(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】シート装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/56 20060101AFI20240501BHJP
A47C 7/74 20060101ALI20240501BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240501BHJP
【FI】
B60N2/56
A47C7/74 Z
B60N2/90
(21)【出願番号】P 2020175162
(22)【出願日】2020-10-19
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 柊太
(72)【発明者】
【氏名】平子 佳史
(72)【発明者】
【氏名】天野 直哉
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 優也
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-538196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
A47C 7/00-7/74
A47C 27/00-27/22;31/00-31/12
B60H 1/00-3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心送風機を複数備えるシート装置であって、
複数の前記遠心送風機が並んで取り付けられる送風機取付部と、隣り合う前記遠心送風機の遠心方向に開口する吸気或いは排気用の各開口部の間を仕切る仕切り部材と、を有
し、
前記送風機取付部が、シートフレームを構成する支持部に着座面側から対向するようにシート幅方向に延びて複数の前記遠心送風機が取り付けられる天板部位と、該天板部位のシート幅方向の両縁部からシート裏側に延出して該天板部位と前記支持部との間に複数の前記遠心送風機を配置可能な空間を形成するように前記支持部に取り付けられる脚部位と、を有するブラケットとされ、
前記仕切り部材が、前記天板部位に着座面側から掛けられる荷重を前記支持部に伝達可能となるように前記天板部位と前記支持部との双方に当接して前記各開口部の間を仕切るシート装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート装置であって、
前記各開口部が、前記仕切り部材を挟んで互いに対向するシート装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート装置であって、
前記仕切り部材が、前記天板部位に溶接されて前記支持部に直接的或いは間接的に当接するように設けられるシート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート装置に関する。詳しくは、遠心送風機を複数備えるシート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートクッションの下部に2つの遠心送風機が並んで設けられるシート装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102011122124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つの遠心送風機間の距離が近すぎると、各々から吹き出される風同士が衝突し、送風性能が低下するおそれがある。そこで、本発明は、複数の遠心送風機同士を近くに配置しても送風性能を低下させにくいシート装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のシート装置は次の手段をとる。
【0006】
すなわち、本発明のシート装置は、遠心送風機を複数備えるシート装置である。このシート装置は、複数の遠心送風機が並んで取り付けられる送風機取付部と、隣り合う遠心送風機の遠心方向に開口する吸気或いは排気用の各開口部の間を仕切る仕切り部材と、を有する。
【0007】
ここで、「送風機取付部」としては、シートフレームの他、シートパッドの裏面材や、シートパッドを裏側から支持するコンタマット等の構成が挙げられる。また、「仕切り部材」としては、各開口部の間を仕切ることで各開口部から吹き出される風、或いは吸い込まれる風同士の干渉を抑制可能な板材や布材等の部材が挙げられる。
【0008】
上記構成によれば、仕切り部材により、隣り合う遠心送風機の遠心方向に開口する各開口部から吹き出される風、或いは吸い込まれる風同士の干渉が抑制される。したがって、複数の遠心送風機同士を近くに配置しても送風性能を低下させにくくすることができる。
【0009】
また、本発明のシート装置は、更に次のように構成されていても良い。各開口部が、仕切り部材を挟んで互いに対向する。
【0010】
上記構成によれば、隣り合う遠心送風機が互いの風が干渉しやすい向きに配置されていても、仕切り部材によって風同士の干渉を適切に抑制することができる。
【0011】
また、本発明のシート装置は、更に次のように構成されていても良い。送風機取付部が、シートフレームに取り付けられ、かつ、シートフレームを構成する支持部に着座面側から対向する天板部位に複数の遠心送風機が取り付けられるブラケットとされる。仕切り部材が、天板部位と支持部との双方に当接して各開口部の間を仕切る。
【0012】
上記構成によれば、仕切り部材により、隣り合う遠心送風機の各開口部の間をより適切に仕切ることができる。また、仕切り部材により、天板部位に外部から掛けられる荷重をシートフレームの支持部に伝達して適切に荷重分散させることができる。
【0013】
また、本発明のシート装置は、更に次のように構成されていても良い。仕切り部材が、天板部位に溶接されて支持部に直接的或いは間接的に当接するように設けられる。
【0014】
ここで、仕切り部材が支持部に間接的に当接する例としては、フェルト等の緩衝部材を介して当接する場合が挙げられる。上記構成によれば、仕切り部材を遠心送風機が隣り合う狭い隙間内に適切に位置固定した状態にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態に係るシート装置の概略構成を表す斜視図である。
【
図6】隣り合う遠心送風機の吹出口から風が吹き出される様子を表す模式図である。
【
図7】遠心送風機及び仕切り部材をブラケットに組み付けた状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
《第1の実施形態》
(シート装置1の概略構成について)
始めに、本発明の第1の実施形態に係るシート装置1の構成について、
図1~
図7を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、後述するシート装置1の左右方向を指すものとする。また、以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に符号がない場合には、
図1~
図7のいずれかの図を適宜参照するものとする。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るシート装置1は、自動車のリヤシートとして構成されている。詳しくは、シート装置1は、左右に3人掛け可能なベンチシートとして構成されている。上記シート装置1は、着座者の背凭れ部を成すシートバック2と、着座部を成すシートクッション3と、頭凭れ部となる不図示のヘッドレストと、を備える。
【0019】
シートクッション3は、その内部の骨組みを構成する金属製のクッションフレーム10を有する。また、シートクッション3は、上記クッションフレーム10の上部に組み付けられて、着座者の荷重を弾性的に支持する発泡ウレタン製のクッションパッド3Pを有する。
【0020】
また、シートクッション3は、クッションパッド3Pの表面全体に被せられてシートクッション3の外観面を構成するファブリック製のクッションカバー3Cを有する。ここで、クッションフレーム10が、本発明の「シートフレーム」に相当する。
【0021】
図2~
図7に示すように、上記クッションフレーム10の中央席部分の前部にあたるシート幅方向の中央前部には、シートクッション3の着座面より空気を吸い込んで下方へと排出する左右一対の矩形板型の遠心送風機20が組み付けられている。各遠心送風機20は、
図2~
図4に示すように、それらの上向きに開口する各吸込口21にそれぞれダクトDが接続された構成とされる。
【0022】
各ダクトDは、各吸込口21との接続箇所から左右に分かれて延出し、クッションパッド3Pの左右の裏面部に形成された厚さ方向に貫通する不図示の通風孔とそれぞれ接続されている。上記接続により、各遠心送風機20は、各ダクトDを介してシートクッション3の左右の着座面からそれぞれ空気を吸い込む。そして、各遠心送風機20は、
図6に示すように、上記吸い込んだ空気を、それらの四方の周囲側面に形成された長孔状の各吹出口22から遠心方向に排出する。
【0023】
また、
図5に示すように、クッションフレーム10の左右の遠心送風機20の間には、各遠心送風機20の吹出口22の間に立壁状の仕切りを形成する板状の仕切り部材30が組み付けられている。上記仕切り部材30により、
図6に示すように、左右に隣り合う遠心送風機20の各吹出口22より吹き出される風同士の干渉が抑制される。
【0024】
そのため、各遠心送風機20が互いに左右に接近した配置とされていても、これらから吹き出される風同士がぶつからないように整流され、それぞれの送風機能が低下しにくくなる。ここで、各遠心送風機20の互いに対向する向きに開口する各吹出口22が、本発明の「開口部」に相当する。
【0025】
(各部の具体的な構成について)
以下、上記各部の具体的な構成について詳しく説明する。
図1に示すように、クッションフレーム10は、シートクッション3の周囲側面に沿った平面視枠状の骨組みを形成するパイプフレーム11を有する。また、クッションフレーム10は、上記パイプフレーム11の左右の側枠間に一体的に架け渡されてパイプフレーム11を補強する補強パイプ12を有する。
【0026】
また、クッションフレーム10は、パイプフレーム11の前枠と後枠との間に一体的に架け渡される左右一対のパネル状のクッションパン13を有する。各クッションパン13は、クッションフレーム10の上部に組み付けられるクッションパッド3Pの右席部分と左席部分とをそれぞれ下方から面状に支持する。また、クッションフレーム10は、パイプフレーム11の前枠の左右4箇所を不図示のフロアに対して下方から支持する4本のレッグ14を有する。
【0027】
また、クッションフレーム10は、不図示のフロア上に配置されるバッテリ(ハイブリッド車用のバッテリ)を上方から保護する前後方向に長尺なパネル状の保護フレーム15を有する。上記保護フレーム15は、不図示のフロア上に結合されると共に、パイプフレーム11の前枠と後枠とのシート幅方向の中央部間にも一体的に架け渡されてパイプフレーム11を補強している。ここで、保護フレーム15が、本発明の「支持部」に相当する。
【0028】
また、
図3に示すように、クッションフレーム10は、上記左右のクッションパン13のシート幅方向の内側の縁部間に架け渡されるブラケット16を有する。ブラケット16は、各遠心送風機20が下方から取り付けられる平板状の天板部位16Aを備える。また、ブラケット16は、上記天板部位16Aの左右の各縁部から下方に延出して、各クッションパン13上に当接して溶接される脚部位16Bを有する。ここで、ブラケット16が、本発明の「送風機取付部」に相当する。
【0029】
各脚部位16Bにより、ブラケット16は、その天板部位16Aが各クッションパン13上から底上げされた状態に取り付けられている。それにより、ブラケット16は、その天板部位16Aが、各クッションパン13の間を前後方向に延びる保護フレーム15から上方に離間した位置に配置される。それに伴い、ブラケット16の天板部位16Aに取り付けられる各遠心送風機20も、左右のクッションパン13及び保護フレーム15から上方に離間した位置に配置される。
【0030】
上記ブラケット16の天板部位16Aには、その下面部に左右一対の遠心送風機20が一体的に取り付けられる。この取り付けにより、各遠心送風機20は、それらの上向きに開口する吸込口21が、ブラケット16の天板部位16Aに空けられた対応する丸孔状の各接続口16Cにそれぞれ連通した状態にセットされる。
【0031】
また、クッションフレーム10は、上記ブラケット16の天板部位16A上に重ね合わせ状にセットされる平板状の補強パネル17を有する。上記補強パネル17は、
図2~
図4に示すように、ブラケット16の天板部位16A上に重ね合わせ状にセットされて、その左右の縁部が不図示のビスにより天板部位16Aに一体的に締結されている。
【0032】
また、補強パネル17は、その左右の縁部が、クッションフレーム10に一体的に接合された不図示のワイヤフレーム上に当接して溶接されている。上記組み付けにより、補強パネル17は、その左右2箇所に空けられた丸孔状の接続口17Aが、ブラケット16の天板部位16Aに形成された対応する各接続口16Cに重ね合わされて連通した状態にセットされる。そして、上記重ね合わされた各接続口17A,16Cに上方から各ダクトDの接続口が挿入されて、各遠心送風機20の吸込口21と接続される。
【0033】
図5~
図7に示すように、仕切り部材30は、シート幅方向に面を向ける平板状の立板部31を有する。また、仕切り部材30は、
図5及び
図7に示すように、その上縁部に水平方向に直角に折り曲げられてブラケット16の天板部位16Aの下面部に当接して溶接される第1座部32を有する。
【0034】
また、仕切り部材30は、その下縁部に水平方向に直角に折り曲げられて保護フレーム15の上面部にフェルトFを介して当接する第2座部33を有する。上記により、仕切り部材30は、ブラケット16の天板部位16Aの下面部と保護フレーム15の上面部との間にこれらの間のつっかいを成すように双方に接触した状態に立設される。
【0035】
上記組み付けにより、仕切り部材30は、左右の遠心送風機20の互いに向かって開口する内側の各吹出口22の間に、前後方向の広い範囲に亘ってこれらの間を仕切る立壁状の仕切りを形成する。詳しくは、上記仕切り部材30は、
図5に示すように、その仕切り部となる立板部31が、各遠心送風機20の互いに対向する各吹出口22の間を、各吹出口22よりも前方に張り出す位置から後方に張り出す位置までの広い範囲に亘って、各吹出口22の間を仕切る構成とされる。
【0036】
上記立板部31は、
図7に示すように、その前後方向の中間部が、高さ方向の全域に亘って、左右に波打ち状に折り曲げられた形状とされる曲げ部位31Aを有する構成とされる。上記曲げ部位31Aにより、立板部31は、曲げや捩りに対する剛性が高められた構成とされる。
【0037】
上記仕切り部材30がブラケット16の天板部位16Aの下面部と保護フレーム15の上面部との間に双方に接触して設けられることで、各遠心送風機20の内側の吹出口22から吹き出される風の仕切りが高さ方向の全域に亘って適切に行われる。また、補強パネル17及びブラケット16に着座者の膝突き等による上方からの荷重が掛けられも、仕切り部材30がつっかい棒となってブラケット16に掛けられる荷重を保護フレーム15に適切に伝達して荷重分散する。
【0038】
したがって、上記荷重入力に伴うブラケット16の下方への撓みを適切に抑制して、各遠心送風機20が各クッションパン13或いは保護フレーム15に接触することを適切に防止することができる。その際、仕切り部材30は、フェルトFを介して保護フレーム15に間接的に当接することから、金属同士の接触による異音を発生させることなく保護フレーム15と当接する。
【0039】
上記仕切り部材30は、
図7に示すように、その上縁側の第1座部32がブラケット16の天板部位16Aに溶接されてブラケット16側に取り付けられる構成とされる。したがって、仕切り部材30を、各遠心送風機20が隣り合う狭い隙間内であっても、振動により各遠心送風機20と接触するようなガタつきを生じることがないように、ブラケット16に対して適切に位置固定した状態にセットすることができる。
【0040】
(まとめ)
以上をまとめると、本実施形態に係るシート装置1は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0041】
すなわち、シート装置(1)は、遠心送風機(20)を複数備えるシート装置(1)である。このシート装置(1)は、複数の遠心送風機(20)が並んで取り付けられる送風機取付部(16)と、隣り合う遠心送風機(20)の遠心方向に開口する吸気或いは排気用の各開口部(22)の間を仕切る仕切り部材(30)と、を有する。
【0042】
上記構成によれば、仕切り部材(30)により、隣り合う遠心送風機(20)の遠心方向に開口する各開口部(22)から吹き出される風、或いは吸い込まれる風同士の干渉が抑制される。したがって、複数の遠心送風機(20)同士を近くに配置しても送風性能を低下させにくくすることができる。
【0043】
また、各開口部(22)が、仕切り部材(30)を挟んで互いに対向する。上記構成によれば、隣り合う遠心送風機(20)が互いの風が干渉しやすい向きに配置されていても、仕切り部材(30)によって風同士の干渉を適切に抑制することができる。
【0044】
また、送風機取付部(16)が、シートフレーム(10)に取り付けられ、かつ、シートフレーム(10)を構成する支持部(15)に着座面側から対向する天板部位(16A)に複数の遠心送風機(20)が取り付けられるブラケット(16)とされる。仕切り部材(30)が、天板部位(16A)と支持部(15)との双方に当接して各開口部(22)の間を仕切る。
【0045】
上記構成によれば、仕切り部材(30)により、隣り合う遠心送風機(20)の各開口部(22)の間をより適切に仕切ることができる。また、仕切り部材(30)により、天板部位16Aに外部から掛けられる荷重をシートフレーム(10)の支持部(15)に伝達して適切に荷重分散させることができる。
【0046】
また、仕切り部材(30)が、天板部位(16A)に溶接されて支持部(15)に間接的に当接するように設けられる。上記構成によれば、仕切り部材(30)を遠心送風機(20)が隣り合う狭い隙間内に適切に位置固定した状態にセットすることができる。
【0047】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
【0048】
1.本発明のシート装置は、自動車のシートの他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の車両以外の乗物用にも適用可能なものである。また、シート装置は、乗物の他、スポーツ施設や劇場、映画館、パチンコ店やゲームセンタ等のアミューズメント施設、コンサート会場、イベント会場等の各種施設用や、マッサージシート等の乗物以外の用途にも適用可能なものである。また、シート装置は、3人掛け可能なベンチシートの他、1人掛けシートであっても良い。
【0049】
2.送風機取付部は、シートクッションの他、シートバックに設けられるものであっても良い。また、送風機取付部は、シートフレームに取り付けられるブラケットから成るものの他、シートパッドの裏面材や、シートパッドを裏側から支えるコンタマット或いは布バネ等の弾性支持部材から成るものであっても良い。
【0050】
3.仕切り部材は、送風機取付部がシートパッドの裏面材や弾性支持部材から成る場合には、この裏面材や弾性支持部材に取り付けられる構成であっても良い。また、仕切り部材は、必ずしも送風機取付部に取り付けられるものでなくても良く、保護フレーム(支持部)等の送風機取付部と対向する別の部材に取り付けられるものであっても良い。仕切り部材は、金属板の他、樹脂板や布帛材から成るものであっても良い。
【0051】
また、仕切り部材は、送風機取付部に対して隙間を有する状態に取り付けられる構成であっても良い。また、仕切り部材は、支持部に対して、上記実施形態で示したように、フェルト等の緩衝部材を介して間接的に当接するものの他、直接的に当接するものであっても良い。また、仕切り部材は、支持部に溶接されて送風機取付部に直接的或いはフェルト等の緩衝部材を介して間接的に当接するように設けられるものであっても良い。
【0052】
また、仕切り部材は、送風機取付部及び/又は支持部に対して、ビスやスナップフィット嵌合等の溶接以外の結合手段によって結合されるものであっても良い。また、仕切り部材は、隣り合う遠心送風機の吸気或いは排気用の各開口部同士が互いに平行向きにしか開口しない構成である場合でも、各開口部の間に設けられて間仕切りする構成となっていても良い。そのような場合であっても、各開口部から吸い込まれる或いは吹き出される風同士の干渉を仕切り部材によって適切に抑制することができる。
【0053】
4.遠心送風機は、3個以上から成る構成であっても良い。遠心送風機の並び方向は、シート幅方向の他、シートクッションにおける前後方向、或いはシートバックにおける高さ方向であっても良い。遠心送風機は、吸気口が遠心方向に開口し、仕切り部材が隣り合う遠心送風機の吸気口(本発明の「開口部」に相当。)の間を仕切る構成であっても良い。このような構成であっても、各遠心送風機の吸気口に吸い込まれる風同士の干渉を仕切り部材によって抑制することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 シート装置
2 シートバック
3 シートクッション
3P クッションパッド
3C クッションカバー
10 クッションフレーム(シートフレーム)
11 パイプフレーム
12 補強パイプ
13 クッションパン
14 レッグ
15 保護フレーム(支持部)
16 ブラケット(送風機取付部)
16A 天板部位
16B 脚部位
16C 接続口
17 補強パネル
17A 接続口
20 遠心送風機
21 吸込口
22 吹出口(開口部)
30 仕切り部材
31 立板部
31A 曲げ部位
32 第1座部
33 第2座部
D ダクト
F フェルト