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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】電動ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/72 20060101AFI20240501BHJP
   E06B 9/42 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
E06B9/72
E06B9/42 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020113601
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022012065
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】岡部 健邦
(72)【発明者】
【氏名】高木 学
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-150901(JP,A)
【文献】特開2019-206863(JP,A)
【文献】特開2019-143293(JP,A)
【文献】特開2019-082023(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0241201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17、9/322、9/42、9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターと、巻取パイプと、サイドブラケットと、エンコーダと、リモコン受信部と、前記エンコーダの信号を処理するエンコーダ回路基板と、前記リモコン受信部の信号を処理する受光部回路基板とを備え、
前記モーターは、前記巻取パイプを回転させるように構成され、
前記エンコーダは、前記巻取パイプの回転を監視するように構成され、
前記リモコン受信部は、リモコン信号を受信するように構成され、
前記サイドブラケットには、少なくとも1つのケースが設けられ、
前記少なくとも1つのケース内には、前記エンコーダ及び前記リモコン受信部が収容されており
前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、前記サイドブラケットに設けられている、電動ロールスクリーン。
【請求項2】
請求項に記載の電動ロールスクリーンであって、
前記エンコーダ、前記エンコーダ回路基板、前記リモコン受信部、及び前記受光部回路基板は、同じ前記ケース内に収容されている、電動ロールスクリーン。
【請求項3】
請求項に記載の電動ロールスクリーンであって、
前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、一体として構成される一体型基板である、電動ロールスクリーン。
【請求項4】
請求項に記載の電動ロールスクリーンであって、
前記一体型基板は、前記ケース内において回転が規制されるように、前記ケースに対して少なくとも4箇所以上で係合している、電動ロールスクリーン。
【請求項5】
請求項又は請求項に記載の電動ロールスクリーンであって、
前記モーターに接続される配線は、前記モーター側から前記ケース内に引き入れられ、前記一体型基板に接続されている、電動ロールスクリーン。
【請求項6】
請求項~請求項の何れか1つに記載の電動ロールスクリーンであって、
前記巻取パイプは、前記ケースを介して前記サイドブラケットに支持され、
前記ケースと前記サイドブラケットとの間の空間には、前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板が設けられている、電動ロールスクリーン。
【請求項7】
請求項~請求項の何れか1つに記載の電動ロールスクリーンであって、
前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、板状部材であり、
前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、前記サイドブラケットに対向するように、前記サイドブラケットに平行に設けられている、電動ロールスクリーン。
【請求項8】
請求項~請求項の何れか1つに記載の電動ロールスクリーンであって、
前記リモコン受信部は、前記エンコーダ回路基板よりも下側に配置されている、電動ロールスクリーン。
【請求項9】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の電動ロールスクリーンであって、
フレームと、設定スイッチ部を更に備え、
前記リモコン受信部は、複数の受光素子を有し、
前記フレームは、前記サイドブラケットを支持しており、
前記ケースは、前記フレームの下側に設けられ、
前記設定スイッチ部は、前記ケースの外周部に配置され、且つ、前記設定スイッチ部は、前記複数の受光素子の間に配置されている、電動ロールスクリーン。
【請求項10】
モーターと、巻取パイプと、サイドブラケットと、エンコーダと、リモコン受信部と、フレームと、設定スイッチ部とを備え、
前記モーターは、前記巻取パイプを回転させるように構成され、
前記エンコーダは、前記巻取パイプの回転を監視するように構成され、
前記リモコン受信部は、リモコン信号を受信するように構成され、且つ、前記リモコン受信部は、複数の受光素子を有し、
前記サイドブラケットには、少なくとも1つのケースが設けられ、
前記少なくとも1つのケース内には、前記エンコーダ及び前記リモコン受信部が収容されており
前記フレームは、前記サイドブラケットを支持しており、
前記ケースは、前記フレームの下側に設けられ、
前記設定スイッチ部は、前記ケースの外周部に配置され、且つ、前記設定スイッチ部は、前記複数の受光素子の間に配置されている、電動ロールスクリーン。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の電動ロールスクリーンであって、
発光素子を更に備え、
前記発光素子は、前記設定スイッチ部に付設されている、電動ロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リモコン受信部がリモートコントローラから出力される信号を受け付けると、モーターが駆動して巻取パイプが回転し、スクリーンが自動的に巻取パイプに巻き取られる又は巻き戻される電動遮蔽装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電動遮蔽装置は、サイドブラケットに回動自在に設けられたケース内に、リモコン受信部が収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3132143号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電動遮蔽装置はエンコーダを備えていないが、サイドブラケットに、エンコーダ及びリモコン受信部の両方を設けると、サイドブラケット周辺の構造が煩雑になる可能性がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、サイドブラケット周辺の構造が煩雑になることを抑制することができる電動ロールスクリーンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、モーターと、巻取パイプと、サイドブラケットと、エンコーダと、リモコン受信部とを備え、前記モーターは、前記巻取パイプを回転させるように構成され、前記エンコーダは、前記巻取パイプの回転を監視するように構成され、前記リモコン受信部は、リモコン信号を受信するように構成され、前記サイドブラケットには、少なくとも1つのケースが設けられ、前記少なくとも1つのケース内には、前記エンコーダ及び前記リモコン受信部が収容されている、電動ロールスクリーンが提供される。
【0007】
本発明によれば、エンコーダ及びリモコン受信部が、サイドブラケットに設けられているケースに収容されているので、構成が煩雑化することを抑制することができる。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記エンコーダの信号を処理するエンコーダ回路基板と、前記リモコン受信部の信号を処理する受光部回路基板とを更に備え、前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、前記サイドブラケットに設けられている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記エンコーダ、前記エンコーダ回路基板、前記リモコン受信部、及び前記受光部回路基板は、同じ前記ケース内に収容されている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、一体として構成される一体型基板である、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記一体型基板は、前記ケース内において回転が規制されるように、前記ケースに対して少なくとも4箇所以上で係合している、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記モーターに接続される配線は、前記モーター側から前記ケース内に引き入れられ、前記一体型基板に接続されている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記巻取パイプは、前記ケースを介して前記サイドブラケットに支持され、前記ケースと前記サイドブラケットとの間の空間には、前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板が設けられている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、板状部材であり、前記エンコーダ回路基板及び前記受光部回路基板は、前記サイドブラケットに対向するように、前記サイドブラケットに平行に設けられている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、前記リモコン受信部は、前記エンコーダ回路基板よりも下側に配置されている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、フレームと、設定スイッチ部を更に備え、前記リモコン受信部は、複数の受光素子を有し、前記フレームは、前記サイドブラケットを支持しており、前記ケースは、前記フレームの下側に設けられ、前記設定スイッチ部は、前記ケースの外周部に配置され、且つ、前記設定スイッチ部は、前記複数の受光素子の間に配置されている、電動ロールスクリーンが提供される。
好ましくは、発光素子を更に備え、前記発光素子は、前記設定スイッチ部に付設されている、電動ロールスクリーンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、実施形態に係る電動ロールスクリーン100の正面図である。図1Bは、図1Aに示す領域Bの拡大図である。
図2図2は、図1Aに示す電動ロールスクリーン100の右側面図である。
図3図3は、電動ロールスクリーン100の分解斜視図である。
図4図4は、フレーム1、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電気分岐ユニット11の分解斜視図である。
図5図5は、モーターユニット8の分解斜視図である。
図6図6は、図5とは異なる方向からモーターユニット8を見たときにおける、モーターユニット8の分解斜視図である。
図7図7は、モーターユニット8からサイドブラケット3を取り外した状態を示した下側斜視図である。図7では、押込部8c24を本体8c21から分離した状態を示している。
図8図8は、モーターユニット8からサイドブラケット3を取り外した状態を示した上側斜視図である。図8では、押込部8c24が本体8c21に取り付けられた状態を示している。
図9図9は、ケース支持部8c、回路基板8f及びサイドブラケット3、及び下固定部材3a5の分解斜視図である。
図10図10Aは、ケース支持部8c及び回路基板8fの右側面図である。図10Aでは、ケース支持部8cの押込部8c24、外周面部8c26及び保護部8c3については、説明の便宜上、巻取パイプ7の軸に直交する切断面で示している。図10Bは、図10Aの前側の受光部ユニット8hu及びその周辺の拡大図である。
図11図11は、保護部8c3に複数の切欠8c31が形成されている状態を示す斜視図である。
図12図12Aは、フレーム1の長手方向の端部の構造を示す斜視図である。図12Bは、フレーム1と保護部8c3とが連結している状態を示す斜視図である。
図13図13は、ケース支持部8cの変形例を示す、ケース支持部8c及び回路基板8fの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の電動ロールスクリーンを説明する。
【0011】
1 全体構成
図1A図2に示すように、電動ロールスクリーン100(電動遮蔽装置の一例)は、フレーム1と、ブラケット2と、一対のサイドブラケット3と、スクリーン4と、ウェイトバー5と、シールド6と、巻取パイプ7と、モーターユニット8と、電源制御ユニット9と、モーター制御ユニット10と、電気分岐ユニット11とを備えている。なお、以下の説明において、左右の方向は、電動ロールスクリーン100を正面からから見た状態(図1Aに示す状態)を基準としている。
【0012】
図1Aに示すように、フレーム1は、巻取パイプ7に平行に延びる長尺状部材である。フレーム1の両端部近傍は、それぞれブラケット2によって支持されている。また、フレーム1は、金属製の材料で構成することができる。図4に示すように、フレーム1は、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電気分岐ユニット11を収容できるように、凹状に形成されている。なお、ブラケット2は、建物等の取付面(例えば窓枠や壁面等)に固定される。図1Aに示すように、フレーム1の両端部には、それぞれ、サイドブラケット3が取り付けられている。図2に示すように、フレーム1の正面(前面)には、シールド6が取り付けられている。このため、室外光が、フレーム1と巻取パイプ7との間の隙間から室内に入射することを抑制することができる。
【0013】
図5及び図6に示すように、サイドブラケット3は、金属製の本体部材3aと、樹脂製のカバー部材3bとを備えている。つまり、サイドブラケット3は、本体部材3aを有するため、導電部材である。本体部材3aは、板状に構成されている。図2及び図9に示すように、本体部材3aには、引掛部3a1と、上穴部3a2と、下穴部3a3とが形成されている。本体部材3a及びフレーム1は、共に、スクリーン4(遮蔽材)を支持する金属製部材であり、本体部材3aは、図3に示すように、本体部材3aの引掛部3a1を介して、フレーム1に直に接触している。更に、図1に示すように、フレーム1は、少なくとも一部が金属で構成されたブラケット2によって支持されている。このため、建物の取付面は、ブラケット2、フレーム1及び本体部材3aに導通している。
【0014】
図5図6及び図9に示すように、サイドブラケット3の引掛部3a1は、本体部材3aの上部に形成されており、フレーム1に引っ掛けられる。図2及び図9に示すように、上穴部3a2は、上固定部材3a4(例えばネジ)が挿入され、この上固定部材3a4が、フレーム1の係合部1a2の隙間に挿入されて係合部1a2に締結されることで、本体部材3aがフレーム1に固定される。図2及び図9に示すように、下穴部3a3には、下固定部材3a5(例えば、ネジ)が挿入され、この下固定部材3a5が、ケース支持部8cに締結されることで、モーターユニット8がサイドブラケット3に固定される。電動ロールスクリーン100の右側部において、巻取パイプ7は、モーターユニット8に支持され、モーターユニット8は、本体部材3aに支持され、本体部材3aは、フレーム1に支持されている。図2に示すように、カバー部材3bは、上述した上固定部材3a4及び下固定部材3a5のネジ頭を隠すように、本体部材3aに取り付けられている。カバー部材3bは、シールド6の横移動(電動ロールスクリーン100の左右方向の移動)を防止する機能も有する。
【0015】
図1A及び図1Bに示すように、巻取パイプ7は、右側のサイドブラケット3と左側のサイドブラケット3と間に回転可能に設けられている。巻取パイプ7は、サイドブラケット3によって支持されている。巻取パイプ7の右側の端部は、モーター制御ユニット10に回転可能に支持され、巻取パイプ7の左側の端部は、左側のサイドブラケット3に固定された軸支持部(図示省略)に回転可能に支持されている。巻取パイプ7には、スクリーン4の上端が取り付けられ、スクリーン4は、巻取パイプ7から垂下されている。また、スクリーン4の下端にはウェイトバー5が取り付けられている。巻取パイプ7は、スクリーン4を巻取り及び巻き戻し可能に構成されており、巻取パイプ7の回転方向に応じてスクリーン4が巻取パイプ7に巻き取られる又は巻き戻される。
【0016】
巻取パイプ7の左側の端部(一端部)内には、スプリングモーター(図示省略)が配設される。このスプリングモーターは左側端(一端)がサイドブラケット3に対し回転不能に固定され、右側端(他端)は巻取パイプ7に設けられている。そして、巻取パイプ7がスクリーン4の巻戻し方向に回転されるとスプリングモーターが蓄勢される。電動ロールスクリーン100において、モーターユニット8が巻取パイプ7を回転駆動させるだけでなく、スプリングモーターの付勢力が巻取パイプ7でスクリーン4を巻き取る際に補助力として作用する。
【0017】
図1Bに示すように、巻取パイプ7の右側の端部(他端部)内には、巻取パイプ7を回転駆動するモーターユニット8が配設されている。図1B図5及び図6に示すように、モーターユニット8は、回路基板8fと、エンコーダ8gと、リモコン受信部8hとを備えている。エンコーダ8gは、巻取パイプ7の回転量を検出するように構成され、エンコーダ8gは、巻取パイプ7と共に回転する発光素子8g1と、モーターユニット8内において固定されている受光素子8g2とを有する。回路基板8fは、エンコーダ回路及び受光部回路を一体として備えている。換言すると、エンコーダ回路及び受光部回路は、1枚の回路基板8fに設けられているため、回路基板8fは、エンコーダ回路及び受光部回路を共に有する一体型基板である。回路基板8fは、サイドブラケット3に付設されている。実施形態では、エンコーダ回路及び受光部回路が、一体として設けられているので、配線等の引き回しが煩雑化することを抑制することができる。
【0018】
図4に示すように、電源制御ユニット9は、電源基板9aと、基板ケース9bとを備えている。電源制御ユニット9は、全体として長尺状に構成されており、電源制御ユニット9は、その長手方向がフレーム1の長手方向と平行になるように、フレーム1内に収容されている。電源基板9aは、交流電圧の電圧を下げ、交流を直流へ変換する回路を有する。基板ケース9bは、電源基板9aを収容している。
【0019】
図4に示すように、モーター制御ユニット10は、制御基板10aを有する点で、電源制御ユニット9と異なるが、その他の構成は、電源制御ユニット9と同様である。モーター制御ユニット10は、制御基板10aと、基板ケース9bとを備えている。制御基板10aは、エンコーダ8gの出力やリモコン受信部8hの出力に基づいて、モーターユニット8を制御する機能を有する。基板ケース9bは、制御基板10aを収容している。
【0020】
図4に示すように、電気分岐ユニット11は、電気分岐配線部11aと、電気分岐配線部ケース11bとを備えている。電気分岐配線部11aは、複数のコネクタ部11a1を有する。電気分岐配線部11aは、異なる電動ロールスクリーン100間と導通するように構成されている。電気分岐配線部11aは、他の電動ロールスクリーン100へ商用交流を分配することができるように配線が分岐している。電気分岐配線部ケース11bは、電気分岐配線部11aを収容している。
【0021】
なお、実施形態は、電動ロールスクリーン100を一例に説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、遮蔽材を畳むことで遮蔽材を上方に移動させる(開閉させる)電動ローマンシェード等に適用することも可能である。
【0022】
2 モーターユニット8の詳細構成説明
図5図10Aに示すように、モーターユニット8は、モーターケース8aと、モーター8bと、ケース支持部8cと、回転部8dと、モーターアダプタ8eと、回路基板8fと、エンコーダ8gと、リモコン受信部8hと、スイッチ部8iと、発光素子8jと、アース部8kを備えている。なお、リモコン受信部8hは、図7図10Aに示すように、2組の受光部ユニット8huを備えており、各受光部ユニット8huは、2つずつ受光素子8h1を有する。また、スイッチ部8i及び後述する押込部8c24が、各種設定を入力するための設定スイッチ部の一例である。
【0023】
図1Bに示すように、実施形態において、モーターケース8a、モーター8b、ケース支持部8cの一部、回転部8dの一部、及び、モーターアダプタ8eは、巻取パイプ7内に収容されている。これにより、電動ロールスクリーン100は、左右方向の幅が増大することを抑制することが可能となっている。
【0024】
2-1 モーターケース8a
図5及び図6に示すように、モーターケース8aは、上ケース8a1と、下ケース8a2とを有する。モーター8bは、上ケース8a1と下ケース8a2との間に収容されている。
【0025】
下ケース8a2は、挿入部8a21と収容部8a22とを有する。挿入部8a21は、ケース支持部8cに挿入されることで、ケース支持部8cに支持される。具体的には、挿入部8a21がケース支持部8cに挿入されている状態において、挿入部8a21は、回転部8dの開口部8d3内であって、ケース支持部8cの軸状突部8c1の内側に配置されている。挿入部8a21は、ケース支持部8cの軸状突部8c1によって、ケース支持部8cに対して相対回転不能に支持されている。収容部8a22は、上方が開放されており、モーター本体部8b1を設置可能に構成されている。収容部8a22は、上ケース8a1と係合可能に構成され、収容部8a22及び上ケース8a1は、固定部材8a23(図5参照)によって固定される。
【0026】
2-2 モーター8b
図5及び図6に示すように、モーター8bは、モーター本体部8b1と、シャフト8b2と、伝達部8b3とを有する。モーター8bは、回路基板8fを介して電源基板9aから動作電力が供給されるように回路基板8fに導通している。
【0027】
2-2-1 モーター本体部8b1
モーター本体部8b1は、筐体及び筐体内に設けられた部品(例えば固定子や回転子等)を有する。モーター本体部8b1には、図7及び図10Aに示す配線8ct(電力線及び信号性)が接続されており、配線8ctは、下ケース8a2の挿入部8a21内の貫通穴8a24(図5参照)を通り、回路基板8fに導通している。
【0028】
2-2-2 シャフト8b2及び伝達部8b3
図5及び図6に示すように、シャフト8b2の先端部には、十字状の伝達部8b3が取り付けられている。そして、伝達部8b3は、モーターアダプタ8eに取り付けられている。シャフト8b2の回転は、伝達部8b3を介して、モーターアダプタ8eに伝達される。
【0029】
2-3 ケース支持部8c
図5及び図6に示すように、ケース支持部8cは下固定部材3a5と連結しているため、ケース支持部8cは、サイドブラケット3に固定されている。すなわち、ケース支持部8cは、サイドブラケット3に回転不能に固定されている。ケース支持部8cは、軸状突部8c1と、配置部8c2と、保護部8c3とを有する。
【0030】
2-3-1 軸状突部8c1
図5及び図6に示すように、軸状突部8c1の外周部には、回転部8dが回転可能に取り付けられている。また、図9に示すように、軸状突部8c1の先端部には爪部8c11が形成されており、爪部8c11は、回転部8dが軸状突部8c1から容易に外れないように、回転部8dと係合している。軸状突部8c1の内周部には、下ケース8a2の挿入部8a21が挿入されている。
【0031】
2-3-2 配置部8c2
配置部8c2は、回路基板8f、エンコーダ8g及びリモコン受信部8h等の各種の電子部品を収容するケースとしての機能を有し、配置部8c2は、サイドブラケット3に設けられている。図5図10Aに示すように、配置部8c2は、本体8c21と、一対の突起8c22と、突起8c23と、押込部8c24を有する。巻取パイプ7は、この配置部8c2(ケース支持部8c)を介してサイドブラケット3に支持されている。
【0032】
図5及び図6に示すように、配置部8c2の本体8c21は、筒状に形成されており、図7及び図9に示すように、本体8c21は、円筒状の外周面部8c26を有する。外周面部8c26には、スリット8c25が形成されている。本体8c21には、回路基板8f、リモコン受信部8h、スイッチ部8i、発光素子8j及びアース部8kが収容されている。換言すると、本体8c21とサイドブラケット3(本体部材3a)との間には、空間8cs(図7参照)が形成され、当該空間8csには、回路基板8f、リモコン受信部8h、スイッチ部8i、発光素子8j及びアース部8kが配置されている。また、空間8csには、配線8ctがモーター8b側から引き入れられている。
【0033】
実施形態のように、配置部8c2内には、エンコーダ8g(受光素子8g2)及びリモコン受信部8hの両方が収容されているので、電動ロールスクリーン100の大型化(サイドブラケット3周辺の構造の大型化)を抑制することができる。換言すると、エンコーダ8g(受光素子8g2)及びリモコン受信部8hが、それぞれ別々のケースに収容されていると、その分、ケースの容積が大きくなりやすいが、実施形態ではこのようなケースの容積の増大を抑制することができる。
【0034】
なお、配線8ctが回路基板8fに接続されておらず、配線8ctが制御基板10aへ延びて制御基板10aに接続される構成も考えられる。このような構成の場合、配線8ctが、配置部8c2内で引き回された後に、制御基板10aへ延びていく必要がある。しかし、配置部8c2内の空間は、狭いため、配線8ctはリモコン受信部8h等の各種部品との干渉を避けながら引き回されている必要があり、構成が煩雑化してしまう。実施形態において、配線8ctは、回路基板8fに接続される構成となっているので、配線の引き回しが不要であり、構成の煩雑化を抑制することができる。
【0035】
図9に示すように、突起8c22及び突起8c23は、サイドブラケット3へ向かって突出している。一対の突起8c22は、下固定部材3a5が接続される。また、一対の突起8c22は、回路基板8fに挿通しており、回路基板8fの回転を規制するように設けられている。つまり、一対の突起8c22は、回路基板8fが本体8c21内で動くことを抑制する機能を有する。
【0036】
図7図10Aに示すように、突起8c23は、回路基板8fに挿入される。突起8c23は、一対の突起8c22よりも下側に配置されている。突起8c23は、サイドブラケット3の孔部3a6に挿入される。突起8c23は、配置部8c2とサイドブラケット3との位置決め機能を有する。
【0037】
図7図10Aに示すように、押込部8c24は、本体8c21の下部に配置されている。実施形態では、押込部8c24は、本体8c21の最下部に配置されている。押込部8c24は、上下に移動可能に本体8c21に設けられている。押込部8c24の直上には、スイッチ部8iが配置されている。ユーザーが押込部8c24を押し込むことで、スイッチ部8iが操作される。図7及び図10Aに示すように、押込部8c24には、貫通穴8c27が形成されている。押込部8c24は、本体8c21とは別体であり、本体8c21に対して着脱自在に設けられている。具体的には、押込部8c24は、フレーム1の長手方向に平行に、本体8c21に対してスライド可能に構成されている。押込部8c24のフレーム1の長手方向に平行な方向の動きは、サイドブラケット3の本体部材3aによって規制される。
【0038】
なお、実施形態では、配置部8c2が、モーターユニット8に含まれる構成であるものとして説明しているが、これに限定さるものではなく、配置部8c2の一部が、サイドブラケット3に含まれる構成であってもよい。例えば、サイドブラケット3の本体部材3aは、本体部材3aの周縁部から突き出すように、外周面部8c26が設けられ、サイドブラケット3の本体部材3aと外周面部8c26とが、一体的に形成されている、又は、一体的に連結している構成であってもよい。
【0039】
なお、実施形態では、配置部8c2が1つのケースを構成しており、この配置部8c2が、エンコーダ8g及びリモコン受信部8h等の各種の電子部品を収容するものとして説明しているが、これに限定されるものではない。配置部8c2が、複数のケースを構成していてもよい。そして、エンコーダ8gやリモコン受信部8hが、それぞれ、配置部8c2を構成する別々のケース内に設けられていてもよい。このことは、回路基板8f等の他の部品についても同様である。
【0040】
2-3-3 保護部8c3
図7図10Aに示すように、保護部8c3は、配置部8c2の上部から上方に延びている。保護部8c3は、巻取パイプ7が回転しているときに、スクリーン4の横縁部が配線8ftに干渉しないように構成され、保護部8c3は、配線8ft及びスクリーン4を保護する機能を有する。換言すると、保護部8c3は、回路基板8fとモーター制御ユニット10の制御基板10aとを接続する配線8ftと、スクリーン4とが干渉することを防止する機能を有する。
【0041】
保護部8c3は、フレーム1まで延びている。図7及び図12Bに示すように、保護部8c3は、フレーム1の切欠1a3と連結するように構成されている。具体的には、フレーム1の長手方向の端部には、切欠1a3が形成されている。そして、切欠1a3は、保護部8c3の上端部を挿入することができるように構成されている。なお、図12Bに示すように、保護部8c3の上端部は、フレーム1内に突き出ないように配置されている。換言すると、保護部8c3の上端部の高さ位置とフレーム1の底面の高さ位置とが一致しており、フレーム1内に引き回される配線等との干渉を回避している。
【0042】
ここで、当初の保護部8c3には、図11に示すように、複数の切欠8c31が形成されているが、保護部8c3は、サイドブラケット3のサイズに応じて、上側の切欠8c31の形成されている部位は、切り落とされる。このため、実施形態では、図7に示すように、保護部8c3には1つの切欠8c31が形成されている。つまり、切欠8c31は、サイドブラケット3のサイズを把握するため目印としての役割を果たす。
【0043】
また、保護部8c3は、他の部材(例えば巻取パイプ7やスクリーン4)との干渉を回避するような必要最低限の幅を有する構成である。具体的には、保護部8c3は、フレーム1の長手方向において、スクリーン4や巻取パイプ7が配置されている側に出っ張らないように構成されている。実施形態では、フレーム1の長手方向(巻取パイプ7の長手方向)における保護部8c3の幅は、フレーム1の長手方向(巻取パイプ7の長手方向)における配置部8c2の幅と同じである。
【0044】
2-4 回転部8d
図5及び図6に示すように、回転部8dは、筒状部8d1と、支持部8d2と、開口部8d3とを有する。
【0045】
2-4-1 筒状部8d1及び開口部8d3
筒状部8d1は、ケース支持部8cの軸状突部8c1に回転可能に設けられている。回転部8dの中央部には開口部8d3が形成されており、この開口部8d3には、ケース支持部8cの軸状突部8c1が挿入される。
【0046】
2-4-2 支持部8d2
図1B、支持部8d2は、巻取パイプ7の内周面に接触しており、支持部8d2は、巻取パイプ7を支持する機能を有する。図7に示すように支持部8d2は、筒状部8d1の周方向に並ぶように複数設けられている。支持部8d2は、電動ロールスクリーン100の左右方向(巻取パイプ7の軸方向)に平行に突出するように形成されている。
【0047】
2-5 モーターアダプタ8e
図5及び図6に示すように、モーターアダプタ8eは、モーター8bの駆動力を巻取パイプ7へ伝達する機能を有する。モーターアダプタ8eは、十字状の凹部を有し、当該凹部には、伝達部8b3が挿入されている。モーターアダプタ8eは、巻取パイプ7の内周面に接触するように設けられている。このため、モーター8bの駆動力がシャフト8b2、伝達部8b3及びモーターアダプタ8eの順に伝達され、その結果、巻取パイプ7が回転する。
【0048】
2-6 回路基板8f
2-6-1 回路基板8fに実装される部品
図7図10に示すように、回路基板8f上には、リモコン受信部8h、スイッチ部8i及び発光素子8jが実装されている。また、回路基板8fは、モーター8bやアース部8kと導通している。リモコン受信部8h、スイッチ部8i及び発光素子8jは、後述するエンコーダ回路よりも下側に配置されている。図7図10に示すように、回路基板8fの下側縁部には、リモコン受信部8h、スイッチ部8i及び発光素子8jがそれぞれ設けられている。
【0049】
また、回路基板8fは、エンコーダ回路(エンコーダ回路基板)及び受光部回路(受光部回路基板)を一体として備えている。換言すると、エンコーダ回路及び受光部回路は、1枚の回路基板8fとして構成されている。このように、実施形態では、エンコーダ回路及び受光部回路が、一体として設けられているので、配線等の引き回しが煩雑化することを抑制することができる。回路基板8f(エンコーダ回路基板)には、エンコーダ8gの信号を処理するためのエンコーダ回路パターンが形成されている。また、回路基板8f(受光部回路基板)には、リモコン受信を処理するための受光部回路パターンが形成されている。
【0050】
なお、エンコーダ回路及び受光部回路が、別々の基板に設けられていてもよい。つまり、実施形態では、電動ロールスクリーン100が、エンコーダ回路基板と受光部回路基板が一体として構成されているが、これに限定されるものではなく、電動ロールスクリーン100は、エンコーダ回路基板と受光部回路基板をそれぞれ独立して備えていてもよい。
【0051】
2-6-2 回路基板8fの縦配置
回路基板8fは、サイドブラケット3に平行に設けられている板状部材である。また、回路基板8fは、サイドブラケット3に対して隙間を空けた状態で、サイドブラケット3に対向するように配置されている。従来の電動ロールスクリーンには、右側のサイドブラケットに配置される回路基板が、モーターの下に配置されているものがある。このような構成の電動ロールスクリーンでは、回路基板がモーターから下方に突き出すように配置されることになる。ここで、左側のサイドブラケットには、回路基板が配置されていない一方、右側のサイドブラケットには回路基板が配置されているので、従来の電動ロールスクリーンは、左右の対称性が損なわれ、意匠性が損なわれていた。それに対し、実施形態に係る電動ロールスクリーン100では、回路基板8fがサイドブラケット3に平行に設けられているので(回路基板8fが縦配置なので)、回路基板8fはモーター8bの下に配置する必要がない。つまり、回路基板8fが縦配置の場合、回路基板8fは、モーター8bの側方(左右方向)に隣接して配置することが可能となる。このため、電動ロールスクリーン100は左右の対称性が損なわれることを抑制し、その結果、意匠性が損なわれることを抑制することができる。
【0052】
2-6-3 エンコーダ回路及び受光部回路
回路基板8fは、巻取パイプ7の回転を関しするためのエンコーダ回路(図示なし)と、リモコン信号を処理するための受光部回路(図示なし)とを備えている。エンコーダ回路は、例えば、エンコーダ8gの受光素子8g2から出力信号を増幅するように構成されている。また、ユーザーが、リモートコントローラ(図示なし)を操作すると、リモコン受信部8hが、リモートコントローラから出力される信号を受け付ける。回路基板8fの受光部回路は、リモコン受信部8hで受け付けた信号を増幅するように構成されている。回路基板8fは、モーター制御ユニット10に配線8ftを介して接続されており、エンコーダ回路や受光部回路で増幅された信号は、モーター制御ユニット10へ出力される。
【0053】
2-6-4 回路基板8fと配置部8c2との係合
回路基板8fは、配置部8c2内において回転が規制されるように、配置部8c2に対して少なくとも4箇所以上で係合している。実施形態では、回路基板8fは、配置部8c2に対して5箇所で係合している。
【0054】
具体的には、図7図10に示すように、回路基板8fは、切欠部8f1及び切欠部8f2を有する。切欠部8f1は、切欠部8f2よりも深く抉れるように形成されている。これにより、切欠部8f1は、配線8ctを通すことが可能となっている。一対の突起8c22は、切欠部8f1及び切欠部8f2にそれぞれ挿通している。これにより、一対の突起8c22は、切欠部8f1及び切欠部8f2にそれぞれ係合する。つまり、回路基板8fは、一対の突起8c22(2箇所)に対して係合している。
【0055】
また、回路基板8fは、前方側に向けられている受光素子8h1が設けられている部分と、後方側に向けられている受光素子8h1が設けられている部分とにおいて、配置部8c2に対して係合している。具体的には、図7及び図10に示すように、配置部8c2の本体8c21には、受光素子配置部8c28が形成されている。受光素子配置部8c28は、凹状に形成され、受光素子配置部8c28には、受光素子8h1の一部を収めるように、受光素子8h1を配置可能となっている。回路基板8fは、前後の受光素子配置部8c28の位置において配置部8c2(2箇所)に対してそれぞれ係合する。
【0056】
更に、図9に示すように、回路基板8fは、孔8f3を有する。孔8f3には、突起8c23が挿入される。つまり、回路基板8fは、孔8f3の位置において配置部8c2(1箇所)に対して係合している。
【0057】
2-6-5 スリット8c25
図7図10に示すように、各受光素子配置部8c28には、1組のスリット8c25が形成されており、各受光素子8h1は、各スリット8c25を介して室内に臨んでいる。ここで、実施形態では、配置部8c2がポリアセタール樹脂で構成されているので、配置部8c2内の構造が透過して見えにくくなっており、これにより、実施形態では、意匠性を向上させている。そして、配置部8c2がポリアセタール樹脂で構成されていても、受光素子8h1がより確実に赤外線を受光することができるように、配置部8c2にはスリット8c25が形成されている。
【0058】
外周面部8c26は、1対のスリット8c25の間に介在する片部8c29を有する。外周面部8c26が片部8c29を備えることで、スリット8c25が目立たないようになっている。
具体的には、図10Bに示すように、受光素子8h1の中心Lcがスリット8c25の中心に対して一致するように配置されている。ここで、スリット8c25の幅Lw2は、線Ls1と、線Ls2との間の距離で規定される。受光素子8h1の中心Lcがスリット8c25の中心に対して一致するので、中心Lcと線Ls1との間の距離は、中心Lcと線Ls2との間の距離と等しくなる。つまり、受光素子8h1の中心Lcがスリット8c25の中心に対して一致するように配置されているので、受光素子8h1がスリット8c25に対して偏らないで配置されることになり、受光範囲が狭まらないようになっている。
更に、スリット8c25の幅Lw2は、受光素子8h1の幅Lw1よりも狭くなっている。なお、この受光素子8h1の幅Lw1は、線Lt1と、線Lt2との間の距離で規定される。このため、受光素子8h1の全体が露出することが回避され、受光素子8h1が目立たなくなっており、その結果、意匠性を向上させることができる。
このように、実施形態では、受光素子8h1の中心Lcがスリット8c25の中心に対して一致するように配置されており、且つ、スリット8c25の幅Lw2は、受光素子8h1の幅Lw1よりも狭くなっているので、実施形態は、受光素子8h1の受光範囲を狭めないようにしながら、意匠性が高められている。
【0059】
なお、図13に示すように、外周面部8c26は、片部8c29を有さなくてもよい。換言すると、スリット8c25が、受光素子8h1ごとにそれぞれ1つずつ形成されておらず、スリット8c25が、受光部ユニット8huごとにそれぞれ1つずつ形成されている形態であってもよい。
【0060】
2-6-6 左右兼用構造
回路基板8fは、図10Aに示すように、対称軸Lに対して、対称性が高められた構造を有する。対称軸Lは、前側の受光部ユニット8huと受光部ユニット8huとを結ぶ線分の中点を通り、鉛直方向に平行な線である。回路基板8fは、対称軸Lに対して対称な形状を有する。また、対称軸L上には、スイッチ部8i及び孔8f3が配置されている。また、一対の発光素子8jは、対称軸Lに対称に配置されている。同様に、一方(前側)の受光部ユニット8hu及び他方(後側)の受光部ユニット8huは、対称軸Lに対称(前後方向に対称)に配置されている。更に、切欠部8f1及び切欠部8f2は形状が異なるが、切欠部8f1及び切欠部8f2の位置関係は、対称軸Lを境に対称である。
【0061】
このように、回路基板8fや回路基板8f上の構成は対称に配置されているので、回路基板8fは、左右のサイドブラケット3に対して兼用できるように構成されている。つまり、実施形態では、回路基板8fは、右側のサイドブラケット3に配置されているが、回路基板8fは、回路基板8fを鉛直方向に平行な、回路基板8fの中心線を軸として180度反転させることで、左側のサイドブラケット3に配置することもできる。なお、実施形態において、先述した中心線は、図10Aに示す対称軸Lに一致する。このため、左右のサイドブラケット3ごとに、独自の形状の回路基板8fを準備する必要がなくなり、実施形態では、製造コストや管理コスト等の各種コストを抑制することができる。
【0062】
なお、実施形態では、リモコン受信部8h等が実装された回路基板8fが、一対のサイドブラケット3のうちの一方に設けられているものとして説明しているが、これに限定されるものではない。回路基板8fは、両方のサイドブラケット3に設けられていてもよい。
【0063】
2-7 エンコーダ8g
エンコーダ8gは、巻取パイプ7の回転量を検出する機能を有する。実施形態において、エンコーダ8gは光学式である。つまり、図1Bに示すように、エンコーダ8gは、発光素子8g1と、受光素子8g2とを有する。発光素子8g1は、回転部8dに取り付けられ、受光素子8g2は、ケース支持部8cに取り付けられる。エンコーダ8g(受光素子8g2)の出力は、回路基板8fへ送られる。
【0064】
2-8 リモコン受信部8h
リモコン受信部8hは、リモートコントローラの出力を受け付ける受信部(リモコン受信部)としての機能を有する。受信部実施形態において、リモートコントローラは赤外線信号を出力するため、リモコン受信部8hは、赤外線センサで構成される。リモコン受信部8hの出力は、回路基板8fへ送られる。なお、実施形態では、リモコン受信部8hが、赤外線センサであるものとして説明するが、これに限定されるものではない。リモコン受信部8hが、RF(Radio Frequency)信号を受信するRF受信部であってもよい。更に、電動ロールスクリーン100のリモコン受信部8hは、赤外線センサに加えて、RF受信部を備えるものであってもよい。
【0065】
実施形態において、リモコン受信部8hは、図7図10Aに示すように、合計2組の受光部ユニット8huを有する。受光部ユニット8huは、2つずつ受光素子8h1を有する。図10Aに示すように、前側の受光部ユニット8hu(第1受光部ユニットの一例)の各受光素子8h1(第1受光素子の一例)及び後側の受光部ユニット8hu(第2受光部ユニットの一例)の各受光素子8h1(第2受光素子の一例)は、基準線(対称軸L)に対して、傾いた方向に向けられている。ここで、基準線は、対称軸Lと同じように設定することができる。つまり、基準線は、前側の受光部ユニット8huと受光部ユニット8huとを結ぶ線分の中点を通り、鉛直方向(サイドブラケット3に対する鉛直方向)に平行な線である。なお、基準線は、前側の受光部ユニット8huと受光部ユニット8huとを結ぶ線分の中点を必ずしも通らなくてもよく、前側の受光部ユニット8huと受光部ユニット8huとを結ぶ線分上の点を通るものとして設定してもよい。この基準線(対称軸L)を境界として、第1領域Rg1と第2領域Rg2を規定したとき、前側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、第1領域Rg1に設けられている。また、後側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、第2領域Rg2に設けられている。
【0066】
なお、基準線(対称軸L)に対してどの程度傾くかは、限定されるものではない。ここで、実施形態では、前側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、基準線に対して角度θをなすように基準線に対して傾いた方向に向けられている。換言すると、前側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、前方に向けられている。また、前側の受光部ユニット8huの2つの受光素子8h1(第1及び第2受光素子の一例)の傾けられている方向は、平行である。これにより、片方の受光素子8h1が故障等しても、他方の受光素子8h1が信号を検出することができる。
【0067】
また、後側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、前側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1の傾く方向とは反対側に傾けられている。具体的には、後側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、基準線に対して角度-θをなすように基準線に対して傾いた方向に向けられている。換言すると、後側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1は、後方に向けられている。また、後側の受光部ユニット8huの2つの受光素子8h1(第1及び第2受光素子の一例)の傾けられている方向は、平行である。これにより、片方の受光素子8h1が故障等しても、他方の受光素子8h1が信号を検出することができる。
【0068】
なお、ここでは、前側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1が基準線に対してなす角度の大きさと、後側の受光部ユニット8huの各受光素子8h1が基準線に対してなす角度の大きさとは、同じものとして説明しているが、異なっていてもよい。
【0069】
このように、電動ロールスクリーン100は、前方に向けられた受光素子8h1と後方に向けられた受光素子8h1の両方を有するので、リモートコントローラから出力された信号が、電動ロールスクリーン100の前方側及び後方側のいずれから伝搬してきても、受光素子8h1が確実に当該信号を受信することができる。つまり、電動ロールスクリーン100は、リモートコントローラとの通信の安定性が確保されている。
【0070】
従来技術(特許文献1)には、回路基板やリモコン受信部を回動させる駆動機構を備える構成のものがある。この構成では、リモコン受信部の受光面の角度が可変であるため、通信の安定化を図ることができるが、サイドブラケット3の周辺の構造の厚みが大きくなってしまう。しかし、実施形態に係る電動ロールスクリーン100は、駆動機構を備える代わりに複数の受光素子8h1を有するので、サイドブラケット3の周辺の構造の厚みが大きくなることを抑制しながら、受光範囲を拡大することができ、通信の安定化を図ることもできる。更に、電動ロールスクリーン100は、複数の受光素子8h1を有するので、仮に受光素子8h1のいずれかが壊れてしまっても、他の受光素子8h1で信号を受信することができるので、電動ロールスクリーン100を継続して使用し続けることができる。
【0071】
2-9 スイッチ部8i
スイッチ部8iは、リモートコントローラのアドレス設定や、ウェイトバー5の上限位置及び下限位置の設定に用いられる。図7図10Aに示すように、スイッチ部8iは、押込部8c24の上に配置されており、ユーザーが、押込部8c24を押し込むことで、スイッチ部8iが操作される。スイッチ部8iは、一方(前側)の受光部ユニット8huと、他方(後側)の受光部ユニット8huとの間に配置されている。これにより、スイッチ部8iを、配置部8c2の最下部又は最下部寄り(実施形態では最下部)に配置にすることができ、スイッチ部8iの高さ位置が下がる分、操作者がスイッチ部8iを操作しやすくなる。また、スイッチ部8iは、押込部8c24と共に、配置部8c2の外周部に配置されている。これにより、操作者がスイッチ部8iに指を伸ばしたときに指を遮るものがなく、操作者は容易にスイッチ部8iを操作することができる。
【0072】
2-10 発光素子8j
図7図10Aに示すように、発光素子8jは、スイッチ部8iに付設されている。発光素子8jは、スイッチ部8iが操作されたとき等において点灯する。ここで、ユーザーがスイッチ部8iを操作しようとするとき、ユーザーがスイッチ部8iを目視することになる。このとき、発光素子8jがスイッチ部8iに付設されているので、ユーザーは発光素子8jの光も併せて視界に入る。つまり、発光素子8jがスイッチ部8iに付設されているので、ユーザーはスイッチ部8iが操作されたか否かを判断するときに視点をずらす必要がない。つまり、実施形態では、発光素子8jがスイッチ部8iに付設されているので、利便性が向上している。実施形態では、発光素子8jが、スイッチ部8iを境にして、前側及び後側のそれぞれに設けられている。発光素子8jは、例えば、スイッチ部8iが操作されたときに、発光するように制御される。前側の発光素子8jは、押込部8c24の上に配置されており、発光素子8jの光が貫通穴8c27(図7及び図10A参照)を通過し、ユーザーが光を視認可能となっている。
【0073】
2-11 アース部8k
アース部8kは、回路基板8fの電気を導電部材としてのサイドブラケット3へ逃がす機能を有する。ここで、サイドブラケット3の表面面積は、回路基板8fの基板面積よりも広くなっており、回路基板8fに帯電した静電気が効果的にサイドブラケット3に放電される。図7図10Aに示すように、回路基板8fは、モーター8bに接続されている配線8ctに接続されている。モーター8bの電圧は、モーター8bを駆動する分、高めに設定されているため、回路基板8fの回路を流れる信号に含まれる伝導ノイズが増大しやすくなっている。また、電動ロールスクリーン100には、電磁波を放射する電子機器に隣接配置される場合があり、このような電子機器の電磁波が回路基板8fに放射されると、回路基板8fの回路を流れる信号に含まれる放射ノイズが増大しやすくなる。そこで、実施形態は、アース部8kが回路基板8fに接続されている。これにより、回路基板8fの回路を流れる信号に含まれる伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
【0074】
また、回路基板8f等は、電動ロールスクリーン100を組み立てるときに作業者の手で触れられるため、回路基板8fに静電気が発生し、回路基板8fの誤作動や回路基板8fの電子回路の破壊を招く可能性がある。特に、回路基板8fとサイドブラケット3とは、隙間を空けた状態で近接配置されているため、回路基板8fとサイドブラケット3とが導通していないと、回路基板8fに帯電した静電気がサイドブラケット3に放電し、回路基板8fの電子部品に過大な電流が流れる可能性が高くなっている。実施形態において、回路基板8fにはアース部8kが設けられているので、回路基板8fは、アース部8k、本体部材3a、フレーム1及びブラケット2を介して、建物等に接地される。これにより、回路基板8fが誤作動したり、回路基板8fの電子回路が破壊されたりすることを抑制することができる。
【0075】
図7図10Aに示すように、アース部8kは、配置部8c2の突起8c22とサイドブラケット3の本体部材3aとの間に挟まれている。このため、アース部8kは、突起8c22と本体部材3aとの間により確実に取り付けられることになり、アース部8kは、本体部材3aから離間し難くなり、本体部材3aとより確実に接触する。これにより、アース部8kと本体部材3aとの導通がより確実化される。
【0076】
図9に示すように、下固定部材3a5は、サイドブラケット3を挿通しており、且つ、下固定部材3a5の先端側は、突起8c22に接続されている。ここで、アース部8kはリング状に構成されており、下固定部材3a5は、アース部8kを挿通している。このため、アース部8kは、突起8c22の位置から外れにくくなり、アース部8kと本体部材3aとの導通がより確実化される。なお、実施形態では、アース部8kがリング状に構成されているが、これに限定されるものではなく、U字状等であってもよい。このような構成であっても、下固定部材3a5がアース部8kに引っ掛かるので、アース部8kが突起8c22の位置から外れにくくなる。アース部8kは、図8に示すように、突起8c22に平行に立ち上がる板状部8k1と、板状部8k1の先端部に接続されているリング状の接触部8k2とを備えている。板状部8k1の基端部は、回路基板8f上にはんだ付けされ、回路基板8fの回路パターンに導通している。接触部8k2は、サイドブラケット3の本体部材3aに接触する。下固定部材3a5は、アース部8kの接触部8k2を挿通している。このため、アース部8kは、突起8c22の位置から外れにくくなり、アース部8kと本体部材3aとの導通がより確実化される。なお、アース部8kは厚みが大きく設定されていたり、また、アース部8kはサイドブラケット3との接触面積が大きく設定されていたりすることが好ましい。これにより、ノイズを抑制する効果や基板に帯電した静電気が飛ぶことを抑制する効果が増大する。
【0077】
なお、実施形態では、アース部8kが回路基板8fに設けられているものとして説明するが、これに限定されるものではなく、アース部8kはフレーム1に設けられていてもよい。つまり、導電部材としてのフレーム1に基板が設けられている態様の電動遮蔽装置において、当該基板の静電気をフレーム1に逃がすようにアース部8kを設けてもよい。フレーム1の表面面積は、回路基板8fの基板面積よりも広くなっているので、サイドブラケット3と同様に、回路基板8fに帯電した静電気は、効果的にフレーム1に放電される。この場合には、アース部8kがフレーム1に接触して設けられていればよい。
【符号の説明】
【0078】
1 :フレーム
1a2 :係合部
1a3 :切欠
2 :ブラケット
3 :サイドブラケット
3a :本体部材
3a1 :引掛部
3a2 :上穴部
3a3 :下穴部
3a4 :上固定部材
3a5 :下固定部材
3a6 :孔部
3b :カバー部材
4 :スクリーン
5 :ウェイトバー
6 :シールド
7 :巻取パイプ
8 :モーターユニット
8a :モーターケース
8a1 :上ケース
8a2 :下ケース
8a21 :挿入部
8a22 :収容部
8a23 :固定部材
8a24 :貫通穴
8b :モーター
8b1 :モーター本体部
8b2 :シャフト
8b3 :伝達部
8c :ケース支持部
8c1 :軸状突部
8c11 :爪部
8c2 :配置部
8c21 :本体
8c22 :突起
8c23 :突起
8c24 :押込部
8c25 :スリット
8c26 :外周面部
8c27 :貫通穴
8c28 :受光素子配置部
8c29 :片部
8c3 :保護部
8c31 :切欠
8cs :空間
8ct :配線
8d :回転部
8d1 :筒状部
8d2 :支持部
8d3 :開口部
8e :モーターアダプタ
8f :回路基板
8f1 :切欠部
8f2 :切欠部
8f3 :孔
8ft :配線
8g :エンコーダ
8g1 :発光素子
8g2 :受光素子
8h :リモコン受信部
8h1 :受光素子
8hu :受光部ユニット
8i :スイッチ部
8j :発光素子
8k :アース部
8k1 :板状部
8k2 :接触部
9 :電源制御ユニット
9a :電源基板
9b :基板ケース
10 :モーター制御ユニット
10a :制御基板
11 :電気分岐ユニット
11a :電気分岐配線部
11a1 :コネクタ部
11b :電気分岐配線部ケース
100 :電動ロールスクリーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13