(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ビームフォーミングに関連する端末装置、基地局、及び、方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/30 20090101AFI20240501BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240501BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240501BHJP
H04W 74/0833 20240101ALI20240501BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20240501BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20240501BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W16/28
H04W24/10
H04W74/0833
H04W36/08
H04W72/231
(21)【出願番号】P 2022109546
(22)【出願日】2022-07-07
(62)【分割の表示】P 2021064113の分割
【原出願日】2017-07-05
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2016152618
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】桶谷 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/049431(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/055102(WO,A1)
【文献】特表2017-532874(JP,A)
【文献】特表2017-537499(JP,A)
【文献】国際公開第2016/053426(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257073(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局と通信するように構成された端末装置であって、
前記端末装置は、少なくとも1つのビームを使用して第2の基地局によって送信された信号の測定を実行する手段と、
前記測定の結果を示す第1の情報を前記第1の基地局へ送信する手段と、
RRCメッセージを前記第1の基地局から受信する手段と、を備え、
前記RRCメッセージはビームに関連する第2の情報を含み、
前記端末装置は、前記第2の情報に基づくランダムアクセスプリアンブル信号を前記第2の基地局へ送信する、端末装置。
【請求項2】
前記RRCメッセージは、承認メッセージに含まれ、
前記承認メッセージは、要求メッセージへの応答として前記第2の基地局から前記第1の基地局へ送信され、
前記要求メッセージは、前記第1の情報を含み、前記第1の基地局から前記第2の基地局へ送信される、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1の情報は、前記ビームを示すインデックス情報および前記ビームの品質に関連する情報を含む、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第2の情報は、ランダムアクセスプリアンブル信号を送信するための無線リソースを示すリソース情報を含む、請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記承認メッセージは、HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージである、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記要求メッセージは、HANDOVER REQUESTメッセージである、請求項2に記載の端末装置。
【請求項7】
端末装置と、第2の基地局と通信するように構成された第1の基地局であって、
前記端末装置から、少なくとも1つのビームを使用して前記第2の基地局によって送信された信号の測定の結果を示す第1の情報を受信する手段と、
RRCメッセージを前記端末装置へ送信する手段と、を備え、
前記RRCメッセージはビームに関連する第2の情報を
含み、
前記第2の情報は、前記端末装置がランダムアクセスプリアンブル信号を前記第2の基地局へ送信するために用いられる、
第1の基地局。
【請求項8】
端末装置と、第1の基地局と通信するように構成された第2の基地局であって、
少なくとも1つのビームを使用して前記端末装置へ信号を送信する手段と、
前記端末装置と、前記第1の基地局から信号を受信する手段と、を備え、
前記受信する手段は、前記ビームに関連する第2の情報に基づくランダムアクセスプリアンブル信号を前記端末装置から受信する、第2の基地局。
【請求項9】
第1の基地局と通信するように構成された端末装置の方法であって、
少なくとも1つのビームを使用して第2の基地局によって送信された信号の測定を実行し、
前記測定の結果を示す第1の情報を前記第1の基地局へ送信し、
RRCメッセージを前記第1の基地局から受信し、前記RRCメッセージはビームに関連する第2の情報を含み、
前記第2の情報に基づくランダムアクセスプリアンブル信号を前記第2の基地局へ送信する、方法。
【請求項10】
端末装置と、第2の基地局と通信するように構成された第1の基地局の方法であって、
前記端末装置から、少なくとも1つのビームを使用して前記第2の基地局によって送信された信号の測定の結果を示す第1の情報を受信し、
RRCメッセージを前記端末装置へ送信し、
前記RRCメッセージはビームに関連する第2の情報を
含み、
前記第2の情報は、前記端末装置がランダムアクセスプリアンブル信号を前記第2の基地局へ送信するために用いられる、
第1の基地局の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビームフォーミングに関連する装置、方法、システム、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルネットワークの飛躍的な容量拡大を実現するために、現在用いられている数百メガヘルツバンド及び数ギガヘルツバンドの周波数帯域に加え、さらに高い数十ギガヘルツバンドの周波数帯域が利用され得る。特に第5世代(5G)では、そのようなバンドを活用するために、大量のアンテナを用いて鋭い指向性ビームを形成することにより信号をユーザに伝送することが検討されている。
【0003】
より高い周波数帯域では、大きな伝搬損失を補償するために、システム情報及びページング情報だけでなく、共通パイロット信号又はリファレンス信号等も含む、全てのダウンリンク信号/ダウンリンクチャネルが、ビームフォーミングを用いて送信されることも考えられる。同様に、アップリンクについても、伝搬損失の補償のために、全てのアップリンク信号/アップリンクチャネルがビームフォーミングを用いて受信されることも考えられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、端末装置のハンドオーバのソース基地局からターゲット基地局へ送信されるハンドオーバ要求メッセージの中にダウンリンクビームID及びアップリンクビームIDを含ませる技術が、開示されている。さらに、特許文献1によれば、ダウンリンクビームIDは、ハンドオーバ後に端末装置へのデータを送信するためのダウンリンクビームを指示するために使用され、アップリンクビームIDは、ハンドオーバ後に端末装置からのデータを受信するためのアップリンクビームを指示するために使用される。これにより、ハンドオーバの際にビームを選択するための動作を省略することが可能になり、ハンドオーバの遅延が小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された技術によれば、ハンドオーバ後のデータの送受信では伝搬損失が補償されるが、ハンドオーバにおける端末装置とターゲット基地局との間での制御信号の送受信では伝搬損失は補償されない。特に、端末装置のアクセス信号(例えばランダムアクセスにおけるアップリンク信号)が、大きな伝搬損失に起因してターゲット基地局において受信できなくなり得る。その結果、ハンドオーバの失敗率が上がる可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、ハンドオーバが成功する可能性をより高くすることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の装置は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する第1通信処理部と、端末装置のハンドオーバのソース基地局からハンドオーバメッセージを受信する第2通信処理部と、を備える。上記ハンドオーバメッセージは、ビームに関するビーム関連情報を含む。上記第1通信処理部は、上記ビーム関連情報に基づいて、上記端末装置のアクセス信号を受信する。
【0009】
本発明の第2の装置は、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての上記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信する第1通信処理部と、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、上記基地局へ送信する第2通信処理部と、を備える。上記第2のビーム関連情報は、上記基地局が上記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である。
【0010】
本発明の第3の装置は、第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信する受信処理部と、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、上記第1の基地局についての上記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信する送信処理部と、を備える。上記第1のビーム関連情報は、上記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する。
【0011】
本発明の第1の方法は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信することと、ビームに関するビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、端末装置のハンドオーバのソース基地局から受信することと、上記ビーム関連情報に基づいて、上記端末装置のアクセス信号を受信することと、を含む。
【0012】
本発明の第2の方法は、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての上記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信することと、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、上記基地局へ送信することと、を含む。上記第2のビーム関連情報は、上記基地局が上記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である。
【0013】
本発明の第3の方法は、第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信することと、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、上記第1の基地局についての上記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信することと、
を含む。上記第1のビーム関連情報は、上記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する。
【0014】
本発明のシステムは、第1の基地局と、第2の基地局と、端末装置と、を含む。上記第1の基地局は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する。上記端末装置は、上記リファレンス信号を受信し、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、上記第1の基地局についての上記第1のビーム関連情報を、上記第2の基地局へ送信する。上記第2の基地局は、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、上記第1の基地局へ送信する。上記第1の基地局は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、上記端末装置のアクセス信号を受信する。
【0015】
本発明の第1のプログラムは、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信することと、ビームに関するビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、端末装置のハンドオーバのソース基地局から受信することと、上記ビーム関連情報に基づいて、上記端末装置のアクセス信号を受信することと、をプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0016】
本発明の第2のプログラムは、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての上記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信することと、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、上記基地局へ送信することと、をプロセッサに実行させるためのプログラムである。上記第2のビーム関連情報は、上記基地局が上記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である。
【0017】
本発明の第3のプログラムは、第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信することと、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、上記第1の基地局についての上記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信することと、をプロセッサに実行させるためのプログラムである。上記第1のビーム関連情報は、上記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する。
【0018】
本発明の第1の記録媒体は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信することと、ビームに関するビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、端末装置のハンドオーバのソース基地局から受信することと、上記ビーム関連情報に基づいて、上記端末装置のアクセス信号を受信することと、をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体である。
【0019】
本発明の第2の記録媒体は、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての上記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信することと、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、上記基地局へ送信することと、をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体である。上記第2のビーム関連情報は、上記基地局が上記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である。
【0020】
本発明の第3の記録媒体は、第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信することと、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、上記第1の基地局についての上記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体である。上記第1のビーム関連情報は、上記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ハンドオーバが成功する可能性をより高くすることが可能になる。なお、本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1の実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
【
図2】第1の実施形態の第1の基地局の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態の第2の基地局の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態の端末装置の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図5】リファレンス信号が送信される複数のビームの一例を説明するための説明図である。
【
図6】リファレンス信号の送信に用いられる無線リソース(時間リソース)の一例を説明するための説明図である。
【
図7】端末装置の測定報告の例を説明するための説明図である。
【
図8】第1の実施形態に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】リソース情報により示される無線リソースの例を説明するための説明図である。
【
図10】第1の実施形態の第1の変形例の処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図11】第1の実施形態の第2の変形例の処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図12】第2の実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
【
図13】第2の実施形態の第1の基地局の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図14】第2の実施形態の第2の基地局の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図15】第2の実施形態の端末装置の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【
図16】第2の実施形態の処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0024】
説明は、以下の順序で行われる。
1.本発明の実施形態の概要
2.第1の実施形態
2.1.システムの構成
2.2.基地局100の構成
2.3.基地局200の構成
2.4.端末装置300の構成
2.5.技術的特徴
2.6.変形例
3.第2の実施形態
3.1.システムの構成
3.2.基地局500の構成
3.3.基地局600の構成
3.4.端末装置700の構成
3.5.技術的特徴
【0025】
<<1.本発明の実施形態の概要>>
まず、本発明の実施形態の概要を説明する。
【0026】
(1)技術的課題
モバイルネットワークの飛躍的な容量拡大を実現するために、現在用いられている数百メガヘルツバンド及び数ギガヘルツバンドの周波数帯域に加え、さらに高い数十ギガヘルツバンドの周波数帯域が利用され得る。特に第5世代(5G)では、そのようなバンドを活用するために、大量のアンテナを用いて鋭い指向性ビームを形成することにより信号をユーザに伝送することが検討されている。
【0027】
より高い周波数帯域では、大きな伝搬損失を補償するために、システム情報及びページング情報だけでなく、共通パイロット信号又はリファレンス信号等も含む、全てのダウンリンク信号/ダウンリンクチャネルが、ビームフォーミングを用いて送信されることも考えられる。同様に、アップリンクについても、伝搬損失の補償のために、全てのアップリンク信号/アップリンクチャネルがビームフォーミングを用いて受信されることも考えられる。
【0028】
例えば、特許文献(特表2014-531852号公報)には、端末装置のハンドオーバのソース基地局からターゲット基地局へ送信されるハンドオーバ要求メッセージの中にダウンリンクビームID及びアップリンクビームIDを含ませる技術が、開示されている。さらに、上記特許文献によれば、ダウンリンクビームIDは、ハンドオーバ後に端末装置へのデータを送信するためのダウンリンクビームを指示するために使用され、アップリンクビームIDは、ハンドオーバ後に端末装置からのデータを受信するためのアップリンクビームを指示するために使用される。これにより、ハンドオーバの際にビームを選択するための動作を省略することが可能になり、ハンドオーバの遅延が小さくなる。
【0029】
しかし、上記特許文献に開示された技術によれば、ハンドオーバ後のデータの送受信では伝搬損失が補償されるが、ハンドオーバにおける端末装置とターゲット基地局との間での制御信号の送受信では伝搬損失は補償されない。特に、端末装置のアクセス信号(例えばランダムアクセスにおけるアップリンク信号)が、大きな伝搬損失に起因してターゲット基地局において受信できなくなり得る。その結果、ハンドオーバの失敗率が上がる可能性がある。
【0030】
そこで、ハンドオーバが成功する可能性をより高くすることを可能にすることが望ましい。
【0031】
(2)技術的特徴
本発明の実施形態では、例えば、第1の基地局(端末装置の周辺に位置する基地局)は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信し、上記端末装置は、当該リファレンス信号の測定を行う。さらに、上記端末装置は、上記第1の基地局についての第1のビーム関連情報(及び測定結果)を、第2の基地局(上記端末装置のサービング基地局)へ送信する。例えば、上記第1のビーム関連情報は、ビームフォーミング重みの複数のセットのうちの1つ(例えば好ましいビームフォーミング重み)を示す。
【0032】
その後、上記第2の基地局(ソース基地局)から上記第1の基地局(ターゲット基地局)への上記端末装置のハンドオーバが行われる。この場合に、上記第2の基地局(ソース基地局)は、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報(例えば、上記第1のビーム関連情報と同じ情報)を含むハンドオーバメッセージ(例えば、ハンドオーバ要求メッセージ)を、上記第1の基地局(ターゲット基地局)へ送信する。
【0033】
とりわけ、本発明の実施形態では、上記第1の基地局は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、上記端末装置のアクセス信号を受信する。例えば、上記第1の基地局は、上記好ましいビームフォーミング重みを用いて、上記アクセス信号を受信する。
【0034】
これにより、例えば、アクセス信号の伝搬損失を補償することが可能になる。そのため、ハンドオーバが成功する可能性がより高くなり得る。
【0035】
なお、上述した技術的特徴は本発明の実施形態の具体的な一例であり、当然ながら、本発明の実施形態は上述した技術的特徴に限定されない。
【0036】
<<2.第1の実施形態>>
続いて、
図1~
図11を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0037】
<2.1.システムの構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係るシステム1の構成の例を説明する。
図1は、第1の実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。
図1を参照すると、システム1は、基地局100、基地局200及び端末装置300を含む。
【0038】
例えば、システム1は、3GPP(Third Generation Partnership Project)の規格(standard)に準拠したシステムであってもよい。より具体的には、例えば、システム1は、第5世代(5G)の規格に準拠したシステムであってもよい。
【0039】
(1)基地局100
基地局100は、セル10(又はカバレッジエリア10)内に位置する端末装置との無線通信を行う。第1の実施形態では、基地局100は、ビームフォーミングを用いて無線通信を行う。
【0040】
とりわけ第1の実施形態では、基地局100は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号(Reference Signal:RS)(=参照信号/基準信号)を送信する。当該リファレンス信号は、受信強度及び/又は受信品質等の測定(measurements)のための信号であり、例えばLTE(Long Term Evolution)におけるCRS(Cell-specific Reference Signal)又はCSI-RS(Channel State Information Reference Signal)に相当する。上記リファレンス信号も、LTEと同様に、CRS又はCSI-RSと呼ばれてもよく、又は他の名称(例えば、「XXXリファレンス信号」(XXXは任意の言葉)、「パイロット信号」、若しくは、全く異なる他の信号名)で呼ばれてもよい。基地局100は、ビームフォーミングを用いて全ての種類のリファレンス信号(例えば、CRS、CSI-RS、端末個別(UE-specific)RS、及び/又はMBSFN(Multicast/Broadcast over a Single Frequency Network) RS等)を送信してもよい。あるいは、基地局100は、ビームフォーミングを用いて一部の種類のリファレンス信号を送信し、ビームフォーミングを用いずに残りの種類のリファレンス信号を送信してもよい。
【0041】
基地局100は、データ及び上記リファレンス信号だけではなく、その他のダウンリンク信号/ダウンリンクチャネル(一例として、全ての信号/チャネル)を、ビームフォーミングを用いて送信してもよい。
【0042】
なお、基地局100は、端末装置との無線通信を行うノードであり、換言するとRAN(Radio Access Network)のノードである。例えば、基地局100は、NodeB、H-NodeB(Home Node B)、eNodeB(evolved Node B)若しくはH-eNodeB(Home evolved Node B)であってもよく、又は、5GにおけるgNodeB(generation Node B)であってもよい。基地局100は、複数のユニット(又は複数のノード)を含んでもよい。当該複数のユニット(又は複数のノード)は、下位のプロトコルレイヤの処理を行う第1ユニット(又は第1ノード)と、上位のプロトコルレイヤの処理を行う第2ユニット(又は第2ノード)とを含んでもよい。一例として、上記第1のユニットは、分散ユニット(Distributed Unit:DU)又はアクセスユニット(Access Unit:AU)と呼ばれてもよく、上記第2のユニットは、中央ユニット(Center/Central Unit:CU)と呼ばれてもよい。別の例として、上記第1のユニットは、無線ユニット(Radio Unit:RU)又はリモートユニット(Remote Unit:RU)と呼ばれてもよく、上記第2のユニットは、デジタルユニット(Digital Unit:DU)と呼ばれてもよい。当該RUは、RRH(Remote Radio Head)又はRRU(Remote Radio Unit)であってもよく、当該DUは、BBU(Base Band Unit)であってもよい。当然ながら、上記第1のユニット(又は第1のノード)及び上記第2のユニット(又は第2のノード)の呼称は、この例に限定されない。あるいは、基地局100は、単一のユニット(又は単一のノード)であってもよい。この場合に、基地局100は、上記複数のユニットのうちの1つ(例えば、上記第1のユニット及び上記第2のユニットの一方)であってもよく、上記複数のユニットのうちの他のユニット(例えば、上記第1のユニット及び上記第2のユニットの他方)と接続されていてもよい。
【0043】
(2)基地局200
基地局200は、セル20(又はカバレッジエリア20)内に位置する端末装置との無線通信を行う。
【0044】
第1の実施形態では、例えば、基地局200は、基地局100と同様に、ビームフォーミングを用いて端末装置との無線通信を行う。あるいは、基地局200は、基地局100とは異なる態様で、ビームフォーミングを用いて端末装置との無線通信を行ってもよく、又は、ビームフォーミングを用いずに端末装置との無線通信を行ってもよい。
【0045】
なお、基地局200も、基地局100と同様に、端末装置との無線通信を行うノードであり、換言するとRANのノードである。
【0046】
(3)端末装置300
端末装置300は、基地局との無線通信を行う。例えば、端末装置300は、セル10内に位置する場合に、基地局100との無線通信を行い、セル20内に位置する場合に、基地局200との無線通信を行う。
【0047】
とりわけ第1の実施形態では、(例えば端末装置300の移動に起因して)基地局200から基地局100への端末装置300のハンドオーバが行われる。この場合に、基地局200は、上記ハンドオーバのソース基地局であり、基地局100は、上記ハンドオーバのターゲット基地局である。
【0048】
<2.2.基地局100の構成>
次に、
図2を参照して、第1の実施形態の基地局100の構成の例を説明する。
図2は、第1の実施形態の基地局100の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図2を参照すると、基地局100は、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130及び処理部140を備える。
【0049】
(1)無線通信部110
無線通信部110は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部110は、端末装置からの信号を受信し、端末装置への信号を送信する。
【0050】
(2)ネットワーク通信部120
ネットワーク通信部120は、バックホールから信号を受信し、バックホールへ信号を送信する。
【0051】
(3)記憶部130
記憶部130は、基地局100の動作のためのプログラム及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。
【0052】
(4)処理部140
処理部140は、基地局100の様々な機能を提供する。処理部140は、第1通信処理部141及び第2通信処理部143を含む。なお、処理部140は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部140は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。第1通信処理部141及び第2通信処理部143の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0053】
例えば、処理部140(第1通信処理部141)は、無線通信部110を介して端末装置(例えば、端末装置300)と通信する。例えば、処理部140(第2通信処理部143)は、ネットワーク通信部120を介して他のネットワークノード(例えば、基地局200)と通信する。
【0054】
(5)実装例
無線通信部110は、アンテナ及び高周波(Radio Frequency:RF)回路等により実装されてもよく、当該アンテナは、指向性アンテナであってもよい。ネットワーク通信部120は、ネットワークアダプタ又はネットワークインタフェースカード等により実装されてもよい。記憶部130は、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスク等により実装されてもよい。処理部140は、ベースバンド(Baseband:BB)プロセッサ及び/又は他のプロセッサ等により実装されてもよい。第1通信処理部141及び第2通信処理部143は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリ(記憶部130)は、このようなプロセッサ(チップ)内に含まれてもよい。
【0055】
基地局100は、プログラムを記憶するメモリと、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよく、当該1つ以上のプロセッサは、処理部140(第1通信処理部141及び第2通信処理部143)の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部140(第1通信処理部141及び第2通信処理部143)の動作を上記1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0056】
<2.3.基地局200の構成>
次に、
図3を参照して、第1の実施形態の基地局200の構成の例を説明する。
図3は、第1の実施形態の基地局200の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図3を参照すると、基地局200は、無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び処理部240を備える。
【0057】
(1)無線通信部210
無線通信部210は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部210は、端末装置からの信号を受信し、端末装置への信号を送信する。
【0058】
(2)ネットワーク通信部220
ネットワーク通信部220は、バックホールから信号を受信し、バックホールへ信号を送信する。
【0059】
(3)記憶部230
記憶部230は、基地局200の動作のためのプログラム及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。
【0060】
(4)処理部240
処理部240は、基地局200の様々な機能を提供する。処理部240は、第1通信処理部241及び第2通信処理部243を含む。なお、処理部240は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部240は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。第1通信処理部241及び第2通信処理部243の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0061】
例えば、処理部240(第1通信処理部241)は、無線通信部210を介して端末装置(例えば、端末装置300)と通信する。例えば、処理部240(第2通信処理部243)は、ネットワーク通信部220を介して他のネットワークノード(例えば、基地局100)と通信する。
【0062】
(5)実装例
無線通信部210は、アンテナ及び高周波(RF)回路等により実装されてもよく、当該アンテナは、指向性アンテナであってもよい。ネットワーク通信部220は、ネットワークアダプタ又はネットワークインタフェースカード等により実装されてもよい。記憶部230は、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスク等により実装されてもよい。処理部240は、ベースバンド(BB)プロセッサ及び/又は他のプロセッサ等により実装されてもよい。第1通信処理部241及び第2通信処理部243は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリ(記憶部230)は、このようなプロセッサ(チップ)内に含まれてもよい。
【0063】
基地局200は、プログラムを記憶するメモリと、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよく、当該1つ以上のプロセッサは、処理部240(第1通信処理部241及び第2通信処理部243)の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部240(第1通信処理部241及び第2通信処理部243)の動作を上記1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0064】
<2.4.端末装置300の構成>
次に、
図4を参照して、第1の実施形態の端末装置300の構成の例を説明する。
図4は、第1の実施形態の端末装置300の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図4を参照すると、端末装置300は、無線通信部310、記憶部320及び処理部330を備える。
【0065】
(1)無線通信部310
無線通信部310は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部310は、基地局からの信号を受信し、基地局への信号を送信する。
【0066】
(2)記憶部320
記憶部320は、端末装置300の動作のためのプログラム及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。
【0067】
(3)処理部330
処理部330は、端末装置300の様々な機能を提供する。処理部330は、受信処理部331及び送信処理部333を含む。なお、処理部330は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部330は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。受信処理部331及び送信処理部333の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0068】
例えば、処理部330は、無線通信部310を介して基地局(例えば、基地局100及び/又は基地局200)と通信する。
【0069】
(4)実装例
無線通信部310は、アンテナ及び高周波(RF)回路等により実装されてもよい。記憶部320は、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスク等により実装されてもよい。処理部330は、ベースバンド(BB)プロセッサ及び/又は他のプロセッサ等により実装されてもよい。受信処理部331及び送信処理部333は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリ(記憶部320)は、このようなプロセッサ(チップ)内に含まれてもよい。
【0070】
端末装置300は、プログラムを記憶するメモリと、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよく、当該1つ以上のプロセッサは、処理部330(受信処理部331及び送信処理部333)の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部330(受信処理部331及び送信処理部333)の動作を上記1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0071】
<2.5.技術的特徴>
次に、
図5~
図8を参照して、第1の実施形態の技術的特徴を説明する。
【0072】
第1の実施形態では、基地局100(第1通信処理部141)は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する。端末装置300(受信処理部331)は、当該リファレンス信号を受信する。例えば、基地局100は、端末装置300にとっての周辺基地局であり、端末装置300にとってのサービング基地局は、基地局200である。
【0073】
また、端末装置300(送信処理部333)は、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、基地局100についての当該第1のビーム関連情報を、基地局200へ送信し、基地局200(第1通信処理部241)は、当該第1のビーム関連情報を端末装置300から受信する。
【0074】
さらに、基地局200(ソース基地局)から基地局100(ターゲット)への端末装置300のハンドオーバが行われる。基地局200(第2通信処理部243)は、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージ(例えば、ハンドオーバ要求メッセージ)を、基地局100へ送信し、基地局100(第2通信処理部143)は、基地局200から当該ハンドオーバメッセージを受信する。
【0075】
とりわけ第1の実施形態では、基地局100(第1通信処理部141)は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、端末装置300のアクセス信号を受信する。
【0076】
(1)リファレンス信号の送信
-複数のビーム
例えば、基地局100(第1通信処理部141)は、複数のビームによりリファレンス信号を送信する。当該複数のビームは、基地局100が信号を送信するビーム(又は基地局100が信号を送信するために形成するビーム)とも言える。上記複数のビームは、互いに異なる方向を向いたビームである。ここでのビームとは、指向性ビームを意味し、例えば、ビームフォーミング重み(beamforming weights)のセットを信号に乗算し、指向性アンテナを用いて乗算後の信号を送信することにより、形成される。以下、
図5を参照して、当該複数のビームの具体例を説明する。
【0077】
図5は、リファレンス信号が送信される複数のビームの一例を説明するための説明図である。
図5を参照すると、基地局100、セル10及び16個のビーム11(ビーム11A~11P)が示されている。例えばこのように、基地局100は、16個のビーム11によりリファレンス信号を送信する。一例として、各ビームは、ビームインデックス(又は重みインデックス)により識別される。例えば、ビーム11Aは、#0というインデックスにより識別され、ビーム11Jは、#9というインデックスにより識別される。
【0078】
-無線リソース
例えば、基地局100(第1通信処理部141)は、ビームごとに異なる無線リソースを用いて、上記複数のビームによりリファレンス信号を送信する。
【0079】
第1の例として、上記無線リソースは、時間リソースである。即ち、基地局100は、ビームごとに異なる時間リソースを用いて、上記複数のビームによりリファレンス信号を送信する。
【0080】
図6は、リファレンス信号の送信に用いられる無線リソース(時間リソース)の一例を説明するための説明図である。
図6を参照すると、時間方向に並ぶ16個のタイムスロット(タイムスロット#0~#15)が示されている。この例では、16個のタイムスロットを含むビームサーチ期間30内で、16個のビームによりリファレンス信号が送信される。例えば、タイムスロット#0内では、ビーム#0(ビーム11A)によりリファレンス信号が送信され、タイムスロット#1内では、ビーム#1(ビーム11B)によりリファレンス信号が送信される。同様に、タイムスロット#9内では、ビーム#9(ビーム11J)によりリファレンス信号が送信される。この例では、ビームによりリファレンス信号が送信されるタイムスロットが連続しているが、当該タイムスロットは連続していなくてもよく離散していてもよい。なお、ここでのタイムスロットは、サブフレームと呼ばれてもよく、又は単にスロットと呼ばれてもよい。
【0081】
第2の例として、上記無線リソースは、周波数リソースであってもよい。即ち、基地局100は、ビームごとに異なる周波数リソースを用いて、上記複数のビームによりリファレンス信号を送信してもよい。例えば、基地局100は、周波数帯域内の第1の帯域(例えば1以上のリソースブロック幅をもつ帯域)内では、ビーム#0(ビーム11A)によりリファレンス信号を送信し、当該周波数帯域内の第2の帯域内では、ビーム#1(ビーム11B)によりリファレンス信号を送信してもよい。あるいは、基地局100は、周波数帯域に含まれるブロック帯域(例えばリソースブロック幅の帯域)内の第1のキャリア(例えば1つ以上のサブキャリア)を用いて、ビーム#0(ビーム11A)によりリファレンス信号を送信し、当該ブロック帯域内の第2のキャリアを用いて、ビーム#1(ビーム11B)によりリファレンス信号を送信してもよい。
【0082】
第3の例として、上記無線リソースは、時間周波数リソースであってもよい。即ち、基地局100は、ビームごとに異なる時間周波数リソースを用いて、上記複数のビームによりリファレンス信号を送信してもよい。例えば、基地局100は、第1の時間周波数リソース(例えば1つ以上のリソースエレメント)を用いて、ビーム#0(ビーム11A)によりリファレンス信号を送信し、第2の時間周波数リソースを用いて、ビーム#1(ビーム11B)によりリファレンス信号を送信してもよい。
【0083】
これにより、例えば、基地局100がビームに共通のリファレンス信号を送信する場合でも、リファレンス信号の送信に用いられるビームを端末装置が識別することが可能になる。
【0084】
ビームと無線リソースとの関係は、(例えば規格において)固定的に定められていてもよく、あるいはオペレータ又はネットワークにより構成(configure)されてもよい。
【0085】
なお、基地局100(第1通信処理部141)は、ビームごとに異なる無線リソースを用いる代わりに、ビームごとに異なるリファレンス信号を送信してもよい。これにより、リファレンス信号の送信に用いられるビームが端末装置により識別され得る。
【0086】
(2)測定報告(measurement report)
例えば、端末装置300(受信処理部331)は、基地局100によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号の測定(measurements)を行う。
【0087】
例えば、端末装置300(送信処理部333)は、測定報告を基地局200へ送信する。当該測定報告は、基地局100によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号の測定結果を含む。とりわけ、当該測定報告は、さらに上記第1のビーム関連情報を含む。
【0088】
より具体的には、例えば、端末装置300は、各ビームにより送信されるリファレンス信号の測定を行い、最良の測定結果(例えば、最高の受信電力又は受信品質)を伴うビームを選択する。換言すると、端末装置300は、好ましいビームフォーミング重み(preferred beamforming weight)を選択する。そして、端末装置300は、選択された当該ビームに関する第1のビーム関連情報と上記最良の測定結果とを含む測定報告を、基地局200へ送信する。
【0089】
図7は、端末装置300の測定報告の例を説明するための説明図である。
図7を参照すると、基地局100及び端末装置300が示されている。例えば、端末装置300は、各ビームにより送信されるリファレンス信号の測定を行い、最良の測定結果を伴うビーム#9(ビーム11J)を選択する。そして、端末装置300は、ビーム#9(ビーム11J)に関する第1のビーム関連情報(例えば、#9というビームインデックス/重みインデックス)と上記最良の測定結果とを含む測定報告を、基地局200へ送信する。
【0090】
これにより、例えば、基地局200は測定報告を通じて基地局100についての第1のビーム関連情報を取得することが可能になる。
【0091】
(3)ハンドオーバメッセージ
上述したように、基地局200(ソース基地局)は、上記第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを基地局100(ターゲット基地局)へ送信する。当該ハンドオーバメッセージは、基地局200から基地局100へ直接的に送信されてもよく(例えばX2ハンドオーバのケース)、又は、コアネットワークを介して基地局200から基地局100へ送信されてもよい(例えばS1ハンドオーバのケース)。
【0092】
例えば、上記ハンドオーバメッセージは、ハンドオーバ要求(HANDOVER REQUEST)メッセージである。以降、上記ハンドオーバメッセージがハンドオーバ要求メッセージであるものとして、第1の実施形態の例を説明する。しかしながら、第1の実施形態では、ハンドオーバ要求メッセージに限られず、ハンドオーバ手続きにおいてソース基地局からターゲット基地局へ送信される他のメッセージが使用されてもよい。
【0093】
(4)ビーム関連情報
-第1のビーム関連情報と第2のビーム関連情報との関係
上述したように、上記第2のビーム関連情報は、上記第1のビーム関連情報に対応する。
【0094】
例えば、上記第2のビーム関連情報は、上記第1のビーム関連情報と同一の情報である。即ち、基地局200は、端末装置300から受信した上記第1のビーム関連情報と同一の第2のビーム関連情報をハンドオーバ要求メッセージに含め、当該ハンドオーバ要求メッセージを基地局100へ送信する。
【0095】
あるいは、上記第2のビーム関連情報は、上記第1のビーム関連情報とは異なる情報であってもよい。例えば、基地局200は、上記第1のビーム関連情報を上記第2のビーム関連情報に変換し、当該第2のビーム関連情報を含むハンドオーバ要求メッセージを基地局100へ送信してもよい。
【0096】
-ビーム関連情報の例
上記ビーム関連情報(上記第1のビーム関連情報及び上記第2のビーム関連情報)は、ビームに関する情報である。ビームは、ビームフォーミング重み(ビームフォーミング重みのセット)を用いて形成されるので、ビームと、ビームフォーミング重みのセットとは、1対1で互いに対応し得る。そのため、上記ビーム関連情報は、ビームフォーミング重みに関する情報(例えば、重み関連情報)とも言える。
【0097】
上記ビーム関連情報は、基地局100についての情報である。例えば、上記ビーム関連情報は、基地局100のビーム(基地局100が信号の送信に用いるビーム)に関する情報である。
【0098】
例えば、上記ビーム関連情報は、複数のビームのうちの1つに関する情報である。具体的には、例えば、上記ビーム関連情報は、上記複数のビームのうちの1つを示す情報であり、換言すると、上記複数のビームのうちの1つの識別を可能にする情報(例えばビーム識別情報)である。一例として、上記ビーム関連情報は、ビームインデックスである。あるいは、上記ビーム関連情報は、ビームフォーミング重みの複数のセットのうちの1つを示す情報であってもよく、換言すると、上記複数のセットのうちの1つの識別を可能にする情報(例えば重み識別情報)であってもよい。一例として、上記ビーム関連情報は、重みインデックスであってもよい。ビームは、ビームフォーミング重みのセットを用いて形成されるので、ビームと、ビームフォーミング重みのセットとは、1対1で互いに対応し得る。そのため、上記ビーム関連情報は、上記複数のビームのうちの1つを示す情報(ビームインデックス)であり、且つ、上記複数のセットのうちの1つを示す上記情報(重みインデックス)であってもよい。即ち、ビームインデックスと重みインデックスとは、呼び方が異なるが、同一のインデックスであってもよい。当然ながら、上記ビーム関連情報は、ビーム又はビームフォーミング重みのセットの識別を可能にする他の名称の情報(ビームID、重みID、ビームフォーミングインデックス、又はビームフォーミングID等)であってもよい。
【0099】
(5)アクセス信号の受信
とりわけ第1の実施形態では、基地局100(第1通信処理部141)は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、端末装置300のアクセス信号を受信する。
【0100】
例えば、基地局100(第1通信処理部141)は、上記第2のビーム関連情報に対応する、ビームフォーミング重みのセットを用いて、上記アクセス信号を受信する。具体的には、例えば、上記第2のビーム関連情報は、ビームインデックス又は重みインデックスであり、基地局100は、ビームインデックス又は重みインデックスからビームフォーミング重みのセットを識別する。そして、基地局100は、当該ビームフォーミング重みのセットを用いて、上記アクセス信号を受信する。即ち、基地局100は、上記アクセス信号に上記ビームフォーミング重みのセットを乗算することにより、アップリンクのビームフォーミング処理を行う。
【0101】
上記アクセス信号は、アイドル状態(例えば、RRC_Idle)からアクティブ状態又は接続状態(例えば、RRC_Connected)に遷移するためのイニシャルアクセス、又はハンドオーバ実行時のターゲットセルへのアクセスに使用されるアップリンク信号であってもよい。あるいは、上記アクセス信号は、無線接続の回復(recovery)のための無線接続の再確立(RRC Connection Re-establishment)におけるアップリンク信号でもよい。上記アップリンク信号は、ランダムアクセス信号(例えば、ランダムアクセスプリアンブル信号)、アップリンクデータチャネル(例えば、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel))において送信される制御信号、又は、アップリンク制御チャネル(例えば、PUCCH(Physical Uplink Control Channel))において送信される制御信号であってもよい。第1の実施形態のシステム1では、特許文献(特表2014-531852号公報)に開示されている技術とは異なり、端末装置300は、(レンジング及びその応答により)基地局100との通信を予め行わず、アクセス信号により基地局100との通信を開始する。そのため、アクセス信号の受信の成功が非常に重要である。
【0102】
このように、上記第2のビーム関連情報を用いてアクセス信号の受信を行うことにより、例えば、当該信号の伝搬損失が補償され、その結果、当該アクセス信号の受信が成功する可能性が高くなる。そのため、ハンドオーバが成功する可能性がより高くなり得る。
【0103】
なお、例えば、アップリンク用のビームフォーミング重みのセットは、ダウンリンク用のビームフォーミング重みのセットと同一である。あるいは、アップリンク用のビームフォーミング重みのセットは、ダウンリンク用のビームフォーミング重みのセットとは異なってもよい。
【0104】
(6)処理の流れ
図8を参照して、第1の実施形態に係る処理の例を説明する。
図8は、第1の実施形態に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【0105】
端末装置300は、基地局100によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号の測定を行い、好ましいビームフォーミング重みを選択する。そして、端末装置300は、当該好ましいビームフォーミング重みを示す重みインデックスを含む測定報告を基地局200(サービング基地局)へ送信する(S401)。当該測定報告は、上記リファレンス信号の測定結果を含む。
【0106】
その後、基地局200(ソース基地局)から基地局100(ターゲット基地局)への端末装置300のハンドオーバが決定され、基地局200は、上記好ましいビームフォーミング重みを示す重みインデックスを含むハンドオーバ要求メッセージを、基地局100へ送信する(S403)。
【0107】
基地局100は、上記ハンドオーバ要求メッセージに含まれる上記重みインデックスを取得し、ハンドオーバの指示に相当するRRCレイヤのハンドオーバコマンド(HandoverCommand)メッセージを含むハンドオーバ要求確認応答(HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE)メッセージ を基地局200へ送信する(S405)。
【0108】
基地局200は、当該ハンドオーバコマンド(HandoverCommand)メッセージを含むRRC信号(例えば、RRCConnectionReconfiguration message)を端末装置300へ送信する(S407)。
【0109】
端末装置300は、アクセス信号を基地局100へ送信する(S409)。基地局100は、上記重みインデックスに基づいて、当該アクセス信号を受信する。即ち、基地局100は、上記重みインデックスにより示されるビームフォーミング重みを用いて、上記アクセス信号を受信する。
【0110】
なお、上述した処理の流れの例は、あくまで概略的なものであり、当然ながら、第1の実施形態では、上述したステップS401~S409以外の送受信も行われ得る。
【0111】
(7)「送信する」の意味
ここでの「送信する」とは、例えば、複数のプロトコルレイヤのうちの少なくとも1つのプロトコルレイヤにおける送信処理を行うことを意味し、有線又は無線で信号を出力することを意味しない。同様に、ここでの「受信する」とは、例えば、複数のプロトコルレイヤのうちの少なくとも1つのプロトコルレイヤにおける受信処理を行うことを意味する。一例として、当該複数のプロトコルレイヤは、物理レイヤ、MAC(Media Access Control)レイヤ、RLC(Radio Link Control)レイヤ、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ及びRRC(Radio Resource Control)レイヤである。別の例として、上記複数のプロトコルレイヤは、物理レイヤ、MACレイヤ、IP(Internet Protocol)レイヤ及びトランスポートレイヤである。
【0112】
また、ここでの「XをYへ送信する」とは、XをYへ直接的に送信することに限られず、XをYへ間接的に送信すること(即ち、Xを他のノードへ送信し、当該他のノードによる転送を経てXがYへ送信されること)を含む。同様に、ここでの「XをYから受信する」とは、XをYから直接的に受信することに限られず、XをYから間接的に受信すること(即ち、Yにより送信されたXを他のノードによる転送を経て受信すること)を含む。
【0113】
<2.6.変形例>
次に、
図9~
図11を参照して、第1の実施形態の変形例を説明する。
【0114】
(1)第1の変形例
-リソース情報
第1の実施形態の第1の変形例では、例えば、基地局100(第2通信処理部143)は、上記アクセス信号を送信するための無線リソースを示すリソース情報を基地局200へ送信し、基地局200(第2通信処理部243)は、当該リソース情報を受信する。
【0115】
そして、基地局200(第1通信処理部241)は、上記リソース情報を端末装置300へ送信し、端末装置300(受信処理部331)は、上記リソース情報を受信する。
【0116】
その後、端末装置300(送信処理部333)は、上記リソース情報に基づいて、アクセス信号を基地局100へ送信する。即ち、端末装置300(送信処理部333)は、上記リソース情報により示される無線リソースを用いて、アクセス信号を基地局100へ送信する。基地局100は、(上記第2のビーム関連情報に基づいて)当該無線リソースを用いて送信される上記アクセス信号を受信する。
【0117】
これにより、例えば、基地局100は、端末装置300のアクセス信号をより容易に受信することが可能になる。
【0118】
上記リソース情報は、専用ランダムアクセスチャネルリソース情報(Dedicated RACH Resource Information)と呼ばれてもよい。
【0119】
-無線リソース
例えば、上記無線リソースは、上記第2のビーム関連情報に対応するビーム又はビームフォーミング重みのセットのための無線リソースである。
【0120】
より具体的には、例えば、ビームごと又はビームフォーミング重みのセットごとに、アクセス用の無線リソースが用意される。例えば、上記第2のビーム関連情報は、ビーム又はビームフォーミング重みのセットを示し、上記リソース情報により示される上記無線リソースは、当該ビーム又は当該ビームフォーミング重みのセットのための無線リソースである。
【0121】
図9は、リソース情報により示される無線リソースの例を説明するための説明図である。
図9を参照すると、各無線フレーム(Radio Frame)に含まれるNタイムスロットが示されている。この例では、各タイムスロットに、アクセス用の無線リソースが用意されている。例えば、タイムスロット#0は、ビーム#0のアクセス用の無線リソースである。この場合に、基地局100は、タイムスロット#0では、ビームインデックス(又は重みインデックス)#0により識別されるビームフォーミング重みのセットを用いて、アクセス信号を受信する。例えば、タイムスロット#N-1は、ビーム#15のアクセス用の無線リソースである。この場合に、基地局100は、タイムスロット#N-1では、ビームインデックス(又は重みインデックス)#15により識別されるビームフォーミング重みのセットを用いて、アクセス信号を受信する。
【0122】
これにより、例えば、基地局100は、端末装置300のアクセス信号をさらに容易に受信することが可能になる。なぜならば、基地局100は、アクセス信号の受信において、様々なビームフォーミング重みのセットを用いる必要はなく、特定のビームフォーミング重みのセットのみを用いればよいからである。
【0123】
-再送周期情報
例えば、基地局100(第2通信処理部143)は、上記リソース情報とともに、上記アクセス信号の再送周期を示す再送周期情報を基地局200へ送信し、基地局200(第2通信処理部243)は、当該再送周期情報を受信する。
【0124】
そして、基地局200(第1通信処理部241)は、上記再送周期情報を端末装置300へ送信し、端末装置300(受信処理部331)は、上記再送周期情報を受信する。
【0125】
その後、端末装置300(送信処理部333)は、上記再送周期情報に基づいて、アクセス信号を基地局100局へ再送する。即ち、端末装置300(送信処理部333)は、上記再送周期情報により示される再送周期で、アクセス信号を基地局100へ再送する。
【0126】
これにより、例えば、基地局100は、再送されるアクセス信号もより容易に受信することが可能になる。
【0127】
当該再送周期情報は、ランダムアクセスチャネル再送周期情報(RACH Retransmit Period Information)と呼ばれてもよい。
【0128】
-メッセージ
例えば、基地局100(第2通信処理部143)は、上記ハンドオーバ要求メッセージへの応答メッセージを基地局200へ送信し、基地局200(第2通信処理部243)は、当該応答メッセージを受信する。当該応答メッセージは、基地局100から基地局200へ直接的に送信されてもよく(例えばX2ハンドオーバのケース)、又は、コアネットワークを介して基地局100から基地局200へ送信されてもよい(例えばS1ハンドオーバのケース)。とりわけ、当該応答メッセージが、上記リソース情報及び上記再送周期情報を含む。具体的には、例えば、当該応答メッセージは、ハンドオーバ要求確認応答(HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE)メッセージである。さらに、例えば、当該ハンドオーバ要求確認応答メッセージは、RRCコンテナ(Container)を含み、当該RRCコンテナは、ハンドオーバコマンド(HandoverCommand)メッセージを含む。さらに、例えば、当該ハンドオーバコマンドメッセージは、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを含み、当該RRC接続再構成メッセージが、上記リソース情報及び上記再送周期情報を含む。当然ながら、第1の実施形態はこの例に限られず、上記応答メッセージは、別の形で上記リソース情報及び上記再送周期情報を含んでもよい。
【0129】
例えば、基地局200(第1通信処理部241)は、(上記応答メッセージに含まれる)ハンドオーバコマンドメッセージを端末装置300へ送信(転送)し、端末装置300(受信処理部331)は、当該ハンドオーバコマンドメッセージを受信する。上述したように、当該ハンドオーバコマンドメッセージが、上記リソース情報及び上記再送周期情報を含む。
【0130】
-処理の流れ
図10は、第1の実施形態の第1の変形例の処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
図10に示されるステップS421、S423についての説明は、例えば、
図8に示されるステップS401、S403についての説明と同じである。よって、ここでは重複する説明を省略し、ステップS425、S427、S429のみを説明する。
【0131】
基地局100は、ハンドオーバ要求メッセージに含まれる重みインデックスを取得する。そして、基地局100は、当該重みインデックスにより示されるビームフォーミング重みのセットのための無線リソースを示す専用RACHリソース情報を生成する。その後、基地局100は、当該専用RACHリソース情報を含むハンドオーバコマンドメッセージをハンドオーバ要求確認応答メッセージの中で基地局200へ送信する(S425)。当該ハンドオーバコマンドメッセージは、RACH再送周期情報をさらに含んでもよい。
【0132】
基地局200は、上記ハンドオーバコマンドメッセージを端末装置300へ転送する(S427)。
【0133】
端末装置300は、上記専用RACHリソース情報により示される無線リソースを用いて、アクセス信号を基地局100へ送信する(S429)。基地局100は、上記重みインデックスに基づいて、上記無線リソースを用いて送信される上記アクセス信号を受信する。即ち、基地局100は、上記重みインデックスにより示されるビームフォーミング重みのセットを用いて、上記無線リソース(当該ビームフォーミング重みのセットのための無線リソース)を用いて送信される上記アクセス信号を受信する。なお、再送が必要な場合には、端末装置300は、上記RACH再送周期情報により示される再送周期で、アクセス信号を基地局100へ再送する。
【0134】
なお、上述した処理の流れの例は、あくまで概略的なものであり、当然ながら、第1の実施形態の第1の変形例では、上述したステップS421~S429以外の送受信も行われ得る。
【0135】
-代替手法
上述した例では、基地局100が、上記アクセス信号を送信するための無線リソースを示すリソース情報を基地局200へ送信し、基地局200は、当該リソース情報を受信する。しかし、第1の変形例はこの例に限定されない。
【0136】
基地局100が、上記リソース情報を基地局200へ送信する代わりに、基地局200(第1通信処理部241)が、上記リソース情報を生成してもよい。この場合に、基地局200は、上記リソース情報の生成に必要な情報(例えば、ビームごとの無線リソースを示す情報)を、基地局100から予め受信してもよい。
【0137】
これにより、例えば、基地局100と基地局200との間で送受信される情報の量をより少なくすることが可能になる。
【0138】
(2)第2の変形例
第1の実施形態の第2の変形例では、例えば、基地局100(第2通信処理部143)は、基地局100のビームフォーミングのコンフィギュレーションに関するビームフォーミングコンフィギュレーション情報を、基地局200へ送信する。そして、基地局200(第2通信処理部243)は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を受信する。
【0139】
さらに、基地局200(第1通信処理部241)は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を端末装置300へ送信し、端末装置300(受信処理部331)は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を受信する。
【0140】
そして、端末装置300(受信処理部331)は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報に基づいて、基地局100によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信する。例えば、端末装置300(受信処理部331)は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報に基づいて、当該リファレンス信号の測定を行う。
【0141】
これにより、例えば、基地局又はセルに適したビームフォーミングのコンフィギュレーションを用いることが可能になり、また、端末装置300が当該コンフィギュレーションに応じた受信/測定を行うことが可能になる。
【0142】
-コンフィギュレーション情報
例えば、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報は、ビームの数を示すビーム数情報を含む。
図5の例では、当該ビーム数情報は、ビーム数として16を示す。これにより、例えば、セルの特性(例えば大きさ)に応じた数のビームを用いることが可能になる。
【0143】
例えば、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報は、リファレンス信号を送信するためのビームごとの無線リソースを示すビームリソース情報を含む。例えば
図6を参照して説明したように、当該無線リソースは、ビームごとの時間リソースである。この場合に、例えば、上記ビームリソース情報は、時間方向における周期及びオフセットを含む。あるいは、上記無線リソースは、ビームごとの周波数リソースであってもよい。この場合に、上記ビームリソース情報は、周波数方向における周期及びオフセットを含んでもよい。あるいは、上記無線リソースは、ビームごとの時間周波数リソースであってもよい。この場合に、上記ビームリソース情報は、無線リソースのパターンを示す情報であってもよい。これにより、例えば、ビームフォーミングを用いたリファレンス信号の送信に用いる無線リソースをより柔軟に設定することが可能になる。
【0144】
-メッセージ
例えば、基地局100(第2通信処理部143)は、基地局100と基地局200との間のインタフェースのセットアップの際に、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を基地局200へ送信する。そして、基地局200(第2通信処理部243)は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を受信する。
【0145】
具体的には、例えば、基地局100(第2通信処理部143)は、X2セットアップ要求(X2 SETUP REQUEST)メッセージ又はX2セットアップ応答(X2 SETUP RESPONSE)メッセージを基地局200へ送信する。そして、基地局200(第2通信処理部243)は、当該X2セットアップリクエストメッセージ又は当該X2セットアップ応答メッセージを受信する。とりわけ、当該X2セットアップリクエストメッセージ又は当該X2セットアップ応答メッセージが、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を含む。
【0146】
例えば、基地局200(第1通信処理部241)は、測定コンフィギュレーション(measurement configuration)を端末装置300へ送信し、端末装置300(受信処理部331)は、当該測定コンフィギュレーションを受信する。とりわけ、上記測定コンフィギュレーションが、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を含む。
【0147】
-処理の流れ
図11は、第1の実施形態の第2の変形例の処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
図11に示されるステップS449~S455についての説明は、例えば、
図8に示されるステップS403~S409についての説明と同じである。よって、ここでは重複する説明を省略し、ステップS441~S447のみを説明する。
【0148】
基地局200は、X2セットアップ要求メッセージを基地局100へ送信し(S441)、これに応じて、基地局100は、X2セットアップ応答メッセージを基地局200へ送信する(S443)。当該X2セットアップ応答メッセージは、基地局100のビームフォーミングのコンフィギュレーションに関するビームフォーミングコンフィギュレーション情報を含む。
【0149】
さらに、基地局200は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を含む測定コンフィギュレーションを端末装置300へ送信する(S445)。
【0150】
端末装置300は、上記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報に基づいて、基地局100によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号の測定を行い、好ましいビームフォーミング重みを選択する。そして、端末装置300は、当該好ましいビームフォーミング重みを示す重みインデックスを含む測定報告を基地局200(サービング基地局)へ送信する(S447)。当該測定報告は、上記リファレンス信号の測定結果を含む。
【0151】
(3)第3の変形例
端末装置300のハンドオーバの失敗時に、端末装置300が同じターゲットセルへの再接続を試みるときにも、第1の実施形態の上述した例と同様に、基地局100(第1通信処理部141)は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、端末装置300のアクセス信号を受信してもよい。
【0152】
また、端末装置300のハンドオーバの失敗時に、端末装置300が同じターゲットセルへの再接続を試みるときにも、第1の実施形態の第1の変形例と同様に、端末装置300(送信処理部333)は、上記リソース情報に基づいて、アクセス信号を基地局100へ送信してもよい。
【0153】
以上、第1の実施形態の変形例を説明した。なお、第1~第3の変形例のうちの2つ以上が組合せられてもよい。即ち、第1~第3の変形例のうちの2つ以上の技術的特徴の組合せが導入されてもよい。
【0154】
<<3.第2の実施形態>>
続いて、
図12~
図16を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態は、具体的な実施形態であるが、第2の実施形態は、より一般化された実施形態である。
【0155】
<3.1.システムの構成>
図12を参照して、第2の実施形態に係るシステム2の構成の例を説明する。
図12は、第2の実施形態に係るシステム2の概略的な構成の一例を示す説明図である。
図12を参照すると、システム2は、基地局500、基地局600及び端末装置700を含む。
【0156】
例えば、システム2は、3GPPの規格に準拠したシステムであってもよい。より具体的には、例えば、システム2は、第5世代(5G)の規格に準拠したシステムであってもよい。
【0157】
例えば、基地局500、基地局600及び端末装置700についての説明は、第1の実施形態の基地局100、基地局200及び端末装置300についての説明と同じである。よって、ここでは重複する説明を省略する。
【0158】
<3.2.基地局500の構成>
次に、
図13を参照して、第2の実施形態の基地局500の構成の例を説明する。
図13は、第2の実施形態の基地局500の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図13を参照すると、基地局500は、第1通信処理部510及び第2通信処理部520を備える。
【0159】
第1通信処理部510及び第2通信処理部520の具体的な動作は、後に説明する。
【0160】
第1通信処理部510及び第2通信処理部520は、ベースバンド(BB)プロセッサ及び/又は他のプロセッサ等により実装されてもよい。第1通信処理部510及び第2通信処理部520は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。
【0161】
基地局500は、プログラムを記憶するメモリと、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよく、当該1つ以上のプロセッサは、第1通信処理部510及び第2通信処理部520の動作を行ってもよい。上記プログラムは、第1通信処理部510及び第2通信処理部520の動作を上記1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0162】
<3.3.基地局600の構成>
次に、
図14を参照して、第2の実施形態の基地局600の構成の例を説明する。
図14は、第2の実施形態の基地局600の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図14を参照すると、基地局600は、第1通信処理部610及び第2通信処理部620を備える。
【0163】
第1通信処理部610及び第2通信処理部620の具体的な動作は、後に説明する。
【0164】
第1通信処理部610及び第2通信処理部620は、ベースバンド(BB)プロセッサ及び/又は他のプロセッサ等により実装されてもよい。第1通信処理部610及び第2通信処理部620は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。
【0165】
基地局600は、プログラムを記憶するメモリと、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよく、当該1つ以上のプロセッサは、第1通信処理部610及び第2通信処理部620の動作を行ってもよい。上記プログラムは、第1通信処理部610及び第2通信処理部620の動作を上記1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0166】
<3.4.端末装置700の構成>
次に、
図15を参照して、第2の実施形態の端末装置700の構成の例を説明する。
図15は、第2の実施形態の端末装置700の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図15を参照すると、端末装置700は、受信処理部710及び送信処理部720を備える。
【0167】
受信処理部710及び送信処理部720の具体的な動作は、後に説明する。
【0168】
受信処理部710及び送信処理部720は、ベースバンド(BB)プロセッサ及び/又は他のプロセッサ等により実装されてもよい。受信処理部710及び送信処理部720は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。
【0169】
端末装置700は、プログラムを記憶するメモリと、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよく、当該1つ以上のプロセッサは、受信処理部710及び送信処理部720の動作を行ってもよい。上記プログラムは、受信処理部710及び送信処理部720の動作を上記1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0170】
<3.5.技術的特徴>
次に、
図16を参照して、第2の実施形態の技術的特徴を説明する。
【0171】
第2の実施形態では、基地局500(第1通信処理部510)は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する。端末装置700(受信処理部710)は、当該リファレンス信号を受信する。
【0172】
また、端末装置700(送信処理部720)は、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、基地局500についての当該第1のビーム関連情報を、基地局600へ送信し、基地局600(第1通信処理部610)は、当該第1のビーム関連情報を受信する。
【0173】
さらに、基地局600(ソース基地局)から基地局500(ターゲット)への端末装置700のハンドオーバが行われる。基地局600(第2通信処理部620)は、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージ(例えば、ハンドオーバ要求メッセージ)を、基地局500へ送信し、基地局500(第2通信処理部520)は、当該ハンドオーバメッセージを受信する。
【0174】
とりわけ第2の実施形態では、基地局500(第1通信処理部510)は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、端末装置700のアクセス信号を受信する。
【0175】
(1)リファレンス信号の送信、測定報告、ハンドオーバメッセージ、ビーム関連情報、及びアクセス信号の受信、及び「送信する」の意味
例えば、第2の実施形態におけるリファレンス信号の送信、測定報告、ハンドオーバメッセージ、ビーム関連情報、アクセス信号の受信、及び「送信する」の意味についての説明は、第1の実施形態におけるこれらについての説明と同じである。よって、ここでは重複する説明を省略し、処理の概略的な流れの例のみを説明する。
【0176】
(2)処理の流れ
図16は、第2の実施形態の処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【0177】
端末装置700は、ビームに関する第1のビーム関連情報であって、基地局500についての当該第1のビーム関連情報を、基地局600へ送信し、基地局600は、当該第1のビーム関連情報を受信する(S801)。
【0178】
基地局600は、上記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージ(例えば、ハンドオーバ要求メッセージ)を、基地局500へ送信し、基地局500は、当該ハンドオーバメッセージを受信する(S803)。
【0179】
基地局500は、上記第2のビーム関連情報に基づいて、端末装置700のアクセス信号を受信する(S805)。
【0180】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0181】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0182】
また、本明細書において説明した基地局の構成要素(例えば、第1通信処理部及び/又は第2通信処理部)を備える装置又はそのモジュール(例えば、ベースバンドプロセッサ又は他のチップ)が提供されてもよい。同様に、本明細書において説明した端末装置の構成要素(例えば、受信処理部及び/又は送信処理部)を備えるモジュール(例えば、ベースバンドプロセッサ又は他のチップ)が提供されてもよい。また、上記構成要素の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録した記録媒体(コンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム及び記録媒体も本発明に含まれる。
【0183】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0184】
(付記1)
ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する第1通信処理部と、
端末装置のハンドオーバのソース基地局からハンドオーバメッセージを受信する第2通信処理部と、
を備え、
前記ハンドオーバメッセージは、ビームに関するビーム関連情報を含み、
前記第1通信処理部は、前記ビーム関連情報に基づいて、前記端末装置のアクセス信号を受信する、
装置。
【0185】
(付記2)
前記第1通信処理部は、前記ビーム関連情報に対応する、ビームフォーミング重みのセットを用いて、前記アクセス信号を受信する、付記1に記載の装置。
【0186】
(付記3)
前記アクセス信号は、前記端末装置のランダムアクセスにおけるアップリンク信号である、付記1又は2に記載の装置。
【0187】
(付記4)
前記第2通信処理部は、前記アクセス信号を送信するための無線リソースを示すリソース情報を前記ソース基地局へ送信する、付記1~3のいずれか1項に記載の装置。
【0188】
(付記5)
前記無線リソースは、前記ビーム関連情報に対応するビーム又はビームフォーミング重みのセットのための無線リソースである、付記4に記載の装置。
【0189】
(付記6)
前記第2通信処理部は、前記ハンドオーバメッセージへの応答メッセージを前記ソース基地局へ送信し、
前記応答メッセージは、前記リソース情報を含む、
付記4又は5に記載の装置。
【0190】
(付記7)
前記第2通信処理部は、前記リソース情報とともに、前記アクセス信号の再送周期を示す再送周期情報を前記ソース基地局へ送信する、付記4~6のいずれか1項に記載の装置。
【0191】
(付記8)
前記リソース情報は、前記ソース基地局から前記端末装置へ送信される情報である、付記4~7のいずれか1項に記載の装置。
【0192】
(付記9)
前記第1通信処理部は、複数のビームによりリファレンス信号を送信する、付記1~8のいずれか1項に記載の装置。
【0193】
(付記10)
前記第1通信処理部は、ビームごとに異なる無線リソースを用いて、前記複数のビームによりリファレンス信号を送信する、付記9に記載の装置。
【0194】
(付記11)
前記無線リソースは、周波数リソース、時間リソース、又は時間周波数リソースである、付記10に記載の装置。
【0195】
(付記12)
前記ビーム関連情報は、複数のビームのうちの1つに関する情報である、付記1~11のいずれか1項に記載の装置。
【0196】
(付記13)
前記ビーム関連情報は、前記複数のビームのうちの1つを示す情報である、付記12に記載の装置。
【0197】
(付記14)
前記ビーム関連情報は、ビームフォーミング重みの複数のセットのうちの1つを示す情報である、付記12又は13に記載の装置。
【0198】
(付記15)
前記ビーム関連情報は、前記端末装置から前記ソース基地局へ送信されるビーム関連情報に対応する、付記1~14のいずれか1項に記載の装置。
【0199】
(付記16)
前記第2通信処理部は、ビームフォーミングのコンフィギュレーションに関するビームフォーミングコンフィギュレーション情報を、前記ソース基地局へ送信する、付記1~15のいずれか1項に記載の装置。
【0200】
(付記17)
前記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報は、ビームの数を示す情報、及び、リファレンス信号を送信するためのビームごとの無線リソースを示す情報を含む、付記16に記載の装置。
【0201】
(付記18)
前記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報は、前記ソース基地局から前記端末装置へ送信される情報である、付記16又は17に記載の装置。
【0202】
(付記19)
前記装置は、基地局、基地局を構成する複数の装置のうちの1つ以上の装置、又は当該複数の装置のうちの1つのためのモジュールである、付記1~18のいずれか1項に記載の装置。
【0203】
(付記20)
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての前記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信する第1通信処理部と、
前記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、前記基地局へ送信する第2通信処理部と、
を備え、
前記第2のビーム関連情報は、前記基地局が前記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である、
装置。
【0204】
(付記21)
前記第1通信処理部は、前記アクセス信号を送信するための無線リソースを示すリソース情報を前記端末装置へ送信する、付記20に記載の装置。
【0205】
(付記22)
前記第1通信処理部は、前記リソース情報とともに、前記アクセス信号の再送周期を示す再送周期情報を前記端末装置へ送信する、付記21に記載の装置。
【0206】
(付記23)
前記第1通信処理部は、ハンドオーバコマンドメッセージを前記端末装置へ送信し、
前記ハンドオーバコマンドメッセージは、前記リソース情報を含む、
付記21又は22に記載の装置。
【0207】
(付記24)
前記第2通信処理部は、前記リソース情報を前記基地局から受信する、付記21~23のいずれか1項に記載の装置。
【0208】
(付記25)
前記第1通信処理部は、前記リソース情報を生成する、付記21~23のいずれか1項に記載の装置。
【0209】
(付記26)
前記第2のビーム関連情報は、前記第1のビーム関連情報と同一の情報である、付記20~25のいずれか1項に記載の装置。
【0210】
(付記27)
前記第1のビーム関連情報及び前記第2のビーム関連情報は、複数のビームのうちの1つに関する情報である、付記20~26のいずれか1項に記載の装置。
【0211】
(付記28)
前記第1通信処理部は、前記端末装置から送信される測定報告を受信し、
前記測定報告は、前記第1のビーム関連情報を含む、
付記20~27のいずれか1項に記載の装置。
【0212】
(付記29)
前記第2通信処理部は、前記基地局のビームフォーミングのコンフィギュレーションに関するビームフォーミングコンフィギュレーション情報を、前記基地局から受信し、
前記第1通信処理部は、前記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を前記端末装置へ送信する、
付記20~28のいずれか1項に記載の装置。
【0213】
(付記30)
前記第1通信処理部は、測定コンフィギュレーションを前記端末装置へ送信し、
前記測定コンフィギュレーションは、前記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報を含む、
付記29に記載の装置。
【0214】
(付記31)
前記装置は、基地局、基地局を構成する複数の装置のうちの1つ以上の装置、又は当該複数の装置のうちの1つのためのモジュールである、付記20~30のいずれか1項に記載の装置。
【0215】
(付記32)
第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信する受信処理部と、
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、前記第1の基地局についての前記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信する送信処理部と、
を備え、
前記第1のビーム関連情報は、前記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する、
装置。
【0216】
(付記33)
前記受信処理部は、アクセス信号を送信するための無線リソースを示すリソース情報を前記第2の基地局から受信し、
前記送信処理部は、前記リソース情報に基づいて、アクセス信号を前記第1の基地局へ送信する、
付記32に記載の装置。
【0217】
(付記34)
前記受信処理部は、前記リソース情報とともに、アクセス信号の再送周期を示す再送周期情報を前記第2の基地局から受信し、
前記送信処理部は、前記再送周期情報に基づいて、アクセス信号を前記第1の基地局へ再送する、
付記33に記載の装置。
【0218】
(付記35)
前記送信処理部は、測定報告を第2の基地局へ送信し、
前記測定報告は、前記第1のビーム関連情報を含む、
付記32~34のいずれか1項に記載の装置。
【0219】
(付記36)
前記測定報告は、前記第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号の測定結果を含む、付記35に記載の装置。
【0220】
(付記37)
前記受信処理部は、前記第1の基地局のビームフォーミングのコンフィギュレーションに関するビームフォーミングコンフィギュレーション情報を、前記第2の基地局から受信し、
前記受信処理部は、前記ビームフォーミングコンフィギュレーション情報に基づいて、前記第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信する、
付記32~36のいずれか1項に記載の装置。
【0221】
(付記38)
前記装置は、端末装置、又は端末装置のためのモジュールである、付記32~37のいずれか1項に記載の装置。
【0222】
(付記39)
ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信することと、
ビームに関するビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、端末装置のハンドオーバのソース基地局から受信することと、
前記ビーム関連情報に基づいて、前記端末装置のアクセス信号を受信することと、
を含む方法。
【0223】
(付記40)
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての前記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信することと、
前記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、前記基地局へ送信することと、
を含み、
前記第2のビーム関連情報は、前記基地局が前記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である、
方法。
【0224】
(付記41)
第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信することと、
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、前記第1の基地局についての前記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信することと、
を含み、
前記第1のビーム関連情報は、前記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する、
方法。
【0225】
(付記42)
第1の基地局と、
第2の基地局と、
端末装置と、
を含み、
前記第1の基地局は、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信し、
前記端末装置は、
前記リファレンス信号を受信し、
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、前記第1の基地局についての前記第1のビーム関連情報を、前記第2の基地局へ送信し、
前記第2の基地局は、前記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、前記第1の基地局へ送信し、
前記第1の基地局は、前記第2のビーム関連情報に基づいて、前記端末装置のアクセス信号を受信する、
システム。
【0226】
(付記43)
ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信することと、
ビームに関するビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、端末装置のハンドオーバのソース基地局から受信することと、
前記ビーム関連情報に基づいて、前記端末装置のアクセス信号を受信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラム。
【0227】
(付記44)
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての前記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信することと、
前記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、前記基地局へ送信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラムであり、
前記第2のビーム関連情報は、前記基地局が前記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である、
プログラム。
【0228】
(付記45)
第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信することと、
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、前記第1の基地局についての前記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラムであり、
前記第1のビーム関連情報は、前記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する、
プログラム。
【0229】
(付記46)
ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信することと、
ビームに関するビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、端末装置のハンドオーバのソース基地局から受信することと、
前記ビーム関連情報に基づいて、前記端末装置のアクセス信号を受信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。
【0230】
(付記47)
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、ビームフォーミングを用いてリファレンス信号を送信する基地局についての前記第1のビーム関連情報を、端末装置から受信することと、
前記第1のビーム関連情報に対応する第2のビーム関連情報を含むハンドオーバメッセージを、前記基地局へ送信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体であり、
前記第2のビーム関連情報は、前記基地局が前記端末装置のアクセス信号を受信するのに用いる情報である、
コンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。
【0231】
(付記48)
第1の基地局によりビームフォーミングを用いて送信されるリファレンス信号を受信することと、
ビームに関する第1のビーム関連情報であって、前記第1の基地局についての前記第1のビーム関連情報を、第2の基地局へ送信することと、
をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体であり、
前記第1のビーム関連情報は、前記第1の基地局がアクセス信号を受信するのに用いる第2のビーム関連情報に対応する、
コンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。
【0232】
この出願は、2016年8月3日に出願された日本出願特願2016-152618を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0233】
移動体通信システムにおいて、ハンドオーバが成功する可能性をより高くすることができる。
【符号の説明】
【0234】
1、2 システム
10、20 セル/カバレッジエリア
11 ビーム
30 ビームサーチ期間
100、200、500、600 基地局
141、241、510、610 第1通信処理部
143、243、520、620 第2通信処理部
300、700 端末装置
331、710 受信処理部
333、720 送信処理部