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特許7481017流路形成ブロック及び流路形成ブロックを備えた流体制御装置
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  • 特許-流路形成ブロック及び流路形成ブロックを備えた流体制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】流路形成ブロック及び流路形成ブロックを備えた流体制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/02 20060101AFI20240501BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
F16L41/02
F16K27/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021515823
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006247
(87)【国際公開番号】W WO2020217665
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】P 2019086395
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一誠
(72)【発明者】
【氏名】相川 献治
(72)【発明者】
【氏名】執行 耕平
(72)【発明者】
【氏名】中田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】松田 隆博
(72)【発明者】
【氏名】篠原 努
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-097268(JP,U)
【文献】特開平06-066777(JP,A)
【文献】特開2015-178893(JP,A)
【文献】特開2005-069305(JP,A)
【文献】国際公開第2004/036099(WO,A1)
【文献】特開2008-208900(JP,A)
【文献】実開昭57-102767(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/02
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ブロックと、
前記第1ブロックに取り付けられ第1流路及び第2流路を有する第2ブロックと、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に設けられ、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間をシールするガスケットと、を備え、
前記第2ブロックは、前記ガスケットに対向する面に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを常時連通する連通部を有し、
前記ガスケットは、前記連通部に対向する位置に形成された凹部を有し、
前記第1流路と前記第2流路は、前記ガスケットによって遮断されることがない流路形成ブロック。
【請求項2】
請求項1に記載の流路形成ブロックであって、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記凹部に向かって互いに近づくように形成され、
前記凹部は、前記第1流路から前記第2流路へ流れる流体を折り返すように導く曲面部を有する流路形成ブロック。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流路形成ブロックと、
前記第2ブロックに取り付けられる第1バルブ装置及び第2バルブ装置と、を備え、
前記第2ブロックは、
前記第1バルブ装置によって前記第1流路と連通または遮断される第3流路と、
前記第2バルブ装置によって前記第2流路と連通または遮断される第4流路と、をさらに有する流体制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の流体制御装置であって、
前記第1流路は、前記第1バルブ装置の出口流路であり、
前記第2流路は、前記第2バルブ装置の入口流路であり、
前記第3流路は、前記第1バルブ装置の入口流路であり、
前記第4流路は、前記第2バルブ装置の出口流路である流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路形成ブロック及び流路形成ブロックを備えた流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
JP2014-152874Aには、流体制御機器どうしを下部ボディに形成されたV字流路により連通するように構成されたプロセスガス分流供給装置が開示されている。
【発明の概要】
【0003】
JP2014-152874Aのような流体制御装置(プロセスガス分流供給装置)では、流体制御装置や流路形成ブロック(下部ボディ)を小型化するために、V字流路における2つの流路の間隔を狭くしようとすると、これら2つの流路がなす角度が小さくなる。このように流路の間の角度が小さくなると、流路が折り返す部分の有効断面積が小さくなって、圧力損失が大きくなり、流体が流れにくくなってしまう。
【0004】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、流路形成ブロックや流体制御装置を小型化しても流路の有効断面積を確保できる流路形成ブロックを提供することを目的とする。
【0005】
本発明のある態様によれば、本発明のある態様に係る流路形成ブロックは、第1ブロックと、第1ブロックに取り付けられ第1流路及び第2流路を有する第2ブロックと、第1ブロックと第2ブロックとの間に設けられ、第1ブロックと第2ブロックとの間をシールするガスケットと、を備え、第2ブロックは、ガスケットに対向する面に形成され、第1流路と第2流路とを常時連通する連通部を有し、ガスケットは、連通部に対向する位置に形成された凹部を有し、第1流路と第2流路は、ガスケットによって遮断されることがない
【0006】
この態様によれば、第1流路と第2流路とは、連通部に加えて凹部によっても連通することができる。これにより、第1流路と第2流路とがなす角が小さくなっても、第1流路と第2流路が接続する部分での流路の有効断面積を確保できる。これにより、流路形成ブロックや流体制御装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る流体制御装置の分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る第1ブロックの斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る流体制御装置の上面図である。
図4】本発明の実施形態に係る流体制御装置の側面図である。
図5図3のV-V線に沿う断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る流体形成ブロックの主要部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0009】
本実施形態の流体制御装置100は、半導体製造装置(CVD装置、スパッタリング装置、エッチング装置など)におけるプロセスガス及びパージガスの供給手段に用いられる。
【0010】
図1図3及び図4に示すように、流体制御装置100は、流路形成ブロック1と、流路形成ブロック1に取り付けられる複数のバルブ装置2,3,4,5,6と、を備える。バルブ装置2,3,4,5,6は、操作圧の供給により作動するエアオペレートバルブである。なお、バルブ装置2,3,4,5,6は、ノーマルクローズタイプであってもノーマルオープンタイプであってもよい。また、バルブ装置2,3,4,5,6は、弁体として金属ダイヤフラムを有している。
【0011】
流路形成ブロック1は、第1ブロックとしてのブロック10と、ブロック10に取り付けられるブロック20と、ブロック10に取り付けられる第2ブロックとしてのブロック30と、ブロック10に取り付けられる第2ブロックとしてのブロック40と、ブロック10とブロック20,30,40の間に設けられ、ブロック10とブロック20,30,40の間をシールする複数のガスケット50,51と、を備える。ブロック20,30,40は、ボルト60によってブロック10に取り付けられる。なお、ブロック30とブロック40とは同一の構成であるため、以下では、ブロック30のみについて具体的に説明し、ブロック40については説明を省略する。
【0012】
ブロック10は、ステンレス鋼(例えば、SUS316L)によって形成される。ブロック10は、ブロック20,30,40が取り付けられる第1取付面11と、第1取付面11と反対側に位置する第2取付面12と、ブロック10の長手方向にブロック10を貫通するように形成される流路13(図2参照)と、第1取付面11に形成され、ガスケット50,51を収容する収容凹部11a~11lと、第2取付面12に形成され、ガスケット(図示せず)を収容する収容凹部12a~12c(図2参照)と、を備える。
【0013】
収容凹部11a~11lは、第1取付面11から円筒状に窪むように形成される。収容凹部11a~11lの底面には、円環状に形成された環状突起14がそれぞれ設けられる。収容凹部11a~11lは、同一形状に形成される。これにより、収容凹部11a~11lの加工の作業効率を高めることができる。
【0014】
図2に示すように、ブロック10は、収容凹部11aの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13aと、収容凹部11bの環状突起14の内周側に開口し収容凹部12aと連通する流路13bと、収容凹部11cの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13cと、収容凹部11dの環状突起14の内周側に開口し収容凹部12bと連通する流路13dと、収容凹部11fの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13fと、収容凹部11gの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13gと、収容凹部11hの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13hと、収容凹部11iの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13iと、収容凹部11kの環状突起14の内周側に開口し収容凹部12cと連通する流路13kと、収容凹部11lの環状突起14の内周側に開口し流路13と連通する流路13lと、をさらに備える。なお、流路13a,13g,13h,13lは、第1取付面11に取り付けられる流体機器(図示せず)等と連通する。また、流路13b,13d,13kは、第2取付面12に取り付けられる他の流路形成ブロック(図示せず)等と連通する。
【0015】
ブロック20は、ステンレス鋼(例えば、SUS316L)によって形成される。図5に示すように、ブロック20は、ブロック10に取り付けられる第3取付面21と、第3取付面21と反対側に位置しバルブ装置2が取り付けられる第4取付面22と、第3取付面21に形成され、ガスケット50を収容する収容凹部21a,21bと、第4取付面22に形成され、バルブ装置2を部分的に収容するバルブ収容部22aと、を備える。
【0016】
収容凹部21a,21bは、第3取付面21から円筒状に窪むように形成される。収容凹部21a,21bの底面には、環状突起14がそれぞれ設けられる。なお、収容凹部21a,21bは、収容凹部11a~11lと、同一形状に形成される。これにより、収容凹部21a,21bの加工の作業効率を高めることができる。
【0017】
バルブ収容部22aの底面には、バルブ装置2の弁体としてのダイヤフラム2aが離着座する円環状の弁座23が設けられる。バルブ収容部22aには、バルブ装置2の外周部に形成された雄ねじと螺合する雌ねじが形成される。バルブ装置2は、外周部に形成された雄ねじをバルブ収容部22aに形成された雌ねじに螺合させることでブロック20に固定される。
【0018】
ブロック20は、バルブ収容部22aにおける弁座23の内周側に開口し収容凹部21aと連通する流路24aと、バルブ収容部22bにおける弁座23の外周側に開口し収容凹部21bと連通する流路24bと、をさらに備える。流路24aは、ガスケット50に形成された貫通孔50aを通じて流路13bと連通する。流路24bは、ガスケット50に形成された貫通孔50aを通じて流路13cと連通する。
【0019】
ブロック30は、ステンレス鋼(例えば、SUS316L)によって形成される。図5に示すように、ブロック30は、ブロック10に取り付けられる第5取付面31と、第5取付面31と反対側に位置しバルブ装置3,4が取り付けられる第6取付面32と、第5取付面31に形成され、ガスケット50,51を収容する収容凹部31a~31cと、第6取付面32に形成され、バルブ装置3,4を部分的に収容するバルブ収容部32a,32bと、を備える。
【0020】
収容凹部31a~31cは、第5取付面31から円筒状に窪むように形成される。収容凹部31a~31cの底面には、環状突起14がそれぞれ設けられる。なお、収容凹部31a~31cは、収容凹部11a~11lと、同一形状に形成される。これにより、収容凹部31a~31cの加工の作業効率を高めることができる。
【0021】
図5及び図6に示すように、バルブ収容部32a,32bの底面には、バルブ装置3,4の弁体としてのダイヤフラム3a,4aが離着座する円環状の弁座33がそれぞれ設けられる。バルブ収容部32a,32bには、バルブ装置3,4の外周部に形成された雄ねじと螺合する雌ねじが形成される。バルブ装置3,4は、それぞれの外周部に形成された雄ねじをバルブ収容部32a,32bに形成された雌ねじに螺合させることでブロック30に固定される。
【0022】
ブロック30は、バルブ収容部32aにおける弁座33の外周側に開口し収容凹部31bと連通する流路34aと、バルブ収容部32bにおける弁座33の外周側に開口し収容凹部21bと連通する流路34bと、バルブ収容部32aにおける弁座33の内周側に開口し収容凹部31aと連通する流路34cと、バルブ収容部32bにおける弁座33の内周側に開口し収容凹部31cと連通する流路34dと、流路34aと流路34bとを連通する連通部36と、をさらに備える。
【0023】
流路34a及び流路34bは、連通部36に向かって互いに近づくように、つまり、略V字形になるように設けられる。
【0024】
流路34cは、ガスケット50に形成された貫通孔50aを通じて流路13dと連通する。流路34dは、ガスケット50に形成された貫通孔50aを通じて流路13fと連通する。
【0025】
図6に示すように、連通部36は、収容凹部31bのガスケット51に対向する底面35に形成される。具体的には、連通部36は、収容凹部31bにおける環状突起14の内周側に開口するように形成される。連通部36は、例えば、円錐形状になるように形成される。連通部36の形状は、これに限らず例えば、半球形状であってもよい。
【0026】
次に、ガスケット50及びガスケット51について説明する。ガスケット50,51は、円板状の金属ガスケットであり、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS316L)によって形成される。ガスケット50及びガスケット51は、同じ直径及び厚さを有するように形成される。ガスケット50,51は、収容凹部11b~11f,11i~11kと、収容凹部21a,21b,31a~31cとによって形成された空間内に設けられる。収容凹部11b~11f,11i~11kに形成された環状突起14と、収容凹部21a,21b,31a~31cに形成された環状突起14と、が食い込むことで、ガスケット50,51は、ブロック10、及びブロック20,30,40の間に挟持されるとともに、ブロック10とブロック20,30,40の間からガスが漏れることを防止する。
【0027】
ガスケット50は、中央に両表面を貫通する貫通孔50aを備える。ガスケット50は、ブロック10とブロック20,30,40との間をシールしつつ、貫通孔50aによってブロック10に形成された流路とブロック20,30,40に形成された流路との連通を確保する。
【0028】
ガスケット51は、貫通孔を有さないブラインドタイプのガスケットである。ガスケット51は、連通部36の開口を閉塞するとともに、連通部36に対向する位置に形成された凹部51aを備える。凹部51aは、連通部36の開口部と略同じ半径を有する半球形状に形成される。凹部51aを形成する曲面部51b(図6参照)は、流路34aから流路34bへ流れる流体を折り返して導くように形成される。
【0029】
次に、流体制御装置100の作用について説明する。流体制御装置100は、プロセスガス及びパージガスの流れを制御する。なお、以下では、流体制御装置100の使用方法の一例を示すが、この使用方法に限定されるものではない。
【0030】
第1及び第2のプロセスガスは、例えば、ウェハーに薄膜を形成する際に用いられるガスであり、流体制御装置100を通じてチャンバ(図示せず)内に供給される。第1のプロセスガスは、第2取付面12の収容凹部12bに対向する位置に取り付けられた他の流路形成ブロック(図示せず)から供給される。収容凹部12bから供給された第1のプロセスガスは、流路13d、貫通孔50a、流路34cを通じて、バルブ装置3に導かれる(図5及び図6参照)。バルブ装置3のダイヤフラム3aが弁座33から離間すると、第1プロセスガスは、流路34a、連通部36、凹部51a、流路34bを通じてバルブ装置4に導かれる。さらに、バルブ装置4のダイヤフラム4aが弁座33から離間すると、第1プロセスガスは、流路34d、貫通孔50a、流路13fを通じて流路13に導かれる。流路13に導かれた第1のプロセスガスは、流路13a,13g,13h,13lを通じて、他の流体機器等に導かれ、チャンバ(図示せず)内に供給される。
【0031】
このように、流体制御装置100では、バルブ装置3及びバルブ装置4が、流路34a~34dによって形成される流路において直列に設けられることになる。このため、仮に、バルブ装置3及びバルブ装置4の一方が故障した場合に、流路34a~34dを通じて流れる第1のプロセスガスの流れを確実に遮断することができる。
【0032】
第2のプロセスガスは、第1のプロセスガスと同様に、第2取付面12の収容凹部12cに対向する位置に取り付けられた他の流路形成ブロック(図示せず)から供給され、バルブ装置5,6、及び流路13iを通じて流路13に導かれる(図1及び図2参照)。ブロック30とブロック40とは同一の構成であるため詳しくは説明しないが、バルブ装置5及びバルブ装置6も流路に対して直列に設けられることになる。このため、仮に、バルブ装置5及びバルブ装置6の一方が故障した場合に、第2のプロセスガスの流れを確実に遮断することができる。また、ブロック40とブロック10との間に設けられたガスケット51も、上述した効果を奏する。
【0033】
パージガスは、不活性ガス(例えば、窒素)である。パージガスは、例えば、第1のプロセスガスと第2のプロセスガスとの供給を切り換えるときに、流体制御装置100内をパージするために流体制御装置100内に供給される。パージガスは、第2取付面12の収容凹部12aに対向する位置に取り付けられた他の流路形成ブロック(図示せず)から供給される。収容凹部12aから供給されたパージガスは、流路13b、貫通孔50a、流路24aを通じて、バルブ装置2に導かれる。バルブ装置2のダイヤフラム2aが弁座23から離間すると、パージガスは、流路24b、貫通孔50a、流路13cを通じて流路13に導かれる。このようにして流路13に導かれたパージガスは、流路13内をパージする。
【0034】
例えば、流体制御装置100を小型化するために、バルブ装置3とバルブ装置4との距離を近づけると、流路34aと流路34bとの間の距離が近づき、流路34aと流路34bとのなす角がより小さくなる。このように、流路34aと流路34bとのなす角が小さくなると、流路34aから流路34bへ流れるときの圧力損失(流路抵抗)が大きくなってしまう。しかしながら、流体制御装置100は、ガスケット51に形成された凹部51aを備えているので、連通部36だけでなく凹部51aによっても流路34aと流路34bとを連通させることができる。これにより、流路34aと流路34bとの接続部分での必要な有効断面積を確保できる。よって、流体の流れを妨げることなく、流体制御装置100を小型化できる。
【0035】
特に、流路34aと流路34bがなす角度が45度以下である場合には、連通部36だけでは必要な有効断面積を確保することが難しくなる。このため、凹部51aを設けることにより、流路34aと流路34bとの接続部分での必要な有効断面積を確保できるので、有用である。
【0036】
さらに、流体制御装置100では、凹部51aが、流路34aから流路34bへ流れる流体を折り返すように導く曲面部51bを備えているので、流路34aから流路34bへ流体をスムーズに導くことができる。
【0037】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0038】
流路形成ブロック1は、第1ブロック(ブロック10)と、第1ブロック(ブロック10)に取り付けられ第1流路(流路34a)及び第2流路(流路34b)を有する第2ブロック(ブロック30,40)と、第1ブロック(ブロック10)と第2ブロック(ブロック30,40)との間に設けられ、第1ブロック(ブロック10)と第2ブロック(ブロック30,40)との間をシールするガスケット51と、を備え、第2ブロック(ブロック30,40)は、ガスケット51に対向する底面35に形成され、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)とを連通する連通部36を有し、ガスケット51は、連通部36に対向する位置に形成された凹部51aを有する。
【0039】
この構成では、連通部36に対向する位置に凹部51aが形成されているので、連通部36に加えて凹部51aによっても、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)とを連通させることができる。これにより、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)との接続部分における流路の有効断面積を確保できる。よって、流体の流れを妨げることなく、流路形成ブロック1を小型化することができる。
【0040】
また、流路形成ブロック1では、第1流路(流路34a)及び第2流路(流路34b)は、凹部51aに向かって互いに近づくように形成され、凹部51aは、第1流路(流路34a)から第2流路(流路34b)へ流れる流体を折り返すように導く曲面部51bを有する。
【0041】
この構成では、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)とのなす角がより小さくなっても、凹部51aが、第1流路(流路34a)から第2流路(流路34b)へ流れる流体を折り返すように導く曲面部51bを有することにより、第1流路(流路34a)から第2流路(流路34b)へ流れる流体を曲面部51bによってスムーズに導くことができる。これにより、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)との接続部分における圧力損失をより一層低減させることができる。
【0042】
流体制御装置100は、流路形成ブロック1と、第2ブロック(ブロック30,40)に取り付けられる第1バルブ装置(バルブ装置3,6)及び第2バルブ装置(バルブ装置4,5)と、を備え、第2ブロック(ブロック30,40)は、第1バルブ装置(バルブ装置3,6)によって第1流路(流路34a)と連通または遮断される第3流路(流路34c)と、第2バルブ装置(バルブ装置4,5)によって第2流路(流路34b)と連通または遮断される第4流路(流路34d)と、をさらに有する。
【0043】
流体制御装置100を小型化しようとする際に、第1バルブ装置(バルブ装置3,6)と第2バルブ装置(バルブ装置4,5)との距離を近づけると、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)との間の距離も近づき、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)とのなす角がより小さくなる。このように、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)とのなす角が小さくなると、第1流路(流路34a)から第2流路(流路34b)へ流れるときの圧力損失(流路抵抗)が大きくなってしまう。しかしながら、流体制御装置100では、凹部51aを備えているので、第1流路(流路34a)と第2流路(流路34b)とを接続するための流路の有効断面積を確保できる。よって、流体の流れを妨げることなく、流体制御装置100を小型化することができる。
【0044】
流体制御装置100では、第1流路(流路34a)は、第1バルブ装置(バルブ装置3,6)の出口流路であり、第2流路(流路34b)は、第2バルブ装置(バルブ装置4,5)の入口流路であり、第3流路(流路34c)は、第1バルブ装置(バルブ装置3,6)の入口流路であり、第4流路(流路34d)は、第2バルブ装置(バルブ装置4,5)の出口流路である。
【0045】
この構成では、第1バルブ装置(バルブ装置3,6)及び第2バルブ装置(バルブ装置4,5)が、流路34a~34dに直列に設けられることになるので、第1バルブ装置(バルブ装置3,6)及び第2バルブ装置(バルブ装置4,5)の一方が故障しても、流路34a~34dを通じて流れる流体の流れを確実に遮断することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0047】
バルブ装置2,3,4,5,6は、例えば、駆動部を手動操作により作動させるバルブ装置であってもよい。また、ソレノイドによって駆動するバルブ装置であってもよい。また、弁体として金属ダイヤフラムを有するバルブ装置を例に説明したが弁体は、どのようなものであってもよく、例えば、金属ベローズを備えたリフト弁などであってもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、流路34bを入口流路とし、流路34dを出口流路とした場合を例に説明したが、流路34dを入口流路とし、流路34bを出口流路としてもよい。
【0049】
上記実施形態では、ブロック30に、バルブ装置3,4が取り付けられる場合を例に説明したが、これに限らず、圧力センサや三方弁など他の流体機器を取り付ける装置に適用してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、流路34aと流路34bは、凹部51aに向かって互いに近づくように形成されている場合を例に説明したが、これに限らず、流路34aと流路34bとが平行に延びるものであってもよい。
【0051】
本願は、2019年4月26日に日本国特許庁に出願された特願2019-086395号に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
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図6