(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】システム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0283 20230101AFI20240501BHJP
【FI】
G06Q30/0283
(21)【出願番号】P 2023180937
(22)【出願日】2023-10-20
【審査請求日】2023-10-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年7月15日に店舗THE[ ]STORE(東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK)にて公開 令和5年8月1日にウェブサイトhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000017601.htmlにて公開 令和5年8月26日に放送番組「企業魂」にて公開 令和5年8月26日にウェブサイトhttps://www.youtube.com/watch?v=LxXKZMmVGBUで公開された動画にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520354496
【氏名又は名称】LMIグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】望田 竜太
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/164075(WO,A1)
【文献】特開2014-021885(JP,A)
【文献】特開2003-186971(JP,A)
【文献】特開2011-248608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより受付手段と、インプレッション数計算手段と、賃料計算手段として機能し、
前記受付手段は、前記検知装置により検知された前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を受け付け、
前記インプレッション数計算手段は、前記受付手段が受け付けた情報に基づいて
、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記インプレッション数計算手段により計算されたインプレッション数も参照する、システム。
【請求項2】
前記検知装置は、人を撮像することにより人の存在、人の属性および人の視認方向のうち少なくともいずれかを検知するカメラを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記検知装置は、前記店舗の入口に設置されているゲートを通過した人の数をカウントするセンサを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記検知装置は、人が所持する携帯移動端末により読み取られるコードを表示させるためのコード表示機を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記インプレッション数計算手段がインプレッション数を計算する際に、前記店舗で表示されているタグが付されたSNS投稿をクローリングで検知し、検知されたSNS投稿も参照する、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記インプレッション数計算手段がインプレッション数を計算する際に、前記店舗で表示されているコードが携帯移動端末のカメラによって撮像されることにより行われた所定のアカウントとの友達登録や所定のウエブページへのアクセスも参照する、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピュータは、プログラムを実行することによりECサイト情報取得手段として更に機能し、
前記ECサイト情報取得手段は、前記店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記ECサイト情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記アクション情報は、前記ECサイトへの訪問情報、前記ECサイトで会員登録したときの登録情報、前記ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報および前記ECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含む、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
プログラムを実行することにより受付手段と、インプレッション数計算手段と、賃料計算手段として機能し、
前記受付手段は、店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置により検知された前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を受け付け、
前記インプレッション数計算手段は、前記受付手段が受け付けた情報に基づいて
、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記インプレッション数計算手段により計算されたインプレッション数も参照する、コンピュータ。
【請求項10】
ECサイト情報取得手段と、賃料計算手段として機能するコンピュータであって、
前記ECサイト情報取得手段は、店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記ECサイト情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する、コンピュータ。
【請求項11】
前記アクション情報は、前記ECサイトへの訪問情報、前記ECサイトで会員登録したときの登録情報、前記ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報および前記ECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含む、請求項10記載のコンピュータ。
【請求項12】
コンピュータが実行することにより受付手段と、インプレッション数計算手段と、賃料計算手段として機能するプログラムであって、
前記受付手段は、店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置により検知された前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を受け付け、
前記インプレッション数計算手段は、前記受付手段が受け付けた情報に基づいて
、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記インプレッション数計算手段により計算されたインプレッション数も参照する、プログラム。
【請求項13】
コンピュータが実行することによりECサイト情報取得手段と、賃料計算手段として機能するプログラムであって、
前記ECサイト情報取得手段は、店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記ECサイト情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する、プログラム。
【請求項14】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部は、店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置により検知された前記店舗の内
部にいる人の存在または動作に関する情報を受け付ける工程と、
前記制御部は、受け付けた情報に基づいて
、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算する工程と、
前記制御部は、前記店舗の賃料を計算する際に、計算されたインプレッション数も参照する工程と、
を備えた、情報処理方法。
【請求項15】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得する工程と、
前記制御部が、前記店舗の賃料を計算する際に、取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、百貨店やショッピングモールなどの商業施設におけるテナントの賃料の決定方法は、主に二つの要素に基づいていた。第一の要素は固定賃料として知られるものであり、これはテナントが一定期間ごと(例えば月ごとや年ごと)に支払う固定の金額を指す。この固定賃料は、概ねテナントの使用するスペースの広さや立地条件、施設のブランド価値などに基づいて決定される。また、第二の要素は物販歩合として知られるものであり、これはテナントの売上高に応じて支払う賃料のことを指す。具体的には、テナントが一定期間内に達成した売上の一部が賃料として施設側に支払われる。この物販歩合の割合は、テナントと施設側との契約内容や業種、売上目標などによって変動する。
【0003】
また、特許文献1には、複数の店舗を収容するショッピングセンタを運営する運営主体が、各店舗からテナント料と呼ばれる賃料を徴収するにあたり、複数の店舗の集合体において、各店舗の取引金額を集計して、他の店舗の売上額への貢献度を推定することを可能とし、推定された貢献度に応じて還元を行うようにした取引情報管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年ではオンライン上で展開されるECサイトで商品の販売を行う業者が宣伝目的のために実際のテナントを出したい場合がある。しかしながら、テナントの賃料が固定賃料や物販歩合により決められる場合は、宣伝目的としてテナントを出したいECサイトの運営者にとって賃料が高く、より柔軟な賃料の決定方法が求められている。
【0006】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、より柔軟に店舗の賃料を計算することができるシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のシステムは、
店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより受付手段と、インプレッション数計算手段と、賃料計算手段として機能し、
前記受付手段は、前記検知装置により検知された前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を受け付け、
前記インプレッション数計算手段は、前記受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記店舗の近くを通った人、前記店舗を見た人、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記インプレッション数計算手段により計算されたインプレッション数も参照する。
【0008】
本開示のシステムにおいては、
前記検知装置は、人を撮像することにより人の存在、人の属性および人の視認方向のうち少なくともいずれかを検知するカメラを含んでいてもよい。
【0009】
本開示のシステムにおいては、
前記検知装置は、前記店舗の入口に設置されているゲートを通過した人の数をカウントするセンサを含んでいてもよい。
【0010】
本開示のシステムにおいては、
前記検知装置は、人が所持する携帯移動端末により読み取られるコードを表示させるためのコード表示機を含んでいてもよい。
【0011】
本開示のシステムにおいては、
前記インプレッション数計算手段がインプレッション数を計算する際に、前記店舗で表示されているタグが付されたSNS投稿をクローリングで検知し、検知されたSNS投稿も参照してもよい。
【0012】
本開示のシステムにおいては、
前記インプレッション数計算手段がインプレッション数を計算する際に、前記店舗で表示されているコードが携帯移動端末のカメラによって撮像されることにより行われた所定のアカウントとの友達登録や所定のウエブページへのアクセスも参照してもよい。
【0013】
本開示のシステムにおいては、
前記コンピュータは、プログラムを実行することによりECサイト情報取得手段として更に機能し、
前記ECサイト情報取得手段は、前記店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記ECサイト情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照してもよい。
【0014】
本開示のシステムにおいては、
前記アクション情報は、前記ECサイトへの訪問情報、前記ECサイトで会員登録したときの登録情報、前記ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報および前記ECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含んでいてもよい。
【0015】
本開示のコンピュータは、
プログラムを実行することにより受付手段と、インプレッション数計算手段と、賃料計算手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置により検知された前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を受け付け、
前記インプレッション数計算手段は、前記受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記店舗の近くを通った人、前記店舗を見た人、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記インプレッション数計算手段により計算されたインプレッション数も参照する。
【0016】
本開示のコンピュータにおいては、
プログラムを実行することによりECサイト情報取得手段と、賃料計算手段として機能するコンピュータであって、
前記ECサイト情報取得手段は、店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記ECサイト情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する。
【0017】
本開示のコンピュータにおいては、
前記アクション情報は、前記ECサイトへの訪問情報、前記ECサイトで会員登録したときの登録情報、前記ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報および前記ECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含んでいてもよい。
【0018】
本開示のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、インプレッション数計算手段と、賃料計算手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置により検知された前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を受け付け、
前記インプレッション数計算手段は、前記受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記店舗の近くを通った人、前記店舗を見た人、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記インプレッション数計算手段により計算されたインプレッション数も参照する。
【0019】
本開示のプログラムは、
コンピュータをECサイト情報取得手段と、賃料計算手段として機能させるプログラムであって、
前記ECサイト情報取得手段は、店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得し、
前記賃料計算手段は、前記店舗の賃料を計算する際に、前記ECサイト情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する。
【0020】
本開示の情報処理方法は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部は、店舗の内部または前記店舗の近傍に設置され、前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置により検知された前記店舗の内部または前記店舗の近くにいる人の存在または動作に関する情報を受け付ける工程と、
前記制御部は、受け付けた情報に基づいて、前記店舗の近くを通った人、前記店舗を見た人、前記店舗の内部に入った人、前記店舗に設置されている広告を見た人、前記店舗で販売されている商品を見た人、前記店舗で商品を購入した人、前記店舗の内部にいる人の滞在時間、前記店舗の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算する工程と、
前記制御部は、前記店舗の賃料を計算する際に、計算されたインプレッション数も参照する工程と、
を備える。
【0021】
本開示の情報処理方法は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、店舗の運営者に関わるECサイトを構築するウエブサーバから受け付けた、前記ECサイトでのアクション情報を取得する工程と、
前記制御部が、前記店舗の賃料を計算する際に、取得された情報に基づいて、前記店舗を訪問した人が前記ECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0022】
本開示のシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法によれば、より柔軟に店舗の賃料を計算することができる新たなシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の実施の形態によるシステムの構成を示す概略図である。
【
図2】本開示の実施の形態によるシステムにおける賃料計算時の処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図3】本開示の実施の形態によるシステムにおいて、ECサイトでのアクション情報を参照する時の処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図4】本開示の実施の形態によるシステムにおいて、インプレッション数を用いることなく賃料を計算する場合における処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図5】本開示の実施の形態によるシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施の形態によるシステムにおいて、ECサイトでのアクション情報を参照する時の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本開示の実施の形態によるシステムにおいて、インプレッション数を用いることなく賃料を計算する場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】本開示の実施の形態によるシステムを適用された店舗を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1乃至
図8は、本開示の実施の形態によるシステムの一部を示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態によるシステムの構成を示す概略図であり、
図2は、本実施の形態によるシステムにおいて、賃料計算時の処理の一例を示すアクティビティ図である。
図3は、本実施の形態によるシステムにおいて、ECサイトでのアクション情報を参照する時の処理の一例を示すアクティビティ図である。
図4は、本実施の形態によるシステムにおいて、インプレッション数を用いることなく賃料を計算する場合における処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5は、本実施の形態によるシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6は、本実施の形態によるシステムにおいて、ECサイトでのアクション情報を参照する時の処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、本実施の形態によるシステムにおいて、インプレッション数を用いることなく賃料を計算する場合における処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、本実施の形態によるシステムを適用された店舗を例示する模式図である。
【0025】
―システム1―
図1は、本実施の形態によるシステム1の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるシステム1は、店舗100に設置される検知装置10と、管理サーバ(コンピュータ20)と、ユーザ端末30とを備えている。例えば、コンピュータ20は、検知装置10およびユーザ端末30の各部とそれぞれ通信可能に接続されている。また、検知装置10およびユーザ端末30の各部も、それぞれ通信可能に接続されていてもよい。また、これらの検知装置10、ユーザ端末30およびコンピュータ20は、インターネット回線等の通信ネットワークにより互いに通信可能に接続されていてもよい。また、ユーザが所持するユーザ端末30は、インターネット回線等の通信ネットワークを介して検知装置10およびコンピュータ20と通信可能に接続されていてもよい。なお、本実施の形態において、
図8に示すように、店舗100はA、B、Cの区画に分けられた形態として例示しているが、これに限定されるものではない。このようなシステム1の各構成要素について以下に説明する。
【0026】
<コンピュータ20の構成>
コンピュータ20は、例えばインターネット回線等の通信ネットワークを通じて利用できる管理サーバである。コンピュータ20は、インターネットでアクセスできる物理サーバ内に仮想的な専用サーバを構築した状態で提供されるものであってもよい。コンピュータ20は、制御部21と、記憶部214と、通信インターフェース部215とを有している。制御部21は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、コンピュータ20の動作を制御する。より詳細には、制御部21は、記憶部214に記憶されているプログラムを実行することにより、受付手段210、インプレッション数計算手段211、賃料計算手段212およびECサイト情報取得手段213として機能する。
【0027】
受付手段210は、検知装置10により検知された店舗100の内部または店舗100の近くにいる人の存在または動作に関する情報を受け付ける。ここで、人の存在とは、所定の店舗100に来店する客および来店しない人を含み、例えば、受付手段210は、
図8における店舗100の内部または店舗100の近くにいる人の存在または動作に関する情報として、店舗100の外側、つまり店舗100の近くを通った人、店舗100の外部から店舗100を見た人、店舗100の内部に入った人、店舗100に設置されているデジタルサイネージ等の広告を見た人、店舗100で販売されている商品を見た人、店舗100で商品を購入した人、店舗100の内部にいる人の滞在時間、店舗100の内部における人の動線情報等の情報を各種デバイスから受け付ける。
【0028】
ここで、店舗100の近くを通った人とは、店舗100の外部において後述の検知装置10(例えば、カメラ11)によって捕捉される人を意味する。店舗100を見た人とは、店舗100の外部において後述の検知装置10により捕捉された映像等に基づいて視線を店舗100の内部に向けたと評価される人を意味する。店舗100の内部に入った人とは、店舗100の入口に設置されているゲートを通過した人数をカウントする、後述の検知装置10(例えば、カメラ11、センサ12、コード表示機13)によって検知された人を意味する。店舗100に設置されている広告を見た人とは、店舗100の内外において後述の検知装置10により捕捉された映像等に基づいて視線を店舗100の内外に設置されている広告に向けたと評価される人を意味する。店舗100で販売されている商品を見た人とは、後述の検知装置10により捕捉された映像等に基づいて視線を店舗100で販売されている商品を見たと評価される人を意味する。店舗100で商品を購入した人とは、店舗100において商品の売買契約を締結した人を意味する。店舗100の内部にいる人の滞在時間とは、店舗100の入口に設置されているゲートを通過してから店舗100の出口に設置されているゲートを通過し終えるまでの合計の時間を意味する。店舗100の内部における人の動線情報は、店舗100の内部において、各地点において客が立ち止まった時間の合計の時間、通り過ぎた地点に客が戻ってくる割合や人数等の情報を含む。
【0029】
インプレッション数計算手段211は、受付手段210が受け付けた各種の上記情報に基づいて、上記情報のいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算する。また、インプレッション数計算手段211は、インプレッション数を計算する際に、店舗100で表示されているインスタグラムのタグ、ハッシュタグ等のタグが付されたSNS投稿をクローラによるクローリングで検知し、検知されたSNS投稿も参照する。なお、本明細書におけるインプレッション数とは、店舗の世間的な認知度を数値化したものであって、何らかのアクションを行った人に基づいて算出される。
【0030】
また、インプレッション数計算手段211は、インプレッション数を計算する際に、店舗100で表示されているコードが携帯移動端末のカメラ11によって撮像されることにより行われた所定のアカウントとの友達登録や所定のウエブページへのアクセスも参照する。
【0031】
賃料計算手段212は、店舗100の賃料を計算する。賃料計算手段212は、インプレッション数計算手段211により計算されたインプレッション数も参照し、店舗100の賃料を計算する。例えば、賃料計算手段212は、店舗100の固定賃料に算出したインプレッション数を乗算して歩合数として算出し、求めた歩合数を予め記憶部214に記憶されている固定賃料に加算する。また、賃料計算手段212は、固定賃料にインプレッション数を乗算して求めた値を賃料として算出してもよい。このように、賃料計算手段212は種々の方法により賃料を計算することができるが、このとき、新たなキャッシュポイントを算出する際のベースとなる固定賃料やインプレッション数は、上述したとおり、どのような値を算出するのかによって適宜変更することが可能である。なお、本明細書において、賃料には店舗100の固定賃料の他、入店に係る歩合などの各種歩合に基づく料金も含まれる。
【0032】
また、賃料計算手段212は、店舗100の賃料を計算する際に、後述する店舗100の運営者に関するECサイト情報取得手段213により取得されたアクション情報に基づいて、店舗100を訪問した人がECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する。
【0033】
また、ECサイト情報取得手段213は、店舗100の運営者に関するECサイトを構築するウエブサーバ40から受け付けた、ECサイトでのアクション情報を取得する。ここで、店舗100の運営者に関するECサイトとは、運営者が独自に構築するECサイト、ショッピングモールや百貨店のサイトであってもよく、あるいはamazonや楽天市場等のECサイトのプラットフォーム内に構築される店舗100の運営者が開設した特設サイトであってもよい。また、店舗100で実際に販売されている商品を店舗100の運営者に関するECサイトでも購入可能となっていることが望ましいが、このことに限定されない。アクション情報とは、店舗100を訪問した人によるECサイトへの訪問情報、ECサイトで会員登録したときの登録情報、ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報およびECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含む。また、店舗100の壁やカウンター等に表示されているコードをユーザ端末30で読み取ったり、店舗100に置かれているチラシのコード、設置されているデジタルサイネージに表示されるコード等をユーザ端末30で読み取ったりすることにより、ECサイトにアクセスすることができる。また、カメラ11で検知した人の情報に基づいて、ECサイトでアクションを行った人を特定してもよい。
【0034】
店舗100は、実際に人の出入りが可能な建屋であり、システム1を形成可能な広さを有している。
【0035】
検知装置10は、人を撮像することにより人の存在、人の属性および人の視認方向のうち少なくともいずれかを検知する。例えば、検知装置10にはカメラ11、センサ12、情報読み取り機器が含まれる。ここで、人の存在とは、設置されている検知装置10としてのカメラ11によって捉えられた人を意味する。また、人の属性には、人の性別が含まれる。人の視認方向は、検知装置10としてのカメラ11によって捉えられた人が向いた顔の方向、眼球の動き等によって把握される方向を含む。
【0036】
検知装置10としてのカメラ11にはAIカメラが含まれ、AI処理を携帯電話等の携帯端末で行うエッジAIカメラが好適に用いられる。また、検知装置10は、店舗100の外側における人の存在、人の属性、人の視認方向、店舗100に対する人の視認回数および視認時間の情報を取得する場合には、店舗100の外壁において店舗100の外向きに設置される。例えば、
図8においては、カメラ11は、
図8において二点鎖線で示される店舗100のA区画、B区画、C区画にそれぞれ1つずつ配置されており、各区画における上記情報を取得する。また、カメラ11は、店舗100の各区画に至る動線近傍にも設置されており、各区画に人がいなくとも、その近傍における上記情報を取得する。さらに、カメラ11は、店舗100の外部において上記に該当する情報を取得するために、
図8において店舗100の出入り口近傍(
図8の左側下部)、ウィンドウディスプレイ近傍(
図8における右側下部)に設置されている。例えば、店舗100の出入り口近傍(
図8の左側下部)、ウィンドウディスプレイ近傍(
図8における右側下部)に設置されているカメラ11によって把握される
図8における二点鎖線の扇形の捕捉エリアにおいて取得された情報は、インプレッション率、入店率、CV率等を試算するための母数として用いられ得る。また、ウィンドウディスプレイ近傍(
図8における右側下部)に設置されている小型のカメラ11(
図8においては4つ)によって把握される扇形の捕捉エリア(
図8においては4つ)において取得された情報は、通行人の視認率を試算するために使用され得る。
【0037】
また、検知装置10は、例えば、検知装置10が設置されている店舗100に入店する人数、店舗100の外にいる人が店舗100を見た回数(視認数)等をカウントする。店舗100に入店する人数をカウントする場合には、検知装置10としてのカメラ11は、店舗100の入口を通って入店した人数を捉え、カウントを行う。また、カメラ11は、店舗100においてその接客スペースの中央またはその近傍において天井またはその近傍に配置される。これにより、少ない個数のカメラ11で、店舗100内部の広範囲にわたって各種情報を取得することができる。また、検知装置10としてのセンサ12は、店舗100の入口に設置されているゲートを通過した人数をカウントしてもよい。例えば、
図8においては、センサ12は、店舗100内部において出入口付近に設置され、ゲートを通過した人数を効率的にカウントすることができる。
【0038】
また、情報読み取り機器にはコード表示機13が含まれる。コード表示機13は、例えば、人が所持する携帯電話等の携帯移動端末に読み取られるコードを表示させる。本明細書において、コードには、バーコード、QRコード(登録商標)といった二次元コードが含まれる。例えば、
図8においては、コード表示機13は、店舗100内部において出入口付近に設置され、二次元コードやLP(ランディングページ)を表示してユーザ端末30に読み取り可能とすることにより、入店人数を検知可能になり得る。また、クッキー情報の取得も可能とすることにより、ユーザ端末30に各種広告を送信することも可能となる。
【0039】
なお、制御部21により実行されるプログラムは記憶部214に記憶されているものに限定されない。制御部21により実行されるプログラムとして、外部装置から通信インターフェース部215を介して制御部21に送信されるものや、コンピュータ20に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、コンピュータ20とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0040】
記憶部214は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等から構成されている。記憶部214には、制御部21により実行されるプログラムを含む各種プログラムが記憶されている。
【0041】
通信インターフェース部215は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信インターフェース部215は、通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。
【0042】
<ユーザ端末30の構成>
ユーザ端末30は、ユーザが所持するスマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末30は、制御部、表示部、操作部、記憶部および通信部を有しており、これらの構成要素が電気的に接続されている。
【0043】
ユーザ端末30の制御部は、CPU、RAM、ROM等を含み、プログラムおよびデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。
【0044】
ユーザ端末30の表示部は、例えば、ディスプレイであり、入力、出力等を表示するのに利用される。ディスプレイは、公知の液晶ディスプレイ等を用いることができる。ユーザ端末30の操作部は、キーボードや操作キーなどであり、上述した入力を行うためのものである。また、ユーザ端末30の表示部およびユーザ端末30の操作部を兼ねたタッチパネルディスプレイを用いることもできる。
【0045】
ユーザ端末30の記憶部は、例えば、HDD、SSD等の補助記憶装置で構成され、ユーザ端末30を駆動するための種々のデータやプログラムを記憶する。プログラムは、後述する各種の処理を行うためのものである。ユーザ端末30の制御部は、このプログラムを解釈および実行することで、様々な処理を実行するように構成される。
【0046】
ユーザ端末30の通信部は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、ユーザ端末30の通信部は、通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。
【0047】
なお、ユーザ端末30の具体的なハードウェア構成は、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換および追加が可能である。例えば、ユーザ端末30の制御部は、複数のプロセッサを含んでもよい。ユーザ端末30の制御部は、FPGAにより構成されてもよい。ユーザ端末30の記憶部は、ユーザ端末30の制御部に含まれるRAMおよびROMにより構成されてもよい。また、ユーザ端末30は、本実施の形態におけるシステム1の専用の端末であってもよいし、汎用のスマートフォンなどに、上述したプログラムをインストールして使用することもできる。
【0048】
ユーザ端末30の制御部は、ユーザ端末30の記憶部に記憶されたプログラムをRAMに展開すると、そのプログラムをCPUにより解釈および実行する。
【0049】
次に、賃料が算出される処理の流れについて説明する。なお、以下に示すシステム1の動作は、コンピュータ20において制御部21が記憶部214に記憶されているプログラムを実行することによって行われる。
【0050】
図5に示すように、まず、制御部21が検知装置10を制御し、検知装置10が店舗100の内部または店舗100の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する(ステップS1)。そして、
図2に示すように、人の存在または動作に関する情報は検知装置10から管理サーバであるコンピュータ20に送られ、制御部21の受付手段210は、検知された人の存在または動作に関する情報を受け付ける。受付手段210が受け付けた人の存在または動作に関する情報は、記憶部214に記憶される。
【0051】
次に、制御部21に制御されるインプレッション数計算手段211は、記憶部214に記憶されている、受付手段210が受け付けた人の存在または動作に関する情報に基づいて、人に関するインプレッション数を例えば日毎または月毎に計算する(ステップS2)。
【0052】
そして、制御部21に制御される賃料計算手段212は、インプレッション数計算手段211によって計算された月毎のインプレッション数を参照し、店舗100の賃料を計算する(ステップS3)。このとき、賃料計算手段212は、例えば、固定賃料に月毎のインプレッション数を乗算して算出した数を固定賃料に加算することによって、賃料を算出する。これにより、固定賃料の他に新たな収益源を設けることができる。
【0053】
また、コンピュータ20がECサイト情報取得手段213として更に機能する場合には、
図6に示すように、まず、検知装置10が店舗100の内部または店舗100の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する(ステップS4)。そして、
図3に示すように、人の存在または動作に関する情報は検知装置10から管理サーバであるコンピュータ20に送られ、検知された人の存在または動作に関する情報は受付手段210によって受け付けられる。受付手段210が受け付けた人の存在または動作に関する情報は、記憶部214に記憶される。
【0054】
次に、インプレッション数計算手段211は、記憶部214に記憶されている、受付手段210が受け付けた人の存在または動作に関する情報に基づいて、人に関するインプレッション数を例えば日毎または月毎に計算する(ステップS5)。
【0055】
さらに、
図3に示すように、来店者がユーザ端末30を用いてECサイトで店舗100検索をし、そのECサイトでのユーザによるアクション情報がウエブサーバ40に送られる。また、ウエブサーバ40に送られたアクション情報は、ウエブサーバ40からコンピュータ20に送られる。
【0056】
そして、ECサイト情報取得手段213は、ECサイトを構築するウエブサーバ40から受け付けた、実店舗100を訪問したユーザによる、ECサイトでのアクション情報を取得する(ステップS6)。
【0057】
そして、賃料計算手段212は、インプレッション数計算手段211によって計算された月毎のインプレッション数の他、ECサイト情報取得手段213によって取得されたECサイトでのユーザによる月毎のアクション情報を参照し、店舗100の賃料を計算する(ステップS7)。このとき、賃料計算手段212は、例えば、固定賃料に月毎のインプレッション数を乗算して算出した数、固定賃料にアクション情報の重要さの程度によって割り振った係数を乗算することにより算出された数、を固定賃料に加算することによって、賃料を算出する。これにより、固定賃料、インプレッション数を考慮した料金、さらに少なくとも一度実店舗100を訪問したユーザにおけるアクション情報を考慮した料金に基づいた、新たな収益源を設けることができる。なお、インプレッション数やアクション情報を参照した店舗100の賃料の算出方法は上述した方法に限定されることはなく、他の様々な算出方法が用いられてもよい。
【0058】
以上のような構成からなる本実施の形態のシステム1、コンピュータ20、プログラムおよび情報処理方法によれば、システム1は、店舗100の内部または店舗100の近傍に設置され、店舗100の内部または店舗100の近くにいる人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置10と、コンピュータ20と、を備える。コンピュータ20は、プログラムを実行することにより受付手段210と、インプレッション数計算手段211と、賃料計算手段212として機能する。受付手段210は、検知装置10により検知された店舗100の内部または店舗100の近くにいる人の存在または動作に関する情報を受け付ける。インプレッション数計算手段211は、受付手段210が受け付けた情報に基づいて、店舗100の近くを通った人、店舗100を見た人、店舗100の内部に入った人、店舗100に設置されている広告を見た人、店舗100で販売されている商品を見た人、店舗100で商品を購入した人、店舗100の内部にいる人の滞在時間、店舗100の内部における人の動線情報のうち少なくともいずれかを含む人に関するインプレッション数を計算する。賃料計算手段212は、店舗100の賃料を計算する際に、インプレッション数計算手段211により計算されたインプレッション数も参照する。より詳細に説明すると、近年ではオンライン上で展開されるECサイトで商品の販売を行う業者が宣伝目的のために実際のテナントを出したい場合がある。しかしながら、テナントの賃料が固定賃料や物販歩合により決められる場合は、宣伝目的としてテナントを出したいECサイトの運営者にとって賃料が高く、より柔軟な賃料の決定方法が求められていた。しかし、上記の構成によれば、より柔軟に店舗100の賃料を計算することができる新たなシステム1を実現できる。
【0059】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、検知装置10は、人を撮像することにより人の存在、人の属性および人の視認方向のうち少なくともいずれかを検知するカメラ11を含んでいてもよい。この場合、カメラ11により検知された店舗100の内外での人の存在や属性、視認方向に基づいて、インプレッション数をより正確に検知することができる。
【0060】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、検知装置10は、店舗100の入口に設置されているゲートを通過した人の数をカウントするセンサ12を含んでいてもよい。この場合も、店舗100の中に入った人の数をカウントすることにより、インプレッション数をより正確に検知することができる。
【0061】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、検知装置10は、人が所持する携帯移動端末(ユーザ端末30)により読み取られるコードを表示させるためのコード表示機13を含んでいてもよい。この場合も、例えば店舗100の内部において表示されたコードが読み取られた数をカウントすることにより、インプレッション数をより正確に検知することができる。
【0062】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、インプレッション数計算手段211がインプレッション数を計算する際に、店舗100で表示されているタグが付されたSNS投稿をクローリングで検知し、検知されたSNS投稿も参照してもよい。この場合、例えば、店舗100で表示されているタグが付されたSNS投稿もインプレッション数の算出に反映させることができる。
【0063】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、インプレッション数計算手段211がインプレッション数を計算する際に、店舗100で表示されているコードが携帯移動端末のカメラ11によって撮像されることにより行われた所定のアカウントとの友達登録や所定のウエブページへのアクセスも参照してもよい。この場合、来店者による能動的なアクションによる影響を賃料の算出に反映させることができる。
【0064】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータ20をECサイト情報取得手段213として更に機能させてもよい。ECサイト情報取得手段213は、ECサイトを構築するウエブサーバ40から受け付けた、ECサイトでのアクション情報を取得してもよく、賃料計算手段212は、店舗100の賃料を計算する際に、ECサイト情報取得手段213により取得された情報に基づいて、店舗100を訪問した人がECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照してもよい。この場合、来店者による店舗100の内外における影響を、時間差があっても賃料の算出に反映させることができる。
【0065】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、アクション情報は、ECサイトへの訪問情報、ECサイトで会員登録したときの登録情報、ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報およびECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含んでいてもよい。この場合、来店者によるECサイトでの詳細なアクションに基づいて賃料の算出をすることができる。
【0066】
なお、本開示に係るシステム1、コンピュータ20、プログラムおよび情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0067】
本実施の形態においては、システム1が店舗100の1つのフロアに用いられる形態を例に説明したが、これに限定されない。例えば、店舗100が2階以上の複数のフロアを有していてもよい。その場合、所望のフロアに本実施の形態におけるシステム1を適用してもよい。
【0068】
また、本実施の形態においては、検知装置10によって検知された情報を用い、インプレッション数計算手段211によってインプレッション数を計算する形態を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、
図4および
図7に示すように、インプレッション数を用いることなく賃料を算出してもよい。この場合、まず、来店者がユーザ端末30を用いてECサイトで店舗100の検索をし、そのECサイトでのユーザによるアクション情報がウエブサーバ40に送られる。次いで、ウエブサーバ40に送られたアクション情報は、ウエブサーバ40からコンピュータ20に送られる。
【0069】
そして、ECサイト情報取得手段213は、ECサイトを構築するウエブサーバ40から受け付けた、実店舗100を訪問したユーザによる、ECサイトでのアクション情報を取得する(ステップS8)。
【0070】
そして、賃料計算手段212は、ECサイト情報取得手段213によって取得されたECサイトでのユーザによるアクション情報を参照し、店舗100の賃料を計算する(ステップS9)。このとき、賃料計算手段212は、例えば、固定賃料にアクション情報の重要さの程度によって割り振った係数を乗算することにより算出された数を固定賃料に加算することによって、賃料を算出する。これにより、固定賃料の他、少なくとも一度実店舗100を訪問したユーザにおけるアクション情報を考慮した料金に基づいた、新たな収益源を設けることができる。
【0071】
図4および
図7に示すような変形例に係るプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、コンピュータ20は、プログラムを実行することによりECサイト情報取得手段213と、賃料計算手段212として機能する。ECサイト情報取得手段213は、ECサイトを構築するウエブサーバ40から受け付けた、ECサイトでのアクション情報を取得する。賃料計算手段212は、店舗100の賃料を計算する際に、ECサイト情報取得手段213により取得された情報に基づいて、店舗100を訪問した人がECサイトでアクションを行ったときのアクション情報も参照する。この場合、上述のプログラムを用いることにより、より柔軟に店舗100の賃料を計算するコンピュータ20を実現できる。
【0072】
また、
図4および
図7に示すような変形例に係るプログラム、コンピュータ20、システム1および情報処理方法においては、上述したように、アクション情報は、ECサイトへの訪問情報、ECサイトで会員登録したときの登録情報、ECサイトで問い合わせを行ったときの問い合わせ情報およびECサイトにおける商品の購入情報のうち少なくとも何れかを含んでいてもよい。この場合、来店者によるECサイトでの詳細なアクションに基づいて賃料の算出をするコンピュータ20を実現できる。
【符号の説明】
【0073】
1 :システム
10 :検知装置
11 :カメラ
12 :センサ
13 :コード表示機
20 :コンピュータ
21 :制御部
30 :ユーザ端末
40 :ウエブサーバ
100 :店舗
210 :受付手段
211 :インプレッション数計算手段
212 :賃料計算手段
213 :ECサイト情報取得手段
214 :記憶部
215 :通信インターフェース部
【要約】
【課題】より柔軟に店舗の賃料を計算することができるシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】システム1は店舗100の内部またはその近傍に設置され、人の存在または動作に関する情報を検知する検知装置10と、コンピュータ20と、を備える。コンピュータ20は受付手段210と、インプレッション数計算手段211と、賃料計算手段212として機能する。受付手段210は検知装置10により検知された店舗100の内部またはその近くの人の存在または動作に関する情報を受け付ける。インプレッション数計算手段211は、上記の情報に基づいて、店舗100の近くを通った人、店舗100を見た人等の情報のうち少なくとも1つを含む人に関するインプレッション数を計算する。賃料計算手段212は、店舗100の賃料を計算する際に上記インプレッション数も参照する。
【選択図】
図1