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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】リフレクション撮影補助具
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20240501BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240501BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G03B15/00 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023218680
(22)【出願日】2023-12-25
【審査請求日】2024-01-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】323013424
【氏名又は名称】小野 武
(73)【特許権者】
【識別番号】323013480
【氏名又は名称】佐々木 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212727123(CN,U)
【文献】登録実用新案第3190624(JP,U)
【文献】登録実用新案第3194367(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0073210(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0062416(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0189158(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0068709(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0056842(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 15/00
G03B 35/08
G03B 37/00
G06F 1/16
H04M 1/00-1/21
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影装置を支持する撮影装置支持部と、
前記被写体を反射させる反射面を有するミラーと、
前記撮影装置支持部により支持された前記撮影装置の撮影方向前方となる位置で前記ミラーを支持するミラー支持部と、
を備え、
前記撮影装置支持部と前記ミラー支持部との少なくともいずれかは、リフレクション撮影の際に前記被写体と前記反射面により前記被写体が反射した像との上下方向の占有比率を変更可能とすべく、前記撮影装置の光軸と前記反射面とのなす角度を調整する調整部を有しており、
前記ミラー支持部として、前記ミラーを収容可能な収容容器を備え、
前記収容容器は、当該収容容器に前記ミラーが全て収容された収容状態と、前記ミラーの一部が当該収容容器から突出した突出状態との間で、前記ミラーをスライド可能に支持するものであり、
前記収容容器には、前記ミラーが前記突出状態にある場合に、前記ミラーの前記突出する側とは反対側において前記収容状態で前記ミラーが配置されていた領域に前記撮影装置支持部が配置される、リフレクション撮影補助具。
【請求項2】
前記ミラーには、前記反射面とは反対側の面から突出する突部が設けられており、
前記収容容器には、前記突出状態において前記突部との当接により前記ミラーの突出量を規制する規制部が設けられている、請求項に記載のリフレクション撮影補助具。
【請求項3】
前記収容容器は、前記ミラーの収容状態で当該ミラーを囲う周壁部を有し、
前記ミラーのスライド方向において前記突出状態で前記ミラーが突出する側の前記収容容器の一部を下方に変位可能とするか又は取り外し可能とし、その変位又は取り外しにより形成された開放部にて前記ミラーをスライドさせる、請求項に記載のリフレクション撮影補助具。
【請求項4】
被写体を撮影する撮影装置を支持する撮影装置支持部と、
前記被写体を反射させる反射面を有するミラーと、
前記撮影装置支持部により支持された前記撮影装置の撮影方向前方となる位置で前記ミラーを支持するミラー支持部と、
を備え、
前記撮影装置支持部と前記ミラー支持部との少なくともいずれかは、リフレクション撮影の際に前記被写体と前記反射面により前記被写体が反射した像との上下方向の占有比率を変更可能とすべく、前記撮影装置の光軸と前記反射面とのなす角度を調整する調整部を有しており、
前記撮影装置は、表面に表示画面が設けられ、かつ背面にカメラレンズが設けられたスマートフォン又はタブレットであり、
前記ミラー支持部として、前記ミラーを収容可能な収容容器を備え、
前記撮影装置支持部は、前記ミラーと前記撮影装置が並ぶ方向に直交する幅方向において、前記収容容器の幅内に前記撮影装置支持部が配置された状態と、前記撮影装置支持部の一部が前記収容容器から突出した突出状態との間でスライド可能に設けられている、リフレクション撮影補助具。
【請求項5】
記収容容器は、前記ミラーを前記反射面側から押さえる押さえ部を備え、
前記押さえ部は、前記撮影装置支持部により前記撮影装置が支持された状態において当該撮影装置の前記光軸を挟んで前記反射面の幅方向両側となる位置に設けられており、
前記反射面の幅方向両側の前記押さえ部は、互いの対向部が前記撮影装置から遠い側ほど互いに離れる形状となっている、請求項1~4のいずれか1項に記載のリフレクション撮影補助具。
【請求項6】
前記撮影装置支持部と前記ミラー支持部との少なくともいずれかは、前記調整部として、回動により前記撮影装置の光軸と前記反射面とのなす角度を調整する回動調整部を有しており、
前記回動調整部は、前記撮影装置のうち前記ミラーから遠い側が前記ミラーに近づくように前記回動を行わせ、前記撮影装置の光軸が前記反射面に平行な位置よりも前記ミラーに近づく側に傾くように角度調整するものである、請求項1~4のいずれか1項に記載のリフレクション撮影補助具。
【請求項7】
前記撮影装置は、表面に表示画面が設けられ、かつ背面にカメラレンズが設けられたスマートフォン又はタブレットであり、
前記回動調整部は、前記撮影装置支持部を、前記撮影装置のうち前記ミラーから遠い側が前記ミラーに近づくように回動させ、前記撮影装置の光軸が前記反射面に平行な位置よりも前記ミラーに近づく側に傾くように角度調整するものであり、
前記撮影装置支持部は、前記背面を、前記カメラレンズを挟む両側で支持する、請求項に記載のリフレクション撮影補助具。
【請求項8】
被写体を撮影する撮影装置を支持する撮影装置支持部と、
前記被写体を反射させる反射面を有するミラーと、
前記撮影装置支持部により支持された前記撮影装置の撮影方向前方となる位置で前記ミラーを支持するミラー支持部と、
を備え、
前記撮影装置支持部と前記ミラー支持部との少なくともいずれかは、リフレクション撮影の際に前記被写体と前記反射面により前記被写体が反射した像との上下方向の占有比率を変更可能とすべく、前記撮影装置の光軸と前記反射面とのなす角度を調整する調整部を有しており、
前記撮影装置は、表面に表示画面が設けられ、かつ背面にカメラレンズが設けられたスマートフォン又はタブレットであり、前記表示画面を覆う開閉カバーの装着が可能となっており、
前記ミラー支持部は、前記撮影装置支持部により支持された前記撮影装置の前記開閉カバーを前記ミラーの上方で支持するカバー支持部を備える、リフレクション撮影補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフレクション撮影補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を水面などに反射させた像を被写体とともに撮影したリフレクション写真が知られている。リフレクション写真の代表例としては、逆さ富士がある。ところで、被写体である富士山を反射させる水面が波打っているような場合には、美しいリフレクション写真が得られない。
【0003】
そこで、リフレクション写真を例えばカメラ付き携帯通信端末で撮影する場合に、水面のような自然の中にある反射面ではなく、人工的にミラーで撮影するリフレクション撮影補助具が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1のリフレクション撮影補助具では、カメラ付き携帯通信端末に設けられたカメラレンズの直下に、端末の背面に対して垂直又は45~135°のいずれかの角度となるようにしてミラーを固定することにより、ミラーで被写体を反射させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3232345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のリフレクション撮影補助具では、ミラーが端末の背面に対して垂直等の角度に固定される構成であるため、被写体と、被写体が反射した像とのバランスを調整することができない。そのため、被写体の大きさや距離等に応じた適切なリフレクション撮影を行うことが困難である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被写体に応じて適切なリフレクション撮影を行うことができるリフレクション撮影補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明におけるリフレクション撮影補助具は、
被写体を撮影する撮影装置を支持する撮影装置支持部と、
前記被写体を反射させる反射面を有するミラーと、
前記撮影装置支持部により支持された前記撮影装置の撮影方向前方となる位置で前記ミラーを支持するミラー支持部と、
を備え、
前記撮影装置支持部と前記ミラー支持部との少なくともいずれかは、リフレクション撮影の際に前記被写体と前記反射面により前記被写体が反射した像との上下方向の占有比率を変更可能とすべく、前記撮影装置の光軸と前記反射面とのなす角度を調整する調整部を有することを特徴とする。
【0009】
上記構成のリフレクション撮影補助具では、撮影装置支持部により撮影装置を支持し、かつミラー支持部によりミラーを支持した状態として被写体を撮影することにより、水面の波打ち状態等、外部要因の影響を受けることなくリフレクション撮影を行うことができる。また、撮影装置支持部とミラー支持部との少なくともいずれかにおいて、調整部により、撮影装置の光軸と反射面とのなす角度の調整が可能になっている。この場合、ユーザが、被写体の大きさや距離等に応じて、撮影装置の光軸と反射面とのなす角度を適宜調整することにより、被写体と反射面により被写体が反射した像との上下方向の占有比率が変更され、リフレクション写真において被写体と被写体の反射像とのバランスを適正化できる。その結果、被写体に応じて適切なリフレクション撮影を行うことができる。
【0010】
第2の発明では、前記撮影装置支持部と前記ミラー支持部との少なくともいずれかは、前記調整部として、回動により前記撮影装置の光軸と前記反射面とのなす角度を調整する回動調整部を有している。前記回動調整部は、前記撮影装置のうち前記ミラーから遠い側が前記ミラーに近づくように前記回動を行わせ、前記撮影装置の光軸が前記反射面に平行な位置よりも前記ミラーに近づく側に傾くように角度調整するものとなっている。
【0011】
本件発明者によれば、撮影装置の光軸をミラー反射面に平行な位置よりもミラーに近づく側に傾けることで、リフレクション写真の出来映えが向上することが確認されている。この点、上記構成によれば、撮影装置支持部とミラー支持部との少なくともいずれかの回動により、所望とするリフレクション写真を得るべく適切な角度調整を行うことができる。
【0012】
第3の発明では、前記撮影装置は、表面に表示画面が設けられ、かつ背面にカメラレンズが設けられたスマートフォン又はタブレットである。前記回動調整部は、前記撮影装置支持部を、前記撮影装置のうち前記ミラーから遠い側が前記ミラーに近づくように回動させ、前記撮影装置の光軸が前記反射面に平行な位置よりも前記ミラーに近づく側に傾くように角度調整するものであり、前記撮影装置支持部は、前記背面を、前記カメラレンズを挟む両側で支持する。
【0013】
撮影装置のうちミラーから遠い側がミラーに近づくように撮影装置支持部を回動させ、撮影装置の光軸をミラー反射面に平行な位置よりもミラーに近づく側に傾ける構成では、撮影装置はカメラレンズ側である背面が鉛直方向下側を向くように傾き、背面側が撮影装置支持部により支えられる。そして、この状態において、カメラレンズを挟む両側で、撮影装置支持部により撮影装置の背面が支持される構成とした。この場合、カメラレンズ付近を安定状態で保持でき、適切なリフレクション撮影を行わせることができる。
【0014】
第4の発明では、前記ミラーを収容可能な収容容器を備える。前記ミラー支持部は、前記収容容器に前記ミラーが全て収容された収容状態と、前記ミラーの一部が前記収容容器から突出した突出状態との間で、前記ミラーをスライド可能に支持するものである。前記収容容器には、前記ミラーが前記突出状態にある場合に、前記ミラーの前記突出する側とは反対側において前記収容状態で前記ミラーが配置されていた領域に、前記撮影装置支持部が配置される。
【0015】
リフレクション撮影補助具においてミラーが収容容器に収容される構成とすることで、持ち運び時や保管時等においてミラー反射面の保護を図ることができる。また、収容容器においてミラーと共に撮影装置を一体的に装着可能にすれば、リフレクション撮影時に撮影器具を集約化でき、リフレクション撮影の操作性が向上する。ただし、ミラーと撮影装置とを収容容器に収容しようとすると、収容容器の大型化が懸念される。この点、収容容器にミラーが全て収容された収容状態と、ミラーの一部が収容容器から突出した突出状態との間でミラーをスライド可能とした。また、収容容器には、ミラーが突出状態にある場合に、ミラーの突出する側とは反対側において収容状態でミラーが配置されていた領域に、撮影装置支持部が配置されるようにした。これにより、非使用時におけるリフレクション撮影補助具のコンパクト化を図りつつも、使用時におけるリフレクション撮影補助具の使い勝手の向上を実現することができる。
【0016】
第5の発明では、前記ミラーには、前記反射面とは反対側の面から突出する突部が設けられており、前記収容容器には、前記突出状態において前記突部との当接により前記ミラーの突出量を規制する規制部が設けられている。
【0017】
上記構成によれば、ミラーの一部が収容容器から突出した突出状態となる場合に、収容容器側の規制部によりミラーの突出量が規制される。これにより、ミラーの突出状態において、ミラーが意図せず収容容器から脱落するといった不都合を抑制できる。
【0018】
第6の発明では、前記収容容器は、前記ミラーの収容状態で当該ミラーを囲う周壁部を有し、前記ミラーのスライド方向において前記突出状態で前記ミラーが突出する側の前記収容容器の一部を下方に変位可能とするか又は取り外し可能とし、その変位又は取り外しにより形成された開放部にて前記ミラーをスライドさせる。
【0019】
収容容器においてミラーのスライド方向の一部を変位させて又は取り外して開放部を形成し、その開放部にてミラーをスライドさせるようにした。この場合、ミラーにおいて収容容器からスライド方向に突出した部位、すなわち撮影装置から遠方となるミラー先端部では、ミラーを囲む周壁部が存在しない状態となる。そのため、リフレクション撮影時において、収容容器の周壁部がリフレクション写真に写り込むことが抑制される。
【0020】
第7の発明では、前記撮影装置は、表面に表示画面が設けられ、かつ背面にカメラレンズが設けられたスマートフォン又はタブレットであって、前記ミラーを収容可能な収容容器を備える。前記撮影装置支持部は、前記ミラーと前記撮影装置が並ぶ方向に直交する幅方向において、前記収容容器の幅内に前記撮影装置支持部が配置された状態と、前記撮影装置支持部の一部が前記収容容器から突出した突出状態との間でスライド可能に設けられている。
【0021】
スマートフォン等の撮影装置では、カメラレンズを有する背面においていずれかの角部に偏った位置にカメラレンズが設けられていることがある。そのため、カメラレンズをミラーの幅方向中央位置に配置しようとすると、撮影装置の一部が収容容器からはみ出てしまい撮影装置の支持が不安定状態になることが懸念される。この点、撮影装置支持部を、ミラーと撮影装置とが並ぶ方向に直交する幅方向において、収容容器の幅内に撮影装置支持部が配置された状態と、撮影装置支持部の一部が収容容器から突出した突出状態との間でスライド可能としたため、撮影装置のカメラレンズをミラーの幅方向中央位置に配置しても撮影装置を安定状態で支持することができる。
【0022】
第8の発明では、前記収容容器により前記ミラー支持部が構成されており、前記収容容器は、前記ミラーを前記反射面側から押さえる押さえ部を備える。前記押さえ部は、前記撮影装置支持部により前記撮影装置が支持された状態において当該撮影装置の前記光軸を挟んで前記反射面の幅方向両側となる位置に設けられており、前記反射面の幅方向両側の前記押さえ部は、互いの対向部が前記撮影装置から遠い側ほど互いに離れる形状となっている。
【0023】
収容容器においてミラーを押さえ部により反射面側から押さえることにより、ミラーの脱落やミラーの浮き上がりを抑制できる。ただし、リフレクション撮影時においてミラーの反射面上に位置する押さえ部がリフレクション写真に写り込むことが懸念される。この点、幅方向両側の押さえ部において、互いの対向部が撮影装置から遠い側ほど互いに離れる形状としたため、押さえ部がリフレクション写真に写り込むことを抑制できる。
【0024】
第9の発明では、前記撮影装置は、表面に表示画面が設けられ、かつ背面にカメラレンズが設けられたスマートフォン又はタブレットであり、前記表示画面を覆う開閉カバーの装着が可能となっている。前記ミラー支持部は、前記撮影装置支持部により支持された前記撮影装置の前記開閉カバーを前記ミラーの上方で支持するカバー支持部を備える。
【0025】
スマートフォン等の携帯端末装置からなる撮影装置では、表示画面の保護のために開閉カバー(手帳型スマホケース等)が装着されることがあるが、リフレクション撮影時には開閉カバーが邪魔になる、又は開閉カバーの取り外しが強いられることが懸念される。この点、撮影装置支持部により支持された撮影装置の開閉カバーを、ミラー支持部に設けたカバー支持部により支持する構成にすることで、リフレクション撮影時において撮影装置に開閉カバーを取り付けたままでの撮影が可能となる。また、開閉カバーがミラーの上方で支持されることで、開閉カバーが庇として機能し、リフレクション撮影時における余分な光を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】リフレクション撮影補助具の構成を示す図。
図2】ケースとミラーとを分解して示す斜視図。
図3】ケースにミラーを組み込んだ状態を示す縦断面図。
図4】スマホホルダの構成を示す図。
図5】非使用状態のリフレクション撮影補助具を説明するための図。
図6】リフレクション撮影時におけるリフレクション撮影補助具の状態を示す模式図。
図7】リフレクション写真の一例を示す図。
図8】別例のリフレクション撮影補助具を示す図。
図9】別例のリフレクション撮影補助具を示す図。
図10】別例のリフレクション撮影補助具を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、携帯端末装置であるスマートフォンを用いてリフレクション撮影を行う場合においてリフレクション撮影を補助するリフレクション撮影補助具10について説明する。図1には、リフレクション撮影補助具10の構成を示しており、図1(a)はリフレクション撮影補助具10の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA-A線断面図であり、図1(c)は図1(a)のB-B線断面図である。
【0028】
図1に示すように、リフレクション撮影補助具10は、ケース11と、ミラー12と、スマホホルダ13とを有している。図1には、リフレクション撮影補助具10においてスマホホルダ13に撮影装置としてのスマートフォン20が装着された状態が示されている。リフレクション撮影補助具10は、スマートフォン20が装着された状態で、スマートフォン20のカメラ前方のミラー12を用いて被写体のリフレクション撮影を行うものとなっている。スマートフォン20において、厚み方向の両面のうち表面が表示画面(表示パネル)を有する表示面22であり、その反対側の背面がカメラレンズ21を有するレンズ面23である。スマートフォン20は、長手方向が左右となる横置きとし、かつレンズ面23をミラー12側にした状態でリフレクション撮影補助具10に装着されるようになっている。
【0029】
図2は、ケース11とミラー12とを分解して示す斜視図であり、図3は、ケース11にミラー12を組み込んだ状態を示す縦断面図である。図3において、(a)はケース11にミラー12の全体を収容した状態を示し、(b)はケース11からミラー12の一部が引き出された状態を示す。
【0030】
ミラー12は、平面視で長方形状をなす平板状ミラーである。ミラー12は、例えば短辺側の長さ寸法が100~200mm程度、長辺側の長さ寸法が150~250mm程度の大きさを有している。ミラー12において図の上面がミラー反射面12aである。
【0031】
ケース11は、扁平直方体状をなす容器であり、ミラー12の全体を収容可能な大きさを有している。ケース11の底部31には、ミラー12を載置するミラー載置部32が設けられている。ミラー載置部32は、例えばケース11の短辺方向である幅方向に延びる突条部であり、互いに平行に2箇所に設けられている。ただし、ミラー載置部32の形態は任意であり、ケース11内において、ミラー12を載置した状態で支持できるものであればよい。
【0032】
ケース11において底部31の周囲を囲む周壁部33のうち長辺側の二辺の周壁部33には、ケース11にミラー12が組み込まれた状態でミラー12を上面側から押さえる押さえ部34が設けられている。ミラー12は、ミラー反射面12aを上側にしてミラー載置部32の上に載置され、かつミラー反射面側から押さえ部34により押さえられた状態でケース11に組み込まれている。また、ミラー12の裏面側には突部12bが取り付けられている。ケース11が、ミラー12を収容する収容容器に相当するとともに、ミラー12を支持するミラー支持部に相当する。
【0033】
また、ケース11は、内部に収容したミラー12をスライドさせ、外部に引き出すことを可能とする構成を具備している。具体的には、ケース11は、長辺方向一端側の一部であるケース端部35が下方に屈曲可能(変位可能)となっており、ケース端部35の屈曲によりケース11が側方に開放され、その開放部からミラー12の一部がケース11外に引き出し可能になっている。図2の構成では、ケース11のうち、ミラー12のスライド方向においてミラー12の突出先端側となるケース11の一部が下方に変位可能となるケース端部35となっている。例えば、ケース11の底部31に、ケース11の短辺方向に延びる軸部が設けられ、その軸部によりケース端部35が回動可能になっているとよい。ケース11において、ケース端部35が回動される構成に代えて、ケース端部35が取り外される構成とすることも可能である。
【0034】
ミラー12は、裏面側(ミラー反射面の反対側)がミラー載置部32上に載置され、かつ表面側(反射面側)が押さえ部34により押さえられた状態でスライド可能になっており、スライド移動により、ケース11の側方にミラー12の一部が突出する。このとき、ミラー12のスライド移動に伴いケース11側のミラー載置部32にミラー12側の突部12bが当接することにより、ミラー12のスライド移動量(突出量)が規制されるようになっている。つまり、ケース11側のミラー載置部32は、ミラー12のスライド移動を規制する規制部として機能する。
【0035】
ケース11では、ミラー載置部32によりミラー12が支持された状態において、ケース11内にミラー12が全て収容された収容状態と、ミラー12の一部がケース11から突出した突出状態との間でミラー12のスライド移動が可能になっている。ミラー12の一部がケース11から突出した突出状態では、ケース11においてミラー12の突出先端側とは反対側に、ミラー12が非存在となった空き領域Sが形成される(図3(b)参照)。そして、空き領域Sに、撮影装置支持部であるスマホホルダ13が配置される。
【0036】
図4には、スマホホルダ13の構成を示している。図4(a)は、スマホホルダ13の平面図であり、図4(b)は、図4(a)のC-C線断面図であり、図4(c)は、スマホホルダ13にスマートフォン20を装着した状態を示す図である。
【0037】
スマホホルダ13は、ベース部41と、ベース部41に対して支軸部42により回動可能に取り付けられている回動支持部43とを有している。回動支持部43は、スマホホルダ13においてスマートフォン20が装着されるスマホ装着部である。ベース部41は板状をなしており、下面が底部31の上面に当接する状態でケース11に組み付けられる。ベース部41はケース11に依存する向きで組み付けられ、そのベース部41に対して回動支持部43が回動可能となっている。
【0038】
回動支持部43は、平板状をなし、ベース部41との間でなす角度が調整可能となっている。回動支持部43の板面の延伸方向と、ベース部41の板面の延伸方向との間の角度をθ1とすると、回動支持部43は、角度θ1=0~90°の範囲内で回動可能となっている。回動支持部43は、ベース部41に対する角度調整が行われた状態で、スマートフォン20をレンズ面23側から支えるものとなっている。ここで、ベース部41がケース11(より詳細にはケース11の底部31)に依存する向きで設けられることからすれば、回動支持部43は、ケース11(ケース11の底部31)に対するスマートフォン20の向きを調整可能とするものである。回動支持部43の回動により、スマートフォン20におけるカメラレンズ21の光軸の向きが調整される。回動支持部43が回動調整部に相当する。
【0039】
回動支持部43において回動可能な角度θ1(0~90°)のうち、例えばθ1=70~90°の角度がリフレクション撮影時に用いる調整角度範囲である。
【0040】
スマホホルダ13は、回動支持部43の角度調整が行われた場合に、その角度で回動支持部43が固定される機能(角度固定機能)を有しているとよい。例えば、スマホホルダ13に、角度調整した状態でベース部41に対する回動支持部43の位置を固定する固定部材が設けられているとよい。又は、スマホホルダ13の支軸部42に、回動支持部43の回動位置をロックするロック機構が設けられているとよい。
【0041】
また、スマホホルダ13、又はスマホホルダ13が組み付けられたケース11に、回動支持部43の角度が分かる表記をしておき、その表記を見ながらユーザが角度調整を行うようにしてもよい。また、回動支持部43の調整角度として所定角度刻みで多段階の角度を予め定めておき、各段階で回動支持部43を固定できるようになっていてもよい。
【0042】
スマートフォン20は、厚み方向の両面(レンズ面23及び表示面22)で支えられていてもよい。例えば、図4(c)に示すように、ベース部41に、スマートフォン20の表示面22に当接する当接部44が設けられているとよい。
【0043】
図4(a)に示すように、回動支持部43には、板材の一部を欠落させた開口部45が設けられている。これにより、回動支持部43にスマートフォン20を装着した状態において、スマートフォン20のカメラレンズ21をミラー12側に露出させることができる。回動支持部43の開口部45の大きさは、スマートフォン20の機種ごとにカメラレンズ21の位置が相違していることを考慮して定められているとよい。また、回動支持部43には、スマートフォン20の左右方向の装着位置を決めるための位置決めストッパ43aが設けられているとよい。
【0044】
スマートフォン20が回動支持部43に装着された状態では、カメラレンズ21を挟んだ幅方向両側で、スマートフォン20のレンズ面23が支持されるようになっている(図1(c)参照)。
【0045】
また、リフレクション撮影補助具10では、スマートフォン20のカメラレンズ21をミラー12の幅方向の中央位置に配置することが望ましい。しかしながら、スマートフォン20では、レンズ面23においていずれかの角部に偏った位置にカメラレンズ21が設けられていることがある。そのため、リフレクション撮影補助具10において、カメラレンズ21をミラー12の幅方向中央位置に配置しようとすると、スマートフォン20の一部がケース11からはみ出てしまいスマートフォン20の支持が不安定状態になることが懸念される。
【0046】
そこで本実施形態では、スマホホルダ13をケース11に組み付けた状態で、ケース11の幅内にスマホホルダ13が配置された状態と、スマホホルダ13の一部がケース11から突出した突出状態との間で、スマホホルダ13をスライド可能とする構成としている。この場合、スマホホルダ13はケース11の幅方向(ミラー12とスマートフォン20とが並ぶ方向に直交する方向)にスライド可能であり、スマホホルダ13のスライドによって、スマートフォン20がスマホホルダ13に支持された状態でケース11の幅方向におけるカメラレンズ21の位置調整が可能となっている。ケース11において、スマホホルダ13のスライド方向はミラー12のスライド方向に直交している。
【0047】
図2に示すように、スマホホルダ13をケース11の幅方向にスライド可能とする構成として、ケース11には、周壁部33の一部に開口部36が設けられている。開口部36は、スマホホルダ13をケース11に組み付けた状態で、スマホホルダ13の一部をケース11の外側に突出させることを可能とする部位である。また、図1図4に示すように、スマホホルダ13のベース部41には、ケース11外側への突出が可能となる突出部46が設けられている。突出部46は、ベース部41においてケース11の幅方向片側の一部分を幅狭にして形成されている。スマホホルダ13がケース11の幅方向にスライドする際には、ベース部41の突出部46がケース11外側に突出する。これにより、スマートフォン20のカメラレンズ21をケース11の幅方向中央位置に配置すべく、ケース11の幅方向においてスマートフォン20がオフセット配置される場合にも、スマートフォン20が安定状態でスマホホルダ13に支持されるようになっている。
【0048】
ケース11の開口部36には、周壁部33の一部となる板状の開閉部37が設けられており、開閉部37により、開口部36が開放された状態と閉鎖された状態とが切り替えられるようになっている。
【0049】
本実施形態のリフレクション撮影補助具10は、スマートフォン20によるリフレクション撮影を行わない非使用時において、ケース11内にミラー12とスマホホルダ13とを一体で収容可能としている。図5は、非使用状態のリフレクション撮影補助具10を説明するための図である。
【0050】
図5(a)に示すように、非使用状態では、ケース11内にミラー12の全体が収容され、ミラー12の上にスマホホルダ13が重ねて配置される。このとき、スマホホルダ13は、ベース部41と回動支持部43とが一直線状に拡げられた状態(図4(a),(b)の状態)でミラー12の上に重ねて配置される。なお、ミラー反射面12aの上に保護シートを被せておくことも可能である。
【0051】
また、図5(b)に示すように、ケース11には上カバー14が取り付けられるとよい。この場合、リフレクション撮影補助具10の非使用時や持ち運び時には、ケース11と上カバー14とからなる閉鎖容器にミラー12とスマホホルダ13とが収納された状態となる。
【0052】
次に、リフレクション撮影補助具10によるリフレクション撮影の手順を説明する。
【0053】
リフレクション撮影時には、リフレクション撮影補助具10において、ケース11と上カバー14とからなる閉鎖容器内にミラー12とスマホホルダ13とが収納された状態からスマホホルダ13が取り出される。そして、ケース11においてケース端部35の屈曲により一端側が開放された状態で、ミラー12がスライドされる。これにより、ケース11内にミラー12が全て収容された収容状態から、ミラー12の一部がケース11から突出した突出状態へ移行される。
【0054】
そして、ケース11内において、ミラー12のスライドにより形成された空き領域Sにスマホホルダ13が配置される。スマホホルダ13は、ベース部41に対して回動支持部43が折り曲げられ、かつ回動支持部43にスマートフォン20が装着された状態で、空き領域Sに組み付けられる。その後、スマホホルダ13がケース11の幅方向にスライドされることで、スマートフォン20のカメラレンズ21がミラー12の幅方向中心となる位置に位置合わせされる。ミラー12側には、ミラー12の幅方向中心となる位置にマーキング等が施されているとよい。
【0055】
なお、ケース11には、スマホホルダ13の位置ずれや脱落を抑制するための固定部材が設けられているとよい。また、スマホホルダ13には、スマートフォン20の位置ずれや脱落を抑制するための固定部材が設けられているとよい。
【0056】
そして、被写体のリフレクション撮影に際し、被写体の大きさや距離等に応じて、スマートフォン20の光軸とミラー反射面12aとのなす角度が調整される。この角度調整により、フレクション撮影の際に被写体とミラー反射面12aにより被写体が反射した像との上下方向の占有比率を変更でき、ユーザ(撮影者)が意図するリフレクション写真の撮影が可能となっている。
【0057】
図6は、リフレクション撮影時におけるリフレクション撮影補助具10の状態を示す模式図である。図6では、スマートフォン20の光軸Jとミラー反射面12aとのなす角度をθ11としており、リフレクション撮影時には角度θ11が例えば0~20°の範囲内で適宜調整される。スマートフォン20のレンズ面23とミラー反射面12aとのなす角度をθ12とすれば、角度θ12は例えば70~90°の範囲内で調整される。
【0058】
スマホホルダ13の回動支持部43は、ミラー反射面側においてスマートフォン20のうちミラー12から遠い上側がミラー12に近づく状態に回動されることで、スマートフォン20の光軸Jがミラー反射面12aに平行な位置よりもミラー12に近づく側に傾くように角度調整が行われる。これは、図6において角度θ12が鋭角(θ12<90°)となっている状態に相当する。この場合、スマートフォン20はレンズ面23が鉛直方向下側を向くように傾き、スマートフォン20のレンズ面23側が回動支持部43により支えられた状態となっている。
【0059】
図6の状態では、スマートフォン20は、レンズ面23を下側にしてミラー12に対して前屈みとなり、レンズ面23側が回動支持部43にもたれかかった状態となっている。そしてかかる状態において、回動支持部43は、カメラレンズ21を挟む両側でスマートフォン20のレンズ面23を支持するものとなっている(図1(c)参照)。これにより、スマートフォン20は、カメラレンズ付近において安定状態で保持される。
【0060】
図1(a)には、リフレクション撮影時におけるリフレクション撮影補助具10の平面視の状態が示されている。この図1(a)から分かるように、ケース11においてミラー12を押さえる押さえ部34は、互いの対向部がスマートフォン20から遠い側ほど互いに離れるテーパ形状となっている。そのため、押さえ部34がリフレクション写真に写り込むことが抑制されるようになっている。
【0061】
また、ケース11は、ミラー12の引き出しのためにケース端部35が下方に屈曲された状態となっている。そのため、ミラー12においてケース11から突出した部位、すなわちスマートフォン20から遠方となるミラー先端部では、ミラー12を囲む周壁部33が存在しない状態となり、周壁部33がリフレクション写真に写り込むことが抑制される。なお、図1(a)に示す構成では、ケース11においてケース端部35以外の周壁部33がリフレクション写真に写り込まないことを前提にすれば、押さえ部34をテーパ形状にする必要は無い。ただし、押さえ部34の位置によっては写り込みの懸念が生じることから、押さえ部34をテーパ形状にする構成は写り込み対策の一手段として有効なものとなっている。
【0062】
ユーザは、スマートフォン20を装着したリフレクション撮影補助具10を手に持ち、スマートフォン20のカメラレンズ21を撮影対象である被写体に向けて構える。そして、スマートフォン20の表示画面に映し出された撮影画像を確認しながら、リフレクション撮影を行う。
【0063】
なお、図1等では、スマホホルダ13において、スマートフォン20を長手方向が左右となる横置きの状態で装着した状態が示されているが、スマートフォン20を長手方向が上下となる縦置きの状態で装着することも可能である。すなわち、本実施形態のリフレクション撮影補助具10は、スマートフォン20の横置き及び縦置きのいずれにも対応可能なものとなっている。
【0064】
図7は、リフレクション撮影補助具10を用いて撮影されたリフレクション写真の一例を示す図である。図7(a)は、リフレクション撮影補助具10において、スマートフォン20の光軸Jとミラー反射面12aとのなす角度θ11を0°(角度θ12なら90°)とした場合のリフレクション写真である。また、図7(b)は、リフレクション撮影補助具10において、スマートフォン20の光軸Jとミラー反射面12aとのなす角度θ11を5°(角度θ12なら85°)とした場合のリフレクション写真である。
【0065】
図7(a),(b)では、リフレクション写真において、被写体が直接撮影された実像画像をX1とし、ミラー12による反射像画像をX2としている。図7(a),(b)を対比すると、(b)では、(a)に比べて実像画像X1に対する反射像画像X2の比率が大きく、反射像が強調されたものとなっている。
【0066】
以上詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0067】
上記構成のリフレクション撮影補助具10では、スマホホルダ13によりスマートフォン20を支持し、かつケース11のミラー載置部32によりミラー12を支持した状態として被写体を撮影することにより、水面の波打ち状態等、外部要因の影響を受けることなくリフレクション撮影を行うことができる。また、スマホホルダ13の回動支持部43により、スマートフォン20の光軸とミラー反射面12aとのなす角度の調整が可能になっている。この場合、ユーザが、被写体の大きさや距離等に応じて、スマートフォン20の光軸とミラー反射面12aとのなす角度を適宜調整することにより、被写体とミラー反射面12aにより被写体が反射した像との上下方向の占有比率が変更され、リフレクション写真において被写体と被写体の反射像とのバランスを適正化できる。その結果、被写体に応じて適切なリフレクション撮影を行うことができる。
【0068】
特に、回動支持部43の回動により、スマートフォン20の光軸をミラー反射面12aに平行な位置よりもミラー12に近づく側に傾けるようにした。これにより、所望とするリフレクション写真を得るべく適切な角度調整を行うことができる。
【0069】
カメラレンズ21側である背面が鉛直方向下側を向くように傾く状態でスマートフォン20が回動支持部43に装着され、かつ回動支持部43が、カメラレンズ21を挟む両側でスマートフォン20の背面を支持する構成とした。この場合、カメラレンズ付近を安定状態で保持でき、適切なリフレクション撮影を行わせることができる。
【0070】
ケース11にミラー12が全て収容された収容状態と、ミラー12の一部がケース11から突出した突出状態との間でミラー12をスライド可能とするとともに、ケース11には、ミラー12が突出状態にある場合に、ミラー12の突出する側とは反対側において収容状態でミラー12が配置されていた領域に、スマホホルダ13が配置されるようにした。これにより、非使用時におけるリフレクション撮影補助具10のコンパクト化を図りつつも、使用時におけるリフレクション撮影補助具10の使い勝手の向上を実現することができる。
【0071】
ミラー12の下面側に突部12bを設ける一方、ミラー12の一部がケース11から突出する際のミラー12の突出量を規制する規制部としてミラー載置部32をケース11に設ける構成とした。これにより、ミラー12の突出状態において、ミラー12が意図せずケース11から脱落するといった不都合を抑制できる。
【0072】
ミラー12のスライド方向におけるケース11の一部を変位させて又は取り外して開放部を形成し、その開放部にてミラー12をスライドさせるようにした。これにより、ケース11の周壁部33がリフレクション写真に写り込むといった不都合を抑制できる。
【0073】
スマホホルダ13を、ケース11の幅方向において、ケース11の幅内にスマホホルダ13が配置された状態と、スマホホルダ13の一部がケース11から突出した突出状態との間でスライド可能とした。これにより、スマートフォン20のカメラレンズ21をミラー12の幅方向中央位置に配置してもスマートフォン20を安定状態で支持することができる。
【0074】
ケース11においてミラー12を押さえ部34により反射面側から押さえることにより、ミラー12の脱落やミラー12の浮き上がりを抑制できる。また、幅方向両側の押さえ部34において、互いの対向部がスマートフォン20から遠い側ほど互いに離れる形状としたため、押さえ部34がリフレクション写真に写り込むことを抑制できる。
【0075】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0076】
図8に示すように、リフレクション撮影補助具10において、ケース11に収容されたミラー12が回動可能になっていてもよい。この場合、スマホホルダ13側が回動する上述の構成に代えて、ミラー12の回動によりスマートフォン20の光軸とミラー反射面12aとのなす角度が調整可能になっている。なお、リフレクション撮影補助具10において、スマートフォン20側及びミラー12側の両方が回動可能になっていてもよい。
【0077】
具体的には、ケース11の底部31にはミラー載置部32A,32Bが設けられており、そのうちスマートフォン20に近い側のミラー載置部32Aでは押さえ部34との間にミラー12が挟まれ、スマートフォン20から遠い側のミラー載置部32Bでは、高さ調整部材51によりケース11の底部31からのミラー12の高さ位置が調整可能となっている。高さ調整部材51は、例えば雄ねじ部材である。この場合、高さ調整部材51の高さ調整により、ミラー12が回動し、スマートフォン20の光軸とミラー反射面とのなす角度が調整される。
【0078】
・スマートフォン20では、レンズ面23においてカメラレンズ21の位置が機種ごとに異なり、スマートフォン20をリフレクション撮影補助具10に装着した状態において、カメラレンズ21とミラー反射面12aとの高さ方向の相対位置がばらつくことが考えられる。その対策として、ミラー反射面12aに対するスマートフォン20の高さ方向の装着位置を調整可能とする構成が採用されるとよい。例えば、図9に示すように、ケース11の底部31とスマホホルダ13との間に、高さ調整部として高さ調整プレート61を介在させる構成とする。この場合、高さ調整プレート61の重ね枚数を変更することで、ミラー反射面12aに対するカメラレンズ21の高さ位置の調整が可能となる。なお、高さ調整部の構成は変更可能であり、例えばスマホホルダ13のベース部41又は回動支持部43に、スマートフォン20の高さ調整機構を設ける構成としてもよい。
【0079】
上記のとおり、ミラー反射面12aに対するスマートフォン20の高さ方向の装着位置を調整可能とすることで、使用するスマートフォン20の機種等が異なっていても、カメラレンズ21とミラー反射面12aとの高さ方向の相対位置のばらつきが抑制され、ひいてはリフレクション写真の出来映えを高めることができる。
【0080】
・スマートフォン20は、スマホケースが取り付けられた状態で使用されることが多い。また、スマホケースには、スマートフォン20の表示画面を覆う開閉カバーを有するいわゆる手帳型のものも知られている。この場合、リフレクション撮影補助具10を用いたリフレクション撮影時にはスマホケースの開閉カバーが邪魔になるが、リフレクション撮影の度にスマホケースを取り外すのは面倒である。その対策として、リフレクション撮影補助具10を図10のように構成するとよい。
【0081】
図10では、スマホケース70が取り付けられたスマートフォン20がリフレクション撮影補助具10に装着されている。スマホケース70は、周知のとおりスマートフォン20のレンズ面23側(背面側)に固定される裏カバー71と、スマートフォン20の表示面22側を覆う開閉カバー72とを有している。ケース11には、長辺側の周壁部33の外側に、開閉カバー72を支持するためのカバー支持部材80が設けられている。カバー支持部材80は、ケース11から上方に延びる縦アーム81と、縦アーム81の上側端部からケース幅方向においてミラー中央に向けて延びる横アーム82とを有し、縦アーム81の下側端部が軸部83により周壁部33に対して回動可能に支持されている。なお、図10では、横アーム82が紙面に沿う向きに延びるように記載されているが、実際には紙面に直交する向きに延びる構成となっている。カバー支持部材80は、軸部83の回動によりケース11側に格納される構成になっているとよい。
【0082】
そして、スマホケース70の開閉カバー72は、スマートフォン20の表示画面側を開放した状態で、スマートフォン20の背面側、すなわちミラー12の上方で支持される。これにより、リフレクション撮影時においてスマートフォン20にスマホケース70を取り付けたままでの撮影が可能となる。また、開閉カバー72がミラー12の上方で支持されることで、開閉カバー72が庇として機能し、リフレクション撮影時における余分な光を排除できる。
【0083】
・上記実施形態では、リフレクション撮影補助具10に撮影装置としてスマートフォン20を装着する構成を説明したが、スマートフォン20に代えて、携帯端末装置であるカメラ付きタブレットを装着する構成としてもよい。タブレットを装着する場合、スマートフォン20に比べて筐体の縦寸法、横寸法、厚さ寸法が大きくなることが考えられるが、その寸法拡張に合わせて、リフレクション撮影補助具10における撮影装置支持部の大きさが変更されるとよい。
【0084】
・上記実施形態では、リフレクション撮影補助具10において、スマホホルダ13をケース11から分離可能とし、使用状態ではミラー側方の所定位置(図3(b)の空き領域S)にスマホホルダ13をセットする構成としたが、この構成を変更してもよい。例えば、使用状態及び非使用状態のいずれにおいても、ケース11においてミラー側方の所定位置にスマホホルダ13が組み付けられたままとなる構成とし、その状態で回動支持部43が回動し角度調整が行われるようにしてもよい。
【0085】
・上記実施形態では、リフレクション撮影補助具10として、ミラー12とスマホホルダ13とをケース11に一体的に設けた構成を説明したが、この構成を変更してもよい。収容容器としてのケース11を用いない構成としてもよく、要は、リフレクション撮影補助具として、撮影装置の光軸とミラーの反射面とのなす角度を調整する調整部を備えるものであればよい。撮影装置として一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを用いる構成であってもよく、かかる場合にも、撮影装置を支持する撮影装置支持部と、撮影装置の撮影方向前方となる位置でミラーを支持するミラー支持部とを有し、それら撮影装置支持部とミラー支持部との少なくともいずれかが、撮影装置の光軸と反射面とのなす角度を調整する調整部を有しているとよい。
【符号の説明】
【0086】
10…リフレクション撮影補助具、11…ケース、12…ミラー、12a…ミラー反射面、13…スマホホルダ、20…スマートフォン、32…ミラー載置部。
【要約】
【課題】被写体に応じて適切なリフレクション撮影を行う。
【解決手段】リフレクション撮影補助具10は、被写体を撮影するスマートフォン20を支持するスマホホルダ13と、被写体を反射させる反射面を有するミラー12と、スマホホルダ13により支持されたスマートフォン20の撮影方向前方となる位置でミラー12を支持するケース11と、を備える。スマホホルダ13は、リフレクション撮影の際に被写体とミラー反射面12aにより被写体が反射した像との上下方向の占有比率を変更可能とすべく、スマートフォン20の光軸とミラー反射面12aとのなす角度を調整する調整部を有する。
【選択図】 図1
図1
図2
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図4
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図6
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図8
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図10