(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】バーチャルルーティングエリア(VRA)を使用した非静止軌道(NGSO)システムのためのモバイルルーティング
(51)【国際特許分類】
H04L 45/02 20220101AFI20240501BHJP
H04L 41/40 20220101ALI20240501BHJP
H04B 7/195 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04L45/02
H04L41/40
H04B7/195
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019069782
(22)【出願日】2019-04-01
【審査請求日】2022-03-18
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スコット, ジェームズ ピー.
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0092020(US,A1)
【文献】Markus Werner,A Dynamic Routing Concept for ATM-Based Satellite Personal Communication Networks,IEEE Journal on Selected Areas in Communications,1997年10月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/02
H04L 41/40
H04B 7/195
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星システムをルーティングするための方法であって、
少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、任意の所与の時間間隔で関連するまたは接続される衛星のグラフを展開することにより作成される複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)(110)の各々について複数のルーティンググラフ(120)を生成することであって、前記VRA(110)の各々が、地球上の特定の地理的領域をカバーし、その結果、前記複数のVRA(110)が一緒に地球上の特定の地理的領域をカバーし、
前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々が、異なる期間に対するものであり、
前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々が、前記ルーティンググラフ(120)に関連する前記VRA(110)に関連するゲートウェイ(130)と、前記ルーティンググラフ(120)に関連する期間中に互いのビュー及び前記ゲートウェイ(130)のビュー内にある衛星とを含み、前記ルーティンググラフ(120)内の衛星は、衛星間を接続するために使用される接続性リンクである線を介して接続され、前記VRA(110)は、前記ゲートウェイ(130)間のバーチャルリンク(VL)を介して互いに接続され、かつ前記VRA(110)の隣接する衛星間のバーチャルリンク(VL)を介して互いに接続される、複数のルーティンググラフ(120)を生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、前記ルーティンググラフ(120)の各々について少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ(220)を生成することであって、前記タイムスライスされたグラフ(220)の各々が、前記タイムスライスされたグラフ(220)に関連する前記ルーティンググラフ(120)上にある前記衛星のうちの少なくともいくつかの間の互いとの接続性を示す、少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ(220)を生成することと、
各前記期間中、前記少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対して前記タイムスライスされたグラフ(220)の各々に従って、前記衛星の間の接続性を確立することと、
各前記期間中、前記少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、前記VRA(110)の各々の前記ゲートウェイ(130)に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)上の前記衛星に割り当てることと
を含む方法。
【請求項2】
前記衛星システム内のすべての通信に、インターネットプロトコル(IP)が利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ルーティンググラフ(120)の各々が、前記ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの端末と前記衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
前記方法が、各前記期間中に、前記少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々に従って、前記少なくとも1つの端末と前記衛星との間の接続性を確立することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの端末が、静止型又は移動型のうちの1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの端末が、ベースバンドモデムと、地上アンテナ、空中アンテナ、又は海洋アンテナのうちの少なくとも1つとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ルーティンググラフ(120)の各々が、前記ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と前記衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
前記方法が、各前記期間中、前記少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々に従って、前記少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と前記衛星との間の接続性を確立することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサ(140)が、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)(140)に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲートウェイ(130)の各々が、衛星地上局に関連する地上アンテナを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記衛星の各々が、低地球軌道(LEO)衛星、中地球軌道(MEO)衛星、又は静止地球軌道(GEO)衛星のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記衛星の各々が、極軌道又は傾斜軌道のうちの1つにある、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
衛星システムであって、
複数の衛星と、
任意の所与の時間間隔で関連するまたは接続される衛星のグラフを展開することにより作成される複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)(110)の各々に対する複数のルーティンググラフ(120)を生成するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(140)であって、前記VRA(110)の各々が、地球上の特定の地理的領域をカバーし、その結果、前記複数のVRA(110)が一緒に地球上の特定の地理的領域をカバーする、少なくとも1つのプロセッサ(140)
を含み、
前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々が、異なる期間に対するものであり、
前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々が、前記ルーティンググラフ(120)と関連する前記VRA(110)と関連するそれぞれのゲートウェイ(130)と、前記ルーティンググラフ(120)に関連する期間中に互いのビュー及び前記ゲートウェイ(130)のビュー内にある衛星とを含み、前記ルーティンググラフ(120)内の衛星は、衛星間を接続するために使用される接続性リンクである線を介して接続され、前記VRA(110)は、前記ゲートウェイ(130)間のバーチャルリンク(VL)を介して互いに接続され、かつ前記VRA(110)の隣接する衛星間のバーチャルリンク(VL)を介して互いに接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、前記ルーティンググラフ(120)の各々に対して少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ(220)を生成するように構成され、前記タイムスライスされたグラフ(220)の各々が、前記タイムスライスされたグラフ(220)に関連する前記ルーティンググラフ(120)上にある前記衛星のうちの少なくともいくつかの間の互いとの接続性を示し、
前記少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、各前記期間中、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対して前記タイムスライスされたグラフ(220)の各々に従って、前記衛星の間の接続性を確立するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、各前記期間中、前記VRA(110)の各々の前記ゲートウェイ(130)に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)上の前記衛星に割り当てる、衛星システム。
【請求項12】
前記衛星システム内のすべての通信に、インターネットプロトコル(IP)が利用される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ルーティンググラフ(120)の各々が、前記ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの端末と前記衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
各前記期間中、前記少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々に従って、前記少なくとも1つの端末と前記衛星との間の通信を確立するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ルーティンググラフ(120)の各々が、前記ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と前記衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
各前記期間中、前記少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、前記期間にわたって前記VRA(110)の各々に対する前記ルーティンググラフ(120)の各々に従って、前記少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と前記衛星との間の接続性を確立するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記
衛星システムは、前記ゲートウェイ(130)の各々が、前記ゲートウェイ(130)に関連するVRA(110)内の衛星に対するバーチャルIPルータインスタンスをホストする透過システムであり、
前記
衛星システムが、前記衛星の各々の各ペイロードがIPルータを含むことをシミュレートするように動作する、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モバイル衛星システムにおけるトラフィックのルーティングに関する。特に、本開示は、バーチャルルーティングエリア(VRA)を使用した非静止軌道(NGSO)モバイルシステムのためのパケットトラフィックのルーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
非静止軌道(NGSO)システムは、静止地球軌道(GEO)衛星に対して高速で地球全域を掃引する低地球軌道(LEO)又は中地球軌道(MEO)の衛星のコンステレーションを用いる。したがって、NGSOシステムは、GEOシステムよりもはるかに多数の端末(例えば、地上アンテナ)ハンドオーバをサポートすることを必要とする。加えて、端末のハンドオーバが端末のモビリティによってのみ引き起こされるGEOシステム(例えば、ビームハンドオーバ)とは異なり、NGSOシステムは、衛星間ハンドオーバ(衛星の動き、地球の自転、及び/又は経路最適化による)、ゲートウェイ間ハンドオーバ(地球の自転、ユーザ端末のモビリティ、及び/又は経路最適化による)、リンクハンドオーバ(リンク停止による、ノード及び/又はリンクの障害による)、並びにビームハンドオーバ(衛星の動き、地球の自転、ビームの偏り、及び/又はユーザ端末のモビリティによる)を含むがこれに限定されない複数のタイプのハンドオーバを必ずサポートしなければならない。
【0003】
NGSOシステムをルーティングするための現在のソリューションは、搭載狭帯域インターネットプロトコル(IP)ルータ(すなわち衛星に搭載されたルータ)を使用したリンクステートルーティングを用いる。この手法は、リアルタイムルーティング及び転送決定を行うために、搭載ルータが隣接するルータとのリンクを確立及び維持し、実行時にリンクステートデータベースの同期を確立及び維持し、実行時にデータパケットを変調/復調及び検査することを意味する。そのため、衛星ネットワーク全体のルーティングは、ハンドオーバイベントがあるたびにリアルタイムで更新される必要がある。各ハンドオーバイベントに対してネットワーク全体を更新しなければならず、かつNGSOシステムの接続性が絶えず変化しているので、ネットワーク管理システムは、ルーティングの各更新に対して多数の計算を実行しなければならない。リンクステートルーティングの拡張性の問題により、この手法は、数百の衛星と関連リンクを超えて拡張することはない。更に、この手法は、ユーザ端末のハンドオーバ要件に対処するための高性能な又は拡張可能なソリューションを提供することはない。したがって、大きなNGSO衛星コンステレーションの拡張性、並びにユーザ端末のハンドオーバ要件への準拠を可能にする、改善されたルーティング技法が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、バーチャルルーティングエリア(VRA)を使用する非静止軌道(NGSO)システムのモバイルルーティングのための方法、システム、及び装置に関する。1つ又は複数の実施形態では、衛星システムをルーティングするための方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)の各々について、ルーティンググラフと称される複数の接続グラフを生成することを含む。ルーティンググラフ上の頂点(又はノード)は、衛星、地上ゲートウェイ、端末(例えば、ユーザ端末、航空端末、及び/若しくは海上端末)、並びに/又は地上セルラーアンテナ/基地局を示す。そして、ルーティンググラフ上のエッジ(すなわち、ノード間を接続するためのノード間の線、又はリンク)は、衛星を軌道面又はコンステレーション内又はそれらを横切って衛星と相互接続するために使用されるリンク、端末を有する衛星、地上セルラーアンテナ/基地局を有する衛星、VRAの地上ゲートウェイを有する衛星、又はそれらの任意の他の組み合わせを示す。1つ又は複数の実施形態では、各VRAに対するルーティンググラフの各々は、異なる期間に対するものである。少なくとも1つの実施形態では、VRAの各々に対するルーティンググラフの各々が、ルーティンググラフに関連するVRAに関連するゲートウェイと、ルーティンググラフに関連する期間中に互いのビュー及びゲートウェイのビュー内にある衛星とを含む。方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、ルーティンググラフの各々について少なくとも1つのタイムスライスされたグラフを生成することを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、タイムスライスされたグラフの各々は、タイムスライスされたグラフに関連付けられたルーティンググラフ上にある衛星のうちの少なくともいくつかの間の互いとの接続性を示す。更に、方法は、各期間に、少なくとも1つのプロセッサによって、期間にわたってVRAの各々に対してタイムスライスされたグラフの各々に従って衛星の間の接続性を確立することを含む。
【0005】
1つ又は複数の実施形態では、方法は、各期間中、少なくとも1つのプロセッサによって、各VRAのゲートウェイに関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、その期間にわたって各VRAのルーティンググラフ上のノードに割り当てることを更に含む。いくつかの実施形態では、衛星システム内のすべての通信に、インターネットプロトコル(IP)が利用される。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、ルーティンググラフの各々は、ルーティンググラフ上にある少なくとも1つの端末と衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示す。いくつかの実施形態では、方法は、各期間中、少なくとも1つのプロセッサによって、期間にわたってVRAの各々に対するルーティンググラフの各々に従って、少なくとも1つの端末と衛星との間の接続性を確立することを更に含む。
【0007】
1つ又は複数の実施形態では、少なくとも1つの端末は、静止型又は移動型のうちの1つである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの端末は、ベースバンドモデムと、地上アンテナ、空中アンテナ、又は海洋アンテナのうちの少なくとも1つとを含む。
少なくとも1つの実施形態では、ルーティンググラフの各々は、少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と、ルーティンググラフ上にある衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示す。いくつかの実施形態では、方法は、各期間中、少なくとも1つのプロセッサによって、期間にわたってVRAの各々に対するルーティンググラフの各々に従って、少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と衛星との間の接続性を確立することを更に含む。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)に位置する。いくつかの実施形態では、ゲートウェイの各々は、衛星地上局に関連する地上アンテナを含む。
【0009】
1つ又は複数の実施形態では、衛星の各々が、低地球軌道(LEO)衛星、中地球軌道(MEO)衛星、又は静止地球軌道(GEO)衛星である。いくつかの実施形態では、衛星の各々は、極軌道又は傾斜軌道のうちの1つにある。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、衛星システムは、複数の衛星と複数のゲートウェイとを含む。システムは、複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)の各々について、複数のルーティンググラフを生成するために少なくとも1つのプロセッサを更に含む。1つ又は複数の実施形態では、各VRAに対するルーティンググラフの各々は、異なる期間に対するものである。少なくとも1つの実施形態では、VRAの各々に対するルーティンググラフの各々が、ルーティンググラフに関連するVRAに関連するゲートウェイと、ルーティンググラフに関連する期間中に互いのビュー及びゲートウェイのビュー内にある衛星とを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、ルーティンググラフの各々に対して少なくとも1つのタイムスライスされたグラフを更に生成する。1つ又は複数の実施形態では、タイムスライスされたグラフの各々は、タイムスライスされたグラフに関連付けられたルーティンググラフ上にある衛星のうちの少なくともいくつかの間の互いとの接続性を示す。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、各期間中、その期間にわたってVRAの各々に対してタイムスライスされたグラフの各々に従って、衛星の間の接続性を更に確立する。
【0011】
1つ又は複数の実施形態では、各期間中、少なくとも1つのプロセッサが更に、VRAの各々のゲートウェイに関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、期間にわたってVRAの各々に対するルーティンググラフ上の衛星に割り当てる。
【0012】
1つ又は複数の実施形態では、ルーティンググラフの各々は、ルーティンググラフ上にある少なくとも1つの端末と衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示す。いくつかの実施形態では、各期間中、少なくとも1つのプロセッサが、期間にわたってVRAの各々に対するルーティンググラフの各々に従って、少なくとも1つの端末と衛星との間で通信を更に確立する。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、ルーティンググラフの各々は、少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と、ルーティンググラフ上にある衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示す。いくつかの実施形態では、各期間中、少なくとも1つのプロセッサが、期間にわたってVRAの各々に対するルーティンググラフの各々に従って、地上セルラーアンテナ/基地局と衛星との間の接続性を更に確立する。
【0014】
1つ又は複数の実施形態では、システムは、ゲートウェイの各々が、ゲートウェイに関連するVRA内の衛星に対するバーチャルIPルータインスタンスをホストし、かつシステムが、衛星の各々の各ペイロードがIPルータを含むことをシミュレートするように動作する透過システムである。少なくとも1つの実施形態では、衛星の各々のペイロードの各々は、物理層で透過的にトラフィックを処理し、互いに隣接する衛星のペイロードとネットワーク層ルートピアリング関係を確立することができる。いくつかの実施形態では、バーチャルIPルータインスタンスが、互いに隣接する衛星とリンク層スパニングツリーピアリング関係を確立するために使用される。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、システムは、衛星の各々の各ペイロードがIPルータを含む再生システムである。特徴、機能、及び利点は、本開示の種々の実施形態において単独で達成することができるか、又は更に他の実施形態において組み合わせることができる。
【0016】
本開示のこれらの及びその他の特徴、態様、及び利点は、下記の説明、特許請求の範囲、及び添付図面によってより深く理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態による、バーチャルルーティングエリア(VRA)を使用する非静止軌道(NGSO)システムのモバイルルーティングのための開示されたシステムによって採用されうる例示的なルーティンググラフを示す図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用するNGSOシステムのモバイルルーティングのための開示されうるシステムによって採用されうる例示的なタイムスライスされたグラフを示す図である。
【
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用するNGSOシステムのモバイルルーティングのための開示されたシステムの例示的な機能ブロック図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用したNGSOシステムのモバイルルーティングのための開示された方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用するNGSOシステムのモバイルルーティングのための簡略化され開示された方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に開示される方法及び装置は、バーチャルルーティングエリア(VRA)を使用して非静止軌道(NGSO)システムのモバイルルーティングのための動作システムを提供する。
【0019】
前述のように、非静止軌道(NGSO)システムは、静止地球軌道(GEO)衛星に対して高速で地球全域を掃引する低地球軌道(LEO)又は中地球軌道(MEO)の衛星の星座を用いる。したがって、NGSOシステムは、GEOシステムよりもはるかに多数の端末(例えば、地上アンテナ又は衛星電話)ハンドオーバをサポートする必要がある。加えて、端末のハンドオーバが端末のモビリティによってのみ引き起こされるGEOシステム(例えば、ビームハンドオーバ)とは異なり、NGSOシステムは、衛星間ハンドオーバ(衛星の動き、地球の自転、及び/又は経路最適化による)、ゲートウェイ間ハンドオーバ(地球の自転、ユーザ端末のモビリティ、及び/又は経路最適化による)、リンクハンドオーバ(リンク停止による、ノード及び/又はリンクの障害による)、並びにビームハンドオーバ(衛星の動き、地球の自転、ビームの偏り、及び/又はユーザ端末のモビリティによる)を含むがこれに限定されない複数のタイプのハンドオーバを必ずサポートしなければならない。
【0020】
NGSOシステムをルーティングするための現在のソリューションは、搭載狭帯域インターネットプロトコル(IP)ルータ(すなわち衛星に搭載されたルータ)を使用したリンクステートルーティングを用いる。この手法は、リアルタイムルーティング及び転送決定を行うために、搭載ルータが隣接するルータとのリンクを確立及び維持し、実行時にリンクステートデータベースの同期を確立及び維持し、実行時にデータパケットを変調/復調及び検査することを意味する。そのため、衛星ネットワーク全体のルーティングは、ハンドオーバイベントがあるたびにリアルタイムで更新される必要がある。各ハンドオーバイベントに対してネットワーク全体を更新しなければならず、かつNGSOシステムの接続性が絶えず変化しているので、ネットワーク管理システムは、ルーティングの各更新に対して多数の計算を実行しなければならない。リンクステートルーティングの拡張性の問題により、この手法は、数百の衛星と関連リンクを超えて拡張することはない。更に、この手法は、ユーザ端末のハンドオーバ要件に対処するための高性能な又は拡張可能なソリューションを提供することはない。
【0021】
1つ又は複数の実施形態では、本開示のシステムは、パス管理、動的ルーティング及びシグナリング、並びに静的時間スライスグラフの固有の集合によって表される単純なリンクステートルーティングシナリオの集合へのNGSOシステムのユーザ端末のハンドオーバの複雑な問題を軽減する。この手法では、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)動作環境で、バーチャルルーティングエリア(VRA)と時間スライス接続グラフの概念を制約ベースのルーティングとシグナリングで結合する。更に、この手法では、接続管理、ロケーション管理、サービス要求、重要業績評価指標(KPI)モニタリング、トラフィックエンジニアリング、アドミッションコントロール、及びビームとキャリアの管理を包括的なフレームワークに統合して、高いユーザ端末ハンドオーバ要件を有するシステム(例えば、NGSOシステム)に対する、動的で拡張可能な高性能のソリューションを実現する。
【0022】
特に、本開示のシステムは、任意の所与の時間間隔で関連/接続衛星のグラフを展開することによりバーチャルルーティングエリア(VRA)を作成することによって、衛星コンステレーションにおけるハンドオーバを決定するために必要な計算数を減らすためのソリューションを提供する。このグラフは、衛星間及び衛星から地上局への接続性を表す。このグラフは時間に基づいているので、ある期間(例えば、一日の期間)の衛星ネットワークの接続性は、複数の静的グラフによって表すことができる。この表現は、ネットワークトポロジを記述するのに必要な計算の数を減らし、最新のIPプロトコルを使用して衛星コンステレーション内の通信を維持できるようにする。
【0023】
下記の説明には、システムのより徹底した説明を提供するため、多数の詳細事項が記載される。しかしながら、開示されたシステムはこれら具体的な詳細事項がなくても実施可能であることが、当業者には明らかであろう。他の例では、不要にシステムを不明瞭にしないように、周知の特徴は詳細に説明されていない。
【0024】
本開示の実施形態は、本明細書において、機能的及び/又は論理的な構成要素、並びに様々な処理ステップの観点から説明されうる。このような構成要素は、特定の機能を実施するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア構成要素によって実現可能であると理解すべきである。例えば、本開示の実施形態は、様々な集積回路構成要素(例えば、メモリ素子、デジタル信号処理素子、論理素子、ルックアップテーブルなど)を利用し、これらは、1つ又は複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、又はその他の制御デバイスの制御下で、様々な機能を実行しうる。加えて、当業者であれば、本開示の実施形態を他の構成要素と併せて実施することが可能であり、本明細書に記載されたシステムは、本開示の1つの例示的な実施形態に過ぎないことを理解するだろう。
【0025】
簡潔にするため、モバイル衛星システムに関する従来の技術及び構成要素、並びにシステム(及びシステムの個別の動作構成要素)のその他の機能的態様は、本明細書に詳細に記載されない場合がある。更に、本明細書に含まれる様々な図面に示される接続線は、様々な要素間の例示的機能関係及び/又は物理的結合を表すことが意図される。本開示の実施形態において、多くの代替若しくは追加の機能的関係又は物理的接続が呈示されうることに留意すべきである。
【0026】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、バーチャルルーティングエリア(VRA)110a、110b、110c、110dを使用して非静止軌道(NGSO)システムのモバイルルーティングのための開示されたシステムによって採用されうる例示的なルーティンググラフ120a、120b、120c、120dを示す
図100である。
【0027】
この図では、VRA110a、110b、110c、110dの各々に対するルーティンググラフ120a、120b、120c、120dは、特定の期間のものである。例えば、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dは、特定の日の特定の時間についてのものである(例えば、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dのすべては、特定のルーティング(すなわち、その年の特定の日の正午から午後12時4分までの4分間に使用される特定のノード(例えば、衛星)間の接続性)を示す)。1つ又は複数の実施形態では、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dの特定の期間は、この例で使用されるように、4分未満又は4分超でもよいことに留意すべきである。
【0028】
更に、VRA110a、110b、110c、110dの各々が、地球上の特定の地理的領域をカバーし、その結果、複数のVRA110a、110b、110c、110dが一緒に地球上の特定の地理的領域(大陸、海、又は定義された地域など)をカバーすることに留意すべきである。1つ又は複数の実施形態では、複数のVRA110a、110b、110c、110dが一緒に地球の全表面を覆っている。他の実施形態では、複数のVRAが110a、110b、110c、110dが一緒に、地球の表面の一部を覆うのみである。1つ又は複数の実施形態では、
図1に示す4つのVRA110a、110b、110c、110dよりも多い又は少ないVRAが開示されたシステムに用いられてもよいことに留意すべきである。加えて、(インターネットの様々な部分を相互接続するために使用されるのと同じ方法で)システムの様々なグローバル領域(又はVRA)を相互接続するために、ボーダールーティングプロトコル(例えば、BGP)を使用することによって、開示されたシステムが拡張されうることに留意すべきである。
【0029】
またこの図では、VRA110a、110b、110c、110dの各々に対するルーティンググラフ120a、120b、120c、120dが各々、ゲートウェイ130a、130b、130c、130dを含むように示されている。1つ又は複数の実施形態では、ゲートウェイ130a、130b、130c、130dは、衛星地上局に関連する静止地上アンテナを含みうる。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ130a、130b、130c、130dは、輸送体に関連するモバイルアンテナでありうる。少なくとも1つの実施形態では、ゲートウェイ130a、130b、130c、130dは、ユーザ端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、コネクテッドカー端末などのモバイル端末、固定端末、及びインターネットオブシングス(IoT)端末)、航空端末(例えば、コックピットサービス、位置追跡サービス、及び機内エンターテイメントサービスに使用される端末)、並びに海上端末(例えば、出荷間サービス、安全/緊急サービス、位置追跡サービス、及びエンターテイメントサービスに使用される端末)といった端末でありうる。1つ又は複数の実施形態では、端末は、モデム、並びに地上アンテナ(例えば、地上アンテナ、建物の上部に搭載されたアンテナ、又はタンクなどの地上輸送体に搭載されたアンテナ)、空中アンテナ(例えば、航空機に搭載されたアンテナ)、又は船舶用アンテナ(船舶に搭載されたアンテナなど)のうちの少なくとも1つを含む。端末は、固定式(例えば、固定式地上アンテナ)でも移動式(例えば、衛星電話)でもよい。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ130a、130b、130c、130dは、地上セルラーアンテナ/基地局でありうる。1つ又は複数の実施形態では、VRA110a、110b、110c、110dの各々に対するルーティンググラフ120a、120b、120c、120dの各々は、
図1に示すように、複数のゲートウェイ130a、130b、130c、130dを含みうることに留意すべきである。
【0030】
加えて、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dは各々、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dについての特定の期間中に、互いの及びゲートウェイ130a、130b、130c、130dのビュー内にある、複数の特定のノード(又は頂点)(黒とグレーのボールで表される)を含んで示されている。例えば、VRA110aに対するルーティンググラフ120aに示されるノードは、特定の期間中、互いのビュー内及びゲートウェイ130aのビュー内にある。1つ又は複数の実施形態では、VRA110a、110b、110c、110dの各々に対するルーティンググラフ120a、120b、120c、120dの各々は、
図1に示されるよりも多い又は少ないノードを含みうる。
【0031】
ルーティンググラフ120a、120b、120c、120d内のノードは、ノードを接続するために使用される接続性(又は通信)リンクである線(又はエッジ)を介して接続されるように示される。加えて、VRA110a、110b、110c、110dのゲートウェイ130a、130b、130c、130dの間のバーチャルリンク(VL)を介して、及びVRA110a、110b、110c、110dの隣接するノードの間のバーチャルリンク(VL)を介して、VRA110a、110b、110c、110dが互いに接続されるように示される。
【0032】
1つ又は複数の実施形態では、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120d内のノードの少なくともいくつかは、衛星でありうる。ルーティンググラフ120a、120b、120c、120d内のノードのうちのいくつかは、(黒丸で示すように)極軌道をする衛星(すなわち、極軌道衛星)であり、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dは、(灰色のボールで示すように)傾斜軌道をする衛星(すなわち傾斜軌道衛星)である。1つ又は複数の実施形態では、衛星は、低地球軌道(LEO)衛星、中地球軌道(MEO)衛星、又は静止地球軌道(GEO)衛星でありうる。開示されたシステムは、LEO衛星コンステレーション、MEO衛星コンステレーション、ハイブリッドLEO/MEO衛星コンステレーション(LEO及びMEO衛星の両方を含む)、ハイブリッドGEO/MEO衛星コンステレーション(GEO衛星とMEO衛星の両方を含む)、ハイブリッドGEO/LEO衛星コンステレーション(GEO衛星とLEO衛星の両方を含む)、又はハイブリッドGEO/MEO/LEO衛星コンステレーション(GEO、MEO、及びLEO衛星を含む)に用いられうることに留意すべきである。
【0033】
1つ又は複数の実施形態では、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120d内のノードのうちの少なくともいくつかは、ゲートウェイとすることができ、衛星地上局に関連する静止地上アンテナを含みうる。いくつかの実施形態では、ノードのうちの少なくともいくつかは、輸送体に関連するモバイルアンテナでありうる。少なくとも1つの実施形態では、ノードのうちの少なくともいくつかは、ユーザ端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、コネクテッドカー端末などのモバイル端末、固定端末、及びインターネットオブシングス(IoT)端末)、航空端末(例えば、コックピットサービス、位置追跡サービス、及び機内エンターテイメントサービスに使用される端末)、並びに海上端末(例えば、出荷間サービス、安全/緊急サービス、位置追跡サービス、及びエンターテイメントサービスに使用される端末)といった端末でありうる。1つ又は複数の実施形態では、端末は、モデム、並びに地上アンテナ(例えば、地上アンテナ、建物の上部に搭載されたアンテナ、又はタンクなどの地上輸送体に搭載されたアンテナ)、空中アンテナ(例えば、航空機に搭載されたアンテナ)、又は船舶用アンテナ(船舶に搭載されたアンテナなど)のうちの少なくとも1つを含む。端末は、固定式(例えば、固定式地上アンテナ)でも移動式(例えば、衛星電話)でもよい。いくつかの実施形態では、ノードのうちの少なくともいくつかは、地上セルラーアンテナ/基地局でありうる。
【0034】
少なくとも1つの実施形態では、ノードのうちの少なくともいくつかは、地上ネットワーク及び/又はセルラーネットワーク内のアクセスポイントとして動作しうる。これらの実施形態では、ノードは、衛星ネットワーク及び/又は地上セルラーネットワークに接続し、米国で補助地上コンポーネント(Ancillary Terrestrial Component:ATC)と呼ばれ、ヨーロッパで補完陸上システム(Complementary Ground Component:CGC)と呼ばれるシステムを形成するために使用することができる。
【0035】
この図では、実線で互いに接続された任意のノードは、互いに通信する(すなわち接続性を有する)ことができる。加えて、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dは、破線で示すように、ゲートウェイ130a、130b、130c、130dとVRA110a、110b、110c、110d内のノードとの間の接続性(例えば、通信)を示す。
【0036】
この図においても、バックボーンエリアとして動作しているゲートウェイ130bは、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)140を含むように示される。GNOC140は、少なくとも1つのサーバ(図示せず)又は計算デバイス(図示せず)に位置する少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)を含みうる。1つ又は複数の実施形態では、GNOC140は、示されているようにノード及び/又はゲートウェイ130a、130cと通信している。
図1に示すように、バーチャルリンク(VL)のすべてがVRA110a、110b、110c、110dをバックボーンエリア(例えば、ゲートウェイ130b)に再び接続することに留意すべきである。
【0037】
図1の(例えば、透過衛星システムのための)開示されたシステムの動作中に、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)140に位置しうる)(例えば、バーチャルルータ)は、特定の期間(例えば、特定の日(例えば、2019年1月1日)の特定の時間(例えば、正午から午後12時4分まで)の間の特定の期間(例えば、4分)にわたったVRA110a、110b、110c、110dの各々に対するルーティンググラフ120a、120b、120c、120dを生成する。ルーティンググラフ120a、120b、120c、120d内のノード(例えば、衛星)は、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120dの期間中、互いのビュー及び特定のルーティンググラフ120a、120b、120c、120dのゲートウェイ130a、130b、130c、130dのビュー内にある。プロセッサ(例えば、バーチャルルータ)は、他の期間についても、VRA110a、110b、110c、110dのルーティンググラフを生成することになると留意すべきである。例えば、プロセッサは、任意の日数にわたって、1日の4分間隔ごとに、VRA110a、110b、110c、110dのルーティンググラフを生成しうる。このように、プロセッサは、ルーティンググラフが接続性に利用されるよりもずっと前にルーティンググラフを生成しうる。
【0038】
図1に示すシステムは、各ゲートウェイ130a、130b、130c、130dが、その特定のゲートウェイ130a、130b、130c、130dに接続されているノード(例えば、衛星)のバーチャルインターネットプロトコル(IP)ルータインスタンスをホストする、透過衛星システムであることに留意すべきである。したがって、各ゲートウェイ130a、130b、130c、130dは、バーチャルルータを含むと言われる。透過衛星システムについて、システムは、各衛星の各ペイロードがIPルータを含むことをシミュレートするように動作する。各衛星のペイロードは、全てのトラフィックを物理層で透過的に処理するが、衛星ペイロードとゲートウェイがホストするバーチャルルータインスタンスとの関連付けにより、ルーティンググラフ内の隣接ノード(例えば、衛星)とのネットワーク層ルートピアリング関係を確立することができる。この概念はまた、ルーティンググラフ120a、120b、120c、120d内の隣接するスイッチングノード(例えば、衛星)とのリンク層スパニングツリーピアリング関係を確立するために、ゲートウェイホストバーチャルスイッチインスタンスを使用することによって、リンク層でも適用されうる。
【0039】
しかしながら、開示されたシステムは、代替的に、各衛星がそれ自体のためにバーチャルインターネットプロトコル(IP)ルータインスタンスをホストし、したがって各衛星がバーチャルルータを含むと言われる再生システムでありうることに留意すべきである。再生システムについて、各衛星の各ペイロードは、IPルータを備える。
【0040】
図2は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用するNGSOシステムのモバイルルーティングのための開示されたシステムによって用いられうる例示的タイムスライスされたグラフ220a1、220b1、220c1、220d1、220a2、220b2、220c2、220d2を示す
図200である。この図では、VRAのルーティンググラフ(例えば、
図1のVRA110aのルーティンググラフ120a)は、2つの別々のルーティンググラフ210a、210bによって表され(すなわち、分割され)、ここで、一方のルーティンググラフ210aは、VRA110a内の傾斜軌道衛星として示されるノードを表し、他方のルーティンググラフ210bは、VRA110a内の極軌道衛星として表されるノードを表す。
【0041】
ルーティンググラフ210a内の実線の垂直線は各々、ノード(例えば、衛星)の面間を表し、実線の垂直線で接続された任意のノード(例えば、衛星)は、隣接する軌道面内にあり、互いに通信しうる。ルーティンググラフ210a内の実線の対角線は各々、ノード(例えば、衛星)の面内を表し、ここで、実線の対角線により接続された任意のノード(例えば、衛星)は、同じ軌道面内にあり、互いに通信しうる。
【0042】
ルーティンググラフ210b内の実線の垂直線は各々、ノード(例えば、衛星)の面内を表し、実線の垂直線で接続された任意のノード(例えば、衛星)は同じ軌道面内にあり、互いに通信しうる。ルーティンググラフ210b内の実線の対角線は各々、ノード(例えば、衛星)の面間を表し、ここで、実線の対角線により接続された任意のノード(例えば、衛星)は、隣接する軌道面内にあり、互いに通信しうる。
【0043】
開示されたシステムの動作中に、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)140に位置しうる)(例えば、バーチャルルータ)は、制約ベースの最適化アルゴリズムを利用することによって、特定の期間、ノード(例えば、衛星)のルーティングを確立するために、各々のルーティンググラフごとに、少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ220a1、220b1、220c1、220d1、220a2、220b2、220c2、220d2を生成する。例えば、1つ又は複数のプロセッサは、VRA110aのルーティンググラフ210aに対する4つの時間増分(t=0、t=1ΔT、t=2ΔT、及びt=3ΔT)について(すなわち4つのエポックについて)、タイムスライスされたグラフ220a1、220b1、220c1、220d1を生成する。別の例として、プロセッサは、VRA110aのルーティンググラフ210bに対する4つの時間増分(t=0、t=1ΔT、t=2ΔT、及びt=3ΔT)についてタイムスライスされたグラフ220a2、220b2、220c2、220d2を生成する。時間増分は、例えば、各々1分でありうる(例えば、ΔT=1分)。また、例えば、タイムスライスされたグラフ220a1、220a2は、2019年1月1日の正午から午後12時1分までの期間のものであり;タイムスライスされたグラフ220b1、220b2は、2019年1月1日午後12時1分から12時2分の期間のものであり;タイムスライスされたグラフ220c1、220c2は、2019年1月1日午後12時2分から12時3分までの期間のものであり;タイムスライスされたグラフ220d1、220d2は、Nが3に等しいとき、2019年1月1日午後12時3分から12時4分の期間のものである。1つ又は複数の実施形態では、時間増分は、例で使用されるように、1分よりも長い又は短い期間でありうる。いくつかの実施形態では、時間増分は、タイムスライスされたグラフのうちの少なくともいくつかについて種々の異なる長さの時間でありうる。更に、1つ又は複数の実施形態では、プロセッサは、この例で使用されるように、各ルーティンググラフについて4つより多いか又は少ないタイムスライスされたグラフを生成しうる。
【0044】
タイムスライスされたグラフ220a1、220b1、220c1、220d1、220a2、220b2、220c2、220d2の各々の上のノード(例えば、衛星)をつなぐ太線は、その特定のタイムスライスされたグラフに対する特定の期間中の特定のノード(例えば、衛星)間の接続性(すなわち通信)を示す。例えば、t=0の期間(例えば、2019年1月1日の正午から午後12時1分の期間)について、タイムスライスされたグラフ220a1は、1組の4つのノード(例えば、傾斜軌道衛星)が、この期間中、互いに接続性を有する(すなわち通信している)ことを示す。別の例として、t=1ΔTの期間(例えば、2019年1月1日の午後12時1分から12時2分の期間)について、タイムスライスされたグラフ220b1は、1組の4つのノード(例えば、傾斜軌道衛星)が、この期間中、互いに接続性を有しており(すなわち通信しており)、他の組の4つのノードの組(例えば、傾斜軌道衛星)が、この期間中、互いに接続性を有する(すなわち通信している)ことを示す。更に別の例として、t=2ΔTの期間(例えば、2019年1月1日の午後12時2分から12時3分の期間)について、タイムスライスされたグラフ220c1は、1組の4つのノード(例えば、傾斜軌道衛星)(互いに接続性を有する(すなわち通信している))と、他の組の4つのノード(例えば、傾斜軌道衛星)(互いに接続性を有する(すなわち通信している))とが、この期間中、互いに接続性を有する(すなわち通信している)(すなわち、8つすべてのノード(例えば、傾斜軌道衛星)が、この期間中、互いに接続性を有する(すなわち通信している))ことを示す。
【0045】
また、動作中、期間中(例えば、期間t=0の間)、プロセッサ(例えば、バーチャルルータ)は、その期間に関連付けられるルーティンググラフ(例えば、ルーティンググラフ120a)のゲートウェイ(例えば、ゲートウェイ130a)に関連する、特定のバーチャルインターネットプロトコル(IP)及びメディアアクセス制御(MAC)層アドレス(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス)を、その期間のルーティンググラフ(例えば、ルーティンググラフ120a)に示されるノード(例えば、衛星)に割り当てる。例えば、ルーティンググラフ(例えば、ルーティンググラフ120a)内の各ノード(例えば、衛星)には、ルーティンググラフ(例えば、ルーティンググラフ120a)内に示されるゲートウェイ(例えば、ゲートウェイ130a)に関連付けられた固有のIPアドレスが割り当てられることになる。1つ又は複数の実施形態では、インターネットプロトコル(IP)は、開示されたシステム内のすべての通信に利用される。
【0046】
また、期間中(例えば、期間t=0の間)、プロセッサは、その期間のタイムスライスされたグラフ(例えば、タイムスライスされたグラフ220a1、220a2)に示すように、互いにノード(例えば、衛星)間の接続性(例えば通信)を確立する。また、期間中(例ば、期間t=0の間)、ノード(例えば、衛星)は、その期間のタイムスライスされたグラフ(例えば、タイムスライスされたグラフ220a1、220a2)に示されるように、互いに接続性を有する(すなわち、通信状態にある)。
【0047】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用するNGSOシステムのモバイルルーティングのための開示されたシステムの例示的な機能ブロック
図300である。この図では、順方向情報データベース(FIB)インスタンスは、システム内の各ノード(例えば、衛星)に対してトポロジ状態ごとに(例えば、エポックごとに)作成される。
【0048】
FIBインスタンスを作成するための動作中、ネットワークの異なるプレーン間のすべての異なる接続を分析する接続管理310と、システムのノード(例えば、衛星及び/又は端末)のすべての位置を分析するロケーション管理320とは、例えば、各VRAについてタイムスライスされたグラフを生成するなど、接続性行列330を共に決定する。接続性行列330に従って、衛星に対する衛星ビームが構成され、衛星信号の搬送周波数が構成される。限定されないが、サービス要求(例えば、サービスに対するユーザ要求に関連する)360、重要業績評価パラメータ(KPI)370、及びサービスレベル契約(SLA)要件(例えば、ゴールドレベル、シルバーレベル、及びブロンズレベル)380、並びにアドミッション制御390及びトラフィック行列392は、必要に応じて接続性行列330を継続的かつ動的に更新するために、接続管理310及びロケーション管理320によって利用される。
【0049】
ルーティングマネージャ393は、接続性行列330及びトラフィック行列392、並びにトラフィックエンジニアリングデータベース394を利用して、ノード(例えば、衛星及び端末)間の接続経路を管理する。トラフィックエンジニアリングデータベース394は、各期間(例えば、エポック)のトラフィックエンジニアリングデータベース(TED)395と、各期間(例えば、エポック)のルーティング情報データベース(RIB)396とを含む。また、シグナリングマネージャ391は、経路をトランスポートとして使用するセッションを管理するために、SLA要件380及びトラフィックエンジニアリングデータベース394を利用する。
【0050】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用したNGSOシステムのモバイルルーティングのための開示された方法400のフローチャートである。方法400の開始405において、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)140に位置しうる)は、N個の時間的エポック(すなわち、t=0、t=1ΔT、t=2ΔT、…t=NΔTなどのN個の期間)についてのグラフ(例えば、タイムスライスされたグラフ220a1、220b1、220c1、220d1)を、各ゲートウェイ(例えば、ゲートウェイ130a)におけるシステムリソースマネージャ(SRM)(例えば、バーチャルルータ)に分配する410。次いで、各ゲートウェイSRM(例えば、バーチャルルータ)は、VRAの各々の各エポックに使用されるタイムスライスされたグラフについての制約ベースの経路を計算する(すなわち決定する)(すなわち、各ゲートウェイSRMは、タイムスライスされたグラフ及び制約事項(例えば、帯域幅容量、時間遅延、及び/又は信号強度の低下の重み付けされた組み合わせ)に基づいて利用されるノード(例えば、衛星)間の互いへの最短通信経路を決定する)415。
【0051】
次いで、各ゲートウェイSRM(例えば、バーチャルルータ)は、現在の時間的エポック(例えば、タイムスライスされたグラフの衛星ネットワーク内のすべてのノード(例えば、衛星及び/又はユーザ端末)が、ネットワーク内でそれらのデータベースを完全に同期させる)についてネットワーク収束が達成されていると決定する420。次いで、各ゲートウェイSRM(例えば、バーチャルルータ)は、タイムスライスされたグラフに従って、現在の時間的エポックについてノード(例えば、衛星)のペイロード構成をロードする(例えば、各ゲートウェイSRMは、以前タイムスライスされたグラフから現在タイムスライスされたグラフへの変化に基づいて、新しく追加された衛星及び削除された衛星について衛星上のアンテナビームを動的に切り替える)425。
【0052】
次いで、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)140に位置しうる)は、時間的エポックがスライスグラフに対する最後の時間的エポックであるかどうか(すなわち時間的エポック番号がNに等しいかどうか)435を判定する。時間的エポックが最後の時間的エポックであるとプロセッサが決定した場合、次いでプロセッサは、すべてのVRAについてシステム全体の時間的エポック番号を初期値にリセットすることになる(例えば、N=0にリセットする)440。次に、プロセッサは、システム内の各VRAについてトポロジが変化したかどうか(例えば、各ゲートウェイが見るノード(例えば、衛星)に変化があるかどうか、システム内のノード(例えば、衛星)のいずれかが稼働していないかどうか、及び/又はシステム内に何らかの通信リンク障害があるかどうか)445を判定することになる。プロセッサが衛星トポロジのいずれにも変化がないと決定した場合、次いで、方法400は、図示されたステップ415に戻ることになる。
【0053】
しかしながら、プロセッサが、VRAのいずれかについてトポロジに変化があると決定した場合、プロセッサは、それらのトポロジについてのトポロジの変化に基づいて、残りのすべての時間的エポックについてタイムスライスされたグラフを更新することになる。その後、方法400は、図示されたようにステップ410に戻ることになる。
【0054】
時間的エポックが最後の時間的エポックではないとプロセッサが決定した場合、次いで、プロセッサは、すべてのVRAについてシステム全体の時間的エポック番号を次の値にインクリメントすることになる(例えば、N=1の場合、プロセッサは、N=2になるようにNをインクリメントすることになる)430。その後、方法400は、図示されたようにステップ445に進むことになる。
【0055】
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、VRAを使用するNGSOシステムのモバイルルーティングのための簡略化され開示された方法500のフローチャートである。方法500の開始510において、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)140に位置しうる)は、複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)の各々について複数のルーティンググラフを生成する520。1つ又は複数の実施形態では、各VRAに対するルーティンググラフの各々は、異なる期間に対するものである。いくつかの実施形態では、各VRAについてのルーティンググラフの各々は、ルーティンググラフに関連するVRAに関連付けられたゲートウェイ、及びルーティンググラフに関連付けられた期間中に、互いのビュー内及びゲートウェイのビュー内にあるノード(例えば、衛星、端末、ゲートウェイ、及び/又は地上セルラーアンテナ)を含む。次いで、少なくとも1つのプロセッサは、ルーティンググラフの各々について少なくとも1つのタイムスライスされたグラフを生成する530。1つ又は複数の実施形態では、タイムスライスされたグラフの各々は、タイムスライスされたグラフに関連付けられたルーティンググラフ上にある、ノードのうちの少なくともいくつかの間の接続性を示す。
【0056】
各期間中、少なくとも1つのプロセッサは、各VRAのゲートウェイに関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、その期間にわたって各VRAのルーティンググラフ上のノードに割り当てる540。また、各期間中に、少なくとも1つのプロセッサは、期間にわたって、各VRAに対する各タイムスライスされたグラフに従ってノード間の接続性を確立する550。その後、方法500は終了する560。
【0057】
特定の実施形態が示され説明されたが、上記はこれら実施形態の範囲を限定することを意図していないと理解すべきである。本発明の多くの態様の実施形態及び変形例が、本明細書で開示され記載されてきたが、これら開示は、解説及び例示目的でのみ提供されるものである。したがって、特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正が行われてよい。
【0058】
上述の方法が特定の順序で起こる特定の事象を指す場合、本開示の利益を得る当業者は、順序が変更されうること、及びこのような変更が本開示の変形によるものであることを認識するだろう。加えて、方法の一部は、可能であれば並行プロセスにおいて同時に実施されてもよく、連続して実施されてもよい。更に、方法のより多くの部分又はより少ない部分が実施されてもよい。
【0059】
したがって、実施形態は、特許請求の範囲内に包含される代替例、修正例、及び等価物を例示することを意図する。
【0060】
特定の例示的実施形態及び方法を本明細書中に開示したが、前述の開示内容から、当業者には、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、このような実施形態及び方法に変更及び修正を加えることが可能であることは明らかであろう。その他多数の本開示の実施例があり、各実施例は、その詳細事項においてのみ他と異なる。したがって、本開示は特許請求の範囲及び適用法の規則及び原理によって必要とされる範囲にのみ制限されることが意図されている。
【0061】
更に、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1.
衛星システムをルーティングするための方法であって、
少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)(110)の各々について複数のルーティンググラフ(120)を生成することであって、VRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々が、異なる期間に対するものであり、VRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々が、ルーティンググラフ(120)に関連するVRA(110)に関連するゲートウェイ(130)と、ルーティンググラフ(120)に関連する期間中に互いのビュー及びゲートウェイ(130)のビュー内にある衛星とを含む、複数のルーティンググラフ(120)を生成することと、
少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、ルーティンググラフ(120)の各々について少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ(220)を生成することであって、タイムスライスされたグラフ(220)の各々が、タイムスライスされたグラフ(220)に関連するルーティンググラフ(120)上にある衛星のうちの少なくともいくつかの間の互いとの接続性を示す、少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ(220)を生成することと、
各期間中、少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、期間にわたってVRA(110)の各々に対してタイムスライスされたグラフ(220)の各々に従って、衛星の間の接続性を確立することと
を含む方法。
条項2.
各期間中に、少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、VRA(110)の各々のゲートウェイ(130)に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、期間にわたってVRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)上の衛星に割り当てること
を更に含む、条項1に記載の方法。
条項3.
衛星システム内のすべての通信に、インターネットプロトコル(IP)が利用される、条項1に記載の方法。
条項4.
ルーティンググラフ(120)の各々が、ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの端末と衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
方法が、各期間中に、少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、期間にわたって、VRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々に従って、少なくとも1つの端末と衛星との間の接続性を確立することを更に含む、条項1に記載の方法。
条項5.
少なくとも1つの端末が、静止型又は移動型のうちの1つである、条項4に記載の方法。
条項6.
少なくとも1つの端末が、ベースバンドモデムと、地上アンテナ、空中アンテナ、又は海洋アンテナのうちの少なくとも1つとを含む、条項4に記載の方法。
条項7.
ルーティンググラフ(120)の各々が、ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
方法が、各期間中に、少なくとも1つのプロセッサ(140)によって、期間にわたってVRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々に従って、少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と衛星との間の接続性を確立することを更に含む、条項1に記載の方法。
条項8.
少なくとも1つのプロセッサ(140)が、グローバルネットワークオペレーションセンター(GNOC)(140)に位置する、条項1に記載の方法。
条項9.
ゲートウェイ(130)の各々が、衛星地上局に関連する地上アンテナを含む、条項1に記載の方法。
条項10.
衛星の各々が、低地球軌道(LEO)衛星、中地球軌道(MEO)衛星、又は静止地球軌道(GEO)衛星のうちの1つである、条項1に記載の方法。
条項11.
衛星の各々が、極軌道又は傾斜軌道のうちの1つにある、条項1に記載の方法。
条項12.
衛星システムであって、
複数のバーチャルルーティングエリア(VRA)(110)の各々に対する複数のルーティンググラフ(120)を生成するための少なくとも1つのプロセッサ(140)を含み、
VRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々が、異なる期間に対するものであり、
VRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々が、ルーティンググラフ(120)と関連するVRA(110)と関連するそれぞれのゲートウェイ(130)と、ルーティンググラフ(120)に関連する期間中に互いのビュー及びゲートウェイ(130)のビュー内にある衛星とを含み、
少なくとも1つのプロセッサ(140)が、ルーティンググラフ(120)の各々に対して少なくとも1つのタイムスライスされたグラフ(220)を更に生成し、タイムスライスされたグラフ(220)の各々が、タイムスライスされたグラフ(220)に関連するルーティンググラフ(120)上にある衛星のうちの少なくともいくつかの間の互いとの接続性を示し、
少なくとも1つのプロセッサ(140)が、各期間中、その期間にわたってVRA(110)の各々に対してタイムスライスされたグラフ(220)の各々に従って、衛星の間の接続性を更に確立する、衛星システム。
条項13.
各期間中、少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、VRA(110)の各々のゲートウェイ(130)に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを、期間にわたってVRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)上の衛星に割り当てる、条項12に記載のシステム。
条項14.
衛星システム内のすべての通信に、インターネットプロトコル(IP)が利用される、条項12に記載のシステム。
条項15.
ルーティンググラフ(120)の各々が、ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの端末と衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
各期間中、少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、期間にわたってVRA(110)の各々に対するルーティンググラフ(120)の各々に従って、少なくとも1つの端末と衛星との間の通信を確立する、条項12に記載のシステム。
条項16.
ルーティンググラフ(120)の各々が、ルーティンググラフ(120)上にある少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と衛星のうちの少なくともいくつかとの間の接続性を示し、
各期間中、少なくとも1つのプロセッサ(140)が更に、VRA(110)の各々又は期間に対してルーティンググラフ(120)の各々に従って、少なくとも1つの地上セルラーアンテナ/基地局と衛星との間の接続性を確立する、条項12に記載のシステム。
条項17.
システムは、ゲートウェイ(130)の各々が、ゲートウェイ(130)に関連するVRA(110)内の衛星に対するバーチャルIPルータインスタンスをホストする透過システムであり、
システムが、衛星の各々の各ペイロードがIPルータを含むことをシミュレートするように動作する、条項12に記載のシステム。
条項18.
衛星の各々のペイロードの各々は、物理層で透過的にトラフィックを処理し、互いに隣接する衛星のペイロードとネットワーク層ルートピアリング関係を確立することができる、条項17に記載のシステム。
条項19.
バーチャルIPルータインスタンスが、互いに隣接する衛星とリンク層スパニングツリーピアリング関係を確立するために使用される、条項17に記載のシステム。
条項20.
システムは、衛星の各々の各ペイロードがIPルータを含む再生システムである、条項12に記載のシステム。