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特許7481037MEMS環境センサ、およびその準備方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】MEMS環境センサ、およびその準備方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20240501BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G01D5/12 H
B81B3/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022562742
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2021087504
(87)【国際公開番号】W WO2021209004
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202010305608.0
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building D & E, No.2 Guangdong Road,Zhangjiagang Free Trade Zone,Zhangjiagang,Jiangsu,215634 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン、インシク
(72)【発明者】
【氏名】チー、ピン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ、ソンション
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-510201(JP,A)
【文献】特表2016-511401(JP,A)
【文献】特表2017-519995(JP,A)
【文献】特開2007-210083(JP,A)
【文献】特表2015-525344(JP,A)
【文献】特開2008-8820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01L 1/00-27/02
H01L 29/84
B81B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝達基板と、伝達媒体と、荷重ベアリング基板と、少なくとも1つの磁気検出素子と、を備えるMEMS環境センサであって、
伝達空洞が、該伝達基板の内部に設けられ、該伝達空洞は、該伝達基板を貫き、該伝達媒体は、該伝達空洞の内部に位置し、該伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、該入力ポートの表面積は、該出力ポートの表面積よりも大きく、弾性伝達膜が、該入力ポートの面上に設けられ、弾性圧膜が、該出力ポートの面上に設けられ、
荷重ベアリング空洞が、該荷重ベアリング基板内に設けられ、該荷重ベアリング空洞は、該荷重ベアリング基板を貫き、該磁気検出素子は、該荷重ベアリング空洞の内部に少なくとも配置され、該荷重ベアリング空洞は、該伝達空洞から離れている該弾性圧膜の片面に位置し、該弾性圧膜が位置する平面上の該荷重ベアリング空洞の垂直突出は、該弾性圧膜が位置する該平面上の該出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合い、
信号変換材料をさらに含み、該信号変換材料の少なくとも一部は、前記伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散される、または該信号変換材料の少なくとも一部は、前記弾性圧膜の面上に磁気フィルムの形態で配設される、MEMS環境センサ。
【請求項2】
前記伝達空洞は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備え、前記入力ポートは、前記伝達空洞の該第1の面上に位置し、前記出力ポートは、前記伝達空洞の該第2の面上に位置し、代替として、前記入力ポートおよび前記出力ポートは共に、前記伝達空洞の該第2の面上に位置し、前記伝達空洞の該第1の面は、硬質の底面であり、
前記荷重ベアリング空洞は、互いに対向するように設けられている第3の面および第4の面を備え、該第3の面は、前記弾性圧膜に取り付けられ、該第4の面は、硬質の底面である、請求項1記載のMEMS環境センサ。
【請求項3】
前記磁気検出素子は、前記荷重ベアリング空洞の前記第4の面上に設けられ、
前記磁気検出素子は、前記伝達空洞の前記第1の面上にも設けられ、前記弾性圧膜の片面の面は、前記荷重ベアリング空洞に向いている、または前記弾性圧膜の片面の面は、前記伝達空洞に向いている、請求項2記載のMEMS環境センサ。
【請求項4】
前記磁気検出素子は、前記荷重ベアリング空洞の前記第4の面上に設けられ、
前記弾性圧膜から離れている前記磁気検出素子の片面上に配設された接続線および接触電極をさらに備え、該接続線は、前記磁気検出素子と電気的に接続され、該接触電極は、該接続線と電気的に接続される、請求項3記載のMEMS環境センサ。
【請求項5】
前記信号変換材料は、磁性材料を含み、該磁性材料は、前記伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散され、あるいは前記伝達空洞に向いている前記弾性圧膜の片面の面上におよび/または前記荷重ベアリング空洞に向いている前記弾性圧膜の片面の面上に磁気フィルムの形態で配設され、
代替として、前記信号変換材料は、非磁性金属材料、および励磁コイルを含み、該非磁性金属材料は、前記伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散され、あるいは前記伝達空洞に向いている前記弾性圧膜の片面の面上におよび/または前記荷重ベアリング空洞に向いている前記弾性圧膜の片面の面上に磁気フィルムの形態で配設され、該励磁コイルは、前記荷重ベアリング空洞の内部に設けられ、高周波交流電流が、該励磁コイルに印加され、該非磁性金属材料を駆動するために使用されて誘導渦電流を生成し、それによって誘導磁場を生成する、請求項記載のMEMS環境センサ。
【請求項6】
硬質カバー層が、前記伝達空洞から離れた前記弾性伝達膜の片面の面上に設けられる、請求項1からのいずれか一項記載のMEMS環境センサ。
【請求項7】
真空フードが、前記伝達空洞から離れた前記弾性伝達膜の片面に設けられ、該真空フードおよび前記弾性伝達膜は、シールされた空洞を形成し、該シールされた空洞は、真空でシールされた空洞、または知られている基準圧力を有するシールされた空洞であり、
マス・ブロックが、該シールされた空洞の内部に設けられ、該マス・ブロックは、前記弾性伝達膜の面上に設けられ、代替として、該シールされた空洞は、カウンターウェイトの液体で満たされる、請求項1からのいずれか一項記載のMEMS環境センサ。
【請求項8】
前記第1の面および前記第2の面は、互いに平行であり、共に前記伝達基板の面が位置する平面に平行であり、
前記第3の面および前記第4の面は、互いに平行であり、共に前記荷重ベアリング基板の面が位置する平面に平行である、請求項2記載のMEMS環境センサ。
【請求項9】
前記磁気検出素子は、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、トンネル接合磁気抵抗、ホール素子、圧電材料、または誘電材料のうちの1つを含む、請求項1記載のMEMS環境センサ。
【請求項10】
前記磁気検出素子の面上に位置する第1のパッシベーション層と、前記磁気フィルムの面上に位置する第2のパッシベーション層とをさらに備える、請求項記載のMEMS環境センサ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項記載の前記MEMS環境センサを準備するために使用されるMEMS環境センサのための準備方法であって、
伝達基板、荷重ベアリング基板、および該伝達基板と該荷重ベアリング基板との間に位置する弾性フィルムを備える半導体基板を選択するステップと、
該伝達基板の内部に伝達空洞を準備するステップであって、該伝達空洞は、該伝達基板を貫き、該伝達媒体は、該伝達空洞の内部に位置し、該伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、該入力ポートの表面積は、該出力ポートの表面積よりも大きい、伝達空洞を準備するステップ、該入力ポートの面上に弾性伝達膜を準備するステップ、および該出力ポートの面上に弾性圧膜を準備するステップであって、少なくとも該弾性圧膜が該弾性フィルムである、弾性圧膜を準備するステップと、
該荷重ベアリング基板内に荷重ベアリング空洞を準備するステップであって、該荷重ベアリング空洞は、該荷重ベアリング基板を貫き、該荷重ベアリング空洞は、該伝達空洞から離れている該弾性膜の片面に位置し、該弾性圧膜が位置する平面上の該荷重ベアリング空洞の垂直突出は、該弾性圧膜が位置する該平面上の該出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う、荷重ベアリング空洞を準備するステップと、
少なくとも該荷重ベアリング空洞内に少なくとも1つの磁気検出素子を準備するステップと、を含む準備方法。
【請求項12】
前記伝達空洞は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備え、前記入力ポートは、前記伝達空洞の該第1の面上に位置し、前記出力ポートは、前記伝達空洞の該第2の面上に位置し、
前記入力ポートの前記面上に弾性伝達膜を前記準備するステップ、および前記出力ポートの前記面上に弾性圧膜を準備するステップは、少なくとも前記弾性圧膜が前記弾性フィルムであり、
前記面が弾性伝達膜で覆われている第1の副ウェハを選択するステップと、前記伝達空洞を形成するように前記弾性伝達膜が前記伝達基板を向いているやり方で該第1の副ウェハおよび前記伝達基板を接着するステップと、を含み、
前記弾性圧膜は、前記弾性フィルムであり、
前記準備方法は、
エッチングにより該第1の副ウェハを除去してMEMS環境センサを得るステップをさらに含む、請求項11記載の準備方法。
【請求項13】
前記伝達空洞は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備え、前記入力ポートおよび前記出力ポートは共に、前記伝達空洞の該第2の面上に位置し、前記伝達空洞の該第1の面は、硬質の底面であり、
前記入力ポートの前記面上に弾性伝達膜を前記準備するステップ、および前記出力ポートの前記面上に弾性圧膜を準備するステップは、少なくとも前記弾性圧膜が前記弾性フィルムであり、
前記弾性フィルムである前記弾性伝達膜、および前記弾性フィルムである前記弾性圧膜を含み、
前記荷重ベアリング基板内に荷重ベアリング空洞を準備する前に、前記準備方法は、
第2の副ウェハを選択するステップと、前記伝達空洞を形成するように該第2の副ウェハおよび前記伝達基板を接着するステップと、をさらに含み、
前記準備方法は、
エッチングにより伝達ポートに対応する位置で前記荷重ベアリング基板を除去して、MEMS環境センサを得るステップをさらに含む、請求項11記載の準備方法。
【請求項14】
少なくとも前記荷重ベアリング空洞内に少なくとも1つの磁気検出素子を前記準備するステップは、
第3の副ウェハを選択するステップ、該第3の副ウェハの面上に少なくとも1つの磁気検出素子を準備するステップ、および前記荷重ベアリング空洞、および前記荷重ベアリング空洞の内部に位置する少なくとも1つの磁気検出素子を形成するように前記磁気検出素子が前記荷重ベアリング基板に向いているやり方で該第3の副ウェハおよび前記荷重ベアリング基板を接着するステップを含む、請求項11記載の準備方法。
【請求項15】
前記第3の副ウェハの前記面上に少なくとも1つの磁気検出素子を前記準備するステップは、
前記第3の副ウェハの前記面上にセンシング材料フィルムを堆積させるステップと、フォトリソグラフィによって磁気検出素子および接続線を形成するステップと、を含み、
前記荷重ベアリング空洞、および前記荷重ベアリング空洞の内部に位置する少なくとも1つの磁気検出素子を形成した後に、前記準備方法は、
該接続線の一部が露出させられるまで前記荷重ベアリング基板から離れている前記第3の副ウェハの片面から前記第3の副ウェハを薄型化およびエッチングするステップと、接触電極を形成するように該接続線の露出部分に金属材料を堆積させるステップと、をさらに含む、請求項14記載の準備方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は、環境パラメータ検出センサの技術分野に関し、より詳細には、MEMS環境センサ、およびその準備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、環境センサは、温度センサ、圧力センサ、変位センサ、振動センサ、マイクロフォン等などの一連の区分を含み、様々な区分の間でチップ設計、材料、プロセス、および封止構造に比較的大きな違いが存在し、複数の異なるタイプの環境センサを統合することを難しくさせ、または複雑な統合プロセスをもたらす。加えて、圧力センサ、変位センサ、振動センサ、マイクロフォン等のための既存のセンサ・チップは、高信号対ノイズ比と低消費電力との両方の要求を同時に満たすことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本発明の各実施形態は、MEMS環境センサ、およびその準備方法を提供するものであり、パスカルの原理に基づいて、伝達空洞の入力ポートおよび出力ポートの寸法の差を使用して大きい体積の領域内の小さい変位を小さい体積の領域内の大きい変位に変換し、多成分高感度材料が、変位の変化を磁場の変化などの中間変数を介して電気抵抗の変化に変換する磁気検出素子として適合され、磁気検出素子の特徴、すなわち、高感度および低消費電力によって、環境温度、圧力、変位、振動および音波などの環境パラメータのためのセンサが、同じプロセスを用いて単一のチップ上に準備され、これにより、センサの高信号対ノイズ比および低消費電力を確実にしつつ、環境センサの統合および小型化を助ける。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、本発明の各実施形態は、伝達基板と、伝達媒体と、荷重ベアリング基板と、少なくとも1つの磁気検出素子と、を備えるMEMS環境センサであって、
伝達空洞が、伝達基板の内部に設けられ、伝達空洞は、伝達基板を貫き、伝達媒体は、伝達空洞の内部に位置し、伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きく、弾性伝達膜が、入力ポートの面上に設けられ、弾性圧膜が、出力ポートの面上に設けられ、
荷重ベアリング空洞が、荷重ベアリング基板内に設けられ、荷重ベアリング空洞は、荷重ベアリング基板を貫き、磁気検出素子は、荷重ベアリング空洞の内部に少なくとも配置され、荷重ベアリング空洞は、伝達空洞から離れている弾性圧膜の片面に位置し、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う、MEMS環境センサを提供する。
【0005】
第2の態様によれば、本発明の各実施形態は、第1の態様によるMEMS環境センサを準備するMEMS環境センサのための準備方法であって、
伝達基板、荷重ベアリング基板、および伝達基板と荷重ベアリング基板との間に位置する弾性フィルムを備える半導体基板を選択するステップと、
伝達基板の内部に伝達空洞を準備するステップであって、伝達空洞は、伝達基板を貫き、伝達媒体は、伝達空洞の内部に位置し、伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きい、伝達空洞を準備するステップ、入力ポートの面上に弾性伝達膜を準備するステップ、および出力ポートの面上に弾性圧膜を準備するステップであって、少なくとも弾性圧膜が弾性フィルムである、弾性圧膜を準備するステップと、
荷重ベアリング基板内に荷重ベアリング空洞を準備するステップであって、荷重ベアリング空洞は、荷重ベアリング基板を貫き、荷重ベアリング空洞は、伝達空洞から離れている弾性膜の片面に位置し、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う、荷重ベアリング空洞を準備するステップと、
少なくとも荷重ベアリング空洞内に少なくとも1つの磁気検出素子を準備するステップと、を含む準備方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態により与えられるMEMS環境センサ、およびその準備方法によれば、伝達空洞は、伝達基板の内部に設けられ、伝達空洞内の入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きいようにさらに設定され、パスカルの原理に基づいて、伝達空洞の体積の差を使用して大きい体積の領域内の小さい変位を小さい体積の領域内の大きい変位に変換し、同時に、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合うように設定され、これにより、大きい変位を荷重ベアリング空洞に伝達し、多成分高感度材料が、荷重ベアリング空洞内の磁気検出素子として適合されるので、したがって、変位の変化は、磁場の変化などの中間変数を介して電気抵抗の変化に変換することができ、磁気検出素子の特徴、すなわち、高感度および低消費電力によって、環境温度、圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータのためのセンサは、同じプロセスを用いて単一のチップ上に準備され、センサの高信号対ノイズ比および低消費電力を確実にしつつ、環境センサの統合および小型化を助ける。
【0007】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、以下添付図面を参照してなされる非限定の各実施形態の詳細な説明を読むことでより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態によるMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図2】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図3】本発明の一実施形態によるMEMS環境センサの上面図構造の概略図である。
図4】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの上面図構造の概略図である。
図5】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図6】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図7】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図8】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図9】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図10】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図11】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図12】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図13】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図14】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図15】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図16】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。
図17】本発明の一実施形態によるMEMS環境センサのための準備方法のフローチャートである。
図18】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサのための準備方法のフローチャートである。
図19-28】図18に対応する準備方法における全てのステップの特定の準備プロセスの図である。
図29】本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサのための準備方法のフローチャートである。
図30-37】図29に対応する準備方法における全てのステップの特定の準備プロセスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本発明の技術的解決策は、本発明の実施形態において、実施のやり方を通じて、および添付図件を参照して、以下に完全に説明される。説明される各実施形態は、本発明の実施形態の一部であり、全部ではないことは明らかである。発明能力を伴わずに本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られる他の各実施形態の全ては、本発明の保護範囲によって包含されるものとする。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態によるMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図2は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図3は、本発明の一実施形態によるMEMS環境センサの上面図構造の概略図であり、図4は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの上面図構造の概略図である。図1から図4を参照すると、本発明の実施形態によって提供されるMEMS環境センサ10は、伝達基板102、伝達媒体、荷重ベアリング基板101、および少なくとも1つの磁気検出素子107を備え、伝達空洞103が、伝達基板102の内部に設けられ、伝達空洞103は、伝達基板102を貫き、伝達媒体は、伝達空洞103の内部に位置し、伝達空洞103は、少なくとも1つの入力ポート1031および少なくとも1つの出力ポート1032を備え、入力ポートの表面積1031は、出力ポートの表面積1032よりも大きく、弾性伝達膜105が、入力ポート1031の面上に設けられ、弾性圧膜104が、出力ポート1032の面上に設けられ、荷重ベアリング空洞106は、荷重ベアリング基板101内に設けられ、荷重ベアリング空洞106は、荷重ベアリング基板101を貫き、磁気検出素子107は、荷重ベアリング空洞106の内部に少なくとも配置され、荷重ベアリング空洞103は、伝達空洞103から離れている弾性圧膜104の片面に位置し、弾性圧膜104が位置する平面上の荷重ベアリング空洞106の垂直突出は、弾性圧膜104が位置する平面上の出力ポート1032の垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。
【0011】
例示として、図1から図4に示されるように、伝達基板102を貫く伝達空洞103が、伝達基板102の内部に形成され、伝達空洞103は、伝達媒体(図示せず)で覆われ、伝達媒体は、本明細書中では空気であり得る力の伝達を可能にする液体または気体である。伝達ポート1031および出力ポート1032は、伝達空洞103の面上に形成され、入力ポートの表面積1031は、出力ポートの表面積1032よりも大きく、弾性伝達膜105が、入力ポート1031の面上に設けられ、弾性圧膜104が、出力ポート1032の面上に設けられる。外部環境の圧力または振動が、比較的大きい表面積を有する弾性伝達膜105の外面に作用するとき、作用する力は、伝達媒体を介して比較的小さい表面積を有する弾性圧膜104へ伝達される。パスカルの原理に従って、比較的小さい表面積を有する弾性圧膜104の変形振幅は、比較的大きい表面積を有する弾性伝達膜105の変形よりも大きく、それによって、外部環境の変化は、増幅される。
【0012】
さらに、荷重ベアリング基板101を貫く荷重ベアリング空洞106が、荷重ベアリング基板101内に設けられ、荷重ベアリング空洞103は、伝達空洞103から離れている弾性圧膜104の片面に位置し、弾性圧膜104が位置する平面上の荷重ベアリング空洞106の垂直突出は、弾性圧膜104が位置する平面上の出力ポート1032の垂直突出と少なくとも部分的に重なり合い、磁気検出素子107は、荷重ベアリング空洞106の内部に少なくとも配置される。このようにして、対応する変位が弾性圧膜104に生じるとき、磁気検出素子107の位置における磁場が、変化するようになされる。磁気検出素子107は、高感度磁気抵抗素子とすることができ、したがって、変位の変化は、磁場の変化などの中間変数を介して電気抵抗の変化に変換され、結果として、外部圧力、振動、または音波信号は、正確に測定することができ、同時に、磁気検出素子の特徴、すなわち、高感度および低消費電力によって、圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータのためのセンサは、同じプロセスを用いて単一のチップ上に準備され、これは、MEMS環境センサの統合および小型化設計を助け、MEMS環境センサの開発の傾向に適合する。
【0013】
さらに、図3図4の組合せにおいて、本発明の実施形態により与えられる伝達空洞103は、1つまたは複数の伝達ポートおよび1つまたは複数の出力ポートを備えることができる。図3は、説明のための一例として、1つの伝達ポートおよび1つの出力ポートを備える伝達空洞103を取り上げ、図4は、説明のための一例として、2つの伝達ポートおよび1つの出力ポートを備える伝達空洞103を取り上げ、伝達空洞103内に具体的に備えられる伝達ポートおよび出力ポートの個数は、本発明の実施形態に限定されない。
【0014】
伝達空洞103は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備えることができ、入力ポート1031は、伝達空洞103の第1の面上に位置し、出力ポート1032は、伝達空洞103の第2の面上に位置し、代替として、入力ポート1031および出力ポート1032は、共に伝達空洞103の第2の面上に位置し、伝達空洞103の第1の面は、硬質の底面であり、荷重ベアリング空洞102は、互いに対向するように設けられている第3の面および第4の面を備え、第3の面は、弾性圧膜104に取り付けられ、第4の面は、硬質の底面であることに留意されたい。すなわち、伝達空洞103内の入力ポート1031および出力ポート1032について、2つの異なる設定のやり方がある。設定のやり方の1つは、図1に示されるようなものであり、入力ポート1031および出力ポート1032は、伝達空洞103の異なる面上に位置し、入力ポート1031および出力ポート1032は積み重ねられており、入力ポート1031は、伝達空洞103の第1の面上に位置し、出力ポート1032は、伝達空洞103の第2の面上に位置する。他の設定のやり方では、図2から図4に示されるように、入力ポート1031および出力ポート1032は、伝達空洞103の同じ面上に位置し、入力ポート1031および出力ポート1032は、平行に設けられ、入力ポート1031および出力ポート1032は、共に伝達空洞103の第2の面上に位置し、伝達空洞103の第1の面は、硬質の底面である。加えて、入力ポート1031および出力ポート1032の設定のやり方に関わらず、荷重ベアリング空洞102は、互いに対向するように設けられている第3の面および第4の面を常に備え、第3の面は、図1および図2に示されるように、弾性圧膜104に取り付けられ、第4の面は、硬質の底面である。入力ポート1031および出力ポート1032の設定のやり方は、本発明の実施形態に限定されず2つの異なる実施は、本発明の実施形態においてそれぞれ詳細に説明される。
【0015】
図3および図4において、荷重ベアリング空洞106の内部構造を詳細に例示するために、荷重ベアリング空洞106の硬質の底面が、図3および図4に示されていないが、荷重ベアリング空洞106の内部構造が、直接示されることにさらに留意されたい。
【0016】
要するに、本発明の実施形態により与えられるMEMS環境センサによれば、伝達空洞は、伝達基板の内部に設けられ、伝達空洞内の入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きくなるようにさらに設定され、パスカルの原理に基づいて、伝達空洞の体積の差を使用して大きい体積の領域内の小さい変位を小さい体積の領域内の大きい変位に変換し、同時に、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合うように設定され、これにより、大きい変位を荷重ベアリング空洞に伝達し、多成分高感度材料が、荷重ベアリング空洞内の磁気検出素子として適合されるので、したがって、変位の変化は、磁場の変化などの中間変数を介して電気抵抗の変化に変換することができ、磁気検出素子の特徴、すなわち、高感度および低消費電力によって、圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータのためのセンサは、同じプロセスを用いて単一のチップ上に準備され、これにより、センサの高信号対ノイズ比および低消費電力を確実にしつつ、環境センサの統合および小型化を助ける。
【0017】
実現可能な実施として、伝達空洞103の第1の面および第2の面は、互いに平行であり、共に伝達基板102の面が位置する平面に平行であり、荷重ベアリング空洞106の第3の面および第4の面、互いに平行であり、共に荷重ベアリング基板101の面が位置する平面に平行である。このようにして、本発明の実施形態により与えられるMEMS環境センサが、MEMS環境センサの最小化設計を助け、MEMS環境センサのユニバーサリティを強化する規則的な構造を有することが確実にされ得る。
【0018】
実現可能な実施として、磁気検出素子107は、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、トンネル接合磁気抵抗、ホール素子、圧電材料、または誘電材料のうちの1つを含むことができ、磁気検出素子107を高感度磁気抵抗素子であるように設定することによって、MEMS環境センサは、外部環境温度、圧力、振動、または音波信号を正確に測定することができることが確実にされる。
【0019】
実現可能な実施として、図5は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。図1図2、および図5の組合せにおいて、(図1および図2に示されるように)磁気検出素子107は、荷重ベアリング空洞106の第4の面上に設けることができ、(図5に示されるように)磁気検出素子107は、伝達空洞103の第1の面上に設けることもでき、荷重ベアリング空洞106に向いている弾性圧膜104の片面の面、または弾性圧膜104の片面の面は、伝達空洞103(図示せず)に向いている。
【0020】
具体的には、本発明の一実施形態では、少なくとも1つの磁気検出素子107は、少なくとも荷重ベアリング空洞106内に設けられる。この時点で、(図1および図2に示されるように)磁気検出素子107は、荷重ベアリング空洞106の第4の面上に設けることができ、荷重ベアリング空洞106に向いている弾性圧膜104の片面の面上に設けることもできる(図示せず)。また、磁気検出素子107は、伝達空洞103内に設けることもでき、この時点で、(図5に示されるように)磁気検出素子107は、達空洞103の第1の面上に設けることができ、または伝達空洞103に向いている弾性圧膜104の片面の面上に設けることもできる(図示せず)。磁気検出素子107が設けられる特定の位置は、本発明の実施形態に限定されない。さらに、磁気検出素子107が、荷重ベアリング空洞106内と伝達空洞103内の両方に設けられるとき、したがって、磁場信号の差動出力が実現され、これは、外部干渉を減少させ、MEMS環境センサの感度も改善する。
【0021】
実現可能な実施として、図6は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図7は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。図6および図7に示されるように、磁気検出素子107は、荷重ベアリング空洞106の第4の面上に設けられ、MEMS環境センサ10は、弾性圧膜104から離れている磁気検出素子107の片面に配設された接続線109および接触電極114をさらに備えてもよく、接続線109は、磁気検出素子107と電気的に接続され、接触電極114は、接続線109と電気的に接続される。ここで、図6は、説明のための一例として、伝達空洞103の第1の面上に位置する入力ポート1031、および伝達空洞103の第2の面上に位置する出力ポート1032を取り上げ、図7は、説明のための一例として、伝達空洞103の第2の面上に共に位置する入力ポート1031および出力ポート1032を取り上げる。図6および図7に示されるように、本発明の実施形態によって提供されるMEMS環境センサ10は、弾性圧膜104から離れている磁気検出素子107の片面に配設された接続線109および接触電極114をさらに備えることができ、磁気検出素子107は、接続線109を介して接触電極114へ信号を伝達し、これにより磁気検出素子107によって検出される信号が即座におよび正常に外に送信でき、MEMS環境センサが外部圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータを検出し、MEMS環境センサが正常に動作することができることを確実にする。
【0022】
図6および図7は、説明のための一例として、荷重ベアリング空洞106の第4の面上に設けられた磁気検出素子107だけを取り上げており、磁気検出素子107が、荷重ベアリング空洞106に向いている弾性圧膜104の片面の面、伝達空洞103の第1の面、または伝達空洞103に向いている弾性圧膜104の片面の面上に設けられるとき、磁気検出素子107によって検出される信号が即座におよび正常に外に送信できることを確実にするために、接続線109および接触電極114を与えることが同様に必要であることが理解できることについて留意されたい。接続線109および接触電極114が設けられるやり方は、図6および図7に示された設定のやり方と同じであり得るが、設定位置が異なる。特定の設定位置は、本発明の実施形態において詳しく述べられない。
【0023】
実現可能な実施として、MEMS環境センサ10は、信号変換材料をさらに備えることができ、信号変換材料の少なくとも一部は、伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散され、または信号変換材料の少なくとも一部は、弾性圧膜104の面上にフィルムの形態で配設される。具体的には、本発明の実施形態において与えられる信号変換材料は、高透磁率または大きい残留磁気を有する磁性材料であり得、信号変換材料を加えることよって、中間変数への変化の振幅が増大し、MEMS環境センサの感度が改善する。
【0024】
本発明の実施形態における信号変換材料について様々な設定のやり方が存在し得、信号変換材料に特有の設定のやり方は、以下に説明される。
【0025】
図8は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図9は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。図1図2図5図8、および図9の組合せにおいて、信号変換材料は、磁性材料110を含むことができ、磁性材料110は、図8および図9に示されるように、伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散され、代替として、磁性材料は、図1図2、および図5の磁気フィルム108によって示されるように、伝達空洞103に面している弾性圧膜104の片面の面上におよび/または荷重ベアリング空洞106に向いている弾性圧膜104の片面の面上にフィルムの形態で配設される。ここで、図8は、説明のための一例として、伝達空洞103の第1の面上に位置する入力ポート1031、および伝達空洞103の第2の面上に位置する出力ポート1032を取り上げ、図9は、説明のための一例として、伝達空洞103の第2の面上に共に位置する入力ポート1031および出力ポート1032を取り上げる。図8および図9に示されるように、磁性材料110は、弾性伝達膜105および弾性圧膜104の変形プロセスにおける変位を受けるようにされ、それによって磁気検出素子107の位置における磁場は、対応する変化を受け、それによって環境変化パラメータを得る。図1は、説明のための一例として、荷重ベアリング空洞106に向いている弾性圧膜104の片面の面上に位置する磁気フィルム108を取り上げ、図2および図5は、説明のための一例として、伝達空洞103に向いている弾性圧膜104の片面の面上に位置する磁気フィルム108を取り上げる。図1図2、および図5に示されるように、外部環境の圧力または振動が比較的大きい表面積を有する弾性伝達膜105の外面に作用するとき、作用する力は、伝達媒体を介して比較的小さい表面積を有する弾性圧膜104へ伝達され、これにより、圧膜104の面上で磁気フィルム108に生じる対応する変位を引き起こし、それによって、磁気検出素子107の位置における磁場の変化を引き起こし、したがって、環境変化パラメータを得る。
【0026】
図10は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図11は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。図10および図11に示されるように、信号変換材料は、非磁性金属材料111および励磁コイル112を含み、非磁性金属材料111は、図10および図11に示されるように、伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散され、代替として、非磁性金属材料111は、伝達空洞103に向いている弾性圧膜104の片面の面上に、および/または荷重ベアリング空洞106に向いている弾性圧膜104の片面の面上にフィルムの形態で配設され(図示せず)、励磁コイル112は、荷重ベアリング空洞106の内部に設けられ、高周波交流電流は、励磁コイル106に印加され、非磁性金属材料111を駆動するために使用されて誘導渦電流を生成し、それによって誘導磁場を生成する。ここで、図10は、説明のための一例として、伝達空洞103の第1の面上に位置する入力ポート1031、および伝達空洞103の第2の面上に位置する出力ポート1032を取り上げ、図11は、説明のための一例として、伝達空洞103の第2の面上に共に位置する入力ポート1031および出力ポート1032を取り上げる。図10および図11に示されるように、励磁コイル112に高周波交流電流を印加することによって、非磁性金属材料111は、誘導渦電流を生成させられ、それによって、誘導磁場を生成し、次いで、非磁性金属材料111の変位によって磁気検出素子107の位置における磁場を引き起こして対応する変化を受け、それによって環境変化パラメータを得る。
【0027】
信号変換材料の様々な異なる設定のやり方が、上に詳細に説明されており、信号変換材料に特有の設定のやり方は、信号変換材料を加えることによって、中間変数への変化の振幅が増加でき、そしてMEMS環境センサの感度が改善できることが確実にされる限り、本発明の実施形態に限定されない。
【0028】
上記の各実施形態に基づいて、図12は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図13は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。図12および図13に示されるように、硬質カバー層113は、本発明の実施形態によるMEMS環境センサ10における伝達空洞103から離れた弾性伝達膜105の片面の面上に設けられる。ここで、図12は、説明のための一例として、伝達空洞103の第1の面上に位置する入力ポート1031、および伝達空洞103の第2の面上に位置する出力ポート1032を取り上げ、図13は、説明のための一例として、伝達空洞103の第2の面上に共に位置する入力ポート1031および出力ポート1032を取り上げる。図12および図13に示されるように、硬質カバー層113は、MEMS環境センサ10の弾性伝達膜105と外部環境との間で完全に覆い、この時点で、弾性伝達膜105の変位は、温度によって引き起こされる伝達媒体の体積の変化によってのみ影響を受けるが、外部圧力、振動、または音波によって影響を受けない。この設計は、環境温度を測定するために使用され、MEMS環境センサが環境温度の測定を実現することができることを確実にし、MEMS環境センサ測定の使用の範囲を広くする。
【0029】
上記の各実施形態に基づいて、図14は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図15は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図であり、図16は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサの断面構造の概略図である。図14図15、および図16に示されるように、本発明の実施形態によって提供されるMEMS環境センサ10において、真空フード201は、伝達空洞103から離れた弾性伝達膜105の片面の面上に設けられ、真空フード201および弾性伝達膜105は、シールされた空洞を形成し、シールされた空洞は、知られている基準圧力を有する真空でシールされた空洞またはシールされた空洞であり、マス・ブロック200は、シールされた空洞の内部に設けられ、マス・ブロック200は、弾性伝達膜205の面上に設けられ、代替として、シールされた空洞は、カウンターウェイトの液体202で満たされる。ここで、図14は、説明のための一例として、伝達空洞103の第1の面上に位置する入力ポート1031、および伝達空洞103の第2の面上に位置する出力ポート1032を取り上げ、図15および図16は、説明のための一例として、伝達空洞103の第2の面上に共に位置する入力ポート1031および出力ポート1032を取り上げ、同時に、図14および図15は、説明のための一例として、シールされた空洞の内部に設けられるマス・ブロック200を取り上げ、図16は、説明のための一例として、カウンターウェイトの液体202で満たされたシールされた空洞を取り上げ、さらに、図15および図16は、説明のための一例として、圧電材料または誘電材料である磁気検出素子107を取り上げる。図14図15、および図16に示されるように、慣性パラメータへの弾性伝達膜105の応答を改善するために、マス・ブロック200および真空フード201は、図14および図15に示されるように、弾性伝達膜105の上方に設けられてもよく、または、図16に示されるように、シールされた空洞は、カウンターウェイトの液体202で覆われてもよい。真空フード201は、弾性伝達膜105上の伝達空洞103の突出領域と接触しておらず、同時に、真空フード201および弾性伝達膜105によって形成される空洞は、外部圧力の変化によって引き起こされる影響を無くすように真空でシールされるまたは知られている基準圧力に設定されるべきであり、これによって、MEMS環境センサが、慣性パラメータの測定を実現し、MEMS環境センサ測定の使用の範囲を広げることができることを確実にする。
【0030】
実現可能な実施として、MEMS環境センサ10は、磁気検出素子107および磁気フィルム108の封止保護を強化するために、磁気検出素子107の面上に位置する第1のパッシベーション層と、磁気フィルム108の面上に位置する第2のパッシベーション層とをさらに備え(図示せず)、磁気検出素子107および磁気フィルム108の耐用年数を改善し、そしてMEMS環境センサの耐用年数を改善することができる。
【0031】
同じ発明概念に基づいて、本発明の実施形態は、本発明の上述した各実施形態によるMEMS環境センサを準備するために使用されるMEMS環境センサのための準備方法をさらに与える。具体的には、図17は、本発明の一実施形態によるMEMS環境センサのための準備方法のフローチャートである。図17に示されるように、本発明の一実施形態によるMEMS環境センサのための準備方法は、以下のことを含む。
【0032】
S110.伝達基板、荷重ベアリング基板、および伝達基板と荷重ベアリング基板との間に位置する弾性フィルムを備える半導体基板を選択する。
【0033】
例示として、半導体基板は、SOI半導体基板とすることができ、伝達基板はSOI半導体基板における上層シリコン基板であってもよく、荷重ベアリング基板はSOI半導体基板におけるバッキング基板であってもよく、弾性フィルムはSOI半導体基板における酸化層であってもよく、代替として、伝達基板はSOI半導体基板におけるバッキング基板であってもよく、荷重ベアリング基板はSOI半導体基板における上層シリコン基板であってもよく、弾性フィルムはSOI半導体基板における酸化層であってもよい。
【0034】
S120.伝達基板の内部に伝達空洞を準備し、伝達空洞は、伝達基板を貫き、伝達媒体は、伝達空洞の内部に位置し、伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きく、入力ポートの面上に弾性伝達膜を準備し、出力ポートの面上に弾性圧膜を準備し、少なくとも弾性圧膜が弾性フィルムである。
【0035】
例示として、エッチング・プロセスを使用して、弾性フィルムの面に到達するまでエッチングすることによって伝達基板の内部に伝達空洞を準備し、伝達空洞は、伝達基板を貫く。伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きく、パスカルの原理に基づいて、伝達空洞の体積の差を使用して大きい体積の領域内の小さい変位を小さい体積の領域内の大きい変位に変換する。
【0036】
さらに、弾性伝達膜が、入力ポートの面上に準備され、弾性圧膜が、出力ポートの面上に準備され、少なくとも弾性圧膜は、弾性フィルムである。異なる構造を有する伝達空洞のために、入力ポートおよび出力ポートは、異なるやり方で設定され、弾性伝達膜および弾性圧膜も、異なるやり方で設定され、このことは、後で説明される。
【0037】
S130.荷重ベアリング基板内に荷重ベアリング空洞を準備し、荷重ベアリング空洞は、荷重ベアリング基板を貫き、荷重ベアリング空洞は、伝達空洞から離れている弾性膜の片面に位置し、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。
【0038】
例示として、エッチング・プロセスを使用して、弾性フィルムの面に到達するまで同様にエッチングすることによって荷重ベアリング基板の内部に荷重ベアリング空洞を準備して、荷重ベアリング空洞を得、荷重ベアリング空洞は、伝達空洞から離れている弾性膜の片面に位置し、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。このようにして、大きい変位を荷重ベアリング空洞へ伝達することができる。
【0039】
S140.少なくとも荷重ベアリング空洞内に少なくとも1つの磁気検出素子を準備する。
【0040】
少なくとも荷重ベアリング空洞内に少なくとも1つの磁気検出素子を準備することによって、変位の変化が磁場の変化などの中間変数を介して電気抵抗の変化に変換されることが確実にされる。一方、磁気検出素子の特徴、すなわち、高感度および低消費電力によって、環境温度、圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータのためのセンサは、同じプロセスを用いて単一のチップ上に準備され、これにより、センサの高信号対ノイズ比および低消費電力を確実にしつつ、環境センサの統合および小型化を助ける。
【0041】
要するに、本発明の実施形態により与えられるMEMS環境センサのための準備方法によれば、伝達空洞は、伝達基板の内部に準備され、伝達空洞内の入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きくなるようにさらに準備され、パスカルの原理に基づいて、伝達空洞の体積の差を使用して大きい体積の領域内の小さい変位を小さい体積の領域内の大きい変位に変換し、同時に、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合うように設定され、これにより、大きい変位を荷重ベアリング空洞に伝達し、多成分高感度材料が、荷重ベアリング空洞内の磁気検出素子として適合されるので、したがって、変位の変化は、磁場の変化などの中間変数を介して電気抵抗の変化に変換することができ、磁気検出素子の特徴、すなわち、高感度および低消費電力によって、圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータのためのセンサは、同じプロセスを用いて単一のチップ上に準備され、これにより、センサの高信号対ノイズ比および低消費電力を確実にしつつ、環境センサの統合および小型化を助ける。
【0042】
任意に、本発明の実施形態において与えられるMEMS環境センサは、2つの異なる構造を含むことができ、伝達空洞は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備えることができる。構造の1つにおいて、入力ポートは、伝達空洞の第1の面上に位置し、出力ポートは、伝達空洞の第2の面上に位置し、すなわち、入力ポートおよび出力ポートは、伝達空洞の異なる面上に位置し、入力ポートおよび出力ポートは、積み重ねられる。他の構造では、入力ポートおよび出力ポートは共に、伝達空洞の第2の面上に位置し、伝達空洞の第1の面は、硬質の底面である。準備方法はまた、異なる構造のために異なる。実際の準備プロセスの組合せにおいて、2つの異なる構造を有するMEMS環境センサのための準備方法が、以下詳細に説明される。
【0043】
まず、伝達空洞は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備え、入力ポートは、伝達空洞の第1の面上に位置し、出力ポートは、伝達空洞の第2の面上に位置し、すなわち、入力ポートおよび出力ポートは、伝達空洞の異なる面上に位置するということを、一例として取り上げることによって説明が与えられる。
【0044】
図18は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサのための準備方法のフローチャートであり、図18に示されるように、本発明の実施形態によるMEMS環境センサのための準備方法は、以下のことを含むことができる。
【0045】
S210.伝達基板、荷重ベアリング基板、および伝達基板と荷重ベアリング基板との間に位置する弾性フィルムを備える半導体基板を選択する。
【0046】
図19に示されるように、半導体基板は、伝達基板102、荷重ベアリング基板101、および伝達基板102と荷重ベアリング基板101との間に位置する弾性フィルム104’を備える。
【0047】
S220.伝達基板の内部に伝達空洞を準備し、伝達空洞は、伝達基板を貫き、伝達媒体は、伝達空洞の内部に位置し、伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きい。
【0048】
図20および図21に示されるように、まず、伝達基板102は、比較的大きいポート面積を有する伝達ポート1031を得るように荷重ベアリング基板101から離れている伝達基板102の片面で部分的にエッチングされ、次いで、伝達基板102のエッチングは、エッチングが弾性フィルム014の面に到達するまで続けられ、比較的小さいポート面積を有する出力ポート1032、および完全な構造を有する伝達空洞103を得る。この時点で、弾性フィルム104’は、弾性圧力フィルム104である。
【0049】
S230.弾性伝達膜で覆われた面を有する第1の副ウェハを選択し、伝達空洞を形成するように弾性伝達膜が伝達基板に向いているやり方で第1の副ウェハおよび伝達基板を接着する。
【0050】
図22および図23に示されるように、まず、弾性伝達膜105で覆われた面を有する第1の副ウェハ300が選択され、次いで、第1の副ウェハ300および伝達基板102は、伝達空洞103、および伝達ポート1031の面上に位置する弾性伝達フィルム105を形成するように弾性伝達膜105が伝達基板102に向いているやり方で接着される。
【0051】
S240.荷重ベアリング基板内に荷重ベアリング空洞を準備し、荷重ベアリング空洞は、荷重ベアリング基板を貫き、荷重ベアリング空洞は、伝達空洞から離れている弾性膜の片面に位置し、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。
【0052】
図24に示されるように、荷重ベアリング基板101は、エッチングが弾性圧力フィルム104に到達するまで伝達基板102から離れている荷重ベアリング基板101の片面からエッチングされて、荷重ベアリング基板101を貫く荷重ベアリング空洞106を得、荷重ベアリング空洞106は、伝達空洞103から離れている弾性圧膜104の片面に位置し、弾性圧膜104が位置する平面上の荷重ベアリング空洞106の垂直突出は、弾性圧膜104が位置する平面上の出力ポート1032垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。このようにして、大きい変位を荷重ベアリング空洞106へ伝達することができる。
【0053】
S250.第3の副ウェハを選択し、第3の副ウェハの面上に少なくとも1つの磁気検出素子を準備し、荷重ベアリング空洞、および荷重ベアリング空洞の内部に位置する少なくとも1つの磁気検出素子を形成するように磁気検出素子が荷重ベアリング基板に向いているやり方で第3の副ウェハおよび荷重ベアリング基板を接着する。
【0054】
図25に示されるように、第3の副ウェハ400が選択され、センシング材料フィルムが第3の副ウェハ400の面上に堆積され、磁気検出素子107および接続線109がフォトリソグラフィによって形成される。
【0055】
図26に示されるように、第3の副ウェハ400および荷重ベアリング基板101は、荷重ベアリング空洞106、および荷重ベアリング空洞106の内部に位置する少なくとも1つの磁気検出素子107を形成するように磁気検出素子107が荷重ベアリング基板101に向いているやり方で接着される。
【0056】
S260.接続線の一部が露出させられるまで荷重ベアリング基板から離れている第3の副ウェハの片面から第3の副ウェハを薄型化およびエッチングし、接触電極を形成するように接続線の露出部分に金属材料を堆積させる。
【0057】
図27に示されるように、第3の副ウェハ400は、接続線109の一部が露出させられるまで、荷重ベアリング基板101から離れている第3の副ウェハ400の片面から薄型化およびエッチングされ、金属材料が、接触電極114を形成するように接続線109の露出部分に堆積される。
【0058】
このようにして、環境温度を測定することができるMEMS環境センサが得られる。
【0059】
S270.エッチングにより第1の副ウェハを除去して、MEMS環境センサを得る。
【0060】
図28に示されるように、第1の副ウェハ300は除去されてMEMS環境センサを得、MEMS環境センサはこの時点で圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータの測定を実行することができる。
【0061】
続いて、伝達空洞は、互いに対向するように設けられている第1の面および第2の面を備え、入力ポートおよび出力ポートは共に、伝達空洞の第2の面上に位置し、伝達空洞の第1の面は、硬質の底面であり、すなわち、入力ポートおよび出力ポートは、伝達空洞の同じ面上に位置するということを、一例として取り上げることによって説明が与えられる。
【0062】
図29は、本発明の一実施形態による別のMEMS環境センサのための準備方法のフローチャートであり、図29に示されるように、本発明の実施形態によるMEMS環境センサのための準備方法は、以下のことを含むことができる。
【0063】
S310.伝達基板、荷重ベアリング基板、および伝達基板と荷重ベアリング基板との間に位置する弾性フィルムを備える半導体基板を選択する。
【0064】
図19を続けて参照すると、半導体基板は、伝達基板102、荷重ベアリング基板101、および伝達基板102と荷重ベアリング基板101との間に位置する弾性フィルム104’を備える。
【0065】
S320.伝達基板の内部に伝達空洞を準備し、伝達空洞は、伝達基板を貫き、伝達媒体は、伝達空洞の内部に位置し、伝達空洞は、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを備え、入力ポートの表面積は、出力ポートの表面積よりも大きく、入力ポートの面上に弾性伝達膜を準備し、出力ポートの面上に弾性圧膜を準備し、少なくとも弾性圧膜は、弾性フィルムである。
【0066】
図30に示されるように、伝達基板102は、伝達空洞103を得るように荷重ベアリング基板101から離れている伝達基板102の片面でエッチングされる。この時点で、弾性圧膜105は、弾性フィルム104’であり、弾性圧膜104は、弾性フィルム104’である。
【0067】
S330.第2の副ウェハを選択し、伝達空洞を形成するように第2の副ウェハおよび伝達基板を接着する。
【0068】
図31に示されるように、第2の副ウェハ500が選択され、第2の副ウェハ500および伝達基板102は、伝達空洞103を形成するように接着される。
【0069】
図32に示されるように、伝達空洞103は、伝達媒体で満たされる。
【0070】
S340.荷重ベアリング基板内に荷重ベアリング空洞を準備し、荷重ベアリング空洞は、荷重ベアリング基板を貫き、荷重ベアリング空洞は、伝達空洞から離れている弾性膜の片面に位置し、弾性圧膜が位置する平面上の荷重ベアリング空洞の垂直突出は、弾性圧膜が位置する平面上の出力ポートの垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。
【0071】
図33に示されるように、荷重ベアリング基板101は、荷重ベアリング基板101を貫く荷重ベアリング空洞106を得るようにエッチングが弾性圧力フィルム104に到達するまで伝達基板102から離れている荷重ベアリング基板101の片面からエッチングされ、荷重ベアリング空洞106は、伝達空洞103から離れている弾性圧膜104の片面に位置し、弾性圧膜104が位置する平面上の荷重ベアリング空洞106の垂直突出は、弾性圧膜104が位置する平面上の出力ポート1032垂直突出と少なくとも部分的に重なり合う。このようにして、大きい変位を荷重ベアリング空洞106へ伝達することができる。
【0072】
S350.第3の副ウェハを選択し、第3の副ウェハの面上に少なくとも1つの磁気検出素子を準備し、荷重ベアリング空洞、および荷重ベアリング空洞の内部に位置する少なくとも1つの磁気検出素子を形成するように磁気検出素子が荷重ベアリング基板に向いているやり方で第3の副ウェハおよび荷重ベアリング基板を接着する。
【0073】
図25を続けて参照すると、第3の副ウェハ400が選択され、センシング材料フィルムが第3の副ウェハ400の面上に堆積され、磁気検出素子107および接続線109がフォトリソグラフィによって形成される。
【0074】
図34に示されるように、第3の副ウェハ400および荷重ベアリング基板101は、荷重ベアリング空洞106、および荷重ベアリング空洞106の内部に位置する少なくとも1つの磁気検出素子107を形成するように磁気検出素子107が荷重ベアリング基板101に向いているやり方で接着される。
【0075】
S360.接続線の一部が露出させられるまで荷重ベアリング基板から離れている第3の副ウェハの片面から第3の副ウェハを薄型化およびエッチングし、接触電極を形成するように接続線の露出部分に金属材料を堆積させる。
【0076】
図35に示されるように、第3の副ウェハ400は、荷重ベアリング基板101から離れている第3の副ウェハ400の片面から薄型化される。
【0077】
図36に示されるように、第3の副ウェハ400は、接続線109の一部が露出させられるまでエッチングされ、金属材料が、接触電極114を形成するように接続線109の露出部分に堆積される。
【0078】
このようにして、環境温度を測定することができるMEMS環境センサが得られる。
【0079】
S370.エッチングにより伝達ポートに対応する位置で荷重ベアリング基板を除去してMEMS環境センサを得る。
【0080】
図37に示されるように、伝達ポートに対応する位置における荷重ベアリング基板101および第3の副ウェハ400は除去されてMEMS環境センサを得ることになり、MEMS環境センサはこの時点で圧力、変位、振動、および音波などの環境パラメータの測定を実行することができる。
【0081】
要するに、上記各実施形態は、実際の準備プロセスの角度から、2つの異なる構造を有するMEMS環境センサのための準備方法を詳細に説明する。
【0082】
上記各実施形態に基づいて、本発明の実施形態において与えられるMEMS環境センサのための準備方法は、信号変換材料を準備することをさらに含む。
【0083】
具体的には、信号変換材料は、磁性材料を含み、そして、
信号変換材料を準備することは、伝達空洞の内部にまたは弾性圧膜の面上に磁性材料を準備することを含んでもよく、磁性材料は、伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散され、あるいは伝達空洞に向いている弾性圧膜の面上におよび/または荷重ベアリング空洞に向いている弾性圧膜の片面の面上にフィルムの形態で配設される。
【0084】
代替として、信号変換材料は、非磁性金属材料、およびレーザ・コイルを含み、
信号変換材料を準備することは、伝達空洞の内部にまたは弾性圧膜の面上に非磁性金属材料を準備することを含むことができ、非磁性金属材料は、伝達媒体の内部に粒状の形態で均一に分散される、あるいは伝達空洞に向いている弾性圧膜の面上におよび/または荷重ベアリング空洞に向いている弾性圧膜の片面の面上にフィルムの形態で配設され、
荷重ベアリング空洞の内部に励磁コイルを準備し、高周波交流電流が、励磁コイルに印加され、誘導渦電流を生成するように非磁性金属材料を駆動するために使用され、それによって誘導磁場を生成する。
【0085】
本発明の実施形態によるMEMS環境センサでは、信号変換材料は、異なる形態を含むことができ、それに応じて、準備方法はまた、異なるプロセスに対応する。信号変換材料を加えることによって、中間変数への変化の振幅は増大し、MEMS環境センサの感度が改善する。
【0086】
上記各実施形態に基づいて、本発明の実施形態において与えられるMEMS環境センサのための準備方法は、伝達空洞から離れた弾性伝達膜の片面上にマス・ブロックおよび真空フードを準備することをさらに含み、真空フードおよび弾性伝達膜は、シールされた空洞を形成し、シールされた空洞は、知られている基準圧力を有する真空でシールされた空洞またはシールされた空洞であり、マス・ブロックは、シールされた空洞の内部に設けられ、代替として、伝達空洞から離れた弾性伝達膜の片面上に真空フードを準備し、真空フードおよび弾性伝達膜は、シールされた空洞を形成し、シールされた空洞は、知られている基準圧力を有する真空でシールされた空洞またはシールされた空洞であり、シールされた空洞は、カウンターウェイトの液体で満たされる。設けられた真空フードによって、および真空フード内にマス・ブロックまたはカウンターウェイトの液体を設けることによって、MEMS環境センサは、慣性パラメータの測定を実現できることが確実にされ、MEMS環境センサ測定の使用範囲が広げられる。
【0087】
上記各実施形態に基づいて、少なくとも荷重ベアリング空洞内に少なくとも1つの磁気検出素子を準備した後に、本発明の実施形態において与えられるMEMS環境センサのための準備方法は、磁気検出素子の上面に第1のパッシベーション層を準備することと、伝達空洞に向いている弾性圧膜の片面の面上に磁気フィルムを準備することとをさらに含むことができ、および/または荷重ベアリング空洞に向いている弾性圧膜の片面の面上に磁気フィルムを準備した後に、磁気フィルムの面上に第2のパッシベーション層を準備することをさらに含んでもよい。磁気検出素子の面上および磁気フィルムの面上にパッシベーション層をそれぞれ準備することによって、磁気検出素子および磁気フィルムの封止保護が、パッシベーション層によって強化され、これにより、磁気検出素子および磁気フィルムの耐用年数を改善し、次いで、MEMS環境センサの耐用年数を改善する。
【0088】
前述のものは、単に好ましい各実施形態、および本発明の用いられる技術的原理であることに留意されたい。本発明は、本明細書中に記載された特定の各実施形態に限定されず、本発明の様々な実施の特徴は、互いと部分的または全体的に結合されまたは組み合わされてもよく、様々なやり方で互いに協働することができ、互いによって技術的に駆動され得ることを、当業者は理解されたい。様々な明らかな変更、再調整、相互組合せ、および置換が、本発明の保護範囲から逸脱することなく当業者によってなされ得る。したがって、本発明は、上記各実施形態によって小足に説明されるが、本発明は、上記各実施形態だけに限定されない。より多くの他の均等な実施形態が、本発明の概念から逸脱することなくさらに包含され得、一方、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によって決められるものとする。
図1
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