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  • 特許-回転操作装置、および電子鍵盤楽器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】回転操作装置、および電子鍵盤楽器
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/04 20060101AFI20240501BHJP
   H01H 19/14 20060101ALI20240501BHJP
   G10H 1/32 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H01H19/04 Z
H01H19/14
G10H1/32 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022048927
(22)【出願日】2022-03-24
(65)【公開番号】P2023142180
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 先勝
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-176418(JP,A)
【文献】特開2021-148930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/04
H01H 19/14
G10H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有し、回転を検出する回転検出部と、
前記回転検出部と連動して回転する操作部と、前記操作部の他方側に設けられ前記操作部の外縁部よりも内径側に配される係止部と、を有するノブと、
前記回転軸が挿入される孔部を有する底壁と、前記ノブの外周に配される周壁と、を有するケース体と、前記係止部に係合する係合部を備え、前記回転検出部を収容する、収容部と、
を備え
前記係合部は前記ケース体と別体で構成される回転操作装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記ノブが前記収容部に挿入される際に、前記係止部と干渉することにより弾性変形可能に構成されるフック片を有する、請求項1に記載の回転操作装置。
【請求項3】
前記係止部は、前記ケース体の前記底壁に対向する位置に、前記底壁に向けて突出する凸部を有する、請求項1に記載の回転操作装置。
【請求項4】
前記ノブは、前記操作部の裏側に設けられた外筒部と、前記外筒部の径方向内側に設けられた内筒部と、をさらに有し、
前記外筒部は、前記操作部の裏面の一部から裏側に延出する縮径部と、前記縮径部からさらに裏側に延出する係合壁部と、前記係合壁部の端部に形成された前記係止部と、を備え、
前記縮径部は、円筒状に構成され、その外面が前記操作部の外端縁よりも前記径方向内側にテーパ状に構成される、請求項1に記載の回転操作装置。
【請求項5】
前記係止部は、
前記係合壁部の端縁部から前記外筒部の径方向外側に突出するフランジ状に構成され、
縮径するテーパ状に形成された案内部と、前記外筒部の軸方向への移動を規制する抜け止め部とを有する、請求項4に記載の回転操作装置。
【請求項6】
請求項1に記載される回転操作装置と、
鍵盤と、
放音部と、
前記回転操作装置、前記鍵盤、および前記放音部を収容するケースと、
を備える電子鍵盤楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作装置、および電子鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
音響装置などの各種装置に設けられる回転操作装置において、回転軸を有する検出部と、回転軸に嵌合するノブとの一部をケース内に収容し、ノブのうちユーザが回転操作する操作部をケース外に配置した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-59064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような回転操作装置において、ノブをケースに保持するために、ノブと軸との嵌合による保持力とは別に、ノブにフランジを設け、ケース側にフランジを軸方向の両面側から挟む保持部材を配置し、ノブのフランジを表裏の保持部材によって挟持している。
【0005】
このような構成では、ノブを表側の保持部材よりも先に組付ける必要があるため、ノブが装置の外方に突出して組付けられた状態で、他部品の組付工程や搬入処理等の後工程を行う必要があり、作業性及び生産性が低下する。
【0006】
本発明は、作業性及び生産性に優れた回転操作装置、および電子鍵盤楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態にかかる回転操作装置は、回転軸を有し、回転を検出する回転検出部と、前記回転検出部と連動して回転する操作部と、前記操作部の他方側に設けられ前記操作部の外縁部よりも内径側に配される係止部と、を有するノブと、前記回転軸が挿入される孔部を有する底壁と、前記ノブの外周に配される周壁と、を有するケース体と、前記係止部に係合する係合部を備え、前記回転検出部を収容する、収容部と、を備え、前記係合部は前記ケース体と別体で構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業性及び生産性に優れた回転操作装置、および電子鍵盤楽器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る電子鍵盤楽器の外観構成を示す斜視図。
図2】同実施形態に係る回転操作装置の外観構成を示す斜視図。
図3】同回転操作装置の構成を示す断面図。
図4】同回転操作装置の一部の構成を示す斜視図。
図5】同回転操作装置の装着方法を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1実施形態にかかる回転操作装置1について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、回転操作装置1を有する電子鍵盤楽器100の斜視図である。図2は回転操作装置1の外観構成を示す斜視図である。図3は、回転操作装置の断面図である。図4は回転操作装置の一部の構成を示す斜視図であり、収容部30の一部を省略して内部構造を示す。図5は回転操作装置の装着方法を示す説明図である。なお、各図において、適宜構成を拡大、縮小、省略して概略的に示す。
【0011】
図1乃至図4に示すように、回転操作装置1は、回転軸12を有する回転検出部10と、回転検出部10の回転軸12に嵌合するノブ20と、回転検出部10及びノブ20を保持する収容部30と、を備える。回転操作装置1は、ユーザが回転操作するスイッチ装置であり、例えば音響装置等の機器に設けられるボリュームスイッチである。
回転操作装置1は、例えば図1に示す機器の一例としての電子鍵盤楽器100に設けられる。電子鍵盤楽器100は、ケース101と、回転操作装置1と、鍵盤102と、放音部103と、を備える。ケース101は、回転操作装置1、鍵盤102、及び鍵盤102の反対の背面側に放音部103を収容する。本実施形態において、回転操作装置1は、回転軸12の一端と他端がそれぞれ電子鍵盤楽器100の内方(裏側)と外方(表側)に向けて配置される。
【0012】
図2乃至図4に示すように、回転検出部10は、検出モジュール11と、検出モジュール11から突出する回転軸12(軸部)と、を備える。回転検出部10は回転を検出する。
【0013】
検出モジュール11は、スイッチ素子等の各種のスイッチ部品や基板を備える。検出モジュール11は、回転軸12を介して、ノブ20の回転量、回転角度などの回転動作を検出し、角度制御を行う。検出モジュール11は、スリーブ13を介して収容部30に保持される。
【0014】
回転軸12は、基端部が検出モジュール11に接続され、先端部がノブ20に係合する。回転軸12は、検出モジュール11から突出して配置される。
【0015】
回転軸12の先端部は、外周面の一部が軸方向に沿って切りかかれたカット部12aを有するDカット形状に形成される。カット部12aは、周方向に交差する平面部を有し、対向配置されるノブ20と回転軸12との相対的な回転動作を規制する。すなわち、カット部12aにより、回転軸12がノブ20の回転動作に伴って回転する。
【0016】
回転軸12の基端側の部位は、スリーブ13を介して、収容部30の後述する底壁部35に保持される。
【0017】
ノブ20は、回転軸12の表側の端部に設けられる。ノブ20は、一部が収容部30内に配され、一部が収容部30の外側に露出する。ノブ20は、円板状の操作部21と、操作部21の裏側に設けられた外筒部22と、外筒部22の径方向内側(内径側)に設けられた筒状の内筒部23と、を一体に有する。
【0018】
操作部21は、回転軸12の先端側に設けられる円板形状に構成される。操作部21は外径が収容部30の開口縁31aよりも大きく構成され、開口縁31aの表側を覆う。操作部21は回転検出部10と連動して回転する。例えば操作部21は、少なくとも一方の円形の主面と、外周面の一方側の部位が、収容部30の外側で電子鍵盤楽器100の外面に露出し、ユーザにより操作される、いわゆるつまみ部となる。操作部21は、化粧板等のカバー部材21aを有する二層構造である。なお、操作部21はカバー部材21aを備えていなくてもよい。操作部21は収容部30に形成される開口縁31aよりも大きい外縁部を有する。具体的には操作部21の外径は、テーパ状の開口縁31aの内縁部よりも大きく構成され、好ましくはテーパ状の開口縁31aの外縁部の径よりも大きく構成される。例えばカバー部材21aは開口縁31aが配される開口を有し、操作部21の外径は、カバー部材21aとパネル部31の開口縁31aの外周との境界部位よりも大きく構成され、境界部位の表側を覆う構成であってもよい。操作部21の外側の主面には操作部21の回転位置を示す指標部21bが設けられている。
【0019】
外筒部22は、操作部21一体に形成される。外筒部22は、収容部30に挿入され、保持される。
【0020】
外筒部22は、操作部21の裏面の一部から裏側に延出する縮径部22eと、縮径部22eからさらに裏側に延出する係合壁部22fと、係合壁部22fの端部に形成される環状の係止部22bと、を一体に備える。
【0021】
縮径部22eは、円筒状に構成され、その外面が操作部21の外端縁よりも径方向内側にテーパ状に構成される。縮径部22eのテーパ状の外面は、テーパ状の開口縁31aに対向配置される。
【0022】
係合壁部22fは、縮径部22eから裏側に延びる円筒状に構成される。係合壁部22fは、収容部30のケース体32の内部に挿入される。係合壁部22fは外筒部22の外周面の一部が径方向内側に凹む周溝部22aが形成されることで、薄肉に構成される。この周溝部22aに後述するフック片33bの端部が配置される。
【0023】
係止部22bは、円筒状の係合壁部22fの端縁部から径方向外側に突出するフランジ状に構成される。係止部22bの外径は、操作部21の外縁部よりも小径であり、操作部21の外縁部よりも径方向内側に位置する。係止部22bの外周側であって電子鍵盤楽器100の内方側の稜部は、電子鍵盤楽器100の内方側が縮径するテーパ状に形成された案内部22dを構成する。係止部22bの電子鍵盤楽器100の外方側の面は軸方向に直交する面を形成し、軸方向への移動を規制する抜け止め部22gを構成する。
【0024】
係止部22bの先端側の端面は円環形状の平面を構成し軸方向に突出する凸部22cを有する。凸部22cは、対向配置される受け面36との接触面積を低減するために、例えば断面が半円形状に形成される。
【0025】
内筒部23は、操作部21の裏側に一体に形成され、第1方向に沿って裏側に延びる。内筒部23は、外筒部22と同軸で外筒部22よりも小径の円筒状に構成される。内筒部23は、電子鍵盤楽器100の外方に凹み、回転軸12の先端部が圧入されて嵌合する嵌合穴23b(嵌合部)を有する。
【0026】
内筒部23は、嵌合穴23bの中途部の所定箇所に、回転軸12のカット部12aの端部の段差面と対向することで回転軸12を所定位置に位置決めする段差部を有する。
【0027】
なお、内筒部23と外筒部22の間の空間には補強リブなどがさらに形成されていてもよい。
【0028】
収容部30は、平板状のパネル部31と、パネル部31と別体で構成された係合部としての保持部材33と、を備える。
【0029】
パネル部31は、例えば取付け対象である電子鍵盤楽器100のケース101の一部である。例えばパネル部31は、その一部として周壁部34及び底壁部35を有するケース体32を有する。なお、パネル部31は1枚のパネル部材で構成されていてもよい、化粧板等のカバー部材を有する二重構造である。
【0030】
周壁部34は、パネル部31から裏側に延出する円筒状に構成される。周壁部34は、少なくとも周方向の一部に、保持部材33が配置される開口34aを有する。
【0031】
底壁部35は、円板形状に構成され、周壁部34の裏側の端部に接続される。底壁部35は、外筒部22の裏側の端部に対向配置される。底壁部35は、中央に回転軸12が挿入される孔部35aを有する。底壁部35は、回転検出部10を保持する。底壁部35は、外筒部22の先端面の凸部22cに対向する円環状の受け面36と、受け面36に設けられた摺動部材37と、を備える。摺動部材37は、例えばテフロン(登録商標)のテープ等の摩擦を低減する部材であり、受け面36に貼付される。
【0032】
ケース体32は、周壁部34及び底壁部35に囲まれる有底円形の収容凹部30aを有する。収容凹部30aの開口縁31aは、ノブ20の外径と同等もしくはノブ20の外径よりも小さく構成される。開口縁31aの内周面は裏側が縮径するように傾斜するテーパ状に構成される。
【0033】
保持部材33は、外筒部22の係止部22bの少なくとも一部の外周部に対向配置され、係止部22bに係合可能に構成される。保持部材33は、周壁部34に形成された開口34aに配置され、電子鍵盤楽器100の外方に向けて延びるアーム33aと、アーム33aの先端に形成され径方向内側に突出するフック片33bと、を一体に有する。
【0034】
アーム33aはばね性を有し、例えばフック片33bが径方向に移動するように弾性変形可能に構成される。フック片33bの先端側及び径方向内側の稜部は軸方向に傾斜してテーパ状に構成され、外筒部22の挿入を案内する第2の案内部33cを構成する。フック片33bの基端側は軸方向に直交する平面状に構成され、抜け止め部33dを構成する。
【0035】
保持部材33は、内側に突出するフック片33bが係止部22bの軸方向の表側(電子鍵盤楽器100の外方)に配置されることにより、外筒部22が抜ける方向に移動するのを規制する。例えば保持部材33は、ケース体32とは別部材から、別体に構成される。一例として保持部材33はケース体32の周辺に設けられる別の部材の一部として構成され、例えば保持部材33は周辺部材の例えば電源ボタンや基板を固定する部材などを利用して形成することが可能である。
【0036】
このように構成された回転操作装置1の組付け時には、図5に示す様に、回転検出部10が設置された収容凹部30aに、ノブ20を、回転軸12の先端部に対して装置表面側から装着する。このとき、外筒部22を収容凹部30aに挿入するとともに、内筒部23の穴に回転軸12を挿入するように位置決めし、外筒部22を挿入方向に押し込む。そして、テーパ状の案内部22dと第2の案内部33cとが当接して干渉することで、挿入方向の力により、係止部22bがフック片33bを外方に押す力が生じる。このため、係止部22bは、フック片33bが外方に変位するようにアーム33aを変形させ、フック片33bを乗り越えて、挿入方向先方(電子鍵盤楽器100の内方)に移動する。そして、係止部22bがフック片33bよりも挿入方向先方の装着位置に至ると、保持部材33が復元し、フック片33bが係止部22bの挿入方向後方の抜け止め位置に配置される。
【0037】
以上のように構成された回転操作装置1、および電子鍵盤楽器100は、係止部22bとフック片33bとにより、操作部21の外径以下の係合位置で係合する抜け止め機構を構成することができる。したがって、収容部30や回転検出部10を組付けた後に、ノブ20を挿入する、いわゆる後組が可能となる。このため、例えば先組みする場合と比べて、ノブ20に傷がつくリスクを抑えるとともに、作業性を向上できる。また、外観性や、抜け防止の安定性を確保できる。
【0038】
また、係止部22bと、保持部材33とが嵌合することで、高い抜け止め効果が得られる。したがって、例えば軸の嵌合力を上げるよりも装着性を確保しやすい。
【0039】
また、本実施形態にかかる回転操作装置1によれば、ノブ20の外径に対して収容凹部30aの開口縁31aの径を同等もしくは小さくすることで収容凹部30aをノブ20で覆うことができる。したがって、収容凹部30aに対するノブ20の位置精度が多少ずれたとしても外観の見栄え損なうことが無い。
【0040】
さらに、外筒部22の先端面を円環形状とし、フック片33bの挿入方向先方の位置に対向する受け面36を設けることにより、操作時のノブ20の傾きを抑制することができる。したがって、ノブ20のガタを小さくして、抜け止め性能を向上できる。加えて、外筒部22の端面に曲面状の外面を有する凸部22cを形成することで接触面積を小さくして摩擦抵抗を低減することで、回転動作をスムーズにすることができる。
【0041】
また、上記実施形態にかかる回転操作装置1は、回転軸12を支持する底壁部35と、外筒部22の外周を支持する周壁部34を同部材で一体に構成したことで、2箇所の支持部の位置精度を確保しやすく、保持性能を向上できる。例えば、別部材でフランジ部の表側と裏側にそれぞれ保持部材を配して挟み込む構造と比べ、位置精度が確保しやすい。
【0042】
さらに、抜け止めのためのばね性を有する保持部材33をケース体32と別部品とすることで、フック片33の変形性と、ケース体32の位置精度を両立出来、挿入しやすく抜け難い構成を実現できる。
【0043】
なお、上述した実施形態は例示であり、発明の範囲を限定するものではない。
【0044】
例えば回転操作装置1は、所定の手順を踏むことでノブ20を取り外せる挿抜可能な構成としてもよい。一例として、回転操作装置1において、ノブ20の回転位置を、フルボリュームあるいはそれよりも音量増加方向に回転した位置に配置されると、ノブ20を回転軸12に対して傾けることが可能な隙間が形成される。すなわち、ノブ20の回転位置を所定位置に配置することで、カット部12aが、フック片33bと対向する位置、あるいはフック片33bと反対側の所定位置に配置され、カット部12aとノブ20の対向面との隙間が所定量確保される。この隙間の寸法を、ノブ20を回転軸12に対して傾けることが可能な寸法を有することにより、係止部22bを抜き方向に外すことが可能に構成してもよい。
【0045】
また、例えば上記実施形態においては、操作部21の表面にカバー部材21aを設けた例を示したが、一体であってもよい。また、パネル部31の表側を化粧板で覆う構成としたが、化粧板を有さない構成であってもよい。
【0046】
また、回転操作装置1が設けられる機器は音響装置に限られるものではなく、回転操作するスイッチ装置を有する各種装置に適用可能である。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記]
[1]
回転を検出する回転検出部と、
前記回転検出部と連動して回転する操作部と、前記操作部の他方側に設けられ前記操作部の外縁部よりも内径側に配される係止部と、を有するノブと、
前記係止部に係合する係合部を備え、前記回転検出部を収容する、収容部と、
を備える回転操作装置。
[2]
前記回転検出部は回転軸を有し、
前記操作部は前記回転軸に嵌合する嵌合部を有する、[1]に記載の回転操作装置。
[3]
前記収容部は、前記軸部が挿入される孔部を有する底壁と、前記ノブの外周に配される周壁と、を一体に有するケース体を備え、
前記係合部は前記ケース体と別体で構成される、[2]に記載の回転操作装置。
[4]
前記係合部は、前記ノブが前記収容部に挿入される際に、前記係止部と干渉することにより弾性変形可能に構成されるフック片を有する、[3]に記載の回転操作装置。
[5]
前記係止部は、前記ケース体の前記底壁に対向する位置に、前記底壁に向けて突出する凸部を有する、[3]に記載の回転操作装置。
[6]
[1]に記載される回転操作装置と、
鍵盤と、
放音部と、
前記回転操作装置、前記鍵盤、および前記放音部を収容するケースと、
を備える電子鍵盤楽器。
【符号の説明】
【0048】
1…回転操作装置
10…回転検出部
11…検出モジュール
12…回転軸
12a…カット部
13…スリーブ
20…ノブ
21…操作部(係合部)
21a…カバー部材
21b…指標部
22…外筒部
22b…係止部
22c…凸部
22d…案内部
22e…縮径部
22f…係合壁部
23…内筒部
23b…嵌合穴(嵌合部)
30…収容部
30a…収容凹部
31…パネル部
31a…開口縁
32…ケース体
33…保持部
33a…アーム
33b…フック片
33c…案内部
34…周壁部
34a…開口
35…底壁部
35a…孔部
36…受け面
100…電子鍵盤機楽器(機器)
101…ケース
102…鍵盤
103…放音部

図1
図2
図3
図4
図5