(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】危険廃棄物材料貯蔵所のための地中水の試験
(51)【国際特許分類】
G21C 17/00 20060101AFI20240501BHJP
E21B 49/08 20060101ALI20240501BHJP
G21F 9/00 20060101ALI20240501BHJP
G21F 9/34 20060101ALI20240501BHJP
G21C 19/06 20060101ALI20240501BHJP
G21C 19/32 20060101ALI20240501BHJP
G21F 5/008 20060101ALI20240501BHJP
G21F 9/36 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G21C17/00 500
E21B49/08
G21F9/00 Z
G21F9/34 C
G21C19/06 200
G21C19/32 060
G21F5/008
G21F9/36 531Z
(21)【出願番号】P 2021524184
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 US2019059883
(87)【国際公開番号】W WO2020097089
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518222642
【氏名又は名称】ディープ アイソレーション, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, リチャード エー.
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/112479(WO,A1)
【文献】特表平11-500506(JP,A)
【文献】特開平06-294270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0088895(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0186505(US,A1)
【文献】長谷川、外7名,沿岸域における地下水の流動性の年代測定による評価,地学雑誌,日本,東京地学協会,2012年12月05日,122,116-138,インターネット,<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/122/1/122_2012ap01/_pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 17/00
E21B 49/08
G21F 9/00-9/36
G21C 19/00-19/52
G21F 5/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、前記方法は、
地表から地中層まで形成された試験ドリル孔から、前記地中層からの地中水サンプルを収集することと、
加速器質量分析法(AMS)システムを用いて、前記地中水サンプルにおける元素の放射性同位体の濃度を前記地中水サンプルにおける前記元素の安定同位体に対して決定することと、
前記地中水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の前記決定された濃度と、地表水サンプルにおける前記元素の前記安定同位体に対する前記地表水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の濃度とを比較することと、
前記地中水サンプルにおける前記放射性同位体の前記決定された濃度が前記地表水サンプルにおける前記放射性同位体の前記濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、前記地中層が危険廃棄物格納貯蔵所のために好適であることを決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記放射性同位体は、炭素-14(14C)であり、前記安定同位体は、12Cまたは13Cである;
前記放射性同位体は、塩素-36(36Cl)であり、前記安定同位体は、35Clである;
前記放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)であり、前記安定同位体は、127Iである;
前記放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)であり、前記安定同位体は、9Beである;または、
前記放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)であり、前記安定同位体は、27Alである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記規定されたパーセンテージは、50パーセントより小さい、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記地表水サンプルを地表水源から収集することをさらに含む、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記地表水源は、地球の大気と接触している地表における水源または帯水層のうちの少なくとも1つを備えている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記地表水サンプルは、飲用水を備えている、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記地中水サンプルを前記地中層から収集することは、
坑内ツールを前記試験ドリル孔内で動作させ、コアサンプルを前記地中層から収集することと、
前記コアサンプルを前記地表まで回収することと、
水をコアサンプルから除去することと
を含み、
前記除去された水は、前記地中水サンプルを備えている、請求項1-6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記地表水サンプルを前記地表水源から収集することは、前記地中水サンプルを前記地中層から収集することに時間的に先立って実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記地中層は、頁岩層を備えている、請求項1-8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記地中層は、0.01ミリダルシーより小さい浸透性を備えている、請求項1-9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記試験ドリル孔を前記地表から前記地中層まで形成することをさらに含む、請求項1-10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記試験ドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、請求項1-11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記地中層は、10MPaより小さい脆さを備え、前記脆さは、前記地中層の引張強度に対する前記地中層の圧縮応力の比率を備えている、請求項1-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記地中層は、粘土または有機物の体積比20~40%重量を備えている、請求項1-13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記地中層は、不浸透性層を備えている、請求項1-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記地中層は、10,000年以上の危険廃棄物材料の漏れに関する時間定数によって定義された漏れ障壁を備えている、請求項1-15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記地中層は、炭化水素または二酸化炭素含有層を備えている、請求項1-16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記危険廃棄物格納貯蔵所の作成を前記地中層内または前記地中層の下で始めることをさらに含む、請求項1-17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記危険廃棄物格納貯蔵所の作成を前記地中層内または前記地中層の下で始めることは、
アクセスドリル孔を前記地表から前記地中層に向かって形成することと、
前記アクセスドリル孔に結合された格納ドリル孔を前記地中層内または前記地中層の下に形成することと
を含み、
前記格納ドリル孔は、危険廃棄物格納エリアを備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アクセスドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アクセスドリル孔は、試験ドリル孔である、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記格納ドリル孔は、湾曲部分と、水平部分とを備えている、請求項19-21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記地中層は、少なくとも200フィートの前記危険廃棄物格納エリアに近接した厚さを備えている、請求項19-22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記地中層は、前記危険廃棄物格納エリアに近接した厚さを備え、前記厚さは、危険廃棄物材料の半減期に基づく時間量にわたって、前記地中層を通した前記危険廃棄物材料の拡散を阻止する、請求項19-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記地表または前記地表の近くから、前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリアの中に延びているケーシングを前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔内に据え付けることをさらに含む、請求項19-24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ケーシングを前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔にセメントで固定することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記アクセスドリル孔を形成することに続いて、前記地中層から、前記アクセスドリル孔を通して、前記地表に、炭化水素流体を生産することをさらに含む、請求項19-26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
危険廃棄物材料を前記危険廃棄物格納エリア内に格納することをさらに含む、請求項19-27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
危険廃棄物材料を前記危険廃棄物格納エリア内に格納することは、
前記地表に延びている前記アクセスドリル孔の入口を通して格納キャニスタを移動させることであって、前記入口は、少なくとも前記地表に近接しており、前記格納キャニスタは、前記危険廃棄物材料を包囲するようにサイズを決定された内側空洞を備えている、ことと、
前記アクセスドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の中に前記格納キャニスタを移動させることと、
前記格納ドリル孔を通して、前記危険廃棄物格納エリアに前記格納キャニスタを移動させることと
を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記アクセスドリル孔または前記格納ドリル孔のうちの少なくとも1つの中にシールを形成することをさらに含み、前記シールは、前記危険廃棄物格納エリアを前記アクセスドリル孔の前記入口から隔離する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記危険廃棄物材料は、使用済み核燃料を備えている、請求項28-30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記格納キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の格納キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を備えている、請求項29-
30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することをさらに含む、請求項29-32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することをさらに含み、
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することは、
前記シールを除去することと、
前記格納キャニスタを前記危険廃棄物格納エリアから前記地表まで回収することと
を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することは、
前記格納キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を前記危険廃棄物格納エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、
前記監視される変数を前記地表において記録することと
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震活動のうちの少なくとも1つを備えている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することをさらに含み、前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することは、
前記格納キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を前記危険廃棄物格納エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、
前記監視される変数を前記地表において記録することと
を含み、前記監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震活動のうちの少なくとも1つを備え、
前記監視される変数が閾値を超えることに基づいて、
前記シールを除去することと、
前記格納キャニスタを前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリアから前記地表まで回収することと
をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
地中水試験システムであって、前記システムは、
地表から地中層まで形成された試験ドリル孔であって、前記地中層は、地中水サンプルを備えている、試験ドリル孔と、
加速器質量分析法(AMS)システムであって、前記AMSシステムは、
前記地中水サンプルにおける元素の放射性同位体の濃度を前記地中水サンプルにおける前記元素の安定同位体に対して決定することと、
前記地中水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の前記決定された濃度と、地表水サンプルにおける前記元素の前記安定同位体に対する前記地表水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の濃度とを比較することと
を含む動作を実施するように構成されている、AMSシステムと、
前記地中水サンプルにおける前記放射性同位体の前記決定された濃度が前記地表水サンプルにおける前記放射性同位体の前記濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、前記地表から前記地中層に向かって形成されたアクセスドリル孔と、
前記アクセスドリル孔内に形成された危険廃棄物格納貯蔵所であって、前記危険廃棄物格納貯蔵場所は、前記地中水サンプルにおける前記放射性同位体の前記決定された濃度が前記地表水サンプルにおける前記放射性同位体の前記濃度の前記規定されたパーセンテージであることに基づいて、危険廃棄物貯蔵所のために好適であると決定されている、危険廃棄物格納貯蔵所と
を備えている、システム。
【請求項39】
前記放射性同位体は、炭素-14(14C)であり、前記安定同位体は、12Cまたは13Cである;
前記放射性同位体は、塩素-36(36Cl)であり、前記安定同位体は、35Clである;
前記放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)であり、前記安定同位体は、127Iである;
前記放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)であり、前記安定同位体は、9Beである;または、
前記放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)であり、前記安定同位体は、27Alである、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記規定されたパーセンテージは、50パーセントより小さい、請求項38または39のいずれかに記載のシステム。
【請求項41】
前記地表水サンプルは、地表水源から収集される、請求項38-40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
前記地表水源は、地球の大気と接触している地表における水源または帯水層のうちの少なくとも1つを備えている、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記地表水サンプルは、飲用水を備えている、請求項38-41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
坑内ツールをさらに備え、前記坑内ツールは、前記地中水サンプルの収集のために、前記試験ドリル孔の中に入り、コアサンプルを前記地中層から収集し、前記コアサンプルを地表まで回収するように構成されている、請求項38-43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記地表水サンプルは、前記地中層からの前記地中水サンプルの収集に時間的に先立って、前記地表水源から収集される、請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
前記地中層は、頁岩層を備えている、請求項38-45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記地中層は、0.01ミリダルシーより小さい浸透性を備えている、請求項38-46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
前記試験ドリル孔は、前記地表から前記地中層まで形成されている、請求項38-47のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項49】
前記試験ドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、請求項38-48のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項50】
前記地中層は、10MPaより小さい脆さを備え、前記脆さは、前記地中層の引張強度に対する前記地中層の圧縮応力の比率を備えている、請求項38-49のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項51】
前記地中層は、粘土または有機物の体積比20~40%重量を備えている、請求項38-50のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項52】
前記地中層は、不浸透性層を備えている、請求項38-51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項53】
前記地中層は、10,000年以上の危険廃棄物材料の漏れに関する時間定数によって定義された漏れ障壁を備えている、請求項38-52のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項54】
前記地中層は、炭化水素または二酸化炭素含有層を備えている、請求項38-53のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項55】
前記危険廃棄物格納貯蔵所は、前記地中層内または前記地中層の下の前記アクセスドリル孔内に形成されている、請求項38-54のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項56】
前記アクセスドリル孔は、前記地中層内または前記地中層の下に形成された格納ドリル孔に結合され、前記格納ドリル孔は、前記危険廃棄物格納貯蔵所の危険廃棄物格納エリアを備えている、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記アクセスドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記試験ドリル孔は、前記アクセスドリル孔の一部を備えている、請求項56または57のいずれかに記載のシステム。
【請求項59】
前記格納ドリル孔は、湾曲部分と、水平部分とを備えている、請求項56-58のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項60】
前記地中層は、少なくとも200フィートの前記危険廃棄物格納エリアに近接した厚さを備えている、請求項56-59のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項61】
前記地中層は、前記危険廃棄物格納エリアに近接した厚さを備え、前記厚さは、危険廃棄物材料の半減期に基づく時間量にわたって、前記地中層を通した前記危険廃棄物材料の拡散を阻止する、請求項56-60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記地表または前記地表の近くから、前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物格納エリアの中に延びている前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔内に据え付けられたケーシングをさらに備えている、請求項56-61のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項63】
前記ケーシングを前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔内に固定するために据え付けられたセメントをさらに備えている、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記危険廃棄物格納エリア内に位置付けられた危険廃棄物材料をさらに備えている、請求項56-63のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項65】
前記危険廃棄物材料は、前記危険廃棄物材料を包囲するようにサイズを決定された内側空洞を備えている格納キャニスタで包囲され、前記格納キャニスタは、前記地表に近接し、前記地表に延びている前記アクセスドリル孔の入口を通して、前記アクセスドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の中および前記危険廃棄物格納エリアの中に移動可能である、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記アクセスドリル孔または前記格納ドリル孔のうちの少なくとも1つ内に形成されたシールをさらに備え、前記シールは、前記危険廃棄物格納エリアを前記アクセスドリル孔の入口から隔離する、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記危険廃棄物材料は、使用済み核燃料を備えている、請求項64に記載のシステム。
【請求項68】
前記格納キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の格納キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を備えている、請求項65に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地中水を試験することに関し、より具体的に、危険廃棄物材料貯蔵所に関する1つ以上の放射性同位体に関して地中水を試験することに関する。
【背景技術】
【0002】
危険廃棄物材料を地下に格納することは、大きなリスクを有し得る。1つのリスクは、危険廃棄物材料または危険廃棄物材料の副産物が人間が消費可能な水源の中に進入し得ることであり得る。いくつかの地中層が、可動水を可能にする:すなわち、人間が消費可能な水が位置する場所への層内に貯蔵された水の移動である。したがって、地下に格納された任意の危険廃棄物材料は、可動水の源から遠ざけられなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般的実装において、方法は、地表から地中層まで形成された試験ドリル孔から、地中層からの地中水サンプルを収集することと、加速器質量分析法(AMS)システムを用いて、地中水サンプルにおける元素の放射性同位体の濃度を地中水サンプルにおける元素の安定同位体に対して決定することと、地中水サンプルにおける元素の放射性同位体の決定された濃度と、地表水サンプルにおける元素の安定同位体に対する地表水サンプルにおける元素の放射性同位体の濃度とを比較することと、地中水サンプルにおける放射性同位体の決定された濃度が地表水サンプルにおける放射性同位体の濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、地中層が危険廃棄物格納貯蔵所を含むことを決定することとを含む。
【0004】
一般的実装と組み合わせ可能なある側面において、放射性同位体は、炭素-14(14C)でり、安定同位体は、12Cまたは13Cである;放射性同位体は、塩素-36(36Cl)でり、安定同位体は、35Clである;放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)でり、安定同位体は、127Iである;放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)でり、安定同位体は、9Beである;または、放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)でり、安定同位体は、27Alである。
【0005】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、規定されたパーセンテージは、50パーセント未満である。
【0006】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、地表水サンプルを地表水源から収集することをさらに含む。
【0007】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地表水の源は、帯水層または地球の大気と接触している地表における水源のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地表水サンプルは、飲用に適した水を含む。
【0009】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中水サンプルを地中層から収集することは、坑内ツールを試験ドリル孔内で動作させ、コアサンプルを地中層から収集することと、コアサンプルを地表まで回収することと、水をコアサンプルから除去することであって、除去された水は、地中水サンプルを含む、こととを含む。
【0010】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地表水サンプルを地表水源から収集することは、地中水サンプルを地中層から収集することに時間的に先立って実施される。
【0011】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、頁岩層を含む。
【0012】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、約0.01ミリダルシーより小さい浸透性を含む。
【0013】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、試験ドリル孔を地表から地中層まで形成することをさらに含む。
【0014】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、試験ドリル孔は、垂直ドリル孔を含む。
【0015】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、約10MPaより小さい脆さを含み、脆さは、地中層の引張強度に対する地中層の圧縮応力の比率を含む。
【0016】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、粘土または有機物の体積比約20~40%重量を含む。
【0017】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、不浸透性層を含む。
【0018】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、10,000年以上の危険廃棄物材料の漏れに関する時間定数によって定義された漏れ障壁を含む。
【0019】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、炭化水素または二酸化炭素含有層を含む。
【0020】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、危険廃棄物格納貯蔵所の作成を地中層内または下で始めることをさらに含む。
【0021】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、危険廃棄物格納貯蔵所の作成を地中層内または下で始めることは、アクセスドリル孔を地表から地中層に向かって形成することと、アクセスドリル孔に結合された格納ドリル孔を地中層内または下に形成することであって、格納ドリル孔は、危険廃棄物格納エリアを含む、こととを含む。
【0022】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、アクセスドリル孔は、垂直ドリル孔を含む。
【0023】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、アクセスドリル孔は、試験ドリル孔である。
【0024】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、格納ドリル孔は、湾曲部分と、水平部分とを含む。
【0025】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、少なくとも約200フィートの危険廃棄物材料格納エリアに近接した厚さを含む。
【0026】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、地中層は、危険廃棄物材料の半減期に基づく時間量にわたって、地中層を通した危険廃棄物材料の拡散を阻止する危険廃棄物材料格納エリアに近接した厚さを含む。
【0027】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、地表または地表近くから、アクセスドリル孔および格納ドリル孔を通して、格納ドリル孔の危険廃棄物材料格納エリアの中に延びているケーシングをアクセスドリル孔および格納ドリル孔内に据え付けることをさらに含む。
【0028】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、ケーシングをアクセスドリル孔および格納ドリル孔にセメントで固定することをさらに含む。
【0029】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、アクセスドリル孔を形成することに続いて、地中層から、アクセスドリル孔を通して、地表に、炭化水素流体を生産することをさらに含む。
【0030】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、危険廃棄物材料を危険廃棄物格納エリア内に格納することをさらに含む。
【0031】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、危険廃棄物材料を危険廃棄物格納エリア内に格納することは、地表に延びているアクセスドリル孔の入口を通して、格納キャニスタを移動させることであって、入口は、少なくとも、地表に近接し、格納キャニスタは、危険廃棄物材料を包囲するようにサイズを決定された内側空洞を含む、ことと、アクセスドリル孔を通して、格納ドリル孔の中に格納キャニスタを移動させることと、格納ドリル孔を通して、危険廃棄物格納エリアに格納キャニスタを移動させることとを含む。
【0032】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、アクセスドリル孔または格納ドリル孔のうちの少なくとも1つ内に、危険廃棄物格納エリアをアクセスドリル孔の入口から隔離するシールを形成することをさらに含む。
【0033】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、危険廃棄物材料は、使用済み核燃料または他の放射性材料を含む。
【0034】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、格納キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の格納キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を含む。
【0035】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、格納ドリル孔の危険廃棄物材料格納エリア内に格納された危険廃棄物材料を監視することをさらに含む。
【0036】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、格納ドリル孔の危険廃棄物材料格納エリア内に格納された危険廃棄物材料を監視することは、シールを除去することと、格納キャニスタを危険廃棄物材料格納エリアから地表まで回収することとを含む。
【0037】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、格納ドリル孔の危険廃棄物材料格納エリア内に格納された危険廃棄物材料を監視することは、格納キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を危険廃棄物材料格納エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、監視される変数を地表において記録することとを含む。
【0038】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面において、監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震活動のうちの少なくとも1つを含む。
【0039】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面は、監視される変数が閾値を超えることに基づいて、シールを除去することと、格納キャニスタを危険廃棄物材料格納ドリル孔部分から地表まで回収することとをさらに含む。
【0040】
本開示による、地中水試験システムおよび方法の実装は、以下の特徴のうちの1つ以上のものも含み得る。例えば、本開示による地中水試験システムおよび方法は、特定の地中層が危険廃棄物材料貯蔵所として好適であることを識別または決定するために使用され得る。決定された危険廃棄物材料貯蔵所は、人間が消費可能な水源から隔離されるように、使用済み核燃料等の危険廃棄物材料を格納するために使用され得る。決定された危険廃棄物材料貯蔵所は、最大で、例えば、1,000,000年の持続時間にわたって、危険廃棄物材料を格納するために好適であり得る。別の例として、本開示による、地中水試験システムおよび方法は、特定の地質学層が危険廃棄物材料貯蔵所として好適であることを確認し得る。
【0041】
本開示に説明される主題の1つ以上の実装の詳細が、付随の図面および下記の説明に記載される。本主題の他の特徴、側面、および利点が、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
方法であり、前記方法は、
地表から地中層まで形成された試験ドリル孔から、前記地中層からの地中水サンプルを収集することと、
加速器質量分析法(AMS)システムを用いて、前記地中水サンプルにおける元素の放射性同位体の濃度を前記地中水サンプルにおける前記元素の安定同位体に対して決定することと、
前記地中水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の前記決定された濃度と、地表水サンプルにおける前記元素の安定同位体に対する前記地表水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の濃度とを比較することと、
前記地中水サンプルにおける前記放射性同位体の前記決定された濃度が前記地表水サンプルにおける前記放射性同位体の前記濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、前記地中層が危険廃棄物格納貯蔵所を備えていることを決定することと
を含む、方法。
(項目2)
前記放射性同位体は、炭素-14(14C)であり、前記安定同位体は、12Cまたは13Cである;
前記放射性同位体は、塩素-36(36Cl)であり、前記安定同位体は、35Clである;
前記放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)であり、前記安定同位体は、127Iである;
前記放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)であり、前記安定同位体は、9Beである;または、
前記放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)であり、前記安定同位体は、27Alである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記規定されたパーセンテージは、50パーセントより小さい、項目1または2のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記地表水サンプルを地表水源から収集することをさらに含む、項目1-3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記地表水源は、帯水層または地球の大気と接触している地表における水源のうちの少なくとも1つを備えている、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記地表水サンプルは、飲用水を備えている、項目1-5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記地中水サンプルを前記地中層から収集することは、
坑内ツールを前記試験ドリル孔内で動作させ、コアサンプルを前記地中層から収集することと、
前記コアサンプルを地表まで回収することと、
水をコアサンプルから除去することと
を含み、
前記除去された水は、前記地中水サンプルを備えている、項目1-6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記地表水サンプルを前記地表水源から収集することは、前記地中水サンプルを前記地中層から収集することに時間的に先立って実施される、項目4に記載の方法。
(項目9)
前記地中層は、頁岩層を備えている、項目1-8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記地中層は、約0.01ミリダルシーより小さい浸透性を備えている、項目1-9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記試験ドリル孔を前記地表から前記地中層まで形成することをさらに含む、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記試験ドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、項目1-11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記地中層は、約10MPaより小さい脆さを備え、前記脆さは、前記地中層の引張強度に対する前記地中層の圧縮応力の比率を備えている、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記地中層は、粘土または有機物の体積比約20~40%重量を備えている、項目1-13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記地中層は、不浸透性層を備えている、項目1-14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記地中層は、10,000年以上の危険廃棄物材料の漏れに関する時間定数によって定義された漏れ障壁を備えている、項目1-15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記地中層は、炭化水素または二酸化炭素含有層を備えている、項目1-16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記危険廃棄物格納貯蔵所の作成を前記地中層内または前記地中層の下で始めることをさらに含む、項目1-17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記危険廃棄物格納貯蔵所の作成を前記地中層内または前記地中層の下で始めることは、
アクセスドリル孔を前記地表から前記地中層に向かって形成することと、
前記アクセスドリル孔に結合された格納ドリル孔を前記地中層内または前記地中層の下に形成することと
を含み、
前記格納ドリル孔は、危険廃棄物格納エリアを備えている、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記アクセスドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記アクセスドリル孔は、試験ドリル孔である、項目19または項目20に記載の方法。
(項目22)
前記格納ドリル孔は、湾曲部分と、水平部分とを備えている、項目19-21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記地中層は、少なくとも約200フィートの前記危険廃棄物材料格納エリアに近接した厚さを備えている、項目19-22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記地中層は、前記危険廃棄物材料格納エリアに近接した厚さを備え、前記厚さは、危険廃棄物材料の半減期に基づく時間量にわたって、前記地中層を通した前記危険廃棄物材料の拡散を阻止する、項目19-23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記地表または前記地表の近くから、前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物材料格納エリアの中に延びているケーシングを前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔内に据え付けることをさらに含む、項目19-24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記ケーシングを前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔にセメントで固定することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記アクセスドリル孔を形成することに続いて、前記地中層から、前記アクセスドリル孔を通して、前記地表に、炭化水素流体を生産することをさらに含む、項目19-26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記危険廃棄物材料を前記危険廃棄物格納エリア内に格納することをさらに含む、項目19-27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記危険廃棄物材料を前記危険廃棄物格納エリア内に格納することは、
前記地表に延びている前記アクセスドリル孔の入口を通して格納キャニスタを移動させることであって、前記入口は、少なくとも前記地表に近接しており、前記格納キャニスタは、前記危険廃棄物材料を包囲するようにサイズを決定された内側空洞を備えている、ことと、
前記アクセスドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の中に前記格納キャニスタを移動させることと、
前記格納ドリル孔を通して、前記危険廃棄物格納エリアに前記格納キャニスタを移動させることと
を含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記アクセスドリル孔または前記格納ドリル孔のうちの少なくとも1つの中にシールを形成することをさらに含み、前記シールは、前記危険廃棄物格納エリアを前記アクセスドリル孔の入口から隔離する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記危険廃棄物材料は、使用済み核燃料を備えている、項目28-30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記格納キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の格納キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を備えている、項目29-31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物材料格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することをさらに含む、項目29-32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物材料格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することは、
前記シールを除去することと、
前記格納キャニスタを前記危険廃棄物材料格納エリアから前記地表まで回収することと
を含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物材料格納エリア内に格納された前記危険廃棄物材料を監視することは、
前記格納キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を前記危険廃棄物材料格納エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと
前記監視される変数を前記地表において記録することと
を含む、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震活動のうちの少なくとも1つを備えている、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記監視される変数が閾値を超えることに基づいて、
前記シールを除去することと、
前記格納キャニスタを前記危険廃棄物材料格納ドリル孔部分から前記地表まで回収することと
をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
地中水試験システムであって、前記システムは、
地表から地中層まで形成された試験ドリル孔であって、前記地中層は、地中水サンプルを備えている、試験ドリル孔と、
加速器質量分析法(AMS)システムであって、前記AMSシステムは、
前記地中水サンプルにおける元素の放射性同位体の濃度を前記地中水サンプルにおける元素の安定同位体に対して決定することと、
前記地中水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の前記決定された濃度と、地表水サンプルにおける前記元素の安定同位体に対する前記地表水サンプルにおける前記元素の前記放射性同位体の前記濃度とを比較することと
を含む動作を実施するように構成されている、AMSシステムと、
前記地中水サンプルにおける前記放射性同位体の前記決定された濃度が前記地表水サンプルにおける前記放射性同位体の前記濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、前記地表から前記地中層に向かって形成されたアクセスドリル孔と、
前記地中水サンプルにおける前記放射性同位体の前記決定された濃度が前記地表水サンプルにおける前記放射性同位体の前記濃度の前記規定されたパーセンテージであることに基づいて、前記アクセスドリル孔内に形成された危険廃棄物格納貯蔵所と
を備えている、システム。
(項目39)
前記放射性同位体は、炭素-14(14C)であり、前記安定同位体は、12Cまたは13Cである;
前記放射性同位体は、塩素-36(36Cl)であり、前記安定同位体は、35Clである;
前記放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)であり、前記安定同位体は、127Iである;
前記放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)であり、前記安定同位体は、9Beである;または、
前記放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)であり、前記安定同位体は、27Alである、項目38に記載のシステム。
(項目40)
前記規定されたパーセンテージは、50パーセントより小さい、項目38または39のいずれかに記載のシステム。
(項目41)
前記地表水サンプルは、地表水源から収集される、項目38-40のいずれか1項に記載のシステム。
(項目42)
前記地表水源は、帯水層または地球の大気と接触している地表における水源のうちの少なくとも1つを備えている、項目41に記載のシステム。
(項目43)
前記地表水サンプルは、飲用水を備えている、項目38-41のいずれか1項に記載のシステム。
(項目44)
坑内ツールをさらに備え、前記坑内ツールは、前記地中水サンプルの収集のために、前記試験ドリル孔の中に入り、コアサンプルを前記地中層から収集し、前記コアサンプルを地表まで回収するように構成されている、項目38-43のいずれか1項に記載のシステム。
(項目45)
前記地表水サンプルは、前記地中層からの前記地中水サンプルの収集に時間的に先立って、前記地表水源から収集される、項目41に記載のシステム。
(項目46)
前記地中層は、頁岩層を備えている、項目38-45のいずれか1項に記載のシステム。
(項目47)
前記地中層は、約0.01ミリダルシーより小さい浸透性を備えている、項目38-46のいずれか1項に記載のシステム。
(項目48)
前記試験ドリル孔は、前記地表から前記地中層まで形成されている、項目38-47のいずれか1項に記載のシステム。
(項目49)
前記試験ドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、項目38-48のいずれか1項に記載のシステム。
(項目50)
前記地中層は、約10MPaより小さい脆さを備え、前記脆さは、前記地中層の引張強度に対する前記地中層の圧縮応力の比率を備えている、項目38-49のいずれか1項に記載のシステム。
(項目51)
前記地中層は、粘土または有機物の体積比約20~40%重量を備えている、項目38-50のいずれか1項に記載のシステム。
(項目52)
前記地中層は、不浸透性層を備えている、項目38-51のいずれか1項に記載のシステム。
(項目53)
前記地中層は、10,000年以上の危険廃棄物材料の漏れに関する時間定数によって定義された漏れ障壁を備えている、項目38-52のいずれか1項に記載のシステム。
(項目54)
前記地中層は、炭化水素または二酸化炭素含有層を備えている、項目38-53のいずれか1項に記載のシステム。
(項目55)
前記危険廃棄物格納貯蔵所は、前記地中層内または前記地中層の下の前記アクセスドリル孔内に形成されている、項目38-54のいずれか1項に記載のシステム。
(項目56)
前記アクセスドリル孔は、前記地中層内または前記地中層の下に形成された格納ドリル孔に結合され、前記格納ドリル孔は、前記危険廃棄物格納貯蔵所の危険廃棄物格納エリアを備えている、項目55に記載のシステム。
(項目57)
前記アクセスドリル孔は、垂直ドリル孔を備えている、項目56に記載のシステム。
(項目58)
前記試験ドリル孔は、前記アクセスドリル孔の一部を備えている、項目56または57のいずれかに記載のシステム。
(項目59)
前記格納ドリル孔は、湾曲部分と、水平部分とを備えている、項目56-58のいずれか1項に記載のシステム。
(項目60)
前記地中層は、少なくとも約200フィートの前記危険廃棄物材料格納エリアに近接した厚さを備えている、項目56-59のいずれか1項に記載のシステム。
(項目61)
前記地中層は、前記危険廃棄物材料格納エリアに近接した厚さを備え、前記厚さは、危険廃棄物材料の半減期に基づく時間量にわたって、前記地中層を通した前記危険廃棄物材料の拡散を阻止する、項目56-60のいずれか1項に記載のシステム。
(項目62)
前記地表または前記地表の近くから、前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の前記危険廃棄物材料格納エリアの中に延びている前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔内に据え付けられたケーシングをさらに備えている、項目56-61のいずれか1項に記載のシステム。
(項目63)
前記ケーシングを前記アクセスドリル孔および前記格納ドリル孔内に固定するために据え付けられたセメントをさらに備えている、項目62に記載のシステム。
(項目64)
前記危険廃棄物格納エリア内に位置付けられた危険廃棄物材料をさらに備えている、項目56-63のいずれか1項に記載のシステム。
(項目65)
前記危険廃棄物材料は、前記危険廃棄物材料を包囲するようにサイズを決定された内側空洞を備えている格納キャニスタで包囲され、前記格納キャニスタは、前記地表に近接し、前記地表に延びている前記アクセスドリル孔の入口を通して、前記アクセスドリル孔を通して、前記格納ドリル孔の中および前記危険廃棄物格納エリアの中に移動可能である、項目64に記載のシステム。
(項目66)
前記アクセスドリル孔または前記格納ドリル孔のうちの少なくとも1つ内に形成されたシールをさらに備え、前記シールは、前記危険廃棄物格納エリアを前記アクセスドリル孔の入口から隔離する、項目65に記載のシステム。
(項目67)
前記危険廃棄物材料は、使用済み核燃料を備えている、項目64に記載のシステム。
(項目68)
前記格納キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の格納キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を備えている、項目65に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、本開示による、地中水試験システムの例示的実装の概略図である。
【0043】
【
図2A】
図2Aは、本開示による、保管または回収動作中の危険廃棄物材料格納貯蔵所システムの例示的実装の概略図である。
【0044】
【
図2B】
図2Bは、危険廃棄物材料の格納中の危険廃棄物材料格納貯蔵所システムの例示的実装の概略図である。
【0045】
【
図3】
図3は、特定の元素の安定同位体に対する特定の元素の放射性同位体の比率に関して地中水を試験するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
【0046】
【
図4】
図4は、地中層内に危険廃棄物材料を格納するための例示的プロセスを図示するフローチャートであり、地中層から、放射性同位体濃度パーセンテージに関して、水が試験されている。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、地中水試験システム100の例示的実装の概略図である。この例に示されるように、システム100は、試験ドリル孔104を含み、試験ドリル孔は、地表102から、地表水層106を通して、地表水層106より深い地中層108および110の中およびにそれらを通して形成される。層106、108、および110の各々は、1つ以上の岩石タイプと、水(例えば、淡水なまたは塩水)と、ある場合、他の流体(例えば、炭化水素流体)とから形成される地質学層を備え得る。この例において、試験ドリル孔104は、垂直ドリル孔として示される。しかしながら、代替実装において、方向性ドリル孔124(破線で示される)が、本開示によると、形成され、試験ドリル孔104の代わりに、(またはそれに加え)システム100において使用され得る。
【0048】
地表水層106は、この例において、1つ以上の層状岩石層から成る地質学層であり、1つ以上の地表水の源を含む。例えば、地表水層106は、1つ以上の開放水源116(例えば、湖、池、川、小川)を含み得る。いくつかの側面において、開放水源116は、直接、大気101と接触する水源である。地表水層106は、1つ以上の帯水層118を含み得、それらは、大気101と直接接触しないが、人間が消費するために好適である(例えば、従来の水処理の有するもとも、有しないこともある)。したがって、システム100のこの例示的実装において、地表水は、開放水源116および帯水層118の両方を含む。地表水層106が構成され得る岩石層の例は、他の層の中でもとりわけ、多孔質砂岩および石灰岩を含む。
【0049】
地表水層106の下方に、この例示的実装において、地中層108および110がある。地中層108または110の一方、または両方は、地中水を含み得るか、または、保持し得る。地中水は、この例示的システムにおいて、開放水源または帯水層ではなく、現在、大気101と接触していない(しかし、過去のある時点で接触していたこともある)水である。いくつかの側面において、地中水は、飲用に適していないか、または、人間が消費するために適合しない(または両方である)。システム100は、そのような層に見出される地中水に従って、危険廃棄物材料格納に関して地中層108または110の一方または両方を試験するために使用され得る(例えば、
図3およびプロセス300を参照して説明されるように)。
【0050】
システム100は、坑内ツール112(例えば、コアドリル)も含み、坑内ツールは、試験ドリル孔104の中から、層106、108、および110の1つまたは全てまで運搬され、コアサンプル114またはコアサンプル120を調達し得る。この例において、コアサンプル114は、地中水を含む一方、コアサンプル120は、地表水を含む。したがって、地中水サンプルは、コアサンプル114から取得され得る一方、地表水サンプルは、コアサンプル120(または開放水源116または帯水層118)から取得され得る。コアサンプル114は、地中層110から取得されるように示されるが、1つ以上のコアサンプル114は、この層または地中層108(または両方)から取得され得る。
【0051】
システム100は、加速器質量分析法システム(AMS)122も含む。AMSシステム122は、概して、多くの試験機能を実施するように動作させられ得る。例えば、AMSシステム122は、水等の物質を分析し、ベリリウム-10(10Be)、塩素-36(36Cl)、アルミニウム-26(26Al)、ヨウ素-129(129I)、および炭素-14(すなわち、放射性炭素または14C)等のそのような物質中の(元素の)自然発生永続放射性同位体を検出し得る。ある場合、36Clおよび129I等のある放射性同位体は、宇宙線によって大気101中で生産され、地表水と混合され得るか、または、地表水または表面岩石中で直接生産される。したがって、地表水の源等の物質は、物質がさらされている大気101の期間に基づいて、元素のそのような放射性同位体の特定の濃度を有し得る。地中水等の大気101にもはやさらされていない物質は、そのような暴露を伴わずに時間が経過するにつれて、そのような放射性同位体の濃度における減衰を経験する(例えば、元素塩素の安定同位体37Clの濃度に対する36Cl、元素ヨウ素の安定同位体127Iの濃度に対する129I、元素ベリリウムの安定同位体9Beの濃度に対する10Be、元素炭素の安定同位体12Cまたは13Cの濃度に対する14C、元素アルミニウムの安定同位体27Alの濃度に対する26Al)。したがって、地中水等の物質中の放射性同位体の濃度の尺度は、物質が大気101または地表水に最後にさらされたとき以降に経過した時間量も示し得る。
【0052】
ここで
図3に目を向けると、特定の元素の安定同位体に対する特定の元素の放射性同位体の比率に関して地中水を試験するための例示的プロセス300を図示するフローチャートが、示される。プロセス300は、システム100を用いて実施され得る。プロセス300は、ステップ302から開始し、それは、試験ドリル孔を地表から地中層まで形成することを含む。例えば、試験ドリル孔104は、地表層から地中層108または110の一方または両方まで穿孔または別様に形成され得る。試験ドリル孔104は、炭化水素を生産する目的のために形成される坑井ボアより(例えば、直径が)比較的に小さくあり得る。代替として、試験ドリル孔104は、炭化水素を生産する目的のために形成される、坑井ボアに類似し得、いくつかの側面において、ステップ302に先立って、炭化水素がそれから生産されていることもある。
【0053】
プロセス300は、ステップ304において継続し、それは、地中水サンプルを地中層から収集することを含む。いくつかの側面において、地中水は、例えば、地中層108または110の一方または両方と試験ドリル孔104との間の圧力差に起因して、ドリル孔104の坑内端部内に自然に収集され得る(すなわち、層は、試験ドリル孔104より高い流体圧力にある)。いくつかの側面において、坑内ツール112、例えば、コアドリルは、地中水を含むコアサンプル114を取得するように動作させられ得る。いくつかの側面において、コアサンプル114は、プロセス300の始動に先立って、事前に取得されていることもあり、すなわち、地中水サンプルは、層108または110の一方または両方から事前に収集されていることもある(例えば、システム100にとって恒久的である)。したがって、ステップ304における「収集」は、事前に集められた地中水サンプルを識別することを含み得、または、それを意味し得る。
【0054】
プロセス300は、ステップ306において継続し、それは、地表水サンプルを地表水源から収集することを含む。例えば、地表水は、開放水源116または帯水層118の一方または両方から収集され得る。地表水サンプルは、地表水層106内のコアサンプル120からも収集され得る。いくつかの側面において、地表水サンプルは、プロセス300の始動に先立って、事前に収集されていることもある(例えば、システム100にとって恒久的である)。したがって、ステップ306における「収集」は、事前に集められた地中水サンプルを識別すること、または地表水中の元素の安定同位体に対して放射性同位体の濃度の事前に決定された値を識別することを含み、または、それを意味し得る。いくつかの側面において、地表水サンプルは、地表水の源からサンプリングされることができる。代替として、安定同位体(この場合において、127I)のそれと比較して、放射性同位体(129I等)の濃度は、地表水から求められたこれらの比率の以前の測定から決定されることができる(例えば、プロセス300の実行に先立って)。
【0055】
プロセス300は、ステップ308において継続し、それは、AMSシステムを用いて、地中水サンプルにおける放射性同位体の濃度を決定することを含む。例えば、AMSシステム122は、地中水サンプルにおける36Clまたは129I(または両方)等の特定の放射性同位体の濃度を決定するように動作させられ得る(例えば、その元素の対応する安定同位体に対して)。いくつかの側面において、ステップ308は、同様に、地表水サンプルにおける特定の放射性同位体の濃度を決定することも含み得る。代替として、地表水サンプルにおける放射性同位体の濃度は、既知であり得る(例えば、プロセス300の始動に先立って)。いくつかの例において、AMSシステムを用いた放射性同位体の濃度の決定は、同一元素(それぞれ、塩素またはヨウ素)の安定(非放射性)同位体(例えば、35Clまたは127I)に対する特定の水サンプルにおける放射性同位体(例えば、36Clまたは129I)の比率を測定することを含む。したがって、放射性元素の濃度を決定することの言及は、いくつかの側面において、特定の(地表または地中または両方の)サンプルにおける同一元素の安定(非放射性)同位体に対する放射性同位体の比率を決定することを意味する。
【0056】
プロセス300は、ステップ310において継続し、それは、地中水サンプルと地表水サンプルとの放射性同位体の濃度を比較することを含む。例えば、特定の同位体または複数の同位体の濃度が、地表および地中水サンプル中で決定されると(例えば、その元素の対応する安定同位体に対して)、それらは、2つの濃度間の差異を決定するために比較される。例えば、概して、36Clおよび129Iの濃度は、地中水サンプルと比較して、地表水サンプルがより最近接触していた大気101に起因して、地表水サンプルにおいて、地中水サンプルより高い。
【0057】
プロセス300は、ステップ312において継続し、それは、比較に基づいて、地中層が危険廃棄物格納貯蔵所として好適であることを決定することを含む。例えば、地中層(108または110または両方)が危険廃棄物材料(例えば、使用済み核燃料)の長期(例えば、100、1000、10,000年以上)格納のために好適であることを決定するための基準は、特定の持続時間にわたって、大気101にさらされておらず、それによって、それを通した可動水を可能にしない、または別様にその層から地表水層106に向かう液体の流動を可能にしない、地質学層としての地中層を立証する水の存在であり得る。そのような証拠は、そのような材料が、地表水層106における人間の消費のために適合された飲用に適した水に混合する機会、またはそれを汚染する機会を殆どまたは全く伴わずに、危険廃棄物材料を格納するための地中層の証明であり得る。
【0058】
36Clの例において、この放射性同位体は、310,000年の半減期を有する。大気101への暴露に起因して、36Clは、地表水サンプル中で生産される。しかしながら、地中水は、大気101と接触せず、したがって、地中水サンプルにおける任意の36Clは、減衰する(例えば、水がもはや大気101と接触しなくなった瞬間から)。1半減期後、36Clの半分が、地中水サンプルから減衰されている(かつもはやその中に存在しない)。2半減期後、残りの36Clの半分が、地中水サンプルから減衰されている(かつもはやその中に存在しない)。
【0059】
したがって、いくつかの例において、地中層(108、110、または両方)は、地中水サンプルにおける特定の放射性同位体(例えば、36Clまたは129I)の濃度が地表水サンプルにおける特定の放射性同位体(例えば、36Clまたは129I)の濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、危険廃棄物材料貯蔵所として好適であり得る。規定されたパーセンテージは、いくつかの例において、10~50%である。36Clを例として使用すると、地中水サンプルにおける濃度の規定されたパーセンテージとしての50%に関して、地中水サンプルが最後に大気101にさらされたとき以降の持続時間は、約310,000年(すなわち、1半減期)である。地中水サンプルの濃度の規定されたパーセンテージとしての25%に関して、地中水サンプルが最後に大気101にさらされたとき以降の持続時間は、約620,000年(すなわち、2半減期)である。地中水サンプルにおける濃度の規定されたパーセンテージとしての12.5%に関して、地中水サンプルが最後に大気101にさらされたとき以降の持続時間は、約930,000年(すなわち、3半減期)である。次いで、地中水サンプルにおける濃度の規定されたパーセンテージとしての10.6%に関して、地中水サンプルが最後に大気101にさらされたとき以降の持続時間は、約1,000,000年である。したがって、規定されたパーセンテージは、地中水サンプルが最後に大気101にさらされたとき以降の持続時間を表す所望の時間量に基づいて、特定の値に設定され得る。規定されたパーセンテージが、満たされる場合、それから地中水サンプルが取得された、地中層は、好適な危険廃棄物材料貯蔵所であると決定され得る。
【0060】
プロセス300は、ステップ314において継続し、それは、危険廃棄物格納貯蔵所を地中層内または下に作成することを含む。例えば、危険廃棄物貯蔵所は、例えば、危険廃棄物材料貯蔵所200の例示的実装を図示する、
図2Aに示されるように、作成され得る。
【0061】
プロセス300は、ステップ316において継続し、それは、危険廃棄物材料を危険廃棄物格納エリア内に格納することを含む。
図4は、プロセス300のステップ316のための例示的サブプロセスを図示する。
【0062】
いくつかの実装において、地中層108または110の一方または両方は、可動水がそれを通過することを可能にしないこともあり、または、可動水がそれを非常に低速においてのみ通過することを可能にすることもある。したがって、地表水層106に対して、地中層108または110の一方または両方は、低浸透性、例えば、ナノダルシー程度の浸透性を有し得る。加えて、地中層108または110の一方または両方は、比較的に非靭性(すなわち、脆い)地質学層であり得る。非靭性の1つの尺度は、脆さであり、それは、引張強度に対する圧縮応力の比率である。いくつかの例において、地中層108または110の一方または両方の脆さは、約20MPa~40MPaであり得る。
【0063】
いくつかの例において、地中層108または110の一方または両方が構成され得る岩石層は、例えば、上で説明されるように、浸透性および脆さ特性を示すある種類の砂岩、泥岩、粘土、および粘板岩を含む。いくつかの側面において、地中層108または110の一方または両方は、厚い、例えば、総垂直厚さの約200~2,000フィートであり得る。地中層108または110の一方または両方の厚さは、より容易な着地および方向性掘削を可能にし、それによって、危険材料格納エリアが、建設(例えば、掘削)中、地中層108または110の一方または両方内に容易に設置されることを可能にし得る。地中層108または110のうちの特定の1つのほぼ水平中心を通して形成される場合、危険廃棄物材料格納エリアは、地質学層の約50~200フィートによって包囲され得る。
【0064】
いくつかの側面において、地中層108または110の一方または両方も、例えば、非常に低浸透性(例えば、数マイクロまたはナノダルシー)に起因して、不動水のみを有し得る。加えて、地中層108または110の一方または両方は、岩石層の脆さが約3MPa~10MPaであるような十分な靭性を有し得る。地中層108または110の一方または両方が構成され得る岩石層の例は、頁岩および硬石膏を含む。さらに、いくつかの側面において、危険廃棄物材料は、地中層108または110のうちの1つが、浸透性層を地表水層106から隔離するために十分な地質学特性である場合、砂岩または石灰岩等の浸透性層においてでも、地中層108または110の一方または両方の下方に格納され得る。
【0065】
いくつかの例示的実装において、地中層108または110の一方または両方は、頁岩から成る。頁岩は、いくつかの例において、上で説明されるそれらに適合する特性を有し得る。例えば、頁岩層は、危険廃棄物材料の長期閉じ込め、かつ地表水層106および地表102からのその隔離のために好適であり得る。頁岩層は、地球の比較的に深く、典型的に、3,000フィート以上の場所で見出され、任意の淡水帯水層の下方に単独で設置され得る。他の層は、塩または他の不浸透性層の層を含み得る。
【0066】
頁岩層(または塩または他の不浸透性層の層)は、例えば、材料の長期(例えば、数千年)隔離を向上させる地質学特性を含み得る。そのような特性は、例えば、包囲層(例えば、地表水層106)の中へのそのような流体の実質的な割合の漏れを伴わずに、炭化水素流体(例えば、ガス、液体、混合相流体)の長期格納(例えば、数千万年)を通して例証されている。実際、頁岩は、数百万年以上天然ガスを保持することが示されており、危険廃棄物材料の長期格納のための証明された能力を与えられている。例示的頁岩層(例えば、Marcellus、Eagle Ford、Barnett、およびその他)は、数百万年にわたって、水、油、およびガスの移動を防止することにおいて効果的である多くの冗長シール層を含み、可動水を欠いており、保管後、数千年にわたって、危険廃棄物材料(例えば、流体または固体)をシールすることが予期され得る(例えば、地質学的検討に基づいて)地層を有する。
【0067】
いくつかの側面において、地中層108または110の一方または両方の層は、少なくとも部分的に数百年、数千年、数万年、数十万年、またはさらに数百万年にわたって、炭化水素または他の流体(例えば、二酸化炭素)のための層の格納容量の証拠によって決定され得る流体漏出に対する漏れ障壁または障壁層を形成し得る。例えば、地中層108または110の一方または両方は、炭化水素または他の流体格納のそのような証拠に基づいて、10,000年を上回る(約10,000年~1,000,000年等)危険廃棄物材料の漏出に関する時間定数によって定義され得る。
【0068】
頁岩(または塩または他の不浸透性層)層は、好適な深度、例えば、3,000~12,000フィートの真の垂直深度(TVD)にもあり得る。そのような深度は、典型的に、地下水帯水層(例えば、地表水層106)の下方にある。さらに、塩を含む頁岩内の可溶性元素の存在と、帯水層におけるこれらの同一元素の不在とは、頁岩と帯水層との間の流体隔離を実証する。
【0069】
有利なこととして、危険廃棄物材料格納に役立ち得る頁岩の別の特定の質は、その粘土含有量であり、それは、いくつかの側面において、他の不浸透性岩石層に見出されるそれを上回る靭性の尺度を提供する。例えば、頁岩は、粘土(例えば、体積比約20~40%粘土)および他の鉱物の薄い交互層から成るように階層化され得る。そのような組成物は、頁岩をあまり脆くせず、したがって、不浸透性層における岩石層(例えば、ドロマイトまたはその他)と比較して、(例えば、自然または別様の)破壊を受けにくくし得る。例えば、不浸透性層108内の岩石層は、危険廃棄物材料の長期格納のために好適な浸透性を有し得るが、脆すぎて、一般に、破壊される。したがって、そのような層は、危険廃棄物材料の長期格納のための十分なシール品質を有していないこともある(その地質学特性を通して立証されるように)。
【0070】
本開示は、図示される地中層106、108、および110の間またはその中に多くの他の層が存在し得ることを想定する。例えば、地表水層106または地中層108または110の一方または両方のうちの1つ以上のものの繰り返しパターン(例えば、垂直に)が存在し得る。さらに、いくつかの事例において、地中層108は、直接、地表水層106に、すなわち、介在層を伴わずに、隣接し得る(例えば、垂直に)。いくつかの例において、湾曲ドリル孔208および格納ドリル孔210の全部または一部は、その中で地中水が試験されている層が、格納ドリル孔210と地表水層106との間に垂直に位置付けられるように、地中層108または110の一方または両方の下方に形成され得る。
【0071】
例示的実装において、地中層108または110の一方または両方は、自己回復層を含み得る。いくつかの側面において、自己回復層は、ドリル孔204の格納部分から地表102へまたはそれに向かう危険廃棄物材料(液体、固体、またはガス状形態にあるかどうかにかかわらず)の流動を停止または妨害できる地質学層を備え得る。例えば、ドリル孔204の形成(例えば、掘削)中、地質学層108または110の全部または一部が、乱され、それによって、その地質学特性(例えば、浸透性)に影響を及ぼすか、または、それを変化させ得る。乱されたゾーンは、層108および110の中の特定の距離でドリル孔204の全長(垂直、湾曲、傾斜部分)を包囲し得る。
【0072】
ある側面において、ドリル孔204の場所は、自己回復層を通して形成されるように選択され得る。例えば、示されるように、ドリル孔204は、ドリル孔204のアクセス部分206の少なくとも一部が、自己回復層を通過するように形成されるように形成され得る。いくつかの側面において、自己回復層は、それを通して穿孔された後でさえ、長持続時間にわたって亀裂を持続させない地質学層を備えている。自己回復層における地質学層の例は、高粘土含有量、ドロマイト、または塩を伴う頁岩を含む。そのような岩石層における亀裂は、回復する傾向にあり、すなわち、それらは、材料の相対的靭性と、自己回復層における層の上にある岩石の重量から地下で生じる巨大な圧力とに起因して、時間に伴って急速に消失する。ドリル孔204の形成(例えば、掘削または別様に)に起因して生じる、亀裂のための「回復機構」を提供することに加え、自己回復層は、そうでなければ、格納ドリル孔210から地表102、地表水層106、または両方への危険廃棄物材料漏出(例えば、流体または固体)のための経路を提供し得る天然瑕疵および他の亀裂に対する障壁を提供し得る。
【0073】
図2Aは、本開示による、危険廃棄物材料の長期(例えば、数十、数百、または数千年以上)であるが、回収可能な安全かつ確実な格納のための危険廃棄物材料格納貯蔵所、例えば、保管または回収動作中の地中場所の例示的実装の概略図である。危険廃棄物材料格納貯蔵所は、例えば、
図1および3を参照して説明されるように、地中水の放射性同位体試験に基づいて、地中層108または110の一方または両方が好適であることの決定に続いて、形成および動作させられ得る。
【0074】
図2Aに目を向けると、この図は、保管(または下記に説明されるような回収)プロセス中、例えば、地中層内への危険廃棄物材料の1つ以上のキャニスタの配備中の例示的危険廃棄物材料格納貯蔵所システム200を図示する。図示されるように、危険廃棄物材料格納貯蔵所システム200は、地表102から、地中層106、108、および110を通して形成される(例えば、穿孔または別様に)ドリル孔204を含む。いくつかの側面において、ドリル孔204は、
図1に示される試験ドリル孔104と同一であり得る。代替として、ドリル孔204は、試験ドリル孔104の拡大(例えば、穴広または再穿孔される)バージョンであり得る。代替として、ドリル孔204は、地中層106、108を通して110の中に形成される、別個のドリル孔であり得る。
【0075】
図示されるドリル孔204は、危険廃棄物材料格納貯蔵所システム200のこの例において、方向性ドリル孔である。例えば、ドリル孔204は、アールまたは湾曲部分208に結合されたアクセスドリル孔206を含み、アールまたは湾曲部分は、次に、格納ドリル孔210に結合される。この例において、格納ドリル孔210は、水平である。代替として、湾曲部分208は、排除され得、格納ドリル孔210は、垂直アクセスドリル孔204に結合し、連続した垂直ドリル孔を形成す、垂直ドリル孔であり得る。代替として、湾曲部分208は、方向において90度の変化と異なり得、その場合、格納ドリル孔210は、傾斜させられ得る。
【0076】
図示されるドリル孔204は、この例において、地表102から地球の特定の深度までドリル孔204の周囲に位置付けられ、固定された表面ケーシング220を有する。例えば、表面ケーシング220は、浅い層の中でドリル孔204の周囲に固定された(例えば、セメントで固定された)比較的に大径管状部材(または部材のストリング)であり得る。本明細書で使用される場合、「管状」は、円形断面、楕円形断面、または他の成形断面を有する部材を指し得る。例えば、危険廃棄物材料格納貯蔵所システム200の本実装において、表面ケーシング220は、地表から表面層106を通して延びている。いくつかの側面において、表面ケーシング220は、ドリル孔204を地表水の源から隔離し得、表面ケーシングは、他のケーシングストリングがドリル孔204内に据え付けられるための吊り場所も提供し得る。
【0077】
図示されるように、生産ケーシング222は、表面ケーシング220の坑内のドリル孔204内に位置付けられ、固定される。「生産」ケーシングと称されるが、この例において、ケーシング222は、炭化水素生産動作にさらされていることも、そうではないこともある。したがって、ケーシング222は、表面ケーシング220の坑内のドリル孔204内に設置される、任意の形態の管状部材を指し、それを含む。危険廃棄物材料格納貯蔵所システム200のいくつかの例において、生産ケーシング222は、アール部分108の端部から開始し、傾斜部分110全体を通して延び得る。ケーシング222は、アール部分108の中および垂直部分106の中にも延び得る。
【0078】
示されるように、セメント230が、ケーシング220および222とドリル孔204との間の環状体内でケーシング220および222の周囲に位置付けられる(例えば、圧送される)。セメント230は、例えば、ケーシング220および222(およびドリル孔204の任意の他のケーシングまたはライナ)を地表102の下の地中層を通して固定し得る。いくつかの側面において、セメント230は、ケーシング(例えば、ケーシング220および222および任意の他のケーシング)の全長に沿って据え付けられ得るか、または、セメント230は、特定のドリル孔204のために適正である場合、ケーシングのある部分に沿って使用され得る。いくつかの側面において、セメントは、完全に省略され得る。セメント230は、使用される場合、キャニスタ226内の危険廃棄物材料のための閉じ込めの追加の層を提供することもできる。
【0079】
ドリル孔204の格納ドリル孔部分210は、その中に危険廃棄物材料が長期格納のために回収可能に設置され得る部分210の遠位部内に格納エリアを含む。例えば、示されるように、作業ストリング224(例えば、管類、コイル状管類、ワイヤライン、またはその他)が、ケーシングされたドリル孔204の中に延長され、部分210における長期であるがいくつかの側面において回収可能な格納部の中に、1つ以上の危険廃棄物材料キャニスタ226(3つが示されるが、より多いまたはより少ないものが存在し得る)を設置し得る。例えば、
図2Aに示される実装において、作業ストリング224は、キャニスタ226に結合する坑内ツール228を含み得、ドリル孔204の中へのトリップのたびに、坑内ツール228は、特定の危険廃棄物材料キャニスタ226を格納ドリル孔部分210内に保管し得る。
【0080】
坑内ツール228は、いくつかの側面において、ねじ山付き接続またはラッチ接続等の他のタイプの接続によって、キャニスタ226に結合し得る。代替側面において、坑内ツール228は、坑内ツール228の回転(または線形移動または電気または油圧スイッチ)がキャニスタ226に掛止(またはそれから掛止解除)し得るように、相互係止ラッチを用いて、キャニスタ226に結合し得る。代替側面において、坑内ツール228は、1つ以上の磁石(例えば、希土類磁石、電磁石、それらの組み合わせ、またはその他)を含み得、それらは、キャニスタ226に誘引結合する。いくつかの例において、キャニスタ226も、坑内ツール228上の磁石と反対の極性の1つ以上の磁石(例えば、希土類磁石、電磁石、それらの組み合わせ、またはその他)を含み得る。いくつかの例において、キャニスタ226は、坑内ツール228の磁石に誘引可能な鉄または他の材料から作製されるか、または、それを含み得る。キャニスタ226を移動させるための代替技法も、使用され得る。
【0081】
図2Aはまた、ドリル孔204の格納ドリル孔部分210内の危険廃棄物材料の回収動作の例を図示する。回収動作は、保管動作の逆であり得、坑内ツール228(例えば、採場ツール)は、ドリル孔204の中に入り、最後に保管されたキャニスタ226に結合され(例えば、ねじ式で、掛止式で、磁石によって、または別様に)、キャニスタ226を地表102まで引っ張り得る。複数の回収工程が、複数のキャニスタをドリル孔204の格納ドリル孔部分210から回収するために、坑内ツール228によって行われ得る。
【0082】
各キャニスタ226は、危険廃棄物材料を包囲し得る。そのような危険廃棄物材料は、いくつかの例において、生物学的または化学的廃棄物または他の生物学的または化学的危険廃棄物材料であり得る。いくつかの例において、危険廃棄物材料は、原子炉(例えば、商業用電力または試験反応器)から回収される使用済み核燃料または防衛用核材料等の核材料を含み得る。例えば、ギガワット規模核プラントは、年間、30トンの使用済み核燃料を生産し得る。その燃料の密度は、典型的に、核廃棄物の年間体積が約3m3であるような約10(10gm/cm3=10kg/リットル)である。使用済み核燃料は、核燃料ペレットの形態において、反応器から採取され、修正されない。核燃料ペレットは、固体であるが、それらは、三重水素(13年の半減期)、クリプトン-85(10.8年の半減期)、およびC-14(5,730年の半減期)を含む二酸化炭素を含む種々の放射性ガスを含み、放出し得る。
【0083】
いくつかの側面において、地中層108または110の一方または両方は、そのような産物がキャニスタ226から漏れる場合でも、いくらかの放射性産物(例えば、ガス)をその中に含み得る。例えば、地中層108または110の一方または両方は、
図1および3を参照して説明されるように、地中水試験の試験結果に基づいて、放射性産物を含むことが示され得る。
【0084】
他の基準も、本明細書に説明されるような地中水試験に加え、地中層108または110がいくらかの放射性産物(例えば、ガス)をその中に含むことを決定するために使用され得る。例えば、地中層108または110の一方または両方は、層108または110を通した放射性産物の拡散時間に基づいて選択され得る。例えば、地中層108または110から漏れる放射性産物の最小拡散時間は、例えば、核燃料ペレットの任意の特定の成分に関する半減期の50倍に設定され得る。最小拡散時間としての50半減期は、放射性産物の量を倍1×10-15の1に低減させるであろう。別の例として、最小拡散時間を30半減期に設定することは、放射性産物の量を十億分の1に低減させるであろう。
【0085】
例えば、プルトニウム-239は、多くの場合、24,200年のその長い半減期により、使用済み核燃料内の危険廃棄物生成物と見なされる。この同位体に関して、50半減期は、1.2百万年となるであろう。プルトニウム-239は、水中で低可溶性を有し、揮発性ではなく、固体として、その拡散時間は、図示される地中層108または110(例えば、頁岩または他の層)を備えている岩石層の基層を通して、非常に短い(例えば、数百万年)。例えば、頁岩から成る地中層108または110は、数百万年にわたってガス状炭化水素(例えば、メタンおよびその他)を含む地質学的歴史によって示されるように、そのような隔離時間(例えば、数百万年)を有する能力をもたらし得る。対照的に、従来の核材料格納方法において、一部のプルトニウムが、閉じ込め漏れ時、移動地下水を備えている層中に溶解し得る危険が存在した。
【0086】
いくつかの側面において、ドリル孔204は、危険廃棄物材料の長期格納の主要目的のために形成され得る。代替側面において、ドリル孔204は、炭化水素生産(例えば、油、ガス)の主要目的のために事前に形成されていることもある。例えば、地中層108または110の一方または両方は、炭化水素含有層であり得、炭化水素が、炭化水素含有層からドリル孔204および地表102の中に生産される。いくつかの側面において、地中層108または110は、炭化水素生産に先立って、油圧破壊されていることもある。さらにいくつかの側面において、生産ケーシング222は、油圧破壊に先立って、穿孔されていることもある。そのような側面において、生産ケーシング222は、危険廃棄物材料の保管動作に先立って、穿孔プロセスから作られた任意の孔を修理するために継ぎ当て(例えば、セメントで固定)され得る。加えて、ケーシングとドリル孔との間のセメントにおける任意の亀裂または開口部も、その時点で充填されることができる。
【0087】
例えば、危険廃棄物材料としての使用済み核燃料の場合、ドリル孔は、その場所が頁岩層等の適切な地中層108または110も含むことを前提として、特定の場所、例えば、原子力プラントの近傍に新しいドリル孔として形成され得る。代替として、すでにシェールガスを生産している既存の坑井または「ドライ」として廃棄されたもの(例えば、現場のガスが商業用開発のためには少なすぎる十分に低い有機物量を伴う)が、ドリル孔204として選択され得る。いくつかの側面において、ドリル孔204を通した地中層108または110の以前の油圧破壊は、ドリル孔204の危険廃棄物材料格納能力に殆ど差異をもたらさないこともある。しかし、そのような以前の活動は、数百万年にわたってガスおよび他の流体を格納するための地中層108または110の一方または両方の能力をも確認し得る。したがって、危険廃棄物材料または危険廃棄物材料の産物(例えば、放射性ガスまたはその他)が、キャニスタ226から漏れ、地中層108または110の破壊層に進入するようなことがある場合、そのような破壊は、その材料が、破壊のそれとサイズが匹敵する距離にわたって、比較的に急速に拡散することを可能にし得る。いくつかの側面において、ドリル孔204は、炭化水素の生産のために穿孔されていることもあるが、そのような炭化水素の生産は、失敗していた。何故なら、例えば、地中層108または110の一方または両方が、生産のために破壊するためにあまりに靭性かつ困難であったが、有利なこととして、危険廃棄物材料の長期格納のために靭性であった岩石層(例えば、頁岩またはその他)を備えていたからである。
【0088】
図2Bは、本開示による、格納および監視動作中の危険廃棄物材料格納貯蔵所200の例示的実装の概略図である。例えば、
図2Bは、長期格納動作における危険廃棄物材料格納貯蔵所200を図示する。1つ以上の危険廃棄物材料キャニスタ226が、ドリル孔204の格納ドリル孔部分210内に位置付けられる。シール234が、格納ドリル孔部分210内のキャニスタ226の場所と地表102(例えば、坑井ヘッド)におけるアクセスドリル孔206の開口部との間のドリル孔204内に設置される。この例において、シール234は、湾曲部分108の上向孔端部に設置される。代替として、シール234は、アクセスドリル孔206内の別の場所、湾曲部分208内、またはキャニスタ226の格納ドリル孔部分210の上向孔内にさえ位置付けられ得る。いくつかの側面において、シール234は、少なくとも地表水層106等の地表水の任意の源より深く設置され得る。いくつかの側面において、シール234は、実質的にアクセスドリル孔206の全長に沿って形成され得る。
【0089】
図示されるように、シール234は、キャニスタ226を格納する格納ドリル孔110の容積を地表102におけるアクセスドリル孔206の開口部から流動的に隔離する。したがって、キャニスタ226から漏れる任意の危険廃棄物材料(例えば、放射性材料)は、シールされ得る(例えば、液体、ガス、または固体危険廃棄物材料が、ドリル孔104から漏れないように)。シール234は、いくつかの側面において、ドリル孔204内に位置付けられ、または形成されるセメントプラグまたは他のプラグであり得る。別の例として、シール234は、ドリル孔204内に位置付けられる1つ以上の膨張可能または別様に拡張可能パッカから形成され得る。別の例として、シール234は、岩石およびベントナイトの組み合わせから形成され得る。別の例として、シール234は、粘土が豊富な頁岩等の近傍の層に見出される岩石と組成物が類似する岩石から形成され得る。
【0090】
回収動作(例えば、
図2Aを参照して議論されるように)に先立って、シール234は、除去され得る。例えば、セメントまたは他の恒久的に固定されたシール234の場合、シール234は、穿孔または別様に粉砕され得る。パッカ等の半恒久的または除去可能シールの場合、シール234は、公知のように、従来のプロセスを通して、ドリル孔204から除去され得る。
【0091】
監視動作は、キャニスタ226の長期格納中、実施され得る。例えば、いくつかの側面において、キャニスタ226内の危険廃棄物材料の長期格納中、1つ以上の変数を監視することが有利であり得、または、要求され得る。ある例において、監視システムは、ドリル孔204内(例えば、格納ドリル孔210内)に設置され、ケーブル(例えば、電気、光学、油圧、またはその他)を通して、または非ケーブル方法(例えば、音響信号)を通して、監視制御システムに通信可能に結合される1つ以上のセンサを含む。センサは、ケーシングの外側に設置されるか、または、ケーシングがドリル孔204内に据え付けられる前、ケーシングの中に組み込みさえ行われ得る。センサは、ケーシングの外側にも配置され得る。
【0092】
センサは、例えば、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、地震活動、またはそれらの組み合わせ等の1つ以上の変数を監視し得る。そのような変数に関連するデータ値は、ケーブルに沿って、監視制御システムに伝送され得る。監視制御システムは、次に、データを記録し、データ内の傾向(例えば、温度の上昇、放射性レベルの上昇)を決定し、データを国内のセキュリティまたは環境センタの場所等の他の監視場所に送信し得、そのようなデータまたは傾向に基づいて、措置(例えば、キャニスタ226の回収)をさらに自動的に推奨し得る。例えば、特定の閾値レベルを上回るドリル孔204内の温度または放射性レベルの上昇は、回収推奨をトリガし、例えば、キャニスタ226が放射性材料を漏らさないことを確実にし得る。いくつかの側面において、センサとキャニスタ226の1対1の比率が存在し得る。代替側面において、キャニスタ226あたり複数のセンサが存在し得るか、または、より少ないものが存在し得る。
【0093】
図4は、地中層内に危険廃棄物材料を格納するためのステップ316の例示的実装を図示するフローチャートであり、放射性同位体濃度パーセンテージに関して、水が、その地中層から試験されている。ステップ316は、サブステップ402から開始し得、それは、地表の中まで延びているドリル孔の入口を通して格納キャニスタを移動させることを含む。格納キャニスタは、化学的、生物学的、または核廃棄物、または別の危険廃棄物材料等の危険廃棄物材料を包囲する。いくつかの側面において、格納キャニスタは、危険廃棄物材料をドリル孔の現場にもたらす輸送モード(例えば、トラック、電車、レール、またはその他)から、直接、入口内に位置付けられ得る。いくつかの側面において、輸送中の危険廃棄物材料のパッケージングは、入口の中への格納キャニスタの移動のために除去されない。いくつかの側面において、そのような輸送パッケージングは、格納キャニスタが完全にドリル孔に進入してからのみ除去される。
【0094】
ステップ316は、サブステップ404に継続し得、それは、略垂直部分と、遷移部分と、実質的に水平な部分とを含むドリル孔を通して、格納キャニスタを移動させることを含む。いくつかの側面において、ドリル孔は、方向性または傾斜ドリル孔である。格納キャニスタは、種々の様式において、ドリル孔を通して移動させられ得る。例えば、ツールストリング(例えば、管状作業ストリング)またはワイヤラインは、格納キャニスタに結合し、格納キャニスタを入口からドリル孔の水平部分に移動させる(例えば、押す)坑内ツールを含み得る。別の例として、格納キャニスタは、ドリル孔、例えば、ケースに入れられたドリル孔内に据え付けられたレールの上に乗り得る。さらに別の例として、格納キャニスタは、ドリル孔牽引機(例えば、モータ式または電動式牽引機)を用いて、ドリル孔を通して移動させられ得る。別の例において、牽引機は、格納キャニスタの一部として構築され得る。なおもさらなる例として、格納キャニスタは、ドリル孔を通して循環させられる流体(例えば、ガスまたは液体)を用いて、ドリル孔を通して移動させられ得る。
【0095】
ステップ316は、サブステップ406に継続し得、それは、格納キャニスタを頁岩層内または下に位置する格納エリアの中に移動させることを含む。例えば、ドリル孔の水平部分は、格納エリアを含むか、または、それに結合され得、地中ゾーン内の頁岩継ぎ目を通して形成され得る。いくつかの側面において、頁岩は、(例えば、垂直または水平に)頁岩層を越える任意の危険廃棄物材料の漏れに対して流体シール(例えば、ガスおよび液体)を提供する1つ以上の地質学品質を含み得る。代替側面において、格納エリアは、頁岩ではないが、特定の地質学特性を頁岩と共有する岩石層(例えば、硬石膏および他の層)内のドリル孔の水平部分内に形成され得る。例えば、格納エリアの岩石層は、比較的に不浸透性であり得、浸透性値は、0.001ミリダルシー未満である(ナノダルシーを下回りさえする)。別の例として、岩石層は、それを通した危険廃棄物材料漏出を可能にし得る破壊を防止または防止することに役立つように、靭性であり、約10MPaより小さい脆さを有し得る。脆さは、本明細書で使用されるように、例示的実装において、岩石層の引張強度に対する岩石層の圧縮応力の比率である。別の例として、岩石層は、比較的に厚くあり得、格納エリアに近接した厚さは、約100~200フィートである(但し、より薄いおよびより厚い層も、本開示によって想定される)。別の例として、岩石層は、例えば、体積比約20~40%重量の粘土または他の有機材料から成り、靭性に役立ち得る。別の例として、岩石層は、塩から成り得る。
【0096】
ステップ316は、サブステップ408に継続し得、それは、ドリル孔内に、ドリル孔の格納部分をドリル孔の入口から隔離するシールを形成することを含む。例えば、格納キャニスタが、格納エリアの中に移動させられると(または全ての格納キャニスタが、格納エリアの中に移動させられた後)、シールが、ドリル孔内に形成され得る。シールは、セメントプラグ、膨張可能シール(例えば、パッカ)、岩石およびベントナイトの混合物を含む領域、または他のシール、またはそのようなシールの組み合わせであり得る。いくつかの側面において、シールは、格納キャニスタの後続回収動作を促進するように、除去可能である。
【0097】
ステップ316は、サブステップ410に継続し得、それは、格納エリアに近接して位置付けられたセンサから、格納キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を監視することを含む。変数は、(例えば、ドリル孔内、格納キャニスタの外側、岩石層内、または別様に)危険廃棄物材料の存在を示す温度、放射性、地震活動、酸素、水蒸気、酸性度、または他の変数のうちの1つ以上のものを含み得る。いくつかの側面において、1つ以上のセンサは、ドリル孔内に位置付けられる格納キャニスタ上、ドリル孔内に据え付けられたケーシング内、またはドリル孔に近接する岩石層内に取り付けられ得る。センサは、いくつかの側面では、格納エリアから離れた別個のドリル孔(例えば、別の水平または垂直ドリル孔)内にも据え付けられ得る。
【0098】
ステップ316は、サブステップ412に継続し得、それは、監視される変数を地表において記録することを含む。例えば、1つ以上のセンサにおいて受信される変数データは、地表における監視システムに伝送され得る(例えば、導体上または無線で)。監視システムは、種々の動作を実施し得る。例えば、監視システムは、監視される変数のうちの1つ以上のものの履歴を記録し得る。監視システムは、記録される変数データにおける傾向分析を提供し得る。別の例として、監視システムは、監視される変数の各々に関して、1つ以上の閾値限界を含み、そのような閾値限界を超えると、指示を提供し得る。
【0099】
ステップ316は、サブステップ414に継続し得、それは、監視される変数が閾値を超えるかどうかを決定することを含む。例えば、1つ以上のセンサは、ドリル孔内の放射能、例えば、アルファまたはベータ粒子、ガンマ光線、X線、または中性子であるかどうかにかかわらず、危険廃棄物材料によって放出される放射線の量を監視し得る。センサ、例えば、キューリー(Ci)および/またはベクレル(Bq)、ラド、グレー(Gy)の測定単位、または他の放射線の単位において、放射能の量を決定し得る。放射能の量が、例えば、格納キャニスタからの危険核材料の大きな漏れを示すであろう、閾値を超えない場合、ステップ316は、サブステップ410に戻り得る。
【0100】
決定が、「はい」である場合、サブステップ316は、サブステップ416に継続し得、それは、シールをドリル孔から除去することを含む。例えば、いくつかの側面において、閾値(または値)を超えると、回収動作が、シールを除去することによって始動され得る。代替側面において、閾値の超過は、自動的に、回収動作またはドリル孔シールの除去をトリガしないこともある。いくつかの側面において、複数の監視される変数が存在し得、「はい」決定は、全ての監視される変数がそれらのそれぞれの閾値を超える場合のみ、行われる。代替として、「はい」決定は、少なくとも1つの監視される変数がそのそれぞれの閾値を超える場合、行われ得る。
【0101】
ステップ316は、サブステップ418に継続し得、それは、格納キャニスタを格納エリアから地表まで回収することを含む。例えば、シールが、除去される(例えば、穿孔される、または地表まで除去される)と、作業ストリングは、点検、修理、またはその他のために、ドリル孔の中に外され、格納キャニスタを除去し得る。いくつかの側面において、シールをドリル孔から除去し、格納キャニスタを回収するのではなく、他の是正措置が、講じられ得る。例えば、決定が、サブステップ414において「はい」である場合、危険廃棄物材料を回収するのではなく、決定は、シールを改良するために行われ得る。これは、例えば、ベントナイト、セメント、または他のシーラントをボア孔の中に注入し、以前にガスで充填された空間を充填することによって行われ得る。
【0102】
いくつかの実装が、説明された。それにもかかわらず、種々の修正が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。例えば、本明細書に説明される例示的動作、方法、またはプロセスは、説明されるものよりも多いことまたは少ないことを含み得る。さらに、そのような例示的動作、方法、またはプロセスにおけることは、説明される、または図に図示されるものと異なる並びにおいて実施され得る。故に、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。