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  • 特許-集合住宅の部屋構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】集合住宅の部屋構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
E04H1/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022065826
(22)【出願日】2022-04-12
(65)【公開番号】P2023156139
(43)【公開日】2023-10-24
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】江南 桃
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋介
(72)【発明者】
【氏名】金森 健哲
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-073164(JP,A)
【文献】特開2022-055430(JP,A)
【文献】登録実用新案第3231592(JP,U)
【文献】特開2022-170297(JP,A)
【文献】特開2022-139205(JP,A)
【文献】特開2022-061712(JP,A)
【文献】特開2023-051007(JP,A)
【文献】特開2003-161046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02
E04H 1/04
E04H 1/12
E04B 1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の部屋構造であって、
ベランダまたはバルコニーに面する第1界壁と、
上記第1界壁と交差する方向へ延びる第2界壁と、
上記第1界壁に位置する第1窓と、
上記第1窓と対向する第1仕切壁と、
上記第2界壁と対向しており、上記第1仕切壁と間隔を空けて位置する第2仕切壁と、
上記第2界壁と上記第2仕切壁とに支持されるテーブル天板と、を備えており、
上記テーブル天板の上記第1窓に対向する側面と上記第1窓との間の空間が仕切られておらず、
居住者が上記テーブル天板の上記第1仕切壁側に着座したとき上記第1窓に向けて視界が抜ける集合住宅の部屋構造。
【請求項2】
上記第2界壁に位置する第2窓をさらに有しており、
上記第2窓は、上記テーブル天板の側方において上記テーブル天板よりも上方に位置する請求項1に記載の集合住宅の部屋構造。
【請求項3】
上記第2仕切壁は、床および天井と繋がる請求項1又は2に記載の集合住宅の部屋構造。
【請求項4】
上記第1仕切壁に位置する棚をさらに有する請求項1又は2に記載の集合住宅の部屋構造。
【請求項5】
上記第1界壁、上記第2界壁、及び上記第1仕切壁は居室を区画する請求項1又は2に記載の集合住宅の部屋構造。
【請求項6】
上記第2界壁に対向する第3界壁をさらに備えており、
上記第3界壁は、居室を区画しており、
上記第2仕切壁は、上記第3界壁よりも上記第2界壁に近い位置にある請求項1又は2に記載の集合住宅の部屋構造。
【請求項7】
居室に出入りする出入口をさらに備えており、
上記出入口は、上記第1仕切壁に隣接している請求項1又は2に記載の集合住宅の部屋構造。
【請求項8】
上記集合住宅の各住宅が、少なくとも居室を有するワンルーム型である請求項1又は2に記載の集合住宅の部屋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単身者向けの集合住宅の部屋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークが普及し、自宅のリビングやダイニングにおいて情報通信機器を使用することが増えている。テレワーク等の作業に適した空間を有する部屋構造の例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される部屋構造では、リビングルームの一部が第1仕切り板部2および第2仕切り板部3により仕切られてテレワークスペースStが形成されている。第1仕切り板部2と第2仕切り板部3との間にテーブル板部4が位置しており、テーブル板部4が作業机として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案3231592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1仕切り板部2および第2仕切り板部3は、テーブル板部4を囲むように配置されている。したがって、テレワークスペースStは、第1仕切り板部2より上方においてリビングルームと繋がった空間ではあるが、リビングルーム側からテーブル板部4を使用することは想定されていない。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、居住者の生活に応じて多様な使い方ができる部屋構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る集合住宅の部屋構造は、ベランダまたはバルコニーに面する第1界壁と、上記第1界壁と交差する方向へ延びる第2界壁と、上記第1界壁に位置する第1窓と、上記第1窓と対向する第1仕切壁と、上記第2界壁と対向しており、上記第1仕切壁と間隔を空けて位置する第2仕切壁と、上記第2界壁と上記第2仕切壁とに支持されるテーブル天板と、を備えている。上記テーブル天板の上方と上記第1窓との間は、仕切られていない。
【0007】
上記構成によれば、居住者は、テーブル天板の第1仕切壁側又は第1窓側に選択的に着座することができる。これにより、居住者は、視界の抜ける側と視界が遮られる側とを選択して着座でき気分のオンオフを切り替えることができる。また、第1窓からの採光を利用して時間体に応じた使い方ができる。
【0008】
(2) 好ましくは、上記第2界壁に位置する第2窓をさらに有しており、上記第2窓は、上記テーブル天板の側方において上記テーブル天板よりも上方に位置する。
【0009】
上記構成によれば、テーブル天板に第2窓から採光されるため、居住者は明るい空間で化粧やデスクワークができる。
【0010】
(3) 好ましくは、上記第2仕切壁は、床および天井と繋がる。
【0011】
上記構成によれば、居室内において、テーブル天板が配置されない領域とテーブル天板が配置される領域とを視覚的に分けることができる。
【0012】
(4) 好ましくは、上記第1仕切壁に位置する棚をさらに有する。
【0013】
上記構成によれば、居住者は、テーブル天板の第1仕切壁側に着座して棚に物を収納したり、収納されたものを取り出して使ったりしながらデスクワークを行うことができる。また、居室において収納量も確保できる。
【0014】
(5) 好ましくは、上記第1界壁、上記第2界壁、及び上記第1仕切壁は居室を区画する。
【0015】
(6) 好ましくは、上記第2界壁に対向する第3界壁をさらに備えており、上記第3界壁は、居室を区画しており、上記第2仕切壁は、上記第3界壁よりも上記第2界壁に近い位置にある。
【0016】
上記構成によれば、第2仕切壁よりも第2界壁側に拡がる空間が第2仕切壁よりも第3界壁側に拡がる空間より小さくなるため、居住者は、前者の空間に居るときには第2仕切壁によって視界が遮られて集中しやすい。一方、居住者が後者の空間に居るときには視界から第2仕切壁が遠くなり解放感が得られる。
【0017】
(7) 好ましくは、居室に出入りする出入口をさらに備えており、上記出入口は、上記第1仕切壁に隣接している。
【0018】
(8) 好ましくは、上記集合住宅の各住宅が、少なくとも居室を有するワンルーム型である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、居住者が部屋を生活に応じて多様に使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る住宅10の平面間取り図である。
図2図2は、住宅10の居室29を示す部分拡大図である。
図3図3は、テーブル天板52をベランダ11側から視た図であって、化粧をしている居住者とともに示す図である。
図4図4は、テーブル天板52をベランダ11側から視た図であって、デスクワークをしている居住者とともに示す図である。
図5図5は、テーブル天板52をベランダ11側から視た図であって、テレビ視聴している居住者とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る集合住宅の住宅構造を備えた住宅10が説明される。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更できることは言うまでもない。
【0022】
以下では、住宅10の玄関25からベランダ11へ向かう方向を前方とし、その逆向きを後方とし、前方と後方とを合せて前後方向1とする。また、トイレ28からキッチン26へ向かう方向を左方とし、その逆を右方とし、左方と右方とを合わせた方向を左右方向2とする。鉛直方向であって、前後方向1及び左右方向2に直交する方向を上下方向3とする。
【0023】
本実施形態において説明する住宅10は、集合住宅の一区画を構成する住宅10を想定しており、集合住宅の最も右側に位置する所謂角部屋の区画を想定している。なお、集合住宅とは、複数の住宅10で構成される、複数の世帯が居住可能な一つの建物であって、例えば、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、或いは鉄骨鉄筋コンクリート造の構造形式によって建築される建物である。
【0024】
図1に示されるように、住宅10は、単身者を対象としており、キッチン26が付随したワンルーム型である。集合住宅の建物の階層は特に限定されておらず、住宅10の前方には各住宅の半屋外空間のベランダ(ベランダ又はバルコニーの一例)11が位置している。ベランダ11は、左右方向2の右方が行き止まりになっており、左方に延びている。住宅10の後方には外へと繋がる通路13が位置している。通路13は、左右方向2の右方が行き止まりになっており、左方に延びている。
【0025】
住宅10は、第1界壁15と、第2界壁16と、第3界壁17と、第4界壁18とを備えている。第1界壁15は、住宅10の前方を区画する左右方向2及び上下方向3に拡がる壁である。第1界壁15は、ベランダ11に面している。第1界壁15には、第1窓20が位置している。
【0026】
第1窓20は、開口面積の大きい掃き出し窓である。第1窓20は、左右方向2及び上下方向3に拡がる。居住者は、第1窓20を開放して居室29とベランダ11とを往来可能である。
【0027】
第2界壁16は、住宅10の右方を区画する前後方向1及び上下方向3に拡がる壁である。第2界壁16は、第1界壁15の右端から後方(交差する方向の一例)に延びる。第2界壁16の前側には前後方向1及び上下方向3に拡がる第2窓21が位置している。第2窓21は、後述するテーブル天板52よりも上方に位置している。第2窓21にはフラインドなどの建具22(図3参照)が設置されている。
【0028】
第3界壁17は、住宅10の左方を区画する前後方向1及び上下方向3に拡がる壁である。第3界壁17は、第1界壁15の左端から後方に延びる。
【0029】
第4界壁18は、住宅10の後方を区画する左右方向2及び上下方向3に拡がる壁である。第4界壁18は、第2界壁16の後方端と第3界壁17の後方端との間に延びる。第4界壁18は、左右方向2の中央において通路13に向けて開口しており、玄関ドア23が取り付けられている。
【0030】
住宅10は、第1界壁15、第2界壁16、第3界壁17、及び第4界壁18によって区画された空間において、玄関25、キッチン26、浴室27、トイレ28、及び居室29を備えている。
【0031】
玄関25は、第4界壁18において左右方向2の中央に位置しており通路13に繋がる。玄関25の左方には、第1収納空間30が位置する。第1収納空間30は、靴などを収納するための所謂シューズクロークである。第1収納空間30は、住宅10の左右方向2における左側且つ前後方向1における後ろ側に位置する。第1収納空間30と玄関25とを繋ぐ開口にはスライド式の建具22が取り付けられている。
【0032】
キッチン26は、玄関25及び第1収納空間30の前方に位置する。キッチン26は、コンロ33及びシンク34が設置された空間である。コンロ33及びシンク34は、第3界壁17に沿って配置されている。キッチン26には、収納棚35と、冷蔵庫36とが設置されている。収納棚35はキッチン26の後ろ側の壁に沿って設置されており、食器などが収納される。冷蔵庫36は、キッチン26の前側に位置するキッチン前側壁37及び第3界壁17に沿って設置されている。
【0033】
浴室27は、バスユニット27aが設置された空間である。浴室27は、キッチン26の右方に隣接して位置する。浴室27の前方には洗面所39が位置する。浴室27と洗面所39との間には開き戸40が取り付けられている。浴室27には、キッチン26から洗面所39を通って出入りできる。
【0034】
洗面所39は、居住者が入浴する際に脱衣所として使用される空間である。洗面所39には、洗面台39aと、洗濯機41とが設置されている。洗面台39aは第2界壁16に沿って設置されている。洗濯機41は、洗面所39の前方の壁に沿って設置されている。
【0035】
トイレ28は、便器28aが設置された空間である。トイレ28は、洗面所39の前方に隣接して位置する。トイレ28への開口には開き戸42が取り付けられている。トイレ28は、前側において、居室29と第1仕切壁43によって区画されている。
【0036】
居室29は、キッチン26及びトイレ28の前方に位置する。居室29は、前後方向1及び左右方向2において、第1界壁15、第2界壁16の前側の部分、第3界壁17の前側の部分、キッチン前側壁37、及び第1仕切壁43によって囲まれている。
【0037】
第1仕切壁43は、第2界壁16の前後方向1における中央から左方に延びる壁である。第1仕切壁43は、左右方向2及び上下方向3に拡がる。第1仕切壁43は、第2界壁16に対して直交しており、第1界壁15に対向して平行に位置する。つまり、第1仕切壁43は第1窓20と平行であり対向している。第1仕切壁43は、袖壁44を有している。第1仕切壁43の左方に隣接する開口(出入口の一例)45には開き戸46が取り付けられている。開口45の左方には、居室のものを収納する第2収納空間49が位置している。第2収納空間49の開口には建具49aが取り付けられている。
【0038】
袖壁44は、前後方向1及び上下方向3に拡がる壁である。袖壁44は、開口45の右方から前方に延びている。袖壁44は、床47及び天井48に繋がっている。袖壁44の前後方向1の寸法は、書籍63などが収納可能な棚50(図3参照)の前後方向1の寸法と同程度である。袖壁44には、第1仕切壁43や第1界壁15などの室内側と同様に、クロスが貼られている。
【0039】
棚50は、居住者が主に居室29で使用する物を収納する家具である。棚50は、第2界壁16、第1仕切壁43、及び袖壁44に沿って配置されている。つまり、棚50は、第2界壁16、第1仕切壁43、及び袖壁44によって囲まれる空間に位置している。棚50には、左右方向2に2つ、上下方向3に6つに分割された合計12の空間が形成されている。棚50と天井48との間には空間が形成される。棚50の高さは、居住者が立ち上がって手を上に延ばしたときの高さと同程度である。棚50には、情報通信機器62、書籍63などが収納される。棚50の下側には、比較的重く嵩張るものを収納しやすい大きめの収納ボックス64が配置されており、上側には、比較的軽い小物を収納しやすい小さめの収納ボックス65が配置されている。
【0040】
図2に示されるように、居室29は、第2仕切壁51と、テーブル天板52とを備える。
【0041】
第2仕切壁51は、前後方向1及び上下方向3に拡がる壁であり、床47及び天井48に繋がっている。第2仕切壁51は、第1仕切壁43から前方に間隔を空けて位置している。より具体的には、第2仕切壁51は、棚50から居住者が左右方向2に沿って動ける程度の空間を隔てて配置されている。第2仕切壁51の左右方向2における位置は、袖壁44の左右方向2における位置と重なっている。つまり、第2仕切壁51は、第2界壁16と第3界壁17との間に位置する。第2仕切壁51は、第2界壁16及び第3界壁17に対して平行であり対向している。第2仕切壁51が第2界壁16から離間する距離D1は、第2界壁16と開口45との間の距離D2よりも短い。また、距離D1は、第2仕切壁51が第3界壁17から離間する距離D3よりも短い。第2仕切壁51には、クロスが貼られている。
【0042】
図2図3図4、及び図5に示されるように、テーブル天板52は、前方及び後方に設置された椅子55,56とともに、居住者がテレワークなどのデスクワーク、化粧、食事、或いはテレビ視聴などができる空間を区画する。テーブル天板52は、前後方向1よりも左右方向2に長い矩形の平板である。テーブル天板52は、左右方向2における右側の側方が第2界壁16に支持されており、左右方向2における左側の側方が第2仕切壁51に支持されている。これにより、テーブル天板52の上方と下方には空間が形成されている。テーブル天板52は、椅子55に着座したときの居住者の腰の高さに位置している。テーブル天板52は、左右方向2から視て、第2窓21の前後方向1の範囲に含まれている。
【0043】
テーブル天板52の前方には、テレビ台58、テーブル59、ベッド60が設置されている。つまり、テーブル天板52と第1窓20との間は仕切られておらず、椅子55に着座する居住者の正面の視界が遮られていない。
【0044】
図3に示されるように、朝の居室29において、居住者はテーブル天板52及び第1窓20を正面にして椅子55に着座し、第1窓20から採光される自然光を利用して化粧することができる。なお、第2窓21からの採光は、必要に応じて建具22によって調整できる。
【0045】
図4に示されるように、日中の居室29において、居住者は棚50を背にして椅子55に着座し、テレワークなどのデスクワークをすることができる。このとき、居住者は、テーブル天板52にカメラ付きの情報通信機器62を後方に向けて設置できるため、第1窓20からの光が画面に映り込まない。また、カメラにはテーブル天板52よりも第1窓20側が映り込まないためプライバシーが守られる。なお、第2窓21からの採光は建具22によって調整できる。
【0046】
図5に示されるように、夜の居室29において、居住者は椅子56に着座してテレビ視聴をするなどして過ごすことができる。また、居住者は、椅子55に着座してテレビ視聴したりすることもでき、招いた友人と椅子55,56に着座して向かい合って食事することもできる。
【0047】
上述したように、居住者は、朝の時間帯には自然光を利用して化粧ができ、日中の時間帯には明るい環境でデスクワークができ、夜の時間帯にはリラックスした時間を過ごすことができ、時間体に応じて居室29を使い分けることができる。
【0048】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、居住者は、テーブル天板52の第1仕切壁43側又は第1窓20側に選択的に着座することができる。これにより、居住者は、視界の抜けるテーブル天板52の第1仕切壁43側又は視界が遮られる第1窓20側に選択的に着座でき気分のオンオフを切り替えることができる。また、第1窓20からの採光を利用して時間体に応じた使い方ができる。
【0049】
また、テーブル天板52に第1窓20からの光に加えて第2窓21からも採光できるため、居住者は明るい空間で化粧やデスクワークができる。
【0050】
また、居室29内において、テーブル天板52が配置されない領域とテーブル天板52が配置される領域とを視覚的に分けることができる。
【0051】
また、居住者は、テーブル天板52の第1仕切壁43側に着座して棚50に物を収納したり、収納されたものを取り出して使ったりしながらデスクワークを行うことができる。また、居室29において収納量も確保できる。
【0052】
また、第2仕切壁51よりも第2界壁16側に拡がる空間が第2仕切壁51よりも第3界壁17側に拡がる空間より小さくなるため、居住者は、前者の空間に居るときには第2仕切壁51によって視界が遮られて集中しやすい。一方、居住者が後者の空間に居るときには視界から第2仕切壁51が遠くなり解放感が得られる。
【0053】
[変形例]
上述の実施形態では、住宅10が所謂角部屋の区画である場合を例にあげて説明したがこれに限らない。住宅10は中住戸であってもよい。この場合、住宅10の左右方向2には窓がない。つまり、第2界壁16に第2窓21が位置していない。また、住宅10の前方に位置するベランダ11、及び後方に位置する通路13は左右方向2の両側に延びる。
【0054】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、第1窓20が、前後方向1から視て、テーブル天板52の左右方向2における左側に重なる場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、第1窓20が、テーブル天板52の左右方向2の寸法と同じであり、前後方向1から視てテーブル天板52と重なるものであってもよい。また、第1窓20の左右方向2の寸法が、テーブル天板52の左右方向2の寸法よりも小さいものであってもよく、前後方向1から視て、第1窓20がテーブル天板52の左右方向2における領域に含まれるものであってもよい。
【0055】
また、テーブル天板52が、左右方向2から視て、第2窓21の前後方向1における領域に含まれる場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、左右方向2から視て、テーブル天板52が第2窓21の前後方向1における前側の一部に重なるものであってもよく、後ろ側の一部に重なるものであってもよい。また、第2窓21の前後方向1の寸法が、テーブル天板52の前後方向1の寸法よりも大きいものであってもよく、左右方向2から視て、テーブル天板52が第2窓21の前後方向1における領域に含まれるものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10・・・住宅
11・・・ベランダ(ベランダ又はバルコニー)
15・・・第1界壁
16・・・第2界壁
17・・・第3界壁
20・・・第1窓
21・・・第2窓
29・・・居室
43・・・第1仕切壁
45・・・開口(出入口)
47・・・床
48・・・天井
50・・・棚
51・・・第2仕切壁
52・・・テーブル天板
図1
図2
図3
図4
図5