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特許7481104伸縮性の導電性フルオロエラストマーペースト組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】伸縮性の導電性フルオロエラストマーペースト組成物
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/22 20060101AFI20240501BHJP
   C08K 3/01 20180101ALI20240501BHJP
   C08L 27/12 20060101ALI20240501BHJP
   C08K 5/541 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H01B1/22 A
C08K3/01
C08L27/12
C08K5/541
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019189553
(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公開番号】P2020064859
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】62/746,269
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523478687
【氏名又は名称】デュポン チャイナ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ユー テン リアン
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-511298(JP,A)
【文献】特開2016-219543(JP,A)
【文献】特表2016-524779(JP,A)
【文献】特表2017-517833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/22
C08K 3/01
C08L 27/12
C08K 5/541
A61B 5/256
A61B 5/263
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー厚膜導電性ペースト組成物であって、
a)45~65重量%の導電性粉末と;
b)10~20重量%のフルオロエラストマーと;
c)0.1~3重量%のシランカップリング剤と;
d)35重量%以下の、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、二塩基性酸エステル及びc11からなる群から選択される1種以上の溶媒と;
e)1~35重量%の、トリエチルホスフェート、アセトン、4-メチル-2-ペンタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン及びシクロヘキサンからなる群から選択される1種以上の溶媒と、を含み、前記重量%が前記ペースト組成物の総重量を基準とする、ポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項2】
前記フルオロエラストマーが、フッ化ビニリデン含有フルオロエラストマーコポリマーである、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項3】
前記フルオロエラストマーが、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのターポリマーである、請求項2に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項4】
前記フルオロエラストマーが、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのジポリマーである、請求項2に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項5】
前記導電性粉末が、Ag、Cu、Au、Pd、Pt、Sn、Al、Ni、C、それらの合金及びそれらの混合物の1種以上の導電性粉末である、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項6】
前記導電性粉末が銀粉末である、請求項5に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項7】
前記銀粉末が銀フレークの形態にある、請求項6に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項8】
前記シランカップリング剤が、[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)、(アミノプロピル)トリメトキシシラン、(メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(ビニル)トリメトキシシラン及び(メルカプトプロピル)トリメトキシシランからなる群から選択される、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項9】
前記シランカップリング剤が[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシランである、請求項8に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項10】
35重量%以下の2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテートと1~35重量%のトリエチルホスフェートとを含む、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
【請求項11】
請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物から形成された印刷導体を含む物品。
【請求項12】
前記物品が着用可能な衣類である、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記印刷導体が基板上に印刷されていてこれが続いて前記衣類に積層されたものである、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記物品が熱成形されていて続いて射出成形に供されたものである、請求項11に記載の物品。
【請求項15】
請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物から形成された印刷導電性接着剤を含む物品。
【請求項16】
前記物品が熱成形されていて続いて射出成形に供されたものである、請求項15に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月16日に出願された、「Stretchable Conductive Fluoroelastomer Paste Composition」という表題の米国仮特許出願第62/746,269号明細書の便益を主張するものであり、その出願は、それの参照によりあらゆる目的のためにその全体が本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、ウェアラブル及びインモールドエレクトロニクス用の伸縮性ポリマー厚膜導電性フルオロエラストマーペースト組成物を指向する。
【背景技術】
【0003】
着用可能な衣類に電気回路を組み込んで、着用者の生理的側面を監視することへの関心が高まっている。そのような測定の例としては、心拍数、心電図、体温及び体液が挙げられる。これらの回路は、衣類又は物品が伸縮する時に及び複数回の洗濯及び乾燥サイクルに曝されるときに維持されなければならない。着用可能な衣類での電気回路の別の使用は、ヒーターにおいてである。
【0004】
加えて、インモールドエレクトロクス(In Mold Electronics)(IME)のための熱成形及び射出成形プロセス中に起こる伸縮及び変形に耐えることができる導電性接着剤が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、着用可能な衣類中に印刷導体を形成するために、インモールドエレクトロクス用の導電性接着剤を形成するために、又は消費者エレクトロニクス用の印刷導体を形成するために使用され得る伸縮性ポリマー厚膜導電性ペースト組成物に関する。それは、伸縮性の導電性ポリマー厚膜を形成する。
本発明は、
a)45~65重量%の導電性粉末と;
b)10~20重量%のフルオロエラストマーと;
c)0.1~3重量%のシランカップリング剤と;
d)0~35重量%の、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、二塩基酸エステル及びC11ケトンからなる群から選択される1種以上の溶媒と;
e)1~35重量%の、トリエチルホスフェート、アセトン、4-メチル-2-ペンタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン及びシクロヘキサンからなる群から選択される1種以上の溶媒と
を含むポリマー厚膜導電性ペースト組成物であって、
重量%がペースト組成物の総重量を基準とするペースト組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、導電性粉末と、フルオロエラストマーと、シランカップリング剤と、1種以上の溶媒とを含むポリマー厚膜(PTF)導電性ペースト組成物に関する。
【0007】
本PTFペースト組成物は、様々な物品に印刷導体を形成するために使用することができる。本PTFペースト組成物は、着用可能な衣類に使用することができる印刷導体を形成するために使用することができる。一実施形態において、この導体は、衣類用布地上に直接印刷される。別の実施形態において、この導体は、次にその後衣類に積層される基材上に印刷される。この伸縮性の印刷導体は、そのような衣類が受ける伸縮及び洗濯及び乾燥中にその有用性を維持する。本ペーストは、他の物品に導体を形成するために、及びシート中のヒーター用に使用することができる。
【0008】
本PTFペースト組成物はまた、印刷導体を形成するために、及び他の物品用の導電性接着剤(ECA)を形成するために使用することができる。これらの物品は、熱成形し、その後射出成形に供することができ、印刷導体又は導電性接着剤は、これらのプロセス中に起こる伸縮及び変形に耐える。
【0009】
本ペースト組成物は、ポリマーが印刷導体中の構成要素として残るので、ポリマー厚膜ペースト組成物と呼ばれる。「導電性」としての本ペースト組成物の記載は、組成物を基材上へ印刷し、乾燥させて、デバイスとそれに接続された電気回路との間に又は回路の構成要素間に電流を通すのに十分な導電性を持った導電体を形成することができることを意味するように行われる。多くの場合に、本ECAで行われる機械的結合及び電気接続は、伝統的なハンダ付けに代わるものであってもよい。
【0010】
PTF導電性ペースト組成物の様々な構成要素が、以下により詳細に論じられる。重量パーセントは重量%として記載される。
【0011】
導電性粉末
導電性粉末は、Ag、Cu、Au、Pd、Pt、Sn、Al、Ni、C、それらの合金及びそれらの混合物の1種以上の導電性粉末である。
【0012】
一実施形態において、導電性粉末は銀粉末である。
別の実施形態において、銀粉末は銀フレークの形態にある。
【0013】
PTFペースト組成物中の導電性粉末の量は、40~65重量%であり、ここで、重量%は、ポリマー厚膜ペースト組成物の総重量を基準とする。
【0014】
フルオロエラストマー
一実施形態において、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン含有フルオロエラストマーコポリマーである。このコポリマーは、ターポリマー又はジポリマーであってもよい。
【0015】
1つのそのような実施形態において、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマーである。別の実施形態において、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンと、パーフルオロメチルビニルエーテルと、テトラフルオロエチレンとのターポリマーである。
【0016】
別の実施形態において、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのジポリマーである。
【0017】
他の実施形態において、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンを含有しない。1つのそのようなフルオロエラストマーは、エチレンと、テトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルエチルビニルエーテルとのターポリマーである。
【0018】
フルオロエラストマーの量は、10~20重量%であり、ここで、重量%は、ポリマー厚膜ペースト組成物の総重量を基準とする。
【0019】
シランカップリング剤
典型的なシランカップリング剤は、[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)、(アミノプロピル)トリメトキシシラン、(メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(ビニル)トリメトキシシラン及び(メルカプトプロピル)トリメトキシシランである。
【0020】
一実施形態においてシランカップリング剤は、[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)である。
【0021】
シランカップリング剤の量は0.1~3重量%であり、ここで、重量%は、ポリマー厚膜ペースト組成物の総重量を基準とする。
【0022】
溶媒
溶媒は、0~35重量%の、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテート(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、二塩基酸エステル及びc11からなる群から選択される1種以上の溶媒と、1~35重量%の、トリエチルホスフェート、アセトン、4-メチル-2-ペンタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン及びシクロヘキサンからなる群から選択される1種以上の溶媒とからなる。
【0023】
一実施形態において、溶媒は、0~35重量%の2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテートと1~35重量%のトリエチルホスフェートとからなり、ここで、重量%は、ポリマー厚膜組成物の総重量を基準とする。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
ポリマー厚膜導電性ペースト組成物であって、
a)45~65重量%の導電性粉末と;
b)10~20重量%のフルオロエラストマーと;
c)0.1~3重量%のシランカップリング剤と;
d)0~35重量%の、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、二塩基性酸エステル及びc11からなる群から選択される1種以上の溶媒と;
e)1~35重量%の、トリエチルホスフェート、アセトン、4-メチル-2-ペンタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン及びシクロヘキサンからなる群から選択される1種以上の溶媒と、を含み、前記重量%が前記ペースト組成物の総重量を基準とする、ポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項2]
前記フルオロエラストマーが、フッ化ビニリデン含有フルオロエラストマーコポリマーである、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項3]
前記フルオロエラストマーが、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのターポリマーである、請求項2に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項4]
前記フルオロエラストマーが、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのジポリマーである、請求項2に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項5]
前記導電性粉末が、Ag、Cu、Au、Pd、Pt、Sn、Al、Ni、C、それらの合金及びそれらの混合物の1種以上の導電性粉末である、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項6]
前記導電性粉末が銀粉末である、請求項5に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項7]
前記銀粉末が銀フレークの形態にある、請求項6に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項8]
前記シランカップリング剤が、[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)、(アミノプロピル)トリメトキシシラン、(メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(ビニル)トリメトキシシラン及び(メルカプトプロピル)トリメトキシシランからなる群から選択される、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項9]
前記シランカップリング剤が[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシランである、請求項8に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項10]
0~35重量%の2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテートと1~35重量%のトリエチルホスフェートとを含む、請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物。
[請求項11]
請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物から形成された印刷導体を含む物品。
[請求項12]
前記物品が着用可能な衣類である、請求項11に記載の物品。
[請求項13]
前記印刷導体が基板上に印刷されていてこれが続いて前記衣類に積層されたものである、請求項12に記載の物品。
[請求項14]
前記物品が熱成形されていて続いて射出成形に供されたものである、請求項11に記載の物品。
[請求項15]
請求項1に記載のポリマー厚膜導電性ペースト組成物から形成された印刷導電性接着剤を含む物品。
[請求項16]
前記物品が熱成形されていて続いて射出成形に供されたものである、請求項15に記載の物品。
【実施例
【0024】
実施例及び比較実験
実施例1~4並びに比較実験1及び2
実施例E1~E3並びに比較実験CE1~CE2のそれぞれに使用されるフルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマーであり、各PTFペースト組成物は、次の通り調製した。
【0025】
フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンターポリマー(Viton(登録商標)GBL200,Chemours Co.,Wilmington,DE)のシートを、小片へカットし、10重量%のトリエチルホスフェートと90重量%の2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテートとの溶媒ブレンドに添加した。ターポリマーの量は、ターポリマーと溶媒ブレンドとの総重量を基準として40重量%であった。混合物を、フルオロエラストマーが溶媒に完全に溶解して、ターポリマー媒体を形成するまで18時間以下60℃で攪拌した。
【0026】
銀フレーク(DuPont Co.,Wilmington,DE)及びシランカップリング剤[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(Dynasalyn(登録商標)GLYMO,Evonik Corp.USA,Parsippany,NJ)をターポリマー媒体に添加した。トリエチルホスフェート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテートをまた添加して混合中に粘度を制御した。この混合物を次に、3ロール粉砕して構成要素を完全に分散させた。最後に、30~90Pa・Sのターゲット粘度まで追加のトリエチルホスフェート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテートを使用して粘度調整を行ってペースト組成物を製造した。
【0027】
実施例E1~E4及び比較実験CE1~CE2に使用された重量パーセント単位での構成要素の量を表Iに示す。重量%は、組成物の総重量を基準とする。
【0028】
【表1】
【0029】
記載されたように製造された5種のペーストをそれぞれ、
接着剤層を含有する熱可塑性ポリウレタンフィルムの基材上へ200~325網目数スクリーンを用いてスクリーン印刷した。基材は、DuPontTM Intexar(登録商標)TE-11C(DuPont Co.,Wilmington,DE)かBemisTM ST-604(Bemis Associates Inc.,Shirley,MA)かのいずれかであった。印刷パターンを、対流炉又はベルト炉において100~130℃で10~20分間乾燥させて印刷導体を形成した。
【0030】
印刷パターン基材をきれいに整え、130℃で30秒間ホットプレスを用いて布地上へ積層させた。試料を、launder-o-meter小型容器中へロードし、AATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists))試験方法61を用いて操作した。選ばれたサイクルで、試料を室温で4時間以上風乾させ、その後4点電気抵抗測定を印刷導体に関して行った。各印刷導体の初期抵抗及び示された数のサイクル後の抵抗をオーム単位で表IIに示す。布地に適用された基材は、上に記載されたようなTE-11CかST-604かのいずれかによって示される。結果は、本ペースト組成物から形成された導体の改善された洗濯耐久性を示す。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例5~6
実施例E5に使用されるフルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマーであった。実施例E6に使用されるフルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのジポリマーであった。各PTFペースト組成物を、本質的に、実施例E1~E4及び比較実験CE1~CE2について記載されたように調製した。
【0033】
実施例E5~E6に使用される重量パーセント単位での構成要素の量を表IIIに示す。重量%は、組成物の総重量を基準とする。
【0034】
【表3】
【0035】
記載されたように製造された2種のペーストをそれぞれ、
接着剤層を含有する熱可塑性ポリウレタンフィルムの基材上へ200~325網目数スクリーンを用いてスクリーン印刷した。基材は、DuPontTM Intexar(登録商標)TE-11C (DuPont Co.,Wilmington,DE)であった。印刷パターンを、対流炉又はベルト炉において100~130℃で10~20分間乾燥させて印刷導体を形成した。
【0036】
印刷パターン基材をきれいに整え、4点電気プローブを印刷導体に取り付けた。各試料を、各サイクル後に2秒の保持時間ありで1インチ/3秒の速度で40%歪みまで及び40%歪みから繰り返し伸縮させた。印刷導体の電気抵抗を監視し、各サイクルにおける最大抵抗を記録した。結果を表IVに示す。
【0037】
【表4】