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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】EGR装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/19 20160101AFI20240501BHJP
   F02M 26/44 20160101ALI20240501BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
F02M26/19
F02M26/44
F02M35/104 Q
F02M35/104 P
F02M35/104 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021047899
(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公開番号】P2022146766
(43)【公開日】2022-10-05
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大橋 淳一
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 泰啓
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-091332(JP,A)
【文献】特開2017-014943(JP,A)
【文献】特開2021-014809(JP,A)
【文献】特開2017-141675(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0141369(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/19
F02M 26/44
F02M 35/104
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に設けられた複数の分岐通路部へ還流させるためのEGR装置であって、
前記EGRガスが導入される導入部と、
前記複数の分岐通路部のうち異なる分岐通路部に連通していて前記導入部から導入された前記EGRガスを前記分岐通路部に導出する第1導出部及び第2導出部と、
前記導入部と前記第1導出部及び前記第2導出部との間でガスが流動する流路部とを備え、
前記流路部は、前記導入部から前記第1導出部及び前記第2導出部までを繋ぐ本体流路と、該本体流路から外側に拡張された拡張室とを含み、
前記本体流路は、前記第2導出部が接続されているとともに第1方向に延びる接続部を有し、
前記拡張室は、前記接続部から前記第1方向とは異なる方向に拡張されており、
前記拡張室と前記本体流路との間を仕切る隔壁を有し、
前記隔壁は、前記本体流路における前記導入部に近い側の上流部から前記第2導出部に近い側の下流部にかけて湾曲した形状に形成されており、前記導入部から流動する前記EGRガスの流れを前記第2導出部へ向けて案内するEGR装置。
【請求項2】
前記拡張室は、前記接続部との接続部分に近づくほど鉛直方向の下方に位置するように傾斜した底壁を有する
請求項1に記載のEGR装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGR装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内燃機関から排出された排気ガスの一部を吸気通路へ還流させる排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置が開示されている。特許文献1に記載のEGR装置は、EGRガスが導入される導入部と、EGRガスを導出する複数の導出部とを有している。各導出部は、吸気通路に設けられた複数の分岐通路部のうち異なる分岐通路部に連通している。導入部と各導出部とは、流路部によって繋がっている。導入部に導入されたEGRガスは、流路部を通じて各導出部へ流動し、分岐通路部に導出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-225170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EGRガスは、分岐通路部内の吸気負圧の作用によって、導入部から導出部へと導かれる。特許文献1に記載のEGR装置では、複数の導出部は異なる分岐通路部に連通している。そのため、1つの分岐通路部内に発生した吸気負圧は、導入部から導出部へ向けてEGRガスを流動させるとともに、他の導出部を介して他の分岐通路部からEGR装置内へ新気を逆流させるようにも作用する。こうして逆流した新気は、EGRガスの流れに合流してEGRガスに混入する虞がある。EGRガスに新気が混入すると、EGRガスが新気によって薄められ、EGR装置におけるEGRガスの還流量が変化する。こうした点については、特許文献1には開示されておらず、改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、EGRガスに新気が混入することを抑制することで、EGRガスの還流量を確保しやすくできるEGR装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのEGR装置は、内燃機関から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に設けられた複数の分岐通路部へ還流させるためのEGR装置であって、前記EGRガスが導入される導入部と、前記複数の分岐通路部のうち異なる分岐通路部に連通していて前記導入部から導入された前記EGRガスを前記分岐通路部に導出する第1導出部及び第2導出部と、前記導入部と前記第1導出部及び前記第2導出部との間でガスが流動する流路部とを備え、前記流路部は、前記導入部から前記第1導出部及び前記第2導出部までを繋ぐ本体流路と、該本体流路から外側に拡張された拡張室とを含み、前記本体流路は、前記第2導出部が接続されているとともに第1方向に延びる接続部を有し、前記拡張室は、前記接続部から外側に拡張されている。
【0007】
EGR装置では、第1導出部が連通している分岐通路部内の吸気負圧によって導入部から第1導出部へEGRガスが流動している場合、第2導出部にも上記負圧が作用することで第2導出部が連通している分岐通路部からEGR装置に新気が逆流する。
【0008】
上記構成では、流路部には、本体流路の他に、該本体流路から外側に拡張された拡張室を設けている。そして、この拡張室は、本体流路において第2導出部が接続されている接続部から外側に設けられている。そのため、吸気通路からEGR装置に新気が逆流した場合、該新気は第2導出部から拡張室に拡散して滞留しやすくなり、導入部から各導出部へ流れるEGRガスの流れに新気が合流しにくくなる。したがって、上記構成によれば、EGRガスに新気が混入することを抑制することができ、EGRガスの還流量を確保しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のEGR装置を備えるインテークマニホールドの構成を模式的に示す斜視図。
図2】インテークマニホールドを図1のAから見たときの構成を示す模式図。
図3図2の3-3線に沿った断面図。
図4】EGR装置におけるガスの流れを示す模式図。
図5】EGR装置の拡張室における水滴の流れを模式的に示す断面図。
図6】EGR装置の他の例における流路部の構成を示す模式図。
図7】EGR装置の他の例における流路部の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
EGR装置20の一実施形態について、図1図5を参照して説明する。なお、本実施形態では、EGR装置を樹脂製のインテークマニホールドと一体化して設けた構成を例に説明する。
【0011】
図1に示すように、インテークマニホールド10には、サージタンク11が設けられている。サージタンク11には、図示しないスロットルバルブが組付けられる第1フランジ部11Aが設けられている。サージタンク11の下部には、複数(本実施形態では4つ)の分岐通路部12が接続されている。各分岐通路部12は、サージタンク11の下方から該サージタンク11の外周に沿って上方まで湾曲して延びている。以下では、各分岐通路部12を、第1フランジ部11Aから遠い側から順に、第1分岐通路部12A、第2分岐通路部12B、第3分岐通路部12C、及び第4分岐通路部12Dという。
【0012】
各分岐通路部12の先端には、第2フランジ部13が設けられている。第2フランジ部13は、図示しない内燃機関のシリンダヘッドに連結される。インテークマニホールド10は、第1フランジ部11Aからサージタンク11に導入された新気を、各分岐通路部12を通じてシリンダヘッドに形成されている吸気ポートへ導出する。このように、インテークマニホールド10が内燃機関に新気を流動させるための吸気通路を構成している。
【0013】
EGR装置20は、インテークマニホールド10の上部に設けられている。すなわち、EGR装置20は、各分岐通路部12における先端部分の外周側に配置されている。
図2に示すように、EGR装置20は、各分岐通路部12に跨がって設けられている。
【0014】
図3に示すように、EGR装置20は、各分岐通路部12の外周壁を構成する樹脂製の第1分割体21と、該第1分割体21に接合されている樹脂製の第2分割体22とによって構成されている。
【0015】
図2に示すように、EGR装置20には、内燃機関から排出された排気ガスの一部がEGRガスとして導入される導入部25が設けられている。また、EGR装置20には、導入部25から導入されたEGRガスを各分岐通路部12に導出する複数の導出部26を有している。各導出部26は、複数の分岐通路部12のうち異なる分岐通路部12に連通している。本実施形態では、第1分岐通路部12Aに連通している導出部26を第1導出部26Aといい、第2分岐通路部12Bに連通している導出部26を第2導出部26Bという。また、第3分岐通路部12Cに連通している導出部26を第3導出部26Cといい、第4分岐通路部12Dに連通している導出部26を第4導出部26Dという。各導出部26は、各分岐通路部12内の新気の流れに沿ってEGRガスを導出できるように、新気の流れ方向上流側(図2における上側)に向かって延びている。
【0016】
EGR装置20は、導入部25と各導出部26との間でガスが流動する流路部30を備えている。流路部30は、導入部25から各導出部26までを繋ぐ本体流路31を有している。本体流路31は、導入部25と連通している分配室32と、該分配室32から各導出部26に分岐して延びている複数の分流路33とからなる。分流路33は、分配室32と第1導出部26Aとを繋ぐ第1分流路35と、分配室32と第2導出部26Bとを繋ぐ第2分流路40と、分配室32と第3導出部26Cとを繋ぐ第3分流路45と、分配室32と第4導出部26Dとを繋ぐ第4分流路50とからなる。第1分流路35の構成と第4分流路50の構成とは左右対称であり、第2分流路40の構成と第3分流路45の構成とは左右対称である。そのため、以下では、第1分流路35及び第2分流路40の構成について説明し、第3分流路45及び第4分流路50の構成については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0017】
第1分流路35は、第1導出部26Aが接続されているとともに第1方向(図2の左右方向)に延びる第1接続部36と、第1接続部36から湾曲して第1方向と直交する第2方向(図2の上下方向)に延びる第1湾曲部37とを有している。また、第1分流路35は、第1湾曲部37と分配室32とを繋ぐ連結部38とを有している。
【0018】
第2分流路40は、第2導出部26Bが接続されているとともに上記第1方向に延びる第2接続部41と、第2接続部41から湾曲して上記第2方向に延びている第2湾曲部42が設けられている。第2湾曲部42の先端部は、分配室32に接続されている。
【0019】
また、流路部30は、本体流路31のうち第2分流路40から外側に拡張された第1拡張室60と、第3分流路45から外側に拡張された第2拡張室65を有している。第1拡張室60の構成は、第2拡張室65の構成と左右対称である。以下では、第1拡張室60の構成について説明し、第2拡張室65の構成については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】
第1拡張室60は、第2分流路40における第2接続部41から第1方向とは異なる第2方向に拡張されている。より詳細には、第1拡張室60は、第2接続部41から第1分流路35の連結部38側に拡張されている。そのため、流路部30は、第1拡張室60が設けられている部分において、部分的に流路断面積が大きくなっている。
【0021】
図3に示すように、第1拡張室60は、鉛直方向(図3の上下方向)における下方に配置されている底壁60Aと、該底壁60Aの周縁から立設した周壁60Bと、底壁60Aと対向して周壁60Bの先端を繋ぐ上壁60Cとを有している。これにより、第1拡張室60は、第2接続部41との接続部分側、すなわち第2導出部26B側が開口した形状に形成されている。
【0022】
底壁60Aは、第2接続部41との接続部分に近づくほど鉛直方向の下方に位置するように水平方向に対して傾斜角度θだけ傾斜している。すなわち、底壁60Aは、第2導出部26B側ほど鉛直方向の下方に位置するように傾斜している。
【0023】
図2に示すように、EGR装置20は、第1拡張室60と第2分流路40との間を仕切る第1隔壁70を有している。すなわち、第1隔壁70は、第1拡張室60の周壁60Bの一部を構成しているとともに、第2分流路40の側壁の一部を構成している。第1隔壁70は、第2分流路40における導入部25に近い側の上流部から第2導出部26Bに近い側の下流部にかけて湾曲した形状に形成されており、導入部25から流動するEGRガスの流れを第2導出部26Bへ向けて案内する。換言すれば、第1隔壁70は、第2方向において下流部側ほど第2導出部26B側(図2の左側)に位置するように湾曲した形状に形成されている。
【0024】
また、EGR装置20は、第2拡張室65と第3分流路45との間を仕切る第2隔壁75を有している。すなわち、第2隔壁75は、第2拡張室65の周壁60Bの一部を構成しているとともに、第3分流路45の側壁の一部を構成している。第2隔壁75は、第3分流路45における導入部25に近い側の上流部から第3導出部26Cに近い側の下流部にかけて湾曲した形状に形成されており、導入部25から流動するEGRガスの流れを第3導出部26Cへ向けて案内する。換言すれば、第2隔壁75は、第2方向において下流部側ほど第3導出部26C側(図2の右側)に位置するように湾曲した形状に形成されている。
【0025】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)図4に実線の矢印で示すように、EGR装置20では、例えば第1分岐通路部12Aに吸気負圧が発生すると、導入部25から第1導出部26AへEGRガスが流動する。このとき、図4に一点鎖線の矢印で示すように、第2導出部26B、第3導出部26C、及び第4導出部26Dにも上記負圧が作用することで、これらの導出部26が連通している各分岐通路部12からEGR装置20に新気が逆流する。本実施形態では、第2導出部26Bは、第3導出部26C及び第4導出部26Dに比して第1導出部26Aに近い位置に配置されている。そのため、第2導出部26Bから逆流した新気は、第3導出部26Cから逆流した新気及び第4導出部26Dから逆流した新気に比べて第1導出部26Aへ流れるEGRガスに混入しやすい。
【0026】
本実施形態では、EGR装置20の流路部30には、分配室32及び各分流路33からなる本体流路31の他に、該本体流路31から外側に拡張された第1拡張室60及び第2拡張室65を設けている。第1拡張室60は、第2導出部26Bが接続されている第2分流路40の第2接続部41から第2方向に沿って外側に設けられている。そのため、図4に二点鎖線の矢印で示すように、第2分岐通路部12BからEGR装置20に逆流した新気は、その一部が第2導出部26Bから第1拡張室60に拡散して滞留しやすくなる。その結果、逆流した新気は、導入部25から第1導出部26Aへ流れるEGRガスの流れに合流しにくくなる。
【0027】
また、第4分岐通路部12Dに吸気負圧が発生したときには、第3導出部26Cから逆流した新気が第4導出部26Dへ流れるEGRガスに混入しやすくなる。第2拡張室65は、第3導出部26Cが接続されている第3分流路45の第2接続部41から第2方向に沿って外側に設けられている。そのため、第3分岐通路部12CからEGR装置20に逆流した新気は、第3導出部26Cから第2拡張室65に拡散して滞留しやすくなり、導入部25から第4導出部26Dへ流れるEGRガスの流れに合流しにくくなる。
【0028】
なお、第1導出部26A及び第4導出部26Dから新気が逆流した場合、第1分流路35及び第4分流路50の長さが第2分流路40及び第3分流路45の長さ路に比べて長いことから、新気のEGRガスへの混入は生じにくい。
【0029】
したがって、本実施形態によれば、EGRガスに新気が混入することを抑制することができ、EGRガスの還流量を確保しやすくできる。
(2)第2導出部26Bを通じて吸気通路からEGR装置20に逆流した新気は、第2接続部41に沿って第1方向に流れやすい。本実施形態では、第1拡張室60は、第2接続部41から該第2接続部41が延びる第1方向とは異なる第2方向に拡張されている。そのため、第2導出部26Bから第2接続部41に流れて第1拡張室60に拡散した新気は、該第1拡張室60に滞留しやすくなる。そのため、EGRガスに新気が混入することを一層抑制できる。なお、第2拡張室65についても同様の構成を備えていることから、上記と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0030】
(3)本実施形態では、第1拡張室60と第2分流路40との間を仕切る第1隔壁70を有し、第1隔壁70は、第2分流路40における導入部25に近い側の上流部から第2導出部26Bに近い側の下流部にかけて湾曲した形状に形成されている。そして、第1隔壁70によって導入部25から流動するEGRガスの流れを第2導出部26Bへ向けて案内している。これにより、第1拡張室60を設けることに起因して導入部25から第2導出部26BへEGRガスが流れにくくなることを抑制できる。したがって、第1拡張室60を第2接続部41から外側に設けた構成において、第2導出部26BへのEGRガスの分配性の低下を抑制できる。なお、第2拡張室65と第3分流路45との間を仕切る第2隔壁75も同様の構成を有することから、同様に第3導出部26CへのEGRガスの分配性の低下を抑制できる。
【0031】
(4)第1拡張室60に逆流した新気が滞留した場合、該新気に含まれる水分が第1拡張室60の壁面に付着して水滴が発生する。本実施形態では、第1拡張室60には、第2接続部41との接続部分に近づくほど、すなわち第2導出部26B側ほど鉛直方向の下方に位置するように傾斜した底壁60Aを設けている。
【0032】
そのため、図5に実線の矢印で示すように、第1拡張室60の壁面に付着した水滴を第2接続部41、牽いては第2導出部26Bへ向けて排出し易くできる。したがって、第1拡張室60内に水が滞留することを抑制できる。なお、第2拡張室65についても同様の構成を備えていることから、上記と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0033】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1拡張室60及び第2拡張室65を設けたが、いずれか一方を省略してもよい。また、流路部30が、第1分流路35及び第4分流路50の少なくとも一方の第1接続部36から外側に拡張された拡張室を備えるものであってもよい。
【0034】
・上記実施形態では、第1拡張室60及び第2拡張室65において、第2接続部41との接続部分に近づくほど鉛直方向の下方に位置するように傾斜した底壁60Aを設けたが、こうした構成は適宜変更が可能である。例えば、底壁60Aを水平方向に沿って配置してもよいし底壁60Aを上記接続部分から離間するほど鉛直方向下方に位置するように傾斜させてもよい。
【0035】
・上記実施形態では、第1隔壁70及び第2隔壁75を湾曲形状にして、導入部25から流動するEGRガスの流れを第2導出部26B及び第3導出部26Cへ向けて案内するようにした。こうした構成に変えて、第1隔壁70及び第2隔壁75のいずれか一方を湾曲させない形状としてもよい。
【0036】
・上記実施形態では、流路部30として、分配室32、各分流路33、第1拡張室60、及び第2拡張室65を備える構成を例示したが、流路部の構成はこれに限らない。例えば、図6に示す構成を採用してもよい。
【0037】
図6に示すように、流路部80は、導入部25と各導出部26との間でガスが流動する本体流路81を有している。本体流路81は、第1導出部26A及び第2導出部26Bを第1方向(図6の左右方向)に延びて直線状に繋いでいる第1接続部82を有している。また、本体流路81は、第1接続部82の中央位置から該第1接続部82に対して直交する第2方向(図6の上下方向)に延びる第1共用部83と、第1共用部83と導入部25とを繋ぐ第1連通部84とを有している。また、本体流路81は、第3導出部26C及び第4導出部26Dを第1方向に延びて直線状に繋いでいる第2接続部85を有している。また、本体流路81は、第2接続部85の中央位置から該第2接続部85に対して直交する第2方向に延びる第2共用部86と、第2共用部86と導入部25とを繋ぐ第2連通部87とを有している。こうした構成では、導入部25から第1導出部26AへEGRガスが流れるときの流路と、導入部25から第2導出部26BへEGRガスが流れるときの流路との一部が共通化されている。また、導入部25から第3導出部26CへEGRガスが流れるときの流路と、導入部25から第4導出部26DへEGRガスが流れるときの流路との一部が共通化されている。
【0038】
流路部80は、第1接続部82から外側に拡張された第3拡張室90と、第2接続部85から外側に拡張された第4拡張室95とを有している。第3拡張室90は、第1接続部82から第1方向とは異なる第2方向に拡張されている。すなわち、第3拡張室90は、第1接続部82から第1連通部84側(図6の上側)に拡張されている。第4拡張室95は、第2接続部85から第1方向とは異なる第2方向に拡張されている。すなわち、第4拡張室95は、第2接続部85から第2連通部87側(図6の上側)に拡張されている。第3拡張室90及び第4拡張室95の構成は、上記第1拡張室60及び第2拡張室65の構成と同様である。
【0039】
なお、図7に示すように、第3拡張室90を、第1接続部82の中央位置から第2方向に沿って外側(図7の下側)に拡張して設けることも可能である。また、第4拡張室95を、第2接続部85の中央位置から第2方向に沿って外側(図7の下側)に拡張して設けることも可能である。
【0040】
これら図6及び図7の構成であっても、上記(1)~(4)に記載した作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることはできる。
・上記実施形態において、拡張室を接続部から第1方向と同じ方向に拡張して設けるようにしてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、EGR装置20に4つの導出部26を設けた構成を例示したが、導出部26の数は、2つ以上であれば他の数を採用してもよい。
・EGR装置20をインテークマニホールド10と一体化して設けた構成を例示したが、EGR装置20の構成はこれに限らない。例えば、EGR装置20をインテークマニホールド10と別々に構成してもよい。また、EGR装置20をインテークマニホールド10に組付けずに他の吸気装置における分岐通路部に組付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…インテークマニホールド
11…サージタンク
11A…第1フランジ部
12…分岐通路部
12A…第1分岐通路部
12B…第2分岐通路部
12C…第3分岐通路部
12D…第4分岐通路部
13…第2フランジ部
20…EGR装置
21…第1分割体
22…第2分割体
25…導入部
26…導出部
26A…第1導出部
26B…第2導出部
26C…第3導出部
26D…第4導出部
30…流路部
31…本体流路
32…分配室
33…分流路
35…第1分流路
36…第1接続部
37…第1湾曲部
38…連結部
40…第2分流路
41…第2接続部
42…第2湾曲部
45…第3分流路
50…第4分流路
60…第1拡張室
60A…底壁
60B…周壁
60C…上壁
65…第2拡張室
70…第1隔壁
75…第2隔壁
80…流路部
81…本体流路
82…第1接続部
83…第1共用部
84…第1連通部
85…第2接続部
86…第2共用部
87…第2連通部
90…第3拡張室
95…第4拡張室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7