IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通テン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-乗車管理装置 図1
  • 特許-乗車管理装置 図2
  • 特許-乗車管理装置 図3
  • 特許-乗車管理装置 図4
  • 特許-乗車管理装置 図5
  • 特許-乗車管理装置 図6
  • 特許-乗車管理装置 図7
  • 特許-乗車管理装置 図8
  • 特許-乗車管理装置 図9
  • 特許-乗車管理装置 図10
  • 特許-乗車管理装置 図11
  • 特許-乗車管理装置 図12
  • 特許-乗車管理装置 図13
  • 特許-乗車管理装置 図14
  • 特許-乗車管理装置 図15
  • 特許-乗車管理装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】乗車管理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240501BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240501BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240501BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240501BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240501BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
G08G1/09 F
G06Q50/10
G06Q50/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019230380
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099593
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼上 斉
(72)【発明者】
【氏名】前畑 実
(72)【発明者】
【氏名】勝野 雅之
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G08G 1/13
G08G 1/09
G06Q 50/10
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1利用者が乗車する車両に第2利用者を相乗りさせる場合、
前記第2利用者が前記車両に乗車する合流地点を決定し、
前記車両に搭載された車載通信端末からの情報に基づいて、前記車両が前記合流地点への移動を開始したと判断すると、前記第2利用者に前記合流地点で待機するよう通知し、
設定した期限までに前記第2利用者から前記合流地点での待機を承諾したことを示す通知を受信しない場合、前記相乗りのキャンセルを前記車載通信端末に通知する、
乗車管理装置。
【請求項2】
前記第2利用者が使用する通信端末の位置を示す位置情報と前記合流地点の位置情報とに基づいて前記第2利用者が前記合流地点で待機できるか否かを判断する、
請求項1に記載の乗車管理装置。
【請求項3】
前記車両の位置を示す位置情報に基づいて、前記車両が予め設定された合流時刻に前記合流地点に到着するか否かを予想し、
前記車両が前記合流時刻に到着しないと予想された場合、前記合流地点を変更し、変更された合流地点への移動が可能か否かを問い合わせる変更確認通知を前記第2利用者が使用する通信端末に送信し、
前記変更された合流地点へ移動できることを示す移動可能通知を前記変更確認通知の応答として受けた場合、前記変更された合流地点への移動指示を前記車載通信端末に送信する、
請求項1又は2に記載の乗車管理装置。
【請求項4】
前記車両が前記合流地点に前記合流時刻よりも遅れて到着すると判断された場合、前記合流地点を変更する、
請求項3に記載の乗車管理装置。
【請求項5】
前記車両が前記合流地点に前記合流時刻よりも早く到着すると判断された場合、前記合流地点を維持する、
請求項3又は4に記載の乗車管理装置。
【請求項6】
前記移動可能通知を受けた場合、前記第2利用者が前記車両に同乗する料金を割り引く、
請求項3~5のいずれか1項に記載の乗車管理装置。
【請求項7】
前記移動可能通知を受けた場合、前記車両を含む車両に同乗する時に使用できるポイントを前記第2利用者に付与する、
請求項3~5のいずれか1項に記載の乗車管理装置。
【請求項8】
前記第2利用者が前記車両に乗車した後に第3利用者が前記車両に乗車するための次の合流地点を設定し、
前記第2利用者が乗車した車両が前記決定された次の合流地点へ移動している時に、前記第3利用者の相乗りのキャンセルを受け付けた場合、前記第2利用者の利用料金を割引し、前記第3利用者のキャンセル料を決定する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の乗車管理装置。
【請求項9】
前記第2利用者が前記車両に乗車した後に第3利用者が前記車両に乗車するための次の合流地点を設定し、
前記第2利用者が乗車した車両が前記決定された次の合流地点へ移動している時に、前記第3利用者の相乗りのキャンセルを受け付けた場合、前記車両を含む車両に同乗する時に使用できるポイントを前記第2利用者に付与し、前記第3利用者のポイントの少なくとも一部を消滅させる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の乗車管理装置。
【請求項10】
第1利用者が乗車する車両に第2利用者を相乗りさせる場合、
前記第2利用者が前記車両に乗車する合流地点を決定し、
前記車両に搭載された車載通信端末からの情報に基づいて、前記車両が前記合流地点への移動を開始したと判断すると、前記第2利用者に前記合流地点で待機するよう通知し、
設定した期限までに前記第2利用者から前記合流地点での待機を承諾したことを示す通知を受信しない場合、前記相乗りのキャンセルを前記車載通信端末に送信する、
乗車管理装置が行う乗車管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に相乗りする利用者を受け付ける乗車管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同じ方向へ移動する複数の利用者が同一の車両に乗車する相乗りサービスの導入が進められている。相乗りサービスは、電車やバスに代わる新たな移動手段として注目されている。相乗りサービスの導入により、都0164市部における交通渋滞の緩和が期待される。
【0003】
利用者は、相乗りサービスを運営する事業者により管理される乗車管理装置にアクセスして、相乗りする車両の予約を行う。
【0004】
例えば、特許文献1は、利用者の移動通信端末から受けた乗車予約に応じて、車両の走行ルートを変更する乗車予約システムを開示している。具体的には、この乗車予約システムは、移動通信端末の位置情報を取得し、その取得した位置情報に基づいて利用者の乗車位置を決定する。この乗車予約システムは、決定した乗車位置に基づいて車両の走行ルートを変更し、その変更した走行ルートに従って走行するように車両に指示する。
【0005】
しかし、利用者が、乗車予約システムにより決定された乗車位置で待機していない場合がある。車両は、利用者が現れるまで決定された乗車位置で停止していなければならないため、車両の走行スケジュールが遅延する。この結果、この車両を利用する他の利用者が所望の時刻に目的地に到着できないという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-8195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、相乗りに提供される車両の運行スケジュールの遅延発生を防ぐ乗車管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の発明は、乗車管理装置であって、相乗り決定部と、走行管理部と、待機判断部と、キャンセル通知部とを備える。相乗り決定部は、第1利用者が乗車する相乗り車両に第2利用者が同乗する場合、第2利用者が相乗り車両に乗車する合流地点を決定する。走行管理部は、相乗り車両に搭載された通信端末からの情報に基づいて、相乗り車両が相乗り決定部により決定された合流地点への移動を開始したか否かを判断する。待機判断部は、相乗り車両が移動を開始したと走行管理部により判断された場合、第2利用者が使用する通信端末から受ける所定の情報に基づいて第2利用者が決定された合流地点で待機しているか否を判断する。キャンセル通知部は、第2利用者が決定された合流地点で待機していないと待機判断部により判断された場合、第2利用者の相乗りがキャンセルされたことを相乗り車両に搭載された通信装置に通知する。
【0009】
第1の発明によれば、第2利用者が合流地点で待機していない場合、第2利用者の相乗りがキャンセルされる。これにより、第1利用者は、第2利用者が現れるまで合流地点で待機しなくてもよいため、相乗り車両の運行スケジュールが遅延することを防ぐことができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明であって、待機判断部は、待機指示部と、期限設定部と、期限判断部とを含む。待機指示部は、相乗り車両が移動を開始したと走行管理部により判断された場合、第2利用者が決定された合流地点で待機することを指示する待機指示通知を送信する。期限設定部は、待機指示通知に応答を受信する期限を設定する期限設定部。期限はんだ部は、決定された合流地点での待機を承諾したことを示す通知を期限設定部により設定された期限までに受信できない場合、第2利用者が待機していないと判断する。
【0011】
第2の発明によれば、相乗り車両は、第2利用者が待機を承諾した場合に第2利用者が合流地点で待機していると判断する。従って、第2の発明は、第2利用者が合流地点で待機しているか否かの判断精度を向上することができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明であって、待機判断部は、位置判断部を含む。位置判断部は、第2利用者が使用する通信端末の位置を示す位置情報と決定された位置情報とに基づいて第2利用者が決定された合流地点で待機できるか否かを判断する。
【0013】
第3の発明によれば、第2利用者が合流地点で待機できるか否かが第2利用者の位置に基づいて判断される。従って、第3の発明は、第2利用者が合流地点で待機しているか否かの判断精度を向上することができる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれかであって、さらに、到着予想部と、変更確認部と、変更指示部とを備える。到着予想部は、相乗り車両の位置を示す位置情報に基づいて、相乗り車両が予め設定された合流時刻に決定された合流地点に到着する否かを予想する。変更確認部は、相乗り車両が合流時刻に到着しないと到着予想部により予想された場合、決定された合流地点を変更し、変更された合流地点への移動が可能か否かを問い合わせる変更確認通知を通信端末に送信する。変更指示部は、変更された合流地点へ移動できることを示す移動可能通知を変更確認通知の応答として受けた場合、変更された合流地点への移動を指示する車両に搭載された通信端末に送信する。
【0015】
第4の発明によれば、相乗り車両の走行ルートが合流地点に到着する時刻に応じて変更される。従って、第4の発明は、相乗り車両の走行スケジュールの遅延発生をさらに効果的に防ぐことができる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明であって、相乗り車両が決定された合流地点に予定時刻よりも遅れて到着すると到着予想部により判断された場合、変更確認部は、決定された合流地点を変更する。
【0017】
第5の発明によれば、相乗り車両が合流地点に遅れて到着すると予想される場合、合流地点が変更される。従って、第5の発明は、相乗り車両が合流地点に遅れて到着する場合であっても目的地に遅れて到着することを防ぐことができる。
【0018】
第6の発明は、第4又は5の発明であって、相乗り車両が決定された合流地点に予定時刻よりも早く到着すると到着予想部により判断された場合、変更確認部は、決定された合流地点を維持する。
【0019】
第6の発明によれば、相乗り車両が合流地点に早着すると予想される場合、合流地点は変更されない。合流地点の変更に伴う第2利用者の移動が発生しないため、第6の発明は、第2利用者のスケジュール変更を防ぐことができる。
【0020】
第7の発明は、第4~第6の発明のいずれかであって、変更指示部は、移動可能通知を受けた場合、第2利用者が相乗り車両に同乗する料金を割り引く。
【0021】
合流地点が変更された場合、第2利用者のスケジュールが変更される。これにより、第2利用者が不公平感を抱く虞がある。第7の発明は、第2利用者の利用料金を割り引くことにより、第2利用者の不公平感を緩和することができる。
【0022】
第8の発明は、第4~第6の発明のいずれかであって、変更指示部は、移動可能通知を受けた場合、相乗り車両を含む車両に同乗する時に使用できるポイントを第2利用者に付与する。
【0023】
合流地点が変更された場合、第2利用者のスケジュールが変更される。これにより、第2利用者が不公平感を抱く虞がある。第8の発明は、第2利用者にポイントを付与することにより、第2利用者の不公平感を緩和することができる。
【0024】
第9の発明は、第1~第8の発明のいずれかであって、相乗り決定部は、第2利用者が相乗り車両に乗車した後に第3利用者が相乗り車両に乗車するための次の合流地点を設定する。第9の発明はさらに、キャンセル受付部と、キャンセル処理部とを備える。キャンセル受付部は、第2利用者が乗車した相乗り車両が相乗り決定部により決定された次の合流地点へ移動している時に、第3利用者の相乗りのキャンセルを受け付ける。キャンセル処理部は、キャンセル受付部が第3利用者の相乗りのキャンセルを受け付けた場合、第2利用者の利用料金を割引し、第3利用者のキャンセル料を決定する。
【0025】
第9の発明によれば、第3利用者が相乗りをキャンセルすることにより、第3利用者のキャンセル料と、第2利用者の利用料金の割引額とが決定される。これにより、第9の発明は、第2利用者が単に遠回りを強いられたことに対して補償することができる。
【0026】
第10の発明は、第1~第8の発明のいずれかであって、相乗り決定部は、第2利用者が相乗り車両に乗車した後に第3利用者が相乗り車両に乗車するための次の合流地点を設定する。第10の発明は、さらに、キャンセル受付部と、キャンセル処理部とを備える。キャンセル受付部は、第2利用者が乗車した相乗り車両が相乗り決定部により決定された次の合流地点へ移動している時に、第3利用者の相乗りのキャンセルを受け付ける。キャンセル処理部は、キャンセル受付部が第3利用者の相乗りのキャンセルを受け付けた場合、相乗り車両を含む車両に同乗する時に使用できるポイントを第2利用者に付与し、第3利用者のポイントの少なくとも一部を消滅させる。
【0027】
第10の発明によれば、第3利用者が相乗りをキャンセルすることにより、第3利用者のポイントの一部が消滅し、ポイントが第2利用者に付与される。これにより、第10の発明は、第2利用者が単に遠回りを強いられたことに対して補償することができる。
【0028】
第11の発明は、乗車管理方法であって、a)ステップと、b)ステップと、c)ステップと、d)ステップとを備える。a)ステップは、第1利用者が乗車する相乗り車両に第2利用者が同乗する場合、第2利用者が相乗り車両に乗車する合流地点を決定する。b)ステップは、相乗り車両に搭載された通信端末からの情報に基づいて、相乗り車両が決定された合流地点への移動を開始したか否かを判断する。c)ステップは、相乗り車両が移動を開始したと判断された場合、第2利用者が使用する通信端末から受ける所定の情報に基づいて第2利用者が決定された合流地点で待機しているか否を判断する。d)ステップは、第2利用者が決定された合流地点で待機していないと判断された場合、第2利用者の相乗りがキャンセルされたことを相乗り車両に搭載された通信装置に送信する。
【0029】
第11の発明は、第1の発明に用いられる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、相乗りに提供される車両の運行スケジュールの遅延発生を防ぐ乗車管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る乗車管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図1に示す乗車管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3図2に示す待機判断部の構成を示す機能ブロック図である。
図4図1に示す乗車管理装置により計算される走行ルートの一例を示す図である。
図5図1に示す乗車管理装置が相乗りを決定する時における乗車管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図6図1に示す通信端末から送信される車両提供情報の一例を示す図である。
図7図1に示す通信端末から送信される申請情報の一例を示す図である。
図8図1に示す乗車管理装置が合流地点で利用者が待機していないと判断する場合における乗車管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図9図1に示す通信端末が待機承諾通知を送信した場合における乗車管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図10図2に示す待機判断部により実行される位置判断を説明する図である。
図11図1に示す乗車管理装置に計算される変更ルートの一例を示す図である。
図12図4に示す合流地点を変更する場合における乗車管理システムのシーケンス図である。
図13】本発明の第2の実施の形態に係る乗車管理装置により計算される走行ルートの一例を示す図である。
図14図13に示す乗車管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図15図14に示す乗車管理装置を備える乗車管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図16】CPUバス構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0033】
[第1の実施の形態]
{1.構成}
{1.1.乗車管理システム100の構成}
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る乗車管理システム100の構成を示す機能ブロック図である。図1を参照して、乗車管理システム100は、利用者A及びBによる車両3の相乗りを管理するためのシステムである。
【0034】
本実施の形態では、利用者Bが、利用者Aの運転する車両3に相乗りする場合を例として説明する。利用者A及びBの各々の目的地は、同じであると仮定する。
【0035】
乗車管理システム100は、利用者Aが乗車する車両3が、予め設定されている合流地点への移動を開始した場合、利用者Bが合流地点において車両3に乗車できるか否かを判断する。乗車管理システム100は、利用者Bが乗車できないと判断した場合、利用者Bの相乗りをキャンセルする。
【0036】
乗車管理システム100は、通信端末10及び20と、乗車管理装置40とを備える。
【0037】
通信端末10は、利用者Aが所持する移動通信端末であり、例えば、スマートフォンである。通信端末10は、利用者Aの操作に応じて、車両提供情報11を乗車管理装置40に送信する。車両提供情報11は、車両3を相乗りに提供することを示し、車両3の提供条件を含む。詳細については後述するが、提供条件は、出発地と、出発可能時刻と、目的地と、到着予定時刻とを含む。
【0038】
通信端末10は、相乗り情報12を乗車管理装置40から受け、その受けた相乗り情報12を図示しないディスプレイに表示する。相乗り情報12は、相乗りが決定したことを示し、利用者Bが車両3に乗車する合流地点と、合流地点の到着時刻とを含む。
【0039】
通信端末20は、利用者Bが所持する移動通信端末であり、例えば、スマートフォンである。通信端末20は、利用者Bの操作に応じて、相乗りを申し込む申請情報21を乗車管理装置40に送信する。申請情報21は、利用者Bにより指定された相乗り条件を記録する。詳細については後述するが、相乗り条件は、乗車希望地点と、乗車希望時刻と、目的地を含む。
【0040】
通信端末20は、許可情報22を乗車管理装置40から受け、その受けた許可情報22を図示しないディスプレイに表示する。許可情報22は、車両3への相乗りが許可されたことを示す。許可情報22は、車両3に乗車する位置である合流地点と、車両3が合流地点に到着する時刻である合流時刻とを含む。
【0041】
通信端末20は、待機指示通知24を乗車管理装置40から受けた場合、利用者Bの操作に応じて、待機承諾通知25を乗車管理装置40に送信する。待機指示通知24は、利用者Bが合流地点で待機することを指示するメッセージである。待機承諾通知25は、利用者Bが合流地点での待機を承諾したことを示すメッセージである。
【0042】
利用者Aは、通信端末10を所持して、車両3を運転する。車両3が合流地点への移動を開始した場合、通信端末10は、通信端末10の位置を示す位置情報13を乗車管理装置40に送信する。通信端末10は、キャンセル通知14を乗車管理装置40から受けた場合、利用者Bの相乗りがキャンセルされたことを利用者Aに報知する。
【0043】
乗車管理装置40は、相乗りサービスを提供する事業者により運営されるサーバであり、利用者A及びBによる車両3の相乗りを管理する。
【0044】
乗車管理装置40は、通信端末10から受けた車両提供情報11と、通信端末20から受けた申請情報21とに基づいて、利用者Bが利用者Aの運転する車両3に相乗りすることを決定する。乗車管理装置40は、相乗りの決定に基づいて相乗り情報12及び許可情報22を生成し、その生成した相乗り情報12及び許可情報22を通信端末10及び20に送信する。
【0045】
乗車管理装置40は、車両3が利用者Aにより指定された出発地を出発した後に、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断する。具体的には、乗車管理装置40は、車両が出発地を出発した後に、乗車管理装置40は、車両3が出発地を出発した後に、待機指示通知24を通信端末20に送信し、待機指示通知24の応答として待機承諾通知25を受ける。乗車管理装置40は、通信端末20の位置を示す位置情報23を通信端末20から受ける。
【0046】
乗車管理装置40は、その受けた位置情報23及び待機承諾通知25に基づいて、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断する。乗車管理装置40は、利用者Bが待機していないと判断した場合、利用者Bの相乗りをキャンセルする。乗車管理装置40は、利用者Bの相乗りがキャンセルされたことを示すキャンセル通知14及び26を生成する。乗車管理装置40は、生成したキャンセル通知14を通信端末10に送信し、生成したキャンセル通知26を通信端末20に送信する。
【0047】
なお、乗車管理装置40は、合流地点を変更する場合、図1に示していない情報を通信端末10及び20と送受信する。これらの情報については、後述する。
【0048】
{1.2.乗車管理装置40の構成}
図2は、図1に示す乗車管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。図2を参照して、乗車管理装置40は、相乗り決定部41と、走行管理部42と、待機判断部43と、キャンセル通知部44と、到着予想部45と、変更確認部46と、変更指示部47と、記憶装置48とを備える。
【0049】
相乗り決定部41は、車両提供情報11を通信端末10から受け、申請情報21を通信端末20から受ける。相乗り決定部41は、その受けた車両提供情報11及び申請情報21に基づいて、利用者Bが利用者Aにより運転される車両3に相乗りすることを決定する。
【0050】
相乗り決定部41は、相乗りの決定をする際に、車両3の走行ルート51を決定する。走行ルート51は、利用者Bが車両3に相乗りする場合に車両3が走行すべきルートであり、合流地点と、合流時刻とを含む。相乗り決定部41は、決定した走行ルート51を含む相乗り情報12を生成し、生成した相乗り情報12を通信端末10に送信する。相乗り決定部41は、合流地点と、合流時刻とを含む許可情報22を生成し、生成した許可情報22を通信端末20に送信する。
【0051】
走行管理部42及び待機判断部43は、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断するために用いられる。
【0052】
走行管理部42は、走行ルート51を相乗り決定部41から受け、位置情報13を通信端末10から受ける。走行管理部42は、その受けた走行ルート51及び位置情報13に基づいて、車両3が合流地点への移動を開始したか否かを判断する。走行管理部42は、車両3が合流地点への移動を開始したことを示す移動開始通知52を待機判断部43に出力する。
【0053】
待機判断部43は、移動開始通知52を走行管理部42から受けた場合、利用者Bが合流地点で待機しているか否かの判断を開始する。具体的には、待機判断部43は、待機指示通知24を通信端末20に送信し、位置情報23の送信を通信端末20に要求する。待機判断部43は、位置情報23及び待機承諾通知25を通信端末20から受け、その受けた位置情報23及び待機承諾通知25に基づいて、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断する。待機判断部43は、利用者Bが待機しているか否かを示す待機判断結果53をキャンセル通知部44に出力する。
【0054】
キャンセル通知部44は、待機判断結果53を待機判断部43から受ける。その受けた待機判断結果53が、利用者Bが合流地点で待機していないことを示す場合、キャンセル通知部44は、利用者Bの車両3への相乗りをキャンセルすることを決定する。キャンセル通知部44は、キャンセル通知14を通信端末10に送信し、キャンセル通知26を通信端末20に送信する。
【0055】
その受けた待機判断結果53が、利用者Bが合流地点で待機していることを示す場合、キャンセル通知部44は、利用者Bが合流地点で車両3に乗車できると判断し、待機完了通知15を通信端末10に送信する。
【0056】
到着予想部45、変更確認部46及び変更指示部47は、合流地点を変更するための構成である。合流地点は、車両3が合流時刻に合流地点に到着できないと予想される場合に変更される。
【0057】
到着予想部45は、車両3の位置を示す位置情報13を通信端末10から受け、その受けた位置情報13に基づいて、車両3が合流地点に到着する時刻を予想する。到着予想部45は、予想した時刻に基づいて、車両3が合流時刻までに合流地点に到着できるか否かを予想する。
【0058】
変更確認部46は、走行ルート51を相乗り決定部41から受け、予想結果54を到着予想部45から受ける。その受けた予想結果54が、車両3が合流時刻までに合流地点に到着できないことを示す場合、変更確認部46は、代替候補地点を決定し、その決定した代替候補地点を含む変更確認通知55を通信端末20に送信する。変更確認通知55は、代替候補地点への移動が可能か否かを問い合わせるメッセージである。変更確認部46は、変更確認通知55を通信端末10に送信した時刻を基準時刻56として、変更指示部47に出力する。
【0059】
変更指示部47は、基準時刻56を変更確認部46から受けた場合、その受けた基準時刻56に基づいて指示期限時刻を決定する。変更指示部47は、現在時刻が決定した指示期限時刻まで待機する。変更指示部47は、指示期限時刻までの待機中に移動可能通知27を通信端末20から受けた場合、合流変更通知58を通信端末10及び20に送信する。移動可能通知27は、利用者Bが変更合流地点への移動が可能であることを示すメッセージである。合流変更通知58は、利用者Bが車両3に乗車する位置が合流地点から変更合流地点に変更されたことを示すメッセージである。図2に示す移動不可通知28については、後述する。
【0060】
記憶装置48は、不揮発性であり、例えば、ハードディスク装置である。記憶装置48は、複数の車両に対応する複数の車両提供情報11を記憶する。
【0061】
なお、以下の説明において、利用者Aにより提供される車両3についての車両提供情報11を、「車両提供情報11A」と記載する。
【0062】
乗車管理装置40は、走行管理部42、待機判断部43及びキャンセル通知部44を備えることにより、利用者Bが現れるまで利用者Aが合流地点で待機することを防ぐことができる。乗車管理装置40が、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断し、その判断結果に基づいて利用者Bの相乗りをキャンセルするためである。従って、乗車管理装置40は、車両3の運行スケジュールの遅延発生を防ぐことができる。
【0063】
乗車管理装置40は、到着予想部45、変更確認部46及び変更指示部47を備えることにより、乗車管理装置40は、運行スケジュールの遅延を回復することができる。車両3が合流地点に送れて到着すると予想される場合に、乗車管理装置40が合流地点を変更するためである。これにより、乗車管理装置40は、車両3が合流地点に遅れて到着する場合であっても目的地に遅れて到着することを防ぐことができる。
【0064】
{1.3.待機判断部43の構成}
図3は、図2に示す待機判断部43の構成を示す機能ブロック図である。図3を参照して、待機判断部43は、待機指示部431と、期限設定部432と、期限判断部433と、位置判断部434と、最終判断部435とを含む。
【0065】
待機指示部431は、移動開始通知52を走行管理部42から受けた場合、待機指示通知24を生成し、その生成した待機指示通知24を利用者Bが使用する通信端末20に送信する。待機指示部431は、待機指示通知24を送信した送信時刻を期限設定部432に出力する。
【0066】
期限設定部432は、待機指示部431から受けた送信時刻に基づいて、待機承諾期限を設定し、その設定した待機承諾期限を期限判断部433に出力する。
【0067】
期限判断部433は、期限設定部432から受けた待機承諾期限までに待機承諾通知25を通信端末20から受けた場合、利用者Bが合流地点で待機していないと判断する。期限判断部433は、待機承諾期限までに待機承諾通知25を受けた場合、利用者Bが合流地点で待機していると判断する。期限判断部433は、利用者Bが待機しているか否かを示す承諾判断結果を最終判断部435に出力する。
【0068】
待機承諾通知25は、後述するように、利用者Bが通信端末20を操作することにより送信される。従って、期限判断部433は、待機承諾通知25を受信した場合に、第2利用者が合流地点で待機していると判断することができる。従って、第2利用者が合流地点で待機しているか否かの判断精度を向上することができる。
【0069】
位置判断部434は、移動開始通知52を走行管理部42から受けた場合、通信端末20の位置を示す位置情報23を通信端末20から取得する。位置判断部434は、合流地点と取得した位置情報23とに基づいて、利用者Bが合流地点で待機できるか否かを判断する。位置判断部434は、利用者Bが合流地点で待機できるか否かを示す位置判断結果を最終判断部435に出力する。
【0070】
位置判断部434は、位置情報23と合流地点とに基づいて、第2利用者が合流地点で待機できるか否かを判断する。従って、第2利用者が合流地点で待機しているか否かの判断精度を向上することができる。
【0071】
最終判断部435は、期限判断部433から受けた承諾判断結果と、位置判断部434から受けた位置判断結果とに基づいて、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを最終的に判断する。具体的には、受けた承諾判断結果及び位置判断結果の少なくとも一方が、利用者Bが合流地点で待機していないことを示す場合、最終判断部435は、利用者Bが合流地点で待機していないことを示す待機判断結果53をキャンセル通知部44に出力する。
【0072】
{2.動作}
以下、乗車管理システム100の動作を、相乗りの決定、待機判断、合流地点の変更に分けて説明する。
【0073】
相乗り決定とは、利用者Aの通信端末10から送信される車両提供情報11Aと、利用者Bの通信端末20から送信される申請情報21とに基づいて、利用者Bが利用者Aの運転する車両3に相乗りすることを決定する処理である。
【0074】
待機判断とは、車両3が合流地点への移動を開始した後に、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断する処理である。利用者Bが合流地点で待機していないと判断された場合、利用者Bの相乗りがキャンセルされる。
【0075】
合流地点の変更とは、車両3が合流時刻までに合流地点に到着できない場合に合流地点を変更する処理である。
【0076】
{2.1.相乗り決定}
図4は、図2に示す相乗り決定部41により計算される走行ルート51の一例を示す図である。図4を参照して、走行ルート51は、利用者Aが運転する車両3に利用者Bが相乗りする場合に車両3が走行すべきルートとして計算される。
【0077】
走行ルート51は、出発地511と、合流地点512と、目的地513と、出発時刻516と、合流時刻517と、到着時刻518とを含む。さらに、走行ルート51は、図示しない通過点を含む。通過点は、走行ルート51を走行する車両3が通過すべき場所であり、例えば、交差点である。走行ルート51は、出発地511から目的地513へ直行するルート51Dよりも遠回りである。
【0078】
出発地511及び目的地513は、利用者Aにより指定される。出発地は、例えば、車両3の駐車場である。合流地点512は、利用者Bが車両3に乗車する場所である。合流地点512は、例えば、車両3を一時的に駐車することができる駐車場を有する施設である。公共施設、コンビニエンスストアなどが、駐車場を有する施設として挙げられる。
【0079】
出発時刻516は、利用者Aが車両3を運転して出発地511を出発する時刻である。合流時刻517は、利用者Bが合流地点512で車両3に乗車する時刻である。到着時刻518は、車両3に乗車する利用者A及びBが目的地513に到着する時刻である。本実施の形態では、利用者Aの目的地が利用者Bの目的地と同じである例を説明するが、これらの目的地が異なっていてもよい。
【0080】
図5は、図1に示す乗車管理装置40が相乗りを決定する時における乗車管理システム100の動作を示すシーケンス図である。図5を参照しながら、利用者Bが利用者Aの運転する車両3に相乗りすることを決定する乗車管理装置40の動作を説明する。
【0081】
通信端末10は、利用者Aの操作に応じて、車両3を乗車管理装置40に登録する(ステップS11)。具体的には、通信端末10は、利用者Aの操作に応じて車両提供情報11Aを生成し、その生成した車両提供情報11Aを乗車管理装置40に送信する。相乗り決定部41は、車両提供情報11Aを通信端末10から受けた場合、その受けた車両提供情報11Aを記憶装置48に保存する。これにより、車両提供情報11Aが乗車管理装置40に登録される。
【0082】
図6は、通信端末10から送信される車両提供情報11Aの一例を示す図である。図6を参照して、車両提供情報11Aは、データ識別番号111と、車両識別番号112と、個人識別番号113と、出発地511と、目的地513と、出発時刻114と、到着時刻115と、許容人数116とを含む。データ識別番号111は、車両提供情報11Aを一意に特定する番号である。車両識別番号112は、車両3を一意に特定する番号である。個人識別番号113は、利用者Aを一意に特定する番号である。
【0083】
出発地511及び目的地513は、例えば、世界測地系で記述される。出発時刻114は、利用者Aが出発地511を出発する希望時刻である。到着時刻115は、利用者Aが目的地513に到着する希望時刻である。許容人数は、車両3に相乗りすることができる人数の最大値である。なお、利用者Aは、出発時刻114及び到着時刻115の各々に代えて、出発時間帯及び到着時間帯を指定してもよい。
【0084】
相乗り決定部41は、登録した車両提供情報11Aを通信端末20に公開する(ステップS12)。
【0085】
例えば、通信端末20は、利用者Bの操作に応じて、目的地及び到着希望時刻を含む検索要求を送信する。相乗り決定部41は、検索要求を通信端末20から受けた場合、検索要求に含まれる目的地及び到着希望時刻に基づいて、記憶装置48に記憶された複数の車両提供情報11を検索する。相乗り決定部41は、検索結果として、車両提供情報11Aを特定し、特定した車両提供情報11Aを通信端末20に送信する。これにより、登録した車両提供情報11Aが公開される。
【0086】
通信端末20は、相乗り決定部41により公開された車両提供情報11Aを表示する。利用者Bは、表示された車両提供情報11Aに基づいて、車両3の相乗りを申し込むことを決定する。通信端末20は、申請情報21を乗車管理装置40に送信することにより、車両3の相乗りを乗車管理装置40に申請する(ステップS13)。
【0087】
図7は、通信端末20により送信される申請情報21の一例を示す図である。図7を参照して、申請情報21は、データ識別番号211と、個人識別番号212と、目的地213と、希望合流地点214と、希望合流時刻215と、乗車人数216と、希望車両番号217とを含む。
【0088】
データ識別番号211は、申請情報21を一意に特定するための番号である。個人識別番号212は、利用者Bを一意に特定するための番号である。目的地213は、利用者Bにより指定される。希望合流地点214は、利用者Bが車両3に乗車を希望する場所である。希望合流時刻215は、利用者Bが車両3に乗車を希望する時刻である。乗車人数216は、希望合流地点214において乗車する人数を示す。希望車両番号217は、利用者Bが乗車を希望する車両3の識別番号である。
【0089】
なお、申請情報21は、希望車両番号217に代えて、車両提供情報11Aのデータ識別番号111又は利用者Aの個人識別番号113を含んでいてもよい。
【0090】
図5を参照して、相乗り決定部41は、申請情報21を通信端末20から受けた場合、その受けた申請情報21に含まれる希望車両番号217に基づいて、車両提供情報11Aを特定する。相乗り決定部41は、その受けた申請情報21と、特定した車両提供情報11Aとに基づいて、走行ルート51を計算する(ステップS14)。
【0091】
具体的には、相乗り決定部41は、希望合流地点214に基づいて、車両3が一時的に駐車できる場所を合流地点に決定する。相乗り決定部41は、出発地511から合流地点を経由して目的地513に達する走行ルート51を計算する。走行ルート51の出発時刻は、車両提供情報11Aに記録された出発時刻114に設定される。走行ルート51において、目的地の到着時刻は、車両提供情報11Aに記録された到着時刻115よりも前となるように設定される。暫定ルートの到着時刻が到着時刻115よりも後である場合、相乗り決定部41は、合流地点を変更した上で、走行ルート51を再計算する。
【0092】
相乗り決定部41は、計算した走行ルート51において、合流地点の通過時刻を合流時刻に決定する。決定した合流時刻が、希望合流時刻215を基準にして所定の範囲内である場合、相乗り決定部41は、計算した走行ルート51を利用者A及びBに提案することを決定する。所定の範囲は、例えば、希望合流時刻215を基準にして前後30分の時間帯である。希望合流時刻215が所定の範囲外である場合、相乗り決定部41は、走行ルート51を計算できないと判断する。相乗り決定部41は、走行ルート51を計算できないと判断した場合、申請情報21で指定された条件で相乗りできないことを通信端末20に通知する。
【0093】
相乗り決定部41は、ステップS14で計算された走行ルート51を通信端末10に提案する(ステップS15)。具体的には、相乗り決定部41は、ステップS14で計算された走行ルート51を含む相乗り情報12を生成し、その生成した相乗り情報12を通信端末10に送信する。
【0094】
通信端末10は、相乗り情報12を相乗り決定部41から受けた場合、その受けた相乗り情報12に基づいて、相乗りの希望者がいることを利用者Aに通知する。通信端末10は、受けた相乗り情報12に含まれる走行ルート51を表示する。利用者Aが、提案された走行ルート51を承諾する操作をした場合、通信端末10は、相乗り承諾通知を相乗り決定部41に送信する(ステップS16)。
【0095】
相乗り決定部41は、相乗り承諾通知を通信端末10から受けた場合、ステップS14で計算された走行ルート51に基づいて、合流条件を通信端末20に提案する(ステップS17)。具体的には、相乗り決定部41は、合流地点512及び合流時刻517を含む許可情報22を生成し、その生成した許可情報22を通信端末20に送信する。
【0096】
通信端末20は、許可情報22を相乗り決定部41から受けた場合、その受けた許可情報22に基づいて、合流地点512及び合流時刻517を表示する。利用者Bが表示された合流条件を承諾する操作をした場合、通信端末20は、相乗り承諾通知を相乗り決定部41に送信する(ステップS17)。
【0097】
相乗り決定部41は、承諾通知を通信端末10及び20の各々から受けた場合、相乗りが成立したと判断する。相乗り決定部41は、相乗りが成立したことを通信端末10及び20の各々に通知する(ステップS18及びS19)。相乗り決定部41は、ステップS19において、車両3のナンバーや色など、車両3を特定する情報を通信端末20に送信してもよい。利用者Bが合流地点で車両3を特定できるようにするためである。これにより、相乗りを決定する乗車管理装置40の動作が終了する。
【0098】
{2.2.待機判断}
乗車管理装置40は、車両3が合流地点への移動を開始した場合、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断する。
【0099】
(利用者Bが待機していないと判断する場合)
図8は、図2に示す待機判断部43が合流地点で利用者Bが待機していないと判断する場合における乗車管理システム100の動作を示すシーケンス図である。走行ルート51で指定された出発時刻に、通信端末10を所持して車両3の運転を開始すると仮定する。つまり、通信端末10が、車両3に搭載される。
【0100】
通信端末10は、利用者Aの操作に応じて、出発地511を出発することを示す出発通知を乗車管理装置40に通知する(ステップS21)。通信端末10は、出発通知と合わせて、定期的な位置情報13の送信を開始する(ステップS22)。送信間隔は、例えば、10秒である。
【0101】
乗車管理装置40において、走行管理部42は、通信端末10から受ける出発通知及び位置情報13に基づいて、車両3が合流地点512への移動を開始したか否かを判断する(ステップS23)。具体的には、走行管理部42は、出発通知を受けた場合、位置情報13の変化を確認する。位置情報13が走行ルート51に沿って変化している場合、走行管理部42は、車両3が合流地点512への移動を開始したと判断する。走行管理部42は、車両3が合流地点512への移動を開始したことを示す移動開始通知52を待機判断部43に出力する。
【0102】
走行管理部42は、車両3が出発時刻516を過ぎても移動を開始しない場合、合流地点512への移動を促すメッセージを通信端末10に送信してもよい。
【0103】
待機判断部43は、移動開始通知52を走行管理部42から受けた場合、待機指示通知24を通信端末20に送信する(ステップS24)。具体的には、待機指示部431は、移動開始通知52を受けたことをトリガとして、待機指示時刻を設定する。待機指示時刻は、走行ルート51に設定された合流時刻よりも所定時間前の時刻である。所定時間は、例えば、30分である。現在時刻が設定した待機指示時刻となった場合、待機判断部43は、合流地点512での待機を指示する待機指示通知24を通信端末10に送信する。
【0104】
通信端末20は、待機指示通知24を待機判断部43から受けた場合、合流地点512での待機を指示するメッセージを表示する。利用者Bが、表示されたメッセージを承諾する操作をするまで、通信端末20は、メッセージを表示したまま待機する。
【0105】
待機判断部43は、待機指示通知24を送信した時刻に基づいて、承諾期限時刻を設定する(ステップS25)。具体的には、待機指示部431は、待機指示通知24を送信した時刻を期限設定部432に通知する。期限設定部432は、待機指示部431から通知された時刻に基づいて、承諾期限時刻を設定する。承諾期限時刻は、例えば、待機指示通知24を送信した時刻から予め設定された待機時間を経過した時刻である。待機時間は、例えば、15分である。承諾期限時刻は、待機指示時刻から合流時刻までの期間内であればよい。
【0106】
待機判断部43において、期限判断部433が、ステップS25で設定された承諾期限時刻に基づいて、利用者Bが合流地点512に待機しているか否かを判断する(ステップS26)。具体的には、期限判断部433は、承諾期限時刻を過ぎるまでに待機承諾通知25を受信しなかった場合、利用者Bが合流地点512で待機していないと判断する。
【0107】
待機判断部43が、利用者Bが合流地点512で待機していないと判断した場合、キャンセル通知部44は、キャンセル通知14を送信して、利用者Bの相乗りがキャンセルされたことを通信端末10に通知する(ステップS27)。
【0108】
具体的には、最終判断部435は、利用者Bが待機していないことを示す承諾判断結果を期限判断部433から受けた場合、位置判断部434の判断結果に関係なく、利用者Bが待機していないことをキャンセル通知部44に通知する。
【0109】
キャンセル通知部44は、利用者Bが待機していないことを示す通知を最終判断部435から受けた場合、キャンセル通知14を通信端末10に送信する。通信端末10は、キャンセル通知14を乗車管理装置40から受けた場合、利用者Bが合流地点512で待機していないため、合流地点512へ移動しなくてもよいメッセージを利用者Aに知らせる。通信端末10が、キャンセル通知14に基づくメッセージを出力する方法は、特に限定されない。
【0110】
キャンセル通知部44は、キャンセル通知14を送信した後に、通信端末10の現在位置に基づいて代替ルートを計算してもよい。代替ルートは、通信端末10の現在位置から目的地513に直行するルートである。合流地点512は、代替ルートにおいて経由地として設定されない。キャンセル通知部44は、計算した代替ルートを通信端末10に送信する。利用者Aは、新たに提示された代替ルートに従って目的地513へ移動する。
【0111】
ステップS27の後に、キャンセル通知部44は、キャンセル通知26を送信して、利用者Bの相乗り申請がキャンセルされたことを通信端末20に通知する(ステップS28)。通信端末20は、キャンセル通知26を受けた場合、合流地点512での待機を承諾しなかったため、車両3の相乗りがキャンセルされたことを示すメッセージを表示する。
【0112】
このように、乗車管理装置40は、利用者Bが合流地点512で待機していることを確認できない場合、14を通信端末10に送信する。利用者Bが合流地点512に現れるまで、利用者Aが合流地点512で待機し続けることを防ぐことができる。利用者Aは、目的地513の到着希望時刻に遅れて目的地513に到着することを防ぐことができる。
【0113】
(利用者Bが待機していると判断する場合)
図9は、図1に通信端末20が待機承諾通知25を送信する場合における乗車管理システム100の動作を示すシーケンス図である。図9に示すステップS21~S25は既に説明済みであるため、その説明を省略する。
【0114】
図9を参照して、通信端末20は、ステップS24で受けた待機指示通知24に基づいて、合流地点512での待機を指示するメッセージを表示する。利用者Bが表示されたメッセージを承諾する操作をすることにより、通信端末20は、待機承諾通知25を乗車管理装置40に送信する(ステップS31)。
【0115】
待機判断部43において、期限判断部433が、ステップS25で設定された承諾期限時刻を過ぎるまでに、待機承諾通知25を受信したと仮定する。この場合、期限判断部433は、現在位置の通知を通信端末20に要求する(ステップS32)。通信端末20は、ステップS25における要求の応答として、通信端末20の現在位置を示す位置情報23を待機判断部43に送信する(ステップS33)。
【0116】
待機判断部43において、位置判断部434が、合流地点512及び通信端末20から受けた位置情報23に基づいて、位置判断を実行する(ステップS34)。位置判断は、利用者Bが合流時刻517までに合流地点512に到着できるか否かを判断する処理である。
【0117】
図10は、ステップS27で実行される位置判断を説明する図である。図10を参照して、現在位置231は、位置情報23により示される通信端末20の位置を示す。位置判断部434は、合流地点512を中心した半径36を中心とした円形の移動可能領域37を生成し、現在位置231がその生成した移動可能領域37内であるか否かを判断する。半径36は、現在時刻と合流時刻517との時間差に基づいて決定される。半径36は、時間差が短くなるにつれて短くなる。
【0118】
位置231が移動可能領域37内である場合、位置判断部434は、利用者Bが合流時刻517までに合流地点512に到着可能であると判断する。位置231が移動可能領域37外である場合、位置判断部434は、利用者Bが合流時刻517までに合流地点512に到着できないと判断する。位置判断部434は、利用者Bが合流時刻517までに合流地点512に到着できるか否かを示す位置判断結果を最終判断部435に出力する。
【0119】
なお、位置判断部434は、現在位置231から合流地点512までのルートを計算し、その計算したルートの所要時間が、現在時刻と合流時刻との時間差より短いか否かを判断してもよい。所要時間が時間差よりも短ければ、待機判断部43は、利用者Bが合流時刻517までに合流地点512に到着できると判断する。
【0120】
位置判断結果が、利用者Bが合流時刻517までに合流地点に到着できることを示している場合、最終判断部435は、利用者Bが合流地点512で待機していると判断する。最終判断部435は、図示しない待機通知を通信端末10に送信する(ステップS35)。つまり、通信端末20が待機承諾通知25を送信し、かつ、通信端末20が移動可能領域37内に位置する場合、乗車管理装置40は、利用者Bが合流地点512で待機していると判断する。通信端末10は、最終判断部435から受けた待機通知に基づいて、利用者Bが合流地点512で待機していることを利用者Aに知らせる。
【0121】
(利用者Bが合流時刻までに到着できないと判断する場合)
位置判断結果が、利用者Bが合流時刻517までに合流地点に到着できないことを示している場合、最終判断部435は、待機承諾通知25を受信しているか否かに関係なく、利用者Bが合流時刻に合流地点512で待機していないと判断する。最終判断部435は、利用者Bが合流地点で待機していないことを示す待機判断結果53をキャンセル通知部44に出力する。
【0122】
待機判断結果53が、利用者Bが合流地点待機していないことを示しているため、キャンセル通知部44は、利用者Bの相乗りをキャンセルする。キャンセル通知部44は、キャンセル通知14を通信端末10に送信し(ステップS27)、キャンセル通知26を通信端末20に送信する。
【0123】
このように、乗車管理装置40は、利用者Bが合流時刻517までに合流地点512までに到着できないと判断した場合に、利用者Bの相乗りのキャンセルを通信端末10及び20に通知する。利用者Bが合流時刻517までに合流地点512に到着できない場合に、利用者Aが合流地点512で待機し続けることを防ぐことができる。これにより、車両3の運行スケジュールの遅延発生を防ぐことができる。
【0124】
なお、図10を参照して、位置判断部434は、位置判断(ステップS34)の実行時に、警告領域38を設定してもよい。警告領域38は、移動可能領域37に含まれる。警告領域38は、合流地点512を中心とした半径36の円と、合流地点512を中心とした半径39の円との間の領域である。半径39は、半径36よりも短く、現在時刻と合流時刻517との差が小さくなるにつれて短くなる。位置判断部434は、現在位置231が警告領域38内であるか否かを判断する。
【0125】
位置判断部434は、現在位置231が警告領域38内であると判断した場合、利用者Bの相乗りがキャンセルされる可能性があることを通信端末20に通知する。乗車管理装置40は、利用者Bが合流地点512への移動を利用者Bに促すことができるため、利用者Bが合流地点512に送れて到着することを防ぐことができる。また、利用者Bの相乗りがキャンセルされることを防ぐことができる。
【0126】
また、位置判断部434は、待機承諾通知25を受けてから、通信端末20が警告領域38内に位置するか否かを判断してもよい。これにより、利用者Bが合流地点512に送れて到着することをさらに効果的に防ぐことができる。
【0127】
{2.3.合流地点512の変更}
(概略)
車両3が、合流地点512への移動を開始した後に、道路状況等の原因によって合流時刻517までに合流地点512に到着できないことがある。この場合、乗車管理装置40は、合流地点512を変更することにより、車両3が目的地513に遅れて到着することを防ぐ。
【0128】
図11は、図1に示す乗車管理装置40に計算される変更ルート59の一例を示す図である。図11を参照して、乗車管理装置40は、車両3が合流地点512への移動を開始した場合、通信端末10の位置情報13に基づいて、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できるか否かを判断する。
【0129】
乗車管理装置40は、車両3が到着できないと判断した場合、車両3の現在位置から変更合流地点514を経由して目的地513に到着する変更ルート59を計算する。車両3の現在位置から目的地513までの所要時間は、走行ルート51よりも変更ルート59の方が短い。
【0130】
乗車管理装置40は、変更確認通知55を通信端末20に送信して、変更合流地点514への移動が可能か否かを利用者Bに問い合わせる。乗車管理装置40は、移動可能通知27を変更確認通知55の応答として通信端末20から受けた場合、変更ルート59を送信して変更合流地点514へ向かうことを通信端末10に指示する。乗車管理装置40は、変更合流地点514へ移動することを通信端末20に指示する。
【0131】
これにより、乗車管理装置40は、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できない場合であっても、車両3の運行スケジュールの遅延を回復することができる。
【0132】
(乗車管理装置40の動作)
図12は、図4に示す合流地点512を変更する場合における乗車管理システム100のシーケンス図である。図12を参照して、ステップS21~S23については、上記と同様であるため、その詳細の説明を省略する。
【0133】
図12に示すステップS41~S47は、待機指示通知24の送信(図9に示すステップS24)の前、又は、待機通知の送信(図9に示すステップS35)の後に実行されることが望ましい。合流地点512が図9に示すステップS24~S35の実行中に変更された場合、利用者Bが合流地点512及び変更合流地点514のどちらで待機しているかを特定できなくなるためである。なお、図9に示すステップS24~S35は、利用者Bが合流地点512で待機しているか否かの判断のための処理である。
【0134】
図12を参照して、走行管理部42が、車両3が合流地点512への移動を開始したと判断した場合(ステップS23)、到着予想部45は、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できるか否かを判断する(ステップS41)。
【0135】
具体的には、到着予想部45は、位置情報13を通信端末10から受けるたびに、走行ルート51及び受けた位置情報13及びに基づいて、通信端末10の現在位置から合流地点512までの所要時間を計算する。所要時間は、例えば、現在位置から合流地点512までの区間における渋滞の発生状況や、現在位置から合流地点512までの道のり等に基づいて計算される。到着予想部45は、現在時刻と計算した所要時間とに基づいて、車両3が合流地点512に到着する時刻を予想する。到着予想部45は、予想した時刻を合流時刻517と比較した結果に基づいて、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できるか否かを判断する。
【0136】
予想した時刻が合流時刻517と同じである、又は、予想した時刻が合流時刻517よりも前である場合、到着予想部45は、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できると判断する。この場合、乗車管理装置40は、合流地点512を変更しない。車両3が合流地点512に早着する場合において、利用者Bのスケジュールが変更されることを防ぐことができる。
【0137】
予想した時刻が合流地点よりも後である場合、到着予想部45は、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できないこと示す予想結果54を変更確認部46に出力する。
【0138】
予想結果54が、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できないこと示す場合、変更確認部46は、変更ルート59及び変更合流地点514を決定する(ステップS42)。
【0139】
例えば、変更確認部46は、合流地点512を中心とした円形の候補検索領域を設定し、設定した候補検索領域の中において、合流基準を満たす地点を選択する。合流基準は、上述のように、車両3が一時的に駐車することができる駐車場を有する施設である。候補検索領域の半径は、現在時刻から合流時刻517までの時間が短くなるにつれて短くなる。変更確認部46は、車両3の現在位置から選択した地点を経由して目的地513に到着するルートを計算する。計算したルートの所要時間が、走行ルート51のうち車両3の現在位置から目的地513までの区間の所要時間よりも高い場合、変更確認部46は、計算したルートを変更ルート59に決定する。
【0140】
あるいは、変更確認部46は、車両3現在位置から目的地513に到着するルートであって、到着時刻518までに目的地513に到着できる候補ルートを計算する。変更確認部46は、合流基準を満たし、かつ、計算した候補ルートに沿って位置する複数の地点を特定する。変更確認部46は、特定した複数の地点の中で最も合流地点512に近い地点を変更合流地点514に決定する。
【0141】
つまり、変更ルート59は、車両3の現在位置から目的地までの現時点での所要時間が走行ルート51よりも短いルートである。変更合流地点514は、変更ルート59上に位置し、合流地点512に基づいて決定される。変更確認部46は、決定した変更ルート59において変更合流地点514を通過する時刻を、変更合流時刻に決定する。
【0142】
変更確認部46は、決定した変更合流地点514及び変更合流時刻を含む変更確認通知55を通信端末20に送信する(ステップS43)。
【0143】
変更確認部46は、指示期限時刻を設定する(ステップS44)。具体的には、変更指示部47は、変更確認通知55の送信時刻を基準時刻56に設定し、変更指示部47に通知する。変更指示部47は、変更確認部46から受けた基準時刻56から、応答待機時刻を経過した時刻を指示期限時刻に設定する。応答待機時刻は、予め変更指示部47に設定されている。変更指示部47は、ステップS44で設定した指示期限時刻まで、移動可能通知27の受信を待機する。
【0144】
通信端末20は、変更確認通知55を変更確認部46から受けた場合、変更合流時刻までに変更合流地点514へ移動できるか否かを問い合わせる画面を表示する。通信端末20は、利用者Bが変更合流地点514への移動を承諾する操作をした場合、変更合流地点514へ移動できることを示す移動可能通知27を乗車管理装置40に送信する(ステップS45)。
【0145】
変更指示部47は、ステップS44で設定した指示期限時刻を過ぎるまでに移動可能通知27を通信端末10から受けた場合、走行ルートの変更を通信端末10に通知する(ステップS46)。具体的には、変更指示部47は、ステップS42で決定した変更ルート59及び変更合流地点514を通信端末10に送信する。通信端末10は、変更指示部47から受けた変更ルート59を走行して変更合流地点514に向かうことを、利用者Aに指示する。
【0146】
変更指示部47は、車両3の乗車場所が変更合流地点514に変更されたことを通信端末20に通知する(ステップS47)。通信端末20は、ステップS48の通知に基づいて、変更合流地点514へ移動を開始することを指示する画面を表示する。
【0147】
このように、乗車管理装置40は、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できない場合、合流地点512を変更合流地点514に変更する。この結果、乗車管理装置40は、車両3が運航スケジュールの遅れを回復することができる。
【0148】
なお、変更指示部47は、移動可能通知27を通信端末20から受けた場合、利用者Bが支払う相乗り料金を割引してもよいし、利用者Bにポイントを付与してもよい。利用者Bの相乗り料金の計算方法は特に限定されない。利用者Bは、付与されたポイントを、事業者が提供する相乗りサービスを利用するときに使用することができる。なお、利用者Bの相乗り料金は、相乗りサービスを提供する事業者に支払われる手数料と、利用者Aに支払われる車両提供料金とを含む。
【0149】
乗車管理装置40は、相乗り料金を割り引く場合、一定額を利用者Bの相乗り料金から割り引いてもよいし、合流地点512から変更合流地点514までの距離に応じて割り引いてもよい。この場合、利用者Aに支払われる車両提供料金が減額されることが望ましい。利用者Aが到着時刻518に目的地513に到着できるように、利用者Bが協力したためである。
【0150】
乗車管理装置40は、ポイントを利用者Bに付与する場合、一定額を利用者Bのポイントに付与してもよいし、合流地点512から変更合流地点514までの距離に応じて付与してもよい。この場合、乗車管理装置40は、利用者Aに既に付与されているポイントの一部を、利用者Bに付与してもよい。乗車管理装置40は、利用者Aに支払われる車両提供料金を減額し、減額分を利用者Bに付与するポイントの原資としてもよい。
【0151】
合流地点が変更された場合、利用者Bのスケジュールが変更されるため、利用者Bが不公平感を抱く虞がある。乗車管理装置40は、利用者Bの利用料金を割り引く、あるいは、利用者Bにポイントを付与することにより、第2利用者の不公平感を緩和することができる。
【0152】
以上説明したように、車両3が合流地点512への移動を開始した場合、乗車管理装置40は、通信端末20から受ける待機指示通知24及び位置情報23に基づいて、利用者Bが合流地点で待機しているか否かを判断する。乗車管理装置40は、利用者Bが待機していないと判断した場合、利用者Bの相乗りをキャンセルする。利用者Aは、利用者Bが合流地点に表れるまで合流地点で待機することを防ぐことができるため、車両3が、利用者Aの目的地に送れて到着することを防ぐことが可能となる。
【0153】
また、車両3が合流時刻517までに合流地点512に到着できないと予想される場合、乗車管理装置40は、車両3の現在位置から目的地513までの所要時間が短縮されるように合流地点512を変更する。これにより、車両3の遅延が発生した場合であっても、車両3の遅延を回復することができる。
【0154】
[第2の実施の形態]
{1.走行ルートの一例}
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る乗車管理装置により計算される走行ルートの一例を示す図である。図13を参照して、本実施の形態に係る乗車管理装置は、利用者B及びCが利用者Aの運転する車両3に相乗りするための走行ルート60を計算する。
【0155】
走行ルート60は、出発地61から、合流地点62及び63を経由して、目的地64に到着する。利用者Bは、合流地点62で車両3に乗車する。利用者Cは、合流地点63で車両3に乗車する。走行ルート60において、合流地点62は、合流地点63よりも先に到着するように設定される。利用者B及びCが車両3に相乗りしない場合、車両3は、直行ルート60Dを走行する。
【0156】
通信端末30は、利用者Cが所持する移動通信端末であり、例えば、スマートフォンである。通信端末30は、本実施の形態に係る乗車管理装置と通信する。
【0157】
{2.乗車管理装置40Aの構成}
図14は、本実施の形態に係る乗車管理装置40Aの構成を示す機能ブロック図である。図14を参照して、乗車管理装置40Aは、相乗り決定部41と、到着予想部45と、変更確認部46と、変更指示部47とに代えて、相乗り決定部41Aと、キャンセル受付部71と、キャンセル処理部72とを備える。
【0158】
以下、上記第1の実施の形態に係る乗車管理装置40と異なる点を中心に、乗車管理装置40Aについて説明する。
【0159】
相乗り決定部41Aは、車両提供情報11Aを通信端末10から受け、申請情報21及び31を通信端末20及び30から受ける。申請情報31は、利用者Cにより指定された相乗り条件を記録する。相乗り決定部41Aは、受けた車両提供情報11Aと、受けた申請情報21及び31とに基づいて、利用者B及びCが利用者Aの運転する車両3に相乗りすることを決定し、走行ルート60を計算する。合流地点62及び63は、走行ルート60上に設定される。
【0160】
キャンセル受付部71は、車両3が利用者Bを乗せて合流地点63へ移動している時に、相乗りのキャンセルを申請するキャンセル申請32を利用者Cの通信端末30から受け付ける。
【0161】
キャンセル処理部72は、キャンセル申請32がキャンセル受付部71により受け付けられた場合、位置情報13及び合流地点63に基づいて、利用者Aの車両提供料金を加算し、利用者Bの利用料金を割り引き、利用者Cのキャンセル料金料を決定する。キャンセル処理部72は、加算通知66を通信端末10に送信し、割引通知67を通信端末20に送信し、請求通知68を通信端末30に送信する。加算通知66は、加算された車両提供料金の額を示すメッセージである。割引通知67は、割り引きされた利用料金の額を示すメッセージである。請求通知68は、利用者Cのキャンセル料金の額を示すメッセージである。
【0162】
{3.乗車管理装置40Aの動作}
図15は、図14に示す乗車管理装置40Aを備える乗車管理システムの動作を示すシーケンス図である。図15を参照しながら、利用者Cが車両3の相乗りをキャンセルする時における乗車管理装置40Aの動作を説明する。
【0163】
車両3が利用者Bを乗せた場合、通信端末10は、利用者Aの操作に応じて、合流地点63への移動を開始することを乗車管理装置40に通知する(ステップS51)。通信端末10は、移動開始の通知後に、定期的な位置情報13の送信を開始する(ステップS52)。乗車管理装置40Aにおいて、走行管理部42は、通信端末10から受ける移動開始の通知及び位置情報13に基づいて、車両3が合流地点63への移動を開始したか否かを判断する(ステップS53)。ステップS51~S53は、図8に示すステップS21~S23と同様の処理である。
【0164】
走行管理部42が、車両3が合流地点62への移動を開始したと判断した場合、待機判断部43は、待機指示通知24を通信端末30に送信する(ステップS54)。ステップS54は、図8に示すステップS24と同様の処理である。
【0165】
通信端末30が、待機指示通知24を走行管理部42から受けた後に、利用者Cが、通信端末30を操作して、車両3の相乗りをキャンセルしたと仮定する。
【0166】
この場合、通信端末30は、車両3の相乗りのキャンセルを申請するキャンセル申請32を乗車管理装置40に送信する(ステップS55)。キャンセル申請32は、合流地点63と図13に示す合流時刻65とを含む。合流時刻65は、合流地点63において利用者Cが車両3に乗車する時刻であり、相乗り決定部41Aにより事前に通信端末30に通知されている。
【0167】
乗車管理装置40において、キャンセル受付部71が、通信端末30から受けたキャンセル申請32に基づいて、利用者Cのキャンセルを受け付ける(ステップS56)。具体的には、キャンセル受付部71は、キャンセル申請32を通信端末30から受けた場合、その受けたキャンセル申請32に含まれる合流地点63及び合流時刻65に基づいて、走行ルート60における利用者Cの相乗りがキャンセルされたと判断する。キャンセル受付部71は、利用者Cの相乗りキャンセルをキャンセル処理部72に通知する。
【0168】
キャンセル処理部72は、利用者Cの相乗りキャンセルをキャンセル受付部71から通知された場合、利用者Cのキャンセル料金を決定する(ステップS57)。
【0169】
例えば、キャンセル処理部72は、通信端末10から受ける位置情報13に基づいて、キャンセル基準位置を決定する。キャンセル基準位置は、キャンセル受付部71がキャンセル申請32を受けた時刻における車両3の位置である。キャンセル処理部72は、決定したキャンセル基準位置から合流地点63までの道のりを走行ルート60に基づいて特定し、特定した道のりに基づいて利用者Cのキャンセル料金を決定する。キャンセル料金は、特定した位置から合流地点63までの距離が短くなるにつれて、高くなる。キャンセル料金は、特定した位置から合流地点63までの直線距離に基づいて決定されてもよい。
【0170】
キャンセル処理部72は、特定したキャンセル基準位置から合流地点63までの所要時間に基づいて、キャンセル料金を決定してもよい。この場合、所要時間が短くなるにつれて、キャンセル料金は高くなる。所要時間が短くなるにつれて、車両3が合流地点63に近づくためである。
【0171】
キャンセル処理部72は、利用者Bの利用料金の割引額を決定する(ステップS58)。具体的には、キャンセル処理部72は、キャンセル料金と同様に、キャンセル基準位置から合流地点63までの道のりに基づいて、割引額を決定する。割引額は、キャンセル基準位置から合流地点63までの所要時間に基づいて決定されてもよい。
【0172】
キャンセル処理部72は、利用者Aの車両提供料金の加算額を決定する(ステップS59)。具体的には、キャンセル処理部72は、キャンセル料金と同様に、キャンセル基準位置から合流地点63までの道のりに基づいて、加算額を決定する。加算額は、キャンセル基準位置から合流地点63までの所要時間に基づいて決定されてもよい。
【0173】
利用者Cのキャンセル料金の一部が、ステップS58で決定される割引額とステップS59で決定される加算額とに充当されてもよい。この場合、ステップS58で決定される割引額とステップS59で決定される加算額の合計額が、利用者Cのキャンセル料金を超えないことが望ましい。また、利用者Cのキャンセル料金と、ステップS58で決定される割引額と、ステップS59で決定される加算額との各々は、一定額であってもよい。
【0174】
キャンセル処理部72は、ステップS57で決定されたキャンセル料金を含む請求通知68を通信端末30に送信する(ステップS60)。キャンセル処理部72は、ステップS58で決定された割引額を通信端末20に通知する(ステップS61)。キャンセル処理部72は、ステップS59で決定された加算額を通信端末10に通知する(ステップS62)。
【0175】
このように、乗車管理装置40Aは、利用者A及びBが乗車している車両3が合流地点63への移動を開始した後に、利用者Cが操作する通信端末30から送信されるキャンセル申請32を受け付けることができる。乗車管理装置40は、利用者Cによる相乗りのキャンセル申請32を受け付けた場合、利用者Cのキャンセル料金と、利用者Bの利用料金の割引額と、車両提供料金の加算額とを決定する。これにより、乗車管理装置40Aは、利用者Cが相乗りを車両3の乗車直前にキャンセルした場合において、利用者A及びBに補償をすることができる。
【0176】
なお、本実施の形態において、キャンセル処理部72は、キャンセル料金、利用者Bの利用料金の割引額、及び、車両提供料金の加算額の決定に代えて、利用者A~Cの各々のポイントを変更してもよい。
【0177】
例えば、キャンセル処理部72は、ステップS57において、利用者Cのポイントの一部を消滅させる。消滅するポイントは、キャンセル基準位置から合流地点63までの道のりに基づいて決定される。キャンセル処理部72は、ステップS58において、キャンセル基準位置から合流地点63までの道のりに応じて、新たなポイントを利用者Bに付与する。キャンセル処理部72は、ステップS59において、キャンセル基準位置から合流地点63までの道のりに応じて、新たなポイントを利用者Aに付与する。この場合であっても、利用者A及びBは、利用者Cによる相乗りの直前キャンセルによる補償を受けることができる。
【0178】
本実施の形態において、キャンセル受付部71は、利用者Bによるキャンセルを受け付けてもよい。この場合、キャンセル受付部71は、車両3が合流地点62への移動を開始した後に、通信端末20から送信されるキャンセル申請を受け付ける。この場合、キャンセル処理部72は、キャンセル基準位置から合流地点62までの道のりに基づいて、利用者Bのキャンセル料金を決定し、車両提供料金の加算額を決定する。利用者Cは、利用者Bのキャンセルの影響を受けないため、キャンセル処理部72は、利用者Cの利用料金の加算額を決定しない。
【0179】
[変形例]
上記実施の形態では、通信端末10が、車両3の位置を示す情報として位置情報13を送信する例を説明したが、これに限られない。例えば、車両3に搭載されたカーナビゲーション装置が、車両3の位置を示す情報を送信してもよいし、キャンセル通知14を受信してもよい。この場合、通信端末10は、車両3が合流地点への移動を開始する前に、車両3の移動中における通信先をカーナビゲーション装置に変更することを示すメッセージを乗車管理装置40に送信しておけばよい。つまり、車両3に搭載される通信端末は、車両3に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0180】
上記実施の形態では、走行管理部42が、走行ルート51及び位置情報13に基づいて、車両3が合流地点への移動を開始したか否かを判断する例を説明したが、これに限られない。走行管理部42は、走行ルート51を使用しなくてもよい。この場合、走行管理部42は、位置情報13の変化に基づいて、車両3が合流地点への移動を開始したか否かを判断してもよい。あるいは、走行管理部42は、車両3が合流地点への移動を開始したことを示す移動開始通知を通信端末30から受けた場合、車両3が移動を介したと判断してもよい。
【0181】
上記実施の形態において、乗車管理装置40が、到着予想部45と、変更確認部46と、変更指示部47とを備える例を説明したが、これに限られない。乗車管理装置40は、到着予想部45と、変更確認部46と、変更指示部47とを備えていなくてもよい。
【0182】
上記実施の形態において、待機判断部43が、期限判断部433及び位置判断部434を含む例を説明したが、これに限られない。待機判断部43は、期限判断部433及び位置判断部434の少なくとも一方を備えていればよい。つまり、待機判断部43は、車両3が合流地点512への移動を開始した後に、通信端末20から受ける所定の情報に基づいて、利用者Bが合流地点512で待機しているか否かを判断すればよい。
【0183】
上記実施の形態において、車両3が利用者Aにより運転される例を説明したが、これに限られない。車両3は、利用者Aが乗車する車両であれば、特に限定されない。車両3は、利用者Aが乗車するタクシーや、バスであってもよい。
【0184】
また、上記実施の形態において、乗車管理装置40及び40Aは、LSI(Large Scale Integration)などの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Int egrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0185】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0186】
また、乗車管理装置40及び40Aにより実行される処理の一部または全部は、プログラムにより実現されてもよい。そして、上記各実施の形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの不揮発性記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
【0187】
また、上記実施の形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
【0188】
例えば、乗車管理装置40及び40Aを、ソフトウェアにより実現する場合、図16に示したハードウェア構成(例えば、CPU、ROM、RAM、入力部、出力部等をバスBusにより接続したハードウェア構成)を用いて、各機能部をソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。
【0189】
また、上記実施の形態における処理方法の実行順序は、上記実施の形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実行順序を入れ替えてもよい。
【0190】
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
【0191】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0192】
100 乗車管理システム
10、20、30 通信端末
40 乗車管理装置
41 相乗り決定部
42 走行管理部
43 待機判断部
44 キャンセル通知部
45 到着予想部
46 変更確認部
47 変更指示部
48 キャンセル受付部
49 キャンセル処理部
431 待機指示部
432 期限設定部
433 期限判断部
434 位置判断部
435 最終判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16