(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】端末装置、位置取得方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20240501BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
(21)【出願番号】P 2024000576
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2023220751の分割
【原出願日】2023-12-27
【審査請求日】2024-01-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523283863
【氏名又は名称】エグゼヴィータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】多田 洋史
(72)【発明者】
【氏名】安西 洋平
【審査官】石原 徹弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-249084(JP,A)
【文献】特開2021-124297(JP,A)
【文献】特開2005-099018(JP,A)
【文献】原田直弥 外4名,“無線LAN環境における主成分分析を用いたハイブリッド位置推定手法”,電子情報通信学会論文誌,日本,社団法人電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS,2010年10月01日,Volume 93-D, Number 10,Pages 1876-1884
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3以上の各通信装置から当該通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、
前記3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、
前記強度取得部が取得した前記3以上の各通信装置の時系列の前記電波強度を用いて、2以上の通信装置の時系列の前記電波強度に変化が無い場合に端末装置が停止中であると判断し、端末装置が移動中であるか停止中であるかの判断結果である移動判断結果を取得する移動判断部と、
前記強度取得部が取得した時系列の前記電波強度を用いて、前記3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部と、
前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の前記通信装置の電波強度を用いて、前記端末装置の位置情報である端末位置を取得する位置取得部と、
前記位置取得部が取得した前記端末位置を出力する位置出力部とを具備
し、
前記位置取得部は、
前記移動判断結果を用いて、前記端末位置を取得する端末装置。
【請求項2】
前記位置取得部は、
前記移動判断結果が「停止中」である場合のみ、前記端末位置を取得する請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記位置取得部は、
前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の前記通信装置の電波強度を装置識別子に対応付けて取得する強度取得手段と、
特定地点の位置情報と、2または3以上の各固定端末の装置識別子ごとの前記特定地点での電波強度とを有する3以上の地点情報が格納される地点情報格納部から、前記強度取得手段が取得した3以上の各装置識別子に対応付く電波強度と類似条件を満たす1または2以上の地点情報を決定する地点決定手段と、
前記地点決定手段が決定した前記1以上の各地点情報が有する位置情報を取得し、当該1以上の位置情報を用いて、前記端末位置を取得する位置取得手段とを具備する請求項1
または請求項2記載の端末装置。
【請求項4】
前記地点情報格納部の前記3以上の各地点情報は、地点情報生産装置により取得された情報であり、
前記地点情報生産装置は、
特定地点の位置情報を受け付ける位置受付部と、
前記特定地点において、3以上の各通信装置から当該通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、
3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、
前記強度取得部が取得した時系列の前記電波強度を用いて、前記3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部と、
前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の各通信装置の装置識別子と電波強度と前記特定地点の前記位置情報とを有する地点情報を構成し、蓄積する蓄積部とを具備する、請求項
3記載の端末装置。
【請求項5】
受信部と、強度取得部と、
移動判断部と、種類判断部と、位置取得部と、位置出力部とを具備する端末装置における位置取得方法であって、
前記受信部が、3以上の各通信装置から当該通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信ステップと、
前記強度取得部が、前記3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得ステップと、
前記移動判断部が、前記強度取得部が取得した前記3以上の各通信装置の時系列の前記電波強度を用いて、2以上の通信装置の時系列の前記電波強度に変化が無い場合に端末装置が停止中であると判断し、端末装置が移動中であるか停止中であるかの判断結果である移動判断結果を取得する移動判断ステップと、
前記種類判断部が、前記強度取得部が取得した時系列の前記電波強度を用いて、前記3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断ステップと、
前記位置取得部が、前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の前記通信装置の電波強度を用いて、前記端末装置の位置情報である端末位置を取得する位置取得ステップと、
前記位置出力部が、前記位置取得部が取得した前記端末位置を出力する位置出力ステップとを具備
し、
前記位置取得部は、
前記移動判断結果を用いて、前記端末位置を取得する位置取得方法。
【請求項6】
コンピュータを、
3以上の各通信装置から当該通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、
前記3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、
前記強度取得部が取得した前記3以上の各通信装置の時系列の前記電波強度を用いて、2以上の通信装置の時系列の前記電波強度に変化が無い場合に端末装置が停止中であると判断し、端末装置が移動中であるか停止中であるかの判断結果である移動判断結果を取得する移動判断部と、
前記強度取得部が取得した時系列の前記電波強度を用いて、前記3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部と、
前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の前記通信装置の電波強度を用いて、前記端末装置の位置情報である端末位置を取得する位置取得部と、
前記位置取得部が取得した前記端末位置を出力する位置出力部として機能させるためのプログラム
であって、
前記位置取得部は、
前記移動判断結果を用いて、前記端末位置を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の位置を取得し、出力する端末装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内における物体の位置を検知することが可能な屋内位置検知装置があった(特許文献1参照)。かかる装置は、屋内に離間して配置される複数の測距センサと、測距センサの検出信号に基づいて物体の移動を検知する物体検知部とを備える屋内位置検知装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、屋内に複数の測距センサを設置することが必要であり、屋内における端末装置の位置を容易に取得できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の端末装置は、3以上の各通信装置から通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、強度取得部が取得した時系列の電波強度を用いて、3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部と、種類判断部が固定端末であると判断した3以上の通信装置の電波強度を用いて、端末装置の位置情報である端末位置を取得する位置取得部と、位置取得部が取得した端末位置を出力する位置出力部とを具備する端末装置である。
【0006】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【0007】
また、本第二の発明の端末装置は、第一の発明に対して、位置取得部は、種類判断部が固定端末であると判断した3以上の通信装置の電波強度を装置識別子に対応付けて取得する強度取得手段と、特定地点の位置情報と、2または3以上の各固定端末の装置識別子ごとの特定地点での電波強度とを有する3以上の地点情報が格納される地点情報格納部から、強度取得手段が取得した3以上の各装置識別子に対応付く電波強度と類似条件を満たす1または2以上の地点情報を決定する地点決定手段と、地点決定手段が決定した1以上の各地点情報が有する位置情報を取得し、1以上の位置情報を用いて、端末位置を取得する位置取得手段とを具備する端末装置である。
【0008】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【0009】
また、本第三の発明の端末装置は、第二の発明に対して、地点情報格納部の3以上の各地点情報は、地点情報生産装置により取得された情報であり、地点情報生産装置は、特定地点の位置情報を受け付ける位置受付部と、特定地点において、3以上の各通信装置から通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、強度取得部が取得した時系列の電波強度を用いて、3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部と、種類判断部が固定端末であると判断した3以上の各通信装置の装置識別子と電波強度と特定地点の位置情報とを有する地点情報を構成し、蓄積する蓄積部とを具備する、端末装置である。
【0010】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【0011】
また、本第四の発明の端末装置は、第一の発明に対して、端末装置が移動中であるか停止中であるかを判断し、判断結果である移動判断結果を取得する移動判断部をさらに具備し、位置取得部は、移動判断結果を用いて、位置情報を取得する端末装置である。
【0012】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【0013】
また、本第五の発明の端末装置は、第四の発明に対して、移動判断部は、端末装置のセンサ情報を取得し、センサ情報を用いて、移動判断結果を取得する端末装置である。
【0014】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【0015】
また、本第六の発明の端末装置は、第四の発明に対して、移動判断部は、強度取得部が取得した3以上の各通信装置の時系列の電波強度を用いて、2以上の通信装置の時系列の電波強度に変化が無い場合に停止中であると判断し、移動判断結果を取得する端末装置である。
【0016】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【0017】
また、本第七の発明の地点情報生産装置は、特定地点の位置情報を受け付ける位置受付部と、特定地点において、3以上の各通信装置から通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、強度取得部が取得した時系列の電波強度を用いて、3以上の各通信装置が固定されている通信装置である固定端末であるか、移動している通信装置である移動端末であるかを判断する種類判断部と、種類判断部が固定端末であると判断した3以上の各通信装置の装置識別子と電波強度と特定地点の位置情報とを有する地点情報を構成し、蓄積する蓄積部とを具備する地点情報生産装置である。
【0018】
かかる構成により、屋内等における端末装置の位置を取得するための地点情報が取得できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による端末装置によれば、端末装置の位置を容易に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態1における地点情報生産装置1を含む情報システムAの概念図
【
図3】同地点情報生産装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同時系列強度取得処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同固定情報取得処理の例について説明するフローチャート
【
図6】同種類判断処理の例について説明するフローチャート
【
図9】実施の形態2における情報システムCの概念図
【
図11】同端末装置2の第一の動作例について説明するフローチャート
【
図12】同移動判断処理の例について説明するフローチャート
【
図13】同位置推定処理の例について説明するフローチャート
【
図14】同端末装置2の第二の動作例について説明するフローチャート
【
図15】同種類判断処理の第二の例について説明するフローチャート
【
図16】上記実施の形態におけるコンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、端末装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態において、地点情報生産装置について説明する。地点情報生産装置とは、特定の地点の後述する地点情報を取得する装置である。
【0023】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0024】
また、本明細書において、情報Zを選択したり、決定したりすることは、情報Zを取得すること、情報Zへのポインタを取得すること、情報ZのIDを取得すること、情報Zにフラグを立てること等であり、情報Zにアクセスできれば良い。
【0025】
図1は、本実施の形態における地点情報生産装置1を含む情報システムAの概念図である。情報システムAは、地点情報生産装置1と3以上の通信装置Bとを有する。
【0026】
3以上の各通信装置Bは、地点情報生産装置1等の他の装置に電波を送信する装置である。通信装置Bは、当該通信装置Bを識別する装置識別子を他の装置に送信する。通信装置Bは、例えば、Wi-fiルーター、BLE(Bluetooth Low Energy)を用いた通信装置であるが、問わない。
【0027】
図2は、本実施の形態における地点情報生産装置1のブロック図である。地点情報生産装置1は、格納部11、受付部12、受信部13、および処理部14を備える。受付部12は、位置受付部121を備える。処理部14は、強度取得部141、種類判断部142、および蓄積部143を備える。
【0028】
受付部12は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、後述する位置情報である。各種の指示や情報の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0029】
位置受付部121は、特定地点の位置情報を受け付ける。位置受付部121は、通常、3以上の各特定地点の位置情報を受け付ける。位置受付部121は、例えば、ユーザの入力である位置情報を受け付ける。位置受付部121は、例えば、格納部11から位置情報を読み出す。
【0030】
特定地点とは、屋内の特定の地点であるが、屋外の特定の地点でも良い。位置情報は、ここでは、屋内または屋外における位置を特定する情報である。位置情報は、例えば、屋内または屋外における相対的な位置を示す三次元座標値(x、y、z)であるが二次元座標値(x,y)でも良い。なお、屋内または屋外における相対的な位置を特定するための座標値の原点は問わない。屋外の特定地点は、例えば、高層ビル群の中や森の中等の、GPS信号が届きにくい地点であることは好適であるが、問わない。位置情報は、人が場所を認識できる情報(例えば、文字列)やIDでも良い。かかる位置情報は、例えば、「リビング」「仕事部屋」「会議室」「図書館の東側」「デパートのおもちゃ売り場」等のラベルでも良い。
【0031】
位置受付部121は、ユニークなIDを生成しても良い。かかるユニークなIDは、ラベルであり、位置情報であると考えても良い。
【0032】
位置受付部121は、位置情報を受け付けなくても良い。かかる場合、位置受付部121は不要ある。
【0033】
受信部13は、特定地点において、3以上の各通信装置Bから装置識別子を含む電波を受信する。受信部13は、通常、3以上の各通信装置Bから装置識別子を含む電波を、連続して受信する。
【0034】
装置識別子とは、当該通信装置Bを識別する情報である。装置識別子は、例えば、通信装置BのID、通信装置Bの名称である。電波の受信は情報の受信である、と考えて良い。
【0035】
処理部14は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、強度取得部141、種類判断部142、蓄積部143が行う処理である。
【0036】
強度取得部141は、3以上の各通信装置Bごとに、各通信装置Bから受信された電波の強度を取得する。強度取得部141は、通信装置Bの装置識別子と対にして、電波強度を取得する。強度取得部141は、時系列の電波強度を取得する。時系列の電波強度とは、時間的に連続する2以上の電波強度である。時間的に連続することは、時間の間隔があっても良いことは言うまでもない。
【0037】
種類判断部142は、強度取得部141が取得した時系列の電波強度を用いて、3以上の各通信装置Bが固定端末であるか、移動端末であるかを判断する。固定端末とは、設置位置が固定されている通信装置である。移動端末とは、設置位置が固定されておらず、移動している通信装置である。
【0038】
種類判断部142は、例えば、一の装置識別子と対になる時系列の時間的に連続する2または3以上の電波強度のばらつき度を取得し、当該ばらつき度が閾値以上または閾値より大きい場合、当該一の装置識別子で識別される通信装置Bは、移動端末であると判断する。また、種類判断部142は、例えば、一の装置識別子と対になる時系列の時間的に連続する2または3以上の電波強度のばらつき度を取得し、当該ばらつき度が閾値以下または閾値未満である場合、当該一の装置識別子で識別される通信装置Bは、固定端末であると判断する。
【0039】
なお、ばらつき度とは、時系列の電波強度のばらつき、または変化に関する程度を示す情報である。ばらつき度は、例えば、分散、標準偏差、または差に基づく数(例えば、差、3以上の時間的に連続する電波強度の中の連続する2つの電波強度の差を加算した値)である。
【0040】
種類判断部142は、例えば、所定時間に取得された電波強度の数であり、一の装置識別子と対になる時系列の時間的に連続する電波強度の数が閾値以下または閾値より少ない場合、当該一の装置識別子で識別される通信装置Bは、移動端末であると判断する。
【0041】
蓄積部143は、種類判断部142が固定端末であると判断した通信装置Bの装置識別子と電波強度を有する地点情報を構成し、蓄積する。 蓄積部143は、3以上の各通信装置Bごとに、装置識別子と電波強度とを有する地点情報を構成し、蓄積することは好適である。
【0042】
蓄積部143は、例えば、種類判断部142が固定端末であると判断した通信装置Bの装置識別子と電波強度と特定地点の位置情報とを有する地点情報を構成し、蓄積する。 蓄積部143は、3以上の各通信装置Bごとに、装置識別子と電波強度と特定地点の位置情報とを有する地点情報を構成し、蓄積することは好適である。蓄積部143は、例えば、地点情報を格納部11に蓄積するが、他の装置に蓄積しても良い。地点情報は、位置情報を有することは好適であるが、位置情報を有さなくても良い。地点情報は、装置識別子と電波強度だけで構成されていても良い。
【0043】
蓄積部143が蓄積する電波強度は、通常、通信装置Bからの電波の時系列の電波強度の代表値である。代表値は、例えば、中央値、平均値、最大値、または最小値である。
【0044】
格納部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0045】
格納部11に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11で記憶されるようになってもよい。
【0046】
受付部12、および位置受付部121は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0047】
受信部13は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
【0048】
処理部14、強度取得部141、種類判断部142、および蓄積部143は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部14等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0049】
次に、地点情報生産装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0050】
(ステップS301)位置受付部121は、特定地点の位置情報を受け付けたか否かを判断する。位置情報を受け付けた場合はステップS302に行き、受け付けなかった場合はステップS301に戻る。
【0051】
(ステップS302)蓄積部143は、ステップS301で受け付けられた位置情報を取得する。
【0052】
(ステップS303)処理部14等は、時系列強度取得処理を行う。時系列強度取得処理とは、3以上の各通信装置Bからの電波の時系列の電波強度を取得する処理である。時系列強度取得処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
(ステップS304)処理部14等は、固定情報取得処理を行う。ステップS301に戻る。固定情報取得処理とは、ステップS301で受け付けられた位置情報が特定する地点における、固定端末からの電波の強度を取得する処理である。固定情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
なお、
図3のフローチャートにおいて、地点情報生産装置1を保持するユーザは、3以上の各特定地点に移動し、地点情報生産装置1は、3以上の各特定地点ごとに、位置情報を受け付け、S301からS304の処理を繰り返し行うことは好適である。
【0055】
また、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0056】
次に、ステップS303の時系列強度取得処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0057】
(ステップS401)受信部13は、いずれかの通信装置Bから電波を受信したか否かを判断する。電波を受信した場合はステップS402に行き、受信しなかった場合はステップS401に戻る。
【0058】
(ステップS402)蓄積部143は、ステップS401で受信した電波に対応する装置識別子を取得する。
【0059】
(ステップS403)強度取得部141は、ステップS401で受信した電波の強度を取得する。
【0060】
(ステップS404)蓄積部143は、ステップS402で取得した装置識別子に対応付けて、ステップS403で取得した電波強度を、図示しないバッファに追記する。
【0061】
(ステップS405)蓄積部143は、地点情報の蓄積条件に合致するか否かを判断する。蓄積条件に合致する場合は上位処理にリターンし、合致しない場合はステップS401に戻る。なお、蓄積条件は、例えば、特定地点の位置情報を受け付けから閾値時間以上を経過したこと、3以上の各装置識別子と対になる閾値以上の数の電波強度を蓄積したこと等である。
【0062】
次に、ステップS304の固定情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
(ステップS501)種類判断部142は、カウンタiに1を代入する。
【0064】
(ステップS502)種類判断部142は、図示しないバッファに、i番目の装置識別子が存在するか否かを判断する。i番目の装置識別子が存在する場合はステップS503に行き、i番目の装置識別子が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0065】
(ステップS503)種類判断部142は、i番目の装置識別子で識別される通信装置Bの種類を判断する。かかる種類判断処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
(ステップS504)ステップS503における判断結果が「固定端末」であればステップS505に行き、「移動端末」であればステップS508に行く。
【0067】
(ステップS505)蓄積部143は、i番目の装置識別子と対になる2以上の電波強度を図示しないバッファから取得する。
【0068】
(ステップS506)蓄積部143は、2以上の電波強度の代表値を取得する。
【0069】
(ステップS507)蓄積部143は、ステップS301で受け付けられた位置情報に対応付けて、i番目の装置識別子とステップS506で取得した電波強度の代表値との組を格納部11に蓄積する。
【0070】
(ステップS508)種類判断部142は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
【0071】
なお、
図5のフローチャートにおいて、蓄積部143は、ステップS506において、2以上の電波強度の代表値に代えて、新たに最新の電波の強度を取得しても良い。
【0072】
次に、ステップS503の種類判断処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0073】
(ステップS601)種類判断部142は、ステップS502におけるi番目の装置識別子と対になる2以上の電波強度を図示しないバッファから取得する。
【0074】
(ステップS602)種類判断部142は、ステップS601で取得した2以上の電波強度のばらつき度を取得する。
【0075】
(ステップS603)種類判断部142は、ステップS602で取得したばらつき度が閾値以下または閾値未満であるか否かを判断する。ばらつき度が閾値以下または閾値未満である場合はステップS604に行き、閾値以上または閾値より大きい場合はステップS605に行く。
【0076】
(ステップS604)種類判断部142は、通信装置Bの種類を「固定端末」とする。上位処理にリターンする。
【0077】
(ステップS605)種類判断部142は、通信装置Bの種類を「移動端末」とする。上位処理にリターンする。
【0078】
以下、本実施の形態における地点情報生産装置1の具体的な動作例について説明する。ここで、蓄積条件は、特定地点の位置情報が受け付けられてから、所定時間(例えば、3分)が経過したことである、とする。
【0079】
ユーザAは、例えば、 ある屋内(例えば、ユーザAの自宅やユーザAが良く訪れるデパート)に居る、とする。そして、ユーザAは、地点情報生産装置1に対して、位置情報(x1,y1)を入力した、とする。
【0080】
次に、地点情報生産装置1の位置受付部121は、特定地点の位置情報(x1,y1)を受け付ける。次に、蓄積部143は、は、受け付けられた位置情報(x1,y1)を図示しないバッファに取得する。
【0081】
そして、受信部13は、所定時間の間(例えば、3分)、3以上の各通信装置Bから、装置識別子を含む電波を受信する。そして、蓄積部143は、受信した電波に含まれる装置識別子を取得する。また、強度取得部141は、受信された電波の強度を取得する。次に、蓄積部143は、取得した装置識別子に対応付けて、取得された電波強度を、図示しないバッファに追記する。その結果、図示しないバッファには、
図7に示す時系列電波強度管理表が構成される。
図7に示す時系列電波強度管理表は、位置情報(x
1,y
1)が示す特定地点における表である。
【0082】
時系列電波強度管理表とは、通信装置Bごとの時系列の電波強度を管理する表である。時系列電波強度管理表は、「ID」「装置識別子」「時系列電波強度」を有する2以上のレコードを管理する表である。「ID」はレコードを識別する情報である。「時系列電波強度」は、時間的に連続する電波強度である。「R11」「R12」「R21」等は、電波強度である。
【0083】
図7の管理表が構成された後、位置受付部121による特定地点の位置情報(x
1,y
1)が受け付けられてから、所定時間(例えば、3分)が経過したので、蓄積部143は、地点情報の蓄積条件に合致する、と判断する。
【0084】
次に、種類判断部142は、
図6のフローチャートの動作に従って、
図7の各レコードの時系列電波強度のばらつき度を取得し、各通信装置Bが固定端末であるか移動端末であるか否かを判断する。そして、種類判断部142は、装置識別子「装置1,装置3,装置4,装置6,・・・」で識別される通信装置Bを固定端末であると判断し、装置識別子「装置2,装置5,・・・」で識別される通信装置Bを移動端末であると判断した、とする。
【0085】
次に、蓄積部143は、固定端末である通信装置Bの装置識別子と電波強度の代表値とを対にして電波強度情報を構成する。そして、蓄積部143は、複数の各電波強度情報を位置情報(x
1,y
1)に対応付けて蓄積する。かかる処理により、
図8の地点情報管理表の「ID=1」のレコードが構成される。なお、蓄積部143は、装置識別子と電波強度のみを蓄積しても良い。かかる場合、
図8の各レコードは位置情報を有さない。また、かかる場合、、位置受付部121は特定地点の位置情報を受け付ける必要はない。
【0086】
地点情報管理表とは、地点情報を管理する表である。地点情報管理表には、位置情報に対応付くレコードであり、「ID」「装置識別子」「電波強度情報」を有する複数のレコードが格納される。「電波強度情報」は、「装置識別子」「電波強度」を有する。
【0087】
以上の処理により、位置情報(x1,y1)が示す位置の特定地点1における地点情報が蓄積された。
【0088】
ユーザAは、地点情報生産装置1を持って、位置情報(x
2,y
2)が示す位置の特定地点2に移動し、上記の同様のことを行う。その結果、地点情報生産装置1は、
図8の地点情報管理表の「ID=2」のレコードを構成し、蓄積する。さらに、ユーザAは、地点情報生産装置1を持って、特定地点3を含む1以上の各特定地点に移動し、上記の同様のことを行う。その結果、地点情報生産装置1は、
図8の地点情報管理表の「ID=3」移行のレコード(図示しない)を構成し、蓄積する。
【0089】
以上、本実施の形態によれば、屋内における端末装置の位置を取得するための地点情報が取得できる。つまり、本実施の形態によれば、屋内における端末装置の位置を取得するための3以上の地点情報が生産できる。
【0090】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における地点情報生産装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、特定地点の位置情報を受け付ける位置受付部と、前記特定地点において、3以上の各通信装置から当該通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、前記強度取得部が取得した時系列の前記電波強度を用いて、前記3以上の各通信装置が固定されている通信装置である固定端末であるか、移動している通信装置である移動端末であるかを判断する種類判断部と、前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の各通信装置の装置識別子と電波強度と前記特定地点の前記位置情報とを有する地点情報を構成し、蓄積する蓄積部として機能させるためのプログラムである。
【0091】
(実施の形態2)
本実施の形態において、3以上の各通信装置Bから電波を受信する端末装置であって、時系列の電波の強度を用いて、各通信装置Bの種類を判断し、種類が「固定端末」の通信装置Bのみからの電波強度を用いて、屋内における端末装置の位置を示す端末位置を取得し、出力する端末装置について説明する。
【0092】
また、本実施の形態において、端末装置が移動中か停止中かを判断し、判断結果を使用して、端末位置を取得し、出力する端末装置について説明する。
【0093】
図9は、本実施の形態における情報システムCの概念図である。情報システムCは、1または2以上の端末装置2、および3以上の通信装置Bを具備する。
【0094】
端末装置2は、屋内における位置情報を取得可能な端末である。端末装置2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、いわゆるパーソナルコンピュータ等であり、その種類は問わない。
【0095】
図10は、本実施の形態における端末装置2のブロック図である。端末装置2は、格納部21、受信部22、処理部23、および出力部24を備える。格納部21は、地点情報格納部211を備える。処理部23は、強度取得部231、種類判断部232、移動判断部233、および位置取得部234を備える。位置取得部234は、強度取得手段2341、地点決定手段2342、および位置取得手段2343を備える。出力部24は、位置出力部241を備える。
【0096】
格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する地点情報である。
【0097】
地点情報格納部211には、3以上の地点情報が格納される。地点情報格納部211の3以上の地点情報は、地点情報生産装置1が蓄積した情報であることは好適である。
【0098】
地点情報格納部211の3以上の各地点情報は、例えば、特定地点の位置情報と装置識別子と電波強度とを有する。3以上の各位置情報に対して、3以上の電波強度情報が対応付いていることは好適である。電波強度情報は、装置識別子と電波強度を有する。3以上の電波強度情報は、電波強度ベクトルを構成していても良い。電波強度ベクトルは、電波強度情報を用いたベクトルであり、例えば、(装置識別子1の電波強度,装置識別子2の電波強度,装置識別子3の電波強度,・・・装置識別子nの電波強度)の構造を有する。地点情報格納部211には、例えば、
図8の構造を有する地点情報管理表が格納されている。
【0099】
なお、端末装置2は、地点情報格納部211を有さなくても良い。かかる場合、端末装置2は、外部の図示しない装置の地点情報格納部211を参照し、後述する端末位置を取得する。
【0100】
受信部22は、3以上の各通信装置Bから、通信装置Bを識別する装置識別子を含む電波を受信する。受信部22は、通常、上述した受信部13と同じ機能を行う。受信部22は、通常、3以上の各通信装置Bから装置識別子を含む電波を受信する。受信部22は、通常、連続して電波を受信する。
【0101】
処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、強度取得部231、種類判断部232、移動判断部233、位置取得部234が行う処理である。
【0102】
強度取得部231は、3以上の各通信装置Bごとに、時系列の電波強度を取得する。強度取得部231は、受信部22が受信した電波に基づき、電波強度を取得する。なお、強度取得部231は、上述した強度取得部141と同じ機能を行う。
【0103】
種類判断部232は、強度取得部231が取得した時系列の電波強度を用いて、3以上の各通信装置Bが固定端末であるか、移動端末であるかを判断する。種類判断部232は、上述した種類判断部142と同じ機能を行う。
【0104】
移動判断部233は、端末装置2が移動中であるか停止中であるかを判断し、当該判断の結果である移動判断結果を取得する。移動判断結果は、例えば、「移動中」または「停止中」である。
【0105】
移動判断部233は、例えば、端末装置2のセンサ情報を取得し、センサ情報を用いて、移動判断結果を取得する。センサ情報は、例えば、ジャイロによる加速度、時系列の位置情報である。
【0106】
移動判断部233は、例えば、ジャイロによる加速度が「0」または閾値以下であれば、移動判断結果「停止中」を取得する。移動判断部233は、例えば、ジャイロによる加速度が閾値以上または閾値より大きい場合、移動判断結果「移動中」を取得する。
【0107】
移動判断部233は、例えば、強度取得部231が取得した3以上の各通信装置Bの時系列の電波強度を用いて、1または2以上の通信装置Bの時系列の電波強度に変化が無い場合に停止中であると判断し、移動判断結果「停止中」を取得する。
【0108】
位置取得部234は、種類判断部232が固定端末であると判断した3以上の通信装置Bの電波強度を取得し、固定端末の電波強度を用いて、屋内における端末装置2の位置情報である端末位置を取得する。
【0109】
位置取得部234は、例えば、種類判断部232が固定端末であると判断した3以上の通信装置Bの電波強度を取得し、当該3以上の電波強度を用いて、地点情報格納部211の3以上の地点情報を参照し、フィンガープリント法により、端末位置を取得する。
【0110】
位置取得部234は、移動判断結果を用いて、位置情報を取得することは好適である。例えば、位置取得部234は、移動判断結果が「停止中」である場合のみ、端末位置を取得することは好適である。
【0111】
位置取得部234は、受信部22が受信した電波に対応する装置識別子が、地点情報格納部211の地点情報の中に含まれている場合のみ、当該装置識別子を含む地点情報を用いて、端末位置を取得しても良い。地点情報格納部211の地点情報は、固定端末の地点情報であるからである。
【0112】
強度取得手段2341は、種類判断部232が固定端末であると判断した3以上の通信装置の電波強度を装置識別子に対応付けて取得する。
【0113】
地点決定手段2342は、強度取得手段2341が取得した3以上の各装置識別子に対応付く電波強度と類似条件を満たす1または2以上の地点情報を、地点情報格納部211の地点情報から決定する。
【0114】
地点決定手段2342は、例えば、地点情報が有する3以上の各装置識別子と対になる電波強度を要素とするベクトルである第一電波強度ベクトルを取得する。また、地点決定手段2342は、例えば、強度取得手段2341が取得した3以上の各装置識別子に対応付く電波強度を要素とするベクトルである第二電波強度ベクトルを取得する。地点決定手段2342は、例えば、2つの電波強度ベクトルの類似度を取得し、当該類似度が閾値以上または閾値より大きい場合に、当該第一電波強度ベクトルに対応する地点情報を取得する。
【0115】
位置取得手段2343は、地点決定手段2342が決定した1以上の各地点情報が有する位置情報を取得し、1以上の位置情報を用いて、端末位置を取得する。
【0116】
出力部24は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、ここでは端末位置、屋内のマップである。
【0117】
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0118】
位置出力部241は、位置取得部234が取得した端末位置を出力する。位置出力部241は、例えば、屋内のマップ上に、端末位置が特定する位置を明示する図柄を表示する。
【0119】
格納部21、および地点情報格納部211は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0120】
格納部21等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部21等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部21等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部21等で記憶されるようになってもよい。
【0121】
受信部22は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
【0122】
処理部23、強度取得部231、種類判断部232、移動判断部233、位置取得部234、強度取得手段2341、地点決定手段2342、および位置取得手段2343は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部23等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0123】
出力部24、および位置出力部241は、例えば、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0124】
次に、端末装置2の第一の動作例について、
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0125】
(ステップS1101)移動判断部233は、端末装置2が移動中であるか、停止中であるかを判断する。かかる移動判断処理の例について、
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0126】
(ステップS1102)ステップS1101における判断結果が「停止中」であればステップS1103に行き、「移動中」であればステップS1101に戻る。
【0127】
(ステップS1103)強度取得手段2341は、時系列強度取得処理を行う。時系列強度取得処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明した。
【0128】
(ステップS1104)種類判断部232、地点決定手段2342等は、固定情報取得処理を行う。固定情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明した。
【0129】
(ステップS1105)位置取得手段2343は、端末位置を取得する位置推定処理を行う。位置推定処理の例について、
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0130】
(ステップS1106)位置出力部241は、ステップS1105で取得された端末位置を出力する。ステップS1101に戻る。
【0131】
なお、
図11のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0132】
次に、ステップS1101の移動判断処理の例について、
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0133】
(ステップS1201)移動判断部233は、端末装置2のセンサ値(例えば、加速度)を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0134】
(ステップS1202)移動判断部233は、図示しないバッファのセンサ値を用いて、移動判断を行うか否かを判断する。移動判断を行う場合はステップS1203に行き、移動判断を行わない場合はステップS1201に戻る。なお、移動判断部233は、常に移動判断を行っても良いし、例えば、所定数以上のセンサ値をバッファに蓄積した後、またはセンサ値の取得から所定時間経過後に移動判断を行っても良い。
【0135】
(ステップS1203)移動判断部233は、図示しないバッファの1または2以上のセンサ値を用いて、端末装置2が移動中であるか、停止中であるかを判断する。停止中であればステップS1204に行き、移動中であればステップS1205に行く。
【0136】
(ステップS1204)移動判断部233は、移動判断結果を「停止中」とする。ステップS1206に行く。
【0137】
(ステップS1205)移動判断部233は、移動判断結果を「移動中」とする。
【0138】
(ステップS1206)移動判断部233は、図示しないバッファをクリアする。上位処理にリターンする。
【0139】
次に、ステップS1105の位置推定処理の例について、
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0140】
(ステップS1301)位置取得手段2343は、当該端末装置2の3以上の電波強度情報(装置識別子と電波強度との組)を取得する。
【0141】
(ステップS1302)位置取得手段2343は、3以上の電波強度情報をベクトル化し、電波強度ベクトルを取得する。なお、電波強度ベクトルは、例えば、(装置識別子1の電波強度,装置識別子2の電波強度,装置識別子3の電波強度,・・・装置識別子nの電波強度)である。
【0142】
(ステップS1303)位置取得手段2343は、カウンタiに1を代入する。
【0143】
(ステップS1304)位置取得手段2343は、地点情報格納部211に、i番目の地点情報が存在するか否かを判断する。i番目の地点情報が存在する場合はステップS1305に行き、存在しない場合はステップS1309に行く。
【0144】
(ステップS1305)位置取得手段2343は、i番目の地点情報が有するi番目の電波強度ベクトルを地点情報格納部211から取得する。
【0145】
(ステップS1306)位置取得手段2343は、ステップS1302で取得した電波強度ベクトルとステップS1305で取得したi番目の電波強度ベクトルとの類似度を取得する。次に、位置取得手段2343は、類似度が類似条件(例えば、類似度が閾値以上)を満たすか否かを判断する。類似度が類似条件を満たす場合はステップS1307に行き、満たさない場合はステップS1308に行く。
【0146】
(ステップS1307)位置取得手段2343は、i番目の地点情報が有する位置情報と類似度とを取得し、図示しないバッファに蓄積する。
【0147】
(ステップS1308)位置取得手段2343は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1304に戻る。
【0148】
(ステップS1309)位置取得手段2343は、図示しないバッファに蓄積された、3以上の位置情報と類似度との組を用いて、端末装置2の位置を特定する端末位置を取得する。上位処理にリターンする。
【0149】
次に、端末装置2の第二の動作例について、
図14のフローチャートを用いて説明する。
【0150】
(ステップS1401)強度取得手段2341は、時系列強度取得処理を行う。時系列強度取得処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明した。
【0151】
(ステップS1402)地点決定手段2342は、固定情報取得処理を行う。固定情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明した。
【0152】
(ステップS1403)位置取得手段2343は、端末位置を取得する位置推定処理を行う。位置推定処理の例について、
図13のフローチャートを用いて説明した。
【0153】
(ステップS1404)位置出力部241は、ステップS1403で取得された端末位置を出力する。ステップS1401に戻る。
【0154】
なお、
図14のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0155】
次に、
図14のフローチャートの中のステップS1402の固定情報取得処理における種類判断処理の第二の例について、
図15のフローチャートを用いて説明する。なお、種類判断処理の第一の例は、
図6のフローチャートを用いて説明した。
【0156】
(ステップS1501)種類判断部232は、種類を判断する対象の通信装置Bの装置識別子を取得する。
【0157】
(ステップS1502)種類判断部232は、ステップS1501で取得した装置識別子が、地点情報格納部211のいずれかの地点情報の中に存在するか否かを判断する。いずれかの地点情報の中に存在する場合はステップS1503に行き、存在しない場合はステップS1504に行く。
【0158】
(ステップS1503)種類判断部232は、種類を「固定端末」とする。上位処理にリターンする。
【0159】
(ステップS1504)種類判断部232は、種類を「移動端末」とする。上位処理にリターンする。
【0160】
以下、本実施の形態における端末装置2の具体的な動作例について説明する。
【0161】
ユーザBは、自分の端末装置2を保持し、場所識別子(P)で識別される屋内の場所に入った、とする。そして、端末装置2の受信部22は、場所識別子(P)を有する地点情報要求を、図示しない外部の装置に送信し、当該装置から
図8に示す地点情報管理表を受信した、とする。そして、処理部23は、当該地点情報管理表を地点情報格納部211に、一時蓄積した、とする。
【0162】
そして、端末装置2は、
図11のステップS1103からS1106までの処理、または
図14のフローチャートの処理に従って、以下のように動作する。
【0163】
つまり、強度取得手段2341は、
図4のフローチャートを用いて説明した時系列強度取得処理を行い、端末装置2が存在する地点Xにおける3以上の各通信装置Bの電波強度を取得し、
図7に示す構造を有する時系列電波強度管理表を構成する。
【0164】
次に、強度取得手段2341は、時系列強度取得処理を行い、地点Xにおいて、電波を受信できる各通信装置Bの時系列の電波強度を取得し、
図7に示す構造の時系列電波強度管理表を構成する。
【0165】
次に、種類判断部142は、時系列電波強度管理表を参照し、
図4のフローチャートを用いて説明した種類判断処理により、各通信装置Bが「固定端末」であるか「移動端末」であるか否かを判断する。
【0166】
次に、地点決定手段2342は、固定端末であると判断された「装置1」「装置3」「装置4」「装置6」・・・の電波強度を取得する。そして、地点決定手段2342は、電波強度ベクトル「(装置1の電波強度,装置3の電波強度,装置4の電波強度,装置6の電波強度,・・・)=(P1,P3,P4,P6,・・・)」を取得する。なお、ここで、地点決定手段2342が取得する通信装置Bの電波強度は、2以上の電波強度の代表値でも良いし、通信装置Bの最新の電波の強度等の一の電波強度でも良い。
【0167】
次に、位置取得手段2343は、
図13のフローチャートを用いて説明した位置推定処理を行い、地点Xにおける電波強度ベクトルに対して、
図8の各レコードの電波強度ベクトル(電波強度情報により構成されるベクトル)との類似度を算出する。次に、位置取得手段2343は、類似条件「類似度>=閾値」を満たす電波強度ベクトル(例えば、
図8の「ID=1」の電波強度ベクトル(S
11,S
12,S
13,・・・)、「ID=2」の電波強度ベクトル(S
21,S
22,S
23,・・・)、・・・・)を決定する。次に、位置取得手段2343は、類似条件を満たす電波強度ベクトルと対になる位置情報と類似度との組(例えば、「(x
1,y
1),DS
1」「(x
2,y
2),DS
2」・・・)を取得する。次に、位置取得手段2343は、地点Xの屋内における位置(x
1×DS
1/類似度の総和+x
2×DS
2/類似度の総和+・・・,y
1×DS
1/類似度の総和+y
2×DS
2/類似度の総和+・・・)を取得する。なお、類似度の総和は、「DS
1+DS
2+・・・」である。
【0168】
次に、位置出力部241は、格納部21に格納されている当該屋内または屋外のマップを出力し、当該マップの上に、位置取得手段2343が取得した位置情報(端末位置)が示す位置に図柄を配置する。
【0169】
以上、本実施の形態によれば、屋内または屋外における端末装置2の位置を容易に取得できる。
【0170】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における端末装置2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、3以上の各通信装置から当該通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部と、前記3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部と、前記強度取得部が取得した時系列の前記電波強度を用いて、前記3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部と、前記種類判断部が固定端末であると判断した3以上の前記通信装置の電波強度を用いて、前記端末装置の位置情報である端末位置を取得する位置取得部と、前記位置取得部が取得した前記端末位置を出力する位置出力部として機能させるためのプログラムである。
【0171】
また、
図1の符号1または
図9の符号2は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の地点情報生産装置1や端末装置2等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図1の符号1または
図9の符号2は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図16は、システム300のブロック図である。
【0172】
図16において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0173】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の端末装置2等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0174】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の端末装置2等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0175】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0176】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0177】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0178】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0179】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0180】
以上のように、本発明にかかる端末装置2は、端末の位置を容易に取得できるという効果を有し、端末装置等として有用である。
【符号の説明】
【0181】
A、C 情報システム
B 通信装置
1 地点情報生産装置
2 端末装置
11、21 格納部
12 受付部
13、22 受信部
14、23 処理部
24 出力部
121 位置受付部
141、231 強度取得部
142、232 種類判断部
143 蓄積部
211 地点情報格納部
233 移動判断部
234 位置取得部
241 位置出力部
2341 強度取得手段
2342 地点決定手段
2343 位置取得手段
【要約】
【課題】従来技術においては、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できなかった。
【解決手段】3以上の各通信装置から通信装置を識別する装置識別子を含む電波を受信する受信部13と、3以上の各通信装置ごとに、時系列の電波強度を取得する強度取得部141と、強度取得部141が取得した時系列の電波強度を用いて、3以上の各通信装置が固定されている固定端末であるか、移動している移動端末であるかを判断する種類判断部142と、種類判断部142が固定端末であると判断した3以上の通信装置の電波強度を取得し、固定端末の電波強度を用いて、屋内等における端末装置の位置情報である端末位置を取得する位置取得部と、位置取得部が取得した端末位置を出力する位置出力部とを具備する端末装置により、屋内等における端末装置の位置を容易に取得できる。
【選択図】
図2