(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ごみ容器
(51)【国際特許分類】
B65F 1/16 20060101AFI20240501BHJP
B65D 43/26 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B65F1/16
B65D43/26
(21)【出願番号】P 2020179090
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 由文
(72)【発明者】
【氏名】足立 優輔
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-188307(JP,A)
【文献】特開2004-183798(JP,A)
【文献】特開2019-085241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/16
B65D 43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみ容器本体と、
前記ごみ容器本体の上部開口に開閉自在に設けられた蓋体と、
前記ごみ容器本体の下部側に設けられたペダル部材と、
前記ごみ容器本体の後面側において、前記蓋体と前記ペダル部材とを連結する連結部材とを備えるごみ容器において、
前記ペダル部材は、ペダル軸部材により前記ごみ容器本体の底面に取り付け可能であり、
前記ペダル軸部材は、前記ペダル部材の軸孔に連結される軸部と、抜け防止用リブとを備え、
前記ごみ容器本体の底面には、前記ペダル軸部材が収容される収容凹部と、前記収容凹部の側面に、上下方向に延出する第1リブが形成されており、
前記ペダル軸部材は前記抜け防止用リブによって前記第1リブの一部を破断させて、前記抜け防止用リブが前記第1リブの一部に係止することで、前記収容凹部内に脱落しないように固定されていることを特徴とするごみ容器。
【請求項2】
前記ペダル軸部材は、前記収容凹部の一部に係合する取付用軸部を備え、
前記ペダル軸部材を、前記取付用軸部を起点に回転させることで、前記抜け防止用リブが前記第1リブを破断するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のごみ容器。
【請求項3】
前記ペダル軸部材は、相対する側壁と、前記側壁同士を連結する弾性変形可能な底壁とを備え、
前記軸部の末端は、一方の前記側壁に固定され、
前記軸部の先端は、他方の前記側壁に当接することを特徴とする請求項1又は2に記載のごみ容器。
【請求項4】
前記収容凹部の側面に、上下方向に延出する第2リブが形成されており、
前記ペダル軸部材には、前記ペダル軸部材が前記収容凹部内に固定された際に、前記第2リブと係合可能な回転防止用爪が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のごみ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ごみ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭用のごみ等を捨てるごみ容器が知られているが、例えば、特許文献1に開示されているごみ容器は、ごみを収容するごみ容器本体と、ごみ容器本体の上部開口を塞ぐ蓋体と、ごみ容器本体の下部に設けられたペダル部材とを備えており、利用者がペダル部材を踏むことで蓋体が開き、ごみを捨てることができる。また、ごみ容器本体の底面には、上下方向に直交する方向に軸孔が設けられ、その軸孔に、ペダル部材の軸部を軸支することで、ペダル部材は下方へ脱落することなく取り付けられ、ペダル部材は軸孔を中心に上下方向に回動できるようになっている。このように、特許文献1のごみ容器では、ペダル部材が下方へ脱落しないように、ごみ容器本体の底面に、軸孔などの脱落防止構造が設けられている。ただ、ごみ容器本体の底面に、上下方向に直交する方向の軸孔(脱落防止構造)を設けると、ごみ容器本体と共に軸孔を成形する金型が、上下に抜けなくなる。そのため、上下抜きで成形できない脱落防止構造(軸孔など)に対応するために、ごみ容器本体を成形する金型が複雑になり、生産性が悪くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、上記問題に鑑み、本願発明は、金型を上下抜きで成形できない脱落防止構造を設ける必要がなく、生産性の向上に寄与するごみ容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係るごみ容器は、ごみ容器本体と、前記ごみ容器本体の上部開口に開閉自在に設けられた蓋体と、前記ごみ容器本体の下部側に設けられたペダル部材と、前記ごみ容器本体の後面側において、前記蓋体と前記ペダル部材とを連結する連結部材とを備えるごみ容器において、前記ペダル部材は、ペダル軸部材により前記ごみ容器本体の底面に取り付け可能であり、前記ペダル軸部材は、前記ペダル部材の軸孔に連結される軸部と、抜け防止用リブとを備え、前記ごみ容器本体の底面には、前記ペダル軸部材が収容される収容凹部と、前記収容凹部の側面に、上下方向に延出する第1リブが形成されており、前記ペダル軸部材は前記抜け防止用リブによって前記第1リブの一部を破断させて、前記抜け防止用リブが前記第1リブの一部に係止することで、前記収容凹部内に脱落しないように固定されていることを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、ごみ容器本体の底面には、ペダル軸部材を係止するための第1リブを設ければよく、この第1リブを含む底面を成形する金型は、第1リブが上下方向に延出しているため、上下方向に型抜きが可能となる。よって、従来技術のように、ごみ容器本体の底面に、金型を上下抜きで成形できない脱落防止構造(軸孔など)を設ける必要がないので、金型が複雑化することがなく生産性が向上するのである。
【0007】
更に、本願発明の請求項2に係るごみ容器は、前記ペダル軸部材は、前記収容凹部の一部に係合する取付用軸部を備え、前記ペダル軸部材を、前記取付用軸部を起点に回転させることで、前記抜け防止用リブが前記第1リブを破断するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、ペダル軸部材を簡単に取り付けることができ、更に、ペダル軸部材を取り付けるためのスペースも小さくできる。
【0009】
更に、本願発明の請求項3に係るごみ容器は、前記ペダル軸部材は、相対する側壁と、前記側壁同士を連結する弾性変形可能な底壁とを備え、前記軸部の末端は、一方の前記側壁に固定され、前記軸部の先端は、他方の前記側壁に当接することを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、ペダル軸部材をペダル部材に容易に取り付けることができる。
【0011】
更に、本願発明の請求項4に係るごみ容器は、前記収容凹部の側面に、上下方向に延出する第2リブが形成されており、前記ペダル軸部材には、前記ペダル軸部材が前記収容凹部内に固定された際に、前記第2リブと係合可能な回転防止用爪が設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、ペダル軸部材が回転して脱落することを防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明のごみ容器によれば、金型を上下抜きで成形できない脱落防止構造を設ける必要がなく、生産性の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願発明の実施形態1に係るごみ容器のごみ容器本体の全体斜視図である。
【
図2】(a)は、ごみ容器本体の平面図、(b)は、ごみ容器本体の正面図である。
【
図3】(a)は、ごみ容器本体の背面図、(b)は、
図2(a)に示すA-A断面図である。
【
図4】(a)は、ごみ容器本体の底面図、(b)は、
図2(a)に示すB-B断面図である。
【
図5】(a)は、ごみ容器本体の底面図であって収容凹部付近を拡大した底面図、(b)は、
図4(b)の収容凹部周辺を拡大した断面図、(c)は、
図5(a)のC-C断面図である。
【
図6】(a)は、ごみ容器本体の開閉連結部付近を拡大した平面図、(b)は、開閉連結部付近を拡大した正面図、(c)は、D―D断面図である。
【
図7】(a)は、蓋体の裏面側から見た全体斜視図、(b)は、蓋体の平面図である。
【
図8】(a)は、
図7(b)のE―E断面図、(b)は、
図7(b)のF―F断面図である。
【
図9】(a)は、開いた状態のペダル軸部材の全体斜視図、(b)は、閉じた状態のペダル軸部材の全体斜視図である。
【
図10】(a)は、閉じた状態のペダル軸部材の平面図、(b)は、閉じた状態のペダル軸部材の側面図である。
【
図11】(a)は、ペダル部材の全体斜視図、(b)は、ペダル部材の平面図、(c)は、ペダル部材の側面図である。
【
図12】(a)は、ペダル軸部材を弾性変形させて、ペダル部材に取り付ける様子を示した斜視図、(b)は、ペダル軸部材をペダル部材に取り付けた状態を示した斜視図、(c)は、ペダル軸部材をペダル部材に取り付けた状態を示した側面図である。
【
図13】(a)は、ごみ容器本体の底面図であって、ペダル軸部材を収容凹部に取り付ける様子を示した底面図、(b)は、G-G断面図の状態から、ペダル軸部材が回転して固定される前の状態を示す断面図である。
【
図14】(a)は、
図13(a)に示すG-G断面図、(b)は、
図13(a)に示すH-H断面図である。
【
図15】ごみ容器本体に蓋体を取り付ける様子を示した全体斜視図である。
【
図16】(a)は、ごみ容器の正面図、(b)は、ごみ容器の平面図である。
【
図17】(a)は、
図16(b)に示すI-I断面図、(b)は、
図16(b)に示すJ-J断面図、(c)は、
図16(a)に示すK-K断面図である。
【
図18】(a)は、
図16(b)に示すI-I断面図の蓋体が閉じた状態から、蓋体を手で上方へ持ちあげた状態を示す断面図、(b)は、
図18(a)に示す状態から手で蓋体を開いた状態を示す断面図、(c)は、
図16(b)に示すJ-J断面図の蓋体が閉じた状態から、手で蓋体を開いた状態を示す断面図である。
【
図19】(a)は、手で蓋体を開いた状態のごみ容器の正面図、(b)は、L-L断面図である。
【
図20】(a)は、ペダル部材を踏んで蓋体を開いた状態のごみ容器の正面図、(b)は、M-M断面図である。
【
図21】(a)は、
図16(b)に示すI-I断面図の蓋体が閉じた状態から、ペダル部材を踏んで蓋体を開いた状態を示す断面図、(b)は、
図16(b)に示すJ-J断面図の蓋体が閉じた状態から、ペダル部材を踏んで蓋体を開いた状態を示す断面図である。
【
図22】(a)は、前側袋止め部材及び後側袋止め部材の全体斜視図、(b)は、前側袋止め部材及び後側袋止め部材をごみ容器本体の上部開口に取り付けた状態の平面図、(c)は、後側袋止め部材を、前方へ回転させて重ねた状態の平面図である。
【
図23】(a)は、後側袋止め部材を前側袋止め部材に重ねた状態のごみ容器の斜視図、(b)は、ごみ容器を重ねた状態の斜視図である。
【
図24】(a)は、本願発明の実施形態2に係るごみ容器のペダル部材の全体斜視図、(b)は、ペダル部材の側面図、(c)は、ごみ容器本体に、ペダル部材を取り付ける前の状態の縦断面図である(
図2(a)のB―B断面図と同様に示している)。
【
図25】(a)は、ごみ容器の蓋体が閉じた状態のペダル部材周辺の縦断面図(
図16(a)のK―K断面図と同様に示している)、(b)は、
図25(a)の状態から、ペダル部材を操作して、ごみ容器の蓋体が開いた状態のペダル部材周辺の縦断面図である。
【符号の説明】
【0015】
100 ごみ容器本体
110 底面
150 上部開口
170 開閉連結部材
171 軸部
173 本体側係止片
200 蓋体
220 軸長孔
221 第一軸支位置
222 第一軸支位置
230 蓋体側係止片
400 連結部材
500 ペダル軸部材
530 軸部
550 抜け防止用リブ
600 収容凹部
620 側面
630 第1リブ
700 容器側案内部
860 ペダル側案内部
800 ペダル部材
840 軸孔
P ごみ容器
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とはごみ容器本体の上部開口を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向く方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向く方向のことである。また、「前側」とはペダル部材の操作部が設けられた側で、「後側」とは前側の反対側のことである。
【0017】
<実施形態1>
図1から
図4に、本願発明の実施形態1に係るごみ容器Pのごみ容器本体100を示す。なお、
図1は、ごみ容器本体100の全体斜視図、
図2(a)は、ごみ容器本体100の平面図、
図2(b)はごみ容器本体100の正面図、
図3(a)は、ごみ容器本体100の背面図、
図3(b)は、
図2(a)に示すA-A断面図、
図4(a)は、ごみ容器本体100の底面図、
図4(b)は、
図2(a)に示すB-B断面図である。
【0018】
ごみ容器本体100は、全体が合成樹脂製の略直方体形状をしており、底面110と、底面110から立ち上がる前面120と、両側の側面130と、後面140とを備え、上端が上部開口150となっている。そして、ごみ容器本体100の内部は、ごみを収容できる収容空間160となっている。
【0019】
ごみ容器本体100の前面120の下部側には、後述するペダル部材の先端側を収容可能な凹部121が形成されており、凹部121には、複数の段部122が設けられている。また、前面120の上端縁125の両端には、後述する開閉連結部170が形成されている。
【0020】
また、ごみ容器本体100の側面130の上端側には、後述する袋止め部材の軸部を嵌め込む溝131と、袋止め部材を載置可能な載置段部132が設けられ、載置段部132は側面130の上端内側に沿って直線状に形成されている。
【0021】
また、ごみ容器本体100の後面140には、後述する蓋体とペダル部材とを連結する連結部材400が取り付けられている。具体的には、連結部材400は、上下方向に延出する連結体410と、連結体410の上端に設けられた蓋体連結部420と、連結体410の下端に設けられたペダル連結軸430とを備える。連結体410は、肉薄の板材から構成され、
図2(a)に示すように、内側に湾曲して、断面が円弧状になっている。そのため、薄板状の連結体410は、湾曲することで曲げ強度が向上している。
【0022】
また、ごみ容器本体100の後面140は、収容部141を備えており、収容部141は上下方向に延出すると共に、内側に湾曲して断面が円弧状になっている。そして、連結部材400の連結体410と後面140の収容部141は、略同一の円弧形状となっており、収容部141内に連結体410を収容している。また、連結体410の上端側は、収容部141の上端に設けられた挿通孔142に挿通されているので、連結部材400は収容部141に沿って上下に移動できる。また、ごみ容器本体100の後面140の上端145の両端には、後述する蓋体の軸孔に軸支される軸部146が形成されている。さらに、蓋体連結部420の両端には、蓋体のスライド溝に挿入される軸部421が形成されている。
【0023】
また、底面110には、前側に設けられた凹部121から、後側に設けられた連結体410のペダル連結軸430を収容可能な凹部111にかけて、直線状に窪んだペダル収容凹部112が設けられており、直線状に延出するペダル部材の本体部を収容できるように構成されている。さらに、底面110には、ペダル収容凹部112の略中央付近に内側に窪んだ収容凹部600が形成されており、後述するペダル軸部材を収容できる。
【0024】
次に、
図5を参照して、収容凹部600の構成について詳しく説明する。なお、
図5(a)は、ごみ容器本体100の底面図であって収容凹部600付近を拡大した底面図、
図5(b)は、
図4(b)の収容凹部600周辺を拡大した断面図、
図5(c)は、
図5(a)のC-C断面図である。
【0025】
収容凹部600は、底面110を内側に窪ませて形成されており、底面610と底面610の両側の側面620とを備え、相対する側面620の間にペダル軸部材を収容できる。また、側面620には、底面610から下方へ向けて直線状に延びる第1リブ630と、第2リブ640が形成されている。第1リブ630と第2リブ640は上下方向に延出しているが、第2リブ640は、収容凹部600の中央側に位置する第1リブ630よりも上下方向の長さが大きくなっている。
【0026】
また、側面620の先端側(底面610とは反対側)には、後述するペダル軸部材の取付用軸部が係合できる係合部650が形成されている。この係合部650は、取付用軸部が外れにくいように凹形状であると共に、取付用軸部が回転し易いように半円形状となっている。
【0027】
また、板状の内壁660が、側面620に相対すると共に、底面610から下方へ延出している。この内壁660は、側面620に所定間隔で平行に配置されており、側面620に設けられた第1リブ630と第2リブ640と離間している。また、内壁660の前端側は、側面620と連結された前壁661となっている。一方、内壁660の後端側は、側面620と連結されておらず、差込開口662が形成されている。そのため、後述するように、ペダル軸部材を取り付ける際は、ペダル軸部材の側壁の上端側を、差込開口662から前壁661まで差し込むことができる。
【0028】
また、収容凹部600の側面620には、底面610から下方へ向けて突出した容器側案内部700が設けられている。この容器側案内部700は、後述するようにペダル部材が回動軌道に沿って円弧を描きながら移動できるように、扇状に湾曲した当接面701が形成されている。
【0029】
なお、ごみ容器本体100は、ごみ容器本体100の上側及び下側に配置される金型によって射出成形されており、金型を上下方向に抜くことで、成形したごみ容器本体100を取り出している。特に、収容凹部600を含む底面110は、底面110の上側と下側に配置された金型によって成形されており、収容凹部600の第1リブ630及び第2リブ640は上下方向に直線状に延出していることから、金型を上下方向に容易に抜くことができる。そして、完成したごみ容器本体100に、別で製造した連結部材400を取り付けている。
【0030】
次に、
図6を参照して、ごみ容器本体100の開閉連結部170の構成について詳しく説明する。なお、
図6(a)は、ごみ容器本体100の開閉連結部170付近を拡大した平面図、
図6(b)は、開閉連結部170付近を拡大した正面図、
図6(c)は、D―D断面図である。
【0031】
開閉連結部170は、後述する蓋体をごみ容器本体100に開閉自在に取り付けるもので、ごみ容器本体100の前面120の上端縁125上に設けられており、軸部171と、軸部171と挿通孔172を挟んで相対するように設けられた平坦な本体側係止片173とを備える。また、本体側係止片173の先端には、下方へ突出した突起174が設けられている。本体側係止片173の下方側には、後述する蓋体側係止片が回動可能な空間175が設けられており、空間175に連通する挿通孔172は、蓋体側係止片を挿通可能に構成されている。
【0032】
次に、
図7及び
図8に、蓋体200を示す。なお、
図7(a)は、蓋体200の裏面側から見た全体斜視図、
図7(b)は、蓋体200の平面図、
図8(a)は、
図7(b)のE―E断面図、
図8(b)は、
図7(b)のF―F断面図である。
【0033】
蓋体200は、全体が合成樹脂製の略長方形状の板材であり、ごみ容器本体100の上部開口150の約半分を覆う大きさの平坦な蓋本体部210と、蓋本体部210の前辺211の角部に形成された軸長孔220と、軸長孔220から下方へ延出する蓋体側係止片230と、蓋本体部210の後辺212の角部に形成された軸孔240と、軸孔240の周囲において下方へ延出するスライド溝250とを備える。
【0034】
軸孔240は、ごみ容器本体100の軸部146が挿入されて軸支される部分となっている。また、スライド溝250は、ごみ容器本体100に取り付けられた連結部材400の蓋体連結部420の軸部421が挿入される部分となっており、後述するように蓋体200が閉じた状態の閉位置251、蓋体200が開いた状態の開位置252、蓋体200が開いた状態で自立する自立位置253を備え、軸部421が閉位置251から自立位置253の間を移動できるように構成されている。また、スライド溝250の先端には突起254が設けられており、スライド溝250の幅が局所的に狭くなっている。
【0035】
また、軸長孔220は、軸部171が軸支される部分で、開閉連結部170の構成要素となっている。また、蓋体側係止片230は、本体側係止片173と係合可能な部分で、開閉連結部170の構成要素となっている。また、蓋体側係止片230の先端には、側方へ突出した突起231が設けられている。
【0036】
このように、開閉連結部170は、ごみ容器本体100側に設けられた軸部171と本体側係止片173(
図6参照)、並びに、蓋体200側に設けられた軸長孔220と蓋体側係止片230(
図8参照)を備え、蓋体200をごみ容器本体100に開閉自在に取り付ける。なお、開閉連結部170の軸部171はごみ容器本体100側に設けられ、開閉連結部170の軸長孔220は蓋体200側に設けられているが、これに限定されず、軸部171が蓋体200側に設けられ、軸長孔220がごみ容器本体100側に設けられてもよい。また、開閉連結部170には、互いに係合する本体側係止片173の突起174と、蓋体側係止片230の突起231が設けられているが、これに限定されず、各突起(174、231)は設けなくてもよい。
【0037】
また、軸長孔220は、上下方向に延出した縦長形状をしており、下端側の第一軸支位置221と上端側の第二軸支位置222とを備える。そして、軸長孔220は、軸長孔220に軸支された軸部171が第一軸支位置221と第二軸支位置222との間を移動できるように、構成されている。
【0038】
次に、
図9及び
図10に、ペダル軸部材500を示す。なお、
図9(a)は、開いた状態のペダル軸部材500の全体斜視図、
図9(b)は、閉じた状態のペダル軸部材500の全体斜視図、
図10(a)は、閉じた状態のペダル軸部材500の平面図、
図10(b)は、閉じた状態のペダル軸部材500の側面図である。
【0039】
ペダル軸部材500は、全体が合成樹脂製であり、弾性変形可能な底壁510と、底壁510の両側から立ち上がる板状の側壁520とを備えた、略コ字形状をしている。
図9(a)に示すように、ペダル部材に取り付けられる前の状態のペダル軸部材500は、底壁510が湾曲しており、両側の側壁520が互いに離れるように開いた状態となっている。また、相対する側壁520の間には円柱状の軸部530が配置されており、軸部530の末端531は一方の側壁520と一体となっている。そして、
図9(b)に示すように、底壁510が平坦となるように弾性変形させて、両側の側壁520が互いに近づくように閉じた状態とすると、軸部530の先端532は、他方の側壁520の嵌入孔521に嵌められる。
【0040】
また、側壁520の下端522と前端523の間の角部付近には、側方へ突出した円柱状の取付用軸部540が設けられている。さらに、側壁520の上端524側には、収容凹部600の第1リブ630を破断可能な抜け防止用リブ550が設けられている。抜け防止用リブ550は、側壁520の前端523側から後端525側に向けて延出しており、鋭利な形状の先端551と、側壁520から側方へ突出した下端552と、下端552の反対側の上端553と、先端551の反対側の末端554とを備え、取付用軸部540を中心とした円弧に沿って延出している。また、抜け防止用リブ550の側面555は、下端552から上端553へ向けて傾斜しており、上端553に向けて厚さが薄くなっている。
【0041】
また、抜け防止用リブ550の下方には、側壁520から側方へ突出した破断片落下防止リブ560が設けられている。この破断片落下防止リブ560は、略水平方向に直線状に延出しており、末端561が抜け防止用リブ550の末端554と連結されている。一方の先端562は、抜け防止用リブ550の先端551から離間している。そして、抜け防止用リブ550と破断片落下防止リブ560の間には、後述するように、収容凹部600の第1リブ630を配置可能な空間526が設けられている。
【0042】
また、側壁520の前端523側には、側壁520から側方へ突出した回転防止用爪570が設けられている。回転防止用爪570は、収容凹部600の第2リブ640に係合可能に構成されている。
【0043】
次に、
図11に、ペダル部材800を示す。なお、
図11(a)は、ペダル部材800の全体斜視図、
図11(b)は、ペダル部材800の平面図、
図11(c)は、ペダル部材800の側面図である。
【0044】
ペダル部材800は、全体が合成樹脂製であり、長尺状の本体部810と、前端に操作部820と、後端に連結部830とを備えている。操作部820は、利用者が足で踏みやすいように平坦面821を備える。本体部810の前端には、ごみ容器本体100の段部122に当接する突起部811が設けられている。
【0045】
また、本体部810の略中央には、軸長孔840が設けられている。軸長孔840は、本体部810の前後方向に延出した形状をしており、前側の前端位置841と後側の後端位置842とを備える。そして、軸長孔840は、軸長孔840に挿通されたペダル軸部材500の軸部530が前端位置841と後端位置842との間を移動できるように、構成されている。
【0046】
また、軸長孔840に連続するように、取付用長孔850が設けられている。取付用長孔850は、縦長形状をしており、上側の前端位置851と下側の後端位置852とを備える。そして、取付用長孔850は、取付用長孔850に挿通されたペダル軸部材500の軸部530が前端位置851と後端位置852との間を移動できるように、構成されている。また、軸長孔840の後端位置842と取付用長孔850の前端位置851は重なっており、ペダル軸部材500の軸部530は、取付用長孔850から軸長孔840へ移動できるように構成されている。
【0047】
また、軸長孔840より後方の連結部830側には、内側に窪んだ傾斜面状のペダル側案内部860が形成されている。このペダル側案内部860は、ごみ容器本体100の底面110に設けられた容器側案内部700と当接可能に構成されている。また、連結部830には、上下方向に延出した軸長孔831が設けられており、上側の上端位置832と下側の下端位置833とを備える。そして、軸長孔831は、軸長孔831に挿通されたペダル連結軸430が上端位置832と下端位置833との間を移動できるように、構成されている。
【0048】
次に、
図12から
図14を参照して、ペダル軸部材500によってペダル部材800をごみ容器本体100の底面110の収容凹部600に取り付ける方法について説明する。なお、
図12(a)は、ペダル軸部材500を弾性変形させて、ペダル部材800に取り付ける様子を示した斜視図、
図12(b)は、ペダル軸部材500をペダル部材800に取り付けた状態を示した斜視図、
図12(c)は、ペダル軸部材500をペダル部材800に取り付けた状態を示した側面図、
図13(a)は、ごみ容器本体100の底面図であって、ペダル軸部材500を収容凹部600に取り付ける様子を示した底面図、
図13(b)は、G-G断面図の状態から、ペダル軸部材500が回転して固定される前の状態を示す断面図、
図14(a)は、
図13(a)に示すG-G断面図、
図14(b)は、
図13(a)に示すH-H断面図である。
【0049】
ペダル軸部材500によってペダル部材800をごみ容器本体100の底面110の収容凹部600に取り付ける場合は、
図12に示すように、まず先に、ペダル軸部材500をペダル部材800に取り付ける。具体的には、
図12(a)に示すように、底壁510が弾性変形する前の側壁520が互いに離れるように開いた状態で、軸部530の先端532と側壁520との間の隙間から、相対する側壁520の間にペダル部材800の本体部810を嵌め入れると共に、軸部530の先端532をペダル部材800の取付用長孔850に挿通させる。そして、
図12(b)及び(c)に示すように、底壁510が平坦となるように弾性変形させて、両側の側壁520が互いに近づくように閉じた状態とし、軸部530の先端532を他方の側壁520の嵌入孔521に嵌め入れる。これにより、ペダル軸部材500の軸部530がペダル部材800の取付用長孔850に軸支された状態となり、ペダル軸部材500がペダル部材800に取り付けられる。このように、ペダル軸部材500の底壁510は弾性変形するので、ペダル軸部材500をペダル部材800に容易に取り付けることができる。
【0050】
次に、
図13に示すように、ペダル軸部材500が取り付けられたペダル部材800をごみ容器本体100の底面110に固定する。具体的には、まず、ごみ容器本体100の底面110のペダル収容凹部112にペダル部材800の本体部810を収容し、底面110の収容凹部600にペダル軸部材500を収容する。なお、連結部材400の連結体410のペダル連結軸430をペダル部材800の軸長孔831に挿通させて、ペダル部材800と連結部材400とを連結させている。
【0051】
図13(b)に示すように、ペダル軸部材500は収容凹部600内に収容された状態となるが、ペダル軸部材500は収容凹部600内にまだ固定されておらず、ペダル軸部材500は収容凹部600から下方に外せる状態となっている。また、収容凹部600にペダル軸部材500を収容する際は、ペダル軸部材500の側壁520の上端524を、側面620と内壁660の間の差込開口662(
図5(a)参照)に差し込んでいる。また、ペダル軸部材500の取付用軸部540を収容凹部600の係合部650に係合させている。また、
図13(b)に示すように、ペダル軸部材500の軸部530はペダル部材800の取付用長孔850の後端位置852に位置するように、ペダル軸部材500は斜め下方へ傾いた状態となっている。
【0052】
次に、
図14(a)に示すように、ペダル軸部材500を、取付用軸部540を起点にして前方へ向けて回転させる。例えば、ペダル軸部材500の底壁510を工具等によって叩いて瞬間的に力を加えると、ペダル軸部材500は、取付用軸部540を起点にして反時計回りに勢いよく回転していく。すると、抜け防止用リブ550の先端551が上下方向に延びる第1リブ630の一部を破断させ、抜け防止用リブ550の先端551が第1リブ630を通過することになる。そして、破断されずに残った第1リブ630の一部631が、抜け防止用リブ550の下端552の下側に潜り込み、抜け防止用リブ550は第1リブ630の一部631に係止した状態となっている。そのため、ペダル軸部材500は下方へ脱落しないように固定された状態となる。このように、ペダル部材800は、ペダル軸部材500によってごみ容器本体100の底面110に脱落しないように取り付けられる。
【0053】
なお、ペダル軸部材500の軸部530は、ペダル部材800の取付用長孔850の後端位置852から前端位置851に移動できるので、ペダル軸部材500の回転動作を妨げることがない。また、ペダル軸部材500の前端523が収容凹部600の前壁661に当接しているので、ペダル軸部材500が不用意に前方へ回転することを防止できる。さらに、ペダル軸部材500の回転防止用爪570は、ペダル軸部材500の回転時に第2リブ640を乗り越えて、ペダル軸部材500の回転後は第2リブ640に係合している。そのため、ペダル軸部材500が不用意に後方へ回転して、ペダル軸部材500が収容凹部600から脱落することを防止できる。
【0054】
さらに、
図14(b)に示すように、ペダル軸部材500が収容凹部600に収容されて固定された状態では、ペダル軸部材500の側壁520の上端524側が、収容凹部600の側面620と内壁660に挟まれている。そして、ペダル軸部材500の側壁520の上端524側が内壁660によって内側から支えられているので、側壁520が内側(内壁660側)に撓むことを防止でき、抜け防止用リブ550が第1リブ630に係止した状態を維持できることから、ペダル軸部材500が収容凹部600から脱落することを効果的に防止できる。
【0055】
このように、本願発明によれば、ペダル部材800の固定を、ペダル部材800とは別部材のペダル軸部材500によって行っている。そして、ペダル軸部材500をごみ容器本体100の底面110から脱落しないように固定することは、底面110の収容凹部600に設けられた上下方向に延出する第1リブ630を、ペダル軸部材500の抜け防止用リブ550によって破断させて係止させることで行っている。そのため、ごみ容器本体100の底面110には、ペダル軸部材500を係止するための第1リブ630を設ければよく、この第1リブ630を含む底面110を成形する金型は、第1リブ630が上下方向に延出しているため、上下方向に型抜きが可能となる。よって、本願発明によれば、従来技術のように、ごみ容器本体の底面に、金型を上下抜きで成形できない脱落防止構造(軸孔など)を設ける必要がないので、金型が複雑化することがなく生産性が向上するのである。
【0056】
また、ペダル軸部材500を、取付用軸部540を起点にして回転させれば、抜け防止用リブ550が第1リブ630を破断して係止するので、ペダル軸部材500を収容凹部600に容易に固定することができる。また、ペダル軸部材500を回転させて取り付けることで、ペダル軸部材500の動きを出来るだけ小さく抑えられ、ペダル軸部材500を固定するために必要なスペースを少なくできる。
【0057】
なお、ペダル軸部材500を収容凹部600に固定する際は、ごみ容器本体100の上下を反転させて、ペダル軸部材500を、取付用軸部540を起点にして下方へ向けて回転させている。そして、抜け防止用リブ550によって第1リブ630から分離された破断片632は、自重により下方へ落ちるが、破断されずに残った第1リブ630と第2リブ640と抜け防止用リブ550によって囲まれた空間で止まるので、ペダル軸部材500の外へ落下することはない。また、破断片632’が破断した際の衝撃等によって予定していた方向とは異なる方向へ飛んでも、ごみ容器本体100を床面等において使用する際に、自重で下方へ動く破断片632’は、破断片落下防止リブ560で止まり、ペダル軸部材500の外へ落下することはない。さらに、破断されずに残った第1リブ630と第2リブ640によって、破断片632’の両側は囲まれているので、破断片632’が外へ落下することをより確実に防ぐことが出来る。
【0058】
なお、ペダル軸部材500を収容凹部600に固定する際は、ペダル軸部材500を、取付用軸部540を起点にして上方へ向けて回転させているが、これに限定されず、抜け防止用リブ550が第1リブ630に破断して係止できるのであれば、その他の任意の方法を用いてもよく、例えば、ペダル軸部材500を収容凹部600に上下方向に沿って収容した後、ペダル軸部材500を前方向に強くスライドさせて、抜け防止用リブ550が第1リブ630に破断して係止する方法でもよい。
【0059】
次に、
図15から
図17を参照して、蓋体200をごみ容器本体100に取り付けた状態のごみ容器Pについて説明する。なお、
図15は、ごみ容器本体100に蓋体200を取り付ける様子を示した全体斜視図、
図16(a)は、ごみ容器Pの正面図、
図16(b)は、ごみ容器Pの平面図、
図17(a)は、
図16(b)に示すI-I断面図、
図17(b)は、
図16(b)に示すJ-J断面図、
図17(c)は、
図16(a)に示すK-K断面図である。
【0060】
図15に示すように、蓋体200の前辺211において、ごみ容器本体100の軸部171を軸長孔220に挿入し、蓋体200の後辺212において、ごみ容器本体100の軸部146を軸孔240に挿入することで、蓋体200は、前後の両端において、ごみ容器本体100の軸部171と軸部146とで開閉自在に軸支された状態となる。そして、蓋体200によって、ごみ容器本体100の上部開口150の約半分が覆われた状態となる。なお、蓋体200をごみ容器本体100に取り付ける際に、蓋体200のスライド溝250に連結部材400の軸部421を挿通させておく。同様に、蓋体200と左右対称となった同一構成の蓋体200を、ごみ容器本体100の上部開口150の残りの半分を覆うように、ごみ容器本体100に取り付ける。すると、
図16に示すように、ごみ容器本体100の上部開口150は、一対の蓋体200によって閉じられた状態となる。
【0061】
また、
図17(a)に示すように、蓋体200が閉じられた状態では、蓋体200は自重で下がっているので、ごみ容器本体100の軸部171は、蓋体200の軸長孔220の上端側の第二軸支位置222に位置している。また、
図17(b)に示すように、蓋体200が閉じられた状態では、蓋体200と連結部材400が共に下がった状態なので、連結部材400の軸部421は、スライド溝250の上端側の閉位置251に位置している
【0062】
また、
図17(c)に示すように、蓋体200が閉じられた状態では、連結部材400の連結体410が下方へ移動した状態なので、連結体410のペダル連結軸430は、ペダル部材800の軸長孔831の下端位置833に位置している。なお、蓋体200が閉じられた状態では、ペダル部材800の操作部820は上方へ上がった状態となっている。また、ペダル軸部材500の軸部530は、軸長孔840の後端位置842で軸支された状態となっている。
【0063】
次に、
図18及び
図19を参照して、蓋体200を手で開く方法について説明する。なお、
図18(a)は、
図16(b)に示すI-I断面図の蓋体200が閉じた状態から、蓋体200を手で上方へ持ちあげた状態を示す断面図、
図18(b)は、
図18(a)に示す状態から手で蓋体200を開いた状態を示す断面図、
図18(c)は、
図16(b)に示すJ-J断面図の蓋体200が閉じた状態から、手で蓋体200を開いた状態を示す断面図、
図19(a)は、手で蓋体200を開いた状態のごみ容器Pの正面図、
図19(b)は、L-L断面図である。
【0064】
蓋体200を手動で開く場合は、
図18(a)に示すように、蓋体200の前辺211に指をかけて蓋体200を上方へ持ち上げる。すると、蓋体200の軸長孔220が上方へ持ち上がるので、ごみ容器本体100の軸部171は、軸長孔220の第二軸支位置222から第一軸支位置221へと移動する。なお、蓋体200を手動で開く場合は、ペダル部材800の操作は行わない。
【0065】
次に、
図18(b)に示すように、蓋体200は、ごみ容器本体100の軸部171によって軸長孔220の第一軸支位置221で回動可能に軸支されているので、蓋体200は軸部171を中心に外側へ開かれる。その際、蓋体200の回転中心が軸長孔220の下側の第一軸支位置221に移動したことで、蓋体側係止片230は、軸部171を中心に軸部171に近い円弧軌道を描きながら移動する。このように、蓋体側係止片230は、軸部171の近くを回転しながら移動するため、軸部171に相対する本体側係止片173から離間した状態となり、蓋体側係止片230と本体側係止片173は互いに係合しないのである。すると、蓋体側係止片230は挿通孔172まで移動でき、
図19(a)に示すように、蓋体200は手動で大きく開いて自立した状態となる。なお、
図19(a)では、蓋体200は閉じた状態から90度以上開いている。
【0066】
また、蓋体200が手動で大きく開かれた際、
図18(c)に示すように、蓋体200は、ごみ容器本体100の軸部146によって、蓋体200の軸孔240に回動可能に軸支されているので、蓋体200は軸部146を中心に上方へ開かれる。すると、蓋体200のスライド溝250も軸部146を中心に上方へ回転しながら移動するので、スライド溝250に係合している連結部材400の軸部421も、スライド溝250の閉位置251から自立位置253へ移動しながら上方へ持ち上げられる。そして、スライド溝250の先端の突起254に軸部421が当接して止まり、蓋体200が自立した状態で、それ以上外側へ開かないようになる。
【0067】
なお、連結部材400の軸部421が上方へ持ち上げられたことで、
図19(b)に示すように、連結部材400の連結体410も上方へ移動する。そして、上方へ移動した連結体410のペダル連結軸430は、ペダル部材800の軸長孔831の下端位置833から上端位置832へ移動して係合し、ペダル部材800の連結部830側を上方へ持ち上げるので、連結部830の反対側の先端の操作部820が下方へ下がっているのである。また、ペダル部材800の連結部830側は、上方へ移動した連結体410によって後方へも引っ張られるので、ペダル軸部材500の軸部530は、軸長孔840の後端位置842から前端位置841へ移動している。
【0068】
次に、
図20及び
図21を参照して、ペダル部材800を操作して、蓋体200を開く方法につて説明する。なお、
図20(a)は、ペダル部材800を踏んで蓋体200を開いた状態のごみ容器Pの正面図、
図20(b)は、M-M断面図、
図21(a)は、
図16(b)に示すI-I断面図の蓋体200が閉じた状態から、ペダル部材800を踏んで蓋体200を開いた状態を示す断面図、
図21(b)は、
図16(b)に示すJ-J断面図の蓋体200が閉じた状態から、ペダル部材800を踏んで蓋体200を開いた状態を示す断面図である。
【0069】
図20に示すように、ペダル部材800の操作部820側を足で踏んで下方へ押し下げると、反対側の連結部830は上方へ向けて回動する。連結部830の軸長孔831が上方へ移動したことで、ペダル連結軸430は軸長孔831の下端位置833に当接し、ペダル連結軸430も上方へ持ち上げられる。すると、ペダル連結軸430を備えた連結体410は上方へ移動し、連結部材400の両端の軸部421も上方へ移動する。
【0070】
そして、
図21(b)に示すように、蓋体200は、ごみ容器本体100の軸部146によって、蓋体200の軸孔240に回動可能に軸支されているので、上方へ持ち上がる連結部材400の軸部421が、スライド溝250の閉位置251から開位置252へ移動するのに伴って、蓋体200は軸部146を中心に上方へ開かれる。
【0071】
ペダル部材800を踏んで蓋体200が開く際、蓋体200は、
図17(a)に示した、ごみ容器本体100の軸部171によって軸長孔220の第一軸支位置221で回動可能に軸支された状態から、
図21(a)に示すように、軸部171を中心に外側へ開かれる。つまり、手動で蓋体200を上方へ持ち上げた場合(
図18(a)参照)と異なり、ペダル部材800を踏んで蓋体200を開く場合は、
図17(a)及び
図21(a)に示すように、蓋体200の回転中心は、軸長孔220の上側の第二軸支位置222に、位置したままである。そのため、ペダル部材800を踏んで蓋体200を開く場合の回転中心となる第二軸支位置222と蓋体側係止片230との距離は、手動で蓋体200を上方へ持ち上げた場合(
図18(a)参照)の回転中心となる第一軸支位置221と蓋体側係止片230との距離より大きくなるから、蓋体側係止片230は軸部171を中心に軸部171から離れた円弧軌道を描きながら移動する。このように、蓋体側係止片230は、軸部171から離れて回転しながら移動するため、軸部171に相対する本体側係止片173に近接した状態となり、蓋体側係止片230と本体側係止片173は互いに係合するのである。すると、蓋体200はそれ以上大きく開かないように規制されることなる。なお、
図20(a)では、蓋体200は、閉じた状態から90度未満の角度で開いている。そのため、ペダル部材800から足を外してペダル操作を解除すると、蓋体200の自重によって、蓋体200は再び閉じるのである。
【0072】
なお、蓋体側係止片230の突起231と本体側係止片173の突起174が互いに係合しているので、蓋体側係止片230と本体側係止片173との係合が不用意に外れないようになっており、蓋体200が大きく開きすぎないように、より確実に規制できる。また、蓋体側係止片230と本体側係止片173が互いに係合して、蓋体200の回動が規制された状態では、
図21(b)に示すように、連結部材400の軸部421はスライド溝250の開位置252に位置している。そして、自立位置253が開位置252よりも先端側に配置されるように、スライド溝250は延出しているので、軸部421は自立位置253へ移動することができる。このように、軸部421が自立位置253へ移動できるので、手動で蓋体200を上方へ持ち上げた場合(
図18参照)に、蓋体200をより大きく開くことが可能である。
【0073】
なお、
図20(b)では、移動前のペダル部材800’を二点鎖線で示している。また、ペダル部材800が操作された際、ペダル部材800は回動軌道に沿って移動するが、この回動軌道は、ごみ容器本体100の底面110より上方に設定された点Oを中心とした円軌道として定められている。そして、ペダル部材800の各部分も回動軌道に沿って移動することになる。具体的には、ペダル部材800の操作部820は、点Oを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X1に沿って回動する。同様に、ペダル部材800の軸長孔840は、点Oを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X2に沿って回動し、ペダル部材800の連結部830は、点Oを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X5に沿って回動する。また、容器側案内部700の当接面701は、点Oを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X3に沿って形成され、前側に設けられた複数の段部122も、点Oを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X4に沿って形成されている。なお、ペダル部材800の各部分に関連する各回動軌道は、点Oを中心とした同心円となっている。
【0074】
そして、ペダル部材800の操作部820を踏んで加えられる力は、人の足先の角度にもよるが、斜め下方、つまり、下方及び後方に向けて加わる。そして、斜め下方に力がかかると、
図20(b)に示すように、ペダル部材800は回動軌道上を下方へ移動しつつ、後方へも移動する。具体的には、ペダル部材800が移動する前の状態では、軸部530は軸長孔840の後端位置842に位置しているが(
図20(b)の移動前のペダル部材800’、及び
図17(c)参照)、ペダル部材800が後方へ押されるのに伴ってペダル部材800の軸長孔840も後方へ移動し、軸部530は軸長孔840の前端位置841に位置することになる。このように、軸長孔840は、ごみ容器本体100の前後方向に延出しているので、ペダル部材800が踏まれた際に、ペダル部材800をごみ容器本体100の後方へ向けて移動させることが出来る。そのため、従来技術のように、ごみ容器P全体が後方へ移動してしまうことを防止できる。また、操作部820が下方へ下がると、軸部530を挟んで反対側の連結部830側は上方へ持ち上がる。その際、回動軌道X3に沿って形成された容器側案内部700にペダル部材800のペダル側案内部860は当接しながら回動するので、ペダル部材800は回動軌道X3に沿って容易に回動出来るのである。
【0075】
また、ペダル部材800から足を外してペダル操作を解除すると、蓋体200の自重によって蓋体200は再び閉じ、蓋体200に連結部材400を介して連結されたペダル部材800も元の位置に戻るように上方へ回動する。その際、ペダル部材800の回動軌道X4に沿って形成された複数の段部122に、ペダル部材800の突起部811が当接するので、ペダル部材800は緩やかに上方へ移動する。そのため、ペダル部材800に連結された蓋体200も緩やかに閉じ、蓋体200の閉じる速度を緩やかに抑えることが出来る。
【0076】
なお、容器側案内部700は扇状に湾曲した形状をしているが、これに限定されず、ペダル部材800の回動軌道上に沿って形成されていれば、任意の場所に任意の形状で設けてもよい。また、複数の段部122は、ごみ容器本体100の前側に設けられているが、これに限定されず、ペダル部材800の回動軌道上に沿っていれば、任意の場所に設けることが出来る。また、ごみ容器本体100では、複数の段部122にペダル部材800の突起部811が当接してペダル部材800が緩やかに移動するようにしているが、これに限定されず、複数の段部122と突起部811を設けずに、ごみ容器本体100の一部とペダル部材800の一部が互いに面接触することで抵抗を与える構成としてもよく、更に、ごみ容器本体100の一部の面にシボ面を設けてもよい。
【0077】
また、ペダル部材800を下方へ踏んで操作した際、ペダル部材800に連結されている軸部530にも下方への力が間接的にかかる。そして、足で踏まれて下方への力が直接かかる操作部820と、間接的に下方への力がかかる軸部530が、ペダル部材800の回動軌道の中心Oを挟んで前後両側に配置されているので、回動軌道の中心Oの前側に下方への力が集中することを防ぎ、中心Oを挟んで前後に下方への力をバランス良く配分できる。そのため、ペダル部材800を下方へ踏んで操作した際に、ごみ容器Pが前側に倒れてしまうことを防止できる。
【0078】
また、ペダル部材800を操作して蓋体200を開閉する際、ペダル部材800は、ペダル軸部材500の軸部530によって、ごみ容器本体100の底面110に回動可能に取り付けられている。そして、軸部530は、ペダル軸部材500によって、間接的に、ごみ容器本体100の底面110に取り付けられているので、ごみ容器本体100の底面110に軸部530を直接設ける場合と比較して、ごみ容器本体100の底面110の構造を簡素化できる。なお、軸部530を、ペダル軸部材500によって、間接的に、ごみ容器本体100の底面110に取り付けているが、これに限定されず、ペダル軸部材500を利用せず、軸部530をごみ容器本体100の底面110に直接設けてもよい。
【0079】
なお、手動又はペダル部材800を操作して開閉される各蓋体200は、左右一対となっており、各蓋体200のそれぞれが、ごみ容器本体100の上部開口150の約半分を覆うように構成されているが、これに限定されず、ごみ容器本体100の上部開口150全体を覆うように構成された、一つの蓋体200を備えてもよい。
【0080】
次に、
図22を参照して、ごみ容器本体100の上部開口150に取り付けられる前側袋止め部材900A及び後側袋止め部材900Bについて説明する。なお、
図22(a)は、前側袋止め部材900A及び後側袋止め部材900Bの全体斜視図、
図22(b)は、前側袋止め部材900A及び後側袋止め部材900Bをごみ容器本体100の上部開口150に取り付けた状態の平面図、
図22(c)は、後側袋止め部材900Bを、前方へ回転させて重ねた状態の平面図である。
【0081】
図22(a)に示すように、前側袋止め部材900Aは、前辺部910Aと両側の側辺部920Aを備えた平面視略コ字状に形成されており、側辺部920Aの先端には、側方へ突出した軸部921Aが設けられている。また、後側袋止め部材900Bは、後辺部910Bと両側の側辺部920Bを備えた平面視略コ字状に形成されており、側辺部920Bの先端には、側方へ突出した軸部921Bが設けられている。なお、後側袋止め部材900Bの側辺部920Bは、前側袋止め部材900Aの側辺部920Aよりも長くなっている。
【0082】
そして、
図22(b)に示すように、ごみ容器本体100の側面130の上端に設けられた溝131に、内側から前側袋止め部材900Aの軸部921Aを嵌め込んで、前側袋止め部材900Aを溝131に軸支する。同様に、前側袋止め部材900Aが軸支された溝131に隣接する後側の溝131に、後側袋止め部材900Bの軸部921Bを内側から嵌め込んで、後側袋止め部材900Bを溝131に軸支する。また、ごみ容器本体100の後面140の収容部141は内側に湾曲しており、その湾曲した部分に連結部材400を取り付けているので、後側袋止め部材900Bの後辺部910Bが連結部材400に干渉しないように、後側袋止め部材900Bの後辺部910Bは、後面140の収容部141より内側に配置されている。そして、袋の口を前側袋止め部材900Aと後側袋止め部材900Bに引っ掛けて、袋の本体を上部開口150からごみ容器本体100の内部へ収容して使用される。
【0083】
また、ごみ容器Pを重ねて運搬や保管する際は、上側のごみ容器Pのごみ容器本体100を、下側のごみ容器Pの上部開口150に挿入して重ねるが、連結部材400に干渉しないように、内側へ配置された後側袋止め部材900Bの後辺部910Bによって、上部開口150は狭くなっている。そのため、上側のごみ容器Pのごみ容器本体100を下側のごみ容器Pの上部開口150に挿入して重ねるための空間を広く確保することができない。
【0084】
そこで、
図22(c)及び
図23(a)に示すように、後側袋止め部材900Bを前側に回動させて倒し、前側袋止め部材900Aに重ねることで、上部開口150の空間は広くなる。なお、
図23(a)は、後側袋止め部材900Bを前側袋止め部材900Aに重ねた状態のごみ容器Pの斜視図、
図23(b)は、ごみ容器Pを重ねた状態の斜視図である。
【0085】
このように、後側袋止め部材900Bを前側袋止め部材900Aに重ねることで上部開口150の空間が広くなるので、
図23(b)に示すように、上側のごみ容器Pを下側のごみ容器Pの上部開口150に奥深くまで挿入できることから、ごみ容器Pを積み重ねた際の全体の高さが低くなり、ごみ容器Pの運搬や保管の利便性が高くなる。
【0086】
<実施形態2>
次に、本願発明の実施形態2に係るごみ容器PAを、
図24及び
図25に示す。なお、本実施形態2に係るごみ容器PAは、
図1から
図23に示す実施形態1に係るごみ容器Pと、ペダル部材800Aと容器側案内部700Aの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係るごみ容器Pと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。また、
図24(a)は、ペダル部材800Aの全体斜視図、
図24(b)は、ペダル部材800Aの側面図、
図24(c)は、ごみ容器本体100Aに、ペダル部材800Aを取り付ける前の状態の縦断面図(
図2(a)のB―B断面図と同様に示している)、
図25(a)は、ごみ容器PAの蓋体200Aが閉じた状態のペダル部材800A周辺の縦断面図(
図16(a)のK―K断面図と同様に示している)、
図25(b)は、
図25(a)の状態から、ペダル部材800Aを操作して、ごみ容器PAの蓋体200Aが開いた状態のペダル部材800A周辺の縦断面図である。
【0087】
図24(a)及び(b)に示すように、ペダル部材800Aの本体部810Aの略中央には、軸長孔840Aが設けられている。軸長孔840Aは、本体部810Aの前後方向に延出した形状をしており、前側の前端位置841Aと後側の後端位置842Aとを備える。実施形態1に係る軸長孔840(
図11(c)参照)は、斜め上方へ、つまり、後端位置842が前端位置841よりも上方へ位置するように傾斜している。一方、
図24(b)に示すように、軸長孔840Aは、斜め下方へ、つまり、後端位置842Aが前端位置841Aよりも下方へ位置するように僅かに傾斜している。
【0088】
また、軸長孔840Aに連続するように、取付用長孔850Aが設けられている。取付用長孔850Aは、縦長形状をしており、上側の前端位置851Aと下側の後端位置852Aとを備える。そして、軸長孔840Aの後端位置842Aと取付用長孔850Aの前端位置851Aは重なっており、ペダル軸部材500Aの軸部530Aは、取付用長孔850Aから軸長孔840Aへ移動できるように構成されている。
【0089】
また、軸長孔840Aより後方の連結部830A側には、連結部830Aから側方へ突出した傾斜面状のペダル側案内部860Aが形成されている。このペダル側案内部860Aは、
図24(c)に示す、ごみ容器本体100Aの底面110Aに設けられた容器側案内部700Aと当接可能に構成されている。
【0090】
図24(c)に示すように、ごみ容器本体100Aの底面110Aに設けられたペダル収容凹部112Aの側面113Aには、底面110Aから下方へ向けて突出した容器側案内部700Aが設けられている。この容器側案内部700Aには、後述するようにペダル部材800Aが回動軌道に沿って円弧を描きながら移動できるように、扇状に湾曲した当接面701Aが形成されている。
【0091】
そして、
図25(a)に示すように、蓋体200Aが閉じた状態では、連結部材400Aの連結体410Aが下方へ移動した状態なので、ペダル部材800Aの操作部820Aは上方へ上がった状態となっている。また、ペダル軸部材500Aの軸部530Aは、軸長孔840Aの後端位置842Aで軸支された状態となっている。
【0092】
そして、
図25(b)に示すように、ペダル部材800Aを踏むと、連結部材400Aの連結体410Aが上方へ移動して、蓋体200Aが開く。その際、ペダル部材800Aは回動軌道に沿って移動するが、この回動軌道は、ごみ容器本体100Aの底面110Aより上方に設定された点OAを中心とした円軌道として定められている。そして、ペダル部材800Aの各部分も回動軌道に沿って移動することになる。具体的には、ペダル部材800Aの操作部820Aは、点OAを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X1Aに沿って回動する。同様に、ペダル部材800Aの軸長孔840Aは、点OAを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X2Aに沿って回動する。また、容器側案内部700Aの当接面701Aは、点OAを中心とした円軌道によって定められた回動軌道X3Aに沿って形成されている。なお、ペダル部材800Aの各部分に関連する各回動軌道は、点OAを中心とした同心円となっている。
【0093】
図25(b)に示すように、ペダル部材800Aの操作部820Aを踏んで力を下方へ加えると、ペダル部材800Aは回動軌道上を下方へ移動しつつ、後方へも移動する。具体的には、
図25(a)に示すように、ペダル部材800Aが移動する前の状態では、軸部530Aは軸長孔840Aの後端位置842Aに位置しているが、ペダル部材800Aが後方へ押されるのに伴ってペダル部材800Aの軸長孔840Aも後方へ移動し、軸部530Aは軸長孔840Aの前端位置841Aに位置することになる。このように、軸長孔840Aは、ごみ容器本体100Aの前後方向に延出しているので、ペダル部材800Aが踏まれた際に、ペダル部材800Aをごみ容器本体100Aの後方へ向けて移動させることが出来る。
【0094】
特に、
図25(a)に示すように、ペダル部材800Aが移動する前の状態では、軸長孔840Aは、斜め下方へ僅かに回動軌道X2Aに沿って傾斜しているので、ペダル部材800Aが下方へ移動するのに伴って、
図25(b)に示すように、軸長孔840Aは、略水平、つまり、後端位置842Aと前端位置841Aとが略同じ高さとなる。そのため、軸部530Aが後端位置842Aから前端位置841Aに位置するように、軸長孔840Aが軸部530Aに対して回動軌道X2Aに沿って移動しやすく、ペダル部材800Aをごみ容器本体100Aの後方へよりスムーズに移動させることができるのである。なお、軸長孔840Aは、回動軌道X2Aの一部を含む範囲の長孔でもよく、また、回動軌道X2Aの一部を含まない長孔でもよい。
【0095】
また、操作部820Aが下方へ下がると、軸部530Aを挟んで反対側の連結部830A側は上方へ持ち上がる。その際、回動軌道X3Aに沿って形成された容器側案内部700Aにペダル部材800Aのペダル側案内部860Aは当接しながら回動するので、ペダル部材800Aは回動軌道X3Aに沿って容易に回動出来るのである。このように、容器側案内部700Aは、ペダル部材800Aの回動軌道上に沿って形成されていれば、任意の場所に任意の形状で構成してもよく、また、ペダル側案内部860Aも容器側案内部700Aに当接して、ペダル部材800Aを回動軌道に沿って回動させることができるのであれば、ペダル部材800A上の任意の場所に任意の形状で構成してもよい。
【0096】
なお、本願発明のごみ容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。