知制御部60が休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taの対応データは、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。運転支援装置10は、ステップS307へ移行する。
【0056】
運転支援装置10は、走行継続時間tについて、運転開始から休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-ta以上経過しているか否かを判断する(ステップS307)。すなわち、通知制御部60は、t≧t0-taを満たしているか否かを判断する。走行継続時間t0-taは、時間T2以上覚醒度が低い同乗者の割合に基づいて、デフォルト値より早めた休憩促進通知を行うまでの時間である。具体的には、通知制御部60が、ステップS302において取得した走行継続時間tについて、t≧t0-taを満たしているか否かを判断する。t≧t0-taを満たしていると判断されたである場合(ステップS307;Yes)、運転支援装置10は、ステップS312へ移行する。t≧t0-taを満たしていると判断されない場合、つまりt<t0-taであると判断された場合(ステップS307;No)、運転支援装置10は、ステップS308へ移行する。
【0057】
運転支援装置10は、走行継続時間tについて、運転開始から休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0より早めた所定の時間t-1(t-2<t-1<t0)以上経過しているか否かを判断する(ステップS308)。すなわち、通知制御部60は、t≧t-1を満たしているか否かを判断する。具体的には、通知制御部60が、ステップS302において取得した走行継続時間tについて、t≧t-1を満たしているか否かを判断する。なお、休憩促進通知を行うまでのデフォルト値の時間t0より早めた所定の時間t-1は、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。t≧t-1を満たしていると判断された場合(ステップS308;Yes)、運転支援装置10は、ステップS309へ移行する。t≧t-1を満たしていると判断されない場合、つまりt<t-1であると判断された場合(ステップS308;No)、運転支援装置10は、ステップS313へ移行する。
【0058】
運転支援装置10は、覚醒度が低い時間が時間T
1以上の同乗者の割合を取得する(ステップS309)。具体的には、
図2のステップS102で開始した判断部40による判断結果に基づいて、まず、時間T
1以上覚醒度が低い同乗者の人数を取得し、判断部40が、乗員検出部32が検出した同乗者の総人数に対する、時間T
1以上覚醒度が低い同乗者の割合を算出する。運転支援装置10は、ステップS310へ移行する。
【0059】
運転支援装置10は、時間T1以上覚醒度の低い同乗者の割合に基づいて、休憩促進通知までの走行継続時間t0-taを取得する(ステップS310)。具体的には、まず、通知制御部60が、予め設定された時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に対する、通知制御部60が休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taの対応データ(例えば、表2に示す)を参照する。次に、通知制御部60が、ステップS309で算出した時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に対応する休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taを取得する。なお、時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に対する通知制御部60が休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-taの対応データは、予め運転支援制御装置20の記憶装置に設定されているものとする。運転支援装置10は、ステップS311へ移行する。
【0060】
運転支援装置10は、走行継続時間tについて、運転開始から休憩促進通知を行うまでの連続的な走行継続時間t0-ta以上経過しているか否かを判断する(ステップS311)。すなわち、通知制御部60は、t≧t0-taを満たしているか否かを判断する。走行継続時間t0-taは、時間T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に基づいて、デフォルト値より早めた休憩促進通知を行うまでの時間である。具体的には、通知制御部60が、ステップS302において取得した走行継続時間tについて、t≧t0-taを満たしているか否かを判断する。t≧t0-taを満たしていると判断された場合(ステップS311;Yes)、運転支援装置10は、ステップS312へ移行する。t≧t0-taを満たしていると判断されない場合、つまりt<t0-taであると判断された場合(ステップS311;No)、運転支援装置10は、ステップS313へ移行する。
【0061】
運転支援装置10は、走行継続時間tがデフォルト値の時間t0以上経過している場合(ステップS302;Yes)、運転者の覚醒度が低い場合(ステップS303;Yes)、または所定の時間T2、T1以上覚醒度が低い同乗者の割合に基づいて早めた休憩促進通知までの走行継続時間t0-ta以上経過している場合(ステップS307;Yes、ステップS311;Yes)、休憩促進を通知する(ステップS312)。
【0062】
運転支援装置10は、運転支援処理を終了するか否かを判断する(ステップS313)。運転支援処理を終了しない場合(ステップS313;No)、運転支援装置10は、ステップS302へ戻り、ステップS313でYesと判断されるまで、ステップS302からステップS312までの処理を所定の周期毎に繰り返し実行する。
【0063】
以上説明したように、実施形態の運転支援装置10は、車両の乗員の覚醒状態を判断し、運転者以外の乗員の覚醒度が低い状態となっている時間に基づいて、連続的な走行継続時間に基づく運転者に対する休憩促進の通知タイミングを変更して、運転者に休憩促進通知を行う。運転者の眠気に対して、運転開始から休憩が必要とされるまでの連続的な走行継続時間は、同乗者の覚醒度が低い状態となっている時間によっても変動する。すなわち、同乗者の覚醒度が低い時間が長いほど、運転者の眠気の蓄積が加速する場合がある。本発明のように、同乗者の覚醒度が低い状態となっている時間に基づいて、運転者に対する休憩促進の通知タイミングを変更することによって、車両の運転者に適切に休憩を促すことができる。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第2実施形態において、所定の時間T2、T1以上覚醒度が低い同乗者の割合を算出する際に、助手席に着座する同乗者と後部座席に着座する同乗者とで異なる重み付け係数を設定してもよい。さらに、乗員検出部32によって乗員の大まかな年齢を判別できる場合は、大人と子供とで異なる重み付け係数を設定してもよい。
【0065】
また、図示した運転支援装置10の構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、運転支援装置の具体的形態は、図示のものに限られず、運転支援装置の処理負担や使用状況等に応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0066】
運転支援装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラム等によって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【符号の説明】
【0067】
10 運転支援装置
11 撮像部
12 辞書記憶部
16 通知部
20 運転支援制御装置
30 乗員情報取得部
31 映像取得部
32 乗員検出部
40 判断部
50 走行情報取得部
60 通知制御部
90 ナビゲーション装置