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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】骨髓採取装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
A61B10/02 110B
A61B10/02 110K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022511367
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 KR2019011987
(87)【国際公開番号】W WO2021033826
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2019-0102121
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519413690
【氏名又は名称】レブ-メッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シン ボン グン
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104414719(CN,A)
【文献】特表2003-530187(JP,A)
【文献】中国実用新案第201418772(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髓腔の内部に挿入されるハブ;
前記ハブの内部に挿入され、一側には注射器が着脱可能に連結されるカテーテル;および
前記カテーテルが長さ方向に沿って移動できるように前記カテーテルの一端に連結されたホルダーであって、横方向に延在する作業者把持部を有するホルダー;を含み
前記ハブには前記ホルダーの位置を固定する支持バーが備えられ、
前記支持バーには、前記ホルダーに設けられた前記作業者把持部が前記ハブの軸を中心に回転しつつ挿入固定される支持溝が形成される、
ことを特徴とする、骨髓採取装置。
【請求項2】
前記支持溝は前記カテーテルの移動方向に沿って複数個形成されることを特徴とする、請求項1に記載の骨髓採取装置。
【請求項3】
前記支持溝は前記支持バーの一側に形成される第1支持溝と前記支持バーの他側に形成される第2支持溝を含み、
前記第1支持溝と前記第2支持溝は前記ハブの下面から異なる位置に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の骨髓採取装置。
【請求項4】
前記第1支持溝と前記第2支持溝は互いに異なる間隔を有するように形成されることを特徴とする、請求項3に記載の骨髓採取装置。
【請求項5】
前記支持バーが前記ハブから分離できるように装着部が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の骨髓採取装置。
【請求項6】
前記装着部は前記支持バーに形成されたインサート部材と、前記インサート部材が挿入固定されるように前記ハブに形成されたガイド部材を含むことを特徴とする、請求項5に記載の骨髓採取装置。
【請求項7】
前記ガイド部材と前記インサート部材は前記ハブと前記支持バーの一側と他側にそれぞれ形成されるものの、
一側に形成された前記インサート部材および前記ガイド部材は他側に形成された前記インサート部材および前記ガイド部材と異なる高さを有するように形成されることを特徴とする、請求項6に記載の骨髓採取装置。
【請求項8】
骨髓腔の内部に挿入されるハブ;
前記ハブの内部に挿入され、一側には注射器が着脱可能に連結されるカテーテル;および
前記カテーテルが長さ方向に沿って移動できるように前記カテーテルの一端に連結されたホルダー;を含み
前記ホルダーは、前記ハブに連結される外部ケースと、前記カテーテルの一端に連結される内部ケースと、を含み、
前記内部ケースは前記外部ケースの内部に配置されるものの、前記外部ケースの長さ方向に沿って移動でき、
第1締結部であって、前記内部ケースが固定される前記外部ケースの長手方向に沿って複数の係合顎部を有する第1締結部が、前記外部ケースにおいて形成され、
第2締結部であって、前記第1締結部に設けられた前記係合顎部に沿って移動する係合凸部を有する第2締結部が、前記内部ケースにおいて形成され、
係合面であって、径方向において前記外部ケースの内部に向かう傾斜角を有する係合面が、前記係合顎部に形成され、
前記係合面は、前記内部ケースが引き出される方向に沿って傾斜した第1の係合面と、前記内部ケースが引き込まれる方向に沿って傾斜した第2の係合面と、を有し、
前記第2の係合面の傾斜角は、前記第1の係合面の傾斜角よりも大きく、90°よりも小さい、
ことを特徴とする、骨髓採取装置。
【請求項9】
前記外部ケースと前記内部ケースの間には前記内部ケースが引き込まれる方向に弾性力を印加する第2弾性部材が備えられることを特徴とする、請求項8に記載の骨髓採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は骨髓採取装置に関する。さらに詳細には、骨髓採取の際に骨髓腔内に投入されたカテーテルの位置を容易かつ安定的に移動させ得るだけでなく、カテーテルの位置が移動した後には安定的に位置が固定された状態で骨髄を採取できる骨髓採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
骨髓(bone marrow)は骨の間の空間を満たしている柔軟な組織であって、赤血球や白血球、血小板のような血液細胞を作る組織をいう。このような骨髄には多くの幹細胞があり、これらが分裂し続け発達して血液細胞となる。また、骨を構成する幹細胞も有している。免疫体系を担当している白血球を生産するので免疫体系にも非常に重要な組織である。
【0003】
このような骨髄は二種類の幹細胞を有している。そのうちの造血幹細胞(hematopoietic stem cell)は血液細胞の生産を担当し、分裂し続けて白血球、赤血球、血小板などとなる。間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell)は骨を形成する骨芽細胞(osteoblast)と軟骨細胞(chondrocyte)分化することができる。
【0004】
骨髄は悪性腫瘍が発生したり菌によって感染され得、この場合、血液細胞の生産が減少する。また、血液細胞に発達する細胞に癌が発生し得、これを白血病(leukemias)と呼ぶ。前記のような疾病は骨髓検査を通じて診断することができる。骨髓検査は局所麻酔状態で注射器を使って赤色骨髄を採取して検査する。
【0005】
骨髄が正常な機能をすることができない場合、適合な他人の骨髄移植を受けることができる。骨髄は骨髓検査をする時のように注射器を利用して採取することができる。
【0006】
これに関連して、大韓民国公開特許公報第2004-0007321号には骨髓吸引器が開示されており、前記公開特許公報第2004-0007321号に記載されている骨髓吸引器は、先端部表面、末端部表面、前記先端部表面および末端部表面の間から延びる第1および第2側面を有し、把持が容易な形状を有するハンドルと;縦方向軸線と、ハンドルにカップリングされその中に入口ポートが形成された先端部を有する先端部と、なめらかな外面と中実の末端貫通チップを有する末端部と、入口ポートから末端貫通チップ付近の位置まで延びる内部ルーメン(inner lumen)を形成する実質的に円筒形である側壁と、側壁に形成され内部ルーメンと互いに通じ、末端貫通チップ付近に位置する一つ以上の孔を有する長い貫通部材を含み、長い貫通部材の先端部は長い貫通部材の末端部の縦方向軸線とオフセットされて、長い貫通部材の末端部を位置決定させるために、装置のハンドルを把持して操作しながら長い貫通部材の先端部の入口ポートにアクセスできるように構成されている。
【0007】
しかし、前記公開特許公報第2004-0007321号に開示されている骨髓吸引器を含む従来の骨髓採取器は、骨髓採取の際に骨髓腔内に投入される長い貫通部材の貫通チップ付近に位置した小さな孔を通じて、相対的に少ない量の骨髄のみしか採取できないという限界があった。すなわち、骨髓採取作業時に貫通部材に形成された小さな孔に吸い込まれてくる骨髄は約1cc程度の非常に少ない量であるため、より多くの量の骨髄を採取するためには骨髓採取器を複数個所に移しながら採取しなければならないが、このように骨髓採取器を移動させる過程が難しいため作業者は骨髓採取作業に多くの時間と努力が伴われ、患者にも多くの苦痛の負担を負わせることになる問題があった。
【0008】
したがって、このような問題に対する改善が至急であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で解決しようとする技術的課題は、骨髓採取の際に骨髓腔内に投入されたカテーテルの位置を容易に移動させることができる骨髓採取装置を提供することである。
【0010】
また、カテーテルの位置移動時に安定した動作が可能な骨髓採取装置を提供することである。
併せて、カテーテルの位置移動後に安定的に位置が固定された状態で骨髄を採取できる骨髓採取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した技術的課題を解決するための本発明に係る骨髓採取装置は、骨髓腔の内部に挿入されるハブと、前記ハブの内部に挿入され、一側には注射器が着脱可能に連結されるカテーテルおよび前記カテーテルが長さ方向に沿って移動できるように前記カテーテルの一端に連結されたホルダーを含む。
【0012】
この時、前記ハブには前記ホルダーの位置を固定する支持バーが備えられ、前記支持バーには前記ホルダーが挿入固定される支持溝が形成され得る。
この時、前記支持溝は前記カテーテルの移動方向に沿って複数個形成され得る。
【0013】
この時、前記支持溝は前記支持バーの一側に形成される第1支持溝と前記支持バーの他側に形成される第2支持溝を含み、前記第1支持溝と前記第2支持溝は前記ハブの下面から異なる位置に形成され得る。
【0014】
このとき、前記第1支持溝と前記第2支持溝は互いに異なる間隔を有するように形成され得る。
この時、前記支持バーが前記ハブから分離できるように装着部が備えられ得る。
【0015】
この時、前記装着部は前記支持バーに形成されたインサート部材と、前記インサート部材が挿入固定されるように前記ハブに形成されたガイド部材を含むことができる。
【0016】
この時、前記ガイド部材と前記インサート部材は前記ハブと前記支持バーの一側と他側にそれぞれ形成されるものの、一側に形成された前記インサート部材および前記ガイド部材は他側に形成された前記インサート部材および前記ガイド部材と異なる高さを有するように形成され得る。
【0017】
この時、前記ホルダーは前記ハブに連結される外部ケースと、前記カテーテルの一端に連結される内部ケースを含み、前記内部ケースは前記外部ケースの内部に配置されるものの、前記外部ケースの長さ方向に沿って移動可能に構成され得る。
【0018】
この時、前記外部ケースには前記内部ケースが締結される第1締結部が形成され、前記内部ケースには前記第1締結部と締結される第2締結部が形成され得る。
この時、前記第1締結部には前記外部ケースの長さ方向に沿って複数個の係止段が形成され、前記第2締結部には前記係止段に沿って移動する係止突起が形成され得る。
【0019】
この時、前記係止段には前記外部ケースの半径方向の内側を向かうように傾斜が形成された係止面が形成され得る。
この時、前記係止面は前記内部ケースが引き出される方向に沿って傾斜が形成された第1係止面と、前記内部ケースが引き込まれる方向に沿って傾斜が形成された第2係止面を含むことができる。
【0020】
この時、前記第2係止面の傾斜角は前記第1係止面の傾斜角より大きく形成され得る。
この時、前記係止突起は前記外部ケースの半径方向の外側に向かうように弾性力を印加する第1弾性部材と、前記第1弾性部材を固定する固定フレームを含むことができる。
【0021】
この時、前記外部ケースと前記内部ケースの間には前記内部ケースが引き込まれる方向に弾性力を印加する第2弾性部材が備えられ得る。
この時、前記外部ケースの一側には前記第2弾性部材の一端を支持する支持部が備えられ、前記係止突起は前記第2弾性部材の他端を支持するように構成され得る。
【0022】
この時、前記支持部には前記外部ケースに装着または脱着できるように結合部材が備えられ得る。
この時、前記第1締結部には前記外部ケースの内周面に沿って第1ねじ部材が形成され、前記第2締結部には前記内部ケースの外周面に沿って前記第1ねじ部材に対応する第2ねじ部材が形成され得る。
【0023】
この時、前記外部ケースと前記内部ケースの間には前記内部ケースが引き込まれる方向に弾性力を印加する第2弾性部材が備えられ得る。
この時、前記外部ケースの一側には前記第2弾性部材の一端を支持する支持部が備えられ、前記第2ねじ部材は前記第2弾性部材の他端を支持するように構成され得る。
【0024】
この時、前記支持部には前記外部ケースに装着または脱着できるように結合部材が備えられ得る。
【発明の効果】
【0025】
前記した構成を有する本発明の骨髓採取装置は、骨髓採取の際に骨髓腔内に投入されたカテーテルの位置移動のためにホルダーが備えられ、ハブにはこのようなホルダーの位置を固定する支持バーが備えられて、カテーテルが正確な位置に移動した後に安定的に固定された状態で骨髓採取が可能となる。
【0026】
また、ホルダーを外部ケースと内部ケースで構成し、このような内部ケースが外部ケースの内部で外部ケースの長さ方向に移動する動作を通じてカテーテルの位置を移動させるため、カテーテルの位置移動が容易となって骨髓採取作業の便宜性が向上する効果がある。
【0027】
また、外部ケースと内部ケースが相互に締結される締結部が形成されてカテーテルの位置移動時に安定した動作が可能であるため、骨髓採取の過程で患者が感じる苦痛が減少することになる効果がある。
【0028】
併せて、カテーテルの位置移動後、第2弾性部材の弾性力を利用して外部ケースと内部ケースの位置を安定的に固定するため、骨髓採取の作業が安定的になされることになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施例に係る骨髓採取装置の断面図である。
図2図1のI-I部分の断面図であり、支持バーの多様な実施例を図示した図面である。
図3図1のI-I部分の断面図であり、支持バーの多様な実施例を図示した図面である。
図4】本発明の他の実施例に係る骨髓採取装置の断面図である。
図5図4のII-II部分の断面図であり、装着部の多様な実施例を図示した図面である。
図6図4のII-II部分の断面図であり、装着部の多様な実施例を図示した図面である。
図7】本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置の断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を利用して骨髄を採取する過程を順次図示した断面図である。
図9図7のA部分を拡大した図面であり、多様な実施例に係る骨髓採取装置を図示した図面である。
図10】本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を図示した断面図である。
図11】本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を図示した断面図である。
図12】本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明に関わらない部分は省略したし、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付した。
【0031】
本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」あるという場合、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなくその中間にさらに他の部分がある場合も含む。その反対に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるという場合、これは他の部分の「真下に」ある場合だけでなくその中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0032】
図1は本発明の一実施例に係る骨髓採取装置の断面図であり、図2および図3図1のI-I部分の断面図であって、支持バーの多様な実施例を図示した図面であり、図4は本発明の他の実施例に係る骨髓採取装置の断面図であり、図5および図6図4のII-II部分の断面図であって、装着部の多様な実施例を図示した図面であり、図7は本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置の断面図であり、図8は本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を利用して骨髄を採取する過程を順次図示した断面図であり、図9図7のA部分を拡大した図面であり、多様な実施例に係る骨髓採取装置を図示した図面であり、図10は本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を図示した断面図であり、図11および図12は本発明のさらに他の実施例に係る骨髓採取装置を図示した断面図である。
【0033】
図1に図示された通り、本発明の一実施例に係る骨髓採取装置は、骨髓腔(bone marrow cavity)の内部に挿入されるハブ10とこのようなハブ10の内部に挿入され、一側には注射器20が着脱可能に連結されるカテーテル30およびこのようなカテーテル30が長さ方向に沿って移動できるようにカテーテル30の一端に連結されたホルダー40を含む。
【0034】
ハブ10は堅固な材質であって、骨髓採取作業時に最も先に挿入配置され、ハブ10が挿入配置された後にカテーテル30が挿入されることになる。このようなカテーテル30は、ポリプロピレン(polypropylene)のような柔軟な材質で構成されて骨髓採取作業時に自由に形状が変形可能である。併せて、このようなカテーテル30を骨髓採取位置まで案内するために、フレキシブルイントロデューサー(flexible introducer)のような別途の案内部材(図示されず)を使うことができる。案内部材はカテーテル30の内部に挿入された状態でハブ10を貫通して骨髓採取位置までカテーテル30を案内することになる。カテーテル30が骨髓採取位置に到達することになると案内部材を除去し、カテーテル30に骨髓採取のための注射器20を連結することになる。このようなカテーテル30には注射器20を連結するためのヘッド部31が備えられ得る。
【0035】
併せて、このようなカテーテル30の一端にはホルダー40が連結され、ホルダー40はカテーテル30が骨髓採取の際に長さ方向に沿って移動できるように構成される。すなわち、ハブ10が挿入された状態でカテーテル30は骨髓採取位置まで到達することになり、このようなカテーテル30に注射器20が連結されると、注射器20のピストンを引いて骨髄を採取することになる。一定量の骨髄が採取されると、ハブ10は位置が固定された状態でカテーテル30のみを引き出すことになる。この時、注射器20はカテーテル30のヘッド部31に連結された状態で共に移動することになる。また、新しく移動した位置でも一定量の骨髄が採取されると、カテーテル30と注射器20を繰り返し引き出しながら新しい位置で骨髄を採取することになる。
【0036】
この時、図2に図示された通り、前述したハブ10にはホルダー40の位置を固定する支持バー11が備えられ、このような支持バー11にはホルダー40が挿入固定される支持溝11a、11bが形成され得る。すなわち、作業者はホルダー40が支持溝11a、11bに安定的に挿入された状態で骨髓採取の作業を進行することになる。
【0037】
このような支持溝11a、11bはカテーテル30の移動方向に沿って複数個形成されるため、骨髄を一定量採取した後にはホルダー40を隣接した他の支持溝11a、11bに移動させて挿入固定した後、骨髓採取の作業を引き続き進行することになる。
【0038】
すなわち、骨髓採取の際に骨髓腔内に投入されたカテーテル30の位置移動のためにホルダー40が備えられ、ハブ10にはこのようなホルダー40の位置を固定する支持バー11が備えられて、カテーテル30が正確な位置に移動した後に安定的に固定された状態で骨髓採取が可能となる。
【0039】
図3に図示された通り、支持溝11a、11bは支持バー11の一側に形成される第1支持溝11aと支持バー11の他側に形成される第2支持溝11bを含み、第1支持溝11aと第2支持溝11bはハブ10の下面から異なる位置に形成され得る。
【0040】
すなわち、患者によって骨髄が採取される位置がすべて異なり得、このように骨髓採取位置が異なる場合にもカテーテル30が該当位置に正確に移動した状態でホルダー40が効果的に固定され得るように、支持バー11の一側と他側にそれぞれ第1支持溝11aと第2支持溝11bを形成するものの、このような第1支持溝11aと第2支持溝11bがハブ10の下面からそれぞれ異なる位置に形成するのである。ハブ10の下面の位置をベース(Base)とする時、第1支持溝11aはこのようなベース(Base)からd1だけ離隔した位置に形成し、第2支持溝11bはベース(Base)からd2だけ離隔した位置に形成するのである。
【0041】
また、このような第1支持溝11aと第2支持溝11bは互いに異なる間隔を有するように形成され得る。すなわち、第1支持溝11aの間隔は△d1で形成し、第2支持溝11bの間隔は△d2でそれぞれ異なるように形成するのである。このように構成すると、作業者は患者に合うように異なる間隔だけカテーテル30を移動させながら骨髓採取が可能となり、ひいては、第1支持溝11aと第2支持溝11bを組み合わせて使うことによってさらに多様な位置で安定的に骨髓採取が可能となる。
【0042】
または図4に図示された通り、前述した支持バー11をハブ10から分離できるように構成することも可能である。すなわち、多様な間隔だけ離隔した状態で支持溝11a、11bが形成された多数の支持バー11が備えられ、使用者は患者に合う支持バー11をハブ10に装着して骨髄を採取するのである。
【0043】
このために図5に図示された通り、支持バー11とハブ10には装着部10a、11cが備えられ得、このような装着部10a、11cは支持バー11に形成されたインサート部材11cと、インサート部材11cが挿入固定されるようにハブ10に形成されたガイド部材10aを含むことができる。
【0044】
すなわち、ハブ10に形成されたガイド部材10aの下面とハブ10の上面の間には離隔空間が形成され、このような離隔空間に支持バー11のインサート部材11cがスライディング方式で挿入されながら固定されるのである。
【0045】
この時、図5に図示された通り、支持バー11の一側に支持溝11a、11bが形成された場合には、前述したインサート部材11cは支持バー11の他側に形成されることが好ましい。このように構成すると、支持溝11a、11bにホルダー40が挿入されるように力が印加される状況でもインサート部材11cがガイド部材10aに挿入された状態が安定的に維持され得るためである。
【0046】
ひいては、図6に図示された通り、前述したガイド部材10aとインサート部材11cをハブ10と支持バー11の一側と他側にそれぞれ形成することも可能であり、このように構成すると、支持溝11a、11bにホルダー40が挿入される方向がどのような方向になっても安定的な固定が可能となる。
【0047】
また、ハブ10と支持バー11の一側に形成されたインサート部材11cおよびガイド部材10aが、ハブ10と支持バー11の他側に形成された前記インサート部材11cおよびガイド部材10aと異なる高さを有するように形成することも可能である。すなわち、一側のインサート部材11cの高さをh1に形成し、他側のインサート部材11cの高さをh2に形成するのである。また、一側のガイド部材10aと他側のガイド部材10aに形成された離隔空間の高さもこれに対応するように形成する。このように構成すると、作業者が支持バー11を装着する場合、一側と他側の方向が変わった状態で組み立てられる誤組立を防止することができ、作業者は別途に注意を払わなくてもこのような構造的な特徴を通じて支持バー11を正確に装着できるようになる。
【0048】
図7に図示された通り、ホルダー40はハブ10に連結されて位置が固定される外部ケース100とカテーテル30の一端に連結されて外部ケース100の長さ方向Lo、Liに沿って移動可能な内部ケース200を含む。このような内部ケース200は外部ケース100の内部に配置され、内部ケース200が外部ケース100の長さ方向Lo、Liに沿って移動することになると、これに連結されたカテーテル30も共に移動することになるのである。
【0049】
このように、骨髓腔内に投入されたカテーテル30の位置移動のためにホルダー40が備えられ、さらにホルダー40を外部ケース100と内部ケース200で構成し、このような内部ケース200が外部ケース100の内部で外部ケース100の長さ方向Lo、Liに移動する動作を通じてカテーテル30の位置を移動させるため、カテーテル30の位置移動が容易となって骨髓採取作業の便宜性が向上する効果がある。
【0050】
すなわち、図8の(a)に図示された通り、ハブ10が挿入された状態でカテーテル30は引き込み方向Liに沿って移動しながら骨髓採取位置まで到達することになり、このようなカテーテル30に注射器20が連結されると、注射器20のピストンを引いて骨髄を採取することになる。一定量の骨髄が採取されると図8の(b)に図示された通り、ハブ10は位置が固定された状態でカテーテル30のみを引き出し方向Loに沿って移動することになる。この時、注射器20はカテーテル30のヘッド部31に連結された状態で共に移動することになる。また、新しく移動した位置でも一定量の骨髄が採取されると、図8の(c)に図示された通り、カテーテル30と注射器20のみが移動しながら新しい位置で骨髄を採取することになる。
【0051】
このような外部ケース100と内部ケース200は外部ケース100の長さ方向に沿って相対的な移動動作ができるように構成され、このために外部ケース100には内部ケース200が締結される第1締結部110が形成され、内部ケース200にはこのような第1締結部110と締結される第2締結部210が形成される。
【0052】
このように、外部ケースと内部ケースが相互に締結される締結部が形成されるため、カテーテルの位置移動が安定的に動作できるようになって骨髓採取の過程で患者が感じる苦痛が減少することになる効果がある。
【0053】
この時、図9の(a)に図示された通り、第1締結部110には外部ケース100の長さ方向Lo、Liに沿って複数個の係止段111が形成され、第2締結部210には係止段111に沿って移動する係止突起211が形成される。このような係止段111には外部ケース100の半径方向rの内側を向かうように傾斜角aが形成された係止面112が形成される。
【0054】
すなわち、内部ケース200が引き出される方向Loに移動することになると、このような内部ケース200に一体に固定された係止突起211も同じ方向にともに移動することになり、このような過程で係止突起211は係止段111に形成された係止面112に沿って移動することになる。この時、前述した通り、係止面112は外部ケース100の半径方向rの内側を向かうように傾斜が形成されるため、係止突起211はこのような係止面112に沿って移動する過程で弾性変形され、係止面112が形成されていない段差面114に到達することになると、このような係止突起211が弾性復元される。このために係止突起211は弾性変形が可能な材質で構成されることが好ましい。
【0055】
作業者はこのように係止突起211が係止面112に沿って移動しながら弾性変形され、その後係止突起211が段差面114に到達することになると弾性復元される過程を通じて内部ケース200を安定的に移動させることができるだけでなく、内部ケース200がどの程度移動したかを手の感覚を通じて感じることができるため、骨髓採取作業の便宜性が向上する効果がある。
【0056】
併せて、係止突起211が係止段111の段差面114に支持されるように構成されることによって内部ケース200が引き込まれる方向Liに再び移動しないため、効果的に骨髓採取が可能となる。
【0057】
骨髓採取装置を最初に挿入する場合には外部ケース100の内部に内部ケース200を挿入し、内部ケース200を引き込み方向Liに移動させる過程が必要であり、内部ケース200を引き込ませる過程で係止突起211が係止段111の段差面114に支持され得るが、係止突起211が有する弾性力よりも大きな力を印加すると、内部ケース200を効果的に引き込ませることができるようになる。
【0058】
または、図9の(b)に図示された通り、係止面112は内部ケース200が引き出される方向Loに沿って傾斜が形成された第1係止面112aと内部ケース200が引き込まれる方向Liに沿って傾斜が形成された第2係止面112bを含むことができる。
【0059】
すなわち、内部ケース200が引き出される過程で係止突起211は第1係止面112aに沿って移動しながら弾性変形され、その後係止突起211が第2係止面112bに到達することになると弾性復元されるように構成するのである。この時、第2係止面112bの傾斜は図9の(a)に図示された係止段111の段差面114の傾斜よりは小さく形成することができる。すなわち、係止段111の段差面114の傾斜が90°であると仮定する時、第2係止面112bの傾斜は90°より小さく形成するのである。
【0060】
このように構成すると、内部ケース200が引き出される過程で係止突起211が弾性変形と弾性復元を繰り返すことになり、これを通じて内部ケース200を安定的に引き出しさせることができ、骨髓採取装置を最初に挿入する場合にも内部ケース200を引き込ませる過程で係止突起211が第2係止面112bに沿って弾性変形されて移動することになるため、小さい力でも内部ケース200を効果的に引き込ませることができるようになる。
【0061】
ただし、第2係止面112bの傾斜は、骨髓採取の際に内部ケース200の引き出し過程で係止突起211が引き込み方向に再び移動しないように効果的に支持できる程度の角度で形成されることが好ましい。
【0062】
また、第2係止面112bの傾斜角a2は前記第1係止面112aの傾斜角a1より大きく形成されることが好ましい。このように構成すると、内部ケース200の引き出し時に係止突起211が第1係止面112aに沿って効果的に弾性変形した後、第2係止面112bに到達しながら効果的に弾性復元され得るようになる。
【0063】
係止突起211は図9の(a)に図示された通り、単一の弾性材質で形成され得るが、または図9の(b)に図示された通り、外部ケース100の半径方向rの外側に向かうように弾性力を印加する第1弾性部材211aとこのような第1弾性部材211aが離脱しないように固定する固定フレーム211bを含むように構成することも可能である。
【0064】
このような第1弾性部材211aとしては板スプリングのような弾性部材が使われ得、このように構成すると、作業者は第1弾性部材211aの弾性変形と弾性復元が繰り返される過程を通じて内部ケース200を安定的に移動させることができるだけでなく、内部ケース200がどの程度移動したかを手の感覚を通じてさらに確実に感じることができるため骨髓採取作業の便宜性が向上し得、内部ケース100の移動過程で弾性変形と弾性復元が繰り返されても効果的に弾性力を確保できるようになる。
【0065】
この時、外部ケース100と内部ケース200の間には内部ケース200が引き込まれる方向に弾性力を印加する第2弾性部材120が備えられ得る。
図10に図示された通り、係止突起211が係止段111の段差面114に支持された状態で、係止突起211と係止段111の係止面112は一定の距離離隔される。これは、係止突起211の弾性復元時に係止面112に接しないように構成することによって、作業者が確実に感じることができるようにするためである。
【0066】
ただし、このように係止突起211と係止面112が互いに離隔することによって、係止突起211が係止面112に接触することになる瞬間まで内部ケース200が追加で引き出され得るようになるが、このような状態で骨髄を採取することになると、骨髄採取の位置が正確に維持されなくなり得る。
【0067】
したがって、図10に図示された通り、第2弾性部材120が内部ケース200の引き込み方向Liに内部ケース200に弾性力を印加することになると、係止突起211が弾性復元した後に内部ケース200が追加で引き出されることを防止できるようになる。すなわち、第2弾性部材120の弾性力を利用して外部ケース100と内部ケース200の位置を安定的に固定するため、骨髓採取作業が安定的になされ得る効果がある。
【0068】
このために、外部ケース100の一側には第2弾性部材120の一端を支持する支持部130が備えられ、係止突起211は第2弾性部材120の他端を支持するように構成され得る。
【0069】
併せて、支持部130には外部ケース100に装着または脱着できるように結合部材131が備えられ得る。このように構成すると、弾性係数が異なる第2弾性部材120を設置するか、複数の第2弾性部材120を設置するなどの第2弾性部材120の弾性力を作業者が調節することが可能であり、第2弾性部材120が破損したり汚染した場合にこれを分離して取り換えまたは洗浄した後、再び設置が可能となる。
【0070】
図11に図示された通り、第1締結部110には外部ケース100の内周面に沿って第1ねじ部材113が形成され、第2締結部210には内部ケース200の外周面に沿って第1ねじ部材113に対応する第2ねじ部材212が形成され得る。
【0071】
すなわち、内部ケース200を回転させる方式で内部ケース200の引き込みまたは引き出しが可能となってカテーテル30の位置移動が容易となり、外部ケース100と内部ケース200がねじ締結されるため安定的に位置が固定され得るようになる。
【0072】
この時、図12に図示された通り、外部ケース100と内部ケース200の間には内部ケース200が引き込まれる方向に弾性力を印加する第2弾性部材120が備えられ得る。
【0073】
このように第2弾性部材120が備えられると、内部ケース100が任意に引き出されることを防止できるようになる。この時、第2弾性部材120の弾性力によって内部ケース100が回転しながら任意に引き込まれることを防止するストッパー(図示されず)が備えられることが好ましい。
【0074】
このような外部ケース100の一側には第2弾性部材120の一端を支持する支持部130が備えられ、第2ねじ部材212は第2弾性部材120の他端を支持するように構成され得る。
【0075】
併せて、支持部130には外部ケース100に装着または脱着できるように結合部材131が備えられ得る。このように構成すると、弾性係数が異なる第2弾性部材120を設置するか、複数の第2弾性部材120を設置するなどの第2弾性部材120の弾性力を作業者が調節することが可能であり、第2弾性部材120が破損したり汚染した場合にこれを分離して取り換えまたは洗浄した後、再び設置が可能となる。
【0076】
本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に含まれるものと言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12