IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラジウス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】RAD1901-2HCLの多形性形態
(51)【国際特許分類】
   C07C 211/53 20060101AFI20240501BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240501BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
C07C211/53 CSP
A61K9/20
A61K31/137
A61P15/00
A61P35/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019536266
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2018012714
(87)【国際公開番号】W WO2018129419
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-29
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】62/442,921
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517378016
【氏名又は名称】ラジウス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】クルスキー,マイケル ポール
(72)【発明者】
【氏名】ボルガー,ジョシュア カイル
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー,ジョナサン ブレーク
(72)【発明者】
【氏名】シェト,プラティック
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】エーベルリン,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】マーキー,マイケル
【合議体】
【審判長】井上 典之
【審判官】宮崎 大輔
【審判官】冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/176665号(WO,A1)
【文献】C.G.WERMUTH編,最新 創薬化学 下巻,p.347-365,株式会社 テクノミック,1999年
【文献】平山令明編,有機化合物結晶作製ハンドブック -原理とノウハウ-,丸善株式会社,2008年7月25日,p.57-84
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
REGISTRY(STN)
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対湿度0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θのピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形結晶形態物。
【請求項2】
相対湿度0%で、以下図3G
【数1】

に示されるX線粉末回パターンと同一のパターンを有する、請求項1記載の固形結晶形態物。
【請求項3】
218.2℃で融解開始および232.1℃で吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1記載の固形結晶形態物。
【請求項4】
以下の図
【数2】

の下側の線に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムと同一のDSCサーモグラムを有する、請求項記載の固形結晶形態物。
【請求項5】
請求項4に記載のの上側の線に示される熱重量分析(TGA)と同一のTGAを有する、請求項4記載の固形結晶形態物。
【請求項6】
請求項1~いずれか一項記載の固形結晶形態物および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項7】
乳癌を治療するための請求項記載の医薬組成物。
【請求項8】
該乳癌がER+である、請求項記載の医薬組成物。
【請求項9】
卵巣癌を治療するための請求項記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本願は、2017年1月5日に出願された米国仮特許出願第62/442,921号の利益を主張し、図面を含むその内容はその全体において参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
RAD1901は、血液脳関門を通過して、転移性の乳癌の治療に特に有用である選択的エストロゲン受容体下方制御因子/分解因子、SERDである。RAD1901は、エストロゲン受容体(ER)に良好な選択性で結合すること、および異なる組織でエストロゲン様効果およびエストロゲンアンタゴニスト効果の両方を有することが示されている。多くの癌において、エストロゲンと同様のホルモンは、腫瘍成長を刺激するので、所望の治療目標は、癌細胞のアポトーシスを誘導しながら、このエストロゲン依存的成長を遮断することである。SERDは、ER分解を直接誘導し得る内分泌療法の新興の部類となり得る能力を有するので、リガンド非依存的な抵抗性を生じさせることなく、SERDがER依存的腫瘍におけるエストロゲン成長シグナルを除去することが潜在的に可能になる。
【発明の概要】
【0003】
発明の概要
RAD1901-2HClの医薬組成物、その調製方法およびその使用に加えて、RAD1901-2HClの種々の多形性形態が本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1A: 255nmで回収された試料1のRP-HPLCクロマトグラム。図1B: d6-DMSO中で回収された試料1の1H NMR。
図2図2A: 255nmで回収された試料2のRP-HPLCクロマトグラム。図2B: d6-DMSO中で回収された試料2の1H NMR。
図3-1】図3A: 周囲RH(例えば40~65% RH)での試料1のXRPD回パターン。図3B: 高い(elevated)条件の分析での保存の前(下)および後(上)の試料1について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図3-2】図3C: 様々なRHで回収された試料1のVH-XRPDパターンのオーバーレイ。図3D: GVS(取り込み0~90% RH)分析の前(下)および後(上)の試料1について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図3-3】図3E: GVS(高RH_Desorp_3および高RH法)の前(試料1)および後の試料1について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。図3F: GVS(高RH_Desorp_3 1サイクルおよび高RH_Double_Cycle 2サイクル)の前および後、ならびに25℃/97% RHでの保存後の試料1について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図3-4】図3G: 0% RHでの試料1のXRPD回パターン。図3H: 形態1~3のXRPD回パターンのオーバーレイ。
図4-1】図4A: 試料2について得られたXRPDパターン。図4B: 試料2および高い条件の分析での保存後について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図4-2】図4C: 高い条件の分析での保存後の試料1(上)および試料2(下2プロット)について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。図4D: 200℃に加熱時に回収された試料2および試料1のVT-XRPDパターンのオーバーレイ。
図4-3】図4E: 高RH(>90%)で回収された試料2および高RHで保存後の試料1のVH-XRPDパターンのオーバーレイ。図4F: 乾燥条件(0% RH)で回収された試料2のVH-XRPDパターンのオーバーレイ。
図4-4】図4G: GVS(取り込み0~90% RH)の前および後の試料2について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。図4H: 0% RHでの試料2(形態2)について得られたXRPDパターン。
図4-5】図4I: 92% RHでの試料2(形態3)について得られたXRPDパターン。
図5-1】図5A: 0~90% RHから回収された試料1についてのGVS等温プロット(Isotherm Plot)。図5B: 0~90% RHから回収された試料1についてのGVS反応速度プロット。
図5-2】図5C: GVS法 高RHにより40~95% RHから回収された試料1についてのGVS等温プロット。図5D: GVS法 高RHで40~95% RHから回収された試料1についてのGVS反応速度プロット。
図5-3】図5E: GVS法 高RH_Desorp_3により1サイクルにわたり回収された試料1についてのGVS等温プロット。図5F: GVS法 高RH_Desorp_3により1サイクルにわたり回収された試料1についてのGVS反応速度プロット。
図5-4】図5G: GVS法 高RH_DoubleCycle_2により2サイクルにわたり回収された試料1についてのGVS等温プロット。図5H: GVS法 高RH_DoubleCycle_2により2サイクルにわたり回収された試料1についてのGVS反応速度プロット。
図6図6A: 0~90% RHから回収された試料2についてのGVS等温プロット。図6B: 0~90% RHから回収された試料2についてのGVS反応速度プロット。
図7図7: TGA(上)およびDSC(下)による試料1の熱分析。
図8図8: TGA(上)およびDSC(下)による試料2の熱分析。
図9-1】図9A: 試料1のPLM画像。
図9-2】図9B: メタノール中での冷却時に小板結晶(platelet crystal)を生じた試料1の溶解性評価から単離された結晶のPLM画像。
図10図10: 試料2のPLM画像。
図11-1】図11A: 試料1のSEM画像(295x)。
図11-2】図11B: 試料1のSEM画像(1050x)。
図11-3】図11C: 試料1のSEM画像(5100x)。
図12-1】図12A: 試料2のSEM画像(730x)。
図12-2】図12B: 試料2のSEM画像(1650x)。
図12-3】図12C: 試料2のSEM画像(3400x)。
図13-1】図13A: 形態1と実質的に一致する結晶性試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図13-2】図13B: 形態1と実質的に一致する結晶性試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図13-3】図13C: 形態3と実質的に一致する結晶性試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図14-1】図14A: 水またはt-ブタノール/水中での凍結乾燥の前および後の試料1について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。図14B: 水またはt-ブタノール/水由来の試料1および25℃/97% RHでの保存後の試料1の結晶性試料の場合の凍結乾燥により得られた試料について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図14-2】図14C: 25℃/97% RHおよび40℃/97% RHでの保存後の試料1の水またはt-ブタノール/水由来の凍結乾燥により得られた試料について得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図15図15: 水またはt-ブタノール/水中での凍結乾燥の前および後の試料1の1H NMRスペクトル。
図16-1】図16A: 水(実線)またはt-ブタノール/水(破線)から凍結乾燥により得られた試料1の試料のDSC分析。
図16-2】図16B: 水(実線)またはt-ブタノール/水(破線)由来の凍結乾燥により得られた試料1の試料のTGA分析。図16C: 水(実線)由来の凍結乾燥により得られた試料1の試料のmDSC分析。
図17-1】図17A: (無水)形態1と実質的に一致する、ニトロメタン、アセトニトリル、THF、エタノールまたはプロパン-1-オールから凍結乾燥により得られた試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。図17B: 形態3(試料2、90% RH)または形態2と形態3の混合物(試料2、25/97後)と実質的に一致する、ジクロロメタン(DCM)、トルエン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸イソプロピル、酢酸エチルまたは酢酸プロピル由来の凍結乾燥により得られた試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図17-2】図17C: 形態3(水和物、試料2、90% RH)または形態2(無水)と形態3の混合物(試料2、25/97後)と実質的に一致する10%水/THF、10%水/IPA、10%水/EtOH、水、ジメトキシエタンまたはメタノール由来の凍結乾燥により得られた試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。図17D: 結晶性が乏しすぎるために多形を割り当てる(assign)ことができないが、形態1または形態2と形態3の混合物(試料2、25/97後)のように見える、1,4-ジオキサン、t-ブチルメチルエーテル(TBME)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、プロパン-2-オールまたはn-ヘプタン由来の凍結乾燥により得られた試料1の多形スクリーニングから得られたXRPDパターンのオーバーレイ。
図18図18A: 試料1-メタノールの凍結乾燥試料を冷却することにより調製された多形スクリーニングの間に得られた結晶のPLM画像。図18B: 水中の試料1の凍結乾燥試料の成熟により調製された多形スクリーニングの間に得られた結晶のPLM画像。図18C: ニトロメタン中の試料1の凍結乾燥試料の成熟により調製された多形スクリーニングの間に得られた結晶のPLM画像。
図19-1】図19A: 形態1または形態3(水和物)(試料1、25/97後)と実質的に一致する、異なる水/エタノール溶媒混合物中の試料1の凍結乾燥試料の成熟により調製された試料のXRPDパターンのオーバーレイ。図19B: 形態2または形態3(水和物)(試料1、25/97後)と実質的に一致する、異なる水/メタノール溶媒混合物中の試料1の凍結乾燥試料の成熟により調製された試料のXRPDパターンのオーバーレイ。
図19-2】図19C: 形態1または形態3(試料1、25/97後)と実質的に一致する、無水または水飽和酢酸エチル中の試料1の凍結乾燥試料の成熟により調製された試料のXRPDパターンのオーバーレイ。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
I. RAD1901-2HClの多形性形態
以下の実施例セクションに記載するように、RAD1901-2HClの3つの結晶形態および不定形態を調製して特徴付けした。
【化1】
【0006】
本明細書に提供される定義は、定義される用語を明確化することを意味するが、限定しない。本明細書において使用される用語が具体的に定義されない場合、かかる用語は不明確であるとみなされるべきではない。むしろ、用語は、その許容される意味の範囲内で使用される。
【0007】
本明細書で使用する場合、RAD1901-2HClは、RAD1901とHClのモル比が約2、例えば約1.7~約2.1、または1.8~約2.0である塩形態をいう。アッセイされるHClの量の小さな変化は、限定されることなく測定の変数ならびに保存および/または処理によるHClの少量の消失に起因し得る。
【0008】
本明細書で使用する場合、「結晶性」は、高度に規則的な化学構造を有する固体をいう。特に、結晶性遊離塩基または塩形態は、1つ以上の単結晶形態として生成され得る。この適用の目的で、用語「結晶形態」、「単結晶形態」および「多形」は同義であり、該用語は異なる特性(例えば異なるXRPDパターンおよび/または異なるDSC走査結果)を有する結晶を区別する。用語「多形」は、材料の溶媒が典型的に異なるのでそれらの特性が互いに異なる偽多形(pseudopolymorph)を含む。したがって、遊離塩基または塩形態のそれぞれ別個の多形および偽多形は、本明細書において別個の単結晶形態であるとみなされる。
【0009】
用語「実質的に結晶性」は、少なくとも特定の重量パーセント結晶性であり得る形態をいう。特定の重量パーセントは10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%または10%~100%の間の任意のパーセンテージである。いくつかの態様において、実質的に結晶性は、少なくとも70%結晶性である遊離塩基または塩形態をいう。他の態様において、実質的に結晶性は、少なくとも90%結晶性である遊離塩基または塩形態をいう。
【0010】
本明細書で使用する場合、「不定形」は、非結晶材料を含む固形材料をいう。ある態様において、材料の不定形試料は、材料と溶媒の混合物が均一(例えば溶液)または不均一(例えばスラリー)であり得る混合物の凍結乾燥により調製され得る。
【0011】
用語「実質的に遊離」は、不純物および/または結晶性化合物を含まない少なくとも特定の重量パーセントであり得る形態および組成物をいう。特定の重量パーセントは、不純物および/または結晶性化合物を含まない60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%または60%~100%の間の任意のパーセンテージである。いくつかの態様において、実質的に遊離は、少なくとも70%純粋である遊離塩基または塩形態をいう。他の態様において、実質的に結晶性は、少なくとも90%純粋である遊離塩基または塩形態をいう。他の態様において、実質的に結晶性化合物を含まないことは、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約1%未満の結晶性化合物を有する組成物をいう。
【0012】
用語「水和物」は、溶媒分子が、定義された化学量論的または非化学量論的な量で存在するH2Oである溶媒和物である。化学量論的溶媒和物としては、例えば、特に半水和物、一水和物、二水和物または三水和物の形態が挙げられ得る。非化学量論的溶媒和物としては、例えば、水含有量が環境の湿度に応じて変化し得るものなどのチャンネル水和物(channel hydrate)が挙げられ得る。
【0013】
用語「溶媒和物または溶媒和化」は、化合物の結晶形態を含む本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子の物理的な結合を意味する。この物理的な結合としては水素結合が挙げられる。特定の例において、溶媒和物は、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子中に一体化される場合に単離され得る。「溶媒和物または溶媒和化」は、液相および分離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物としては、例えば水和物、エタノレートまたはメタノレートが挙げられる。
【0014】
本明細書に開示される多形性形態の文脈における用語「安定」は、熱および/または湿度に対する多形性形態の安定性をいう。
【0015】
RAD1901の3つの結晶形態の間の関係を以下のスキーム1に示す:
【化2】
【0016】
本明細書で使用する場合、RAD1901-2HClの結晶形態は、それぞれ形態1、2および3と称する。形態1および2はRAD1901-2HClの無水形態であり、形態3はRAD1901-2HClの水和物化形態である。形態1、2および3は、異なるX線粉末回(XRPD)パターンを示した。
【0017】
試料1は、最初は特徴付けられておらず、その後主に形態1であると決定されたRAD1901-2HClのバッチをいう。試料2は、最初は特徴付けられておらず、その後形態2と形態3の混合物であると決定されたRAD1901-2HClのバッチをいう。
【0018】
GVS実験は、形態2が0~40% RHからの質量取り込みを伴った吸湿性であったことを示し、質量取り込みは40% RHを超えてプラトーに達した。したがって、ほぼ周囲RHでは無水形態2と水和物形態3の間で平衡が存在した。無水形態1は、0~90% RHの間で低い吸湿性を示し、90% RHを超えて水和形態3への変換を開始した。
【0019】
本明細書に開示される多くの態様において、RAD1901-2HClは結晶構造を有するように開示される。
【0020】
ある態様において、本開示における結晶構造は、本明細書に開示されるように、XRPDスペクトルにおいて1つ以上の特徴的なピークを有することにより同定され得る。
【0021】
いくつかの態様において、本開示における結晶構造は、本明細書に開示されるように、示差走査熱量測定において1つ以上の特徴的な吸熱ピークを有する。
【0022】
ある態様において、RAD1901-2HClの1つ以上の結晶形態を調製および/または相互転換する方法が提供される。さらなる態様は、予想される保存条件下で所望の安定性を有するRAD1901-2HClの結晶形態への変換および該結晶形態の保存を記載する。
【0023】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0024】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θおよび/または14.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0025】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θおよび18.3°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0026】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θおよび12.0°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0027】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θおよび18.9°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0028】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θおよび11.0°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0029】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも7個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0030】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも8個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0031】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも9個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0032】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θのピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0033】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で実質的に図3Gに示されるようなX線粉末回パターンを有する固形形態(形態1)を提供する。
【0034】
本明細書に開示されるある態様は、218.2℃で溶融開始および232.1℃で吸熱ピークを示す示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0035】
本明細書に開示されるある態様は、実質的に図7の下のグラフに示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0036】
本明細書に開示されるある態様は、実質的に図7の上のグラフに示されるような熱重量分析(TGA)を有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態1を提供する。
【0037】
本明細書に開示されるある態様は、本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)を提供し、前記固形形態はRAD1901-2HClの総試料の少なくとも1%w/wを含む。
【0038】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも5%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0039】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも10%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0040】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも25%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0041】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも50%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0042】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも90%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0043】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも95%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0044】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも98%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0045】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901の総量の少なくとも99%w/wが本明細書に開示されるRAD1901の固形形態(例えば形態1)である、RAD1901を含む組成物を提供する。
【0046】
本明細書に開示されるある態様は、その特定の態様のいずれかにおける形態1および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0047】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態2を提供する。
【0048】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θおよび/または12.5°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態2を提供する。
【0049】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θおよび15.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態2を提供する。
【0050】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θおよび15.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態2を提供する。
【0051】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θ、15.4°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θおよび13.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態2を提供する。
【0052】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約0%で実質的に図4Hに示されるようなX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態、例えば形態2を提供する。
【0053】
本明細書に開示されるある態様は、本明細書に開示されるRAD1901-2HClの固形形態(例えば形態2)および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0054】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは1%未満の形態2を含む結晶性混合物である。
【0055】
ある態様において、固形形態RAD1901-2HClは0.1%より多いが2%未満である形態2を含む結晶性混合物である。
【0056】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも10%の形態2を含む。
【0057】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも25%の形態2を含む。
【0058】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも50%の形態2を含む。
【0059】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも75%の形態2を含む。
【0060】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも95%の形態2を含む。
【0061】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも97%の形態2を含む。
【0062】
いくつかの態様において、固形形態RAD1901-2HClは少なくとも99%の形態2を含む。
【0063】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901-2HClの固形水和物形態、例えば形態3を提供する。いくつかの態様において、RAD1901-2HClの固形水和物形態は二水和物である。
【0064】
本明細書に開示されるある態様は、相対約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回を有する、RAD1901-2HClの固形水和物形態、例えば形態3を提供する。
【0065】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θおよび/または21.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形水和物形態、例えば形態3を提供する。
【0066】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θおよび24.8°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形水和物形態、例えば形態3を提供する。
【0067】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θ、24.8°2θ±0.2°2θ、23.3°2θ±0.2°2θおよび9.5°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形水和物形態、例えば形態3を提供する。
【0068】
本明細書に開示されるある態様は、相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θ、24.8°2θ±0.2°2θ、23.3°2θ±0.2°2θおよび9.5°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4個のピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形水和物形態、例えば形態3を提供する。
【0069】
本明細書に開示されるある態様は、不定形であるRAD1901-2HClの固形形態を提供する。
【0070】
本明細書に開示されるある態様は、マトリックス中に分散されるRAD1901-2HClの1つ以上の結晶性および/または不定形形態を提供する。
【0071】
1つ以上の結晶性および/または不定形形態の50gm、100mg、200mg、300mg、400mg、500mgまたは600mgのRAD1901-2HClを含むRAD1901-2HClの剤型を含むある態様が開示され、ここで該1つ以上の結晶性および/または不定形形態は、固体または液体マトリックス中に分散される。
【0072】
II. RAD1901-2HClの多形性形態の医薬組成物および/または製剤
本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の多形性および/または不定形形態、ならびに生理学的に許容され得る担体(薬学的に許容され得る担体または液体または希釈剤とも称される)を含む医薬組成物が本明細書に提供される。かかる担体および溶液としては、本発明の方法に使用される化合物の薬学的に許容され得る塩および溶媒和物、ならびにかかる化合物の2つ以上、該化合物の薬学的に許容され得る塩および該化合物の薬学的に許容され得る溶媒和物を含む混合物が挙げられる。かかる組成物は、参照により本明細書に援用されるRemington's Pharmaceutical Sciences、17版、Alfonso R. Gennaro編、Mack Publishing Company, Eaton, Pa. (1985)に記載されるものなどの許容され得る医薬手順に従って調製される。
【0073】
用語「薬学的に許容され得る担体」は、それが投与される被験体においてアレルギー反応または他の都合の悪い効果を生じず、製剤中の他の成分と適合性である担体をいう。薬学的に許容され得る担体としては、例えば目的とする投与形態に関して適切に選択され、従来の薬学的実施と矛盾しない薬学的な希釈剤、賦形剤または担体が挙げられる。例えば、固形の担体/希釈剤としては、限定されないがゴム、デンプン(例えばトウモロコシデンプン、アルファ化デンプン)、糖(例えばラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース材料(例えば微結晶セルロース)、アクリレート(例えばポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルクまたはそれらの混合物が挙げられる。薬学的に許容され得る担体はさらに、湿潤剤または乳化剤、治療剤の貯蔵寿命または有効性を高める保存剤または緩衝剤などの微量の補助物質を含み得る。
【0074】
用語「患者」はヒト被験体をいう。
【0075】
本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の多形性および/または不定形形態ならびにその医薬組成物は、それぞれの単位が、任意に適切な医薬担体と共に所望の治療効果を生じるように計算される所定量の活性材料を含む、治療を受けている被験体に対する単位用量として適切な物理的に別個の単位を意味する単位剤型に製剤化され得る。単位剤型は、単一の日用量または複数の日用量(例えば1日当たり約1~4回以上)の1つのためのものであり得る。複数の日用量を使用する場合、単位剤型は、それぞれの投与について同じであり得るかまたは異なり得る。ある態様において、化合物は制御放出のために製剤化され得る。
【0076】
本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の多形性および/または不定形形態ならびにその医薬組成物は、任意の利用可能な従来方法に従って調製され得る。好ましい剤型の例としては、錠剤、散剤、微細顆粒、顆粒、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤等が挙げられる。製剤化において、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、着色剤、矯味矯臭剤および必要な場合は安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の一般的に使用される添加剤が使用され得る。また、製剤化は、従来方法に従って、医薬製剤の原料として一般的に使用される組成物を組み合わせることによってもなされる。これらの組成物の例としては、例えば、(1)ダイズ油、牛脂および合成グリセリドなどの油;(2)流体パラフィン、スクアランおよび固形パラフィンなどの炭化水素;(3)ミリスチン酸オクチルドデシルおよびミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油;(4)セトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコールなどの高級アルコール;(5)シリコン樹脂;(6)シリコン油;(7)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、固形ポリオキシエチレンヒマシ油およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどの界面活性剤;(8)ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンおよびメチルセルロースなどの水溶性巨大分子;(9)エタノールおよびイソプロパノールなどの低級アルコール;(10)グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびソルビトールなどの多価アルコール;(11)グルコースおよびショ糖などの糖;(12)無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよびケイ酸アルミニウムなどの無機粉末;(13)精製水等が挙げられる。上記製剤化における使用のための添加剤としては、例えば1)希釈剤としてラクトース、トウモロコシデンプン、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、結晶セルロースおよび二酸化ケイ素;2)結合剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガカント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール-ポリオキシエチレンブロックコポリマー、メグルミン、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等;3)崩壊剤としてデンプン、寒天、ゼラチン粉末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース/カルシウム等;4)滑剤としてステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、凝縮植物油等;5)着色剤としては添加が薬学的に許容され得る任意の着色剤が適切である;6)矯味矯臭剤としてココアパウダー、メントール、芳香剤、ペパーミント油、シナモン粉末;7)アスコルビン酸またはアルファトフェノールなどの添加が薬学的に許容される酸化防止剤が挙げられ得る。
【0077】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、50gm、100mg、200mg、300mg、400mg、500mgまたは600mgの量のRAD1901-2HCl形態1を含む薬学剤型を提供する。
【0078】
本明細書に開示されるある態様は、50gm、100mg、200mg、300mg、400mg、500mgまたは600mgのRAD1901-2HCl結晶形態1を含む錠剤としての薬物剤型を提供する。ある態様において、錠剤中少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99.5%のRAD1901はRAD1901-2HCl結晶形態1である。
【0079】
本明細書に開示されるある態様は、50gm、100mg、200mg、300mg、400mg、500mgまたは600mgの本明細書に開示されるRAD1901-2HClの固形形態(例えば形態2および/または形態3を含む)および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0080】
ある態様において、薬学剤型は、本明細書に開示されるような形態2を含む。
【0081】
III. RAD1901-2HClの多形性形態の使用
RAD1901の投与が有益であり得る被験体の1つ以上の状態を治療および/または予防するための方法が本明細書において提供され、該方法は、本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の多形性形態またはその医薬組成物の治療有効量を被験体に投与する工程を含む。
【0082】
ある態様において、本明細書に開示される方法により治療/予防される1つ以上の状態は、乳癌、子宮癌、および卵巣癌および/またはエストロゲン受容体の過剰発現を有する癌、ならびに転移性の癌および/または腫瘍である。ある態様において、本明細書に開示される方法において治療される癌および/または腫瘍は、抵抗性ER由来癌または腫瘍(例えば変異ER結合ドメインを有する(例えば限定されないがY537X1(式中、X1はS、NまたはCである)、D538G、L536X2(式中、X2はRまたはQである)、P535H、V534E、S463P、V392I、E380Qおよびそれらの組合せを含む1つ以上の変異を含むERα)であるか、ERの過剰発現体または腫瘍および/または癌の増殖は、リガンド依存的であるか、SERD(例えばフルベストラント、TAS-108 (SR16234)、ZK191703、RU58668、GDC-0810 (ARN-810)、GW5638/DPC974、SRN-927およびAZD9496)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、エキセメスタンおよびレトロゾール)、選択的エストロゲン受容体調節因子(例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン(lasofoxifene)および/またはトレミフェン)、Her2阻害剤(例えばトラスツズマブ、ラパチニブ、ado-トラスツズマブエムタンシンおよび/またはペルツズマブ)、化学療法(例えばアブラキサン、アドリアマイシン、カルボプラチン、シトキサン(cytoxan)、ダウノルビシン、ドキシル、エレンス(ellence)、フルオロウラシル、ジェムザール、ヘラベン(helaven)、ルクゼンプラ(lxempra)、メトトレキサート、マイトマイシン、ミコザントロン(micoxantrone)、ナベルビン(navelbine)、タキソール、タキソテール、チオテパ、ビンクリスチンおよびゼローダ)、脈管形成阻害剤(例えばベバシズマブ)、cdk4/6阻害剤、m-TOR阻害剤および/またはリツキシマブの治療などによる内分泌治療後に進行する腫瘍および/または癌である。
【0083】
被験体のエストロゲン受容体を調節する方法が本明細書に提供され、該方法は、被験体に、本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の多形性形態またはその医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含み;本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の多形性形態は、中枢神経系、骨組織および脂肪代謝においてエストロゲン様作用および/または生殖器および乳腺においてエストロゲン拮抗作用を示す。
【0084】
本明細書に開示される方法における使用のためのRAD1901-2HClの1つ以上(one of more)の多形性形態の治療有効量は、特定の期間にわたり投与された場合に、1つ以上の治療ベンチマーク(例えば腫瘍の増殖の遅延または停止、症状の停止等)の達成を生じる量である。当業者は、個々の被験体基準(例えば治療される被験体において特定の治療ベンチマークを達成するのに必要なRAD1901-2HClの1つ以上の多形性形態の量)または集団基準(例えば所定の集団由来の平均被験体において特定の治療ベンチマークを達成するのに必要なRAD1901-2HClの1つ以上の多形性形態の量)のいずれかに基づいて、この量を容易に決定し得る。理想的には、治療有効量は、治療される被験体の50%以上がさらなる薬物投与を妨げる悪心または他の毒性反応を経験する最大許容量を超えない。治療有効量は、症状の多様性および程度、被験体の性別、年齢、体重または一般的な健康、投与様式および塩もしくは溶媒和物の種類、薬物に対する感受性の変動、疾患の特定の型などの種々の要因に応じて、被験体に対して変化し得る。
【0085】
本明細書に開示される方法における使用のためのRAD1901-2HClの1つ以上の多形性形態またはその医薬組成物は、1回または複数回、被験体に投与され得る。化合物が複数回投与されるこれらの態様において、化合物は、一定の間隔、例えば毎日、1日おき、毎週または毎月で投与され得る。代替的に、化合物は不規則な間隔、例えば症状、患者の健康等に基づいて必要とされる基準で投与され得る。
【0086】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、剤型中に400mgのRAD1901-2HCl結晶形態1の毎日投与を含むER+乳癌を治療する方法を提供し、ここで該剤型は錠剤またはカプセルであり、該投与は経口である。
【0087】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、被験体においてER+乳癌を治療する方法を提供し、ここでER+乳癌は、1つ以上の内分泌療法に対して抵抗性であるかまたは該被験体は、1つ以上の内分泌療法を用いた前治療後に進行し、該治療は、剤型中の400mgのRAD1901-2HCl結晶形態1の毎日投与を含み、該剤型は錠剤またはカプセルであり、該投与は経口である。
【0088】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、被験体においてER+乳癌を治療する方法を提供し、ここでER+乳癌は、1つ以上の内分泌療法に対して抵抗性であるか、または該被験体は、1つ以上の内分泌療法を用いた前治療後(after prior treatment)に進行し、該治療は、剤型中400mgの毎日のRAD1901-2HCl結晶形態1の第1の投与を含み、該剤型は、錠剤またはカプセルであり、該投与は経口であり、RAD1901-2HCl結晶形態1の投与は、cdk4/6阻害剤および/またはm-TOR阻害剤の第2の投与と組み合され、第2の投与はcdk4/6阻害剤および/またはm-TOR阻害剤に適切な投与方法である。
【0089】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、被験体においてER+乳癌を治療する方法を提供し、ここでER+乳癌は、1つ以上の内分泌療法に対して抵抗性であるか、または該被験体は、1つ以上の内分泌療法を用いた前治療後に進行し、該治療は、剤型中400mgの毎日のRAD1901-2HCl結晶形態1の第1の投与を含み、該剤型は錠剤またはカプセルであり、該投与は経口であり、第1の投与は、パルボシクリブ、リボシクリブ、アベマシクリブおよび/またはエベロリムスの第2の投与と組み合される。
【0090】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、被験体においてER+乳癌を治療する方法を提供し、ここでER+乳癌は、1つ以上のcdk4/6阻害剤および/またはm-TOR阻害剤に対して抵抗性であり、該治療は、剤型中400mgのRAD1901-2HCl結晶形態1の毎日投与を含み、該剤型は錠剤またはカプセルであり、該投与は経口である。
【0091】
本明細書に開示されるある態様は、乳癌の治療を必要とする被験体への、RAD1901-2HClの結晶形態(例えば本明細書に開示される形態1)の投与を含む乳癌を治療する方法を提供する。いくつかの態様において、乳癌はER+である。
【0092】
本明細書に開示されるある態様は、卵巣癌の治療を必要とする被験体への、RAD1901-2HCl(形態1)の投与を含む卵巣癌を治療する方法を提供する。いくつかの態様において、卵巣癌はER+である。
【0093】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の結晶形態を含む剤型の投与を含むER+乳癌を治療する方法が本明細書に提供される。
【0094】
いくつかの態様において、RAD1901-2HClの必要のある被験体を治療するために有用な医薬の製造が本明細書に提供され、ここで該医薬は、本明細書に開示されるRAD1901-2HClの1つ以上の結晶性および/または不定形態を含む。
【0095】
IV. RAD1901-2HClの多形性形態の調製
本明細書に開示されるRAD1901-2HClの形態1、2および3を調製するための方法が本明細書に提供される。
【0096】
ある態様において、RAD1901-2HClは、有機溶媒(例えばEtOH、EtOAcおよびそれらの混合物)中のRAD1901溶液を少なくとも2当量のHCl(例えばEtOH中)で処理することにより調製され得る。ある態様において、RAD1901-2HCl溶液はさらに、濃縮されて、有機溶媒(例えばEtOAc)で処理されて、濾過されて、この開示に示される形態変換の方法に従ったさらなる処理に適切な、そのビス-HCl塩としてRAD1901が提供され得る。
【0097】
ある態様において、形態1は、RAD1901-2HClを、実質的にメタノールを含まない(例えば5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満または0.5%未満の有機溶媒がメタノールである)比較的低い水分含有量(例えば5%v/v未満)を有する有機溶媒で処理することにより調製され得る。ある態様において、形態1は、RAD1901-2HClを、比較的低い水分含有量(例えば5%v/v未満)を有する有機溶媒(例えばEtOH等)で処理し、次いでRAD1901-2HClがより低い溶解性を有する別の有機溶媒(例えばEtOAcなどのエステル)で処理することにより調製され得る。本明細書で使用する場合、そうではないと特定されなければ、有機溶媒は、単一の有機溶媒または複数の有機溶媒の混合物であり得る。
【0098】
本明細書に開示されるある態様は、RAD1901-2HClおよび溶媒を含む溶液から沈殿させる工程、またはRAD1901-2HClを溶媒中でスラリー化する工程を含むRAD1901-2HClの形態1を調製する方法を提供し、ここで該溶媒は、実質的にメタノールを含まず水分含有量が5%v/v以下の有機溶媒を含む。いくつかの態様において、有機溶媒は、n-ヘプタン、酢酸プロピル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、MIBK、MEK、1-プロパノール、エタノール、TBME、1,4-ジオキサン、トルエン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ニトロメタンおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0099】
ある態様において、形態2、形態3またはそれらの組合せは、RAD1901-2HClを水および/またはメタノールを含む有機溶媒で処理することにより調製され得る。ある態様において、形態2、形態3またはそれらの組合せは、RAD1901-2HClを、水および/またはメタノールを含む有機溶媒、次いでRAD1901-2HClがより低い溶解性を有する別の有機溶媒(例えばEtOAcなどのエステル)で処理することにより調製され得る。形態3は、好ましくは5%以上の水分含有量を有する溶媒を使用することにより調製され得る。ある態様において、形態2は、約1%~約2%の水分含有量を有するMeOHを使用して調製され得る。
【0100】
ある態様において、RAD1901-2HClの形態1を調製するための方法は、形態2、形態3またはそれらの組合せを含む組成物を、175℃より高い温度で、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下または約40%以下のRHで、変換に十分な時間加熱する工程を含む。
【0101】
ある態様において、RAD1901-2HClの形態2を調製する方法は、その形態3を含む組成物を、変換に十分な時間、約0%のRH(例えば0% RHで6時間)に暴露する工程を含む。
【0102】
ある態様において、RAD1901-2HClの形態3を調製する方法は、形態2、形態3またはそれらの組合せを含む組成物を、変換に十分な時間、約40%以上のRH(例えばRH 40%で約2週間)に暴露する工程を含む。
【0103】
ある態様において、RAD1901-2HClの形態3を調製する方法は、形態1を含む組成物を、変換に十分な時間、約90%以上のRH(例えば90% RHで1週間)に暴露する工程を含む。
【実施例
【0104】
実施例
器具および方法
A. X線粉末回(XRPD)
以下に記載するようにX線回パターンを回収するために2つのx線回装置を使用した。
【0105】
A1. Bruker AXS C2 GADDS
X線粉末回パターンは、Cu Kα放射線(40kV、40mA)、自動化されたXYZステージ、自動試料配置のためのレーザービデオ顕微鏡およびHiStar二次元面積検出器を使用するBruker AXS C2 GADDS回計で回収した。X線光学機器は、0.3mmのピンホールコリメーターと連結された単一のGoebel多層ミラーからなる。毎週の性能調査は、保証された標準的なNIST 1976 Corundum (平面プレート)を使用して行った。
【0106】
ビーム発散、すなわち試料に対するX線ビームの有効サイズは約4mmであった。試料-検出器の距離を20cmとして、3.2°~29.7°の有効2θ範囲を生じるθ-θ連続スキャンモードを使用した。典型的に、試料をX線ビームに120秒間暴露した。データ回収に使用したソフトウェアは、GADDS for XP/2000 4.1.43であり、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用してデータを分析して表示した。
【0107】
A1-1) 周囲条件
周囲条件下で試行した試料は、粉砕することなく受容した場合の粉末を使用する平面プレート標本として調製した。スライドガラス上で試料を軽く押して平面を得た。
【0108】
A1-2) 非周囲条件
非周囲条件下で試行した試料を、熱伝導化合物と共にシリコンウェーファー上に載せた。次いで試料を、20℃/分で周囲温度から適切な温度まで加熱して、続いて1分間等温に保持し、その後データ回収を開始した。実験の間に試料が溶融することを観察し、連続してこの温度よりも高く加熱した際に再結晶化した。
【0109】
A2. Bruker AXS D8 Advance
X線粉末回パターンは、Cu Kα放射線(40kV、40mA)、θ-2θゴニオメーター、ならびにV4の発散および受容スリット、GeモノクロメーターおよびLynxeye検出器を使用して、Bruker D8回計で回収した。機器は、保証されたCorundum標準(NIST 1976)を使用して性能を調査した。データ回収に使用したソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.6.1であり、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用してデータを分析して表示した。
【0110】
A2-1) 周囲条件
受容した場合の粉末を使用して平面プレート標本として試料を周囲条件下で試行した。試料を緩やかに空洞に充填して、研磨したゼロバックグラウンド(510)シリコンウェーファーに切断した。分析の間に試料をそれ自体の面において回転させた。データを、2~42°2θの角範囲、0.05°2θのステップサイズおよび0.5秒/ステップの回収時間で回収した。
【0111】
A2-2) 非周囲条件
非周囲条件下で試行した試料を、空洞に緩やかに充填することにより調製し、シリコンウェーファーに切断して平面を得て、試料ホルダーに隣り合うように配置されたAnsyco制御器および湿度センサーを有する湿度ステージに載せた。35.0℃の水温で、3~31°2θの角範囲内、0.025°2θのステップサイズ、2.0秒/ステップの回収時間で、298.15Kでデータを回収し、各%RHでの回収時間は41分28秒であった。
【0112】
X線粉末回(XRPD)パターンは、GVS実験(本明細書に記載)の間に観察された各化合物の湿度挙動に基づいて、0~95% RHの変動湿度値で回収した。行ったそれぞれの変動湿度X線粉末回(VH-XRPD)実験について、選択された% RH値は、関連のある実験結果と共に提供される。それぞれの回収点での% RH値およびそれぞれの値での関連のある遅延時間の詳細を示す完全な表を表10~12に示す。
【0113】
そうではないと記されなければ、この開示において列挙される2θ値は、+/-0.2°2θである。
【0114】
B. 核磁気共鳴(NMR):1H NMRおよび13C NMR
NMRスペクトルは、自動サンプラーを備え、DRX400コンソールにより制御されるBruker 400MHz機器で回収した。自動化された実験は、標準Bruker装填実験を使用してTopspin v1.3で試行するICON-NMR v4.0.7を使用して、取得した。非常套的分光学について、データは、Topspinのみを使用することにより取得した。試料はDMSO-d6中で調製した。ACD Spectrus Processor 2014を使用してオフライン分析を行った。
【0115】
C. 示差走査熱量測定(DSC)
DSCデータは、50位置自動サンプラーを備えたTA Instruments Q2000上で回収した。熱容量についての較正はサファイアを使用して行い、エネルギーおよび温度についての較正は保証されたインジウムを使用して行った。ピンホールアルミニウムパン中のそれぞれの試料(例えば1mg、2mg)を10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。試料上で50ml/分での乾燥窒素の排出を維持した。調節された温度DSCは、60秒(周期)ごとに基礎的加熱速度1または2℃/分および温度調節パラメーター±0.318または0.636℃(振幅)のそれぞれを使用して行った。
【0116】
機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.8.0.394およびThermal Advantage v5.5.3であり、データはUniversal Analysis v4.5Aを使用して分析した。
【0117】
そうではないと記されなければ、列挙されるDSC温度は+/-3℃である。
【0118】
D. 熱重量分析(TGA)
TGAデータは、16位置自動サンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAで回収した。機器は、保証されたアルメルおよびニッケルを使用して温度較正した。それぞれの試料(例えば5mg)を、前もって裂いた(pre-tared)アルミニウムDSCパンに載せ、10℃/分で周囲温度から300℃まで加熱した。試料上で60ml/分の窒素排出を維持した。
【0119】
機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.5.0.256およびThermal Advantage v5.5.3であり、データはUniversal Analysis v4.5Aを使用して分析した。
【0120】
E. 偏光顕微鏡検査(PLM)
試料は、画像捕捉のためのDSカメラ制御ユニットDS-L2に連結されたデジタルビデオカメラを備えたNikon SMZ1500偏光顕微鏡で試験した。少量のそれぞれの試料をスライドガラス上に置き、浸漬油中でマウントし、個々の粒子は可能な限り分離した。試料は、適切な倍率および部分的な偏光で、λ偽色(false-color)フィルターに連結して見た。
【0121】
F. 走査電子顕微鏡検査(SEM)
データはPhenom Pro Scanning Electron Microscopeで回収した。導電性両面接着テープを使用して少量の試料をアルミニウムスタブに載せた。スパッタコーターを使用して金の薄層を形成させた(20mA、120s)。
【0122】
G. カールフィッシャー滴定(KF)による水測定
それぞれの試料の水分含有量は、Hydranal Coulomat AGオーブン試薬および窒素パージを使用した851 Titrano Coulometerを用いて、200℃でMetrohm 874 Oven Sample Processorで測定した。計量した固形試料を密封した試料バイアルに導入した。滴定当たり約10mgの試料を使用して、測定は2回行った。データ回収および分析はTiamo v2.2を使用した。
【0123】
H. HPLCによる化学純度測定
純度分析は、ChemStationソフトウェアvB.04.03を使用して、ダイオードアレイ検出器(90nM帯域幅を有して255nM)を備えたAgilent HP1100シリーズシステムで行った。試料は、アセトニトリル:水、1:1溶液中0.4~0.6mg/mLとして調製した。HPLC分析は、Supelco Ascentic Express C18逆相カラム(100x4.6mm、2.7μm)で、2mL/分の流速で表1に示される勾配溶出で行った。カラム温度は25℃であり、それぞれの試料注入は2または3μLであった。
【0124】
【表1】
【0125】
I. 重量測定蒸気吸着(Gravimetric Vapour Drption)(GVS)
DVS固有制御ソフトウェアv1.0.1.2(またはv1.0.1.3)により制御されるSMS DVS固有湿度吸着分析器を使用して吸着等温線を得た。試料温度は、機器制御により25℃に維持した。湿度は、総流速200ml/分で乾燥窒素および湿潤窒素の流れを混合することにより制御した。相対湿度は、試料の近位に配置された較正したRotronicプローブ(1.0~100%RHのダイナミックレンジ)により測定した。%RHの関数としての試料の重量変化(質量緩和)は、微量天秤(精度±0.005mg)により絶え間なくモニタリングした。
【0126】
試料(例えば20mg)を、周囲条件下、裂いたメッシュステンレス鋼バスケット内に置いた。試料は、40% RHおよび25℃(典型的な室内条件)で載置し、抜き取った。湿度吸着等温線は、以下に概説されるように行った(2スキャンは1つの完全なサイクルを生じる)。標準等温線は、25℃、0~90% RH範囲の10% RH間隔で行った。データ分析は、DVS Analysis Suite v6.2 (または6.1または6.0)を使用したMicrosoft Excelを使用して行った。
【0127】
2スキャンのサイクルにおいて、第1のスキャンは40~90% RHの吸着により行い、続いて第2のスキャンは90~0% RHの吸着および0~40% RHの吸着、10% RH間隔、25℃、0.002% ℃/分の安定性dm/dtで行った。吸着時間は6時間タイムアウト(time out)であった。
【0128】
試料は等温線の完成後に回収し、XRPDにより再度分析した。高い条件下での化合物の吸着/脱離挙動を十分に理解するために、0~95% RH範囲にわたる固定した% RH間隔で、25℃でもカスタム湿度吸着法を行った。それぞれのGVS実験について行ったカスタム法を、以下の表2~4に示した。
【表2】
【表3】
【表4】
【0129】
J. イオンクロマトグラフィー(IC)
データは、858 Professional自動サンプラーおよび800 Dosino用量単位モニターを有するMetrohm 930 Compact IC Flexで、IC MagicNetソフトウェアv3.1を使用して回収した。正確に計量した試料は、適切な溶解液中にストック溶液として調製し、試験前に適切に希釈した。定量は、分析されるイオンの既知の濃度の標準液との比較により達成した。陰イオンクロマトグラフィーのためのIC法は、周囲温度および種々のμLの注入により0.7mL/分の流速でMetrosep A Supp 5-150 ICカラム(4.0X150mm)で行った。使用した溶離液は、5%アセトン水溶液中3.2mM炭酸ナトリウム、1.0mM炭酸水素ナトリウムであった。検出のために導電性検出器を使用した。
【0130】
実施例1. RAD1901-2HClの結晶形態1、2および3の調製および特徴付け
EtOH中のRAD1901をEtOAcに添加して、得られた混合物を溶解するまで加熱した。溶液を約20℃に冷却してEtOH中2.1当量のHClで処理した。溶液を濃縮して、得られた混合物を約20℃でEtOAcにより処理し、濾過して、本開示に示される形態変換の方法に従ったさらなる処理に適切な、そのビスHCl塩としてRAD1901を得た。
【0131】
RAD1901-2HClの2つの試料、試料1および2を調製した。試料1は、水とエタノールの混合物(1.5:19)中にRAD1901-2HClを溶解して調製した。共沸蒸留により水分含有量を<0.5%まで低下させ、 濃縮した溶液を酢酸エチルで希釈した。混合物を常温で少なくとも2時間撹拌し、次いで濾過により固形物を回収した。試料2は、RAD1901-2HClをメタノールに溶解して調製した。該溶液に酢酸エチルを添加して、得られた混合物を少なくとも1時間常温で撹拌した。濾過により固形物を回収した。
【0132】
試料1および2を種々の条件でXRPDにより特徴付けした。試料について、XRPDパターンは、試料が得られた周囲条件;変動温度(VT-XRPD);変動湿度(VH-XRPD);試料を40℃/75% RHに1週間および25℃/97% RHに1週間のそれぞれに暴露した後;ならびに試料を0~90% RHに暴露したGVS測定後に、回収した。試料1および2はまた、1H NMR、TGA、DSC、KF、IC、GVS (0~90% RHに暴露)、PLM、SEMおよびHPLCにより特徴付けした(表5)。
【0133】
試料1(大部分が形態1)および試料2(形態2と形態3の混合物)の特徴付けにより、形態1は、形態2よりも安定で、低い吸湿性および良好な熱特性を有したことが示される。さらに、形態1は、高いRH(>90%)で水和物形態3に変換され得(例えば7日間);RAD1901-2HClの形態3はまた、形態2を>40% RHに7日間暴露することにより調製され得;試料2(形態2と形態3の混合物)は、175℃より高く、<90% RHで加熱した場合に形態1に変換され得;形態2はまた、形態3を<40% RHに8時間暴露することにより調製され得る。したがって、RAD1901-2HClの調製において水/湿度のレベルを制限することは、RAD1901-2HClの形態1の調製に有益であり得る。ある態様において、調製法に存在する水のパーセンテージは5%v/v未満であり、水分含有量は例えばカールフィッシャー滴定(KF)により決定された。
【0134】
【表5-1】
【表5-2】
【0135】
試料1および2のRP-HPLC分析により、255nmで回収された99.2% AUCが示された(試料1について図1Aおよび試料2について図2A)。d6-DMSO中で回収された試料1および2の1H-NMRは、RAD1901-2HCl構造と一致する(試料1について図1Bおよび試料2について図2B)。
【0136】
試料1は大部分がRAD1901-2HClの形態1であり、XRPDパターン1、0% RHで図3G、表7に要約されるピークを有した。試料1は、周囲RHとはわずかに異なるXRPDパターンを示した(図3A、表6)。試料2はRAD1901-2HClの形態2と3の混合物であった。形態2は、XRPDパターン2(図4H、0% RHで試料2、表8に要約されるピーク)を示し、形態3は、XRPDパターン3(図4I、92% RHで試料2、表9に要約されるピーク)を示した。
【0137】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0138】
形態1は、GVS前後の形態1試料の変化しないXRPDパターン(パターン1)により確認されるように、40℃/75% RHで1週間の保存後およびGVSにおいて0~90% RHに暴露後において、安定であった。しかしながら、形態1は25℃/97% RHで1週間の保存後に形態3に変換した。
【0139】
形態1は、GVSデータ(図5A~5B)に示されるように、0~90% RHで比較的に非吸湿性であった。GVS分析の前後でXRPDパターンに変化は観察されなかった(図3D)。
【0140】
形態1は40℃/75% RHで7日間の保存に対して安定であった(XRPD分析から)が、25℃/97% RHで7日間の保存により水和物化状態の形態3への変換が生じた(図3B参照)。
【0141】
高い条件での試料1および試料2の保存の際に得られた新規のパターンのオーバーレイを図4Cに示し、これは実質的に形態3と一致する。重要なことに、これは、高いRHへの長い暴露の際に、試料1(形態1)は水和物形態3に変換したことを示す。
【0142】
高いRH(>90%)への暴露の際の試料1(形態1)の湿度挙動をさらに調べるために、カスタムGVS実験を設計して行った。最初に、試料を、90次いで95% RHで約12時間保持する処理により、水和物形態が観察され得るかどうかを調べた(表2の工程1および2の高RH法、図5C~5D)。
【0143】
図5C~5D(表2の工程1および2の高RH法)は、95% RHで約12時間保持した場合5~6%wtまでの試料1(形態1)を示し、これは水和物形成を示す。試料の後GVS実験(高RH、図3E中赤色)のXRPD分析は、形態1の分析(図3E中黒色)と比較して、水和物化状態形態3と無水形態1の両方に対する類似性を有して、有意な変化を示した。図3Eは、状態の混合物または試料1から水和物形態への不完全な変換を示唆した。
【0144】
水和物化状態の安定性を調べるために、脱離工程およびその後の吸着を有するGVS法、高RH_Desorp_3を設計した(工程1~4を有する表2参照、図5E~5F)。
【0145】
図5E~5FのGVSデータは、水和物化状態(95% RHで)は、ほぼ0% RHまで脱離に対して安定であり、0~40% RHの吸着の際に、該試料は無水形態1へと逆に変換しなかったが、代わりに新規の状態(水和物および無水の混合物を示す)へと不可逆的に変換したことを示す。さらに、0から40%までの吸着工程の形状は、形態2の形状と高度に類似することが観察された(図6A参照)。試料の後GVS実験(「高RH_Desorp_3」)のXRPD分析により、形態1と形態3の混合物は、(無水または水和物化形態のいずれかのXRPDパターンに存在するピークを示す)星を付けたピークにより示されるように存在した(図3E参照)ことが確認された。高RH_Desorp_3の試料1の後GVSについて得られたXRPDパターンを緑色で示す。
【0146】
最終的に、無水および水和物化形態への完全な変換を確実にするために、0% RHでの脱離工程および95% RHでの吸着工程のそれぞれの長さの両方を増加するためのGVS実験を設計した(表3)。上述の高RHおよび高RH_Desorp_3方法における試料1についての反応速度プロットにおいて観察された重量安定化(図5Dおよび5F)に基づいて、0% RHで800分および95% RHで1600分の保持時間を選択した。試料が形態1に戻るかまたは混合無水/水和物種を形成するかを観察するために、この実験についても2サイクルを記録した(表3、図5G~5H参照)。
【0147】
GVSデータ(図5G~5H)は、0% RHでの脱離およびその後の再吸着の完了後、試料は水を取り込み続け、混合無水/水和物種を形成したことを示す。この種は90~95% RHで、それ未満では試料がはっきりと脱離する40%までは脱離の際に安定なままである水和物(形態3)に変換した。0~40% RHのその後の吸着の後に、この段階的な変化が続き、これは試料2のGVS等温線プロットにおいて明確に観察され得る(図6A参照)。このGVSデータは、試料1/形態1材料が、高RH(>90%)への暴露下で水和物(形態3)に不可逆的に変換し、脱離の際に、無水状態(形態2)と水和物化状態(形態3)の間の平衡に移行することの明確な証拠を提供する。GVS実験(「高RH_DoubleCycle_2」)後の試料のXRPD分析により、水和物(形態3)の形成を確認した(図3F参照)。
【0148】
変動湿度での試料1および2の多形性挙動を十分に特徴付けるため、かつ「純粋な」無水形態1および形態2材料ならびに「純粋な」水和物化形態3材料についての参照XRPDパターンを回収するために、試料1および2に対して変動湿度(VH) XRPD実験を行った。最初に、試料1を使用してVH-XRPD実験を行って、GVS実験の間に回収したものと共に選択された湿度値でXRPDディフラクトグラム(diffractogram)を回収した(図5E~5F参照)。最初に周囲RH、次いで約95% RHで24時間にわたりXRPDディフラクトグラムを回収し、最終的に0% RHまでおよび0% RHで10時間にわたる脱離工程の間に回収した(図3C参照)。完全な方法の詳細を以下の表10に示す。
【0149】
【表10】
【0150】
VH-XRPD実験は、約95% RHで24時間にわたる開始材料試料1(形態1)から水和物状態(形態3)への直接変換を示すことができなかった(図3C参照)。しかしながら、周囲RHおよび0% RHでの開始材料のものと比較して、約95% RHで観察されたディフラクトグラムパターンにおいて微妙な変化があった(星がつけられたピークを参照)。これらの変化は、12°2θで肩および19°2θでさらなるピークを含み、水和物化状態に向かって緩やかな変換を示した(図3Cの25/97後参照)。したがって、形態1は、GVSデータにより支持されるように、経時的に形態3(水和物)に変換され得る(図5E~5F)。VH-XRPDにおけるより遅い反応速度のための1つの可能な説明は、VH-XRPD実験は、異なる湿度に暴露された表面層での試料の結晶構造の変化に頼ったが、GVS実験は、試料がワイヤバスケット中に懸濁される際に、試料の全ての表面が暴露されることを可能にしたということである。
【0151】
適用された材料の熱分析は、試料1が無水であって(TGAおよびKFにより)、溶融または分解の前に熱的事象を有さなかったことを示した。比較において、試料2は、DSCによる複雑な熱プロフィール(図8B参照)を有し、水和物であることが見出された(TGAおよびKFによる)。DSC追跡は、試料2は、常温から150℃への加熱の際に脱溶媒和化して(desolvated)、約157℃で溶融し、約187℃で再結晶化したことを示した(図8B参照)。TGAデータにより、この脱溶媒和化事象は、2分子の水と等しい6.2重量%の消失に対応したことが示された。
【0152】
そのため、変動温度XRPD (VT-XRPD)実験を行って、DSCにより観察された試料2の熱挙動を調べた(図8B参照)。VT-XRPD分析により、100℃を超える加熱の際に試料2は無水状態に変換され(形態2、赤色)、次いで形態1材料と同様に、約175℃(青色)で溶融して再結晶化したことが示される(図4D)。
【0153】
これは、175℃を超える再結晶化により、形態2と形態3の混合物としての試料2が形態1に変換され得ることを示す。しかしながら、形態1材料は、高RH(>90%)への暴露下で、水和物形態3に不可逆的に変換されることは明らかである。
【0154】
試料2を使用したVH-XRPD実験も行い、「純粋な」無水形態2および「純粋な」水和物化形態3のそれぞれについての参照XRPDパターンを得るために、選択された湿度値0% RH(表12)および90% RH(表11、でXRPDディフラクトグラムを回収した。試料2について回収されたGVS反応速度プロット(図6B参照)は、無水形態から水和物化形態への変換について比較的早い反応速度を示したので、10~14時間までの時点でXRPDパターンを回収した(図4E~4F参照)。
【0155】
【表11】
【表12】
【0156】
図4Eに示されるように、試料2のXRPDパターンにおけるわずかな変化が、周囲RH(42% RH)と92~93% RHの間で観察され(星がつけられたピーク参照)、これは、(25℃/97% RHでの保存後のXRPDパターンにより示されるように)水和物化状態への変換を示した。しかしながら、反応速度は比較的ゆっくりなままであった。これらの観察に基づいて、(0% RHでの)無水試料2のXRPDパターンは、試料を真空オーブン(RT、8時間)内で乾燥させた後に回収した(図4F参照)。0% RHで回収されたXRPDパターンは、VT-XRPDステージ上での100℃への加熱により生成された無水試料2の試料と一致したので(上述の実験のセクションおよび図4D参照)、無水形態2についての参照が提供された。
【0157】
試料2における形態3は、試料2を100℃に加熱した際に形態2に変換した。試料2は約160℃で溶融を開始し、175℃を超えて形態1と同様に再結晶化した。試料1および2の特徴付けデータを表5に要約する。
【0158】
GVS実験により、試料2は、0%~40% RHで6.7%wt.の質量取り込みを有して吸湿性であり、40% RHを超えてプラトーに達した(40~90% RHで2.0%wt.)ことが示された(図6A~6B参照)。したがって、ほぼ周囲RH(例えば40~65% RH)での試料2についての無水状態と水和物化状態の間に平衡が存在した。
【0159】
試料2について回収されたXRPDパターンは、測定の間に支配的なRHに依存して変化した。GVSの前後のXRPDディフラクトグラム(図4G参照)は、0% RHと90% RH(GVS後)の間に形態2と形態3の混合物が存在したことを示した。
【0160】
実施例2. RAD1901-2HClの多形性形態の溶解性評価
HPLCバイアル中24の溶媒系(試料ID:A1~A24)においてRAD1901-2HClの試料1(主にXRPDにより示される形態1)において溶解性評価を行った。RAD1901-2HCl(25mg)を、材料が完全に溶解するまでまたは60volの最大値を使用するまで、増加する体積の溶媒で処理した(表13)。
【0161】
【表13-1】
【表13-2】
【0162】
溶媒のそれぞれの添加後、系を25℃で5~10分間撹拌し、次いで50℃で5~10分間振盪し、観察を行った。試料を室温で5分間静置した後、新たなアリコートの溶媒を添加した。評価が完了した後、下記のように、得られた懸濁物を成熟させ(成熟)、透明な溶液を冷却し(冷却)、ゆっくり蒸発させた(蒸発)。成熟、冷却および蒸発の実験から回収された全ての固体を、高分解XRPDにより分析した。
【0163】
溶解性評価の間に得られた懸濁物を、50℃~RT(1サイクル当たり8時間)で5日間まで成熟チャンバー中で振盪して成熟させた。次いで混合物を室温で10分間静置した。得られた固体をろ過して風乾させ、XRPDにより分析した。成熟中に得られた透明な溶液を周囲条件で蒸発させ、得られた残渣をXRPDにより分析した。
【0164】
溶解性評価の経過中に得られた透明な溶液を、Polar Bearデバイスにより0.1℃/分で50℃から5℃まで冷却した。冷却の際に得られた固体をバイアルから回収し、風乾させ、XRPDにより分析した。固体が得られなかった場合は、周囲条件で固体が生じるまでバイアルの隔壁キャップに挿入した針を通して溶液をゆっくり蒸発させ、得られた固体を濾過して、風乾させ、XRPDにより分析した。
【0165】
異なる溶媒系中の試料1の溶解性評価により、化合物は、アルコール、エステルおよび炭化水素溶媒中で低い溶解性を有したが、水中では高度に溶解性であったことが示された。成熟、冷却および蒸発後に回収された固体のXRPD分析(表13に列挙される溶媒中)により、無水形態1または水和物化形態3のいずれかが生じたことが見出された(図13A~13C)。実施例1における試料1の固体状態特徴付けと一致して、水または水/溶媒系におけるスラリー化は、水和物化状態形態3を生じた。2-プロパノール、アセトンおよびメタノール中のスラリー化からもパターン3が観察されたが、溶媒ストック溶液中に存在する残存水から水和物が生じる可能性がある(このスクリーニングにおいて無水溶媒は使用しなかった)。
【0166】
これらのスクリーニング実験の間に、1つの試料(A20)はプレート形態の結晶を生じたことが観察され(図9B参照)、単結晶分析に供した。しかしながら、これらの結晶は、単結晶ではなく堆積物として存在することが見出された(SEMにより見られるように、図11A~11C参照)ので、SCXRDにより回収については不適切であった。XRPDによる結晶の分析により、該材料は水和物化状態と一致し、パターン3とほぼ類似していたことが見出された(図13C)。
【0167】
実施例3. 不定形RAD1901-2HClの調製および特徴付け
A) 不定形RAD1901-2HClの調製および特徴付け
RAD1901-2HClの試料1が水およびt-ブタノール/水(1:1)において高い溶解性を示したように、凍結乾燥によりこれらの溶媒のそれぞれから不定形RAD1901-2HClを調製した。RAD1901-2HCl(100mg)をシンチレーションバイアルに入れ、材料の溶解について適切な溶媒系を試験した。水またはt-ブタノール/水(1:1) (20~30vol、2~3mL)をRTで試料に添加し、溶解するまで混合物をボルテックスにかけ、濾過して任意の残存固形粒子を除去した。溶液をドライアイス/アセトン槽中で凍結させ、凍結乾燥により溶媒を除去した。得られた固体は、XRPDにより不定形含有量(図14A)、ICにより対イオン同一性、HPLCおよびNMRにより純度、ならびにTGAおよびDSCにより熱特性(表14)について分析した。
【0168】
【表14】
【0169】
B) 不定形RAD1901-2HClの大規模調製
不定形RAD1901-2HClの大規模調製において、RAD1901-2HCl(600mg)を水に溶解して(20vol、12mL)、濾過して残存固形粒子を除去した。次いで溶液を24のHPLCバイアルに分け、ドライアイス/アセトン槽中で凍結させ、凍結乾燥により溶媒を除去した。凍結乾燥により生じた固体を、実施例4における溶解性評価および多形スクリーニングに直接使用した。
【0170】
実施例4. 不定形RAD1901-2HClの溶解性評価および多形スクリーニング
A) 不定形RAD1901-2HClの溶解性評価および多形スクリーニング
実施例3Bに記載されるように調製した不定形RAD1901-2HClを溶解性評価および多形スクリーニングに直接使用した(表15)。他の溶媒を使用して調製した不定形RAD1901-2HClについてXRPDパターンをさらに得た。
【0171】
【表15-1】
【表15-2】
【0172】
実施例3Bに示されるように調製した不定形RAD1901-2HClの多形スクリーニングにおいて、それぞれの試料のアリコートを、25℃での成熟後および50℃/RTでの成熟後の両方で、顕微鏡下でその形態について調べた。いずれかの成熟段階で任意の結晶性材料が観察された場合、得られた固体をろ過し、風乾させ、高分解XRPDにより分析した。多形スクリーニングからの試料のXRPD分析により、わずか3つの別々のパターン:以前に観察された形態1、2および3についてのパターンが観察され得ることが示された(図17A~17D)。いくつかの例において、試料は、支配的なRHに依存して、2つの固体形態の間で平衡を有する試料2における形態2と3の混合物と同様に、種々の多形性形態、例えば形態2および形態3の混合物であるように見えた(図17B~17C)。
【0173】
同様に、2-プロパノールおよびMEKから調製された試料は、無水形態1と水和物化形態3材料の混合物を含み得る(図17D)。
【0174】
メタノール中での冷却(図18A)、水中での成熟(図18B)またはニトロメタン中での成熟(図18C)のそれぞれを介して、実施例3Bに記載されるよう調製した不定形RAD1901-2HClを使用した多形スクリーニングの間に得られた結晶について、PLM画像を得た(図18)。
【0175】
高分解XRPDデータの回収に関わらず、いくつかの試料は結晶性にも乏しく、それらのパターンは明確に割り当てることはできなかったが、形態1のものと非常に類似した(図17D)。そのため、不定形RAD1901-2HClを使用したこれらのスクリーニングにおいてさらなる新規のパターンは観察されなかった。
【0176】
B) 水/有機溶媒系における不定形RAD1901-2HClの溶解性評価
不定形RAD1901-2HClの試料を、異なる水の比率を含む水/有機溶媒混合物中で調製した。選択された有機溶媒は、無水エタノール、メタノールおよび酢酸エチルであった。水/有機溶媒混合物中の水のパーセンテージは、生成プロセスの間に存在し得る水のレベルに対して制限を設けるためおよび形態1の形成を保持するために0~10%(v/v)で変化させた。この水活性の制限を超えて、GVS実験により示されるように水和物化形態3が得られる(図5Gおよび19A参照)。酢酸エチル中で調製された試料は、無水酢酸エチル中または水飽和酢酸エチル中のいずれかでスラリー化されたことに注意すべきである。
【0177】
水/有機溶媒実験からの結果を表16および図19A~19Cに示す。それぞれの水/有機溶媒混合物についての水活性値を表16に示し、参照により本明細書に援用されるBell, Halling, Enzyme Microbiol. Technol. 1997, 20, 471に示される参照を使用して計算した。
【0178】
【表16】
【0179】
水/有機溶媒実験は、それを超えると水和物化形態3が生じる水活性限度を示す。無水エタノール中で調製した実施例3bから得られた不定形RAD1901-2HClの試料は、不定形試料1の多形スクリーニングの間に得られたXRPDパターンと一致し、形態1材料として結晶化した(表15参照)。エタノール溶媒は、(酢酸エチルと共に)薬物精製プロセスの間のRAD1901-2HCl(試料1)の形態1材料の製造において使用されることも公知である。水/エタノールから生じた結晶は、それを超えると水和物化形態3が生じる5%水/エタノールの比率まで形態1であった。これは、0.39の水活性限度と等しく(表16参照)、少なくとも小規模で、5%までの水が、形態1を生じるための薬物製造プロセスの間に存在し得ることを示す。
【0180】
無水メタノール中の不定形RAD1901-2HClは、XRPDパターン2を有する形態と同様に結晶化した。これは、メタノール(および酢酸エチル)溶媒を使用したRAD1901-2HClの単離の間に形成することが知られた試料2の供給バッチと一致する。水/メタノールから生じた結晶は、それを超えるとXRPDパターン3を有する水和物化形態3が生じる2%水/メタノールの比率まで形態2(無水)であった。これは、0.08の低い水活性限度と等しく(表16参照)、比較的低い(周囲)RHで形態2材料が水和物化形態3または形態2と3の混合物に変換するという観察(GVSによる、図6A参照)を反映し得る。
【0181】
無水酢酸エチル中の不定形RAD1901-2HClのスラリー化は、形態1材料の結晶を生じ、これは、形態1が、薬物製造プロセスにおいてエタノールおよび酢酸エチル溶媒を使用して単離され得、一方で形態2が、メタノールおよび酢酸エチルを使用して製造され得るという観察を支持する。水飽和酢酸エチルは、0.77の水活性と等しい2.7%(v/v)を超える水(例えば20℃で3.3%水)を有するので、水/酢酸エチルの比率は変えなかった。水飽和酢酸エチル中でのスラリー化によって、水和物形態3が生成した。
【0182】
実施例5
RAD1901-2HClの結晶形態。
【0183】
実施例6
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0184】
実施例7
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θおよび/または14.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形形態。
【0185】
実施例8
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θおよび18.3°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0186】
実施例9
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θおよび12.0°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0187】
実施例10
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θおよび18.9°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0188】
実施例11
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θおよび11.0°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0189】
実施例12
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0190】
実施例13
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも7個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0191】
実施例14
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも8個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0192】
実施例15
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも9個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0193】
実施例16
相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θのピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0194】
実施例17
相対湿度約0%で実質的に図3Gに示されるようなX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0195】
実施例18
218.2℃で溶融開始および232.1℃で吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0196】
実施例19
実質的に図7の下図に示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施例18の固形形態。
【0197】
実施例20
実質的に図7の上グラフに示されるような熱重量分析(TGA)を有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0198】
実施例21
RAD1901の総量の少なくとも5%w/wが前記実施例のいずれか1つの固形形態である、RAD1901を含む組成物。
【0199】
実施例22
RAD1901の総量の少なくとも25%w/wが前記実施例のいずれか1つの固形形態である、RAD1901を含む組成物。
【0200】
実施例23
RAD1901の総量の少なくとも50%w/wが前記実施例のいずれか1つの固形形態である、RAD1901を含む組成物。
【0201】
実施例24
RAD1901の総量の少なくとも90%w/wが前記実施例のいずれか1つの固形形態である、RAD1901を含む組成物。
【0202】
実施例25
RAD1901の総量の少なくとも95%w/wが前記実施例のいずれか1つの固形形態である、RAD1901を含む組成物。
【0203】
実施例26
RAD1901の総量の少なくとも98%w/wが前記実施例のいずれか1つの固形形態である、RAD1901を含む組成物。
【0204】
実施例27
実施例5~26いずれかの固形形態および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【0205】
実施例28
RAD1901-2HClおよび溶媒を含む溶液から沈殿させる工程、または溶媒中でRAD1901-2HClをスラリー化する工程を含む、実施例5~27いずれかの固形形態を調製するためのプロセスであって、該溶媒が、実質的にメタノールを除く有機溶媒を含み、水分含量が5%v/v以下である、プロセス。
【0206】
実施例29
該溶媒が、n-ヘプタン、酢酸プロピル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、1-プロパノール、エタノール、t-ブチルメチルエーテル(TBME)、1,4-ジオキサン、トルエン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ニトロメタンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、実施例28のプロセス。
【0207】
実施例30
乳癌の治療を必要とする被験体への実施例5~26いずれかの固形形態の投与を含む、乳癌を治療する方法。
【0208】
実施例31
該乳癌がER+である、実施例30の方法。
【0209】
実施例32
卵巣癌の治療を必要とする被験体への実施例5~26いずれかのRAD1901-2HClの固形形態の投与を含む、卵巣癌を治療する方法。
【0210】
実施例33
相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0211】
実施例34
相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θおよび/または12.5°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0212】
実施例35
相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θおよび15.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0213】
実施例36
相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θ、15.4°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θおよび13.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0214】
実施例37
相対湿度約0%で実質的に図4Hに示されるようなX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
【0215】
実施例38
実施例32~37いずれか1つの固形形態および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【0216】
実施例39
水和物であるRAD1901-2HClの固形形態。
【0217】
実施例40
二水和物である、実施例39のRAD1901-2HClの固形形態。
【0218】
実施例41
相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、実施例39または40の固形形態。
【0219】
実施例42
相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θおよび/または21.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、実施例39~41いずれかの固形形態。
【0220】
実施例43
相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θおよび24.8°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、実施例39~41いずれかの固形形態。
【0221】
実施例44
相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θ、24.8°2θ±0.2°2θ、23.3°2θ±0.2°2θおよび9.5°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、実施例39~41いずれかの固形形態。
【0222】
実施例45
相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θ、24.8°2θ±0.2°2θ、23.3°2θ±0.2°2θ、12.1°2θ±0.2°2θおよび9.5°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4個のピークを含むX線回パターンを有する、実施例39~41いずれかの固形形態。
【0223】
実施例46
不定形であるRAD1901-2HClの固形形態。
【0224】
実施例47
分散マトリックス中の不定形材料としてのRAD1901-2HClの形態。
【0225】
実施例48
マトリックス中に分散される400mgの不定形RAD1901-2HClを含む錠剤。
【0226】
本発明の具体的な態様が本明細書において詳細に示され記載されるが、本発明はそれに限定されない。上述の詳細な説明は、本発明の例示として提供され、本発明の任意の限定を構成するものとして解釈されるべきではない。変更は当業者に明白であり、本発明の精神を逸脱しない全ての変更は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図される。
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
[1]RAD1901-2HClの結晶形態。
[2]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[3]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θおよび/または14.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有するRAD1901-2HClの固形形態。
[4]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θおよび18.3°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[5]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θおよび12.0°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[6]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θおよび18.9°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[7]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θおよび11.0°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[8]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[9]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも7個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[10]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも8個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[11]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも9個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[12]相対湿度約0%で、2θに関して7.1°2θ±0.2°2θ、14.3°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θ、13.8°2θ±0.2°2θ、12.0°2θ±0.2°2θ、25.1°2θ±0.2°2θ、18.9°2θ±0.2°2θ、27.2°2θ±0.2°2θ、11.0°2θ±0.2°2θおよび16.2°2θ±0.2°2θのピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[13]相対湿度約0%で実質的に図3Gに示されるようなX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[14]218.2℃で溶融開始および232.1℃で吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[15]実質的に図7の下図に示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、[14]記載の固形形態。
[16]実質的に図7の上グラフに示されるような熱重量分析(TGA)を有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[17]RAD1901の総量の少なくとも5%w/wが前記のいずれか一項記載の固形形態である、RAD1901を含む組成物。
[18]RAD1901の総量の少なくとも25%w/wが前記のいずれか一項記載の固形形態である、RAD1901を含む組成物。
[19]RAD1901の総量の少なくとも50%w/wが前記のいずれか一項記載の固形形態である、RAD1901を含む組成物。
[20]RAD1901の総量の少なくとも90%w/wが前記のいずれか一項記載の固形形態である、RAD1901を含む組成物。
[21]RAD1901の総量の少なくとも95%w/wが前記のいずれか一項記載の固形形態である、RAD1901を含む組成物。
[22]RAD1901の総量の少なくとも98%w/wが前記のいずれか一項記載の固形形態である、RAD1901を含む組成物。
[23]前記いずれか一項記載の固形形態および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
[24]RAD1901-2HClおよび溶媒を含む溶液から沈殿させる工程、または溶媒中でRAD1901-2HClをスラリー化する工程を含む、前記いずれか一項記載の固形形態を調製するためのプロセスであって、該溶媒が、メタノールを除く有機溶媒を含み、水分含量が5%v/v以下である、プロセス。
[25]該有機溶媒が、n-ヘプタン、酢酸プロピル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、1-プロパノール、エタノール、t-ブチルメチルエーテル(TBME)、1,4-ジオキサン、トルエン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ニトロメタンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、[24]記載のプロセス。
[26]乳癌の治療を必要とする被験体への[1]~[16]いずれか記載の固形形態の投与を含む、乳癌を治療する方法。
[27]該乳癌がER+である、[26]記載の方法。
[28]卵巣癌の治療を必要とする被験体への[1]~[16]いずれか記載のRAD1901-2HClの固形形態の投与を含む、卵巣癌を治療する方法。
[29]相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[30]相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θおよび/または12.5°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[31]相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θおよび15.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[32]相対湿度約0%で、2θに関して6.3°2θ±0.2°2θ、12.5°2θ±0.2°2θ、15.4°2θ±0.2°2θ、18.3°2θ±0.2°2θおよび13.4°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[33]相対湿度約0%で実質的に図4Hに示されるようなX線粉末回パターンを有する、RAD1901-2HClの固形形態。
[34][28]~[32]いずれか一項記載の固形形態および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
[35]水和物であるRAD1901-2HClの固形形態。
[36]二水和物である、[35]記載のRAD1901-2HClの固形形態。
[37]相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、[35]または[36]記載の固形形態。
[38]相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θおよび/または21.3°2θ±0.2°2θでピークを含むX線粉末回パターンを有する、[35]~[37]いずれか一項記載の固形形態。
[39]相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θおよび24.8°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも2個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、[35]~[37]いずれか一項記載の固形形態。
[40]相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θ、24.8°2θ±0.2°2θ、23.3°2θ±0.2°2θおよび9.5°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも3個のピークを含むX線粉末回パターンを有する、[35]~[37]いずれか一項記載の固形形態。
[41]相対湿度約92%で、2θに関して5.8°2θ±0.2°2θ、21.3°2θ±0.2°2θ、24.8°2θ±0.2°2θ、23.3°2θ±0.2°2θ、12.1°2θ±0.2°2θおよび9.5°2θ±0.2°2θからなる群より選択される少なくとも4個のピークを含むX線回パターンを有する、[35]~[37]いずれか記載の固形形態。
[42]不定形であるRAD1901-2HClの固形形態。
[43]分散マトリックス中の不定形材料としてのRAD1901-2HClの形態。
[44]マトリックス中に分散される400mgの不定形RAD1901-2HClを含む錠剤。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図4-5】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図10
図11-1】
図11-2】
図11-3】
図12-1】
図12-2】
図12-3】
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図14-1】
図14-2】
図15
図16-1】
図16-2】
図17-1】
図17-2】
図18
図19-1】
図19-2】