(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ノード装置及び通信端末のユーザデータを中継するノード装置の方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/08 20230101AFI20240501BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240501BHJP
H04W 92/14 20090101ALI20240501BHJP
【FI】
H04W28/08
H04M11/00 302
H04W92/14
(21)【出願番号】P 2020215053
(22)【出願日】2020-12-24
(62)【分割の表示】P 2017504863の分割
【原出願日】2016-03-07
【審査請求日】2020-12-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2015049573
(32)【優先日】2015-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】水上 太介
(72)【発明者】
【氏名】大西 信慈
(72)【発明者】
【氏名】江頭 一廣
(72)【発明者】
【氏名】志賀 信吾
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】圓道 浩史
【審判官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0347990(US,A1)
【文献】特開2013-219835(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0136047(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と無線通信を行うノード装置であって、
前記通信端末の移動管理を行っている移動管理装置が停止処理を開始するために、当該移動管理装置から、当該移動管理装置の識別情報と当該移動管理装置を停止する時間に関する情報と
前記通信端末が利用可能な他の移動管理装置の情報とを含むIndicationメッセージを、受信する手段と、
前記時間が来ると、前記通信端末に関連して確立されているコネクションを削除する手段と、を備えるノード装置。
【請求項2】
通信端末と無線通信を行うノード装置の方法であって、
前記通信端末の移動管理を行っている移動管理装置が停止処理を開始するために、当該移動管理装置から、当該移動管理装置の識別情報と当該移動管理装置を停止する時間に関する情報と
前記通信端末が利用可能な他の移動管理装置の情報とを含むIndicationメッセージを、受信し、
前記時間が来ると、前記通信端末に関連して確立されているコネクションを削除する、方法。
【請求項3】
前記Indicationメッセージは、前記通信端末に関するコンテキスト情報を利用することができる移動管理装置のグループに関する情報を含んでいる、請求項1に記載のノード装置。
【請求項4】
前記Indicationメッセージは、前記通信端末に関するコンテキスト情報を利用することができる移動管理装置のグループに関する情報を含んでいる、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに関し、特に複数の通信制御装置の中から通信制御装置を選択する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン及びタブレット端末の普及により、コアネットワークに配置されるMME(Mobile Management Entity)は、これらのデバイスのアプリケーションが発生させる多種多様なシグナリングを処理しなければならない。また、MTC(Machine Type Communication)サービスの提供、人が密集するイベントの実施、もしくは、災害の発生等、通信が発生する時間もしくは場所に応じて特性が大きく変化し、予見困難なシグナリングが増加している。こうした環境の中、モバイル通信事業者は、過剰投資を抑え、TCO(Total Cost Ownership)を削減しながら、サービス品質を維持しなければならない。
【0003】
そこで、MMEには、装置の性能、保有リソースもしくは負荷状況等に応じて、動的にシグナリングの負荷分散を行う仕組みが求められている。例えば、非特許文献1には、MMEにおけるシグナリング制御の仕組みが開示されている。また、特許文献1には、MMEの輻輳回避のためeNB(evolved NodeB)単位に他のMMEへ収容替えを行い負荷分散することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS 23.401 V13.1.0 (2014-12) 5.3.2 Attach procedure
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1には、通信端末に関するMM Context(加入者データ)をはじめとする呼処理に必要な情報が一度特定のMMEに生成されると、その通信端末に関する呼処理を行う際には、呼処理に必要な情報が生成されたMMEを利用し続けることが記載されている。そのため、呼処理において、MMEの負荷状況等に応じて、利用するMMEを動的に変更することができないという問題がある。また、特許文献1には、eNB単位に収容替えを行うため、MMEの負荷分散が十分に行えなかったり、適切に行えなかったりすることがあるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、MMEの負荷をより効果的に分散することができる通信システム、通信制御装置、ノード装置及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様にかかる通信システムは、複数の通信制御装置と、前記複数の通信制御装置と通信端末に関する呼処理を含む制御処理を実行するノード装置とを備える通信システムであって、前記複数の通信制御装置は、前記通信端末の加入者データを共有するコンテキスト共有グループを形成し、前記ノード装置は、前記コンテキスト共有グループ内の第1の通信制御装置を選択し、前記第1の通信制御装置へ呼処理メッセージを送信し、前記第1の通信制御装置は、前記コンテキスト共有グループにおいて共有される前記加入者データを用いて呼処理を実行するものである。
【0009】
本発明の第2の態様にかかる通信制御装置は、コンテキスト共有グループに属する他の通信制御装置と通信端末の加入者データを共有するコンテキスト共有部と、ノード装置から呼処理メッセージを受信すると、前記コンテキスト共有グループにおいて共有されている前記加入者データを用いて呼処理を実行するものである。
【0010】
本発明の第3の態様にかかるノード装置は、通信制御装置と通信端末に関する呼処理を含む制御処理を実行するノード装置であって、呼処理メッセージを送信するたびに、通信端末の加入者データを共有するコンテキスト共有グループに属する複数の通信制御装置の中から一の通信制御装置を選択し、選択した通信制御装置へ呼処理メッセージを含む制御処理メッセージを送信するものである。
【0011】
本発明の第4の態様にかかる通信方法は、複数の通信制御装置と、前記複数の通信制御装置と通信端末に関する呼処理を含む制御処理を実行するノード装置とを備える通信システムにおいて実行される通信方法であって、前記複数の通信制御装置は、前記通信端末の加入者データを共有するコンテキスト共有グループを形成し、前記ノード装置は、前記コンテキスト共有グループ内の第1の通信制御装置を選択し、選択した前記第1の通信制御装置へ呼処理メッセージを送信し、前記第1の通信制御装置は、前記コンテキスト共有グループにおいて共有される前記加入者データを用いて呼処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、MMEの負荷状況等に応じて、MMEの負荷をより効果的に分散することができる通信システム、通信制御装置、ノード装置及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1にかかる通信システムの構成図である。
【
図2】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
【
図3】実施の形態2にかかるMMEの構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかるeNBの構成図である。
【
図5】実施の形態2にかかるS-GWの構成図である。
【
図6】実施の形態2にかかるHSSの構成図である。
【
図7】実施の形態2にかかるMMEからeNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図8】実施の形態2にかかるMMEからeNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図9】実施の形態2にかかるMMEからeNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図10】実施の形態2にかかるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図11】実施の形態2にかかるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図12】実施の形態2にかかるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図13】実施の形態2にかかるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図14】実施の形態2にかかるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図15】実施の形態2にかかるMMEからHSSに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図16】実施の形態2にかかるMMEからHSSに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図17】実施の形態2にかかるMMEからHSSに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図18】実施の形態2にかかるeNB、S-GW及びHSSが管理する管理情報を示す図である。
【
図19】実施の形態2にかかる呼処理を示す図である。
【
図20】実施の形態2にかかる呼処理を示す図である。
【
図21】実施の形態3にかかるMMEを増設した際に、eNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図22】実施の形態3にかかるMMEを増設した際に、S-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図23】実施の形態3にかかるMMEを増設した際に、S-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図24】実施の形態3にかかるMMEを増設した際に、S-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図25】実施の形態3にかかるMMEを減設した際に、eNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図26】実施の形態4にかかるMMEを減設した際に、eNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図27】実施の形態4にかかるMMEを減設した際に、S-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図28】実施の形態4にかかるMMEを減設した際に、S-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図29】実施の形態4にかかるMMEを減設した際に、S-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図30】実施の形態4にかかるMMEを減設した際に、HSSに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図31】実施の形態4にかかるMMEを減設した際に、HSSに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図32】実施の形態5にかかるMMEのWFを変更した際に、eNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れを示す図である。
【
図33】実施の形態6にかかるHSSに関するインタフェースを説明する図である。
【
図34】実施の形態6にかかるHSSに関するインタフェースを説明する図である。
【
図35】実施の形態6にかかるContext情報の格納処理の流れ示す図である。
【
図36】実施の形態6にかかるContext情報の格納処理の流れ示す図である。
【
図37】実施の形態7にかかる通信システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに、
図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。
図1の通信システムは、通信制御装置10~12及びノード装置20を有する。本図においては、ノード装置20が通信制御装置10~12と接続していることを示しているが、ノード装置20は、2台、あるいは3台以上の通信制御装置と接続してもよい。
【0015】
通信制御装置10~12は、CPU(Central Processing Unit)がメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。また、通信制御装置10~12は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において規定されているMMEもしくはSGSN(Serving GPRS Support Node)であってもよい。
【0016】
ノード装置20は、通信制御装置10~12との間において通信端末に関する呼処理を含む制御処理を実行する。呼処理とは、例えば、通信端末が音声通話もしくはデータ通信等を行う際に実行される、コアネットワーク内の経路設定等の制御処理に相当する。ノード装置20は、CPU(Central Processing Unit)がメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。また、ノード装置20は、3GPPにおいて規定されているeNB(evolved Node B)、RNC(Radio Network Controller)、S-GW(Serving Gateway)もしくはHSS(Home Subscriber Server)等であってもよい。
【0017】
通信端末は、例えば、携帯電話、スマートフォンもしくは通信機能を有するタブレット端末等であってもよい。また、通信端末は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置であってもよい。
【0018】
通信制御装置10~12は、通信端末の加入者データを共有するコンテキスト共有グループを形成する。加入者データを共有するとは、通信制御装置10が利用することができる加入者データを、通信制御装置11及び12も利用することができることである。例えば、加入者データを管理するサーバ装置がある場合、通信制御装置10~12は、サーバ装置から適宜加入者データを取得してもよい。もしくは、それぞれの通信制御装置間において、加入者データを送受信することによって、他の通信制御装置において保持されている加入者データを取得してもよい。
【0019】
ノード装置20は、通信端末に関する呼処理、あるいは制御処理を実行する場合、コンテキスト共有グループ内のいずれかの通信制御装置を選択する。さらに、ノード装置20は、選択した通信制御装置へ、呼処理メッセージ、あるいは制御メッセージを送信する。呼処理メッセージは、例えば、3GPPにおいて規定されている制御メッセージであってもよい。3GPPにおいては、例えば、通信端末の電源がON状態に遷移した場合に送信されるAttach Requestメッセージ等、様々な制御メッセージが規定されている。ノード装置は、通信制御装置から通知される情報(例えば、各通信制御装置の輻輳状況や、各通信制御装置のキャパシティ、通信制御装置間で共有している加入者データ(コンテキスト共有グループ)の情報など)に基づいて、通信制御装置を選択する。
【0020】
ノード装置20において選択された通信制御装置、つまり、ノード装置20から送信された呼処理メッセージ、あるいは制御メッセージを受信した通信制御装置は、コンテキスト共有グループにおいて共有される加入者データを用いて呼処理、あるいは制御処理を実行する。例えば、ノード装置20において選択された通信制御装置は、自装置内に呼処理の対象となる通信端末の加入者データを保持している場合、保持している加入者データを用いて呼処理、あるいは制御処理を実行する。ノード装置20において選択された通信制御装置は、自装置内に呼処理の対象となる通信端末の加入者データを保持していない場合、サーバ装置において管理されている加入者データを取得してもよく、他の通信制御装置から加入者データを取得してもよい。
【0021】
以上説明したように、
図1の通信システムを用いることにより、コンテキスト共有グループに属する通信制御装置は、通信端末の加入者データを共有することができる。そのため、ノード装置は、コンテキスト共有グループに属するいずれの通信制御装置を選択しても、通信端末の呼処理、あるいは制御処理を実行することができる。
【0022】
これより、ノード装置20は、呼処理、あるいは制御処理を実行する際に通信を行う通信制御装置を動的に変更することができる。そのため、ノード装置20は、例えば、通信制御装置の負荷状況に応じて、通信制御装置を変更することもできる。その結果、ノード装置20は、複数の通信制御装置における負荷分散制御を行うことができる。また、ノード装置は、加入者データを共有する通信制御装置に対して、加入者単位に呼処理メッセージ、あるいは制御メッセージを分散することができる。そのため、ノード装置単位にメッセージを分散する場合と比較して、ノード装置は、通信制御装置に対して、細かな単位でより適切にメッセージの分散を行うことができる。
【0023】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図2の通信システムは、3GPPにおいて規定されている装置によって構成されている。
図2の通信システムは、MME30~60、eNB70、HSS80、S-GW90、P-GW(Packet Data Network-Gateway)100及びUE(User Equipment)110を有している。MME30~60は、
図1の通信制御装置に相当する。eNB70、HSS80及びS-GW90は、
図1のノード装置に相当する。UE110は、通信端末に相当する。
【0024】
また、MMEは、3GPPにおいて規定されているSGSNに置き換えられてもよく、eNBは、3GPPにおいて規定されているRNCに置き換えられてもよい。
【0025】
本図においては、MME30及びMME40が、コンテキスト共有グループAに属し、MME50及びMME60が、コンテキスト共有グループBに属することを示している。また、MME30~60は、コンテキスト共有グループとは異なるグループであるMMEグループに属してもよい。MMEグループは、eNB70がはじめにContext情報を生成する候補のMMEが属するグループである。Context情報は、
図1において説明した加入者データに相当する。つまり、MMEグループは、複数のコンテキスト共有グループを含んでもよい。もしくは、MMEグループに属するMMEと、コンテキスト共有グループに属するMMEとは、同じであってもよい。
【0026】
一般的に、eNB70は、はじめにMME30においてUE110に関するContext情報を生成することを決定した場合、以降の呼処理においてはすべてMME30を選択する。これに対して、本願の各実施の形態においては、eNB70は、はじめにMME30においてContext情報を生成した場合であっても、以降の呼処理において、MME30もしくはMME40を選択することができる。また、HSS80及びS-GW90も、最初にContext情報が生成されたMMEとは異なるMMEを選択して呼処理を実行することができる。
【0027】
続いて、
図3を用いて本発明の実施の形態2にかかるMME30の構成例について説明する。MME40~60は、MME30と実質的に同一の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0028】
MME30は、Diameter通信部31、S1AP(S1 Application)通信部32、GTP(General packet radio service Tunneling Protocol)-C通信部33、Context共有部34、Context記憶部35及びMME呼処理部36を有している。Diameter通信部31は、HSS80との間のインタフェースとして用いられる。S1AP通信部32は、eNB70との間のインタフェースとして用いられる。GTP-C通信部33は、S-GW90との間のインタフェースとして用いられる。
【0029】
Context共有部34は、呼処理の対象となるUE110のContext情報を取得する。例えば、サーバ装置等において、コンテキスト共有グループAのMMEにおいて生成されたContext情報が管理されている場合、Context共有部34は、サーバ装置から呼処理の対象となるUE110のContext情報を取得してもよい。もしくは、Context共有部34は、呼処理の対象となるUE110のContext情報をコンテキスト拒有グループAに属するMME40から取得してもよい。
【0030】
Context記憶部35は、Context共有部34が取得したContext情報及びMME30において生成されたContext情報を記憶する。Context記憶部35は、例えば、MME30内のメモリであってもよく、MME30に装着された外部メモリ装置等であってもよい。または、HSS80がContext情報を保持し複数のMMEが必要に応じてアクセスする事によりContext情報が複数のMME間で共有されても良い。
【0031】
さらに、Context記憶部35は、MME30が属するコンテキスト共有グループに関する情報を保持する。ここでは、Context記憶部35は、コンテキスト共有グループAを示す情報を保持する。Context記憶部35は、例えば、MME30内のメモリであってもよく、MME30に装着された外部メモリ装置等であってもよい。または、HSS80がContext記憶部35を保持し複数のMMEが必要に応じてアクセスする事によりContext記憶部35が保持する情報が複数のMME間で共有されても良い。
【0032】
MME呼処理部36は、Context記憶部35に記憶されているContext情報及びコンテキスト共有グループAを示す情報を用いて、呼処理を実行する。MME呼処理部36は、Diameter通信部31、S1AP通信部32もしくはGTP-C通信部33を介して、呼処理に関するメッセージをeNB70、HSS80もしくはS-GW90との間において送受信する。
【0033】
続いて、
図4を用いて本発明の実施の形態2にかかるeNB70の構成例について説明する。eNB70は、S1AP通信部71、S1AP呼処理部72、RRC(Radio Resource Control)処理部73、無線処理部74、GTP-U通信部75、GTP-U処理部76及びContext記憶部77を有している。
【0034】
S1AP通信部71は、MME30~60と通信する際のインタフェースとして用いられる。S1AP呼処理部72は、Context記憶部77に記憶されている情報を用いて、MME30~60との間において呼処理を実行する。
【0035】
S1AP呼処理部72は、S1AP通信部71を介してMME30~60との間において呼処理に関するメッセージを送受信する。また、S1AP呼処理部72は、Context記憶部77に記憶されている情報を用いて、呼処理を行うMMEを選択する。
【0036】
RRC(Radio Resource Control)処理部73は、UE110との間において用いられるRRCプロトコルに関する処理を実行する。例えば、RRC処理部73は、UE110との間の接続状態を管理する処理を実行してもよい。無線処理部74は、UE110と無線通信する際のインタフェースとして用いられる。
【0037】
GTP-U通信部75は、S-GW90と通信する際のインタフェースとして用いられる。GTP-U処理部76は、GTP-U通信部75を介して、S-GW90との間においてユーザデータの送受信を行う。
【0038】
Context記憶部77は、MME30~60から送信されるコンテキスト共有グループに関する情報を記憶する。例えば、Context記憶部77は、コンテキスト共有グループと、そのグループに属するMMEとを関連付けて記憶する。さらに、Context記憶部77は、それぞれのMMEを選択する際に参照するWF(Weight Factor)をMMEと関連付けて記憶してもよい。
【0039】
続いて、
図5を用いて本発明の実施の形態2にかかるS-GW90の構成例について説明する。S-GW90は、GTP-C通信部91、GTP-U通信部92、GTP-C処理部93、Context記憶部94及びGTP-U処理部95を有している。
【0040】
GTP-C通信部91は、MME30~60と通信する際のインタフェースとして用いられる。GTP-U通信部92は、eNB70と通信する際のインタフェースとして用いられる。
【0041】
GTP-C処理部93は、GTP-C通信部91を介してMME30~60との間において呼処理に関するメッセージを送受信する。また、GTP-C処理部93は、Context記憶部94に記憶されている情報を用いて、呼処理を行うMMEを選択する。GTP-U処理部95は、GTP-U通信部92を介してeNB70との間においてユーザデータを送受信する。
【0042】
Context記憶部94は、MME30~60から送信されるコンテキスト共有グループに関する情報を記憶する。例えば、Context記憶部77は、コンテキスト共有グループと、そのグループに属するMMEとを関連付けて記憶する。さらに、それぞれのMMEを選択する際に参照するWFをMMEと関連付けて記憶してもよい。
【0043】
続いて、
図6を用いて本発明の実施の形態2にかかるHSS80の構成例について説明する。HSS80は、Diameter通信部81、加入者情報処理部82及び加入者情報記憶部83を有している。Diameter通信部81は、MME30~60と通信する際にインタフェースとして用いられる。
【0044】
加入者情報記憶部83は、MME30~60から送信されるコンテキスト共有グループに関する情報を記憶する。例えば、加入者情報記憶部83は、コンテキスト共有グループと、そのグループに属するMMEとを関連付けて記憶する。さらに加入者情報記憶部83は、それぞれのMMEを選択する際に参照するWFをMMEと関連付けて記憶してもよい。
【0045】
加入者情報処理部82は、Diameter通信部81を介してMME30~60との間において呼処理に関するメッセージを送受信する。また、加入者情報処理部82は、加入者情報記憶部83に記憶されている情報を用いて、呼処理を行うMMEを選択する。
【0046】
続いて、
図7を用いて本発明の実施の形態2にかかるMMEからeNBに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れについて説明する。はじめに、eNB70は、S1コネクションを確立するために、MMEグループ内の全てのMMEに対して、S1 SETUP REQUESTメッセージを送信する(S11)。
【0047】
次に、それぞれのMMEは、S1 SETUP REQUESTメッセージへの応答として、S1 SETUP RESPONSEメッセージをeNB70へ送信する(S12)。それぞれのMMEは、S1 SETUP RESPONSEメッセージに、自装置が属するコンテキスト共有グループ、GUMMEI(Globally Unique MME Identifier)及びWF(Weight Factor)を設定する。GUMMEIは、MMEを一意に識別するための識別情報である。WFは、eNB70が呼処理を実行するMMEを選択する際に用いる優先度情報である。例えば、eNB70は、WFの値が高いMMEを選択する回数を多くし、WFの値が低いMMEを選択する回数を少なくしてもよい。eNB70は、S1 SETUP RESPONSEメッセージに設定される情報を保持する。
【0048】
続いて、
図8を用いて本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理について、
図7と異なる通知処理の流れについて説明する。はじめに、MME30及びMME40は、どちらが代表MMEであるかを決定する代表選択処理を実施する(S20)。代表選択処理は、同一のコンテキスト共有グループに属する複数のMME間において実行される。例えば、代表MMEには、若番の識別情報が設定されているMMEが選択されてもよく、その他の基準により代表MMEが選択されてもよい。ここでは、MME30が代表MMEとして選択されたとする。また、代表選択処理において、代表MMEではないMME40等は、代表MMEへ、自装置のGUMMEI及びWF等の情報を送信してもよい。
【0049】
次に、eNB70は、S1コネクションを確立するために、MMEグループ内の全てのMMEに対して、S1 SETUP REQUESTメッセージを送信する(S21)。なお、
図8においては、eNB70が、MME30及びMME40にS1 SETUP REQUESTメッセージを送信していることを示しているが、MMEグループ内の全てのMMEに対してS1 SETUP REQUESTメッセージが送信されているとする。
【0050】
次に、代表MMEであるMME30は、eNB70に対して、コンテキスト共有グループ、コンテキスト共有グループに属する全てのMMEのGUMMEI、及び、全てのMMEのWFを設定したS1 SETUP RESPONSEメッセージを送信する(S22)。代表MMEではないMME40は、S1コネクションの確立のために、S1 SETUP RESPONSEメッセージをeNB70へ送信する。MME40が送信するS1 SETUP RESPONSEメッセージには、コンテキスト共有グループに関する情報が設定されていなくてもよい。
【0051】
続いて、
図9を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理について、
図7及び
図8と異なる通知処理の流れについて説明する。本図においては、EMS(Element Management System)装置が、eNB70に対して、コンテキスト共有グループ、コンテキスト共有グループに属する全てのMMEのGUMMEI、及び、全てのMMEのWFに関する情報を登録する(S31)。
【0052】
続いて、
図10を用いて、本発明の実施の形態2にかかるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理の流れについて説明する。はじめに、それぞれのMMEは、自装置が属するコンテキスト共有グループ及びWFを設定したGTP Echo REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S41)。S-GW90は、GTP Echo REQUESTメッセージの送信元のIPアドレスを用いて、MMEを識別する。S-GW90は、GTP Echo REQUESTメッセージに設定されている情報を保持する。
【0053】
次に、S-GW90は、GTP Echo RESPONSEメッセージをそれぞれのMMEへ送信する(S42)。一般的に、GTP Echo REQUESTメッセージ及びGTP Echo RESPONSEメッセージは、MMEとS-GWとの間において障害が発生しているか否かを確認するために用いられる。
【0054】
続いて、
図11を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループに関する情報の通知処理について、
図10と異なる通知処理の流れについて説明する。本図においては、S-GW90が、GTP Echo REQUESTメッセージをそれぞれのMMEへ送信する(S51)。次に、それぞれのMMEは、自装置が属するコンテキスト共有グループ及びWFを設定したGTP Echo RESPONSEメッセージをS-GW90へ送信する(S52)。
【0055】
続いて、
図12を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループ情報の通知処理について、
図10及び
図11と異なる通知処理の流れについて説明する。
【0056】
はじめに、MME30及びMME40は、どちらが代表MMEであるかを決定する代表選択処理を実施する(S60)。代表選択処理は、同一のコンテキスト共有グループに属する複数のMME間において実行される。ここでは、MME30が代表MMEとして選択されたとする。
【0057】
次に、代表MMEであるMME30は、S-GW90に対して、コンテキスト共有グループ及びコンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFを設定したGTP Echo REQUESTメッセージを送信する(S61)。MME30は、コンテキスト共有グループに属するMMEの識別情報であるIPアドレスとWFとを関連付けて設定してもよい。代表MMEではないMME40は、通常のGTP Echo REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S62)。
【0058】
次に、S-GW90は、GTP Echo REQUESTメッセージに対する応答メッセージとして、GTP Echo RESPONSEメッセージをそれぞれのMMEへ送信する(S63)。
【0059】
続いて、
図13を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループ情報の通知処理について、
図10~
図12と異なる通知処理の流れについて説明する。はじめに、MME30及びMME40は、
図12のステップS60と同様に、代表選択処理を実施する(S70)。次に、S-GW90は、MMEグループ内の全てのMMEに対してGTP Echo REQUESTメッセージを送信する(S71)。
【0060】
次に、代表MMEであるMME30は、GTP Echo REQUESTメッセージに対する応答メッセージとして、コンテキスト共有グループ及びコンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFを設定したGTP Echo REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S72)。
【0061】
代表MMEではないMME40は、GTP Echo REQUESTメッセージに対する応答メッセージとして、通常のGTP Echo RESPONSEメッセージをS-GW90へ送信する(S73)。
【0062】
続いて、
図14を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループ情報の通知処理について、
図10~
図13と異なる通知処理の流れについて説明する。本図においては、EMS(Element Management System)装置が、S-GW90に対して、コンテキスト共有グループ、コンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFに関する情報を登録する(S81)。
【0063】
続いて、
図15を用いて本発明の実施の形態2にかかるMMEからHSS80に対するコンテキスト共有グループ情報の通知処理の流れについて説明する。はじめに、それぞれのMMEは、HSS80との間においてSCTP(Stream Control Transmission Protocol) Connectionを確立する(S90)。
【0064】
次に、それぞれのMMEは、自装置が属するコンテキスト共有グループ、Origin-Host及びWFを設定したUpdate Context Shared Group REQUESTメッセージをHSS80へ送信する(S91)。Origin-Hostは、MMEを識別する情報である。HSS80は、Update Context Shared Group REQUESTメッセージに設定される情報を保持する。
【0065】
次に、HSS80は、Update Context Shared Group REQUESTメッセージに対する応答として、Update Context Shared Group ANSWERメッセージをそれぞれのMMEへ送信する(S92)。
【0066】
続いて、
図16を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループ情報の通知処理について、
図15と異なる通知処理の流れについて説明する。はじめに、MME30及びMME40は、
図15のステップS90と同様に、SCTP Connectionを確立する(S100)。次に、MME30及びMME40は、どちらが代表MMEであるかを決定する代表選択処理を実施する(S101)。代表選択処理は、同一のコンテキスト共有グループに属する複数のMME間において実行される。ここでは、MME30が代表MMEとして選択されたとする。
【0067】
次に、代表MMEであるMME30は、コンテキスト共有グループ、コンテキスト共有グループに属する全てのMMEのOrigin-Host及びコンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFを設定したUpdate Context Shared Group REQUESTメッセージをHSS80へ送信する(S102)。次に、HSS80は、Update Context Shared Group REQUESTメッセージに対する応答として、Update Context Shared Group ANSWERメッセージをMME30へ送信する(S103)。
【0068】
続いて、
図17を用いて、本発明の実施の形態2にかかるコンテキスト共有グループ情報の通知処理について、
図15及び
図16と異なる通知処理の流れについて説明する。本図においては、EMS(Element Management System)装置が、HSS80に対して、コンテキスト共有グループ、コンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFに関する情報を登録する(S111)。
【0069】
図7~
図17において、コンテキスト共有グループに関する情報を受信したeNB70、S-GW90及びHSS80は、
図18に示すようにコンテキスト共有グループに関する情報を管理する。
図18に示す管理情報は、コンテキスト共有グループと、コンテキスト共有グループに属するMMEとを関連付けて管理している。さらに、MMEに設定されたWFの値についてもMME毎に関連付けて管理している。コンテキスト共有グループAには、MME30~MME#Nが属し、コンテキスト共有グループBには、MME50及びMME60が属する。また、例えば、MME30は、コンテキスト共有グループAに属し、WFの値が50であることが示されている。
【0070】
また、MMEを識別する情報は、ノードの種類によって異なってもよい。例えば、eNBは、MMEの識別情報としてGUMMEIを用い、SGWは、MMEの識別情報としてIPアドレスを用い、HSSは、Origin-Hostを用いてもよい。
【0071】
続いて、
図19及び
図20を用いて、本発明の実施の形態2にかかる呼処理の流れについて説明する。はじめに、UE110は、ユーザによって電源ボタンが押下され、装置が起動された場合に、NAS(Non-Access Stratum):Attach REQUESTメッセージをeNB70へ送信する(S121)。UE110は、NAS:Attach REQUESTメッセージに、GUTI(Globally Unique Temporary Identifier)を設定する。GUTIは、GUMMEI及びM-TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)から構成される情報である。GUTIは、UEを一意に識別するために用いられる一時的な識別情報である。
【0072】
次に、eNB70は、NAS:Attach REQUESTメッセージを送信するMMEを選択する処理を行う(S122)。eNB70は、MMEを選択する処理において、NAS:Attach REQUESTメッセージに設定されているGUTIから、GUMMEIを特定する。GUTIから特定されるGUMMEIは、以前のAttach処理において、UE110に関するContext情報を生成したMME、もしくは、eNBが選択したMMEを示している。eNB70は、
図18に示す管理情報から、GUMMEIによって識別されるMMEが属するコンテキスト共有グループを特定することができる。eNB70は、特定したコンテキスト共有グループに属するMMEの中から、WFに従ってMMEを選択する。本図においては、eNB70は、MME30を選択したとする。
【0073】
次に、eNB70は、選択したMMEへ、NAS:Attach REQUEST/S1AP: Initial UEメッセージを送信する(S123)。次に、MME30は、UE110に関する認証ベクトル(Authentication Vector:AV)を取得するために、HSS80へAuthentication Information REQUESTメッセージを選択する(S124)。次に、HSS80は、AVを設定したAuthentication Information ANSWERメッセージの送信先となるMMEを選択する処理を行う(S125)。HSS80は、
図18に示す管理情報を用いて、Authentication Information REQUESTメッセージを送信してきたMME30の属するコンテキスト共有グループを特定する。HSS80は、特定したコンテキスト共有グループに属するMMEの中から、WFに従ってMMEを選択する。本図においては、HSS80は、MME#Nを選択したとする。MME#Nは、MME30と同じコンテキスト共有グループAに含まれるとする。
【0074】
次に、HSS80は、Authentication Information ANSWERメッセージを、選択したMME#Nへ送信する(S126)。このように、HSS80は、Authentication Information REQUESTメッセージを送信してきたMME30と異なるMME#Nへ、Authentication Information ANSWERメッセージを送信することができる。次に、MME#Nは、eNB70へ、Authentication REQUESTメッセージを送信する(S127)。
【0075】
図20に移り、MME30は、S-GW90との間のセッションを生成するために、Create Session REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S128)。次に、S-GW90は、Create Session RESPONSEメッセージの送信先となるMMEを選択する処理を行う(S129)。S-GW90は、
図18の管理情報を用いて、Create Session REQUESTメッセージを送信してきたMME30の属するコンテキスト共有グループを特定する。S-GW90は、特定したコンテキスト共有グループに属するMMEの中から、WFに従ってMMEを選択する。本図においては、S-GW90は、MME#Nを選択したとする。
【0076】
次に、S-GW90は、Create Session RESPONSEメッセージを、選択したMME#Nへ送信する(S130)。このように、S-GW90は、Create Session REQUESTメッセージを送信してきたMME30と異なるMME#Nへ、Create Session RESPONSEメッセージを送信することができる。
【0077】
次に、MME#Nは、NAS:Attach Accept/S1AP:Initial Context Setup RequestメッセージをeNB70へ送信する(S131)。ステップS131において、eNB70は、NAS:Attach Requestメッセージを送信したMME30と異なるMME#NからNAS:Attach Acceptメッセージを受信することができる。
【0078】
次に、eNB70は、NAS:Attach AcceptメッセージをUE110へ送信する(S132)。次に、eNB70は、ステップS131において、S1AP:Initial Context Setup REQUESTメッセージを受信すると、S1AP:Initial Context Setup RESPONSEメッセージの送信先となるMMEを選択する処理を行う(S133)。ここでは、eNB70は、コンテキスト共有グループAのなかからMME#Nを選択したとする。次に、eNB70は、S1AP:Initial Context Setup RESPONSEメッセージを、選択したMME#Nへ送信する。このように、eNB70は、ステップS123において送信したNAS:Attach REQUESTメッセージの送信先であるMME30と異なるMME#NへS1AP:Initial Context Setup RESPONSEメッセージを送信することができる。
【0079】
次に、MME#Nは、Modify Bearer REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S135)。次に、S-GW90は、Modify Bearer RESPONSEメッセージを送信するためのMMEを選択するために、ステップS129と同様の処理を行う(S136)。ここでは、S-GW90は、MME30を選択したとする。次に、S-GW90は、Modify Bearer RESPONSEメッセージを、選択したMME30へ送信する。
【0080】
以上説明したように、MMEは、同一のコンテキスト共有グループ内の他のMMEと、UEに関するContext情報を共有することができる。そのため、eNB、S-GW及びHSSから、コンテキスト共有グループ内の任意のMMEに対して呼処理メッセージが送信されてきたとしても、UEに対する呼処理を継続することができる。
【0081】
また、MMEの周辺のノード装置であるeNB、S-GW及びHSSは、UEの呼処理を行う際に、コンテキスト共有グループ内の任意のMMEに対して呼処理メッセージを送信することができる。そのため、eNB、S-GW及びHSSは、MMEにおいて実行される呼処理の負荷を分散することができる。
【0082】
(実施の形態3)
続いて、
図21を用いて、本発明の実施の形態3にかかるMMEを増設した場合におけるMMEからeNBに対するコンテキスト共有グループ情報の通知処理の流れについて説明する。
【0083】
はじめに、MMEを増設した後に、増設MMEが属するコンテキスト共有グループの他のMMEは、S1 SETUPメッセージの起動を要求するS1 SETUP要求メッセージをeNB70へ送信する(S151)。本図においては、増設MMEが、コンテキスト共有グループAに属し、コンテキスト共有グループA内のMME30が、S1 SETUP要求メッセージをeNB70へ送信している。
【0084】
以降は、
図7もしくは
図8の処理を実行し、eNB70は、S1 SETUP RESPONSEメッセージに設定されたコンテキスト共有グループに関する情報を受け取る。
【0085】
S1 SETUP要求メッセージを送信するMMEは、例えば、増設MMEがコンテキスト共有グループに属する前に代表として選択されたMMEであってもよく、管理者等から増設MMEに関する情報が入力されたMMEであってもよい。また、増設MMEと、既存のMMEとの間において代表選択処理が実行され、増設MMEが代表MMEとして選択された場合、増設MMEがS1 SETUP要求メッセージを送信してもよい。
【0086】
また、MMEがS1 SETUP要求メッセージを送信するかわりに、
図9に示すように、EMS装置が、eNB70へ増設MMEに関する情報を登録してもよい。eNB70は、増設MMEに関する情報が登録されると、
図7及び
図8に示すように、S1 SETUP REQUESTメッセージを全てのMMEもしくは増設MMEのみへ送信してもよい。
【0087】
続いて、
図22を用いて、本発明の実施の形態3にかかるMMEを増設した場合におけるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループ情報の通知処理の流れについて説明する。はじめに、増設MMEは、自装置が属するコンテキスト共有グループ及びWFを設定したGTP Echo REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S161)。
【0088】
S-GW90は、
図18に示す情報を管理しており、GTP Echo REQUESTメッセージを受信することによって、
図18に示す情報に増設MMEに関する情報を追加して管理情報を更新する(S162)。次に、S-GW90は、増設MMEへ、GTP Echo RESPONSEメッセージを送信する(S163)。
【0089】
続いて、
図23を用いて、本発明の実施の形態3にかかるMMEを増設した場合におけるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループ情報の通知処理の流れについて、
図22とは異なる処理の流れについて説明する。
【0090】
はじめに、MMEが増設されると、増設MMEが属するコンテキスト共有グループ内において、代表MMEの選択処理が実行される(S171)。ここでは、MME#Nが代表MMEとして選択されたとする。次に、代表MMEは、S-GW90に対して、コンテキスト共有グループ及びコンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFを設定したGTP Echo REQUESTメッセージを送信する(S172)。
【0091】
ステップS173及びS174は、
図22のステップS162及びS163と同様であるため詳細な説明を省略する。ただし、ステップS174においては、S-GW90は、代表MMEへ、GTP Echo REQUESTメッセージを送信する。
【0092】
続いて、
図24を用いて、本発明の実施の形態3にかかるMMEを増設した場合におけるMMEからS-GWに対するコンテキスト共有グループ情報の通知処理の流れについて、
図22及び
図23とは異なる処理の流れについて説明する。
【0093】
ステップS181は、
図23のステップS171と同様であるため詳細な説明を省略する。次に、S-GW90は、MMEグループ内の全てのMMEに対してGTP Echo REQUESTメッセージを送信する(S182)。次に、代表MMEは、S-GW90に対して、コンテキスト共有グループ及びコンテキスト共有グループに属する全てのMMEのWFを設定したGTP Echo RESPONSEメッセージを送信する(S183)。ここで、代表MME以外のMMEについても、コンテキスト共有グループ等の情報を設定しないGTP Echo RESPONSEメッセージをS-GW90へ送信してもよい。ステップS184は、
図23のステップS173と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0094】
また、
図22~
図24のようにGTP Echo REQUESTメッセージ及びGTP Echo RESPONSEメッセージを用いる代わりに、
図14のようにEMS装置が、S-GW90へ増設MMEに関する情報を登録してもよい。また、
図22~
図24のようにGTP Echo REQUESTメッセージ及びGTP Echo RESPONSEメッセージを用いる代わりに、現在3GPPにおいて定義されていない新たなメッセージを用いて、増設MMEに関する情報がS-GW90へ送信されてもよい。
【0095】
続いて、本発明の実施の形態3にかかる増設MMEからHSSに対するコンテキスト共有グループ情報の通知処理の流れについて説明する。MMEが増設された場合、
図15及び
図16と同様に、増設MMEとHSS80との間においてSCTP Connectionが確立される。SCTP Connectionが確立された後は、
図15及び
図16と同様に、Update Context Shared Group REQUESTメッセージを用いて、HSSへ、増設されたMMEに関するコンテキスト共有グループ等の情報を通知する。
【0096】
以上説明したように、MMEを増設した場合に、eNB70、S-GW90及びHSS80は、MMEが増設されたことを把握し、管理情報を更新することができる。eNB70、S-GW90及びHSS80は、WFの値に応じて増設したMMEを選択することによって、増設されたMMEを利用して呼処理を行うことができる。つまり、eNB70、S-GW90及びHSS80は、増設されたMMEに対して動的に呼処理メッセージを送信することができる。
【0097】
(実施の形態4)
続いて、
図25を用いて本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、eNB70の情報更新処理の流れについて説明する。はじめに、減設対象となるMMEは、減設処理を開始する(S191)。MMEの減設処理は、例えば、MMEの電源をOFF状態にすることもしくはMMEをシャットダウン状態にすること等であってもよい。
【0098】
MMEが減設処理を行うと、減設MMEとeNB70との間のS1APコネクションが切断状態となる。この時、eNB70は、S1APのコネクションが切断されていることを検出する(S192)。次に、eNB70は、
図18において説明した管理情報から、減設MMEに関する情報を削除するようにして、管理情報を更新する(S193)。この時、コンテキスト共有グループに属するMMEが、減設されたMMEのみであった場合、eNB70は、RRCコネクションについても切断してもよい。
【0099】
本図においては、MMEを減設する場合について説明したが、本図の処理は、MMEに障害が発生した場合にも適用されてもよい。
【0100】
続いて、
図26を用いて、本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、eNB70の情報更新処理の流れについて、
図25と異なる情報更新処理の流れについて説明する。減設対象となるMMEは、減設処理を開始する前に、MME Shutdown IndicationメッセージをeNB70へ送信する(S201)。減設対象となるMMEは、減設処理を開始することを知らせるために、eNB70へMME Shutdown Indicationメッセージを送信する。また、MME Shutdown Indicationメッセージは、異なる名称のメッセージであってもよい。
【0101】
減設対象となるMMEは、MME Shutdown Indicationメッセージに、コンテキスト共有グループ、GUMMEI及びshutdown timeを設定してもよい。shutdown timeは、例えば、減設対象となるMMEが減設処理を開始する時刻、もしくは、何秒後にMMEが減設処理を開始するか等を示す情報である。このように、減設対象となるMMEが、shutdown timeをeNB70へ送信することによって、例えば、MMEが急に減設することによる呼損を防ぐことができる。例えば、MME Shutdown Indicationメッセージを受信したeNB70は、減設対象となるMMEとの間の呼処理を優先してもよい。
【0102】
続いて、
図27を用いて、本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、S-GW90の情報更新処理の流れについて説明する。S-GW90は、MMEと正常に接続しているかを確認するために、定期的にGTP Echo REQUESTメッセージをMMEへ送信する(S211)。しかし、MMEが減設されている場合、S-GW90は、送信したGTP Echo REQUESTメッセージに対する応答信号を受信することはない。そのため、S-GW90は、GTP Echo REQUESTメッセージの送信を繰り返す(S212)。
【0103】
次に、S-GW90は、GTP Echo REQUESTメッセージの送信を予め定められた回数繰り返しても応答メッセージを受信しない場合、MMEが減設された、もしくは、MMEに障害が発生したと判定する。この場合、S-GW90は、
図18の管理情報を更新し、減設されたもしくは障害が発生したと判定されたMMEのエントリを削除する(S213)。
【0104】
続いて、
図28を用いて、本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、S-GW90の情報更新処理の流れについて、
図27と異なる処理の流れについて説明する。減設対象のMMEは、減設を開始する前に、減設することを設定したGTP Echo REQUESTメッセージをS-GW90へ送信する(S221)。減設対象のMMEは、GTP Echo REQUESTメッセージに、例えば、減設対象のMMEが属するコンテキスト共有グループ及び減設することを示す減設フラグ等を新規のIE(Information Element)として設定してもよい。
【0105】
次に、S-GW90は、ステップS221においてGTP Echo REQUESTメッセージを受信すると、
図18の管理情報を更新し、減設されるMMEのエントリを削除する(S222)。次に、S-GW90は、減設対象のMMEへ、GTP Echo RESPONSEメッセージを送信する(S223)。
【0106】
続いて、
図29を用いて、本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、S-GW90の情報更新処理の流れについて、
図27及び
図28と異なる処理の流れについて説明する。
図28においては、減設対象のMMEは、S-GW90へ、GTP Echo REQUESTメッセージを送信することによって減設することを伝えていたが、
図29においては、MME Shutdown IndicationメッセージをS-GW90へ送信することによって減設することを伝える。減設対象のMMEは、MME Shutdown Indicationメッセージに、コンテキスト共有グループ及びshutdown timeを設定してもよい。shutdown timeは、例えば、減設対象となるMMEが減設処理を開始する時刻、もしくは、何秒後にMMEが減設処理を開始するか等を示す情報である。
【0107】
次に、S-GW90は、ステップS221においてMME Shutdown Indicationメッセージを受信すると、
図18の管理情報を更新し、減設されるMMEのエントリを削除する(S232)。ここで、S-GW90は、MME Shutdown Indicationメッセージに対する応答メッセージを送信することなく処理を終了する。
【0108】
また、
図27~
図29のようにGTP Echo REQUESTメッセージ及びMME Shutdown Indicationメッセージを用いる代わりに、
図14のようにEMS装置が、S-GW90へ減設MMEに関する情報を登録してもよい。また、
図27~
図29のようにGTP Echo REQUESTメッセージ及びMME Shutdown Indicationメッセージを用いる代わりに、現在3GPPにおいて定義されていない新たなメッセージを用いて、減設MMEに関する情報がS-GW90へ送信されてもよい。
【0109】
続いて、
図30を用いて、本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、HSS80の情報更新処理の流れについて説明する。はじめに、減設対象となるMMEは、減設処理を開始する(S241)。MMEの減設処理は、例えば、MMEの電源をOFF状態にすることもしくはMMEをシャットダウン状態にすること等であってもよい。
【0110】
MMEが減設処理を行うと、減設MMEとHSS80との間のSCTPコネクションが切断状態となる。この時、HSS80は、SCTPのコネクションが切断されていることを検出する(S242)。次に、HSS80は、
図18において説明した管理情報から、減設MMEに関する情報を削除して、管理情報を更新する(S243)。
【0111】
続いて、
図31を用いて、本発明の実施の形態4にかかるMMEを減設した場合における、HSS80の情報更新処理の流れについて、
図30と異なる情報更新処理の流れについて説明する。減設対象となるMMEは、減設処理を開始する前に、MME Shutdown IndicationメッセージをHSS80へ送信する(S252)。減設対象となるMMEは、減設処理を開始することを知らせるために、HSS80へMME Shutdown Indicationメッセージを送信する。また、MME Shutdown Indicationメッセージは、異なる名称のメッセージであってもよい。
【0112】
減設対象となるMMEは、MME Shutdown Indicationメッセージに、コンテキスト共有グループ、Origin-Host及びshutdown timeを設定してもよい。shutdown timeは、例えば、減設対象となるMMEが減設処理を開始する時刻、もしくは、何秒後にMMEが減設処理を開始するか等を示す情報である。このように、減設対象となるMMEが、shutdown timeをeNB70へ送信することによって、例えば、MMEが急に減設することによる呼損を防ぐことができる。例えば、MME Shutdown Indicationメッセージを受信したHSS80は、減設対象となるMMEとの間の呼処理を優先してもよい。
【0113】
次に、減設対象のMMEは、shutdown timeに示されたタイミングに減設処理を開始する(S252)。また、HSS80は、減設対象のMMEを
図18に示す管理情報のエントリから削除するようにして管理情報を更新する。
【0114】
以上説明したように、MMEを減設した場合に、eNB70、S-GW90及びHSS80は、MMEが減設されたことを把握し、管理情報を更新することができる。eNB70、S-GW90及びHSS80は、管理情報を更新した後は、減設されたMMEに対して呼処理メッセージを送信することはなくなる。
【0115】
通常、MMEを減設する際、減設対象のMMEは、MMEが保持しているそれぞれのUEのContext情報を他のMMEへ移管する必要がある。このような場合、一般的には、MMEは、UEをDetachさせ、UEに再度Attach処理を実行させ、新たなMMEにおいてUEのContext情報を生成させる。ここで、通信中のUEをDetachさせた場合、通信中のUEの通信が一時的に中断されてしまうという問題があった。
【0116】
これに対して、実施の形態4における通信システムは、それぞれのMMEは、外部のサーバ装置等に保存されているContext情報を共有することができる。そのため、MMEを減設する場合においても、UEをDetachさせる必要がない。これより、実施の形態4における通信システムを用いることによって、UEの通信を中断させることなく、MMEを減設することができる。
【0117】
また、Context情報がサーバ装置等において格納されている場合、MMEが減設された場合においても、Context情報が消滅することはない。そのため、残存するMMEは、減設されたMMEの代わりにサーバ装置等において格納されているContext情報を用いて呼処理を継続することができる。
【0118】
(実施の形態5)
続いて、
図32を用いて本発明の実施の形態5にかかるMMEがスケールアップもしくはスケールダウンした場合におけるHSS80の情報更新処理の流れについて説明する。MMEのスケールアップとは、MMEの性能を向上させることであり、MMEのスケールダウンとは、MMEの性能を低下させることである。MMEをスケールアップさせた場合、スケールアップさせたMMEにおける呼処理量を増加させることができる。このような場合、スケールアップしたMMEは、WFの値を高くして、周辺のノード装置において自装置が選択される機会を増加させる。MMEをスケールダウンさせた場合、スケールダウンしたMMEは、WFの値を低くして、周辺のノード装置において自装置が選択される機会を減少させる。
図32においては、スケールアップもしくはスケールダウンによって変更したWFをeNB70へ通知する際の処理の流れについて説明する。
【0119】
はじめに、コンテキスト共有グループAに属するMME#Nがスケールアップもしくはスケールダウンしたとする(S261)。次に、MME#Nは、eNB70へ、MME Configuration Updateメッセージを送信する(S262)。MME#Nは、MME Configuration Updateメッセージに、コンテキスト共有グループ、GUMMEI及び更新したWFの値を設定する。
【0120】
次に、eNB70は、
図18に示す管理情報のうち、MME#NのWFの値を更新する(S263)。次に、eNB70は、MME Configuration Update AcknowledgeメッセージをMME#Nへ送信する。
【0121】
また、本図においては、WFを変更したMME#NがMME Configuration UpdateメッセージをeNB70へ送信する例について説明したが、コンテキスト共有グループA内の代表MMEが、MME Configuration UpdateメッセージをeNB70へ送信してもよい。この場合、代表MMEは、コンテキスト共有グループと、コンテキスト共有グループ内全てのMMEのGUMMEI及びWFをMME Configuration Updateメッセージに設定してもよい。もしくは、代表MMEは、コンテキスト共有グループと、WFを更新したMMEのGUMMEI及び更新後のWFをMME Configuration Updateメッセージに設定してもよい。
【0122】
また、
図9に示すように、EMS装置が、eNB70へMME#Nの更新後のWFに関する情報を登録してもよい。
【0123】
続いて、MMEがスケールアップもしくはスケールダウンした場合におけるS-GW90の情報更新処理の流れについて説明する。MMEがスケールアップもしくはスケールダウンした場合、
図10~
図13における処理と同様に、GTP Echo REQUESTメッセージもしくはGTP Echo RESPONSEメッセージに更新後のWFを設定する。もしくは、
図14における処理と同様に、EMS装置が、S-GW90へスケールアップもしくはスケールダウンしたMMEの更新後のWFに関する情報を登録してもよい。
【0124】
続いて、MMEがスケールアップもしくはスケールダウンした場合におけるHSS80の情報更新処理の流れについて説明する。MMEがスケールアップもしくはスケールダウンした場合、
図15及び
図16における処理と同様に、MMEは、Update Context Shared Group REQUESTメッセージに更新後のWFを設定する。もしくは、
図17における処理と同様に、EMS装置が、HSS80へスケールアップもしくはスケールダウンしたMMEの更新後のWFに関する情報を登録してもよい。
【0125】
以上説明したように、本発明の実施の形態5にかかる通信システムを用いることによって、MMEの性能の変化に応じて、動的にMMEの負荷分散制御を行うことができる。
【0126】
また、WFの変更は、MMEに輻輳が発生した場合に行われてもよい。例えば、MMEに輻輳が発生した場合、輻輳が発生したMMEのWFを低い値に変更してもよい。このようにすることによって、周辺のノード装置は、MMEを選択する機会が減少することになり、輻輳を回避することができる。
【0127】
(実施の形態6)
続いて、
図33及び
図34を用いて、コンテキスト共有グループ内のMMEが、Context情報を共有するために、Context情報を格納する装置としてHSS80を用いる場合の構成について説明する。
【0128】
図33は、MME30が、HSS80とS6aインタフェースを介して接続していることを示している。本図においては、HSS80には、MME30が接続していることを示しているが、HSS80には、複数のMMEがS6aインタフェースを介して接続している。
【0129】
図34は、MME30が、HSS-FE(Front End)85とS6aインタフェースを介して接続し、UDR(User Data Repository)86とUdインタフェースを介して接続していることを示している。また、HSS-FE85は、UDR86とUdインタフェースを介して接続している。
【0130】
UDR86は、UEの加入者データを保持する。また、HSS-FE85は、MME30とUDR86との間に配置され、MME30とUDR86との間の通信を中継する。このように、HSS80の構成は、データの格納部であるUDR86と、MME30と通信する際のインタフェースとして動作するHSS-FE85とに分離されてもよい。
【0131】
続いて、
図35及び
図36を用いて、MMEにおいて作成したContext情報をHSS80もしくはUDR86へ格納する処理の流れについて説明する。
【0132】
はじめに、eNB70は、
図19のステップS122等と同様に、NAS:Attach REQUESTメッセージの送信先となるMMEを選択する(S271)。ここでは、eNB70は、MME30を選択したとする。次に、eNB70は、選択したMME30へ、NAS:Attach REQUESTメッセージを送信する(S272)。
【0133】
次に、MME30は、NAS:Attach REQUESTメッセージを送信したUEに関するContext情報を生成する(S273)。例えば、MME30は、HSS80にNAS:Attach REQUESTメッセージを送信したUEに関するContext情報が格納されていない場合等にContext情報を生成する。
【0134】
次に、MME30は、生成したContext情報をHSS80もしくはUDR86(以下、HSS80等とする)へ格納するために、Context Put REQUESTメッセージを送信する(S275)。次に、HSS80等は、Context Put REQUESTメッセージに設定されているContext情報を自装置のメモリ等へ格納する(S275)。次に、HSS80等は、Context Put ANSWERメッセージをMME30へ送信する。ここで、HSS80等は、コンテキスト共有グループ内の任意のMMEを選択する処理を実行せず、Context Put REQUESTメッセージを送信してきたMMEへ、Context Put ANSWERメッセージを送信する。
【0135】
次に、MME30は、UEを認証するために必要な認証ベクトル(AV)を取得するために、HSS80等へ、Authentication Information REQUESTメッセージを送信する(S277)。次に、HSS80等は、指定されたUEの認証ベクトルを設定したAuthentication Information AnswerメッセージをMME30へ送信する(S278)。
【0136】
次に、MME30は、HSS80等から送信された認証ベクトルをHSS80等へ送信するためにContext Put REQUESTメッセージをHSS80等へ送信する。HSS80等は、ステップS275において格納したContext情報にUEの認証ベクトルを反映してContext情報を更新する(S280)。次に、HSS80は、Context Put ANSWERメッセージをMME30へ送信する(S281)。
【0137】
次に、MME30は、UEの認証を実施するためにeNB70を介してUEへAuthentication REQUESTメッセージを送信する(S282)。次に、eNB70は、Authentication RESPONSEメッセージを送信するために、ステップS271と同様に送信先のMMEを選択する(S283)。ここでは、eNB70は、コンテキスト共有グループAに属するMME#Nを選択したとする。
【0138】
次に、eNB70は、選択したMME#NへAuthentication RESPONSEメッセージを送信する(S284)。
【0139】
図36へすすみ、次に、MME#Nは、UEに関するContext情報を取得するために、HSS80等へContext Get REQUESTメッセージを送信する(S285)。次に、HSS80等は、指定されたUEのContext情報を設定したContext Get ANSWERメッセージをMME#Nへ送信する(S286)。
【0140】
次に、MME#Nは、UEに関する認証処理を実行する(S287)。次に、MME#Nは、認証処理を反映したContext情報をHSS80等へ格納するために、HSS80へContext情報を設定したContext Put REQUESTメッセージを送信する(S288)。次に、HSS80等は、Context Put REQUESTメッセージに設定されたContext情報を用いて、現在のContext情報を更新する(S289)。次に、HSS80等は、MME#Nへ、Context Put ANSWERメッセージを送信する(S290)。
【0141】
ここで、
図35のステップS277~S281は、UEを認証する際に必要となる認証ベクトルをHSSから取得し、さらに、認証ベクトルをHSS80に格納されているContextに保存する動作となる。そのため、HSS80等が、格納されているContex情報に認証ベクトルを保存する動作を実行する場合、ステップS277~S281を省略することができる。
【0142】
以上説明したように、本発明の実施の形態6にかかる通信システムを用いることによって、HSSは、MMEにおいて生成されたContext情報を保存することができる。これによって、コンテキスト共有グループに属する複数のMMEは、Context情報をHSSから取得することによって、他のMMEにおいて生成されたContext情報を利用することができる。
【0143】
(実施の形態7)
続いて、
図37を用いて本発明の実施の形態7にかかる通信システムの構成例について説明する。
図37の通信システムは、
図2の通信システムと、コンテキスト共有グループに属するMMEが異なる。本図においては、主に
図2の通信システムと異なる点について説明する。
【0144】
本図の通信システムは、MME30及びMME40がコンテキスト共有グループCに属している。また、MME40、MME50及びMME60がコンテキスト共有グループDに属している。つまり、MME40は、コンテキスト共有グループC及びコンテキスト共有グループDに属している。このように、MMEは、複数のコンテキスト共有グループに属してもよい。
【0145】
図37のようなコンテキスト共有グループの構成において、
図19の呼処理を実行すると、eNB70は、NAS:Attach REQUESTメッセージに設定されているGUTIから特定したGUMMEIがMME40を示す場合、MME40が、どのコンテキスト共有グループに属するか特定することができない。
【0146】
そのため、このような場合、GUMMEIに、コンテキスト共有グループを特定することができる情報を設定しておいてもよい。例えば、GUMMEIのMMEC領域を、MMEC+コンテキスト共有グループIDに細分化してもよい。もしくは、eNB70が、MME40へNAS:Attach REQUESTメッセージを送信した後に、MMEから送信されるメッセージにおいてコンテキスト共有グループが指定されてもよい。
【0147】
以上説明したように、本発明の実施の形態7に係る通信システムのように、MMEが複数のコンテキスト共有グループに属することができるようにすることによって、複数のコンテキスト共有グループに属するMMEを、それぞれのコンテキスト共有グループにおける代替装置として使用することもできる。
【0148】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0149】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0150】
この出願は、2015年3月12日に出願された日本出願特願2015-049573を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0151】
10 通信制御装置
11 通信制御装置
12 通信制御装置
20 ノード装置
30 MME
31 Diameter通信部
32 S1AP通信部
33 GTP-C通信部
34 Context共有部
35 Context記憶部
36 MME呼処理部
40 MME
50 MME
60 MME
70 eNB
71 S1AP通信部
72 S1AP呼処理部
73 RRC処理部
74 無線処理部
75 GTP-U通信部
76 GTP-U処理部
77 Context記憶部
80 HSS
81 Diameter通信部
82 加入者情報処理部
83 加入者情報記憶部
85 HSS-FE
86 UDR
90 S-GW
91 GTP-C通信部
92 GTP-U通信部
93 GTP-C処理部
94 Context記憶部
95 GTP-U処理部
100 P-GW
110 UE