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特許7481139作業機械の周辺監視システム、作業機械、及び作業機械の周辺監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】作業機械の周辺監視システム、作業機械、及び作業機械の周辺監視方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20240501BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20240501BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240501BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240501BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
E02F9/26 B
E02F9/24 B
H04N7/18 J
G08B25/00 510M
G08B21/00 U
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020049548
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021147895
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】中沢 浩一
(72)【発明者】
【氏名】栗原 毅
(72)【発明者】
【氏名】下屋 芳之
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-198519(JP,A)
【文献】特開2011-170663(JP,A)
【文献】特開2017-145564(JP,A)
【文献】特開2009-193494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0122218(US,A1)
【文献】特開2019-157497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
E02F 9/24
H04N 7/18
G08B 25/00
G08B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の周辺の人を検出する検出部と、
警報を出力する警報部と、
前記作業機械の周辺に人が存在するか否かを判定する判定部と、
前記検出部が検出した前記人の身体の状態を判定する状態判定部と、
前記判定部の判定結果及び前記状態判定部の判定結果に基づいて、前記警報部による警報の出力を制御する警報制御部と、
を備え、
前記警報部は、前記作業機械の運転室の内側に向けて警報を出力する内側警報部と、前記作業機械の前記運転室の外側の異なる方向に向けて警報を出力する複数の外側警報部とを含み、
前記警報制御部は、前記判定部の判定結果及び前記状態判定部の判定結果に基づいて前記作業機械の周辺に規定される警報範囲の内側に人が存在する場合、前記内側警報部から警報を出力し、さらに、前記警報範囲の内側に存在する前記人が前記作業機械を認識している状態ではないと判定した場合、複数の前記外側警報部のうち、前記作業機械を認識している状態ではないと判定された前記人が検出された方向に向けて警報を出力する前記外側警報部による警報を出力する
作業機械の周辺監視システム。
【請求項2】
前記状態判定部は、前記人の両眼、片眼、顔部、胴体又は下肢が前記作業機械を向いていることが認識された場合、前記人が着用している眼鏡、マスク、衣服の前身頃又は靴のつま先部が認識された場合、の少なくともいずれかの条件を満たす場合に、前記人が前記作業機械を認識している状態であると判定する、
請求項1に記載の作業機械の周辺監視システム。
【請求項3】
前記警報制御部は、
記状態判定部によって、前記警報範囲の内側に存在する前記人が前記作業機械を認識していると判定した場合、前記外側警報部の出力を抑制する、
請求項1又は2に記載の作業機械の周辺監視システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記作業機械の周辺を撮影するカメラであり、
前記状態判定部は、前記カメラが撮影した画像に基づいて、人の身体の状態を判定する、
請求項1に記載の作業機械の周辺監視システム。
【請求項5】
前記検出部は、前記作業機械の周辺に複数配置され、
前記警報部は、前記検出部の周辺に配置される、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の作業機械の周辺監視システム。
【請求項6】
前記状態判定部は、前記人が前記作業機械を向いていると判定した後、前記人が前記作業機械を継続して向いていると判定する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の作業機械の周辺監視システム。
【請求項7】
前記状態判定部は、前記人が前記作業機械を継続して向いていると判定している場合において、前記人と前記作業機械との相対的な位置関係が変化した場合、前記人が前記作業機械を継続して向いていると判定することを終了する、
請求項に記載の作業機械の周辺監視システム。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の作業機械の周辺監視システムを備える、
作業機械。
【請求項9】
作業機械の運転室の内側に向けて警報を出力する内側警報部と、前記作業機械の前記運転室の外側の異なる方向に向けて警報を出力する複数の外側警報部とを含む、作業機械の周辺監視方法であって、
作業機械の周辺の人を検出することと、
前記作業機械の周辺に人が存在するか否かを判定することと、
検出した前記人の身体の状態を判定することと、
前記作業機械の周辺の人の存在の判定結果及び検出した前記人の身体の状態の判定結果に基づいて、前記作業機械の周辺に規定される警報範囲の内側に人が存在する場合、前記内側警報部から警報を出力し、さらに、前記警報範囲の内側に存在する前記人が前記作業機械を認識している状態ではないと判定した場合、複数の前記外側警報部のうち、前記作業機械を認識している状態ではないと判定された前記人が検出された方向に向けて警報を出力する前記外側警報部による警報を出力すること、
を含む、作業機械の周辺監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械の周辺監視システム、作業機械、及び作業機械の周辺監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、周辺監視装置を備える作業機械が知られている。特許文献1において、作業機械の運転室に周辺監視モニタが配置される。周辺監視モニタの表示部は、作業機械の周辺の俯瞰画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/159012号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周辺監視装置は、作業機械の周辺に、人が存在する場合、警報を出力する。これにより、作業機械の周辺の人が、作業機械の存在を認識している場合でも、警報が出力される。作業機械の周辺に人が存在する場合、人の状態に応じて、警報を出力したり、出力を抑制したりすることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に従えば、作業機械の周辺の人を検出する検出部と、警報を出力する警報部と、前記検出部が検出した前記人の身体の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部の判定結果に基づいて、前記警報部による警報の出力を制御する警報制御部と、を備える作業機械の周辺監視システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、作業機械の周辺に人が存在する場合、人の状態に応じて、警報の出力を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る作業機械を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る作業機械の運転室を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る上部旋回体を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る検出範囲及び警報範囲を説明する概略図である。
図5図5は、実施形態に係る周辺監視装置を示す機能ブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る表示部の俯瞰画像の表示例の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る表示部の俯瞰画像の表示例の他の例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る表示部の俯瞰画像の表示例の他の例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る表示部の俯瞰画像の表示例の他の例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る表示部の俯瞰画像の表示例の他の例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る表示部の俯瞰画像の表示例の他の例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る表示部の単カメラ画像の表示例の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る表示部の単カメラ画像の表示例の他の例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る周辺監視方法を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0009】
[作業機械]
図1は、実施形態に係る作業機械1を示す斜視図である。実施形態においては、作業機械1は、油圧ショベルとする。以下の説明においては、作業機械1を適宜、油圧ショベル1と称する。油圧ショベル1は、下部走行体2と、下部走行体2に支持される上部旋回体3と、上部旋回体3に支持される作業機4と、作業機4を駆動する油圧シリンダ5とを備える。
【0010】
下部走行体2は、上部旋回体3を支持した状態で走行可能である。下部走行体2は、一対の履帯を有する。履帯が回転することによって、下部走行体2が走行する。
【0011】
上部旋回体3は、下部走行体2に支持された状態で、下部走行体2に対して旋回軸RXを中心に旋回可能である。上部旋回体3は、油圧ショベル1の運転者が搭乗する運転室6を有する。運転室6には、運転者が着座する運転シート9が設けられる。
【0012】
作業機4は、上部旋回体3に連結されるブーム4Aと、ブーム4Aに連結されるアーム4Bと、アーム4Bに連結されるバケット4Cとを含む。油圧シリンダ5は、ブーム4Aを駆動するブームシリンダ5Aと、アーム4Bを駆動するアームシリンダ5Bと、バケット4Cを駆動するバケットシリンダ5Cとを含む。
【0013】
ブーム4Aは、ブーム回転軸AXを中心に回転可能に上部旋回体3に支持される。アーム4Bは、アーム回転軸BXを中心に回転可能にブーム4Aに支持される。バケット4Cは、バケット回転軸CXを中心に回転可能にアーム4Bに支持される。
【0014】
ブーム回転軸AXと、アーム回転軸BXと、バケット回転軸CXとは、平行である。ブーム回転軸AX、アーム回転軸BX、及びバケット回転軸CXと、旋回軸RXと平行な軸とは、直交する。以下の説明においては、旋回軸RXと平行な方向を適宜、上下方向、と称し、ブーム回転軸AX、アーム回転軸BX、及びバケット回転軸CXと平行な方向を適宜、左右方向、と称し、ブーム回転軸AX、アーム回転軸BX、及びバケット回転軸CXと旋回軸RXとの両方と直交する方向を適宜、前後方向、と称する。運転シート9に着座した運転者を基準として作業機4が存在する方向が前方であり、前方の逆方向が後方である。運転シート9に着座した運転者を基準として左右方向の一方が右方であり、右方の逆方向が左方である。下部走行体2の接地面から離れる方向が上方であり、上方の逆方向が下方である。
【0015】
運転室6は、上部旋回体3の前方に配置される。運転室6は、作業機4の左方に配置される。作業機4のブーム4Aは、運転室6の右方に配置される。
【0016】
[運転室]
図2は、実施形態に係る油圧ショベル1の運転室6を示す図である。油圧ショベル1は、運転室6に配置される操作部10を備える。操作部10は、油圧ショベル1の少なくとも一部の作動のために操作される。操作部10は、運転シート9に着座した運転者によって操作される。油圧ショベル1の作動は、下部走行体2の作動、上部旋回体3の作動、及び作業機4の作動の少なくとも一つを含む。
【0017】
操作部10は、上部旋回体3及び作業機4の作動のために操作される左作業レバー11及び右作業レバー12と、下部走行体2の作動のために操作される左走行レバー13及び右走行レバー14と、左フットペダル15及び右フットペダル16とを含む。
【0018】
左作業レバー11は、運転シート9の左方に配置される。左作業レバー11が前後方向に操作されることによって、アーム4Bがダンプ動作又は掘削動作する。左作業レバー11が左右方向に操作されることによって、上部旋回体3が左旋回又は右旋回する。右作業レバー12は、運転シート9の右方に配置される。右作業レバー12が左右方向に操作されることによって、バケット4Cが掘削動作又はダンプ動作する。右作業レバー12が前後方向に操作されることによって、ブーム4Aが下げ動作又は上げ動作する。
【0019】
左走行レバー13及び右走行レバー14は、運転シート9の前方に配置される。左走行レバー13は、右走行レバー14の左方に配置される。左走行レバー13が前後方向に操作されることによって、下部走行体2の左側の履帯が前進動作又は後進動作する。右走行レバー14が前後方向に操作されることによって、下部走行体2の右側の履帯が前進動作又は後進動作する。
【0020】
左フットペダル15及び右フットペダル16は、運転シート9の前方に配置される。左フットペダル15は、右フットペダル16の左方に配置される。左フットペダル15は、左走行レバー13と連動する。右フットペダル16は、右走行レバー14と連動する。左フットペダル15及び右フットペダル16が操作されることによって、下部走行体2が前進動作又は後進動作されてもよい。
【0021】
油圧ショベル1は、運転室6に配置される周辺監視モニタ20を備える。周辺監視モニタ20は、運転シート9の右前方に配置される。周辺監視モニタ20は、表示部21と、操作部22と、制御部23と、警報部である内側警報部24を有する。
【0022】
表示部21は、油圧ショベル1の周辺の状況を示す周辺画像データを表示する。表示部21は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイを含む。
【0023】
周辺画像データは、油圧ショベル1の周辺の俯瞰画像PDa及び単カメラ画像PDbの一方又は両方を含む。
【0024】
俯瞰画像PDaとは、検出部である複数のカメラ30のそれぞれで取得された複数の画像データを上方視点に変換して合成することによって生成される画像である。俯瞰画像PDaには、油圧ショベル1を示すシンボル画像1Sが表示される。シンボル画像1Sは、油圧ショベル1を上方から見た画像に相当する。シンボル画像1Sによって、油圧ショベル1と油圧ショベル1の周辺との位置関係が明確になる。
【0025】
単カメラ画像PDbとは、複数のカメラ30のうち1つのカメラ30で取得された油圧ショベル1の周辺の一部の画像である。単カメラ画像PDbは、後カメラ31で取得された油圧ショベル1の後方の状況を示す後方単カメラ画像PDb、右後カメラ32で取得された油圧ショベル1の右後方の状況を示す右後方単カメラ画像PDb、右前カメラ33で取得された油圧ショベル1の右前方の状況を示す右前方単カメラ画像PDb、及び左後カメラ34で取得された油圧ショベル1の左後方の状況を示す左後方単カメラ画像PDbの少なくとも一つを含む。
【0026】
操作部22は、運転者によって操作される複数のスイッチを含む。操作部22は、運転者によって操作されることによって、操作指令を出力する。
【0027】
制御部23は、コンピュータシステムを含む。
【0028】
内側警報部24は、作業機械1の運転室6の内側に向けて警報を出力する。実施形態では、内側警報部24は、ブザーであり、運転室6の内側に向けてブザーを出力する。
【0029】
警報とは、人が検出されたときに出力される出力情報である。実施形態において、警報は、内側警報部24又は後述する外側警報部60から出力されるブザーであるものとして説明するが、これに限定されない。警報は、表示部21に表示されるメッセージやシンボル表示、油圧ショベル1に設けられたパトライト(登録商標)、又は、運転室6に設けられた表示ランプやLED等による警告灯でもよい。パトライトである場合、運転室6の運転者に加えて、油圧ショベル1の周辺の者に注意を報知することができる。
【0030】
[カメラ]
図3は、実施形態に係る上部旋回体3を模式的に示す図である。油圧ショベル1は、複数のカメラ30を含むカメラシステム300を備える。複数のカメラ30は、上部旋回体3に設けられる。カメラ30は、撮像対象の画像を取得する。カメラ30は、作業機械1の周辺の人を検出する検出部として機能する。カメラ30は、作業機械1の周囲に複数配置される。実施形態では、カメラ30は、上部旋回体3の後部に設けられる後カメラ31と、上部旋回体3の右部に設けられる右後カメラ32及び右前カメラ33と、上部旋回体3の左部に設けられる左後カメラ34とを含む。
【0031】
後カメラ31は、上部旋回体3の後方領域を撮像する。右後カメラ32は、上部旋回体3の右後方領域を撮像する。右前カメラ33は、上部旋回体3の右前方領域を撮像する。左後カメラ34は、上部旋回体3の左後方領域を撮像する。複数のカメラ30(31、32、33、34)のそれぞれは、光学系と、イメージセンサとを有する。イメージセンサは、CCD(Couple Charged Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含む。
【0032】
なお、左後カメラ34は、上部旋回体3の左側方領域及び左後方領域の範囲を撮像するものであるが、そのどちらか一方を撮像するものであってもよい。同様に、右後カメラ32は、上部旋回体3の右側方領域及び右後方領域の範囲を撮像するものであるが、そのどちらか一方を撮像するものであってもよい。同様に、右前カメラ33は、上部旋回体3の右前方領域及び右側方領域の範囲を撮像するものであるが、そのどちらか一方を撮像するものであってもよい。また、カメラ30は、上部旋回体3の左後方、後方、右後方、及び右前方を撮像するが、これに限定されない。例えば、カメラ30の数は、図3に示す例と異なってもよい。例えば、カメラ30の撮像範囲は、図3に示す例と異なってもよい。
【0033】
実施形態において、運転室6の前方及び左前方を撮影するカメラは存在しない。運転シート9に着座した運転者は、運転室6の前方及び左前方の状況を直接視認できるためである。これにより、油圧ショベル1に設けられるカメラ30の数が抑制される。なお、運転室6の前方及び左前方の状況を示す画像データを取得するカメラ30は、設けられてもよい。
【0034】
図4は、実施形態に係る検出範囲A及び警報範囲Bを説明する概略図である。カメラ30は、人を検出可能な検出範囲Aを有する。検出範囲Aは、カメラ30の撮像可能範囲である視野範囲を含む。カメラ30によって取得された画像データが制御部23によって画像処理される。画像データは、画像処理されて、カメラ30の検出範囲Aに人が存在するか否かが判定される。
【0035】
[外側警報ユニット]
油圧ショベル1は、警報部である複数の外側警報部60を含む外側警報ユニット600を備える。複数の外側警報部60は、上部旋回体3に設けられる。複数の外側警報部60は、カメラ30の周辺に設けられる。複数の外側警報部60は、作業機械1の周辺の異なる方向に向けて警報を出力する。複数の外側警報部60は、作業機械1の運転室6の外側に向けて警報を出力する。実施形態では、複数の外側警報部60は、ブザーであり、運転室6の外側に向けてブザーを出力する。実施形態では、外側警報部60は、上部旋回体3の後部に設けられる外側警報部61と、上部旋回体3の右部に設けられる外側警報部62と、上部旋回体3の左部に設けられる外側警報部64とを含む。外側警報部61は、後カメラ31の周辺に配置される。外側警報部61は、作業機械1の後方に向けて警報を出力する。外側警報部62は、右後カメラ32及び右前カメラ33の周辺に配置される。外側警報部62は、右後方、右側方、及び右前方に向けて警報を出力する。外側警報部64は、左後カメラ34の周辺に配置される。外側警報部64は、左後方及び左側方に向けて警報を出力する。
【0036】
[周辺監視装置]
図5は、実施形態に係る周辺監視装置100を示す機能ブロック図である。油圧ショベル1は、周辺監視装置100を備える。周辺監視装置100は、油圧ショベル1の周辺を監視する。周辺監視装置100は、周辺監視モニタ20と、カメラシステム300と、外部警報ユニット600を備える。周辺監視モニタ20は、表示部21と、操作部22と、制御部23と、内側警報部24とを有する。カメラシステム300は、複数のカメラ30(31、32、33、34)を有する。外部警報ユニット600は、複数の外側警報部60(61、62、63、64)を有する。なお、周辺監視装置100は、表示部21と、操作部22とを備えない構成としてよい。また、周辺監視装置100は、外部警報ユニット600と内側警報部24のうち、どちらか一方のみ備える構成としてよい。
【0037】
制御部23は、コンピュータシステムを含む。制御部23は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理部41と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリを含む記憶部42と、入出力インターフェース43とを有する。
【0038】
演算処理部41は、画像データ取得部51と、表示データ生成部52と、人判定部53と、状態判定部54と、表示制御部55と、警報制御部56とを有する。
【0039】
記憶部42は、演算処理部41における処理で使用する各種データなどを記憶する。実施形態では、記憶部42は、人の特徴量を記憶する特徴量記憶部57と、警報範囲B(図4参照)を記憶する警報範囲記憶部58とを有する。
【0040】
特徴量は、人の輪郭、人の色などを含み、人の外観を特定する情報である。
【0041】
図4を用いて、警報範囲Bについて説明する。警報範囲Bは、人の存在によって警報の出力が要求される範囲である。警報範囲Bは、油圧ショベル1を囲むように設定される。人が警報範囲Bの内側に存在する場合、警報が出力される。人が警報範囲Bの外側に存在する場合、警報は出力されない。警報範囲Bは、検出範囲Aよりも小さい。警報範囲Bは、検出範囲Aの範囲と同じ、又は検出範囲Aより広くてもよい。
【0042】
実施形態において、警報範囲Bは、第1警報範囲Baと、第2警報範囲Bbとを含む。第2警報範囲Bbは、油圧ショベル1を囲むように設定される。油圧ショベル1は、第2警報範囲Bbの内側に配置される。第2警報範囲Bbは、第1警報範囲Baの内側に規定される。第2警報範囲Bbは、第1警報範囲Baよりも小さい。警報範囲Bは、1つでもよいし複数でもよい。
【0043】
実施形態において、第1警報範囲Ba及び第2警報範囲Bbのそれぞれは、矩形状である。第1警報範囲Baの前端部と第2警報範囲Bbの前端部とは一致する。第1警報範囲Baの後端部は、第2警報範囲Bbの後端部よりも後方に規定される。第1警報範囲Baの左端部は、第2警報範囲Bbの左端部よりも左方に規定される。第1警報範囲Baの右端部は、第2警報範囲Bbの右端部よりも右方に規定される。
【0044】
人が警報範囲Bの内側に存在する場合、警報が出力される。人が警報範囲Bの内側に存在しない場合、警報の出力が停止される。人が第2警報範囲Bbの内側に存在する場合、さらに作業機械1の車体の動作を制限してもよい。例えば、作業機械1が走行動作前又は旋回動作前においては、走行又は旋回動作の禁止制御である発進ロックを実施してよい。また、作業機械1が走行中であれば、下部走行体2の走行の停止や減速してもよい。また、旋回中であれば、上部旋回体3の旋回動作の停止や減速してもよい。また、作業機1などその他の車体の動作を抑制してもよい。
【0045】
入出力インターフェース43は、カメラシステム300、外部警報ユニット600、表示部21、操作部22、及び内側警報部24のそれぞれと接続される。
【0046】
画像データ取得部51は、カメラシステム300から画像データを取得する。画像データ取得部51は、後カメラ31から油圧ショベル1の後方の状況を示す画像データを取得する。画像データ取得部51は、右後カメラ32から油圧ショベル1の右後方の状況を示す画像データを取得する。画像データ取得部51は、右前カメラ33から油圧ショベル1の右前方の状況を示す画像データを取得する。画像データ取得部51は、左後カメラ34から油圧ショベル1の左後方の状況を示す画像データを取得する。
【0047】
表示データ生成部52は、画像データ取得部51によって取得された画像データに基づいて、油圧ショベル1の周辺の状況を示す周辺表示データを生成する。周辺表示データは、油圧ショベル1の周辺の俯瞰画像PDaと、油圧ショベル1の周辺の単カメラ画像PDbとを含む。より詳しくは、表示データ生成部52は、複数のカメラ30のそれぞれで取得された画像データに基づいて、油圧ショベル1の周辺の俯瞰画像PDaを生成する。表示データ生成部52は、複数のカメラ30のうち1つのカメラ30で取得された画像データに基づいて、単カメラ画像PDbを生成する。
【0048】
表示データ生成部52は、後カメラ31、右後カメラ32、右前カメラ33、及び左後カメラ34のそれぞれで取得された画像データを、油圧ショベル1の上方の仮想視点から見た上方視点画像を示す変換画像データにそれぞれに変換する。表示データ生成部52は、変換画像データから、俯瞰画像PDaを表示するフレーム領域に対応する部分を切り出す。表示データ生成部52は、切り出した変換画像データを合成する。これによって、油圧ショベル1の周辺の俯瞰画像PDaが生成される。また、表示データ生成部52は、俯瞰画像PDaに油圧ショベル1を示すシンボル画像1Sを合成する。シンボル画像1Sは、油圧ショベル1を上方から見た画像に相当する。シンボル画像1Sによって、油圧ショベル1と油圧ショベル1の周辺との相対的な位置関係が明確化される。
【0049】
実施形態では、運転室6の前方及び左前方の俯瞰画像は生成されない。運転室6の前方及び左前方の状況を示す画像データを取得するカメラ30を設けて、運転室6の前方及び左前方の俯瞰画像を生成してもよい。
【0050】
人判定部53は、画像データ取得部51によって取得された画像データに基づいて、油圧ショベル1の周辺に人が存在するか否かを判定する。人判定部53は、画像データ取得部51によって取得された画像データを画像処理することによって、警報範囲Bにおける人の存否を判定する。画像処理は、画像データから人の特徴量を抽出する処理を含む。人判定部53は、画像データから抽出した特徴量と、特徴量記憶部57に記憶された特徴量とを照合して、油圧ショベル1の周辺、言い換えると、警報範囲Bの内側に人が存在するか否かを判定する。さらに、人判定部53は、検出した人の作業機1に対する向きも合わせて認識してもよい。
【0051】
さらに、人判定部53は、第1警報範囲Baの外側、第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、又は、第2警報範囲Bbの内側のうち、どの範囲に人が存在するかを判定する。人判定部53は、画像データにおいて特徴量が抽出された位置と、警報範囲記憶部58に記憶された警報範囲Bとを照合して、特徴量が抽出された位置が、第1警報範囲Baの外側、第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、又は、第2警報範囲Bbの内側のいずれの範囲であるかを判定する。
【0052】
さらにまた、人判定部53は、図4に示す、検出範囲A1、検出範囲A2、検出範囲A3、又は、検出範囲A4のうち、どの検出範囲に人が存在するかを判定する。検出範囲A1は、検出範囲Aのうち右前方の範囲である。検出範囲A1は、右前カメラ33の撮像範囲と重なる。人判定部53は、右前カメラ33の撮像画像データから認識された人は、検出範囲A1に存在すると判定する。検出範囲A2は、検出範囲Aのうち右後方の範囲である。検出範囲A2は、右後カメラ32の撮像範囲と重なる。人判定部53は、右後カメラ32の撮像画像データから認識された人は、検出範囲A2に存在すると判定する。検出範囲A3は、検出範囲Aのうち後方の範囲である。検出範囲A3は、後カメラ31の撮像範囲と重なる。人判定部53は、後カメラ31の撮像画像データから認識された人は、検出範囲A3に存在すると判定する。検出範囲A4は、検出範囲Aのうち左側方及び左後方の範囲である。検出範囲A4は、左後カメラ34の撮像範囲と重なる。人判定部53は、左後カメラ34の撮像画像データから認識された人は、検出範囲A4に存在すると判定する。
【0053】
状態判定部54は、人判定部53が警報範囲Bの内側に人が存在すると判定した場合、画像データ取得部51によって取得された画像データに基づいて、人の状態が、警報を出力する状態であるか否かを判定する。
【0054】
人の状態とは、人の身体の状態を示す。身体の状態とは、人の向きを示す。なお、人の向きは、人の身体の前部の向きでもよいし、人の身体の一部の向きでもよい。人の身体の一部の向きは、例えば、人の両眼又は片目の向き、人の顔部の向き、人の胴体又は下肢の向き、人が着用している眼鏡又はマスクなどの向き、又は、人の衣服の前身頃または靴のつま先部の向きなどである。
【0055】
また、状態判定部54は、人判定部53が警報範囲Bの内側に人が存在すると判定した場合、画像データ取得部51によって取得された画像データに基づいて、人の状態が、警報を抑制する状態であるか否かを判定する。警報を抑制する状態とは、人が作業機械1を向いている状態、言い換えると、人が作業機械1を認識している状態である。
【0056】
状態判定部54は、例えば、画像データ取得部51によって取得された画像データに画像処理を行って、人の両眼又は片眼が作業機械1を向いていることが認識された場合、人が作業機械1を認識している状態であると判定する。状態判定部54は、例えば、画像データに画像処理を行って、人の顔部が作業機械1を向いていることが認識された場合、人が作業機械1を認識している状態であると判定する。状態判定部54は、例えば、画像データに画像処理を行って、人の胴体又は下肢が作業機械1を向いていることが検出された場合、人が作業機械1を認識している状態であると判定する。状態判定部54は、例えば、画像データに画像処理を行って、人が着用している眼鏡又はマスクが認識された場合、人が作業機械1を認識している状態であると判定する。状態判定部54は、例えば、画像データに画像処理を行って、人の衣服の前身頃又は靴のつま先部が認識された場合、人が作業機械1を認識している状態であると判定する。状態判定部54は、これらの条件を複数組み合わせて作業機械1を認識しているか否かを判定してもよい。状態判定部54は、油圧ショベル1の周辺に複数の人が存在する場合、すべての人について、作業機械1を認識しているか否かを判定する。人の状態とは、身体の状態を含み、身体の状態は、人の向きを含み、人の向きは、身体の前部の向きでも、一部の向きでもよい。
【0057】
状態判定部54は、一度、人が作業機械1を認識していると判定した後、人が作業機械1を継続して認識していると判定してもよい。また、状態判定部54は、一度、人が作業機械1を認識していると判定した後、所定期間経過前は、人が作業機械1を継続して認識していると判定し、所定期間経過後は、人が作業機械1を継続して認識していると判定することを終了してもよい。この場合、所定時間経過前に、人が作業機械1を認識していると判定した場合は、所定時間を延ばすようにしてもよい。なお、所定時間経過前に、作業機械1を認識されていると判定される人は、異なる人であってもよい。
【0058】
また、状態判定部54は、一度、人が作業機械1を認識していると判定した後、作業機械1の車体が動作して、車体位置が変化したり、旋回角度が変化したり、人が移動したり、人の顔部又は身体の向きがかわるなどした場合、人が作業機械1を継続して認識していると判定してもよい。また、状態判定部54は、人が作業機械1を継続して認識していると判定している場合において、作業機械1の車体が動作して、車体位置が変化したり、旋回角度が変化したり、人が移動しり、人の顔部または身体の向きが変わるなどした場合、人が作業機械1を継続して認識していると判定することを終了してもよい。例えば、左作業レバー11、右作業レバー12、左走行レバー13、右走行レバー14の操作情報をもとに、車体位置が変化、旋回角度が変化したことを判定することができる。
【0059】
表示制御部55は、表示部21に油圧ショベル1の周辺の状況を示す周辺画像データを表示させる。表示データは、周辺画像データを含む。周辺画像データは、俯瞰画像PDa及び単カメラ画像PDbを含む。実施形態において、表示制御部55は、少なくとも油圧ショベル1の周辺の俯瞰画像PDaを表示部21に表示させる。
【0060】
警報制御部56は、警報を制御する。より詳しくは、警報制御部56は、警報を出力させる作動指令、警報の出力を停止させる停止指令、及び警報の出力を抑制する抑制指令のいずれかを出力する。
【0061】
作動指令が出力されることによって、警報が出力される。例えば、警報が内側警報部24及び外側警報部60のブザーである場合、作動指令が出力されることによって、内側警報部24及び外側警報部60のブザーが出力される。例えば、警報が表示部21のメッセージやシンボルの表示である場合、作動指令が出力されることによって、表示制御部55の制御によって、表示部21にメッセージや、シンボルが出力される。
【0062】
停止指令が出力されることによって、警報の出力が停止される。例えば、警報が内側警報部24である場合、停止指令が出力されることによって、内側警報部24のブザーが停止される。例えば、警報が外側警報部60のブザーである場合、停止指令が出力されることによって、外側警報部60のブザーが停止される。例えば、警報が表示部21のメッセージやシンボルの表示である場合、停止指令が出力されることによって、表示制御部55の制御によって、表示部21にメッセージや、シンボルが出力されない。
【0063】
抑制指令が出力されることによって、警報の出力が抑制される。例えば、警報が内側警報部24である場合、抑制指令が出力されることによって、内側警報部24からブザーが出力されない、又は、音量が低減される。例えば、警報が外側警報部60である場合、抑制指令が出力されることによって、外側警報部60からブザーが出力されない、又は、音量が低減される。例えば、警報が表示部21のメッセージやシンボルの表示である場合、抑制命令が出力されることによって、表示部21にメッセージや、シンボルが出力されない、又は、表示の大きさが小さくなる。
【0064】
警報制御部56は、人判定部53の判定結果及び状態判定部54の判定結果の少なくともどちらかに基づいて、内側警報部24及び外側警報部60の少なくともどちらか一方による警報の出力を制御する。より詳しくは、警報制御部56は、作業機械1の周辺の人の有無に応じて、内側警報部24及び外側警報部60の少なくともどちらか一方による警報の出力と出力の停止とを制御する。警報制御部56は、さらに状態判定部54の判定結果に応じて、人が作業機械1を向いている場合、内側警報部24及び外側警報部60の少なくともどちらか一方による警報の出力を抑制する。
【0065】
例えば、警報制御部56は、人判定部53によって、人が第2警報範囲Bbの内側に存在すると判定された場合である「ケース1」の場合、内側警報部24及び外側警報部60から警報を出力する。
【0066】
例えば、警報制御部56は、人判定部53によって、人が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側に存在すると判定された場合である「ケース2」の場合、内側警報部24及び外側警報部60から警報を出力する。さらに、外側警報部60からの警報の出力は、次のようにして、検出範囲ごとに制御される。
【0067】
例えば、警報制御部56は、「ケース2」の場合であって、状態判定部54によって、検出範囲について、その検出範囲のすべての人の状態が、警報を抑制する状態であると判定された場合である「ケース3」の場合、作業機械1を向いている人が検出された方向に向けて警報を出力する外側警報部60からの警報の出力を抑制する。より詳しくは、警報制御部56は、状態判定部54の判定結果に基づいて、検出範囲について、人が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側に存在し、その検出範囲のすべての人が作業機械1を認識している状態であると判定された場合、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60からの警報の出力を抑制する。
【0068】
例えば、警報制御部56は、「ケース2」の場合であって、状態判定部54によって、検出範囲について、その検出範囲の一人以上の人の状態が、警報を抑制する状態ではないと判定された場合である「ケース4」の場合、作業機械1を向いている人が検出された方向に向けて警報を出力する外側警報部60から警報を出力する。より詳しくは、警報制御部56は、状態判定部54の判定結果に基づいて、検出範囲について、人が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側に存在し、その検出範囲の一人以上の人が作業機械1を認識している状態ではないと判定された場合、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60から警報を通常通り出力する。
【0069】
例えば、警報制御部56は、「ケース2」の場合であって、人判定部53によって、検出範囲について、その検出範囲に人が存在しないと判定された場合である「ケース5」の場合、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60からの警報の出力を停止する。
【0070】
例えば、警報制御部56は、人判定部53によって、人が警報範囲Bに存在しないと判定された場合である「ケース6」の場合、内側警報部24からの警報の出力を停止する。
【0071】
図6は、実施形態に係る表示部21の俯瞰画像PDaの表示例の一例を示す図である。図6に示す俯瞰画像PDaが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態ではないと判定される。「ケース4」の場合である。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、すべての外側警報部60又は検出範囲A2に対応する外側警報部63から警報を出力する。
【0072】
図7は、実施形態に係る表示部21の俯瞰画像PDaの表示例の他の例を示す図である。図7に示す俯瞰画像PDaが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態であると判定される。「ケース3」の場合である。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、外側警報部60のうち外側警報部63からの警報の出力が抑制される。
【0073】
図8は、実施形態に係る表示部21の俯瞰画像PDaの表示例の他の例を示す図である。図8に示す俯瞰画像PDaが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態であると判定される。人M2が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M2が作業機械1を認識している状態ではないと判定される。この例では、検出範囲A2に、作業機械1を認識している人M1と、作業機械1を認識していない人M2とが存在する。「ケース4」の場合である。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、すべての外側警報部60又は検出範囲A2に対応する外側警報部63から警報を出力する。
【0074】
図9は、実施形態に係る表示部21の俯瞰画像PDaの表示例の他の例を示す図である。図9に示す俯瞰画像PDaが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態であると判定される。状態判定部54によって、人M2が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A3に存在し、人M2が作業機械1を認識している状態であると判定される。状態判定部54によって、人M3が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A4に存在し、人M3が作業機械1を認識している状態ではないと判定される。この例では、検出範囲A2に、作業機械1を認識している人M1が存在し、検出範囲A3に、作業機械1を認識している人M2が存在し、検出範囲A4に、作業機械1を認識していない人M3が存在する。「ケース3」、「ケース4」の場合である。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、外側警報部60のうち外側警報部61、外側警報部62からの警報の出力が抑制され、外側警報部64からは、警報が出力される。
【0075】
図10は、実施形態に係る表示部21の俯瞰画像PDaの表示例の他の例を示す図である。図10に示す俯瞰画像PDaが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態であると判定される。状態判定部54によって、人M2が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M2が作業機械1を認識している状態ではないと判定される。状態判定部54によって、人M3が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A3に存在し、人M3が作業機械1を認識している状態であると判定される。状態判定部54によって、人M4が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A4に存在し、人M4が作業機械1を認識している状態ではないと判定される。この例では、検出範囲A2に、作業機械1を認識している人M1と、作業機械1を認識していない人M2とが存在し、検出範囲A3に、作業機械1を認識している人M2が存在し、検出範囲A4に、作業機械1を認識していない人M3が存在する。「ケース3」、「ケース4」の場合である。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、外側警報部60のうち外側警報部61からの警報の出力が抑制され、外側警報部62、外側警報部64からは、警報が出力される。
【0076】
図11は、実施形態に係る表示部21の俯瞰画像PDaの表示例の他の例を示す図である。図11に示す俯瞰画像PDaが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第2警報範囲Bbの内側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態であると判定される。「ケース1」の場合である。この場合、この例では、人M1は、作業機械1を認識しているが、第2警報範囲Bbの内側に存在し、作業機械1との距離が近いので、警報を抑制せずに出力する。この場合、警報制御部56によって、外側警報部62を含む、すべての外側警報部60から、警報が出力される。
【0077】
図12は、実施形態に係る表示部21の単カメラ画像PDbの表示例の一例を示す図である。図12に示す、右後カメラ32の単カメラ画像PDbが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態であると判定される。「ケース3」の場合である。人M1の位置は、例えば、画像の高さ方向に占める人M1の高さ、又は、画像における人M1の表示位置によって、判定可能である。人M1の位置は、例えば、ステレオカメラで撮影された画像に基づいて、判定してもよい。他の単カメラ画像PDbには、人が表示されていないものとする。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、外側警報部60のうち外側警報部63からの警報の出力が抑制される。
【0078】
図13は、実施形態に係る表示部21の単カメラ画像の表示例の他の例を示す図である。図13に示す、右後カメラ32の単カメラ画像PDbが表示部21に表示されている状態では、状態判定部54によって、人M1が第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、かつ、検出範囲A2に存在し、人M1が作業機械1を認識している状態ではないと判定される。「ケース4」の場合である。他の単カメラ画像PDbには、人が表示されていないものとする。この場合、警報制御部56によって、状態判定部54の判定結果に基づいて、すべての外側警報部60又は検出範囲A2に対応する外側警報部63から警報を出力する。
【0079】
[周辺監視方法]
図14は、実施形態に係る周辺監視方法を示すフローチャートである。油圧ショベル1がキーオンされると、周辺監視装置100が起動する。周辺監視装置100が起動した直後においては、周辺監視装置100は、油圧ショベル1の周辺の人の存在によって警報が出力される。
【0080】
カメラ30は、油圧ショベル1の周辺を撮像する。画像データ取得部51は、カメラ30から画像データを取得する(ステップSP1)。
【0081】
表示データ生成部52は、周辺画像データを生成する。表示データ生成部52は、複数のカメラ30が撮影した画像データから俯瞰画像PDaを生成する(ステップSP2)。
【0082】
表示制御部55は、俯瞰画像PDaを表示部21に表示させる(ステップSP3)。
【0083】
なお、ステップSP2において単カメラ画像PDbを生成し、ステップSP3において単カメラ画像PDbを表示するようにしてもよい。または、ステップSP2で俯瞰カメラ画像PDa及び単カメラ画像PDbを生成し、ステップSP3で俯瞰カメラ画像PDa及び単カメラ画像PDbを表示するようにしてもよい。
【0084】
人判定部53は、警報範囲Bに人が存在するか否かを判定する(ステップSP4)。より詳しくは、人判定部53は、画像データから抽出した特徴量と、特徴量記憶部57に記憶された特徴量とを照合して、警報範囲Bに人が存在するか否かを判定する。さらに、人判定部53は、第1警報範囲Baの外側、第1警報範囲Baの内側かつ第2警報範囲Bbの外側、又は、第2警報範囲Bbの内側のうち、どの範囲に人が存在するかを判定する。さらにまた、人判定部53は、検出範囲A1、検出範囲A2、検出範囲A3、又は、検出範囲A4のうち、どの範囲に人が存在するかを判定する。
【0085】
人判定部53によって警報範囲Bに人が存在すると判定された場合(ステップSP4でYes)、検出範囲ごとに、ステップS5ないしステップSP7の処理が実行される。人判定部53によって警報範囲Bに人が存在しないと判定された場合(ステップSP4でNo)、ステップSP7へ進む。
【0086】
人判定部53によって警報範囲Bに人が存在すると判定された場合(ステップSP4でYes)、状態判定部54は、警報を出力する状態であるか否かを判定する(ステップSP5)。より詳しくは、状態判定部54は、人の顔部又は身体の向きなどに基づいて、人の状態が、人が作業機械1を認識している状態であるか否かを判定する。状態判定部54は、警報範囲Bに複数の人が存在する場合、すべての人について、作業機械1を認識しているか否かを判定する。状態判定部54によって警報を出力する状態であると判定された場合(ステップSP5でYes)、ステップSP6へ進む。状態判定部54によって警報を出力する状態ではないと判定された場合(ステップSP5でNo)、ステップSP7へ進む。
【0087】
状態判定部54によって警報を出力する状態であると判定された場合(ステップSP5でYes)、警報制御部56によって警報を出力させる作動指令を出力する(ステップSP6)。警報制御部56は、作業範囲Bに作業機械1を認識していない人が存在する場合、警報を出力する。例えば、警報制御部56は、人判定部53によって、人が第2警報範囲Bbの内側に存在すると判定された場合である「ケース1」の場合、内側警報部24及び外側警報部60から警報を出力する。または、警報制御部56は、「ケース2」の場合であって、状態判定部54によって、検出範囲について、その検出範囲の一人以上の人の状態が、警報を抑制する状態ではないと判定された場合である「ケース4」の場合、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60から警報を出力する。
【0088】
状態判定部54によって警報を出力する状態ではないと判定された場合(ステップSP5でNo)、警報制御部56は、警報の出力を停止させる停止指令を出力する(ステップSP7)。ここで、警報を出力する状態ではないとは、警報を出力しないこと、出力を抑制することとを含む。また、停止指令とは、警報の出力を抑制する抑制指令を含む。警報制御部56は、作業範囲Bに人が存在しない場合、または、作業範囲Bに作業機械1を認識している人のみが存在する場合(すべての人が作業機械1を認識している場合)、警報の出力を抑制する。例えば、状態判定部54によって警報を抑制する状態であると判定された場合には、警報制御部56によって警報の出力を抑制する抑制指令を出力する。より詳しくは、警報制御部56は、「ケース2」の場合であって、状態判定部54によって、検出範囲について、その検出範囲のすべての人の状態が、警報を抑制する状態であると判定された場合である「ケース3」の場合、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60からの警報の出力を抑制し、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60からの警報を出力しない。
【0089】
また、人が第2警報範囲Bbの内側に存在する場合、作業機械1の車体の動作を制限するようにしてもよい。
【0090】
上記の処理を繰り返し実行することで、周辺監視装置100は、油圧ショベル1の周辺監視を行う。これにより、例えば、警報制御部56は、「ケース2」の場合であって、人判定部53によって、検出範囲について、その検出範囲に人が存在しないと判定された場合である「ケース5」の場合、その検出範囲を向いて配置された外側警報部60からの警報の出力を停止する。警報制御部56は、人判定部53によって、警報範囲Bに人が存在しないと判定された場合である「ケース6」の場合、内側警報部24からの警報の出力を停止する。
【0091】
なお、図14に示すフローチャートは一例であり、他の実施形態においては、必ずしもすべてのステップを実行しなくてもよい。例えば、周辺監視装置100は、ステップSP2、ステップSP3を実行しなくてもよい。
【0092】
[コンピュータシステム]
図15は、実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述の制御部23は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の制御部23の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、コンピュータプログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0093】
コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、作業機械1の周辺の人を検出することと、警報を出力することと、検出した人の状態を判定することと、作業機械1の周辺の人の有無に応じて、警報の出力を制御することと、人の状態の判定結果に応じて、警報の出力を抑制することと、を実行させることができる。
【0094】
このように、例えば、人の顔部が作業機械1を向いている等によって作業機械1を認識していると判定された場合には、警報の出力を抑制する。警報は、内側警報部24でもよいし、外側警報部60でもよい。なお、内側警報部24及び外側警報部60を両方備えていてもよいし、どちらか一方を備えていてもよい。内側警報部24及び外側警報部60を両方備えている場合であって、例えば、人の顔部が作業機械1を向いている等によって作業機械1を認識していると判定された場合には、両方の警報の出力を抑制してもよいし、どちらか一方の警報の出力を抑制してもよい。
【0095】
[効果]
以上説明したように、作業機械1の周辺に人が存在し、人が作業機械1を認識している場合、警報の出力を抑制する。このようにして、実施形態によれば、作業機械1の周辺に人が存在する場合、人の状態に応じて、警報の出力を制御できる。実施形態によれば、必要性の低い警報の出力を抑制できる。
【0096】
実施形態では、作業機械1の外側に向けて警報を出力する外側警報部60と、作業機械1の運転室6の内側に向けて警報を出力する内側警報部24とを有する。実施形態は、作業機械1の周辺に人が存在する場合、人の状態に応じて、外側警報部60による警報の出力を抑制できる。実施形態によれば、運転者には、作業機械1の周辺に人が存在する場合、人の状態によらず、警報を出力できる。
【0097】
実施形態では、作業機械1の外側の異なる方向に向けて警報を出力する、複数の外側警報部60を含む。実施形態は、複数の外側警報部60のうち、作業機械1を向いている人が検出された方向に向けて警報を出力する外側警報部60による警報の出力を抑制できる。実施形態によれば、作業機械1を向いていない人が存在する方向に向けて警報を出力する外側警報部60からは警報を出力できる。
【0098】
実施形態では、作業機械1の周辺を撮影するカメラ30が撮影した画像に基づいて、人の状態を判定する。実施形態によれば、人の状態を判定するために、追加のセンサ、又は、カメラなどを設置する必要がない。
【0099】
実施形態では、一度、人が作業機械1を認識していると判定した後、人の顔部又は身体の向きが変わるなどした場合でも、人が作業機械1を継続して認識していると判定する。本実施形態によれば、人と作業機械1との相対位置が変化した場合に、より適切に警報の出力を抑制できる。より詳しくは、人が作業機械1を認識していると判定した後に、例えば、人が移動する場合や、作業機械1の車体位置が変化することで、人と作業機械1との相対位置が変化する毎に、警報の出力、抑制が変化し、警報が煩わしくなることを防止できる。また、本実施形態によれば、作業機械1が揺れた場合や、作業機械1が掘削積み込み等の決まった動作をして、人が作業機械1を認識していると判定された状態と人が作業機械1を認識していると判定されない状態の境界がばらつくような場合に、警報が出力されたり抑制されたりすることが繰り返され、煩わしくなることを防止できる。
【0100】
実施形態では、人が作業機械1を継続して認識していると判定している場合において、作業機械1の車体が動作して、車体位置が変化したり、旋回角度が変化したりした場合、人が作業機械1を継続して認識していると判定することを終了する。本実施形態によれば、人と作業機械1との相対的な位置関係が変化した場合、適切に警報を出力できる。
【0101】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、検出部が作業機械1の周辺を撮影するカメラ30であることとした。検出部は、カメラ30に限定されない。検出部は、油圧ショベル1に設けられたステレオカメラでもよいし、レーダ装置でもよいしレーザ装置でもよい。
【0102】
上述の実施形態においては、周辺監視モニタ20が、表示部21と操作部22と制御部23と内側警報部24とを含むこととした。表示部21と操作部22と制御部23と内側警報部24は、一部が別体でもよいし、それぞれが別体でもよい。例えば、表示部21は、タブレット型パーソナルコンピュータのように、作業機械の外部に設けられる表示部であってもよい。なお、周辺監視モニタ20の外に設ける操作部22は、運転室6内の他の場所に配置してもよいし、運転室6の外部に設けるようにしてもよい。また、周辺監視モニタ20が含む操作部22に加えて上記の操作部22を設けるようにしてもよい。
【0103】
上記の実施形態においては、外側警報部60は複数設置されているものとしたが、これに限定されず、外側警報部60は1つでもよい。外部警報ユニット600は、1つの外側警報部60で構成されてもよい。
【0104】
上述の実施形態においては、内側警報部24及び外側警報部60はブザーを出力することとした。内側警報部24及び外側警報部60は、音声出力装置であってもよい。この場合、警報は、音声出力装置から出力される音声であってもよい。また、内側警報部24及び外側警報部60は、警告灯であってもよい。
【0105】
上記の実施形態においては、周辺表示データは、俯瞰画像PDaと単カメラ画像PDbとを含むとして説明したが、これに限定さない。周辺表示データは、俯瞰画像PDaと単カメラ画像PDbとのどちらか一方でもよい。また、上記の実施形態においては、周辺表示データが表示されるものとして説明したが、周辺表示データは表示されなくてもよい。
【0106】
また、上述した実施形態に係る周辺監視装置100は、1台の周辺監視装置100が作業機械1に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、周辺監視装置100の一部の構成を他の制御装置に配置し、2台以上の周辺監視装置100からなる周辺監視システムによって実現されてもよい。なお、上述の実施形態に示す1台の周辺監視装置100も、周辺監視システムの一例である。
【0107】
また、上述した実施形態に係る周辺監視装置100は、作業機械1に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、周辺監視装置100の一部、又は全部の構成が作業機械1の外部に設置されてもよい。例えば、他の実施形態においては、周辺監視装置100は、遠隔操作に係る作業機械1を制御するものであってもよい。
【0108】
上述の実施形態において、油圧ショベル1は、鉱山などで使用されるマイニング用油圧ショベルでもよいし、建設現場において用いられる油圧ショベルでもよい。また、ダンプトラックや、ホイールローダや他の作業機械用の周辺監視システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1…油圧ショベル(作業機械)、1S…シンボル画像、2…下部走行体、3…上部旋回体、4…作業機、4A…ブーム、4B…アーム、4C…バケット、5…油圧シリンダ、5A…ブームシリンダ、5B…アームシリンダ、5C…バケットシリンダ、6…運転室、9…運転シート、10…操作部、11…左作業レバー、12…右作業レバー、13…左走行レバー、14…右走行レバー、15…左フットペダル、16…右フットペダル、20…周辺監視モニタ、21…表示部、22…操作部、23…制御部、24…内側警報部(警報部)、30…カメラ(検出部)、31…後カメラ、32…右後カメラ、33…右前カメラ、34…左後カメラ、41…演算処理部、42…記憶部、43…入出力インターフェース、51…画像データ取得部、52…表示データ生成部、53…人判定部、54…状態判定部、55…表示制御部、56…警報制御部、57…特徴量記憶部、58…警報範囲記憶部、60…外側警報部(警報部)、61…外側警報部、62…外側警報部、63…外側警報部、64…外側警報部、100…周辺監視装置、300…カメラシステム、600…外側警報ユニット、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、A…検出範囲、A1…検出範囲、A2…検出範囲、A3…検出範囲、A4…検出範囲、AX…ブーム回転軸、B…警報範囲、Ba…第1警報範囲、Bb…第2警報範囲、BX…アーム回転軸、CX…バケット回転軸、PDa…俯瞰画像、PDb…単カメラ画像、RX…旋回軸。
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