(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】スクラップ処理装置及びスクラップ処理方法
(51)【国際特許分類】
B23D 33/00 20060101AFI20240501BHJP
B23D 19/06 20060101ALI20240501BHJP
B23D 25/14 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B23D33/00 H
B23D19/06 A
B23D25/14 Z
(21)【出願番号】P 2021018652
(22)【出願日】2021-02-09
【審査請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598052562
【氏名又は名称】株式会社ナカサク
(73)【特許権者】
【識別番号】505382098
【氏名又は名称】JFE商事甲南スチールセンター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170025
【氏名又は名称】福島 一
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 俊一
(72)【発明者】
【氏名】鳥生 信行
(72)【発明者】
【氏名】山本 保
(72)【発明者】
【氏名】山本 音彦
(72)【発明者】
【氏名】古田 浩
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-254712(JP,A)
【文献】特開平06-055216(JP,A)
【文献】特開2008-161901(JP,A)
【文献】中国実用新案第206241343(CN,U)
【文献】韓国公開特許第2003-0036959(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 33/00
B23D 19/06
B23D 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳端部切断装置で、パスラインに流れるストリップの幅方向の左右の両端部を左右の耳端部として切断する第一の切断制御部と、
前記耳端部切断装置の後方に設置の架構の設置面の上方に設けられた左右のピンチロールのそれぞれで、前記左右の耳端部のそれぞれを挟み込むことで、当該左右の耳端部のそれぞれを、前記パスラインの鉛直上方に案内する案内制御部と、
前記架構の設置面の上方に設けられたスクラップチョッパーで、前記左右のピンチロールのそれぞれで案内された左右の耳端部のそれぞれを定尺切断する第二の切断制御部と、
前記架構の設置面の上方に設けられたコンベアーで、前記左右の耳端部が定尺切断されたスクラップを、前記パスラインの鉛直上方から下方のスクラップバッグに搬送する第一の搬送制御部と、
前記耳端部切断装置の後
方で、前記架構の設置面の鉛直下方に設置のループピットを通った切断後のストリップを、前記ループピットの後方に設置の搬送ロールで挟み込んで、前記パスラインの流れ方向の下流に搬送する第二の搬送制御部と、
を備えるスクラップ処理装置。
【請求項2】
前記左右のピンチロールの駆動モータを、前記スクラップチョッパーの駆動モータの速度モータと異なるトルクモータで構成し、
前記案内制御部は、前記左右のピンチロールのトルクモータにより、前記左右の耳端部のそれぞれに所定のトルクを付与する、
請求項1に記載のスクラップ処理装置。
【請求項3】
前記左右のピンチロールを構成する上下一対のロールのうち、一部のロールを、前記左右の耳端部のそれぞれに圧力を印加して、当該左右の耳端部を圧力変形させる矯正ロールで構成し、
前記案内制御部は、前記矯正ロールにより、前記左右の耳端部の曲げ変形又は捩り変形を矯正する、
請求項1又は2に記載のスクラップ処理装置。
【請求項4】
耳端部切断装置で、パスラインに流れるストリップの幅方向の左右の両端部を左右の耳端部として切断する第一の切断制御工程と、
前記耳端部切断装置の後方に設置の架構の設置面の上方に設けられた左右のピンチロールのそれぞれで、前記左右の耳端部のそれぞれを挟み込むことで、当該左右の耳端部のそれぞれを、前記パスラインの鉛直上方に案内する案内制御工程と、
前記架構の設置面の上方に設けられたスクラップチョッパーで、前記左右のピンチロールのそれぞれで案内された左右の耳端部のそれぞれを定尺切断する第二の切断制御工程と、
前記架構の設置面の上方に設けられたコンベアーで、前記左右の耳端部が定尺切断されたスクラップを、前記パスラインの鉛直上方から下方のスクラップバッグに搬送する第一の搬送制御工程と、
前記耳端部切断装置の後
方で、前記架構の設置面の鉛直下方に設置のループピットを通った切断後のストリップを、前記ループピットの後方に設置の搬送ロールで挟み込んで、前記パスラインの流れ方向の下流に搬送する第二の搬送制御工程と、
を備えるスクラップ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクラップ処理装置及びスクラップ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼分野において、広幅帯鋼(ストリップともいう)の縦割り剪断を行うスリッターラインやストリップの長さ方向に定尺剪断を行うシャーラインなどの製造ラインでは、サイドトリマーやスリッターが通常設置されており、これらの装置により、ストリップの両側端部を連続的に切断して、ストリップの幅方向のサイズを一定幅に調整している。
【0003】
サイドトリマーは、ストリップの幅方向の両端側の形状不良部を一定幅(幅方向のサイズで5mm-30mm程度)で剪断して、ストリップを所要の一枚の板幅に整える。スリッターは、ストリップの幅方向の両端側の形状不良部を剪断するとともに、ストリップの中央側を所要の幅の複数の条に剪断する。これらの耳端部切断装置は、いずれも上下の丸刃を所定のクリアランス(板厚の10%前後)を保って配置して回転させることでストリップを剪断する。
【0004】
ここで、耳端部切断装置により剪断された両端部のスクラップ(トリム屑、耳屑、耳部、耳端部ともいう)は、スクラップチョッパーにより連続的に定尺(短冊)(長手方向のサイズで150mm程度)に切断されたり、スクラップワインダーによりコイル状に巻き取られ、ボビン巻き形状にされたりしている。通常、スクラップチョッパーは、剪断時のクリアランス(板厚の10%前後)の精度管理が比較的容易な中板から厚板(概ね2mm以上の厚みの鋼板)に適用され、スクラップワインダーは、巻き取り容易な薄板に適用されている。
【0005】
ここで、スクラップチョッパーは、円周上に複数の刃物が取り付けられたドラム状のチョッパ軸を上下に配置した構成であり、上下のチョッパ軸を回転させるとともに、上下のチョッパ軸の間に耳端部を導入することで、耳端部を定尺に切断することが出来る。
【0006】
このようなスクラップチョッパーに関する技術は多種存在する。例えば、特開平8-90330号公報(特許文献1)には、金属ストリップ(1)の両側縁を上下一対の回転カッタ(2a、2b)によりトリミングするサイドトリマー(2)において、回転カッタ(2a、2b)出側とスクラップチョッパ(7)とを結んで設置されたスクラップガイド(3)内に、ライン速度と同調するベルトコンベヤ(4)を配した、サイドトリマーにおけるスクラップの詰まり防止装置が開示されている。これにより、スクラップガイド内のスクラップの詰まりや飛び出し等のスクラップトラブルを解消するとしている。
【0007】
又、特開平10-94915号公報(特許文献2)には、サイドトリマーで剪断され連続して送られてくる帯状の耳屑を、間欠的に対向する刃で挟み込んで切断する装置であって、対向する刃の少なくとも一方の刃は、回転するドラム状のチョッパ軸から突設される耳屑用スクラップ処理装置が開示されている。この装置では、刃設置部を除くチョッパ軸外周に弾性体を被着し、その弾性体の外周面は、チョッパ軸の回転軸を中心とした刃の先端部を通る円周面近傍に位置する。これにより、耳屑の先端部がフリーとなることを防止して、耳屑の詰まりによるライン停止を回避可能な耳屑用スクラップ処理装置を提供することが出来るとしている。
【0008】
又、特開平10-315043号公報(特許文献3)には、サイドトリマーの上回転刃の回転軸の中心を中心とする固定環と、該固定環に回動可能に係合する回動環と、該回動環に一端を固着した可動上蓋と、該可動上蓋の他端を上下動させる上下動手段とからなるサイドトリマーのトリム屑案内装置が開示されている。これにより、広幅鋼帯の両縁をサイドトリマーで連続的に切断して得られるトリム屑をスクラップチョッパーの切断中心に案内することが出来るとしている。
【0009】
又、特開2003-94232号公報(特許文献4)には、上下に配置された上側及び下側の丸刃にて圧延後の鋼板の板幅を切り揃え、切り取られた長い鋼板の耳屑を、スクラップチョッパーにて短い短冊状に切断する丸刃回転式シャーが開示されている。この丸刃回転式シャーは、上側及び下側の丸刃の回転軸を回転可能に支持する上側及び下側のスリーブが、スクラップチョッパーのハウジングに、それぞれ上下方向に変位可能に支持されている。これにより、丸刃回転式シャーとスクラップチョッパーとを合わせた重量を従来より低減し、設計・製造・輸送・据付過程においてコストダウンを図れるとしている。
【0010】
又、特開2007-970号公報(特許文献5)には、連続的に搬送される鋼帯の両側端を連続的に剪断するサイドトリマーの下流側に配設され、剪断により発生した連続帯状のトリム屑を所定長さに、間欠的にその幅方向に切断するスクラップ処理装置が開示されている。この装置では、トリム屑をスクラップ処理装置に誘導するスクラップチョッパーシュートと、該シュートをスクラップ処理装置のローターの軸方向に移動可能に支持する支持装置とを備えている。これにより、スクラップ処理装置のチョッパーナイフが刃の長さ方向に渡って均一に使用されるので剪断刃の偏摩耗を押さえることができ、刃物の寿命を延長することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開平8-90330号公報
【文献】特開平10-94915号公報
【文献】特開平10-315043号公報
【文献】特開2003-94232号公報
【文献】特開2007-970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、耳端部切断装置によって生じる耳端部をスクラップチョッパーで定尺に剪断する場合、スクラップチョッパーは、例外なく、耳端部切断装置の後面で、且つ、ストリップが流れるパスラインの流れ方向と直角の鉛直下向きであって、耳端部切断装置が設置された設置面(地上面)よりも下方に設置されている。
【0013】
この理由として、下記のように考えられていた。先ず、剪断される耳端部は、耳端部切断装置の剪断力による曲げ作用と、上下刃の相互の位置とによって、鉛直上向き又は鉛直下向きに曲げられる。ここで、耳端部は、厚みに寄らず、自重により、鉛直下向きに次第に垂れ下がってくるため、垂れ下がる耳端部を、耳端部切断装置の設置面より下方に誘導してスクラップチョッパーで連続的に剪断することが好ましいと考えられていた。又、ストリップが厚板の場合、スクラップチョッパーでの剪断時の衝撃や振動が大きくなることから、設置面より下方でコンクリート基礎を設けて、その上にスクラップチョッパーを設置する方が、衝撃や振動を抑えて剪断が安定すると考えられていた。しかしながら、これらの考えには明確な根拠は無かった。
【0014】
一方、スクラップチョッパーを、耳端部切断装置の後面で、且つ、当該耳端部切断装置の設置面よりも下方に設置した場合、次の課題が生じる。
【0015】
先ず、製造ラインのスリッターでは、ストリップの剪断により生じたそれぞれの条に板厚偏差が生じるため、それぞれの条の長さに差異が生じる。長さに差異がある複数の条を一度に並列して搬送させるためには、それぞれの条を垂らした状態にする穴(窪地)のピットが必要となる。ピットでは、それぞれの条が長さに見合った懸垂線の状態となることで、長さの差異を解消して、全ての条を並列搬送させることが出来る。このピットは、ループピットと呼ばれる。スクラップチョッパーを設置面よりも下方に設置すると、このループピットを、スクラップチョッパーの設置位置よりも、パスラインの流れ方向の下流側に移動せざるを得ず、製造ライン全体のライン長が長くなるという課題がある。ここで、ライン長が長くなる程、設備や基礎工事の費用の上昇、通板距離やオペレータの移動距離の増加による生産性の低下が生じる。尚、サイドトリマーでは、ループピットを設けない場合もあるが、この場合は稀であるため、ここでは、考慮しない。
【0016】
又、スクラップチョッパーは、通常、パスラインを構成するテーブルの下方で、設置面を掘り下げたピットにコンクリート基礎を施し、その後のコンクリート基礎上に設置するが、そのピットは、スペース的に狭隘であり、スクラップチョッパーの刃物交換や点検、修理等のメンテナンス作業が非常にやり難い。又、修理の内容によっては、スクラップチョッパーの上方にあるテーブルを取り外す作業を行う必要があり、操業時間のロスやメンテナンス費用の増加を招いているという課題がある。
【0017】
又、切断された耳端部は、スクラップチョッパーの後面に設けられ、製造ラインのパスラインの流れ方向と直角に配置された水平状態の(ベルト)コンベアーに乗せられ、更に、下方から上方へ搬送する傾斜コンベアーに乗せられて、上方に位置する設置面に設置されたスクラップバッグ(スクラップ箱)に投入される。つまり、耳端部の搬送のためにコンベアーと傾斜コンベアーの少なくとも2種類のスクラップ搬送装置が必要となり、大掛かりな設備になるという課題がある。
【0018】
又、ストリップには、通常、板幅方向に厚み偏差があり、左右の両端部の厚みが異なる場合が多く、当初から左右の両端部の一方が耳伸び状態の場合もある。そのため、ストリップの耳端部を剪断してストリップの全体から切り離すと、板幅方向の厚みの偏差や耳伸び量の違いにより、左右の耳端部の長さに差異が生じ、製造ラインを運転し続けるにつれて、その差異も大きくなってくる。
【0019】
そこで、従来では、左右の耳端部のそれぞれを挟み込む左右のピンチロールを、スクラップチョッパーの上下の刃物の咬み合わせの前に設置し、ピンチロールの回転速度を、パスラインの流れ速度(スリッター又はサイドトリマーのストリップの送り速度に相当する)よりも所定量(数%程度)速めた速度に設定し、左右の耳端部の長さの差異を解消するように構成している。
【0020】
ここで、スクラップチョッパーを設置するスペースが狭隘であることから、ピンチロールの回転軸を、スクラップチョッパーの刃物回転軸とギアを介して連結して、スクラップチョッパーの刃物回転軸を回転する1台の共通の速度モータで駆動している。つまり、スクラップチョッパーの回転速度をパスラインの流れ速度よりも少し速い速度で運転することで、耳端部には、スクラップチョッパーの回転速度とパスラインの流れ速度との速度差に見合う引張力が掛かり、左右の耳端部の長さの差異を解消している。
【0021】
しかしながら、耳端部に掛かる引張力は、速度差に基づくため、製造ラインの連続運転では、何らかの原因により、速度差が変動して、左右の耳端部のいずれか一方に過大な引張力が掛かって破断したり、逆に、一方に大きく緩みが生じて、緩んだ耳端部が、耳端部切断装置とスクラップチョッパーのとの間に設けられたガイドに引っ掛かり、耳端部を円滑にスクラップチョッパーに搬送することが出来ないトラブルが発生したりする。更に、速度差を上回る耳端部の長さ変化が生じると、耳端部がガイドに引っ掛かり、製造ラインの運転途中で、速度差を調整すべく、現場でオペレータが設定し直して、再運転しなければならない。
【0022】
実際の操業では、耳端部の長さが予め所定の変化量になることを想定して、オペレータが速度差を設定するが、この速度差の設定は、あくまでもオペレータの過去の経験値に基づいて行われる。そのため、各鋼種、板厚、熱間圧延材、冷間圧延材等の材料の違いや圧延機による板幅方向の厚み精度の差異や耳延び量のばらつきによっても異なり、全てを想定した設定を行うことは難しい。更に、速度差を取り過ぎると、当然、耳端部への引張力が過大になり、特に、薄板では、耳端部の破断のトラブルの原因になるため、速度差の設定にも限界があるという課題がある。
【0023】
これを解決するためには、例えば、スクラップチョッパー用のモータをピンチロール用のモータに用いずに、スクラップチョッパー用のモータとピンチロール用のモータとをそれぞれ別個に設けて、耳端部の引張力を調整する方法も考えられる。しかしながら、上述のように、スクラップチョッパーを設置するピットは、耳端部切断装置の設置面よりも下方に設けていることから、ピットの拡張には大掛かりな工事が必要であり、更に、製造ラインのライン長の増大やメンテナンス負担の増加を招いてしまうという課題がある。
【0024】
又、耳端部は、通常、耳端部切断装置での剪断時に、曲げ作用とともに捩り作用も受けるため、鋼板の種類によっては、耳端部が捩り変形した状態になることが多い。そのため、耳端部に捩り変形が生じないようにするための適切な負荷を与えることが必要であるが、上述の速度差による耳端部への引張力の印加では、耳端部の長さが変化することで、耳端部の引張力も変化するため、耳端部への安定した引張力の印加は困難である。特に、厚板では、曲げと捩りの変形が塑性変形となるため、適切な引張力に加えて、更に耳端部の塑性変形を元に戻す矯正力の印加も必要になるが、従来では、このようなことが考慮されていない。これらにより、耳端部の搬送はもちろん、ピンチロールへの耳端部の挟み込みやスクラップチョッパーへの耳端部の噛み込みが円滑にいかないトラブルや耳端部の変形が原因で設備に負荷が掛かるトラブルが発生するという課題がある。
【0025】
ここで、特許文献1-5に記載の技術では、全て、スクラップチョッパーが、耳端部切断装置の後面で、且つ、当該耳端部切断装置の設置面よりも下方に設置することを想定しているため、上述した課題を解決することは出来ない。
【0026】
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ライン長を長くすることなく、耳端部の搬送から処理まで円滑に行うことが可能なスクラップ処理装置及びスクラップ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明に係るスクラップ処理装置は、第一の切断制御部と、案内制御部と、第二の切断制御部と、第一の搬送制御部と、第二の搬送制御部と、を備える。第一の切断制御部は、耳端部切断装置で、パスラインに流れるストリップの幅方向の左右の両端部を左右の耳端部として切断する。案内制御部は、前記耳端部切断装置の後方に設置の架構の設置面の上方に設けられた左右のピンチロールのそれぞれで、前記左右の耳端部のそれぞれを挟み込むことで、当該左右の耳端部のそれぞれを、前記パスラインの鉛直上方に案内する。第二の切断制御部は、前記架構の設置面の上方に設けられたスクラップチョッパーで、前記左右のピンチロールのそれぞれで案内された左右の耳端部のそれぞれを定尺切断する。第一の搬送制御部は、前記架構の設置面の上方に設けられたコンベアーで、前記左右の耳端部が定尺切断されたスクラップを、前記パスラインの鉛直上方から下方のスクラップバッグに搬送する。第二の搬送制御部は、前記耳端部切断装置の後方に設置のループピットを通った切断後のストリップを、前記ループピットの後方に設置の搬送ロールで挟み込んで、前記パスラインの流れ方向の下流に搬送する。
【0028】
本発明に係るスクラップ処理方法は、第一の切断制御工程と、案内制御工程と、第二の切断制御工程と、第一の搬送制御工程と、第二の搬送制御工程と、を備える。スクラップ処理方法の各工程は、スクラップ処理装置の各制御部に対応する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ライン長を長くすることなく、耳端部の搬送から処理まで円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係るスクラップ処理装置の機能ブロックを含む右側面図の一例を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るスクラップ処理装置の前方の右側面斜視図の一例を示す概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るスクラップ処理装置及び駆動形態の平面図の一例を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るスクラップ処理装置及び駆動形態の背面図の一例を示す概略図である。
【
図5】本発明のスクラップ処理装置のライン長と従来のスクラップ処理装置のライン長とを比較した右側面図の一例を示す概略図である。
【
図6】本発明のスクラップ処理装置のライン幅と従来のスクラップ処理装置のライン幅とを比較した背面図の一例を示す概略図である。
【
図7】本発明のスクラップ処理装置のライン幅と従来のスクラップ処理装置のライン幅とを比較した平面図の一例を示す概略図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るスクラップ処理装置のピンチロールと矯正ロールの右側面図の一例を示す概略図(
図8A)と、他の形態の矯正ロールの右側面図の一例を示す概略図(
図8B)と、他の形態の矯正ロールの右側面図の一例を示す概略図(
図8C)と、である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0032】
本発明に係るスクラップ処理装置1は、
図1-
図4に示すように、耳端部切断装置10と、架構11と、左右のピンチロール12と、スクラップチョッパー13と、コンベアー14と、ループピット15と、搬送ロール16とで基本的に構成されている。
【0033】
耳端部切断装置10は、例えば、地上面Gに設置されたスリッター又はサイドトリマーであり、パスラインの水平方向の一方に流れるストリップSの幅方向の左右の両端部Eに対応する丸刃を有し、丸刃を回転させることで、左右の両端部Eを切断(剪断)する。
【0034】
又、架構11は、耳端部切断装置10の後方側(ストリップSが流れる下流側)に設置され、柱と梁を組み合わせて構成し、必要に応じて筋交いが設けられている。架構11は、ストリップSが流れるパスラインの鉛直上方に設置面11sを有している。架構11の設置面11sは、右側面視で、地上面Gよりも高い位置である。架構11の設置面11sは、平面視で、例えば、ストリップSの幅方向のサイズよりも広いサイズであり、ストリップSの一部の幅方向のサイズを覆うように設置される。
【0035】
又、左右のピンチロール12は、例えば、上下一対のロールが3つ並んで構成され、架構11の設置面11sの上方に設置される(左右のピンチロール12の駆動形態は、具体的には、
図7を参照)。又、左右のピンチロール12は、左右の耳端部Eの位置に対応した位置にそれぞれ設置される。スクラップチョッパー13は、左右のピンチロール12と同様に、架構11の設置面11sの上方に設置される。又、スクラップチョッパー13は、左右の耳端部Eの位置に対応した位置に設置される。
【0036】
又、コンベアー14は、架構11の設置面11sの上方に設置される。コンベアー14は、ストリップSの幅方向に沿って設けられ、スクラップチョッパー13が切断した左右の耳端部Eのスクラップsを受けて、地上面Gに設置されたスクラップバッグBに搬送する。スクラップチョッパー13とコンベアー14との間には、必要に応じて、スクラップをコンベアー14に案内するガイド14aが設けられる。又、コンベアー14の先端は、パスラインの鉛直上方から下方のスクラップバックBに向かって搬送するための傾斜コンベアー14aが構成されても良い。
【0037】
又、ループピット15は、耳端部切断装置10の後方に設置される。ループピット15は、例えば、耳端部切断装置10の後方で、地上面Gから所定の深さだけ掘り下げることで設けられ、架構11の鉛直下方に設けられる。ループピット15の内壁面には、コンクリート基礎が設けられる。又、搬送ロール16は、上下一対のロールで構成され、ループピット15の後方に設けられ、耳端部切断装置10で左右の耳端部Eを切断されたストリップSの先端を、ループピット15の間をまたぐように挟み込んで、パスラインの水平方向の一方に搬送する。
【0038】
耳端部切断装置10と搬送ロール16との間で、ループピット15と架構11の設置面11sとの間には、パスラインを構成するテーブル17が設けられ、耳端部切断装置11から送出されるストリップSが、テーブル17の上面を滑走して、搬送ロール16に引き入れられる。
【0039】
ここで、テーブル17のうち、ループピット15の底面に対面する第一の可動テーブル17aと第二の可動テーブル17bとは、パスラインの流れ方向に沿って並べられ、第一の可動テーブル17aは、耳端部切断装置10の後方近傍の軸17a1に軸支され、第二の可動テーブル17bは、搬送ロール16の前方近傍の軸17b1に軸支され、第一の可動テーブル17aと第二の可動テーブル17bとは、ループピット15の内部に向かって回動可能に設けられている。第一の可動テーブル17aと第二の可動テーブル17bとがループピット15の内部に向かって回動することで、ループピット15の内部にストリップSを懸垂線の状態で搬送することが出来る。
【0040】
さて、耳端部切断装置10と、左右のピンチロール12と、スクラップチョッパー13と、コンベアー14と、搬送ロール16とは、制御部によってそれぞれ制御されている。
【0041】
具体的には、本発明に係るスクラップ処理装置1では、先ず、耳端部切断装置10を制御する第一の切断制御部201は、耳端部切断装置10で、パスラインに流れるストリップSの幅方向の左右の両端部Eを左右の耳端部として切断する。
【0042】
次に、左右のピンチロール12を制御する案内制御部202は、左右のピンチロール12のそれぞれで、切断された左右の耳端部Eのそれぞれを挟み込むことで、当該左右の耳端部Eのそれぞれを、パスラインの鉛直上方に案内する。
【0043】
そして、スクラップチョッパー13を制御する第二の切断制御部203は、スクラップチョッパー13で、左右のピンチロール12のそれぞれで案内された左右の耳端部Eのそれぞれを定尺切断する。
【0044】
更に、コンベアー14を制御する第一の搬送制御部204は、コンベアー14で、左右の耳端部Eが定尺切断されたスクラップsを、パスラインの鉛直上方から下方のスクラップバッグBに搬送する。
【0045】
又、搬送ロール16を制御する第二の搬送制御部205は、ループピット15を通った(乗り越えた、跨った)切断後のストリップSを搬送ロール16で挟み込んで、パスラインの流れ方向の下流に搬送する。
【0046】
これにより、ライン長を長くすることなく、耳端部の搬送から処理まで円滑に行うことが可能となる。即ち、本発明では、耳端部切断装置10の後方に架構11を設置し、架構11の設置面11sに、ピンチロール12と、スクラップチョッパー13と、コンベアー14とを設置し、切断された左右の耳端部Eを、パスラインの鉛直上方に案内して処理している。従来では、スクラップチョッパー13の駆動により発生する振動でトラブルが生じると言われていたが、筋交い等の手段により架構11を適切に設けることで、トラブルの問題を解消可能である。
【0047】
つまり、本発明では、
図5に示すように、耳端部切断装置10の後方の架構11の設置面11sに、ピンチロール12とスクラップチョッパー13とコンベアー14とを設ければ良いため、従来のように、ピンチロール12とスクラップチョッパー13とコンベアー14のためのピットPを別途設ける必要が無くなる。更に、本発明では、耳端部切断装置10の後方にループピット15を設置することが可能となるため、従来のように、ピットPと、ループピット15とをストリップSのパスラインに沿って並べて設ける必要が無くなり、製造ラインのライン長を短くすることが可能となるのである。
【0048】
又、架構11の設置面11sにピンチロール12と、スクラップチョッパー13と、コンベアー14とを設置することで、これらの装置のためのメンテナンス作業が、上部の周囲に障害物が無いオープンなスペースで行うことが可能となる。そのため、本発明では、従来のように、ピットPの上方に配置されたテーブルTを取り外して、スクラップチョッパー13をメンテナンスする等の作業が不要になることから、メンテナンス作業時間の短縮、経費の削減を図ることが出来る。
【0049】
更に、本発明では、
図6に示すように、架構11の設置面11sにコンベアー14を設置することで、スクラップチョッパー13で定尺に切断されたスクラップsをコンベアー14を介してパスラインの上方から下方のスクラップバッグBに単純に落下させれば良い。そのため、本発明では、従来のように、ピットPのスクラップチョッパー13で生じたスクラップsを、上方傾斜コンベアーCによって地上面Gの下方から上方のスクラップバッグBに向かって搬送する必要が無くなるとともに、上方傾斜コンベアーCの設置のためのピットPの拡張を行う必要も無くなることから、コンベアー全体の簡素化を実現し、製造ラインのライン幅を短くし、コンベアー設置費の削減を図ることが出来る。
【0050】
ここで、左右のピンチロール12の駆動構成は、左右別個に単独のトルク制御モータとした新規で理想的な構成であり、例えば、
図3、
図7に示すように、左右のピンチロール12の駆動モータ12Mを、スクラップチョッパー13の駆動モータの速度モータ13Mと異なるトルクモータで構成し、案内制御部202は、左右のピンチロール12のトルクモータ12Mにより、左右の耳端部Eのそれぞれに所定のトルク(張力)を付与する構成が本来ベストである。即ち、本発明では、従来のように、耳端部切断装置10のストリップSの送出速度(パスラインの流れ速度)とスクラップチョッパー13の回転速度との速度差を設けて、左右の耳端部Eに引張力を発生させるのではなく(速度差制御)、左右のピンチロール12のトルクモータ12Mにより、左右の耳端部Eのそれぞれに予めトルクを設定して付与するトルク制御(張力制御)の方式を採用する。
【0051】
これにより、左右の耳端部Eのそれぞれに長さ変化が生じたとしても、トルクモータ12Mにより、左右の耳端部Eのそれぞれには、絶えず、適切な一定の張力が印加され、左右の耳端部Eのそれぞれは引っ張られながら、スクラップチョッパー13に送り込まれる。そのため、左右の耳端部Eのそれぞれを安定してスクラップチョッパー13に搬送することが可能となり、左右の耳端部が変形して、スクラップチョッパー13への噛み込み不良が生じる等のトラブルを確実に回避することが出来る。
【0052】
一方、スクラップチョッパー13は、左右のピンチロール12と関係ない速度モータ13Mで、左右のピンチロール12の回転速度よりも少し速い一定の速度で刃物を回転させることで、左右の耳端部Eの引張過ぎ(張力過大)を気にせずに、速度制御だけで、左右の耳端部Eの長さ変化に対して十分な余裕を持ってスクラップチョッパー13を運転することができる。つまり、左右のピンチロール12の駆動部とスクラップチョッパー13の駆動部とを分離することで、左右の耳端部Eの最適な搬送方式を実現することが出来るのである。
【0053】
尚、
図7に示すように、従来は、耳端部切断装置10の後方にピットPを設けて、そこに左右のピンチロール12とスクラップチョッパー13とを設ける必要があったことから、ピットPのスペースの拡張には、工事費が嵩むとともに、土地の種類によって限界があり、通常は、最低限のスペースのピットPしか設置することは出来ない。このようなピットPの狭隘なスペースでは、左右のピンチロール12の回転軸とスクラップチョッパー13の回転軸とをギアgで連結して、いずれかの回転軸を回転させることで、左右のピンチロール12とスクラップチョッパー13とを一体で回転させる一体式速度モータMを採用せざるを得なかった。本発明は、パスラインの鉛直上方に位置する架構11の設置面11sを広く設計することが可能であることから、左右のピンチロール12のトルクモータ12Mとスクラップチョッパー13の速度モータ13Mとを別途独立に設けることが出来るのである。
【0054】
又、左右のピンチロール12を構成する上下一対のロールの数は、
図1に示すように、3つであるが、この数に特に限定は無く、1つでも2つ以上でも構わない。
【0055】
又、左右のピンチロール12を構成する上下一対のロールのうち、一部のロールを、左右の耳端部Eのそれぞれに圧力を印加して、左右の耳端部Eを圧力変形させる矯正ロール12aで構成し、案内制御部202は、矯正ロール12aにより、左右の耳端部Eの曲げ変形又は捩り変形を矯正すると好ましい。即ち、本発明では、
図8Aに示すように、左右のピンチロール12を構成する上下一対のロールのうち、最初の第一の上下一対のロールを矯正ロール12aにして、最初に挟み込まれた左右の耳端部Eの変形又は捩り変形を矯正し、続く第二の上下一対のロールをピンチロール12bにして、ピンチロール12bにて耳端部Eを適正な張力で引き込みながら、スクラップチョッパー13に送り込むのが良い。矯正ロール12aは、耳端部Eの矯正と引張を負担し、ピンチロール12bは、耳端部Eの引張のみを負担する。この双方を一括して左右別々の駆動モータ12M(トルク制御モータ)で制御する。即ち、本発明では、
図8Aに示すように、左右のピンチロール12を構成する上下一対のロールのうち、最初に左右の耳端部Eを挟み込む上下一対のロールと、耳端部Eの曲がりや捩れに応じて上下のいずれかのロールとにおいて、
図8B、
図8Cに示すように、上下一対のロールの中心をずらして(オフセット)、上のロールを鉛直下方に適量圧下する方式や、左右2本のロール間の上ロールを鉛直下方に適量圧下する方式として、矯正ロール12aにて耳端部Eを矯正し、円滑に搬送可能な状態にして、後に続く通板張力付加のピンチロール12b(張力付加制御のトルクモータ駆動)にて、スクラップチョッパー13に送り込む。尚、
図8B、
図8Cでは、いずれの方式も、上ロールの鉛直下方への圧下量(いわゆるインターメッシュ量)は形状に応じて予め設定可能である。これにより、耳端部切断装置10でストリップSの幅方向の両端部の切断による曲げ作用や捩り作用による耳端部Eの塑性変形が著しい場合は、矯正ロール12aで、耳端部Eの塑性変形を元に戻すことで、円滑にスクラップチョッパー13に耳端部Eを投入することが出来るため、更に安定した運転を可能となる。特に、スクラップチョッパー13の主な使用域の厚板(3mm-13mm程度)の耳端部Eでは、矯正作用が有効に働き、非常に安定した運転が可能となった。
【0056】
尚、
図8B、
図8Cに示す矯正ロール12aとピンチロール12bは、ギアを介して機械的に連結されており、共通のトルクモータ12Mにより回転可能である。又、矯正ロール12aを設けることで、ピンチロール12の部分は、ストリップSの流れ方向に長くなるが、本発明では、架構11にピンチロール12を設けているため、ピンチロール12を含む設備が架構11の設置面11sでストリップSの流れ方向に長くなっても、製造ラインのライン長が長くなることは無い。
【0057】
又、
図8B、
図8Cに示す矯正ロール12aの構成に特に限定は無く、例えば、板厚や変形の程度に応じて、適宜設計変更して、設備化すれば良い。例えば、
図8Bに示すように、上下一対の矯正ロール12aについて、上方の矯正ロール12a1を、下方の矯正ロール12a2に対して、耳端部Eの流れ方向に沿って所定の長さだけずらすことで、耳端部Eへの矯正作用を高めることが出来る。ここで、矯正作用を更に挙げるために、上方の矯正ロール12a1は、鉛直下方に所定の長さだけ下げても良いし、下方の矯正ロール12a2を鉛直上方に所定の長さだけ上げても良い。
【0058】
又、
図8Cに示すように、第一の下方の矯正ロール12a3と、上方の矯正ロール12a4と、第二の下方の矯正ロール12a5とを、耳端部Eの流れ方向に沿って交互に配置することで、矯正ロール12aを構成して、耳端部Eへの矯正作用を更に高めることが出来る。ここで、上述と同様に、矯正作用を更に挙げるために、上方の矯正ロール12a4は、鉛直下方に所定の長さだけ下げても良いし、第一の下方の矯正ロール12a3と第二の下方の矯正ロール12a5とを鉛直上方に所定の長さだけ上げても良い。
【0059】
尚、
図8B、
図8Cに示す矯正ロール12aは、あくまでもスクラップチョッパー13への送り込みに支障のない程度の矯正を耳端部Eに行える構成であれば良く、耳端部Eの板厚が薄い場合は、矯正ロール12a自体を省略しても構わない。
【0060】
ここで、
図8Aに示すように、左右のピンチロール12の前方のそれぞれに、左右の耳端部Eのそれぞれを案内する第一のガイドロール12cが設けられると、耳端部切断装置10から上方に搬送された耳端部Eを適切に受けて、ピンチロール12に流すことが可能となる。
【0061】
又、左右のピンチロール12の後方のそれぞれと、スクラップチョッパー13の前方との間に、左右の耳端部Eのそれぞれを案内する第二のガイドロール12dが設けられると、ピンチロール12で搬送された耳端部Eを適切に受けて、スクラップチョッパー13に投入することが可能となる。
【0062】
本発明の実施例は、通板材が普通鋼板で、板厚が3.0mm-9.0mmで、板幅が800mm-1800mmで、最大ライン速度が135m/minのスリッターラインで、
図8Bに示す構成のピンチロールとスクラップチョッパー13及び搬出用のコンベアー14とを有する設備(スクラップ処理装置1)である。従来の設備では、耳端部の連続的な定尺切断に不具合が生じ、ラインが停止する事態が発生していたが、実施例の設備で耳端部Eを処理すると、ラインが停止する事態の頻度が激減し、耳端部を長期的に連続して定尺切断することが出来た。
【0063】
尚、本発明の実施形態では、スクラップ処理装置1が各制御部を備えるよう構成したが、当該各制御部を実行する工程を有するスクラップ処理方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明に係るスクラップ処理装置及びスクラップ処理方法は、耳端部が発生するストリップの製造ラインに有用であり、専用の架構を設け、その上にピンチロールやスクラップチョッパー及びコンベアーを設けることで、ライン長を長くすることなく、耳端部の搬送から処理まで円滑に行うことが可能なスクラップ処理装置及びスクラップ処理方法として有効である。
【符号の説明】
【0065】
1 スクラップ処理装置
10 耳端部切断装置
11 架構
12 左右のピンチロール
13 スクラップチョッパー
14 コンベアー
15 ループピット
16 搬送ロール
201 第一の切断制御部
202 案内制御部
203 第二の切断制御部
204 第一の搬送制御部
205 第二の搬送制御部