IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 昭和パックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-紙袋 図1
  • 特許-紙袋 図2
  • 特許-紙袋 図3
  • 特許-紙袋 図4
  • 特許-紙袋 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】紙袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/12 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
B65D30/12 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020036619
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021138401
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000187138
【氏名又は名称】昭和パックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】山中 聡
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/238402(WO,A1)
【文献】特開2014-080202(JP,A)
【文献】特開2018-002189(JP,A)
【文献】特開昭55-064056(JP,A)
【文献】特公昭40-022798(JP,B1)
【文献】特開平07-137749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0179960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の内側紙層と筒状の外側紙層とが積層されており、片端面が充填端面で他端面が開封端面である紙袋において、
該開封端面においては該内側紙層が該外側紙層の端縁を超えて延出しており、
該開封端面は、該内側紙層と該外側紙層との開口端部の両側を幅方向内側に折り畳み、三角形状であって幅方向内側においては該内側紙層が該外側紙層の該端縁を超えて延出している折り込み部が両側に配設された展開面を生成し、次いで、該展開面の幅方向中心線に対して片端側及び他端側に変位し且つ幅方向中心線に平行に延在する2個の谷折線に沿って折り畳み重ね合わせて接着して形成され、
該展開面において、該折り込み部における2個の該谷折線よりも外側に位置する4個の領域の内の2個の該谷折線の折り畳みにおいて先に折り畳みされる部分に位置する2個の該領域においてはそれらの全体に亘って接着剤が施されているが、該折り込み部における2個の該谷折線よりも外側に位置する4個の該領域の内の2個の該谷折線の折り畳みにおいて先に折り畳みされた部分に後に折り畳みすることによって重ね合わされる部分に位置する2個の該領域と該折り込み部間で且つ2個の該谷折線に沿った折り畳みにおいて先に折り畳みされた部分に後に折り畳みすることによって重ね合わされる領域とにおいては、接着剤は該展開面において幅方向中心線と平行に延びる該外側紙層の該端縁を超えて外側に張り出して施されていて、該内側紙層における幅方向中心線と平行に延びる端縁部には施されておらず、
該開封端面が該展開面の幅方向中心線に平行に延在する2個の谷折線に沿って折り畳み重ね合わされると、後に折り畳みされた部分における接着剤が施された部位が、先に折り畳みされた部分該外側紙層における幅方向中心線と平行に延びる端縁に重ね合わされる、
ことを特徴とする紙袋。
【請求項2】
該内側紙層と該外側紙層とは長手方向にずらして積層されており、該充填端面においては該外側紙層が該内側紙層の端縁を超えて延出している、請求項1記載の紙袋。
【請求項3】
該展開面において、該折り込み部の該外側紙層の該端縁と該幅方向中心線との交点を中心とし且つ該内側紙層の該端縁よりも幅方向外側で且つ2個の該谷折線よりも内側の領域にも、接着剤が施されている、請求項記載の紙袋。
【請求項4】
該接着剤による接着は剥離自在であり、2個の該谷折線に沿って折り畳みして重ね合わせられた部分には、幅方向に延在する開封テープが内面に接着されている力紙が接着されている、請求項記載の紙袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の内側紙層と筒状の外側紙層とが積層されており、片端面が充填端面で他端面が開封端面である紙袋に関する。
【背景技術】
【0002】
各種合成樹脂粉体、小麦粉及びセメント等の粉体を収納する紙袋として、筒状の内側紙層と筒状の外側紙層とが積層されており、片端面が粉体を紙袋に充填するための充填端面で他端面が紙袋から粉体を排出するための開封端面である形態の紙袋が広く実用に供されている。内側紙層及び外側紙層は、通常、クラフト紙の如き充分な強度を有する紙から構成されている。開封端面は、内側紙層と外側紙層との開口端部の両側を内側に折り畳み、三角形状の折り込み部が両側に配設された展開面を生成し、次いでこの展開面の幅方向中心線に対して片端側及び他端側に変位し且つ幅方向中心線に平行に延在する2個の谷折線に沿って折り畳み重ね合わせて接着して形成されている。かような紙袋においては、内側紙層と外側紙層とが積層されていることに起因して、開封端面における2個の谷折線に沿った折り畳みが鋭利なものにならず、特に収納される粉体が微細なものである場合に、谷折線に沿った折り畳み部位から粉体が漏出してしまう傾向がある。
【0003】
上記のとおりの粉体の漏出を防止するために、下記特許文献1には、外側紙層の片端部においては幅方向両側部に矩形突出片を形成し、外側紙層の他端部においては幅方向両側部に上記矩形突出片に対応した矩形切欠を形成することが開示されている。外側紙層の他端部において幅方向両側部に矩形切欠を形成すると、展開面において三角形状の折り込み部の幅方向内側縁部には2個の谷折線を超えて延在する領域において外側紙層が存在せず内側紙層のみが存在することになり、それ故に折り込み部の幅方向内側縁部においては2個の谷折線に沿った折り畳みを鋭利なものにすることができ、かくして谷折線に沿った折り畳み部位からの粉体の漏出を可及的に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6249056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然るに、上記特許文献1に開示されている紙袋の製造に際しては、外側紙層の片端部においては幅方向両側部に矩形突出片を形成し、外側紙層の他端部においては幅方向両側部に上記矩形突出片に対応した矩形切欠を形成することが必要であり、かような矩形突出片及び矩形切欠を形成するためには幅方向及び長手方向に延びる複数個の切断刃を準備することが必要である。そしてまた、幅方向寸法或いは底幅寸法が異なった紙袋に共通して適用することができず、幅方向寸法或いは底幅寸法が異なった紙袋毎に、夫々、変更することが必要である。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、収納される粉体が微細なものである場合でも谷折線に沿った折り畳み部位から粉体が漏出することが可及的に防止されることに加えて、従来から一般に使用されている切断刃、即ち連続して延在する筒状の紙層を幅方向全体に渡って分断するためのミシン目を形成する切断刃或いは幅方向全体に渡って切断するための切断刃、をそのまま利用して製造することができると共に紙袋の幅方向寸法或いは底幅寸法が変動しても切断刃を変更する必要がない、新規且つ改良された紙袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、内側紙層が外側紙層の端縁を超えて延出している形態に内側紙層と外側紙層とを積層して開封端面を形成することによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する紙袋として、
筒状の内側紙層と筒状の外側紙層とが積層されており、片端面が充填端面で他端面が開封端面である紙袋において、
該開封端面においては該内側紙層が該外側紙層の端縁を超えて延出しており、
該開封端面は、該内側紙層と該外側紙層との開口端部の両側を幅方向内側に折り畳み、三角形状であって幅方向内側においては該内側紙層が該外側紙層の該端縁を超えて延出している折り込み部が両側に配設された展開面を生成し、次いで、該展開面の幅方向中心線に対して片端側及び他端側に変位し且つ幅方向中心線に平行に延在する2個の谷折線に沿って折り畳み重ね合わせて接着して形成され、
該展開面において、該折り込み部における2個の該谷折線よりも外側に位置する4個の領域の内の2個の該谷折線の折り畳みにおいて先に折り畳みされる部分に位置する2個の該領域においてはそれらの全体に亘って接着剤が施されているが、該折り込み部における2個の該谷折線よりも外側に位置する4個の該領域の内の2個の該谷折線の折り畳みにおいて先に折り畳みされた部分に後に折り畳みすることによって重ね合わされる部分に位置する2個の該領域と該折り込み部間で且つ2個の該谷折線に沿った折り畳みにおいて先に折り畳みされた部分に後に折り畳みすることによって重ね合わされる領域とにおいては、接着剤は該展開面において幅方向中心線と平行に延びる該外側紙層の該端縁を超えて外側に張り出して施されていて、該内側紙層における幅方向中心線と平行に延びる端縁部には施されておらず、
該開封端面が該展開面の幅方向中心線に平行に延在する2個の谷折線に沿って折り畳み重ね合わされると、後に折り畳みされた部分における接着剤が施された部位が、先に折り畳みされた部分該外側紙層における幅方向中心線と平行に延びる端縁に重ね合わされる、
ことを特徴とする紙袋が提供される。
【0009】
好ましくは、該内側紙層と該外側紙層とは長手方向にずらして積層されており、該充填端面においては該外側紙層が該内側紙層の端縁を超えて延出している。該展開面において、該折り込み部の該外側紙層の該端縁と該幅方向中心線との交点を中心とし且つ該内側紙層の該端縁よりも幅方向外側で且つ2個の該谷折線よりも内側の領域にも、接着剤が施されているのが好適である。該接着剤による接着は剥離自在であり、2個の該谷折線に沿って折り畳みして重ね合わせられた部分には、内面に幅方向に延在する開封テープが接着されている力紙が接着されているのが好都合である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の紙袋においては、展開面において幅方向両側に配設される三角形状の折り込み部においては、内側紙層が外側紙層の端縁を超えて延出している故に、2個の谷折線に沿った折り畳みの際に折り込み部の幅方向内側縁部において折り畳みを鋭利なものにすることができ、そしてまた折り込み部の幅方向内側部には内側紙層の内側縁から幅方向外側に幾分変位した部位に外側紙層の端縁によって段差が規定され、それ故に粉体が微細なものであっても2個の谷折線に沿った折り畳み部位からの粉体の漏出を可及的に防止することができる。加えて、本発明の紙袋の製造に際しては、連続して延在する筒状の内側紙層及び外側紙層を幅方向全体に渡って一直線上に分断すればよいので、従来から一般に使用されている切断刃、即ち連続して延在する筒状の紙層を幅方向全体に渡って分断するためのミシン目を形成する切断刃或いは幅方向全体に渡って切断するための切断刃、をそのまま使用することができ、紙袋の幅方向寸法或いは底幅寸法が変動しても切断刃を変更する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に従って構成された紙袋の好適実施形態の製造に使用される、積層された内側紙層及び外側紙層を示す正面図。
図2】本発明従って構成された紙袋の開封端面の展開面を示す正面図。
図3図2に示す展開面において接着剤が施される領域を模式的に示す正面図。
図4】開封端面を、2個の谷折線に沿って折り畳み重ね合わせて接着した状態で示す正面部。
図5】開封端面の所要部位に力紙を接着した状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明従って構成された紙袋を、その製造工程と共に詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明に従って構成された紙袋の好適実施形態を製造するのに使用される筒状積層体2が図示されている。この積層体2は筒状の内側紙層4と同様に筒状の外側紙層6とから構成されている。図示の実施形態においては、内側紙層4と外側紙層6とは長手方向(図1において上下方向)にずらして積層されており、紙袋の充填端面を構成する片端部(図1において上端部)においては外側紙層6が内側紙層4の端縁4aを超えて延出しており、紙袋の開封端面を構成する他端部(図1において下端部)においては内側紙層4が外側紙層6の端縁6bを超えて延出している。内側紙層4と外側紙層6との長手方向ずれ寸法、即ち内側紙層4の片端縁4aと外側紙層6の片端縁6aとの長手方向間隔L1及び内側紙層4の他端縁4bと外側紙層6の他端縁6bとの長手方向間隔L2は、製造される紙袋の幅方向寸法即ち内側紙層4及び外側紙層6の幅方向寸法にもよるが、20乃至30mm程度であるのが好適である。内側紙層4の片端縁4aと外側紙層6の片端縁6aとの長手方向間隔L1と内側紙層4の他端縁4bと外側紙層6の他端縁6bとの長手方向間隔L2とは実質上同一でよい。
【0014】
所望ならば、紙袋の開封端面を構成する端縁部に関しては、内側紙層4の他端縁4bが外側紙層6の他端縁6bを超えてL2だけ延出させるが、紙袋の充填端面を構成する端縁部に関しては、内側紙層4の片端縁4aと外側紙層6の片端縁6aとを実質上整合させることもできる。
【0015】
上記のとおりの積層体2は、次のとおりにして形成するのが好都合である。最初に、クラフト紙の如き充分な強度を有するのが好都合である帯状紙素材を筒状にして両側縁部を接着して、細長く延在する筒状の内側紙層素材を形成し、かかる内側紙層素材に長手方向に所定間隔をおいて、幅方向全体に渡って延在するミシン目を形成する。同様に、クラフト紙の如き充分な強度を有するのが好都合である帯状紙素材を筒状にして両側縁部を接着して、細長く延在する筒状の外側紙層素材を形成し、かかる外側紙層素材に長手方向に所定間隔をおいて、幅方向全体に渡って延在するミシン目を形成する。次いで、内側紙層素材に外側紙層素材を被嵌し、両者のミシン目位置を長手方向に所定寸法(即ちL1及びL2)ずらして積層する。しかる後に、内側紙層素材及び外側紙層素材をミシン目に沿って順次に切り離し、かくして積層体2を次々に形成する。内側紙層4と外側紙層6とは、相互に接着する必要はなく、単に積層するのみでよい。而して、内側紙層素材及び外側紙層素材に形成する上記ミシン目は、従来から一般に使用されている切断刃、即ち連続して延在する筒状の紙層を幅方向全体に渡って分断するためのミシン目を形成する切断刃、をそのまま使用することができ、そしてまた紙袋の幅方向寸法(内側紙層4及び外側紙層6の幅方向寸法或いは底幅寸法が変動しても切断刃を変更する必要がない。
【0016】
図1と共に図2を参照して説明を続けると、紙袋の開封端面を構成する端縁部(図1及び図2において下端縁部)においては、内側紙層4及び外側紙層6の開口端部の両側が幅方向内側に折り畳まれ、三角形状である折り込み部8が幅方向両側に配設された展開面10が生成される。而して、上述したとおり内側紙層4の他端4bは外側紙層6の他端6bを超えてL2だけ延出している故に、折り込み部8の各々の幅方向内側部においては内側紙層4の他端4bが外側紙層6の他端6bを超えて延出し、符号Aで示す領域においては外側紙層6が存在せず内側紙層4のみが存在する。領域Aの幅は上記間隔L2と同一である。
【0017】
次いで、展開面10における所要領域、即ち図3に交差斜線を付した領域、に接着剤、好ましくは剥離自在な接着を実現する接着剤、を施す。図示の実施形態においては、折り込み部8の各々における2個の谷折線Y1及びY2よりも外側に位置する4個の領域12と、折り込み部8間に位置し且つ谷折線Y2よりも外側に位置する領域14とに接着剤を施す。4個の領域12のうちの図3において下側に位置する2個の領域12(即ち後述する2個の谷折線Y1及びY2に沿った折り畳みにおいて先に折り畳みされる部分に位置する2個の領域12)においてはその全体に渡って接着剤を施すのが好都合である。一方、4個の領域12のうちの図3において上側に位置する2個の領域12(即ち後述する2個の谷折線Y1及びY2に沿った折り畳みにおいて後に折り畳みされる部分に位置する2個の領域12)及び領域14においては符号Bで示す外側端縁部を除いて接着剤を施すのが好都合である。後述するとおりにして折り畳まれ重ね合わされて接着された部分を剥離する際に、接着剤が施されない外側端縁部Bを指で挟んで剥離方向に強制することを可能にする。更に、展開面10における幅方向中心線Xと折り込み部8の各々における外側紙層6の端縁6bとの交点を中心とした領域16にも接着剤、好ましくは剥離自在な接着を実現する接着剤、が施されるのが好ましい。領域16の各々は、内側紙層4の端縁4bよりも幅方向外側で且つ2個の谷折線Y1及びY2よりも内側に位置する。上記2個の谷折線Y1及びY2は上記幅方向中心線Xに対して片端側(図2及び図3において下側)及び他端側(図2及び図3において上側)に変位して位置し且つ幅方向中心軸線Xと平行に延在する。幅方向中心軸線Xと谷折線Y1との間隔G1と幅方向中心軸線Xと谷折線Y2との間隔G2とは実質上同一であるのが好都合である。
【0018】
図4を参照して説明を続けると、次に谷折線Y1に沿って折り畳んで2個の領域12及び2個の領域16において接着し、しかる後に谷折線Y2に沿って折り畳んで2個の領域12において接着すると共に、先に折り畳んだ部分に後に折り畳んだ部分を重ね合わせて領域14において接着する。
【0019】
更に、図5に図示するとおり、2個の谷折線Y1及びY2に沿って折り畳まれ重ね合わされた部分、即ち谷折線Y1と谷折線Y2との間の領域、に力紙18を接着する。かかる接着は剥離自在である必要はない。クラフト紙の如き充分な強度を有する紙から構成することができる力紙18の内面には適宜の合成樹脂フィルムから形成することができる開封テープ20が接着されている。幅方向に延在する開封テープ20の片端部は力紙18の片側縁を超えて延出している。
【0020】
上述したとおりにして形成された開封端面22を備えた紙袋においては、展開面10において折り込み部8の幅方向内側部における符号A(図2及び図3)で示す領域においては外側紙層6が存在せず内側紙層4のみが存在する故に、かかる領域においては谷折線Y1及びY2に沿った折り畳みを鋭利なものにすることができ、これによって谷折線Y1及びY2に沿った折り畳み部位からの粉体の漏出が可及的に防止される。加えて、符号Aで示す領域の幅方向外側縁には外側紙層6の端縁6bによって段差が規定され、粉体の漏出が一層確実に防止される。
【0021】
紙袋における充填端面は任意の構成でよいが、特に、特許第6581818号公報或いは特許6068707号公報に開示されている形態であるのが好都合である。図1に図示するとおりの積層体2、即ち充填端面を構成する片端(図1において上端)においては外側紙層6が内側紙層4の片端4aを超えて延出している形態の積層体2、を使用して紙袋を製造する場合には、充填端面の展開図において内側紙層4が存在せず外側紙層6のみが存在する領域が生成され、充填端面の強度が局部的に低減される虞がある故に、外力紙と共に内力紙を配設することが望ましい。充填端部に配設される外力紙及び内力紙自体は当業者には周知の形態でよく、それ故に本明細書においては説明を省略する。
【0022】
上述したとおりの開封端面22を備えた紙袋内に収容されている粉体を排出する際には、力紙18に接着されている開封テープ20の延出端部を把持して力を加え、開封テープ20に沿って力紙18を破断する。しかる後に、剥離自在な接着を解除して谷折線Y2に沿って折り畳みを解除し、次いで谷折線Y1に沿った折り畳みを解除し、かくして展開面10を露呈させて折り込み部8間に排出開口を露呈させる。
【符号の説明】
【0023】
2:積層体
4:内側紙層
4a:内側紙層の片端縁
4b:内側紙層の他端縁
6:外側紙層
6a:外側紙層の片端縁
6b:外側紙層の他端縁
8:折り込み部
10:展開面
12:剥離可能な接着のための接着剤が施された領域
14:剥離可能な接着のための接着剤が施された領域
16:剥離可能な接着のための接着剤が施された領域
18:力紙
20:開封テープ
22:開封端面
A:内側紙層のみが存在する領域
B:接着剤が施されていない領域
X:幅方向中心線
Y1:谷折線
Y2:谷折線
図1
図2
図3
図4
図5