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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
B42F7/00 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020179291
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070292
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】大野 博
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴夫
(72)【発明者】
【氏名】後藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】伴 和典
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-140767(JP,U)
【文献】特開2011-207199(JP,A)
【文献】登録実用新案第3095104(JP,U)
【文献】実開平6-27172(JP,U)
【文献】実開昭49-43015(JP,U)
【文献】実開昭50-46213(JP,U)
【文献】特開2020-185273(JP,A)
【文献】米国特許第5741028(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0020974(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0289611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 7/00-9/00
A47B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を保持する保持部を備えるベースと、
前記ベースの裏面側に取り付けられるとともにベースの表面側に回り込むように折り畳まれる表紙部材とを具備し、
前記表紙部材における前記ベースの裏面側に取り付けられていない部位を屈折させ、その一部分を当該表紙部材とベースとの間に差し入れてベースの裏面に当接させることで、ベースを起立した姿勢に支えることができるファイル。
【請求項2】
前記表紙部材が、前記ベースの裏面側に取り付けられる裏表紙と、ベースの表面側と重なり合う表表紙とを有しており、
前記裏表紙の少なくとも一部分を前記ベースの裏面から離反させ、かつ前記表表紙の少なくとも一部分をベースの裏面に当接させるようにして、ベースを起立した姿勢に支えることができる請求項1記載のファイル。
【請求項3】
前記表表紙に、前記表紙部材を屈折させるときの折り目となるヒンジが設けられており、
前記ベースを起立した姿勢に支えるときに、前記ヒンジを介して屈折させた前記表表紙の一部分をベースの裏面に当接させ、残りの部分を接地面とする請求項2記載のファイル。
【請求項4】
前記ベースを起立した姿勢に支えるときに、前記表紙部材におけるベースの裏面に当接する一部分に、弾性によりベースを表面側に向けて押圧するような復元力が作用する請求項1、2または3記載のファイル。
【請求項5】
前記ベースが弾性変形可能な樹脂板である請求項1、2、3または4記載のファイル。
【請求項6】
前記ベースを起立した姿勢に支えるときに、前記表紙部材におけるベースの裏面側に取り付けられている箇所が、起立した姿勢のベースの上下方向の中間よりも上方に偏倚しており、
前記表紙部材における前記ベースの裏面に当接する一部分の先端が、起立した姿勢のベースの上下方向の中間よりも上方に差し入る請求項1、2、3、4または5記載のファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類その他の紙葉類を保持するファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
一枚ないし複数枚の紙葉類を収納し保持して携行、運搬するための手段として、下記非特許文献1に開示されているような、いわゆるクリヤーブック、ポケットファイル、クリヤーホルダー、フォルダー等が公知である(例えば、下記非特許文献1を参照)。
【0003】
また、下記特許文献1には、簡易な書見台として使用することのできるフォルダーが開示されている。フォルダーの裏表紙の内面には、紙葉類を支持し得るベース(書見台2)を取り付けている。並びに、フォルダーの表表紙の内面に、ベースの下端部(凸面ファスナ5)を固定するための固定手段(凹面ファスナ6)を設けてある。そして、フォルダーを展開後、その裏表紙及びベースを起立させ、ベースの下端部を表表紙の内面に固定することにより、書見台を構成することができる。
【0004】
上掲の書見台では、表表紙の全体を土台即ち接地面として、ベースを起立した姿勢に支えている。つまり、書見台として使用するときに、デスク等の上で奥行(前後)方向に沿って大きなスペースを占有するきらいがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-207199号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】コクヨ総合カタログ2020年版ステーショナリー編,コクヨ株式会社,令和1年12月,p.148-170,229-237
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、簡易な書見台として使用可能であり、その際に奥行方向に沿って大きなスペースを占有しないようなファイルを提供することを所期の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、紙葉類を保持する保持部を備えるベースと、前記ベースの裏面側に取り付けられるとともにベースの表面側に回り込むように折り畳まれる表紙部材とを具備し、前記表紙部材における前記ベースの裏面側に取り付けられていない部位を屈折させ、その一部分を当該表紙部材とベースとの間に差し入れてベースの裏面に当接させることで、ベースを起立した姿勢に支えることができるファイルを構成した。
【0009】
より具体的には、前記表紙部材が、前記ベースの裏面側に取り付けられる裏表紙と、ベースの表面側と重なり合う表表紙とを有しており、前記裏表紙の少なくとも一部分を前記ベースの裏面から離反させ、かつ前記表表紙の少なくとも一部分をベースの裏面に当接させるようにして、ベースを起立した姿勢に支えることができるものとする。
【0010】
前記表表紙には、前記表紙部材を屈折させるときの折り目となるヒンジが設けられており、前記ベースを起立した姿勢に支えるときに、前記ヒンジを介して屈折させた前記表表紙の一部分をベースの裏面に当接させ、残りの部分を接地面とする。
【0011】
前記ベースを起立した姿勢に支えるときに、前記表紙部材におけるベースの裏面に当接する一部分に、弾性によりベースを表面側に向けて押圧するような復元力が作用するならば、当該一部分がベースの裏面に密着して容易に抜け出さず、ベースを安定して支え続けることができる。
【0012】
前記ベースは、例えば弾性変形可能な樹脂板である。
【0013】
前記ベースを起立した姿勢に支えるときに、前記表紙部材におけるベースの裏面側に取り付けられている箇所が、起立した姿勢のベースの上下方向の中間よりも上方に偏倚しており、前記表紙部材における前記ベースの裏面に当接する一部分の先端が、起立した姿勢のベースの上下方向の中間よりも上方に差し入るならば、起立したベースを支える構造がより一層安定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な書見台として使用可能であり、その際に奥行方向に沿って大きなスペースを占有しないようなファイルを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態のファイルを閉じて畳んだ状態を示す斜視図。
図2】同実施形態のファイルを開いた状態を示す斜視図。
図3】同実施形態のファイルのベースを起立させ簡易な書見台として使用する状態を示す斜視図。
図4】同実施形態のファイルのベース及びポケット部材を示す分解図。
図5】同実施形態のファイルの仕切部材を示す展開図。
図6】同実施形態のファイルを開いた状態を表紙部材の外面側から見た展開図。
図7】同実施形態のファイルを閉じて畳んだ状態を示す側断面図。
図8】同実施形態のファイルのベースを起立させ簡易な書見台として使用する状態を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図8に、本実施形態のファイルを示す。本実施形態のファイルは、一枚ないし複数枚の書類その他の紙葉類を収納し保持して携行、運搬するための手段として使用できる。さらには、図3及び図8に示しているように、紙葉類を立てた状態として閲読するための簡易な書見台としても使用することが可能である。
【0017】
本実施形態のファイルは、表表紙11、背表紙12及び裏表紙13が連接されてなる表紙部材1と、表紙部材1の裏表紙13の内面に取り付けられるベース(ベースシート、ベース板)2と、ベース2に設けられ紙葉類を保持するための保持部3、41、42とを具備する。表紙部材1は、ベース2を起立した立位姿勢に支える支持体としても機能する。
【0018】
表紙部材1は、例えば、これを折り畳んだ状態で表出する外面を布製生地15とし、内に隠蔽される内面を弾性変形可能な樹脂(PP(ポリプロピレン)等の熱可塑性樹脂)製の薄いシート16として、両者を縫着、溶着または接着等して接合し、かつ両者の間に芯材19として板紙(堅い厚手の紙。特に、黄板紙または古紙を原料として抄合わせたチップボール)を内挿して補強したものである。本実施形態では、布製生地15と樹脂製シート16とを縫合することとしている。図6に、その縫い目(ステッチ)17を示している。
【0019】
表表紙11と背表紙12との間、背表紙12と裏表紙13との間には、それぞれヒンジ14が設けられる。並びに、表表紙11の中間部位、裏表紙13の中間部位にも、ヒンジ14が設けられている。これらヒンジ14を形成するべく、表紙部材1の内面側の樹脂製シート16には、熱ヒンジ筋付機による筋(または、罫)を付けている。芯材19は、一枚板ではなく、ヒンジ14の箇所で分断されている。
【0020】
ベース2は、例えば、弾性変形可能な樹脂(PP等)製の板材である。ベース2の厚み及び剛性は、表紙部材1の内面側の樹脂製シート16や、後述するポケット部材3、仕切り部材4のそれよりも大きい。保持部及びこれに保持する紙葉類を保護するべく、ベース2の側端部の下方の隅角には、下方に張り出す保護部21が成形されている。ベース2は、その裏面が裏表紙13の内面に対向するように、表紙部材1に対して縫着、溶着または接着等により取り付けられる。本実施形態では、ベース2と表紙部材1とを縫合することとしている。その縫合箇所18は、図6ないし図8に示すように、裏表紙13の中間部位のヒンジ14に対応している。
【0021】
保持部3、41、42は、ベース2に取り付けられるポケット部材3及び仕切り部材4により構成され、ベース2と当該ポケット部材3との間に紙葉類を保持できるポケットである。ポケット部材3は、例えば、樹脂(PP等)製の薄いシートを素材とする。ポケット部材3は、ベース2の表面側に配され、ベース2の表面に対向している。図2図3図7及び図8に示すように、ポケット3は、その両外側の一方即ち右方及び下方が閉塞され、両外側の他方即ち左方及び上方が開放している。図4に示すように、ポケット部材3は、その右端縁から右方に張り出す接合片32、及びその下端縁から下方に張り出す接合片33を有している。そして、これら接合片32、33が、ベース2の裏面側に回り込み、ベース2の裏面に対して縫着、溶着または接着等により接合する。本実施形態では、ポケット部材3の接合片32、33をベース2に溶着することとしている。
【0022】
ポケット3の上端縁34は、閉塞している右方から開放している左方に向かうにつれて、徐々に下降するように傾斜している。また、ポケット3の左端縁35は、ベース2の左端縁よりも内方即ち右方に退避している。
【0023】
加えて、閉塞しているポケット3の右方に、襠31が形成されている。ポケット3内にある程度以上の枚数の紙葉類を差し入れて保持する際には、この襠31が拡開して、ベース2とポケット部材3との間隔が広がり、ポケット3の内容積が拡大する。襠31の下方の部位は、上方に凹むように切り欠かれている。この切欠36により、襠31の下端縁が、ポケット部材3と接合片33との間の折り目即ちポケット3自体の下端縁や、接合片32の下端縁よりも上方に退避している。切欠36は、ポケット3の局所に応力が集中しないように力を逃すためのものである。
【0024】
ベース2の表面とポケット3との間には、仕切り41、42が設けられる。仕切り41、42は、図5に示す仕切り部材4により構成される。仕切り部材4は、例えば、樹脂(PP等)製の薄いシートを素材とし、折り目に沿って二つ折りすることで重ね合わさる二枚の仕切り41、42となるものである。仕切り部材4の折り目は、各仕切り41、42の下端縁となる。この折り目の近傍の中央部には、凵字形の切り込みが入れられており、仕切り部材4を折り目に沿って折ったときに下方に突出する接合片43が形成される。この接合片43が、ポケット部材3に対して縫着、溶着または接着等により接合する。本実施形態では、仕切り部材4の接合片43をポケット部材3に溶着することとしている。
【0025】
二枚の仕切り41、42の各々の上端縁には、上方に突出するタブ411、421が形成されている。
【0026】
図1及び図7に示すように、本実施形態のファイルは、その表表紙11を裏表紙13に対向させるように、即ちベース2の表面側に回り込ませるように折り畳んで閉じることができる。この状態では、ベース2及び保持部であるポケット3や仕切り41、42、保持部3、41、42に保持させた紙葉類が、表紙部材1により被覆される。また、表紙部材1に設けられているフラップ10を用いて、表紙部材1を閉じた状態に維持することができる。フラップ10には予め磁石(または、磁石に吸着する金属板)101が埋設され、表表紙11におけるこのフラップ10と対面する箇所には予め金属板(または、磁石)113が埋設されており、それらを介してフラップ10は表表紙11に磁着される。
【0027】
図3及び図8に示すように、本実施形態のファイルは、保持部3、41、42を備えるベース2を起立した立位姿勢とし、保持部3、41、42に保持させた紙葉類を立てた状態で閲読する簡易な書見台としても使用することができる。本実施形態のファイルを書見台とするためには、ファイルの表紙部材1を展開し、かつ裏表紙13をヒンジ14を介して屈折させて、その一部分131をベース2の裏面から離反させる。裏表紙13の他の部分132は、縫い目17、18により縫合され結着していることから、ベース2から離反しない。
【0028】
その上で、背表紙12及び表表紙11をヒンジ14を介して屈折させ、表表紙11の一部分111を裏表紙13とベース2との間に差し入れて、ベース2の裏面に当接させる。表表紙11における、ベース2の裏面に当接しない他の部分112は、土台即ち接地面となる。
【0029】
ベース2を起立した立位姿勢に支えるとき、裏表紙13におけるベース2の裏面側に取り付けられている縫合箇所18は、起立したベース2の上下方向の中間6よりも上方に偏倚している。さらに、表表紙11におけるベース2の裏面に当接する一部分111の先端が、起立した姿勢のベース2の上下方向の中間6よりも上方に差し入る。この状態では、表紙部材1(特に、内面の樹脂製シート16)が発揮する、屈曲した状態から平板な状態に戻ろうとする弾性力、復元力により、表表紙11におけるベース2の裏面に当接する一部分111に、ベース2を表面側に向けて押圧するような復元力5が作用する。
【0030】
因みに、表表紙13におけるフラップ10と対面する箇所には予め金属板(または、磁石)133が埋設されており、それらを介してフラップ10は裏表紙13に磁着される。
【0031】
本実施形態では、紙葉類を保持する保持部3、41、42を備えるベース2と、前記ベース2の裏面側に取り付けられるとともにベース2の表面側に回り込むように折り畳まれる表紙部材1とを具備し、前記表紙部材1における前記ベース2の裏面側に取り付けられていない部位111、112、12、131を屈折させ、その一部分111を当該表紙部材1とベース2との間に差し入れてベース2の裏面に当接させることで、ベース2を起立した姿勢に支えることができるファイルを構成した。本実施形態によれば、簡易な書見台として使用可能であり、その際には表表紙11の全巾ではなく一部分112のみを接地面としてベース2を支えることができるので、デスク等の上で奥行方向に沿って大きなスペースを占有せずに済む。
【0032】
前記表紙部材1が、前記ベース2の裏面側に取り付けられる裏表紙13と、ベース2の表面側と重なり合う表表紙11とを有しており、前記裏表紙13の少なくとも一部分131を前記ベース2の裏面から離反させ、かつ前記表表紙11の少なくとも一部分111をベース2の裏面に当接させるようにして、ベース2を起立した姿勢に支えることができる。
【0033】
前記表表紙11に、前記表紙部材1を屈折させるときの折り目となるヒンジ14が設けられており、前記ベース2を起立した姿勢に支えるときには、前記ヒンジ14を介して屈折させた前記表表紙11の一部分111をベース2の裏面に当接させ、残りの部分112を接地面とする。
【0034】
前記ベース2を起立した姿勢に支えるときに、前記表紙部材1におけるベース2の裏面に当接する一部分111に、弾性によりベース2を表面側に向けて押圧するような復元力5が作用するので、当該部分111がベース2の裏面に密接し、容易に抜け出して倒伏することがなく、ベース2を安定して支え続けることができる。
【0035】
前記ベース2が、弾性変形可能な薄板体であるので、ベース2を起立させた姿勢とするときに、表表紙11の一部分111を裏表紙13とベース2との間に差し入れたり抜き出したりする操作がより簡便となる。加えて、PP板の特性上、弾性変形に対して反発力が生まれ、表表紙11の差し入れる一部分111と密着することになり、より抜けにくくなり、ひいては立位姿勢のベース2が倒れにくくなる。
【0036】
前記ベース2を起立した姿勢に支えるときに、前記表紙部材1におけるベース2の裏面側に取り付けられている箇所18が、起立した姿勢のベース2の上下方向の中間6よりも上方に偏倚しており、前記表紙部材1における前記ベース2の裏面に当接する一部分111の先端が、起立した姿勢のベース2の上下方向の中間6よりも上方に差し入ることから、表紙部材1(特に、表表紙11)の弾性復帰力によってベース2が仰向けに倒れるように回動し難くなり、起立したベース2を支える構造がより一層安定する。
【0037】
並びに、本実施形態では、立位姿勢で紙葉類を掲示可能なファイルであり、その姿勢における下方部位に、両外側の一方(右方)及び下方が閉塞され、両外側の他方(左方)及び上方に開放しているポケット3が設けられたファイルを構成した。
【0038】
より具体的には、紙葉類を保持する保持部3、41、42を備えるベース2と、前記ベース2を起立した姿勢に支えることができる支持体(表紙部材)1とを具備し、前記ベース2における当該ベース2を起立した姿勢としたときに表出する表面側に、前記保持部3、41、42として、起立した姿勢のベース2の両外側の一方(右方)及び下方が閉塞され、両外側の他方(左方)及び上方に開放しているポケット3が設けられている。
【0039】
本実施形態によれば、紙葉類を立てた状態で閲読する簡易な書見台として使用可能であり、その際に紙葉類を出し入れすることが容易な利便性の高いファイルを提供できる。また、ポケット3の他方側(左方)が開放していることにより、ポケット3からはみ出すような寸法の紙葉類であっても、当該ポケット3にこれを保持して掲示できるようになる。
【0040】
前記ベース2を起立した姿勢としたときの前記ポケット3の両外側の一方の端部には襠31が形成されており、ポケット3にある程度以上の枚数の紙葉類を保持させることが可能となる。
【0041】
前記ベース2を起立した姿勢としたときの前記ポケットの上端縁34が、両外側の一方から他方(左方)に向かうにつれて徐々に下降するように傾斜しているため、ポケット3に対して紙葉類をより出し入れしやすくなる。加えて、このような形状をなしていることにより、立位姿勢において、ポケット部材3の上端縁34と他方側の端縁35とが交わる隅角部分が自重で垂れ下がってこない。
【0042】
前記ベース2を起立した姿勢としたときの前記ポケット3の両外側の他方の端縁(左端縁)35が、当該ファイル(のベース2)の同じ側(左方)の端縁よりも内方(右方)に退避しているので、開放端であるポケット3の他方の端縁35が当該ファイル(のベース2)により保護されるようになり、痛みにくい。
【0043】
前記ポケット3の内、即ち前記ベース2の表面と前記ポケット3との間に仕切り41、42が設けられているので、ポケット3と仕切り41との間、複数の仕切り41、42の間、または仕切り42とベース2との間に紙葉類を分別して収納することが可能となる。
【0044】
前記ベース2を起立した姿勢としたときの前記仕切り41、42の上端縁に上方に突出するタブ411、421が形成されているので、タブ411、421に手指を掛けて仕切り41、42を繰ることができ、仕切り41、42の前後にある紙葉類の出し入れが容易になる。
【0045】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、ベース2に設けられるべき保持部は、本実施形態の如きポケット3や仕切り41、42には限定されず、紙葉類をベース2から脱落しないよう(特に、ベース2の表面側に)保持できるものであればよく、各種ファイルにおける綴じ具や用箋挟のクリップのようなものであっても構わない。
【0046】
また、前記ベース2を起立した姿勢としたときのポケット3の下端部に、襠が形成されていても構わない。
【0047】
その他、各部の具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…表紙部材、支持体
11、12、131…表紙部材におけるベースの裏面側に取り付けられていない部位
111…表紙部材(表表紙)の差し入れられる一部分
112…表紙部材(表表紙)の土台となる他の部分
14…ヒンジ
18…表紙部材におけるベースの裏面側に取り付けられている箇所
2…ベース
3…保持部(ポケット)
31…襠
34…上端縁
35…両外側の他方の端縁
41、42…保持部(仕切り)
411、421…タブ
5…復元力
6…上下方向の中間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8