(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】搬送システム、搬送制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240501BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240501BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2023541047
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022035718
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】521293800
【氏名又は名称】株式会社LexxPluss
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 康幸
(72)【発明者】
【氏名】阿蘓 将也
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-055444(JP,A)
【文献】特開2018-097408(JP,A)
【文献】国際公開第2017/077905(WO,A1)
【文献】特許第7034640(JP,B2)
【文献】特許第6549813(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送する搬送車と、当該搬送車の動作を制御する統括制御装置と、を備える搬送システムであって、
前記搬送車は、
前記搬送車の自車位置を推定する自車位置推定部と、
前記統括制御装置から前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を受信する目標指令受信部と、
前記搬送物の状態をセンシングする検出部と、
前記検出部によ
りセンシングした前記搬送
物の状態に関するセンシング情報を前記統括制御装置に送信するセンシング情報送信部と、を備え、
前記統括制御装置は、
前記センシング情報を受信するセンシング情報受信部と、
前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するマップ記録部と、
前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステータス判定部と、
当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて、前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成する指令生成部と、
生成した前記目標指令を前記搬送車に送信する指令送信部と、を備え、
前記搬送車は、推定した前記自車位置と前記目標指令に応じて自車の走行を制御する搬送車制御部を備え、
前記センシング情報受信部の受信する前記センシング情報は、前記搬送物の有無と、前記搬送物の有無をセンシングした位置とを特定可能な情報を含み、
前記ステータス判定部は、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、前記作業エリア内に定義される複数のエリアにおける前記搬送物のステータスを更新し、
前記ステータス判定部は、前記複数のエリア毎に、「搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」の3つのステータスを少なくとも含む複数のステータスの中から、受信する前記センシング情報に応じて何れかのステータスを選択して前記ステータスを更新する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムであって、
前記指令生成部は、前記ステータスが「不明」となっているエリア、または前記
基準時間よりも短い第2の所定時間にわたり検出ステータスが更新されていないエリア、を前記検出部によりセンシングできる位置を前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかとして含む前記目標指令を生成する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送システムであって、
前記搬送システムは、複数の前記搬送車を備え、
複数の前記搬送車は、前記統括制御装置から受信した前記目標指令に基づく未完了のタスク有の搬送車と、前記統括制御装置から受信した前記目標指令に基づく未完了のタスク無しの搬送車と、を含み、
前記指令送信部は、前記タスク無しの搬送車に対して、優先的に前記目標指令を送信する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項2に記載の搬送システムであって、
前記搬送物は、荷物を搭載可能な台車、棚、パレットの少なくともいずれかであり、
前記検出部は、前記搬送物の有無を検出する搬送物検出センサ、および前記搬送物に所定の荷物が搭載されているか否かをセンシングする荷物検出センサを有する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項1に記載の搬送システムであって、
前記ステータス判定部は、前記複数のエリア毎に、「荷物あり、かつ搬送可能状態」、「荷物なし、かつ搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」、の4つのステータスを少なくとも含む検出ステータスを生成する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項1に記載の搬送システムであって、
前記搬送システムは、さらに前記搬送物の状態をセンシングし、前記作業エリア内の設備に固定される固定搬送物検出センサを備え、
前記ステータス判定部は、前記指令生成部は、前記固定搬送物検出センサと前記
搬送物の有無を検出する搬送物検出センサによりセンシングした前記搬送物の状態に関するセンシング情報に応じて、所定または同的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないステータス不明のエリアを判定する、ことを特徴とする搬送システム。
【請求項7】
搬送物を搬送する搬送車の動作を制御する統括制御装置を用いた搬送制御方法であって、
前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するステップと、
前記搬送車に搭載された検出部により検出される前記搬送物の状態に関するセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステップと、
当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成するステップと、
生成した前記目標指令を前記搬送車に送信するステップと、を備え、
前記センシング情報は、前記搬送物の有無と、前記搬送物の有無をセンシングした位置とを特定可能な情報を含み、
前記判定するステップは、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、前記作業エリア内に定義される複数のエリアにおける前記搬送物のステータスを更新し、
前記判定するステップは、前記複数のエリア毎に、「搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」の3つのステータスを少なくとも含む複数のステータスの中から、受信する前記センシング情報に応じて何れかのステータスを選択して前記ステータスを更新することを特徴とする搬送制御方法。
【請求項8】
搬送物を搬送する搬送車の動作を制御する統括制御装置を用いた搬送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記搬送方法として、
前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するステップと、
前記搬送車に搭載された検出部により検出される前記搬送物の状態に関するセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステップと、
当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成するステップと、
生成した前記目標指令を前記搬送車に送信するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記センシング情報は、前記搬送物の有無と、前記搬送物の有無をセンシングした位置とを特定可能な情報を含み、
前記判定するステップは、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、前記作業エリア内に定義される複数のエリアにおける前記搬送物のステータスを更新し、
前記判定するステップは、前記複数のエリア毎に、「搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」の3つのステータスを少なくとも含む複数のステータスの中から、受信する前記センシング情報に応じて何れかのステータスを選択して前記ステータスを更新するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システム、搬送制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や倉庫内などの施設内における荷物の搬送に自律走行可能な搬送車を活用することが実用化されている。また、荷物を搭載した台車を認識して目的位置まで搬送し、更に、荷物を搭載していない空台車を認識して空台車置き場にまで搬送する搬送ロボットシステムが、例えば特許文献1などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、搬送ロボットに搭載されたカメラなどのセンサにより認識した台車の状態に応じて、搬送ロボットによる台車の搬送作業を行うことが開示されている。しかし、搬送ロボットが頻繁に通過しないエリアでは、台車の状態を長時間認識できない状態が発生し、搬送ロボットによる台車の搬送動作を効率的に行えない、という課題があった。
【0005】
そこで、本開示は上記の少なくともいずれかの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業エリア内の台車などの搬送対象物の搬送作業をより効率的に行うことができる、搬送システム、及び搬送制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、搬送物を搬送する搬送車と、当該搬送車の動作を制御する統括制御装置と、を備える搬送システムであって、前記搬送車は、前記搬送車の自車位置を推定する自車位置推定部と、前記統括制御装置から少なくとも前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路のすくなくともいずれかに関する目標指令を受信する目標指令受信部と、前記搬送物の有無をセンシングする搬送物検出センサと、前記搬送物検出センサによるセンシングした前記搬送車の有無に関するセンシング情報を前記制御装置に送信するセンシング情報送信部と、を備え、前記統括制御装置は、前記センシング情報を受信するセンシング情報受信部と、前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するマップ記録部と、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステータス判定部と、当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて、前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成する指令生成部と、生成した前記目標指令を前記搬送車に送信する指令送信部と、を備え、前記搬送車は、推定した前記自車位置と前記目標指令に応じて自車の走行を制御する搬送車制御部を備える、ことを特徴とする搬送システム、が提供される。
あるいは、本開示によれば、搬送物を搬送する搬送車の動作を制御する統括制御装置を用いた搬送制御方法であって、前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するステップと、前記搬送車に搭載された搬送物検出センサにより検出される前記搬送物の有無に関するセンシング情報を取得するステップと、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステップと、当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成するステップと、生成した前記目標指令を前記搬送車に送信するステップと、を備えることを特徴とする搬送制御方法、が提供される。
あるいは、本開示によれば、搬送物を搬送する搬送車の動作を制御する統括制御装置を用いた搬送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記搬送方法として、前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するステップと、前記搬送車に搭載された搬送物検出センサにより検出される前記搬送物の有無に関するセンシング情報を取得するステップと、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステップと、当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成するステップと、生成した前記目標指令を前記搬送車に送信するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム、が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業エリア内の台車などの搬送対象物の搬送作業をより効率的に行うことができる、搬送システム、及び搬送制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る搬送車のハードウェア構成例を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る搬送車のハードウェア構成例を示す下面図である。
【
図3】本実施形態に係る搬送車と牽引台車が結合された際のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る搬送車と牽引台車が結合された際のハードウェア構成の他の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る搬送システムの全体構成図の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る動作エリアと搬送車の動作例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る搬送車の機能構成図を示す図である。
【
図8】本実施形態における統括制御装置の機能構成図である。
【
図9】本実施形態に係る搬送システムの動作を変更する一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る動作エリアと搬送車の動作例を示す図である。
【
図11】誘導ライン検出部により誘導ラインを構成する二次元コードを検知した際の誘導ラインと搬送車の位置関係を示す図である。
【
図12】誘導ライン検出部により誘導ラインを構成する磁気テープを検知した際の誘導ラインと搬送車の位置関係を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
図1乃至
図4を用いて搬送車及び牽引される台車のハードウェア構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る搬送車のハードウェア構成例を示す斜視図である。
図1の矢印15は搬送車の進行方向を示している。
図1に示す通り、搬送車10は、台車との連結と非連結状態を切り替えるための連結部11、搬送車周辺の搬送物を検出する搬送物検出センサ121、駆動輪13、非駆動輪14を備えている。
【0011】
また、搬送車の上面側には、連結部11と、搬送物検出センサ121が搭載されている。連結部11は、例えばアクチュエータで構成され、台車と連結する場合にはアクチュエータを上側に伸ばして台車側の連結受け部(図示しない)と連結し、連結を解除する場合にはアクチュエータを縮めて連結部と台車側の連結受け部との連結を解除できるように構成されている。また、連結部11は、平面上で搬送車の駆動輪13を取り囲む4か所の位置に配置され、台車と4か所で連結可能となっている。本実施形態では4つの連結部を有する例を説明するが、連結部の数は必ずしも4個である必要は無く、1個以上の任意の数を選択可能である。
【0012】
搬送物検出センサ121は、搬送車から搬送物を含む物体までの距離を検出する装置である。搬送物検出センサ121の一例としては、レーザー光を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測することで物体までの距離や方向を計測するレーザー距離センサ(LiDAR(Light detection and ranging)など)、ミリ波の送信信号と物体に反射して戻ってくる受信信号に基づいて物体までの距離を検出するミリ波レーダー、または、カメラで物体を撮影して撮影画像を解析することで物体までの距離を計測するカメラ式距離センサ、などを適用することができる。本実施形態では、搬送物検出センサ121を搬送車の上面部の進行方向前方に配置する例を示したが、これに替えて進行方向の前方側面に配置しても良い。また、前方だけでなく進行方向の後方側面や左右両側面に配置しても良い。
【0013】
搬送物検出センサ121は、搬送車の周囲360度に対して物体を検出するようにしても良いが、少なくとも搬送車の進行方向15の前方に対して物体を検出できるように構成されている。
【0014】
図2は、本実施形態に係る搬送車のハードウェア構成例を示す下面図である。搬送車の底面には、搬送車の進行方向15に対する左右両側の位置に駆動輪13が設けられ、各駆動輪13の前後の位置にはそれぞれ非駆動輪14が設けられる。駆動輪13は、モーターなどで構成される車輪駆動部135の回転軸に接続されて駆動される車輪であり、右側の駆動輪と左側の駆動輪はそれぞれ個別に制御され、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することにより、搬送車をカーブさせて走行させたり、その場で搬送車を回転させて向きを変えたりすることが可能となる。非駆動輪14は、駆動されない車輪で構成され駆動輪13により搬送車が移動することで受動的に回転する車輪である。非駆動輪14は、例えば、車輪と車軸を固定するフォークを有し、フォークは搬送車の底面部材と旋回可能に接続される回転キャスターで構成される。そのため、搬送車の進行方向や回転動作に応じて非駆動輪14の車輪回転方向が受動的に変化する。
図2では、2つの駆動輪と、四隅に4つの非駆動輪を備える搬送車のハードウェア構成を例示したが、本発明は当該ハードウェア構成に限定されるものではなく、駆動輪2つと非駆動輪2つの計4輪の構成を採用することも可能であり、また当該4輪構成において前輪がステアリング可能となる構成を採用することも可能である。
【0015】
搬送車の底面には、誘導ラインを検出する誘導ライン検出部16を設けることも可能である。誘導ライン検出部16は、望ましくは駆動輪13よりも搬送車の進行方向前方に設けられる。これにより、誘導ラインがカーブしている位置を走行する場合に誘導ラインに追従して走行しやすくなり、また搬送車及び牽引する台車が進行する際にいち早く誘導ラインから情報を受信することでいち早く停止等の処理が実行できる。誘導ライン検出部は、上述したような誘導方式のタイプに応じたセンサが用いられる。誘導方式として、電磁誘導方式を用いる場合はピックアップコイル、磁気誘導方式を用いる場合は磁気センサ、画像認識方式を用いる場合はカメラが誘導ライン検出部のセンサとして用いられる。
【0016】
図3は、本実施形態に係る搬送車と牽引台車が結合された際のハードウェア構成の一例を示しており、具体的には、搬送車10が搬送物である台車の下側に潜り込んだ状態で台車と連結する例を示している。この際、円錐形上の連結部11と対応する位置にすり鉢状の連結受け部が台車の底面に配置されており、連結部11を上側に伸ばすことで台車と連結でき、連結部11を縮めることで台車との連結を解除できる。
【0017】
図4は、本実施形態に係る搬送車と牽引台車が結合された際のハードウェア構成の他の一例を示している。
図4に示す例では、搬送車は台車2000の横に位置する状態で台車と連結する例を示している。台車は、搬送車の連結部11の少なくとも一部と連結する連結受け部2010を備えており、連結部11を上側に伸ばすことで台車と連結でき、連結部11を縮めることで台車との連結を解除できる。
図3や
図4では、搬送車の上面にアクチュエータ等で構成される連結部11を上下方向に伸縮させることで、台車との連結と連結解除を行う例を示したが、搬送車と台車の連結方法はこれに限られず、他の連結方法であっても良い。また、搬送車と連結される搬送物は、台車に限られず、例えば、車輪を有さないパレットや棚等であっても良い。パレットや棚を搬送する場合には、搬送車はパレットや棚の下側に潜り込んで、パレットや棚を持ち上げた状態で連結される。
【0018】
<搬送システムの構成>
次に、本実施形態の搬送システムの構成を説明する。
図5は、本実施形態に係る搬送システムの全体構成図の一例を示す図である。搬送システム1000は、複数の搬送車(10a, 10b)、搬送物である台車2000、搬送車の状態を表示又は搬送車へ指令を入力可能な操縦機3000、搬送車の運行に必要な情報を管理する統括制御装置4000、統括制御装置の情報を表示し統括制御装置に情報を入力する入出力装置5000、動作エリア内の画像を取得して台車等の搬送物の有無、搬送車の所定荷物搭載の有無のセンシングを行って当該センシング情報を統括制御装置に送信する固定搬送物検出センサ8000と、複数の搬送車(10a, 10b)と操縦機3000と統括制御装置4000と固定搬送物検出センサ8000を通信可能に接続する通信ネットワーク6000を備える。
【0019】
また、搬送システム1000は通信ネットワーク6000を介して外部システム7000と接続させることもできる。搬送システム1000を製造工場に導入して、製造に必要な部品を収納庫から製造ラインに搬送する場合には、搬送システム1000は、外部システム7000として製造管理システムとシステム間連携を行う。この場合、製造管理システムから製造作業の稼働進捗状況に関する情報を取得すれば、搬送車による輸送量や輸送経路を製造作業の作業進捗状況に応じて動的に調整することができる。
【0020】
別の例として、搬送システム1000を物流倉庫に導入して、トラック等で荷物が倉庫に搬入される際に搬入物を搬入口から収納庫に搬送し、また倉庫から荷物を出荷する際に収納庫から出荷される荷物を搬出口へ搬送する場合には、搬送システム1000は、外部システム7000として物流管理システムとシステム間連携を行う。この場合、物流管理システムから搬入に関する情報や出荷に関する情報を取得すれば、搬送車による輸送量や輸送経路を変更することができる。
【0021】
搬送システムが導入される施設では、一般的に複数の搬送車(10a, 10b)が稼働するため、それぞれの搬送車は通信ネットワーク6000を介して他搬送車や他構成要素と通信可能に連結される。例えば、搬送車は自機の検出部で検出した各種検出情報やその他の制御情報を操縦機3000や統括制御装置4000や他搬送車10に送信する。また搬送車10は台車2000と電気的に接続又は近距離通信手段で通信可能に接続され、台車から連結状態に関する情報や台車の識別情報などを受信可能に構成される。
【0022】
操縦機3000は、指定した搬送車の状態情報を表示する機能と、指定した搬送車へ指令を入力する機能を備えている。例えば、操縦機に表示される搬送車の状態情報としては、搬送車に搭載されて搬送車の電源となるバッテリの充電量の情報、搬送車と連れた台車の識別情報などである。搬送車へ入力する指令としては、例えば、搬送車の目的地に関する指令情報、台車との連結や連結解除の動作指令、搬送車の走行開始指令、搬送車の停止指令、充電ステーションへの帰還指令などである。
【0023】
図6は、本実施形態に係る搬送車の動作エリア160の構成例を示す図である。
図6に示す例では、動作エリア160に4台の搬送車(10a、10b、10c、10d)と3台の台車(2000a、2000b、2000c)が存在し、動作エリア160内に、4つの作業エリア(161~164)が定義されている例を示している。物流倉庫や製造工場などでは、作業員やコンベアなどによる現場の作業と連携させるために、台車やパレットなどの搬送物を所定の位置に搬送することが求められる。例えば、台車をベルトコンベアとの連携位置に停車させたり、作業員の作業位置に横付けしたりすることで、作業員が移動せず搬送物に乗せられた荷物を取ることができるように搬送物を搬送することが求められる。
【0024】
図6に示す、第1の作業エリア162、163、164は、作業員により台車2000の上に荷物Aを積む作業が行われるエリアであり、第2の作業エリア161は、作業員により台車2000から荷物Aを下ろす作業が行われるエリアである。そのため、複数の搬送車10は、第1の作業エリア162、163、164において荷物を搭載した台車をけん引して第2の作業エリア161に台車を搬送すると共に、第2の作業エリア161において空になった台車を回収して第1の作業エリア162、163、164に搬送するタスクを実行する。さらに、搬送車10は、台車を搬送するタスクを行う過程で、自己の搬送車に搭載された搬送物検出センサ121により、周囲のエリアにおける搬送物の有無の情報をセンシングして、センシング情報を通信ネットワーク6000を介して統括制御装置4000に送信する。また、例えば、第1の作業エリア162には、固定搬送物検出センサ8000が設置されており、固定搬送物検出センサにより第1の作業エリア162における台車有無または台車有無に加えて台車に荷物Aが搭載されているか否かがセンシングされ、センシング情報は通信ネットワーク6000を介して統括制御装置4000に送信する。
【0025】
ここで、本発明は、一方側から他方側の位置へ移動する往路において荷物Aを台車に載せて搬送するだけでなく、他方側から一方側の位置へ移動する復路において荷物Aとは異なる荷物B(例えば、段ボールや包装ごみなど)を台車に載せて搬送する搬送システムにも適用することができる。この場合、例えば、第1の作業エリア162、163、164は、作業員により台車2000から荷物Bを下ろし、台車の上に荷物Aを積む作業が行われるエリアと定義し、第2の作業エリア161は、作業員により台車2000から荷物Aを下ろし、台車の上に荷物Bを積む作業が行われるエリアと定義する。
【0026】
仮に、搬送車10の台車搬送のタスクが、第1の作業エリア162、164と第2の作業エリア161の間の往復する動作に集中して、長期間の間、第1の作業エリア163の周囲を通過しない場合が発生すると、第1の作業エリア163における台車の有無や所定荷物の搭載有無などの状況をリアルタイムに把握できず、複数の搬送車10に対して、効率的なタスクの割り当てが難しくなるという課題がある。以下、搬送車及び統括制御装置の詳細な機能等の説明により、上記した課題に対する技術的な解決手段を明らかにする。
【0027】
<搬送車の機能>
図7を用いて搬送車の有する機能を説明する。
図7は、本実施形態に係る搬送車10の機能構成図を示す図である。搬送車10は、搬送車外部の台車2000や通信ネットワーク6000と通信を行う通信部110と、検出部120と、搬送車制御部130と、記録部140と、連結部11と、車輪駆動部135を備えている。
【0028】
記録部140は、通信部110が外部から受信した情報、検出部120が検出した検出情報、搬送車制御部130が出力した制御情報を記録する機能を有する。
【0029】
通信部110は、センシング情報送信部111、目標指令受信部112、搬送車状態送信部113を備えている。センシング情報送信部111は、搬送物検出センサ121によりセンシングした搬送物の有無、搬送物の所定荷物搭載の有無などに関するセンシング情報を通信ネットワーク6000を介して統括制御装置4000に送信する。なお、センシング情報は、搬送物の有無や搬送物上の所定荷物搭載の有無に関する情報だけでなく、搬送物の有無をセンシングした動作エリア内の位置を特定可能な情報、あるいは搬送物の周囲に障害物の有無に関する情報を含む。動作エリア内の位置を特定可能な情報の一例として、搬送物検出センサにより搬送物の有無をセンシングした際の、搬送物検出センサの検出範囲に関する情報、自己位置推定部122で検出した搬送車の位置に関する情報、あるいはセンシング時刻の情報、の少なくともいずれかの情報を含んでいてもよい。
【0030】
目標指令受信部112は、統括制御装置4000から受信する目標指令を受信する。この目標指令は、搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令であり、搬送対象の台車の識別情報と台車の搬送先の位置情報を含んでいてもよい。搬送車制御部では、当該目標指令に応じて搬送車を制御する。
【0031】
搬送車状態送信部113は、タスク管理部133により把握している自己の搬送車に割り当てられたタスクの有無を含む搬送車状態の情報を通信ネットワーク6000を介して統括制御装置4000に送信する。
【0032】
検出部120は、搬送物検出センサ121、自己位置推定部122、荷物検出センサ123、誘導ライン検出部16、を備えている。搬送物検出センサ121は、前述した通り、レーザー光を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測することで搬送物や障害物などの物体までの距離や方向を計測するレーザー距離センサ(LiDAR(Light detection and ranging)など)、ミリ波の送信信号と物体に反射して戻ってくる受信信号に基づいて物体までの距離を検出するミリ波レーダー、または、カメラで物体を撮影して撮影画像を解析することで物体までの距離を計測するカメラ式距離センサ、などで構成される。また、搬送物検出センサ121は、上記したセンサの検出結果に基づいて搬送物の有無を検出することができる。さらに、搬送物検出センサ121は、搬送物の周囲の障害物の有無を検出することができる。搬送物検出センサ121は、検出した物体の形状情報、あるいは搬送物に付されたコードの読み取り情報、あるいは検出した搬送物に搬送車との連結部があるか否かの検出情報に基づいて、搬送車により搬送すべき台車やパレットや棚などの特定の搬送物と、搬送物以外の障害物とを判別することができる。
【0033】
自己位置推定部122は、例えば、自車の走行距離と向きを検出し、検出情報と記録部220に記録されている動作エリア160全体のマップ情報に基づいて、動作エリア160全体における自車の位置を推定することができる。または、搬送物検出センサ121で計測した自車から物体までの距離や方向の情報と、記録部220に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。あるいは、二次元コードで構成された誘導ライン上を走行している場合には、二次元コードの識別情報と上記マップ情報とに基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。
【0034】
荷物検出センサ123は、例えば、カメラで構成し、荷物に付されたコード情報を読み取ることで、所定の荷物が搬送物に搭載されていることを検出することができる。あるいは、荷物検出センサ123は、例えば、タグ情報読み取りセンサで構成し、荷物に付されたRFID等の無線通信タグの情報を読み取ることで、所定の荷物が搬送物に搭載されていることを検出することができる。また別の例では、荷物検出センサ123は、例えば、LiDARなどのレーザー距離センサやToFセンサなどの光学センサやカメラで構成し、搬送物上の荷物の有無を検出することができる。
【0035】
誘導ライン検出部16は、誘導方式のタイプに応じたセンサが用いられる。誘導方式として、電磁誘導方式を用いる場合はピックアップコイル、磁気誘導方式を用いる場合は磁気センサ、画像認識方式を用いる場合はカメラが誘導ライン検出部のセンサとして用いられる。誘導ライン検出部は、誘導ラインの直上に位置している場合に誘導ラインを検出して検出信号を出力する。また、カメラにより二次元コードやバーコードを使った誘導ラインを読み取る画像認識方式の場合には、誘導ラインの検出信号に加えて、検出したコードの情報に基づいて位置情報を生成し、更にコードの画像情報を行うことで誘導ラインと搬送車の相対角度情報を生成することができる。
【0036】
搬送車制御部130は、駆動制御部131、連結制御部132、タスク管理部133、モード切替部134を備えている。駆動制御部131は、目標指令受信部112が受信した目標指令に含まれる搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の情報と、自己位置推定部122により推定した自己位置の情報に基づいて、搬送車の自己位置が目標指令に追従するように車輪駆動部135を制御する。具体的には、車輪駆動部135に含まれる図示しない右輪駆動部、左輪駆動部をそれぞれ個別に制御して、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することで、搬送車を任意の軌跡半径でカーブさせて走行させたり、搬送車を回転させて向きを変えたりすることで、搬送車の位置を目標指令に含まれる目標位置等に追従させることが可能となる。なお、右輪駆動部と左輪駆動部は例えばモーターで構成される。
【0037】
連結制御部132は、搬送対象の台車の識別情報と台車の搬送先の位置情報を含む目標指令を受信した場合に、連結部11の動作を制御して、指定された台車などの搬送物との連結/非連結を制御する。つまり、目標指令として、「第1の作業エリア164にある台車2000cを第2の作業エリア161に搬送せよ」との指令を受信した場合には、第1の作業エリア164において台車2000cと連結動作を行い、当該台車2000cを第2の作業エリア161まで牽引した後、台車2000cと非連結動作を行う。
【0038】
タスク管理部133は、目標指令受信部112により受信した目標指令と、駆動制御部131および連結制御部132により実行された動作履歴に基づいて、目標指令のタスク実行状況を認識する。例えば、目標指令に基づくタスクを未実行または実行中である場合には、未完了のタスクがあると判断し、目標指令に基づくタスクがすべて実行済である場合には、未完了のタスク無し、と判断する。タスク管理部133で認識された搬送車状態の情報は、搬送車状態送信部113により統括制御装置4000に送信される。
【0039】
モード切替部134は、搬送車の走行モードを誘導走行モードと自律走行モードの間でモードの切り替えを行う。例えば、誘導ライン検出部16により誘導ラインを検出した場合には、誘導走行モードに切り替えを行い、あらかじめ設定された自立走行モードのエリアに到達した場合に自律走行モードに切り替えを行うことができる。
【0040】
<搬送車の機能>
図8を用いて統括制御装置の有する機能を説明する。
図8に本実施形態における統括制御装置4000の構成図を示す。統括制御装置4000は、マップ記録部4010、指令生成部4020、搬送車タスク管理部4030、ステータス判定部4040、通信部4050を備えている。また、通信部4050は、センシング情報受信部4051、目標指令送信部4052、搬送車状態受信部4053を備えている。
【0041】
センシング情報受信部4051は、通信ネットワーク6000を介して、複数の搬送車10のセンシング情報送信部111から送信されるセンシング情報、及び固定搬送物検出センサ8000から送信されるセンシング情報を受信する。上述した通り、センシング情報は、搬送物の有無に関する情報、搬送物の所定荷物搭載の有無などだけでなく、搬送物検出センサにより搬送物の有無をセンシングした際の、搬送物検出センサの検出範囲に関する情報、自己位置推定部122で検出した搬送車の位置に関する情報、あるいはセンシング時刻の情報、の少なくともいずれかの情報を含んでいてもよい。
【0042】
目標指令送信部4052は、指令生成部4020で生成した目標指令を所望の搬送車10に対して送信する。
【0043】
搬送車状態受信部4053は、通信ネットワーク6000を介して複数の搬送車10の搬送車状態送信部113から各搬送車のタスクの実行状況を含む搬送車状態の情報を受信する。搬送車状態とは、例えば、未完了のタスクがあるか、または未完了のタスクが無いかが判断できる情報である。
【0044】
マップ記録部4010は、動作エリア160のマップ情報を記録する。マップ記録部4010に記録されるマップ情報は、例えば、複数の搬送車の搬送物検出センサによる物体の位置情報や搬送車の走行位置の履歴情報に基づいて生成される。または、マップ情報は予めユーザにより入力することも可能である。
【0045】
ステータス判定部4040は、センシング情報受信部4051で搬送車及び固定カメラから受信したセンシング情報に基づいて、動作エリア160内に定義される複数のエリア毎(例えば、作業エリア161、162、163)に台車のステータスを管理する。ここで、センシング情報受信部4051において、作業エリア164内に台車があることを検出し、かつ作業エリア164から搬送すべき所定荷物が台車に搭載されていることを検出したセンシング情報を受信した場合(作業エリア164から空台車を搬送すると定義されている場合には、台車に荷物が搭載されていないことを検出したセンシング情報を受信した場合)には、作業エリア164のステータスを「搬送可能状態」と設定する。逆に、センシング情報受信部4051において、作業エリア164内に台車が無いこと、あるいは作業エリア164内に台車があり、台車に所定荷物が搭載されていないこと(作業エリア164から空台車を搬送すると定義されている場合には、台車に荷物が搭載されていること)、あるいは作業エリア164内に台車があり、台車の周囲に障害物があること、の少なくともいずれかを検出したセンシング情報を受信した場合には、台車を自動搬送することができない状態となるため、作業エリア164のステータスを「搬送不可状態」と設定する。このように「搬送不可状態」と判定された場合には、作業員に当該エリアの情報とステータスの情報を操縦機3000などに通知して、所定の荷物が搬送物に載せられていない状態、下ろすべき荷物がまだ搭載されている状態や搬送物の周囲に障害物がある状態などの自動搬送ができない状態となっている要因を作業員に除去させるように促すこともできる。
【0046】
また、センシング情報を最後に受信してから所定時間以上、作業エリア164内におけるセンシング情報を受信しない場合(センシングが実行されない場合)には、作業エリア164のステータスを「不明」と判定する。上記した3種類のステータスは、受信したセンシング情報の内容と所定時間以上センシング情報を受信しない状況とに応じて、更新される。ここで、ステータスを「不明」と判断する基準は、上述したように最後にセンシング情報を受信してから予め設定した所定の基準時間経過したこととすることとできるが、それ以外にも、最後にセンシング情報を受信してから動的に変更される基準時間が経過したこととすることもできる。また、作業エリア毎に固有の基準時間を設けても良い。あるいは、基準時間が経過したことを条件とすることに替えて、地震発生やエリア内への作業者の侵入などの所定イベントが発生したことによりステータスを「不明」と判断することもできる。
【0047】
以下に、ステータス「搬送可能状態」を更に二つのステータスに分けて判定する例を説明する。搬送車の搬送物検出センサ121や固定搬送物検出センサ8000が、台車の有無の情報に加えて、台車に所定の荷物が搭載されているか否かも検出することができるように構成されている場合、あるいは、荷物検出センサにより所定の荷物が搬送物に搭載されていることを検出できるように構成されている場合には、ステータス判定部4040は、センシング情報に含まれる所定荷物の搭載有無の情報も含めてステータスを判断する。例えば、作業エリア164に台車があり、かつ当該台車に荷物Aが搭載されていることを検出し、かつ搭載されている荷物が作業エリア164から搬送すべき所定荷物Aであることを検出したセンシング情報を受信した場合には、作業エリア164のステータスを「荷物あり、かつ搬送可能状態」と設定する。あるいは、作業エリア164が空台車を搬送するエリアと定義される場合には、例えば、作業エリア164に台車があり、かつ当該台車に荷物が搭載されていないこと検出したセンシング情報を受信した場合には、作業エリア164のステータスを「荷物なし、かつ搬送可能状態」と設定する。
【0048】
搬送車タスク管理部4030は、搬送車毎に割り当てられたタスク状態を管理する。例えば、
図6に示す動作エリアにおいて、統括制御装置から搬送車10aに対して、第1の作業エリア162内の搬送物を第2の作業エリア161に搬送する目標指令が送信されている場合であって、搬送車状態受信部4053において、当該搬送車10aから当該目標指令に対応するタスクが完了したことを受信していない場合には、搬送車10aの状態を「未完了のタスク有」と判断する。また、搬送車状態受信部4053において、当該搬送車10aから当該目標指令に対応するタスクが完了したことを受信している場合、あるいは、搬送車10aに対する目標指令が出力されていない場合には、搬送車10aの状態を「未完了のタスク無」と判断する。
【0049】
指令生成部4020は、各搬送車に対する目標指令を生成する。例えば、指令生成部4020は、ステータス判定部4040において、ステータスが「不明」となっているエリアの近くに搬送車を移動させて、当該エリアにおける台車の有無の情報を早期に把握するために、ステータスが「不明」となっているエリアを搬送車に搭載された搬送物検出センサでセンシングできる位置を当該搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかとして含む目標指令を生成する。また、より好ましくは、搬送車タスク管理部4030において、搬送車の状態が「未完了のタスク無」となっている搬送車に対して、上述した目標指定を生成することにより、現在進行している搬送車のタスク実行に影響を与えることなく、「未完了のタスク無」の状態となっている搬送車、つまり休んでいる搬送車を有効に活用して、ステータス不明のエリアの状況をセンシングすることができる。指令生成部4020で生成した目標指令は、目標指令送信部4052を介して所望の搬送車10に対して送信される。
【0050】
指令生成部4020は、上述したようなステータス「不明」となっているエリアの近くに搬送車を向かわせる指令を生成することに加えて、またはこれに替えて、ステータス判定部4040において「搬送不可状態」と判定されたエリアの近くに搬送車を向かわせるように、「搬送不可状態」と判定されたエリアを搬送車に搭載された搬送物検出センサでセンシングできる位置を当該搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかとして含む目標指令を生成するようにしても良い。ステータスが「搬送不可状態」と判定されたエリアでは、ステータスの通知を受けた作業員が台車などの搬送物が搬送できる状態となるように作業を行っている可能性が高く、自走搬送が可能な状態に状態が変化している可能があるため、そのようなエリアを優先的に搬送車でセンシングできるように搬送車を制御することで、搬送システムの効率をさらに向上することができる。
【0051】
指令生成部4020は、上述したようなステータス「不明」となっているエリアの近くに搬送車を向かわせる指令を生成することに加えて、またはこれに替えて、ステータスの更新が行われていない時間が長いエリアの近くに搬送車が優先的に向かうように、ステータスの更新が行われていない時間が他エリアよりも長いエリアを搬送車に搭載された搬送物検出センサでセンシングできる位置を当該搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかとして含む目標指令を生成するようにしても良い。
【0052】
<処理フロー>
以下に、
図9を用いて搬送車と固定搬送物検出センサと統括制御装置を含む搬送システムにより実施される制御フローを説明する。
図9は、本実施形態に係る搬送システムの動作を変更する一例を示す図である。
【0053】
まず、搬送車は、動作エリア160内に複数個所定義されたエリアについて搬送物のセンシングを行って、センシング情報を統括制御装置へ送信する(S101)。さらに、固定搬送物検出センサは、自センサのセンシング範囲について搬送物のセンシングを行って、センシング情報を統括制御装置へ送信する(S301)。統括制御装置は、搬送車と固定搬送物検出センサから搬送物のセンシング情報を受信する(S201)。
【0054】
次に、統括制御装置は、受信したセンシング情報に基づいてステータス判定部において、各エリアのステータスを更新する(S202)。次に、搬送車タスク管理部において搬送車のタスク実行状態を確認する(S203)。次に、指令生成部において搬送車の目標指令を生成すると共に、目標指令送信部により未完了のタスクが無い搬送車に対して目標生成指令を送信する(S204)。
【0055】
次に、搬送車は、統括制御装置から目標指令を受信する(S102)。そして、受信した目標指令に応じて、搬送車の走行などを制御し、搬送物の搬送作業またはエリアの搬送物の有無センシング作業を実行する(S103)。
【0056】
次に、統括制御装置は、搬送車状態受信部により搬送車から目標指令に基づくタスクが完了したことを受信して、搬送車タスク管理部により搬送車のタスクを更新する(S205)。
【0057】
<動作の説明>
図10は、本実施形態に係る動作エリアと搬送車の動作例を示す図である。上述したように、本発明の一実施形態による搬送システムは、動作エリア内に定義された複数のエリアのうち、基準時間以上、搬送物の有無をセンシングできていないステータス「不明」のエリアにおける搬送物の状態(あるいは「搬送不可状態」と判定されたエリアの搬送車の状態、あるいは、ステータスの更新が行われていない時間が長いエリアの搬送車の状態)を、搬送車に搭載されたセンサを利用して、より効率的に把握することができるようになる。
図10に示す例では、統括制御装置は、搬送車10dに対して、作業エリア163の近傍を目的位置、経由位置、走行経路のいずれかとする目標指令を与えることにより、搬送車10dを作業エリア163の近傍に接近させることで、搬送車10dに搭載された搬送物検出センサ121により、ステータスが「不明」、または「搬送不可状態」となっている、あるいはステータスの更新が行われていない時間が長い作業エリア163における搬送物の状態をより効率的にセンシングすることができるようになる。
【0058】
上述した実施例では、ステータス判定部において、動作エリア内の複数のエリアに対するステータスとして「搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」の3つのステータスのいずれかを選択する、あるいは、「搬送可能状態」を更に「荷物あり、かつ搬送可能状態」と「荷物なし、かつ搬送可能状態」に分けて、「荷物あり、かつ搬送可能状態」、「荷物なし、かつ搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」の4つのステータスのいずれかを選択する実施形態を説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、ステータス判定部が、複数のエリアにおける搬送車の有無の検出結果に基づいて、「搬送車あり、かつ搬送可能状態」、「搬送車あり、かつ搬送不可能状態」、「搬送車無し」、「不明」の4つのステータスのいずれかを選択するようにし、ステータス「不明」、または「搬送車あり、かつ搬送不可能状態」となっている、作業エリアを搬送車に搭載された搬送物検出センサでセンシングできる位置を当該搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかとして含む目標指令を生成するようにしても良い。
【0059】
従来の自律走行方式(レーザー光などを利用した障害物検知センサにより障害物を検知し、障害物を避けて自律走行する方式)では、精度の高い搬送作業を実現することは難しく、また所定の位置と向きに所定の方法で停止させるためのシステム導入に手間がかかるという課題がある。また誘導方式(走行路面に敷設された誘導ラインに沿って走行する方式)では、誘導ラインを走行路面に敷設する必要があり、敷設作業を行う際に現場のオペレーションの妨げになったり、敷設された誘導ラインを傷めないように現場オペレーションを変更する必要が生じることがある。また、磁気誘導線を路面に埋め込むタイプの誘導ラインを敷設した後には、走行経路の変更が容易ではないという課題がある。
【0060】
そのため、所定の方法で停止させたり、ベルトコンベアなどの他機器と連携させるための精度の高い搬送作業が求められるエリア(例えば、作業エリア161,162,163,164)は、誘導走行エリアと定義して、誘導方式で搬送車が走行可能となるように誘導ラインを敷設し、他のエリアは自律走行エリアと定義して、誘導ラインが無くても予め取得しているマップ情報をもとにして自律走行方式で指定された目的地に向かって搬送車を走行させることが望ましい。
【0061】
図11は、誘導ライン検出部16により誘導ライン1110を構成する二次元コードを検知した際の誘導ラインと搬送車の位置関係を示している。誘導ラインは二次元コード1000に示すような二次元平面上にコード情報が印刷された複数の二次元コードが誘導ラインの敷設方向に向かって並んで印刷されている。誘導ライン検出部16は、二次元コードを検出すると、当該二次元コードから取得したコード情報に基づいて、当該二次元コードの位置情報を取得することができる。
【0062】
図12は、誘導ライン検出部16により誘導ライン1110を構成する磁気テープを検知した際の誘導ラインと搬送車の位置関係を示している。
図12に示す誘導ライン検出部16は、磁気テープを検出する磁気センサ17を搬送車の進行方向に向かって横方向に複数備える構成となっている。誘導ライン検出部16に設けられた複数の磁気センサ17は、それぞれ磁気テープを検出したか否かの検出信号を出力する。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0064】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、搬送車の搬送車制御部130および記録部140は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。また、本明細書において説明した搬送システムでは、操縦機3000、統括制御装置4000、入出力装置5000、固定搬送物検出センサ8000がそれぞれネットワークを介して接続された別個のハードウェアで構成される例を説明したが、操縦機3000、統括制御装置4000、入出力装置5000の機能の一部又は全部が搬送車10に実装されていても良い。
【0065】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る搬送車制御部130の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0066】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0067】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0068】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
搬送物を搬送する搬送車と、当該搬送車の動作を制御する統括制御装置と、を備える搬送システムであって、
前記搬送車は、
前記搬送車の自車位置を推定する自車位置推定部と、
前記統括制御装置から少なくとも前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路のすくなくともいずれかに関する目標指令を受信する目標指令受信部と、
前記搬送物の状態をセンシングする検出部と、
前記検出部によるセンシングした前記搬送車の状態に関するセンシング情報を前記制御装置に送信するセンシング情報送信部と、を備え、
前記統括制御装置は、
前記センシング情報を受信するセンシング情報受信部と、
前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するマップ記録部と、
前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステータス判定部と、
当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて、前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成する指令生成部と、
生成した前記目標指令を前記搬送車に送信する指令送信部と、を備え、
前記搬送車は、推定した前記自車位置と前記目標指令に応じて自車の走行を制御する搬送車制御部を備える、ことを特徴とする搬送システム。
(項目2)
項目1に記載の搬送システムであって、
前記センシング情報受信部の受信する前記センシング情報は、前記搬送車の有無と、前記搬送物の有無をセンシングした位置とを特定可能な情報を含み、
前記ステータス判定部は、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、前記作業エリア内に定義される複数のエリアにおける前記搬送物のステータスを更新する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目3)
項目2に記載の搬送システムであって、
前記ステータス判定部は、前記複数のエリア毎に、「搬送可能状態」、「搬送不可能状態」、「不明」の3つのステータスを少なくとも含み、
受信する前記センシング情報に応じて、前記ステータスを更新する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目4)
項目3に記載の搬送システムであって、
前記指令生成部は、前記ステータスが「不明」となっているエリア、または前記所定時間よりも短い第2の所定時間にわたり検出ステータスが更新されていないエリア、を前記検出部によりセンシングできる位置を前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかとして含む前記目標指令を生成する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目5)
項目4に記載の搬送システムであって、
前記搬送システムは、複数の前記搬送車を備え、
複数の前記搬送車は、前記統括制御装置から受信した前記目標指令に基づく未完了のタスク有の搬送車と、前記統括制御装置から受信した前記目標指令に基づく未完了のタスク無しの搬送車と、を含み、
前記指令送信部は、前記タスク無しの搬送車に対して、優先的に前記目標指令を送信する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目6)
項目4に記載の搬送システムであって、
前記搬送物は、荷物を搭載可能な台車、棚、パレットの少なくともいずれかであり、
前記検出部は、前記搬送物の有無を検出する搬送物検出センサ、および前記搬送物に所定の荷物が搭載されているか否かをセンシングする荷物検出センサを有する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目7)
項目2に記載の搬送システムであって、
前記ステータス判定部は、前記複数のエリア毎に、「荷物あり、かつ搬送可能状態」、「荷物なし、かつ搬送可能可能」、「搬送不可能状態」、「不明」、の4つのステータスを少なくとも含む検出ステータスを生成する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目8)
項目1に記載の搬送システムであって、
前記搬送システムは、さらに前記搬送物の状態をセンシングし、前記作業エリア内の設備に固定される固定搬送物検出センサを備え、
前記ステータス判定部は、前記指令生成部は、前記固定搬送物検出センサと前記搬送物検出センサによりセンシングした前記搬送物の状態に関するセンシング情報に応じて、所定または同的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないステータス不明のエリアを判定する、ことを特徴とする搬送システム。
(項目9)
搬送物を搬送する搬送車の動作を制御する統括制御装置を用いた搬送方法であって、
前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するステップと
前記搬送車に搭載された検出部により検出される前記搬送物の状態に関するセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステップと、
当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成するステップと、
生成した前記目標指令を前記搬送車に送信するステップと、を備えることを特徴とする搬送方法。
(項目10)
搬送物を搬送する搬送車の動作を制御する統括制御装置を用いた搬送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記搬送方法として、
前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するステップと
前記搬送車に搭載された搬送物検出センサにより検出される前記搬送物の検出部に関するセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステップと、
当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成するステップと、
生成した前記目標指令を前記搬送車に送信するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0069】
10:搬送車、 11:連結部、 121:搬送物検出センサ、 13:駆動輪、 14:非駆動輪、 16:誘導ライン検出部、 17:磁気センサー、
110:通信部、 120:検出部、 130:搬送車制御部、 140:記録部、
160:動作エリア、 161,162,163,164:作業エリア、
210 通信部、 220 記録部、 230 検出部、 240 入力部、 250 表示部、 260 制御部、
1110:誘導ライン、2000:台車、 2010:連結受け部、 3000:操縦機、4000:統括制御装置、 4010:マップ記録部、 4020:指令生成部、 4030:搬送車タスク管理部、 4040:ステータス判定部、
5000:入出力装置、 6000:通信ネットワーク、 7000:外部システム、
8000:固定搬送物検出センサ
【要約】
【課題】
搬送ロボットに搭載されたカメラなどのセンサにより認識した台車の状態に応じて、搬送ロボットによる台車の搬送作業を行うことが開示されている。しかし、搬送ロボットが頻繁に通過しないエリアでは、台車の状態を長時間認識できない状態が発生し、搬送ロボットによる台車の搬送動作を効率的に行えない、という課題があった。
【解決手段】
本開示による搬送システムは、搬送物を搬送する搬送車と、当該搬送車の動作を制御する統括制御装置と、を備える搬送システムであって、前記搬送車は、前記搬送車の自車位置を推定する自車位置推定部と、前記統括制御装置から少なくとも前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路のすくなくともいずれかに関する指令を受信する指令受信部と、前記搬送物の状態をセンシングする検出部と、前記検出部によるセンシングを実行した位置に関するセンシング情報を前記制御装置に送信するセンシング状態送信部と、を備え、前記統括制御装置は、前記センシング情報を受信するセンシング情報受信部と、前記搬送車の作業エリアのマップ情報を記録するマップ記録部と、前記センシング情報と前記マップ情報に基づいて、所定または動的に変更可能な基準時間以上センシングが実行されていないエリアをステータス不明と判定するステータス判定部と、当該ステータス不明のエリアに関する情報に応じて、前記搬送車の目的位置、経由位置、走行経路の少なくともいずれかに関する目標指令を生成する指令生成部と、生成した前記目標指令を前記搬送車に送信する指令送信部と、を備え、前記搬送車は、推定した前記自車位置と前記目標指令に応じて自車の走行を制御する搬送車制御部を備える、ことを特徴とする搬送システムである。
【選択図】
図1