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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】チューブポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 5/00 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
F04C5/00 341Z
F04C5/00 341N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020015072
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021121738
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591257111
【氏名又は名称】サーパス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-126585(JP,U)
【文献】特開2013-231413(JP,A)
【文献】特開2018-131946(JP,A)
【文献】特開2017-067054(JP,A)
【文献】実開昭57-026690(JP,U)
【文献】特開2018-044488(JP,A)
【文献】実開平04-100086(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに円弧状に形成されるとともに可撓性を有するチューブが配置される内周面を有し、前記軸線に沿った一端側に向けて開口する収容部と、
前記収容部に収容されるとともに前記チューブを閉塞した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、
一対の前記ローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、
対の前記ローラ部を覆い、かつ前記チューブを前記内周面に向けて挿入可能な円環状の開口領域を設けるように前記収容部に配置されるカバー部材と、を備え、
前記収容部は、一対の前記ローラ部を収容する凹所を有し、
前記凹所の全領域を覆う閉状態と前記凹所から離間した開状態とを切り替え可能な蓋部と、
前記蓋部の開閉状態を検知する検知部と、
対の前記駆動部のそれぞれを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記蓋部が前記開状態であることを前記検知部が検知した場合に一対の前記駆動部を停止させるよう制御するチューブポンプ。
【請求項2】
前記制御部は、前記チューブ内の流体の吐出を行うよう一対の前記ローラ部を同一方向に回転させる第1制御モードと、一対の前記ローラ部が前記チューブと接触しないように一対の前記ローラ部それぞれの回転角度を固定する第2制御モードとを実行可能である請求項に記載のチューブポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性を有するチューブを複数のローラによって間欠的に押し潰すことによってチューブ内の液体を圧送するチューブポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。チューブポンプは、間欠的に液体を圧送するため、圧送される液体に脈動(流量の増減が繰り返される状態)が生じる。
【0003】
特許文献1には、ローラにより押しつぶされたチューブが原形に戻る際に、下流側の流路からチューブポンプ側に液体が引き込まれる現象によって脈動が生じるという不具合が開示されている。特許文献1は、このような脈動を抑制するために、一対のローラ部の一方がチューブから離間する離間位置を通過する際に、一対のローラ部との接触により閉塞されたチューブ内の液体の圧力を上昇させることを開示する。特許文献1によれば、チューブ内の液体の圧力を上昇させることにより、チューブポンプ側に液体が引き込まれる現象を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-44488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるチューブポンプは、チューブと接触しながら軸線回りに回転する第1ローラ部と第2ローラ部の双方が、それぞれ独立して軸線回りに回転可能な構造となっている。そのため、第1ローラ部に対する第2ローラ部の軸線回りの相対的な回転位置が変動し、第1ローラ部と第2ローラ部との間の回転角度が狭くなる状態や広くなる状態が交互に発生する。
【0006】
そして、第1ローラ部と第2ローラ部の双方が軸線回りに回転している際には、操作者が第1ローラ部と第2ローラ部の近傍を誤って手で触れてしまうと、第1ローラ部と第2ローラ部との間に操作者の指が挟まれてしまう可能性がある。一方、操作者が第1ローラ部と第2ローラ部の近傍に手を触れられないように覆ってしまうと、チューブの交換を容易に行うことができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、チューブに接触する一対のローラ部のそれぞれを軸線回りに独立に回転させ、操作者の指が一対のローラ部に挟まれることを防止し、かつ操作者がチューブの交換を容易に行うことが可能なチューブポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の一態様にかかるチューブポンプは、軸線回りに円弧状に形成されるとともに可撓性を有するチューブが配置される内周面を有し、前記軸線に沿った一端側に向けて開口する収容部と、前記収容部に収容されるとともに前記チューブを閉塞した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、一対の前記ローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、前記チューブを前記内周面に向けて挿入可能な円環状の開口領域を設けるように前記収容部に配置されるカバー部材と、を備える。
【0009】
本発明の一態様にかかるチューブポンプによれば、一対のローラ部と、一対のローラ部のそれぞれを軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部とを有するため、収容部により軸線回りに円弧状に保持されたチューブに接触しながら回転する一対のローラ部を、軸線回りに独立に回転させることができる。また、本発明の一態様にかかるチューブポンプによれば、カバー部材が、チューブを内周面に向けて挿入可能な円環状の開口領域を設けるように収容部に配置される。そのため、一対のローラ部の間に操作者の指が挟まれることが防止される。また、開口領域からチューブを収容部の内周面に向けて挿入可能であるため、操作者がチューブの交換を容易に行うことができる。
【0010】
本発明の一態様にかかるチューブポンプにおいて、一対の前記ローラ部は、前記チューブと接触する一対のローラと、一対の前記駆動部に連結されるとともに一対の前記ローラを支持しながら前記軸線回りに回転する一対のローラ支持部材と、両端部が前記ローラ支持部材に支持されるとともに前記ローラを回転可能に取り付ける一対のローラシャフトと、を有し、前記カバー部材は、一対の前記ローラシャフトを覆うように前記収容部に配置される構成でもよい。
【0011】
本構成のチューブポンプによれば、カバー部材が、一対のローラシャフトを覆うように収容部に配置される。一対のローラシャフトに取り付けられる一対のローラが軸線回りの回転方向において近接あるいは接触したとしても、一対のローラはカバー部材により覆われた領域で近接あるいは接触する。そのため、一対のローラの近接あるいは接触により操作者の指が挟まれる不具合を防止することができる。
【0012】
本発明の一態様にかかるチューブポンプにおいて、前記カバー部材は、一対の前記ローラ部の前記軸線回りの回転位置が視認可能となるように形成されている構成でもよい。
本構成のチューブポンプによれば、カバー部材を配置しても一対のローラ部の軸線回りの回転位置が視認可能であるため、一対のローラ部の間に異物が挟まる不具合や、一対のローラ部の動作に異常があることを操作者が容易に発見することができる。カバー部材は、光透過性材料により形成されているのが好ましい。また、カバー部材には、例えば、開口領域の開口幅よりも狭い幅を有する複数の切り欠き部が形成されているのが好ましい。
【0013】
本発明の一態様にかかるチューブポンプにおいて、前記収容部は、一対の前記ローラ部を収容する凹所を有し、前記凹所の全領域を覆う閉状態と前記凹所から離間した開状態とを切り替え可能な蓋部と、前記蓋部の開閉状態を検知する検知部と、前記一対の駆動部のそれぞれを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記蓋部が前記開状態であることを前記検知部が検知した場合に前記一対の駆動部を停止させるよう制御する構成でもよい。
【0014】
本構成のチューブポンプによれば、閉状態において蓋部が凹所の全領域を覆うため、操作者が一対のローラ部の近傍を誤って手で触れてしまうことや、それにより指が挟まれる不具合を確実に防止することができる。また、蓋部が開状態であることを検知部が検知した場合に一対の駆動部が停止するため、操作者が一対のローラ部の近傍を触れることができる状態で一対のローラ部が軸線回りに回転することがない。これにより、操作者の指が一対のローラ部に挟まれることを防止することができる。
【0015】
上記構成のチューブポンプにおいて、前記制御部は、前記チューブ内の流体の吐出を行うよう一対の前記ローラ部を同一方向に回転させる第1制御モードと、一対の前記ローラ部が前記チューブと接触しないように一対の前記ローラ部それぞれの回転角度を固定する第2制御モードとを実行可能であってもよい。
制御部が第2制御モードを実行することにより、一対のローラ部の双方がチューブと接触しない退避位置に配置されるようすることができる。一対のローラ部を退避位置に配置することにより、使用中のチューブと他のチューブとの交換を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、チューブに接触する一対のローラ部のそれぞれを軸線回りに独立に回転させ、操作者の指が一対のローラ部に挟まれることを防止し、かつ操作者がチューブの交換を容易に行うことが可能なチューブポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】チューブポンプの一実施形態を示す平面図である。
図2図1に示すチューブポンプのI-I矢視縦断面図である。
図3図1に示す第1駆動部が第1ローラ部に駆動力を伝達する構造を示す縦断面図である。
図4図1に示す第2駆動部が第2ローラ部に駆動力を伝達する構造を示す縦断面図である。
図5】蓋部を開状態としたチューブポンプの一実施形態を示す平面図である。
図6図5に示すチューブポンプのII-II矢視断面図である。
図7】蓋部を閉状態としたチューブポンプの一実施形態を示すII-II矢視断面図である。
図8】チューブポンプの制御構成を示すブロック図である。
図9】蓋部を開状態とした変形例に係るチューブポンプを示す縦断面図である。
図10】蓋部を閉状態とした変形例に係るチューブポンプを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態のチューブポンプ(蠕動ポンプ;peristaltic pump)100について図面を参照して説明する。図1は、チューブポンプ100の一実施形態を示す平面図である。図2は、図1に示すチューブポンプ100のI-I矢視縦断面図である。図1および図2では、図5図7に示すカバー部材84及び蓋部85の図示を省略している。
【0019】
図1に示す本実施形態のチューブポンプ100は、軸線X1(第1軸線)回りに第1ローラ部10と第2ローラ部20とを同方向に回転させることにより、流入側200aから流入するチューブ200内の流体を流出側200bへ吐出させる装置である。
【0020】
図1の平面図に示すように、チューブポンプ100には、第1ローラ部10および第2ローラ部20を収容する収容部82の内周面82aに沿って、軸線X1回りに円弧状にチューブ200が配置される。内周面82aは、軸線X1回りに円弧状に形成されるとともにチューブ200が配置される面である。収容部82は、軸線X1に沿った一端側に向けて開口するとともに第1ローラ部10および第2ローラ部20を収容する凹所82bを有する。
【0021】
図1に示すように、収容部82に収容される第1ローラ部10および第2ローラ部20は、チューブ200に接触しながら反時計回りの回転方向(図1中に矢印で示す方向)に沿って軸線X1回りに回転する。
【0022】
図2に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、チューブ200を閉塞した状態で軸線X1回りに回転する第1ローラ部10および第2ローラ部20と、軸線X1上に配置されるとともに第1ローラ部10に連結される駆動軸30と、第2ローラ部20に連結される駆動筒40と、駆動軸30に駆動力を伝達する第1駆動部50と、第2駆動部60と、第2駆動部60の駆動力を駆動筒40に伝達する伝達機構70と、を備える。
【0023】
第1ローラ部10は、チューブ200と接触しながら軸線X1と平行な軸線回りに回転する第1ローラ11と、軸線X1回りに一体に回転するように駆動軸30に連結された第1ローラ支持部材12と、両端部が第1ローラ支持部材12に支持されるとともに第1ローラ11を回転可能に取り付ける第1ローラシャフト13とを有する。
【0024】
第1駆動部50は、第1ローラ部10を軸線X1回りに反時計回りの回転方向に回転させる。第1ローラ支持部材12は、第1駆動部50に連結されるとともに第1ローラ11を支持しながら軸線回りに反時計回りに回転する。
【0025】
第2ローラ部20は、チューブ200と接触しながら軸線X1と平行な軸線回りに回転する第2ローラ21と、軸線X1回りに一体に回転するように駆動筒40に連結された第2ローラ支持部材22と、両端部が第2ローラ支持部材22に支持されるとともに第2ローラ21を回転可能に取り付ける第2ローラシャフト23とを有する。
【0026】
第2駆動部60は、第2ローラ部20を軸線X1回りに反時計回りの回転方向に回転させる。第2ローラ支持部材22は、第2駆動部60に連結されるとともに第2ローラ21を支持しながら軸線回りに反時計回りに回転する。
【0027】
図2に示すように、第1駆動部50および第2駆動部60は、ケーシング80(収容部材)の内部に収容されている。ケーシング80の内部には、伝達機構70を収容するためのギヤ収容部81と、第1駆動部50および第2駆動部60を支持する支持部材90が取り付けられている。また、ケーシング80の上部には、第1ローラ部10と第2ローラ部20とを収容するための収容部82が取り付けられている。
【0028】
支持部材90には、軸線X1に沿って延びる第1貫通穴91と軸線X2に沿って延びる第2貫通穴92が形成されている。第1駆動部50は、支持部材90に形成された第1貫通穴91に第1駆動軸51を挿入した状態で支持部材90に締結ボルト(図示略)により取り付けられている。同様に、第2駆動部60は、支持部材90に形成された第2貫通穴92に第2駆動軸61を挿入した状態で支持部材90に締結ボルト(図示略)により取り付けられている。このように、第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれは、一体に形成された部材である支持部材90に取り付けられている。
【0029】
次に、第1駆動部50が第1ローラ部10に駆動力を伝達する構造について、図3を参照して説明する。図3において、実線で示す部分が、第1駆動部50の駆動力を第1ローラ部10に伝達する構造を構成する部分である。
【0030】
図4に示すように、第1駆動部50は、軸線X1上に配置されて駆動軸30に連結される第1駆動軸51を有する。第1駆動軸51は、軸線X1に直交する方向に延びるピン51aを挿入した状態で駆動軸30の下端に取り付けられている。ピン51aにより駆動軸30が第1駆動軸51に対して軸線X1回りに相対的に回転しないように固定されている。そのため、第1駆動部50が第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させると、第1駆動軸51の駆動力が駆動軸に30に伝達され、駆動軸30が軸線X1回りに回転する。
【0031】
第1駆動部50は、第1駆動軸51と、第1電動モータ52と、第1電動モータ52が回転させる回転軸(図示略)の回転を減速して第1駆動軸51に伝達する第1減速機53とを有する。第1駆動部50は、第1電動モータ52の駆動力を第1駆動軸51に伝達することにより、第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させる。
【0032】
第1駆動軸51には、第1駆動軸51とともに軸線X1回りに回転する位置検出用部材51bが取り付けられている。位置検出用部材51bは、円環状に形成される外周縁部に軸線X1回りの周方向に第1ローラ部10の軸線X1回りの回転位置を検出するためのスリット(図示略)が形成されている。
【0033】
図3に示すように、位置検出用部材51bの外周縁部の上面と下面を挟み込むように位置検出センサ54が配置されている。位置検出センサ54は、上面側および下面側の一方に発光素子を配置し、上面側および下面側の他方に受光素子を配置したセンサである。位置検出センサ54は、位置検出用部材51bの軸線X1回りの回転に伴ってスリットにより発光素子が発光する光が通過することを受光素子で検知することにより、第1ローラ部10が軸線X1回りのどの位置に配置されているかを示す回転位置を検出し、制御部95(図8参照)へ送信するものである。
【0034】
駆動軸30は、その下端が第1駆動軸51に連結される。駆動軸30は、外周面に沿って挿入された円筒状の第1軸受部材31と、第1軸受部材31とは独立に形成された円筒状の第2軸受部材32により、駆動筒40の内周側に軸線X1回りに回転可能に支持されている。このように、駆動軸30は、下端側の外周面が第1軸受部材31により支持され、中央部の外周面が第2軸受部材32により支持されている。そのため、駆動軸30は、中心軸を軸線X1上に保持した状態で軸線X1回りに円滑に回転する。
【0035】
駆動軸30の先端側には、第1ローラ部10の第1ローラ支持部材12が軸線X1回りに一体に回転するように連結されている。以上のように、第1駆動部50が第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させる駆動力は、第1駆動軸51から駆動軸30を介して第1ローラ部10に伝達される。
【0036】
次に、第2駆動部60が第2ローラ部20に駆動力を伝達する構造について、図4を参照して説明する。図4において、実線で示す部分が、第2駆動部60の駆動力を第2ローラ部20に伝達する構造を構成する部分である。図4に示す構造は、第2ローラ部20と、駆動筒40と、第2駆動部60と、伝達機構70とを有する。
【0037】
図5に示す伝達機構70は、軸線X1と平行な軸線X2(第2軸線)回りに回転する第1ギヤ部71と、第1ギヤ部71から第2駆動軸61の駆動力が伝達される第2ギヤ部72とを有する。伝達機構70は、第2駆動軸61の軸線X2回りの駆動力を駆動筒40の外周面に伝達して駆動筒40を軸線X1回りに回転させる。
【0038】
図4に示すように、第2駆動部60は、軸線X2上に配置される第2駆動軸61と、第2電動モータ62と、第2電動モータ62が回転させる回転軸(図示略)の回転を減速して第2駆動軸61に伝達する第2減速機63とを有する。第2駆動部60は、第2電動モータ62の駆動力を第2駆動軸61に伝達することにより、第2駆動軸61を軸線X2回りに回転させる。
【0039】
第2駆動軸61は、軸線X2回りに円筒状に形成される第1ギヤ部71の中心部に形成された挿入穴に挿入されている。第1ギヤ部71は、第2駆動軸61が挿入された状態で固定ネジ71aを締結して固定ネジ71aの先端を第2駆動軸61に突き当てることにより、第2駆動軸61に固定される。このようにして、第1ギヤ部71は、第2駆動軸61に連結されて第2駆動軸61とともに軸線X2回りに回転する。
【0040】
第1ギヤ部71の軸線X2回りに形成された第1ギヤ71bは、第2ギヤ部72の軸線X1回りに形成された第2ギヤ72bと係合している。そのため、第1ギヤ部71の軸線X2回りの回転による駆動力は、第2ギヤ部72を軸線X1回りに回転させる駆動力として伝達される。
【0041】
第1ギヤ部71には、第2駆動軸61とともに軸線X2回りに回転する位置検出用部材71cが形成されている。位置検出用部材71cは、円環状に形成される外周縁部に軸線X2回りの周方向に第2ローラ部20の軸線X1回りの回転位置を検出するためのスリット(図示略)が形成されている。
【0042】
図4に示すように、位置検出用部材71cの外周縁部の上面と下面を挟み込むように位置検出センサ64が配置されている。位置検出センサ64は、上面側および下面側の一方に発光素子を配置し、上面側および下面側の他方に受光素子を配置したセンサである。位置検出センサ64は、位置検出用部材71cの軸線X2回りの回転に伴ってスリットにより発光素子が発光する光が通過することを受光素子で検知することにより、第2ローラ部20が軸線X1回りのどの位置に配置されているかを示す回転位置を検出し、制御部95(図8参照)へ送信するものである。
【0043】
駆動筒40は、軸線X1回りに円筒状に形成される第2ギヤ部72の中心部に形成された挿入穴に挿入されている。挿入穴は、駆動筒40の外周面に連結される内周面を有する穴である。第2ギヤ部72は、駆動筒40が挿入された状態で固定ネジ72aを締結して固定ネジ72aの先端を駆動筒40に突き当てることにより、駆動筒40に固定される。このようにして、第2ギヤ部72は、駆動筒40に連結されて駆動筒40とともに軸線X1回りに回転する。
【0044】
図4に示すように、駆動筒40は、駆動軸30の外周側に第1軸受部材31および第2軸受部材32を挟んだ状態で配置されている。そのため、駆動筒40は、駆動軸30と独立して軸線X1回りに回転可能となっている。駆動軸30は第1駆動部50による駆動力により軸線X1回りに回転し、駆動筒40は駆動軸30とは独立した状態で、第2駆動部60による駆動力により軸線X1回りに回転する。
【0045】
駆動筒40の先端側には、第2ローラ部20の第2ローラ支持部材22が軸線X1回りに一体に回転するように連結されている。以上のように、第2駆動部60が第2駆動軸61を軸線X2回りに回転させる駆動力は、伝達機構70によって駆動筒40の外周面に伝達され、駆動筒40から第2ローラ部20に伝達される。
【0046】
次に、本実施形態のチューブポンプ100が備えるカバー部材84および蓋部85について、図面を参照して説明する。図5は、蓋部85を開状態としたチューブポンプ100の一実施形態を示す平面図である。図6は、図5に示すチューブポンプ100のII-II矢視断面図である。図7は、蓋部85を閉状態としたチューブポンプ100の一実施形態を示すII-II矢視断面図である。図8は、チューブポンプの制御構成を示すブロック図である。
【0047】
図5および図6に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、収容部82の凹所82bに配置されるカバー部材84と、開閉状態を切り替え可能な蓋部85と、を備える。
【0048】
カバー部材84は、蓋部85を開状態とした場合に操作者が第1ローラ部10と第2ローラ部20の近傍に手を触れてしまい、操作者の指が第1ローラ部10と第2ローラ部20との間に挟まれることを防止するための部材である。本実施形態の第1ローラ部10と第2ローラ部20は、それぞれ独立して軸線X1回りに回転可能であるため、第1ローラ部10と第2ローラ部20との間の軸線X1回りの回転角度が広い状態から狭い状態に変化する。そこで、本実施形態では、カバー部材84を設けることにより、操作者の指が挟まれる不具合を防止している。
【0049】
図5および図6に示すように、カバー部材84は、第1ローラ部10および第2ローラ部20を覆うように設けられるとともに締結ネジ84aにより駆動軸30に対して締結されている。カバー部材84は、駆動軸30の中心を通過する軸線X1を中心とした半径R1の平面視が円形に形成される部材である。図5および図6において、チューブ200が配置される円弧状の内周面82aは、軸線X1を中心とした半径R2の円に沿って配置される面である。
【0050】
図5に示すように、軸線X1を中心として半径R1から半径R2までの領域が円環状の開口領域OAとなっている。図5に示すチューブポンプ100は、第1ローラ部10および第2ローラ部20の軸線X1回りの回転角度を固定し、第1ローラ部10および第2ローラ部20の双方がチューブ200に接触しない退避状態を示している。
【0051】
図5に示すように、第1ローラ部10および第2ローラ部20が接触しない位置の自然状態のチューブ200は外径D1を有する。外径D1は、半径R2から半径R1を減算した差分よりも小さい。そのため、開口領域OAは、チューブ200を内周面82aに向けて挿入可能となっている。
【0052】
図5に示すように、第1ローラ部10および第2ローラ部20の先端から軸線X1までの距離(軸線X1を中心とした半径)は、半径R3となっている。半径R3は半径R1よりも大きく半径R2よりも小さい。そのため、第1ローラ部10および第2ローラ部20が軸線X1回りに回転する際に、第1ローラ部10および第2ローラ部20の先端が開口領域OAを通過する。これにより、操作者は、カバー部材84が取付けられている場合であっても、第1ローラ部10および第2ローラ部20の先端の位置を容易に視認することができる。
【0053】
図5に示すように、カバー部材84は、第1ローラシャフト13および第2ローラシャフト23を覆うように収容部82の凹所82bに配置されている。第1ローラ11および第2ローラ21が軸線X1回りの回転方向において近接あるいは接触したとしても、第1ローラ11および第2ローラ21はカバー部材84により覆われた領域で近接あるいは接触する。そのため、第1ローラ11および第2ローラ21の近接あるいは接触により操作者の指が挟まれる不具合を防止することができる。
【0054】
ここで、カバー部材84は、第1ローラ部10および第2ローラ部20の軸線X1回りの回転位置を操作者が視認可能となるように、光透過性材料により形成するのが望ましい。光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料である。カバー部材84を光透過性材料に形成することにより、第1ローラ部10と第2ローラ部20との間に異物が挟まる不具合や、第1ローラ部10と第2ローラ部20の動作に異常があることを操作者が容易に発見することができる。
【0055】
ここでは、カバー部材84を光透過性材料により形成するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、カバー部材84に開口領域OAの開口幅(半径R2-半径R1)よりも狭い幅を有する複数の切り欠き部(図示略)を形成してもよい。このようなカバー部材84によれば、操作者は、複数の切り欠き部を形成することにより第1ローラ部10および第2ローラ部20の回転位置を視認することができる。
【0056】
また、切り欠き部は、開口領域OAの開口幅(半径R2-半径R1)よりも狭い幅を有するため、第1ローラ部10と第2ローラ部20との間に操作者の指が挟まれる不具合を防止することができる。切り欠き部は、例えば、軸線X1を中心に放射状に形成するものや、軸線X1を中心に円弧状に形成されるものなど、種々の形状を採用することができる。
【0057】
図6および図7に示すように、蓋部85は、収容部82の凹所82bの全領域(軸線X1を中心とした半径R2の領域)を覆う閉状態と、凹所82bから離間した開状態を切り替え可能な部材である。蓋部85は、収容部82に連結される連結部85aと、閉状態においてカバー部材84を収容する凹部85bと、閉状態において収容部82の凹所82bへ向けて突出するように円環状に形成される凸部85cと、蓋部85の開閉状態を検知するための磁石85dと、を有する。
【0058】
図6に示すように、蓋部85は、一対の連結部85aにより収容部82に連結されている。蓋部85は、一対の連結部85aが配置される軸線Y1回りに揺動可能となっている。操作者は、閉状態の蓋部85の先端部85eを把持して上方に持ち上げることにより、蓋部85を軸線Y1回りに揺動させて開状態に切り替える。
【0059】
図7に示すように、凸部85cは、蓋部85が閉状態となる場合に、収容部82の内周面82aに沿って配置されるチューブ200と接触するように円環状に配置される。凸部85cは、凹所82bとともに、底部が内周面82aにより形成されて軸線X1回りの周方向に延びる溝部を形成する。蓋部85が閉状態となる場合に、チューブ200が溝部に収容された状態となるため、第1ローラ部10および第2ローラ部20による液体の吐出を適切に行うことができる。
【0060】
図6に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、蓋部15の開閉状態を検知する開閉検知センサ(検知部)86を備える。開閉検知センサ86は、蓋部85が備える磁石85dが近接した位置(図7に示す位置)に配置される場合にON状態となり、磁石85dが離間した位置(図7に示す位置とは異なる位置)に配置される場合にOFF状態となるセンサである。
【0061】
開閉検知センサ86は、蓋部85が備える磁石85dを吸着する磁力を発生する磁石または磁性体を備えるものとするのが好ましい。開閉検知センサ86が蓋部85の磁石85dを吸着することで、磁石85dが開閉検知センサ86を吸着する吸着力を上回る力で先端部85eを持ち上げない限り、先端部85eが収容部82に密着した状態が維持される。
【0062】
図8に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、第1駆動部50および第2駆動部60を制御する制御部95と、操作者によるチューブポンプ100に対する操作指示を入力する入力部96と、を備える。制御部95は、蓋部85が開状態であることを開閉検知センサ86が検知し、開閉検知センサ86から開状態を示す信号が伝達された場合に、第1駆動部50および第2駆動部60を停止させるよう制御する。
【0063】
操作者は、チューブ200の交換等をする際に蓋部85を開状態にするため、第1駆動部50および第2駆動部60が動作したままであると、操作者の指が第1ローラ部10および第2ローラ部20の間に挟まれる可能性がある。本実施形態では、蓋部85が開状態である場合には第1駆動部50および第2駆動部60を停止させるため、操作者の指が第1ローラ部10および第2ローラ部20の間に挟まれる不具合を防止することができる。
【0064】
なお、本実施形態のチューブポンプ100は、第1ローラ部10および第2ローラ部20を覆うように凹所82bに配置されるカバー部材84を備える。そのため、蓋部85を閉状態から開状態とした直後に第1ローラ部10および第2ローラ部20が停止に至っていない場合や何らかの誤動作が生じた場合であっても、操作者の指が第1ローラ部10および第2ローラ部20の間に挟まれる不具合を防止することができる。
【0065】
また、以上の説明では、チューブポンプ100が開閉検知センサ86を備え、蓋部85が開状態である場合に第1駆動部50および第2駆動部60を停止させるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、チューブポンプ100は、開閉検知センサ86を備えず、蓋部85が開状態である場合であっても第1駆動部50および第2駆動部60が停止しないものであってもよい。この場合であっても、チューブポンプ100がカバー部材84を備えるため、操作者の指が第1ローラ部10および第2ローラ部20の間に挟まれる不具合を防止することができる。
【0066】
本実施形態のチューブポンプ100は、制御部95が第1駆動部50および第2駆動部60を制御することにより、第1ローラ部10および第2ローラ部20によるチューブ200内の流体の吐出を行うよう第1ローラ部10および第2ローラ部20を同一方向に回転させる吐出制御モード(第1制御モード)を実行可能である。
【0067】
吐出制御モードを実行する場合、操作者は、入力部96を介してチューブポンプ100が流出側200bへ吐出させる液体の単位時間当たりの流量を設定する。制御部95は、設定された流量が流出側200bへ吐出されるように、第1駆動部50および第2駆動部60を制御する。
【0068】
また、本実施形態のチューブポンプ100は、制御部95が第1駆動部50および第2駆動部60を制御することにより、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ200と接触しないように第1ローラ部10および第2ローラ部20それぞれの回転角度を固定するチューブ交換モード(第2制御モード)を実行可能である。
【0069】
チューブ交換モードを実行する場合、操作者は、入力部96を介してチューブ交換モードの実行を指示する。制御部95は、図5に示すように、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ200と接触しないように第1ローラ部10および第2ローラ部20それぞれの回転角度を固定する。
【0070】
本実施形態のチューブポンプ100は、開閉検知センサ86が、蓋部85に設けられた磁石85dが近接した位置に配置されることで開状態を検知するものであったが、他の態様としてもよい。例えば、図9および図10に示す変形例に係るチューブポンプ100Aであってもよい。図9は、蓋部85を開状態とした変形例に係るチューブポンプ100Aを示す縦断面図である。図10は、蓋部85を閉状態とした変形例に係るチューブポンプ100Aを示す縦断面図である。
【0071】
図9および図10に示すように、チューブポンプ100Aは、蓋部85の先端部85eの近傍に取り付けられるロック機構87を備える。ロック機構87は、収容部82に対して蓋部85を閉状態が維持されるように固定する機構である。ロック機構87は、軸線Z1に沿って延びる軸部87aと、軸部87aの一端に取り付けられるつまみ部87bと、つまみ部87bが軸部87aに対して軸線Z1回りに回転しないように固定する回り止めピン87cと、を備える。
【0072】
軸部87aの蓋部85側の端部は、蓋部85に形成される貫通穴85fに挿入されている。軸部87aの蓋部85側の端部には、雄ねじ部87dが形成されている。雄ねじ部87dは、操作者がつまみ部87bを軸線Z1回りに回転させることにより、軸線Z1回りに回転する。図9に示すように、収容部82には、開閉検知センサ86Aが設けられており、開閉検知センサ86Aから収容部82の表面に向けて貫通穴82cが形成されている。貫通穴82cの内周面には、雌ねじ部82dが形成されている。
【0073】
操作者は、図9に示す蓋部85の先端部85eを把持して下方へ引き下げることにより、蓋部85を軸線Y1回りに揺動させ、蓋部85が収容部82に近接した図10に示す閉状態とすることができる。操作者は、閉状態において、つまみ部87bを軸線Z1回りに回転させることにより、軸部87aを軸線Z1回りに回転させ、雄ねじ部87dを雌ねじ部82dに係合させる。雄ねじ部87dが雌ねじ部82dに係合することにより、閉状態を維持するように収容部82に対して蓋部85が固定される。
【0074】
操作者は、収容部82に対して蓋部85が固定された状態で、更につまみ部87bを軸線Z1回りに回転させることにより、軸部87aの先端を開閉検知センサ86Aに接触させる。開閉検知センサ86Aは、軸部87aの先端が接触するとON状態となって蓋部85が閉状態であることを検知する。開閉検知センサ86Aは、軸部87aの先端が接触しない場合はOFF状態となって蓋部85が開状態であることを検知する。
【0075】
以上説明した本実施形態のチューブポンプ100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のチューブポンプ100によれば、第1ローラ部10および第2ローラ部20と、第1ローラ部10および第2ローラ部20のそれぞれを軸線X1回りに同方向に回転させる第1駆動部50および第2駆動部60とを有するため、収容部82により軸線X1回りに円弧状に保持されたチューブ200に接触しながら回転する第1ローラ部10および第2ローラ部20を、軸線X1回りに独立に回転させることができる。また、本実施形態のチューブポンプ100によれば、カバー部材84が、チューブ200を内周面82aに向けて挿入可能な円環状の開口領域OAを設けるように収容部82に配置される。そのため、第1ローラ部10と第2ローラ部20との間に操作者の指が挟まれることが防止される。また、開口領域OAからチューブ200を収容部82の内周面82aに向けて挿入可能であるため、操作者がチューブ200の交換を容易に行うことができる。
【0076】
本実施形態のチューブポンプ100によれば、カバー部材84が、第1ローラシャフト13および第2ローラシャフト23を覆うように収容部82に配置される。第1ローラシャフト13および第2ローラシャフト23に取り付けられる第1ローラ11および第2ローラ21が軸線X1回りの回転方向において近接あるいは接触したとしても、第1ローラ11および第2ローラ21はカバー部材84により覆われた領域で近接あるいは接触する。そのため、第1ローラ11および第2ローラ21の近接あるいは接触により操作者の指が挟まれる不具合を防止することができる。
【0077】
本実施形態のチューブポンプ100によれば、カバー部材84を配置しても第1ローラ部10および第2ローラ部20の軸線X1回りの回転位置が視認可能であるため、第1ローラ部10および第2ローラ部20の間に異物が挟まる不具合や、第1ローラ部10および第2ローラ部20の動作に異常があることを操作者が容易に発見することができる。カバー部材84は、光透過性材料により形成されているのが好ましい。また、カバー部材84には、例えば、開口領域OAの開口幅よりも狭い幅を有する複数の切り欠き部が形成されているのが好ましい。
【0078】
本実施形態のチューブポンプ100によれば、閉状態において蓋部85が凹所82bの全領域を覆うため、操作者が第1ローラ部10および第2ローラ部20の近傍を誤って手で触れてしまうことや、それにより指が挟まれる不具合を確実に防止することができる。また、蓋部85が開状態であることを開閉検知センサ86が検知した場合に第1駆動部50および第2駆動部60が停止するため、操作者が第1ローラ部10および第2ローラ部20の近傍を触れることができる状態で第1ローラ部10および第2ローラ部20が軸線X1回りに回転することがない。これにより、操作者の指が第1ローラ部10および第2ローラ部20に挟まれることを防止することができる。
【0079】
本実施形態のチューブポンプ100によれば、制御部95がチューブ交換モードを実行することにより、第1ローラ部10および第2ローラ部20の双方がチューブ200と接触しない退避位置に配置されるようすることができる。第1ローラ部10および第2ローラ部20を退避位置に配置することにより、使用中のチューブと他のチューブとの交換を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
10 第1ローラ部
11 第1ローラ
12 第1ローラ支持部材
13 第1ローラシャフト
15 蓋部
20 第2ローラ部
21 第2ローラ
22 第2ローラ支持部材
23 第2ローラシャフト
30 駆動軸
50 第1駆動部
60 第2駆動部
82 収容部
82a 内周面
82b 凹所
84 カバー部材
85 蓋部
85a 連結部
85b 凹部
85c 凸部
85d 磁石
86,86A 開閉検知センサ
87 ロック機構
95 制御部
100,100A チューブポンプ
200 チューブ
OA 開口領域
X1,X2 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10