(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】調達業務管理装置、調達業務管理方法、及び調達業務管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240501BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020130522
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相浦 恭多
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-304492(JP,A)
【文献】特開2005-011106(JP,A)
【文献】特開2004-046660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える調達業務管理装置であって、
前記制御部が、
調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付け、情報ステータスを要求申請中ステータスとして前記要求情報を調達要求情報データに登録する調達要求受付手段と、
前記情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、
担当者の入力に基づく前記要求情報における前記商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は
担当者の入力に基づく前記要求情報における前記商品又は前記サービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付け、
前記在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、
前記見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する
調達準備情報受付手段と、
前記情報ステータスが要求受付済ステータスである要求情報について、
前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積を依頼したことを示す見積依頼情報であって、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼先の業者の情報、及び前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼数の情報を含む見積依頼情報を受け付け、
前記見積依頼情報を、前記要求情報に紐付け登録し、
前記要求情報の情報ステータスを要求受付済ステータスから見積依頼済ステータスに更新登録する
見積依頼情報受付手段と、
を備え
、
前記見積依頼情報受付手段が、
1つの前記要求情報に対して2つ以上の見積依頼情報を受け付けることができることを特徴とする調達業務管理装置。
【請求項2】
前記制御部が、
前記情報ステータスが見積依頼済ステータスである要求情報について、
前記要求情報に紐付けされた前記見積依頼情報毎に、前記見積依頼情報における前記業者に対して、発注することを示す業者適否情報、又は発注しないことを示す業者適否情報を受け付け、
前記業者適否情報を、前記業者適否情報における前記業者に対応する前記見積依頼情報に紐付け登録し、
前記要求情報に紐付けされた前記見積依頼情報のうち少なくとも1つの前記見積依頼情報に、発注することを示す業者適否情報が紐付けされた場合は、前記要求情報の情報ステータスを見積依頼済ステータスから発注先確定ステータスに更新登録し、
前記要求情報に紐付けされた前記見積依頼情報のうち全ての前記見積依頼情報に、発注しないことを示す業者適否情報のみが紐付けされた場合は、前記要求情報の情報ステータスを見積依頼済ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する
業者情報受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項
1に記載の調達業務管理装置。
【請求項3】
前記調達要求受付手段が、
調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報に加えて、前記商品又は前記サービスの要求単価の情報、或いは前記商品又は前記サービスの要求金額の情報を含む要求情報を受け付け、
前記業者情報受付手段が、
前記要求情報における前記商品又は前記サービスについての業者の回答単価の情報、或いは前記要求情報における前記商品又は前記サービスについての業者の回答金額の情報を含む業者回答情報を受け付け、
前記業者回答情報を、前記業者回答情報における前記業者に対応する前記見積依頼情報に紐付け登録し、
前記業者回答情報における前記回答単価が、前記要求単価を上回る場合、又は前記業者回答情報における前記回答金額が、前記要求金額を上回る場合は、前記業者回答情報における前記業者について、発注しないことを示す業者適否情報を受け付け、発注することを示す業者適否情報を受け付けない
ことを特徴とする請求項
2に記載の調達業務管理装置。
【請求項4】
前記制御部が、
前記情報ステータスが発注先確定ステータスである要求情報について、
前記業者適否情報における発注を確定した業者に対し、前記業者適否情報を紐付けした前記要求情報における前記商品又は前記サービスを発注したことを示す発注完了情報を受け付け、
前記要求情報の情報ステータスを発注先確定ステータスから発注済ステータスに更新登録する
発注完了情報受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項
2又は
3に記載の調達業務管理装置。
【請求項5】
前記制御部が、
前記情報ステータスが発注済ステータスである要求情報について、
前記要求情報における前記商品を前記業者から仕入れたこと又は前記サービスの提供を前記業者から受けたことを示す仕入完了情報を受け付け、
前記要求情報の情報ステータスを発注済ステータスから仕入済ステータスに更新登録する
仕入完了情報受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項
4に記載の調達業務管理装置。
【請求項6】
前記調達準備情報受付手段が、
前記在庫引当することを示す調達準備情報として、前記要求情報における前記商品の在庫引当数の情報を含む調達準備情報を受け付け、
前記見積依頼準備することを示す調達準備情報として、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼予定数の情報を含む調達準備情報を受け付け、
前記調達準備情報を、前記要求情報に紐付け登録することを特徴とする請求項1~
5の何れか1項に記載の調達業務管理装置。
【請求項7】
前記制御部が、
前記情報ステータスが在庫引当済ステータスである要求情報について、
前記要求情報における前記商品を払い出したことを示す在庫払出情報を受け付け、
前記要求情報の情報ステータスを在庫引当済ステータスから在庫払出済ステータスに更新登録する
在庫払出情報受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項1~
6の何れか1項に記載の調達業務管理装置。
【請求項8】
制御部を備える調達業務管理装置において実行される調達業務管理方法であって、
前記制御部で実行される、
調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付け、情報ステータスを要求申請中ステータスとして前記要求情報を調達要求情報データに登録する調達要求受付ステップと、
前記情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、
担当者の入力に基づく前記要求情報における前記商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は
担当者の入力に基づく前記要求情報における前記商品又は前記サービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付け、
前記在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、
前記見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する
調達準備情報受付ステップと、
前記情報ステータスが要求受付済ステータスである要求情報について、
前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積を依頼したことを示す見積依頼情報であって、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼先の業者の情報、及び前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼数の情報を含む見積依頼情報を受け付け、
前記見積依頼情報を、前記要求情報に紐付け登録し、
前記要求情報の情報ステータスを要求受付済ステータスから見積依頼済ステータスに更新登録する
見積依頼情報受付ステップと、
を含
み、
前記見積依頼情報受付ステップが、
1つの前記要求情報に対して2つ以上の見積依頼情報を受け付けることができることを特徴とする調達業務管理方法。
【請求項9】
制御部を備える調達業務管理装置に実行させるための調達業務管理プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付け、情報ステータスを要求申請中ステータスとして前記要求情報を調達要求情報データに登録する調達要求受付ステップと、
前記情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、
担当者の入力に基づく前記要求情報における前記商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は
担当者の入力に基づく前記要求情報における前記商品又は前記サービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付け、
前記在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、
前記見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する
調達準備情報受付ステップと、
前記情報ステータスが要求受付済ステータスである要求情報について、
前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積を依頼したことを示す見積依頼情報であって、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼先の業者の情報、及び前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼数の情報を含む見積依頼情報を受け付け、
前記見積依頼情報を、前記要求情報に紐付け登録し、
前記要求情報の情報ステータスを要求受付済ステータスから見積依頼済ステータスに更新登録する
見積依頼情報受付ステップと、
を含
み、
前記見積依頼情報受付ステップが、
1つの前記要求情報に対して2つ以上の見積依頼情報を受け付けることができることを特徴とする調達業務管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調達業務管理装置、調達業務管理方法、及び調達業務管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
設備工事業、重機械製造業等の業界において、外部業者への発注管理を含めた部材等の調達業務は重要な業務の一つとなっている。これまで、調達業務は、メールや電話でのやり取りなどで完結させるのが一般的であった。
【0003】
しかし、昨今、社内統制強化、コンプライス準拠などが強く求められていることから、発注前段階である社内調達要求、業者への見積依頼を効率的に管理でき、適正な金額での調達、適正な業者の選択を可能とするシステムが求められている。
【0004】
また、これまで、調達要求者は社内の調達部門に調達要求した後、発注業務を調達部門へ移管していることが多く、調達要求後の調達状況のステータスを容易に知ることができないことが原因で、発注漏れ、検収漏れ、作業遅延等が発生していた。このようなことから、調達要求者がリアルタイムで調達状況のステータスを確認できるシステムが求められている。
【0005】
しかし、これまで、このような課題を解決するシステムは知られていない(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、過去の見積回答、取引金額、納期等を全社で容易に確認比較でき、適正な金額での調達、適正な業者の選択を可能とし、支店依存の予算粒度が統一することができると共に、要求単価の基となる実行予算の精度を向上させることができるシステムを備えた調達業務管理装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、調達要求者がリアルタイムで調達状況のステータスを確認でき、発注漏れ、検収漏れ、作業遅延等を未然に防ぐことができるシステムを備えた調達業務管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る調達業務管理装置は、制御部を備える調達業務管理装置であって、前記制御部が、調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付け、情報ステータスを要求申請中ステータスとして前記要求情報を調達要求情報データに登録する調達要求受付手段と、前記情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、前記要求情報における前記商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は前記要求情報における前記商品又は前記サービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付け、前記在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、前記見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する調達準備情報受付手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記制御部が、前記情報ステータスが要求受付済ステータスである要求情報について、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積を依頼したことを示す見積依頼情報を受け付け、前記要求情報の情報ステータスを要求受付済ステータスから見積依頼済ステータスに更新登録する見積依頼情報受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記見積依頼情報受付手段が、前記見積依頼情報として、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼先の業者の情報、及び前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼数の情報を含む見積依頼情報を受け付け、前記見積依頼情報を、前記要求情報に紐付け登録することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記見積依頼情報受付手段が、1つの前記要求情報に対して2つ以上の見積依頼情報を受け付けることができることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記制御部が、前記情報ステータスが見積依頼済ステータスである要求情報について、前記要求情報に紐付けされた前記見積依頼情報毎に、前記見積依頼情報における前記業者に対して、発注することを示す業者適否情報、又は発注しないことを示す業者適否情報を受け付け、前記業者適否情報を、前記業者適否情報における前記業者に対応する前記見積依頼情報に紐付け登録し、前記要求情報に紐付けされた前記見積依頼情報のうち少なくとも1つの前記見積依頼情報に、発注することを示す業者適否情報が紐付けされた場合は、前記要求情報の情報ステータスを見積依頼済ステータスから発注先確定ステータスに更新登録し、前記要求情報に紐付けされた前記見積依頼情報のうち全ての前記見積依頼情報に、発注しないことを示す業者適否情報のみが紐付けされた場合は、前記要求情報の情報ステータスを見積依頼済ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する業者情報受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記調達要求受付手段が、調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報に加えて、前記商品又は前記サービスの要求単価の情報、或いは前記商品又は前記サービスの要求金額の情報を含む要求情報を受け付け、前記業者情報受付手段が、前記要求情報における前記商品又は前記サービスについての業者の回答単価の情報、或いは前記要求情報における前記商品又は前記サービスについての業者の回答金額の情報を含む業者回答情報を受け付け、前記業者回答情報を、前記業者回答情報における前記業者に対応する前記見積依頼情報に紐付け登録し、前記業者回答情報における前記回答単価が、前記要求単価を上回る場合、又は前記業者回答情報における前記回答金額が、前記要求金額を上回る場合は、前記業者回答情報における前記業者について、発注しないことを示す業者適否情報を受け付け、発注することを示す業者適否情報を受け付けないことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記制御部が、前記情報ステータスが発注先確定ステータスである要求情報について、前記業者適否情報における発注を確定した業者に対し、前記業者適否情報を紐付けした前記要求情報における前記商品又は前記サービスを発注したことを示す発注完了情報を受け付け、前記要求情報の情報ステータスを発注先確定ステータスから発注済ステータスに更新登録する発注完了情報受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記制御部が、前記情報ステータスが発注済ステータスである要求情報について、前記要求情報における前記商品を前記業者から仕入れたこと又は前記サービスの提供を前記業者から受けたことを示す仕入完了情報を受け付け、前記要求情報の情報ステータスを発注済ステータスから仕入済ステータスに更新登録する仕入完了情報受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記調達準備情報受付手段が、前記在庫引当することを示す調達準備情報として、前記要求情報における前記商品の在庫引当数の情報を含む調達準備情報を受け付け、前記見積依頼準備することを示す調達準備情報として、前記要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼予定数の情報を含む調達準備情報を受け付け、前記調達準備情報を、前記要求情報に紐付け登録することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る調達業務管理装置は、前記制御部が、前記情報ステータスが在庫引当済ステータスである要求情報について、前記要求情報における前記商品を払い出したことを示す在庫払出情報を受け付け、前記要求情報の情報ステータスを在庫引当済ステータスから在庫払出済ステータスに更新登録する在庫払出情報受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る調達業務管理方法は、制御部を備える調達業務管理装置において実行される調達業務管理方法であって、前記制御部で実行される、調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付け、情報ステータスを要求申請中ステータスとして前記要求情報を調達要求情報データに登録する調達要求受付ステップと、前記情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、前記要求情報における前記商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は前記要求情報における前記商品又は前記サービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付け、前記在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、前記見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する調達準備情報受付ステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る調達業務管理プログラムは、制御部を備える調達業務管理装置に実行させるための調達業務管理プログラムであって、前記制御部に実行させるための、調達を要求する商品又はサービスの情報、及び前記商品又は前記サービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付け、情報ステータスを要求申請中ステータスとして前記要求情報を調達要求情報データに登録する調達要求受付ステップと、前記情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、前記要求情報における前記商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は前記要求情報における前記商品又は前記サービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付け、前記在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、前記見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は前記要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する調達準備情報受付ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、過去の見積回答、取引金額、納期等を全社で容易に確認比較でき、適正な金額での調達、適正な業者の選択を可能とし、支店依存の予算粒度が統一することができると共に、要求単価の基となる実行予算の精度を向上させることができる。調達要求者はリアルタイムで調達状況のステータスを確認でき、発注漏れ、検収漏れ、作業遅延を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、PC100の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、調達要求受付部102a、調達準備情報受付部102b、在庫払出情報受付部102c、見積依頼情報受付部102d、業者情報受付部102e、発注完了情報受付部102f、及び仕入完了情報受付部102gによる情報処理のフローの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、データ抽出部102hにより調達要求情報データから抽出された情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、データ抽出部102hにより調達要求情報データから抽出された情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0024】
[1.構成]
ここでは、本発明の調達業務管理装置を含む本実施形態に係るPC(パーソナルコンピュータ)100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。なお、本実施形態の構成はあくまでも一例であり、本発明は、本実施形態の構成で実現することに限定されるものではない。また、構成に関する以下の説明において、重複する説明を省略する場合がある。
【0025】
図1は、PC100の構成の一例を示すブロック図である。PC100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108とを備え、各種データ(例えば、記憶部106に記憶される、後述する各データでもよい)を記憶したサーバ200(例えばWebサーバなど)とネットワーク300(例えばインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)など)を介して通信可能に接続されている。
【0026】
PC100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
なお、PC100は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型のものであってもよく、また、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型のものであってもよい。
【0028】
制御部102は、PC100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、調達要求受付部102a、調達準備情報受付部102b、在庫払出情報受付部102c、見積依頼情報受付部102d、業者情報受付部102e、発注完了情報受付部102f、仕入完了情報受付部102g、データ抽出部102h等を備えている。
【0030】
調達要求受付部102aは、調達を要求する商品又はサービスの情報(名称、識別子等)、及び商品又はサービスの要求数の情報を含む要求情報を受け付ける。識別子は、例えば、数字、アルファベット(大文字及び小文字を含む)又はそれらの組み合わせの識別コードであり得る。
【0031】
調達要求受付部102aが受け付ける要求情報には、調達を要求する商品又はサービスの情報、及び商品又はサービスの要求数の情報に加えて、調達を要求する商品又はサービスの見込み単価・希望単価(要求単価)の情報、調達を要求する商品又はサービスの見込み単価・希望単価(要求金額)の情報、調達を要求する商品又はサービスの希望納期の情報、調達を要求する商品又はサービスの希望業者の情報(名称、識別子等)、調達を要求する商品又はサービスの要求担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、調達を要求する商品又はサービスの要求日の情報、要求情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0032】
調達要求受付部102aは、一実施形態において、調達を要求する商品又はサービスの情報、及び商品又はサービスの要求数の情報に加えて、商品又はサービスの要求単価の情報、或いは商品又はサービスの要求金額の情報を含む要求情報を受け付ける。
【0033】
調達要求受付部102aは、情報ステータスを要求申請中ステータスとして要求情報を調達要求情報データに登録する。
【0034】
調達準備情報受付部102bは、情報ステータスが要求申請中ステータスである要求情報について、要求情報における商品を在庫引当することを示す調達準備情報、又は要求情報における商品又はサービスを見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付ける。
【0035】
調達準備情報受付部102bが受け付ける在庫引当することを示す調達準備情報には、要求情報における商品の在庫引当数の情報、要求情報における商品の在庫引当単価の情報、要求情報における商品の在庫引当金額の情報、要求情報における商品の在庫がある倉庫の情報(名称、識別子等)、要求情報の受付担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報の受付日の情報、要求情報における商品について在庫引当を選択した旨の表示(フラグ等)、調達準備情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0036】
調達準備情報受付部102bが受け付ける見積依頼準備することを示す調達準備情報には、要求情報における商品又はサービスの見積依頼予定数の情報、要求情報における商品又はサービスの見積依頼予定単価の情報、要求情報における商品又はサービスの見積依頼予定金額の情報、要求情報における商品又はサービスの見積依頼予定業者の情報(名称、識別子等)、要求情報の受付担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報の受付日の情報、要求情報における商品又はサービスについて見積依頼準備を選択した旨の表示(フラグ等)、調達準備情報を特定する情報(識別子等)、調達準備情報に対応する要求情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0037】
調達準備情報受付部102bは、一実施形態において、在庫引当することを示す調達準備情報として、要求情報における商品の在庫引当数の情報を含む調達準備情報を受け付け、見積依頼準備することを示す調達準備情報として、要求情報における商品又はサービスの見積依頼予定数の情報を含む調達準備情報を受け付ける。
【0038】
調達準備情報受付部102bは、一実施形態において、調達準備情報を、要求情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、調達準備情報における調達準備情報に対応する要求情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0039】
調達準備情報受付部102bは、在庫引当することを示す調達準備情報を受け付けた場合は要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから在庫引当済ステータスに更新登録し、見積依頼準備することを示す調達準備情報を受け付けた場合は要求情報の情報ステータスを要求申請中ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する。
【0040】
在庫払出情報受付部102cは、情報ステータスが在庫引当済ステータスである要求情報について、要求情報における商品を払い出したことを示す在庫払出情報を受け付ける。
【0041】
在庫払出情報受付部102cが受け付ける在庫払出情報には、要求情報における商品の移動数(在庫払出数)又は予約数、要求情報における商品の移動単価(在庫払出単価)又は予約単価、要求情報における商品の移動金額(在庫払出金額)又は予約金額、要求情報における商品の払出担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報における商品の払出日の情報、要求情報における商品の払い出し完了の表示(フラグ等)、在庫払出情報を特定する情報(識別子等)、在庫払出情報に対応する要求情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0042】
在庫払出情報受付部102cは、一実施形態において、在庫払出情報を、要求情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、在庫払出情報における在庫払出情報に対応する要求情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0043】
在庫払出情報受付部102cは、要求情報の情報ステータスを在庫引当済ステータスから在庫払出済ステータスに更新登録する。
【0044】
見積依頼情報受付部102dは、情報ステータスが要求受付済ステータスである要求情報について、要求情報における商品の見積を依頼したことを示す見積依頼情報を受け付ける。見積依頼情報受付部102dは、一実施形態において、1つの要求情報に対して2つ以上の見積依頼情報を受け付けることができる。当該実施形態では複数の業者への相見積依頼が可能である。
【0045】
見積依頼情報受付部102dが受け付ける見積依頼情報には、要求情報における商品又はサービスの見積依頼先の業者の情報(名称、識別子等)、要求情報における前記商品又は前記サービスの見積依頼数(依頼数)の情報、要求情報における商品又はサービスの見積依頼担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報における商品又はサービスの見積依頼日の情報、要求情報における商品又はサービスについての見積依頼完了の表示(フラグ等)、見積依頼情報を特定する情報(識別子等)、見積依頼情報に対応する要求情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0046】
見積依頼情報受付部102dは、一実施形態において、見積依頼情報として、要求情報における商品又はサービスの見積依頼先の業者の情報、及び要求情報における商品又はサービスの見積依頼数の情報を含む見積依頼情報を受け付ける。
【0047】
見積依頼情報受付部102dは、一実施形態において、見積依頼情報を、要求情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、見積依頼情報における見積依頼情報に対応する要求情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0048】
見積依頼情報受付部102dは、要求情報の情報ステータスを要求受付済ステータスから見積依頼済ステータスに更新登録する。
【0049】
業者情報受付部102eは、要求情報における商品又はサービスについての業者の回答単価の情報、或いは要求情報における商品又はサービスについての業者の回答金額の情報を含む業者回答情報を受け付ける。
【0050】
業者情報受付部102eが受け付ける業者回答情報には、さらに、要求情報における商品又はサービスについての業者の回答数の情報、要求情報における商品又はサービスについての回答業者の情報(名称、識別子等)、要求情報における商品又はサービスについての業者からの回答受付担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報における商品又はサービスについての業者からの回答受付日の情報、業者回答情報を特定する情報(識別子等)、業者回答情報に対応する見積依頼情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0051】
業者情報受付部102eは、業者回答情報を、業者回答情報における業者に対応する見積依頼情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、業者回答情報における業者回答情報に対応する見積依頼情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0052】
業者情報受付部102eは、情報ステータスが見積依頼済ステータスである要求情報について、要求情報に紐付けされた見積依頼情報毎に、見積依頼情報における業者に対して、発注することを示す業者適否情報、又は発注しないことを示す業者適否情報を受け付ける。
【0053】
業者情報受付部102eは、一実施形態において、業者回答情報における回答単価が、要求単価を上回る場合、又は業者回答情報における回答金額が、要求金額を上回る場合は、前記業者回答情報における業者について、発注しないことを示す業者適否情報を受け付け、発注することを示す業者適否情報を受け付けない。
【0054】
業者情報受付部102eが受け付ける業者適否情報には、発注先確定担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、発注先確定日の情報、発注確定業者の情報(名称、識別子等)、発注先確定の表示(フラグ等)、業者適否情報を特定する情報(識別子等)、業者適否情報に対応する見積依頼情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0055】
業者情報受付部102eは、業者適否情報を、業者適否情報における業者に対応する見積依頼情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、業者適否情報における業者適否情報に対応する見積依頼情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0056】
業者情報受付部102eは、要求情報に紐付けされた見積依頼情報のうち少なくとも1つの見積依頼情報に、発注することを示す業者適否情報が紐付けされた場合は、要求情報の情報ステータスを見積依頼済ステータスから発注先確定ステータスに更新登録し、要求情報に紐付けされた見積依頼情報のうち全ての見積依頼情報に、発注しないことを示す業者適否情報のみが紐付けされた場合は、要求情報の情報ステータスを見積依頼済ステータスから要求受付済ステータスに更新登録する。
【0057】
発注完了情報受付部102fは、情報ステータスが発注先確定ステータスである要求情報について、業者適否情報における発注を確定した業者に対し、要求情報における商品又はサービスを発注したことを示す発注完了情報を受け付ける。
【0058】
発注完了情報受付部102fが受け付ける発注完了情報には、要求情報における商品又はサービスの発注数、要求情報における商品又はサービスの発注単価、要求情報における商品又はサービスの発注金額、要求情報における商品又はサービスの発注先の業者の情報(名称、識別子等)、要求情報における商品又はサービスの発注担当者の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報における商品又はサービスの発注日の情報、要求情報における商品又はサービスの発注完了の表示(フラグ等)、発注完了情報を特定する情報(識別子等)、発注完了情報に対応する要求情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0059】
発注完了情報受付部102fは、一実施形態において、発注完了情報を、要求情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、発注完了情報における発注完了情報に対応する要求情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0060】
発注完了情報受付部102fは、要求情報の情報ステータスを発注先確定ステータスから発注済ステータスに更新登録する。
【0061】
仕入完了情報受付部102gは、情報ステータスが発注済ステータスである要求情報について、要求情報における商品を業者から仕入れたこと又はサービスの提供を業者から受けたことを示す仕入完了情報を受け付ける。
【0062】
仕入完了情報受付部102gが受け付ける仕入完了情報には、要求情報における商品又はサービスの仕入数(受入数)、要求情報における商品又はサービスの仕入単価(受入単価)、要求情報における商品又はサービスの仕入金額(受入金額)、要求情報における商品又はサービスの仕入業者(受入業者)の情報(名称、識別子等)、要求情報における商品又はサービスの仕入担当者(受入担当者)の情報(氏名、部門部署、識別子等)、要求情報における商品又はサービスの仕入日(受入日)の情報、要求情報における商品又はサービスの仕入完了(受入完了)の表示(フラグ等)、仕入完了情報を特定する情報(識別子等)、仕入完了情報に対応する要求情報を特定する情報(識別子等)等が含まれ得る。
【0063】
仕入完了情報受付部102gは、一実施形態において、仕入完了情報を、要求情報に紐付け登録する。紐付け登録は、例えば、仕入完了情報における仕入完了情報に対応する要求情報を特定する情報を基準にすることができる。
【0064】
仕入完了情報受付部102gは、要求情報の情報ステータスを発注済ステータスから仕入済ステータスに更新登録する。
【0065】
データ抽出部102hは、調達要求情報データから抽出すべき情報の指定を受け付け、指定に該当する要求情報、又は要求情報に紐付けされた情報のうち指定に該当する情報(要求情報に紐付けされた調達準備情報、要求情報に紐付けされた在庫払出情報、要求情報に紐付けされた見積依頼情報、要求情報に紐付けされた発注完了情報、要求情報に紐付けされた仕入完了情報、見積依頼情報に紐付けされた業者回答情報、見積依頼情報に紐付けされた業者適否情報等)を抽出し、抽出した情報の一覧を作成する。
【0066】
データ抽出部102hは、要求情報に含まれる商品又はサービス、要求数の範囲、見込み単価・希望単価の範囲、見込み単価・希望単価の範囲、希望納期の範囲、希望業者、要求担当者、要求日の範囲、情報ステータス、調達準備情報に含まれる在庫引当数の範囲、在庫引当単価の範囲、在庫引当金額の範囲、倉庫、受付担当者、受付日の範囲、在庫払出情報に含まれる移動数又は予約数の範囲、移動単価又は予約単価の範囲、移動金額又は予約金額の範囲、払出担当者、払出日の範囲、見積依頼情報における見積依頼先の業者、見積依頼数の範囲、見積依頼担当者、見積依頼日の範囲、業者回答情報における回答数の範囲、回答業者、回答受付担当者、回答受付日の範囲、業者適否情報における発注先確定担当者、発注先確定日の範囲、発注確定業者、発注先確定の表示、発注完了情報における発注数の範囲、発注単価の範囲、発注金額、発注先の業者、発注担当者、発注日の範囲、仕入完了情報における仕入数の範囲、仕入単価の範囲、仕入金額の範囲、仕入業者、仕入担当者、仕入日の範囲等のうちの任意の1つ又は任意の2以上の組み合わせを所定の範囲に限定又は特定する指定を受け付け、指定に該当する要求情報、又は要求情報に紐付けされた情報のうち指定に該当する情報を抽出し、抽出した情報の一覧を作成する。
【0067】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、PC100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0068】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0069】
記憶部106は、概念的に、調達要求情報データ記憶部106a等を備えている。
【0070】
調達要求情報データ記憶部106aは、調達要求情報データを格納する。調達要求情報データには、要求情報、要求情報に紐付けされた要求情報、要求情報に紐付けされた調達準備情報、要求情報に紐付けされた在庫払出情報、要求情報に紐付けされた見積依頼情報、要求情報に紐付けされた発注完了情報、要求情報に紐付けされた仕入完了情報、見積依頼情報に紐付けされた業者回答情報、見積依頼情報に紐付けされた業者適否情報等が含まれ得る。
【0071】
入出力インターフェース部108には、入力装置400及び出力装置500が接続されている。出力装置400には、ディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置、スピーカ等の音響装置、プリンタ等の印刷装置の他、データファイル形式でダウンロード可能とする装置も含まれる。データファイルファイル形式は、PDF、CSV、文書ファイル、表計算ソフトファイル、テキストファイル等、当分野で公知のファイル形式を採用することができる。入力装置500には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0072】
[2.具体例]
ここでは、具体的な事例を用いて、本発明に係る調達業務管理装置における調達要求受付部102a、調達準備情報受付部102b、在庫払出情報受付部102c、見積依頼情報受付部102d、業者情報受付部102e、発注完了情報受付部102f、仕入完了情報受付部102g、及びデータ抽出部102hによる情報処理に関し、
図2~4を参照して説明する。
【0073】
図2は、調達要求受付部102a、調達準備情報受付部102b、在庫払出情報受付部102c、見積依頼情報受付部102d、業者情報受付部102e、発注完了情報受付部102f、及び仕入完了情報受付部102gによる情報処理のフローの一例を示す図である。
【0074】
図3及び4は、データ抽出部102hにより調達要求情報データから抽出された情報の一例を示す図である。
【0075】
まず、要求担当者「社員α」は、商品A、パイプB、及びC業務の調達が必要となったため、商品Aの調達を要求する要求情報A(要求コードY001、行番号1、内容(商品又はサービス)「商品A」、要求数10、要求単価300、要求金額3,000、要求担当者「社員α」)、パイプBの調達を要求する要求情報B(要求コードY001、行番号2、内容「パイプB」、要求数2、要求単価10,000、要求金額20,000、要求担当者「社員α」)、及びC業務の調達を要求する要求情報C(要求コードY001、行番号3、内容「C業務」、要求数1、要求単価200,000、要求金額200,000、要求担当者「社員α」)を調達業務管理装置に入力する。なお、要求コード及び行番号は、要求情報を特定する情報である。
【0076】
調達要求受付部102aは、要求情報A、要求情報B及び要求情報Cを受け付け、
図2の調達要求情報データ(1)に示すように、要求情報A、要求情報B、及び要求情報C(要求コード、行番号、内容、要求数、要求単価、要求金額、要求担当者)を、情報ステータスを「要求申請中」として、調達要求情報データに登録する。
【0077】
次に、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(1)に示す要求情報Aについて、要求情報Aにおける商品Aは社内に在庫があることから、商品Aの在庫引当処理を行うため、要求数と同一数の商品Aについて在庫引当することを示す調達準備情報A(要求コードY001、行番号1に対して、引当数(在庫引当数)10、要求担当者「社員β」)を調達業務管理装置に入力する。
【0078】
また、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(1)に示す要求情報Bについて、パイプBは社内に在庫がなく、業者にパイプBの見積依頼を行う必要があるため、要求数と同一数のパイプBについて見積依頼準備することを示す調達準備情報B(要求コードY001、行番号2に対して、予定数(見積依頼予定数)2、要求担当者「社員β」)を調達業務管理装置に入力する。
【0079】
また、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(1)に示す要求情報Cについて、C業務は社内で供給できず、業者にC業務の見積依頼を行う必要があるため、要求数と同一数のC業務について見積依頼準備することを示す調達準備情報C(要求コードY001、行番号3に対して、予定数1、要求担当者「社員β」)を調達業務管理装置に入力する。
【0080】
調達準備情報受付部102bは、調達準備情報A、調達準備情報B、及び調達準備情報Cをそれぞれ受け付け、
図2の調達要求情報データ(2)に示すように、調達準備情報A(引当数、受付担当者)を要求情報Aに、調達準備情報B(予定数、受付担当者)を要求情報Bに、調達準備情報C(予定数、受付担当者)を要求情報Cにそれぞれ紐付け登録し、要求情報Aについては、調達準備情報Aは在庫引当することを示す調達準備情報であるため、要求情報Aの情報ステータスを「要求申請中」から「在庫引当済」に更新登録し、要求情報B及び要求情報Cについては、調達準備情報B及び調達準備情報Cは見積依頼準備することを示す調達準備情報であるため、要求情報B及び要求情報Cの情報ステータスを「要求申請中」から「要求受付済」に更新登録する。
【0081】
次に、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(2)に示す情報ステータスが「在庫引当済」の要求情報Aについて、要求情報Aにおける商品Aを社内の倉庫から要求数と同一数払い出したため、要求数と同一数の商品Aを払い出したことを示す在庫払出情報A(要求コードY001、行番号1に対して、移動数(在庫払出数)10)を調達業務管理装置に入力する。
【0082】
在庫払出情報受付部102cは、在庫払出情報Aを受け付け、
図2の調達要求情報データ(3)に示すように、在庫払出情報A(移動数)を要求情報Aにそれぞれ紐付け登録し、要求情報Aの情報ステータスを「在庫引当済」から「在庫払出済」に更新登録する。
【0083】
次に、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(3)に示す情報ステータスが「要求受付済」の要求情報Bについて、要求情報BにおけるパイプBの見積を要求数と同一の見積依頼数として業者「卸業者B」に依頼したため、見積を依頼したことを示す見積依頼情報B(要求コードY001、行番号2に対して、依頼コードM001、業者(名称)「卸業者B」、依頼数2)を調達業務管理装置に入力する。
【0084】
受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(3)に示す情報ステータスが「要求受付済」の要求情報Cについて、要求情報CにおけるC業務の見積を要求数と同一の見積依頼数として業者「CA工務店」と「CB工務店」両方に依頼したため、見積を依頼したことを示す見積依頼情報C1(要求コードY001、行番号3に対して、依頼コードM002、業者「CA工務店」、依頼数1)及び見積依頼情報C2(要求コードY001、行番号3に対して、依頼コードM003、業者「CB工務店」、依頼数1)を調達業務管理装置に入力する。依頼コードは、見積依頼情報を特定する情報である。
【0085】
見積依頼情報受付部102dは、見積依頼情報B、見積依頼情報C1及び見積依頼情報C2をそれぞれ受け付け、
図2の調達要求情報データ(4)に示すように、見積依頼情報B(依頼コード、業者、依頼数)を要求情報Bに、見積依頼情報C1及び見積依頼情報C2(依頼コード、業者、依頼数)を要求情報Cにそれぞれ紐付け登録し、要求情報B及び要求情報Cの情報ステータスをそれぞれ「要求受付済」から「見積依頼済」に更新登録する。
【0086】
次に、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(4)に示す情報ステータスが「見積依頼済」の要求情報Bについて、業者「卸業者B」からパイプBの見積の回答情報(回答単価9,900、回答金額19,800)を受け取り、業者「卸業者B」の回答金額が要求金額を下回っていたことから、業者「卸業者B」に発注することを決定し、業者「卸業者B」に発注することを示す業者適否情報B(依頼コードM001に対して、FLG(業者確定フラグ)「ON」)と共に、業者「卸業者B」の業者回答情報B(依頼コードM001に対して、回答単価9,900、回答金額19,800)を調達業務管理装置に入力する。
【0087】
受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(4)に示す情報ステータスが「見積依頼済」の要求情報Cについて、業者「CA工務店」からC業務の見積の回答情報(回答単価210,000、回答金額210,000)を受け取り、また、業者「CB工務店」からC業務の見積の回答情報(回答単価200,000、回答金額200,000)を受け取り、両者を比較し、回答金額がより安く、回答金額が要求金額を下回っている業者「CA工務店」に発注することを決定し、業者「CA工務店」に発注しないことを示す業者適否情報C1(依頼コードM002に対して、FLG(業者確定フラグ)「OFF」)、及び業者「CB工務店」に発注することを示す業者適否情報C2(依頼コードM003に対して、FLG(業者確定フラグ)「ON」)と共に、業者「CA工務店」の業者回答情報C1(依頼コードM002に対して、回答単価210,000、回答金額210,000)、及び業者「CB工務店」の業者回答情報C2(依頼コードM003に対して、回答単価200,000、回答金額200,000)を調達業務管理装置に入力する。
【0088】
業者情報受付部102eは、業者「卸業者B」に発注することを示す業者適否情報Bと業者回答情報B、業者「CA工務店」に発注しないことを示す業者適否情報C1と業者回答情報C1、及び業者「CB工務店」に発注することを示す業者適否情報C2と業者回答情報C2をそれぞれ受け付け、
図2の調達要求情報データ(5)に示すように、見積依頼情報Bに、業者適否情報B(FLG)及び業者回答情報B(回答単価及び回答金額)を、見積依頼情報C1に、業者適否情報C1(FLG)及び業者回答情報C1(回答単価及び回答金額)を、見積依頼情報C2に、業者適否情報C2(FLG)及び業者回答情報C2(回答単価及び回答金額)をそれぞれ紐付け登録し、さらに、要求情報B及び要求情報Cそれぞれに業者に対する発注することを示す業者適否情報(FLG「ON」)が紐付け登録されたことから、要求情報B及び要求情報Cの情報ステータスをそれぞれ「見積依頼済」から「発注先確定」に更新登録する。
【0089】
次に、受付担当者「社員β」は、
図2の調達要求情報データ(5)に示す情報ステータスが「発注先確定」の要求情報B及び要求情報Cについて、要求情報BにおけるパイプBを業者「卸業者B」に発注完了し、要求情報CにおけるC業務を業者「CB工務店」に発注完了したため発注完了情報B(要求コードY001、行番号2に対して、発注コードH001)及び発注完了情報C(要求コードY001、行番号3に対して、発注コードH002)を調達業務管理装置に入力する。
【0090】
発注完了情報受付部102fは、発注完了情報B及び発注完了情報Cを受け付け、
図2の調達要求情報データ(6)に示すように、発注完了情報B(発注コード)を要求情報Bに、発注完了情報C(発注コード)を要求情報Cにそれぞれ紐付け登録し、要求情報B及び要求情報Cの情報ステータスを「発注先確定」から「発注済」に更新登録する。
【0091】
次に、要求担当者「社員α」は、
図2の調達要求情報データ(6)に示す情報ステータスが「発注済」の要求情報Bについて、業者「卸業者B」から納品された要求情報BにおけるパイプBを受け取り、検品したところ問題なかったため、パイプBの仕入が完了したことを示す仕入完了情報B(要求コードY001、行番号2に対して、仕入コードS001)を調達業務管理装置に入力する。
【0092】
仕入完了情報受付部102gは、仕入完了情報Bを受け付け、仕入完了情報Bについては仕入コードをS001とし、
図2の調達要求情報データ(7)に示すように、発注完了情報C(仕入コード)を要求情報Bに紐付け登録し、要求情報Bの情報ステータスを「発注済」から「仕入済」に更新登録する。
【0093】
次に、要求担当者「社員α」は、過去における、パイプBの要求単価、及び業者からパイプBの見積の回答単価を確認するために、調達要求情報データから、内容(商品又はサービス)がパイプB、FLG(業者確定フラグ)が「ON」となっている情報を抽出する指示を調達業務管理装置に入力する。指示を受け付けたデータ抽出部102hは、該当する要求情報と、それに紐付けされた見積依頼情報、それに紐付けされた業者回答情報及び業者適否情報を抽出し、調達業務管理装置は、
図3に示すような一覧を出力する。
【0094】
これにより、要求担当者「社員α」は、過去における、パイプBの要求単価、及び業者からパイプBの見積の回答単価を確認することができ、適切な要求単価でパイプBを調達要求することができる。
【0095】
次に、要求担当者「社員α」は、現在における、自己「社員α」が要求担当者として調達要求した内容(商品又はサービス)の調達状況を確認するために、調達要求情報データから、要求担当者が「社員α」、情報ステータスが「仕入済」及び「在庫払出済」以外である情報を抽出する指示を調達業務管理装置に入力する。指示を受け付けたデータ抽出部102hは、該当する要求情報を抽出し、調達業務管理装置は、
図4に示すような一覧を出力する。
【0096】
これにより、要求担当者「社員α」は、自己「社員α」が要求担当者として調達要求した内容(商品又はサービス)の調達状況をリアルタイムで確認することができ、発注漏れや検収漏れを防ぐことができると共に、作業遅延を防ぐことができる。
【0097】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0098】
例えば、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0099】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0100】
また、PC100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0101】
例えば、PC100を構成する各装置が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて各装置に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0102】
また、このコンピュータプログラムは、PC100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0103】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0104】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0105】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0106】
また、PC100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、PC100は、当該PC100に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0107】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、業者への発注管理を含めた部材等の調達業務に有用である。
【符号の説明】
【0109】
100 PC
102 制御部
102a 調達要求受付部
102b 調達準備情報受付部
102c 在庫払出情報受付部
102d 見積依頼情報受付部
102e 業者情報受付部
102f 発注完了情報受付部
102g 仕入完了情報受付部
102h データ抽出部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 調達要求情報データ記憶部
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置