(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】セラミック電子部品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240501BHJP
H01G 2/10 20060101ALI20240501BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 517
H01G4/30 201G
H01G4/30 513
H01G4/30 516
H01G4/30 311E
H01G2/10 J
H01G2/06 500
(21)【出願番号】P 2019208881
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】谷田川 清志郎
(72)【発明者】
【氏名】生方 晴菜
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-267177(JP,A)
【文献】実開昭63-071524(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0063864(US,A1)
【文献】特開2013-026392(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121575(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/093153(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 2/10
H01G 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックを主成分とする複数の誘電体層と、複数の内部電極層と、が積層され、積層された複数の前記内部電極層が対向する2端面の少なくともいずれか一方に露出するように形成され、略直方体形状を有する積層チップと、
前記2端面に形成された1対の外部電極と、
前記外部電極の表面に設けられた撥水剤と、を備え、
前記外部電極のうち前記積層チップの積層方向の上面、下面および2側面を覆う4面のうち少なくとも1以上の面における前記撥水剤の厚さA(>0)は、前記外部電極のうち前記積層チップの端面を覆う面の前記撥水剤の厚さB(>0)よりも大きいことを特徴とするセラミック電子部品。
【請求項2】
前記厚さAは、10nm以上であることを特徴とするセラミック電子部品。
【請求項3】
前記1対の外部電極は、金属成分を含有する導電性樹脂層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
【請求項4】
前記撥水剤は、シリコン系材料およびフッ素系材料の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
【請求項5】
前記撥水剤は、シロキサン結合を有する有機物であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
【請求項6】
前記厚さAは、100nm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
【請求項7】
前記厚さBは、50nm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
【請求項8】
前記撥水剤は、フッ素ゴムであり、
前記厚さAは、9.32nm~48.66nmであり、
前記厚さBは、2.79nm~10.15nmであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
【請求項9】
前記撥水剤は、シリコンゴムであり、
前記厚さAは、9.49nm~50.69nmであり、
前記厚さBは、3.82nm~11.36nmであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
【請求項10】
セラミックを主成分とする複数の誘電体層と複数の内部電極層とが積層され、積層された複数の前記内部電極層が対向する2端面の少なくともいずれか一方に露出するように形成され、略直方体形状を有する積層チップと、前記2端面に形成された1対の外部電極と、を備えるセラミック電子部品を用意する工程と、
前記外部電極の表面に撥水剤を形成する工程と、を含み、
前記外部電極のうち前記積層チップの積層方向の上面、下面および2側面を覆う4面のうち少なくとも1以上の面における前記撥水剤の厚さA(>0)を、前記外部電極のうち前記積層チップの端面を覆う面の前記撥水剤の厚さB(>0)よりも大きくすることを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
【請求項11】
120℃以上に加熱したシリコンゴムを接触させるか、150℃以上に加熱したフッ素ゴムを前記4面に接触させることで、前記撥水剤を形成することを特徴とする請求項10記載のセラミック電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック電子部品およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化および薄型化が進む中で、それに搭載されるセラミック電子部品も軽薄短小化が求められている。また、セラミック電子部品は、様々な電子機器に使用されるようになり、様々な環境下で使用できることも求められている。その一例として、高温多湿環境下での使用がある。しかしながら、高温多湿環境下で使用する場合、結露等により、製品表面に水分が付着し、電気的な故障が生じるおそれがある。そこで、表面処理によってセラミック電子部品の表面に撥水処理剤を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この手法では、実装不良を防止するために、実装前に外部電極表面の撥水処理剤を除去する必要がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、撥水剤を除去する工程を行わなくても実装不良を抑制することができるセラミック電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセラミック電子部品は、セラミックを主成分とする複数の誘電体層と、複数の内部電極層と、が積層され、積層された複数の前記内部電極層が対向する2端面の少なくともいずれか一方に露出するように形成され、略直方体形状を有する積層チップと、前記2端面に形成された1対の外部電極と、前記外部電極の表面に設けられた撥水剤と、を備え、前記外部電極のうち前記積層チップの積層方向の上面、下面および2側面を覆う4面のうち少なくとも1以上の面における前記撥水剤の厚さA(>0)は、前記外部電極のうち前記積層チップの端面を覆う面の前記撥水剤の厚さB(>0)よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
上記セラミック電子部品において、前記厚さAは、10nm以上としてもよい。
【0008】
上記セラミック電子部品において、前記1対の外部電極は、金属成分を含有する導電性樹脂層を含んでいてもよい。
【0009】
上記セラミック電子部品において、前記撥水剤は、シリコン系材料およびフッ素系材料の少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0010】
本発明に係るセラミック電子部品の製造方法は、セラミックを主成分とする複数の誘電体層と複数の内部電極層とが積層され、積層された複数の前記内部電極層が対向する2端面の少なくともいずれか一方に露出するように形成され、略直方体形状を有する積層チップと、前記2端面に形成された1対の外部電極と、を備えるセラミック電子部品を用意する工程と、前記外部電極の表面に撥水剤を形成する工程と、を含み、前記外部電極のうち前記積層チップの積層方向の上面、下面および2側面を覆う4面のうち少なくとも1以上の面における前記撥水剤の厚さA(>0)を、前記外部電極のうち前記積層チップの端面を覆う面の前記撥水剤の厚さB(>0)よりも大きくすることを特徴とする。
【0011】
上記セラミック電子部品の製造方法において、120℃以上に加熱したシリコンゴムを接触させるか、150℃以上に加熱したフッ素ゴムを前記4面に接触させることで、前記撥水剤を形成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撥水剤を除去する工程を行わなくても実装不良を抑制することができるセラミック電子部品およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る積層セラミックコンデンサの部分断面斜視図である。
【
図2】外部電極の断面図であり、
図1のA-A線の部分断面図である。
【
図3】(a)および(b)は外電周面および外電端面を説明するための図である。
【
図4】積層セラミックコンデンサが回路基板上に実装されている状態を例示する図である。
【
図5】(a)および(b)はXPSデプス分析を説明するための図である。
【
図7】積層セラミックコンデンサの製造方法のフローを例示する図である。
【
図8】積層セラミックコンデンサの製造方法のフローを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
【0015】
(実施形態)
まず、積層セラミックコンデンサの概要について説明する。
図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。
図1で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、直方体形状を有する積層チップ10と、積層チップ10のいずれかの対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。なお、積層チップ10の当該2端面以外の4面のうち、積層方向の上面および下面以外の2面を側面と称する。外部電極20a,20bは、積層チップ10の積層方向の上面、下面および2側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、互いに離間している。したがって、積層チップ10の上面、下面および2側面のそれぞれは、少なくとも一部が外部電極20a,20bに覆われずに露出している。
【0016】
積層チップ10は、誘電体として機能するセラミック材料を含む誘電体層11と、内部電極層12とが、交互に積層された構成を有する。各内部電極層12の端縁は、積層チップ10の外部電極20aが設けられた端面と、外部電極20bが設けられた端面とに、交互に露出している。それにより、各内部電極層12は、外部電極20aと外部電極20bとに、交互に導通している。その結果、積層セラミックコンデンサ100は、複数の誘電体層11が内部電極層12を介して積層された構成を有する。また、誘電体層11と内部電極層12との積層体において、積層方向の最外層には内部電極層12が配置され、当該積層体の上面および下面は、カバー層13によって覆われている。カバー層13は、セラミック材料を主成分とする。例えば、カバー層13の材料は、誘電体層11とセラミック材料の主成分が同じである。
【0017】
積層セラミックコンデンサ100のサイズは、例えば、長さ0.25mm、幅0.125mm、高さ0.125mmであり、または長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mm、または長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであり、または長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmであり、または長さ3.2mm、幅1.6mm、高さ1.6mmであり、または長さ4.5mm、幅3.2mm、高さ2.5mmであるが、これらのサイズに限定されるものではない。
【0018】
内部電極層12は、Ni(ニッケル),Cu(銅),Sn(スズ)等の卑金属を主成分とする。内部電極層12として、Pt(白金),Pd(パラジウム),Ag(銀),Au(金)などの貴金属やこれらを含む合金を用いてもよい。誘電体層11は、例えば、一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とする。なお、当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含む。例えば、当該セラミック材料として、BaTiO3(チタン酸バリウム),CaZrO3(ジルコン酸カルシウム),CaTiO3(チタン酸カルシウム),SrTiO3(チタン酸ストロンチウム),ペロブスカイト構造を形成するBa1-x-yCaxSryTi1-zZrzO3(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)等を用いることができる。
【0019】
図2は、外部電極20bの断面図であり、
図1のA-A線の部分断面図である。なお、
図2では断面を表すハッチを省略している。
図2で例示するように、外部電極20bは、下地層21上に、Cuなどの第1めっき層22、導電性樹脂層23、Niなどの第2めっき層24、およびSnなどの第3めっき層25が形成された構造を有する。下地層21、第1めっき層22、導電性樹脂層23、第2めっき層24および第3めっき層25は、積層チップ10の両端面から積層方向の上面および下面、ならびに2側面に延在している。
【0020】
下地層21は、Cu,Ni,Al(アルミニウム),Zn(亜鉛)などの金属を主成分とし、下地層21の緻密化のためのガラス成分や、下地層21の焼結性を制御するための共材が含まれている。これらのセラミック成分が多く含まれる下地層21は、セラミック材料を主成分とするカバー層13と良好な密着性を有する。導電性樹脂層23は、Agなどの金属成分を含む樹脂層である。導電性樹脂層23は、柔軟であるため、積層セラミックコンデンサ100が実装される基板のたわみによって生じる応力を緩和する。第1めっき層22は、下地層21と導電性樹脂層23との密着性を高めるために設けられている。外部電極20aも、外部電極20bと同様の積層構造を有する。なお、導電性樹脂層23は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0021】
外部電極20a,20bが
図2のような構造を有している場合に、積層セラミックコンデンサ100が高温多湿の環境で用いられると、積層セラミックコンデンサ100の表面に付着した水分を原因として、導電性樹脂層23に含まれる金属成分が拡散し、信頼性が低下するおそれがある。例えば、積層チップ10の表面における外部電極20aと外部電極20bとの間に、導電性樹脂層23に含まれる金属成分が拡散するおそれがある(マイグレーション)。外部電極20a,20bに導電性樹脂層23が含まれていなくても、外部電極20a,20bに含まれる金属成分が拡散するおそれがある。
【0022】
そこで、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100は、外部電極20a,20bの表面に撥水剤が設けられた構成を有している。
【0023】
まず、外部電極20a,20bの表面各部について説明する。
図3(a)で例示するように、外部電極20a,20bにおいて、積層チップ10の上面、下面および2側面を覆う4面を、外部電極の周面(外電周面26)と称する。外部電極20a,20bにおいて、積層チップ10の端面を覆う面を、外部電極の端面(外電端面27)と称する。さらに具体的には、
図3(b)で例示するように、積層セラミックコンデンサ100を側面側から見た場合に、積層チップ10の上面を外部電極20a,20b側に延ばした直線と、積層チップ10の下面を外部電極20a,20b側に延ばした直線との間が、外部電極20a,20bの外電端面27であり、外電端面27以外が外電周面26である。
【0024】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100では、
図2で例示するように、外部電極20a,20bの表面に撥水剤30が設けられている。積層チップ10において外部電極20a,20bが設けられておらず露出している露出部分にも撥水剤30が設けられていてもよい。外部電極20a,20bの外電周面26における撥水剤30の厚さを厚さAとし、外電端面27における撥水剤30の厚さを厚さBとした場合に、厚さA>厚さBの関係が成立する。ここでの厚さとは、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)の分析手法で規定される厚みのことである。
【0025】
外電周面26に撥水剤30が設けられていることから、外電周面26における水分の付着が抑制される。それにより、水分による外部電極20aと外部電極20bとの接続が抑制される。その結果、結露によるマイグレーションに伴う故障の発生を抑制することができる。
【0026】
外電端面27における撥水剤30の厚さBが外電周面26における撥水剤30の厚さAよりも小さいことから、外電端面27における撥水剤30が薄くなる。この場合、外電端面27における撥水剤30の影響が小さくなり、ハンダが外電端面27に対して濡れ上がる。それにより、ハンダ接合が可能となり、実装不良を抑制することができる。
図4は、積層セラミックコンデンサ100が回路基板201上に実装されている状態を例示する図である。外電端面27における撥水剤30の影響が小さいと、
図4で例示するように、ハンダ202が外電端面27に対して濡れ上がる。
【0027】
以上のことから、本実施形態によれば、(外電周面26における撥水剤30の厚さA)>(外電端面27における撥水剤30の厚さB)の関係が成立することにより、撥水剤30を除去する工程を行わなくても実装不良を抑制することができる。
【0028】
外電周面26における撥水剤30が薄すぎると、外電周面26における水分の付着が十分に抑制されないおそれがある。そこで、外電周面26における撥水剤30の厚さAに下限を設けることが好ましい。例えば、外電周面26における撥水剤30の厚さAは、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。
【0029】
外電周面26における撥水剤30が厚すぎると、積層セラミックコンデンサ100の実装時にハンダの外部電極20a,20bに対する濡れ性が低下して、実装不良が生じるおそれがある。そこで、外電周面26における撥水剤30の厚さAに上限を設けることが好ましい。例えば、外電周面26における撥水剤30の厚さAは、100nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましい。
【0030】
外電端面27における撥水剤30が厚すぎると、撥水剤30の影響が大きくなり、積層セラミックコンデンサ100の実装時にハンダの外部電極20a,20bに対する濡れ性が低下して、実装不良が生じるおそれがある。そこで、外電端面27における撥水剤30の厚さBに上限を設けることが好ましい。例えば、外電端面27における撥水剤30の厚さBは、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることがさらに好ましい。
【0031】
積層チップ10の上面、下面および2側面において、外部電極20a,20bが設けられていない露出部分にも撥水剤30が設けられることで、積層チップ10の露出部に対する水分の付着が抑制され、結露によるマイグレーションに伴う故障の発生を抑制することができる。
【0032】
なお、本実施形態は、マイグレーションが発生しやすい銀などの粒子を含有する導電性樹脂層23が設けられた外部電極が形成された積層セラミックコンデンサに対して、特に顕著な効果を発揮する。
【0033】
撥水剤30の材料は、水に対する接触角が90°以上になるものであれば特に限定されない。撥水剤30は、例えば、シリコン系材料である。シリコン系材料として、例えば、シロキサン結合を有する有機化合物を用いることができる。例えば、シロキサン結合を有する有機化合物は、低分子環状シロキサンであり、D3からD20までの環状シロキサンである。例えば、低分子環状シロキサンD3は、環状シロキサンの3量体であって、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(hexamethyl cyclotrisiloxane)C6H18O3Si3の固体である。低分子環状シロキサンD4は、環状シロキサンの4量体であって、オクタメチルシクロテトラシロキサン(octamethyl cyclotetrasiloxane)C8H24O4Si4の半固体である。シロキサン結合を有する有機化合物は、比較的高い温度で低分子環状シロキサンDn(n≧3)を放出する。それにより、積層セラミックコンデンサ100をハンダ付け実装した後にも残存する傾向にある。
【0034】
または、撥水剤30の材料として、フッ素系材料を用いることもできる。
【0035】
ここで、撥水剤30の厚さの測定手法の一例について説明する。撥水剤30の厚さの測定には、例えば、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)デプス分析を用いることができる。XPSデプス分析は、深さ方向の成分分布を測定することができる分析手法である。具体的には、アルゴンイオン(Ar
+)を用いたスパッタリングで試料表面を深さ方向に削り、
図5(a)で例示するように、表面成分の濃度を検出し、さらに試料表面を削り、表面成分の濃度を検出し、を繰り返す。それにより、
図5(b)で例示するように、スパッタの積算時間と、検出される成分濃度との関係を測定することができる。スパッタの積算時間は厚さに変換できるため、撥水剤30の厚さを測定することができる。
【0036】
例えば、
図6で例示するように、撥水剤30の厚さと撥水剤30の構成成分の濃度との複数のプロット(ただし異常値を除く)をもとに一次相関ラインを引いて、濃度がゼロになった(X軸との交点)時のスパッタ積算時間を撥水剤30の厚さに変換することとする。
【0037】
続いて、積層セラミックコンデンサ100の製造方法について説明する。
図7は、積層セラミックコンデンサ100の製造方法のフローを例示する図である。
【0038】
(原料粉末作製工程)
まず、誘電体層11を形成するための誘電体材料を用意する。誘電体層11に含まれるAサイト元素およびBサイト元素は、通常はABO3の粒子の焼結体の形で誘電体層11に含まれる。例えば、BaTiO3は、ペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このBaTiO3は、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得ることができる。誘電体層11を構成するセラミックの合成方法としては、従来種々の方法が知られており、例えば固相法、ゾル-ゲル法、水熱法等が知られている。本実施形態においては、これらのいずれも採用することができる。
【0039】
得られたセラミック粉末に、目的に応じて所定の添加化合物を添加する。添加化合物としては、Mg(マグネシウム)、Mn(マンガン),V(バナジウム),Cr(クロム),希土類元素(Y(イットリウム),Sm(サマリウム),Eu(ユウロピウム),Gd(ガドリニウム),Tb(テルビウム),Dy(ジスプロシウム),Ho(ホロミウム),Er(エルビウム),Tm(ツリウム)およびYb(イッテルビウム))の酸化物、並びに、Co(コバルト),Ni,Li(リチウム),B(ホウ素),Na(ナトリウム),K(カリウム)およびSi(シリコン)の酸化物もしくはガラスが挙げられる。
【0040】
本実施形態においては、好ましくは、まず誘電体層11を構成するセラミックの粒子に添加化合物を含む化合物を混合して820~1150℃で仮焼を行う。続いて、得られたセラミック粒子を添加化合物とともに湿式混合し、乾燥および粉砕してセラミック粉末を調製する。例えば、セラミック粉末の平均粒子径は、誘電体層11の薄層化の観点から、好ましくは50~300nmである。例えば、上記のようにして得られたセラミック粉末について、必要に応じて粉砕処理して粒径を調節し、あるいは分級処理と組み合わせることで粒径を整えてもよい。
【0041】
(積層工程)
次に、得られた誘電体材料に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に例えば厚み0.8μm以下の帯状の誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。
【0042】
次に、誘電体グリーンシートの表面に、有機バインダを含む内部電極形成用の金属導電ペーストをスクリーン印刷、グラビア印刷等により印刷することで、内部電極層用のパターンを配置する。金属導電ペーストには、共材としてセラミック粒子を添加する。セラミック粒子の主成分は、特に限定するものではないが、誘電体層11の主成分セラミックと同じであることが好ましい。
【0043】
その後、基材から剥離した状態で、内部電極層12と誘電体層11とが互い違いになるように、かつ内部電極層12が誘電体層11の長さ方向両端面に端縁が交互に露出して極性の異なる一対の外部電極20a,20bに交互に引き出されるように、誘電体グリーンシートを交互に積層する。例えば、合計の積層数を100~500層とする。
【0044】
その後、積層した誘電体グリーンシートの積層体の上下にカバー層13となるカバーシートを圧着することで、セラミック積層体を得る。その後、得られたセラミック積層体(例えば1.0mm×0.5mm)に対して、250~500℃のN2雰囲気中で脱バインダ処理する。
【0045】
(焼成工程)
このようにして得られた成型体を酸素分圧10-7~10-10atmの還元雰囲気中で1100~1300℃で10分~2時間焼成する。このようにして、積層セラミックコンデンサ100が得られる。
【0046】
(再酸化処理工程)
その後、N2ガス雰囲気中で600℃~1000℃で再酸化処理を行ってもよい。
【0047】
(外部電極形成工程)
次に、金属フィラー、ガラスフリット、バインダ、および溶剤を含む金属ペーストを積層チップ10の両端面にディップ法で塗布し、乾燥させ、焼き付ける。それにより、下地層21が形成される。なお、バインダおよび溶剤は、焼き付けによって揮発する。この手法の金属フィラーには、Cu等が好適である。なお、焼き付けは、700℃~900℃で約3分~30分、特に760℃~840℃で5分~15分行うことが好ましい。その後、めっきによって、第1めっき層22を下地層21上に形成してもよい。
【0048】
次に、導電性樹脂層23を形成する。導電性樹脂層23は、例えば、Ag、Ni、Cu等の導電性フィラーを混練したエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を第1めっき層22の表面に浸漬塗布し、熱処理して硬化させることで形成される。導電性樹脂層23の厚みは特に限定されず、例えば、約10~50μmであり、積層セラミックコンデンサ100の大きさに応じて適宜設定される。その後、電解めっき等によって、導電性樹脂層23上に、第2めっき層24および第3めっき層25を形成する。
【0049】
(加熱接触工程)
撥水剤30としてシリコン系材料を用いる場合には、シリコンゴムを120℃以上に加熱し、積層セラミックコンデンサ100の撥水剤30が設けられる箇所以外の領域にマスキングを行い、積層セラミックコンデンサ100の表面に接触させる。例えば、外部電極20a,20bの外電周面26以外を覆うようにマスキングを行うことで、外電周面26に選択的に撥水剤30を形成することができる。同様に、外部電極20a,20bの外電端面27以外を覆うようにマスキングを行うことで、外電端面27に選択的に撥水剤30を形成することができる。積層チップ10の露出部分以外を覆うようにマスキングを行うことで、積層チップ10の露出部分に選択的に撥水剤30を形成することができる。撥水剤30は、シリコンゴム、フッ素ゴムの加熱温度を高く、加熱時間(回数)を多くすればより厚く形成することができる。これらの条件によって、撥水剤30の厚さを調整することができる。撥水剤30としてフッ素系材料を用いる場合には、フッ素ゴムを150℃以上に加熱し、積層セラミックコンデンサ100の撥水剤30が設けられる箇所以外の領域にマスキングを行い、積層セラミックコンデンサ100の表面に接触させる。それにより、撥水剤30を形成することができる。
【0050】
本実施形態に係る製造方法によれば、(外電周面26における撥水剤30の厚さA)>(外電端面27における撥水剤30の厚さB)の関係が成立するように撥水剤30を形成することができる。この場合、撥水剤30を除去する工程を行わなくても実装不良を抑制することができる。
【0051】
なお、シリコンゴムを120℃以上に加熱して積層セラミックコンデンサ100の表面に接触させることで、低分子環状シロキサンDn(n≧3)が撥水剤30から放出される温度を300℃以上の温度とすることができる。それにより、積層セラミックコンデンサ100をハンダ付け実装した後にも、十分に撥水剤30を残存させることができるようになる。
【0052】
フッ素ゴムを150℃以上に加熱して積層セラミックコンデンサ100の表面に接触させることで、380℃未満では積層セラミックコンデンサ100の表面から放出されず380℃以上のいずれかの温度で積層セラミックコンデンサ100の表面から放出されるフッ素系材料を付着させることができる。それにより、積層セラミックコンデンサ100をハンダ付け実装した後にも、十分に撥水剤30を残存させることができるようになる。
【0053】
下地層21は、積層チップ10の焼成時に同時に焼成してもよい。この場合、
図8で例示するように、積層工程で得られたセラミック積層体を、250~500℃のN
2雰囲気中で脱バインダした後に、セラミック積層体の両端面に、金属フィラー、共材、バインダ、および溶剤を含む金属ペーストをディップ法で塗布し、乾燥させる。その後、金属ペーストをセラミック積層体と同時に焼成する。焼成の条件は、例えば、上述した焼成工程で例示されている。その後、N
2ガス雰囲気中で600℃~1000℃で再酸化処理を行ってもよい。その後、めっきによって、第1めっき層22を下地層21上に形成する。次に、第1めっき層22の表面に導電性樹脂層23を形成する。その後、電解めっき等によって、導電性樹脂層23上に、第2めっき層24および第3めっき層25を形成する。
【0054】
なお、上記例においては、外電周面26の4面全てに撥水剤30の厚さAが外電端面27の撥水剤30の厚さBよりも大きくなっているが、それに限られない。例えば、外電周面26の4面のうち少なくとも1以上の面における撥水剤30の厚さAが外電端面27の撥水剤30の厚さBよりも大きくなっていればよい。
【0055】
また、上記例では外電端面27に撥水剤30を設けたが、外電端面27には撥水剤30を設けなくてもよい。したがって、外電周面26における撥水剤30の厚さAは0nmを上回り、外電端面27における撥水剤30の厚さBが0nm以上となっていればよい。
【0056】
なお、上記各実施形態においては、セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、それに限られない。例えば、バリスタやサーミスタなどの、他の電子部品を用いてもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを作製し、特性について調べた。
【0058】
(実施例1~4および比較例1,2)
チタン酸バリウムを主成分とする耐還元性を有するセラミック粉末を有機バインダと混練してスラリーを調製し、これをドクターブレード等でシート状に形成して誘電体グリーンシートを作製した。この誘電体グリーンシートにスクリーン印刷法によってNiの金属導電ペーストを所定のパターンで塗布して内部電極パターンを形成した。内部電極パターンを形成した誘電体グリーンシートを所定の形状に裁断し、所定枚数積み重ねた後、熱圧着してセラミック積層体を作製した。
【0059】
次に、上記セラミック積層体を所定のチップサイズに切断、分割した。得られたセラミック積層体の電極露出面(両端面)とその周面に、所定の電極長さ(E寸法)となるように、共材を含む金属ペーストを浸漬法により塗布した。
【0060】
続いて、得られたセラミック積層体を窒素あるいは水素雰囲気下、1250℃で焼成および所定の熱処理を行い、積層チップ10およびその両端面を被覆する下地層21を作製した。そして、研磨剤に「ホワイトモランダム」(登録商標)を用いて下地層21表面の乾式研磨を行った後、Cuめっきを施して第1めっき層22を形成した。次に、第1めっき層22の表面に、所定の粘度(10~30Pa・s)に調整した導電性樹脂ペーストを浸漬法により塗布した。導電性樹脂ペーストには、Agフィラーを混練したエポキシ樹脂を用いた。その後、熱処理により導電性樹脂ペーストを硬化させ、導電性樹脂層23を形成した。そして、導電性樹脂層23の上に、NiめっきおよびSnめっきを順次施して、第2めっき層24および第3めっき層25を形成した。得られた積層セラミックコンデンサ100のサイズは、長さ3.2mm、幅2.5mm、高さ2.5mmであった。外部電極20aと外部電極20bとの距離は、1.6mmであった。
【0061】
得られた積層セラミックコンデンサ100を治具に固定し、撥水剤30を形成する箇所以外を被覆するようにマスキングし、加熱したフッ素ゴムで加熱接触させることで、マスキングしていない箇所に選択的に撥水剤30を形成した。実施例1では、外電周面26の撥水剤30の厚みは9.32nmであり、外電端面27の撥水剤30の厚みは2.79nmであった。実施例2では、外電周面26の撥水剤30の厚みは19.26nmであり、外電端面の撥水剤30の厚みは4.65nmであった。実施例3では、外電周面26の撥水剤30の厚みは32.95nmであり、外電端面の撥水剤30の厚みは7.71nmであった。実施例4では、外電周面26の撥水剤30の厚みは48.66nmであり、外電端面27の撥水剤30の厚みは10.15nmであった。比較例1では、外電周面26にも外電端面27にも撥水剤30を設けなかった。比較例2では、外電周面26の撥水剤30の厚みは18.69nmであり、外電端面27の撥水剤30の厚みは52.46nmであった。
【0062】
実施例1~4および比較例1,2のそれぞれについて、他の200個のサンプルを信頼性基板(CEM3)に実装し、電圧16Vを印加しながら恒温恒湿槽に投入し、JIS60068-2-30の結露試験プログラム(1サイクルの条件:(1)湿度98%を維持し、温度25℃→55℃へ3時間かけて変更、(2)温度55℃を維持し、湿度98%→93%へ15分かけて変更、(3)温度55℃湿度93%で9時間25分保持、(4)湿度93%を維持し、温度55→25℃へ3時間かけて変更、(5)温度25℃湿度93%で3時間保持、(6)温度25℃を維持し、湿度93%→98%へ5時間30分かけて変更)を6サイクル経過後において、マイグレーションの発生を確認した。マイグレーション発生数は、外部電極間に析出物があるかないかを40倍の実体顕微鏡を使用した外観で判断し、析出物があればマイグレーション発生と判断した。
【0063】
実施例1~4および比較例1,2のそれぞれについて、200個のサンプルに対して実装試験を行った。実装試験では、最高到達温度270℃以上のリフロー炉を用い、外観を確認した。外部電極の端面に対してハンダフィレット先端の濡れ上がり角度が90°未満となっていれば、合格とした。外部電極の端面に対してハンダフィレット先端の濡れ上がり角度が90°以上となっていれば、不合格とした。
【0064】
表1に結果を示す。表1に示すように、実施例1~4のいずれにおいても、結露試験において不合格となったものは無かった。これは、外電周面26に撥水剤30を設けたからであると考えられる。比較例2においても、結露試験において不合格となったものは無かった。これも、外電周面26に撥水剤30を設けたからであると考えられる。しかしながら、比較例1では、結露試験において、200個のサンプルのうち12個が不合格となった。これは、外電周面26に撥水剤30を設けなかったからであると考えられる。
【表1】
【0065】
次に、実施例1~4のいずれにおいても、実装試験において不合格となったものは無かった。これは、外電端面27における撥水剤30の厚さBを外電周面26における撥水剤30の厚さAよりも小さくしたことで、外電端面27において撥水剤30が半田の濡れ上がりを阻害する影響を抑えることができたからであると考えられる。比較例1においても、実装試験において不合格となったものは無かった。これは、外電端面27に撥水剤30を設けなかったからであると考えられる。しかしながら、比較例2では、実装試験において、200個のサンプルのうち4個が不合格となった。これは、外電端面27における撥水剤30の厚さBが外電周面26における撥水剤30の厚さAよりも大きくなったことで、外電端面27において撥水剤30は半田の濡れ上がりを阻害する影響を抑えることができなかったからであると考えられる。
【0066】
(実施例5~8)
実施例1~4と同様の手順で積層セラミックコンデンサ100を作製した。得られた積層セラミックコンデンサ100を治具に固定し、撥水剤30を形成する箇所以外を被覆するようにマスキングし、加熱したシリコンゴムで加熱接触させることで、マスキングしていない箇所に選択的に撥水剤30を形成した。実施例5では、外電周面26の撥水剤30の厚みは9.49nmであり、外電端面27の撥水剤30の厚みは3.82nmであった。実施例6では、外電周面26の撥水剤30の厚みは22.36nmであり、外電端面の撥水剤30の厚みは5.99nmであった。実施例7では、外電周面26の撥水剤30の厚みは31.14nmであり、外電端面の撥水剤30の厚みは8.01nmであった。実施例8では、外電周面26の撥水剤30の厚みは50.69nmであり、外電端面27の撥水剤30の厚みは11.36nmであった。比較例3では、外電周面26にも外電端面27にも撥水剤30を設けなかった。比較例4では、外電周面26の撥水剤30の厚みは19.91nmであり、外電端面27の撥水剤30の厚みは28.19nmであった。
【0067】
実施例5~8および比較例3,4のそれぞれについて、上記の実装試験および結露試験を行った。表2に結果を示す。表2に示すように、実施例5~8のいずれにおいても、結露試験において不合格となったものは無かった。これは、外電周面26に撥水剤30を設けたからであると考えられる。比較例4においても、結露試験において不合格となったものは無かった。これも、外電周面26に撥水剤30を設けたからであると考えられる。しかしながら、比較例3では、結露試験において、200個のサンプルのうち12個が不合格となった。これは、外電周面26に撥水剤30を設けなかったからであると考えられる。
【表2】
【0068】
次に、実施例5~8のいずれにおいても、実装試験において不合格となったものは無かった。これは、外電端面27における撥水剤30の厚さBを外電周面26における撥水剤30の厚さAよりも小さくしたことで、外電端面27において撥水剤30が半田の濡れ上がりを阻害する影響を抑えることができたからであると考えられる。比較例3においても、実装試験において不合格となったものは無かった。これは、外電端面27に撥水剤30を設けなかったからであると考えられる。しかしながら、比較例4では、実装試験において、200個のサンプルのうち2個が不合格となった。これは、外電端面27における撥水剤30の厚さBが外電周面26における撥水剤30の厚さAよりも大きくなったことで、外電端面27において撥水剤30が半田の濡れ上がりを阻害する影響を抑えることができなかったからであると考えられる。
【0069】
なお、撥水剤30の厚さについては、XPSデプス分析で測定した。用いた装置は、アルバック・ファイ製のQuantera SXMである。励起X線には、Al Kα(モノクロ)を用いた。分析径は、100μmとした。帯電中和には、電子/Arイオンを用いた。スパッタレートは、0.5kV(SiO2換算で0.36nm/min)で1cycleにつき1minで40cycleとした。
【0070】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 積層チップ
11 誘電体層
12 内部電極層
13 カバー層
20a,20b 外部電極
21 下地層
22 第1めっき層
23 導電性樹脂層
24 第2めっき層
25 第3めっき層
26 外電周面
27 外電端面
30 撥水剤
100 積層セラミックコンデンサ