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  • 特許-端尺材検出装置及び端尺材検出方法 図1
  • 特許-端尺材検出装置及び端尺材検出方法 図2
  • 特許-端尺材検出装置及び端尺材検出方法 図3
  • 特許-端尺材検出装置及び端尺材検出方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】端尺材検出装置及び端尺材検出方法
(51)【国際特許分類】
   B23D 33/00 20060101AFI20240501BHJP
   B23D 23/00 20060101ALI20240501BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20240501BHJP
   B21B 15/00 20060101ALI20240501BHJP
   G06M 7/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B23D33/00 J
B23D23/00 A
B23Q17/24 Z
B21B15/00 B
G06M7/00 301B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020166705
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059152
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】501120122
【氏名又は名称】スチールプランテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆二
(72)【発明者】
【氏名】三輪 直義
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸昌
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-104470(JP,A)
【文献】特開2012-173901(JP,A)
【文献】特開2003-099755(JP,A)
【文献】特開2015-036158(JP,A)
【文献】特表平06-503515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 23/00、33/00
B23Q 17/24
B21B 15/00
B21B 39/00
G01B 11/02
G06M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延後の複数本の棒鋼を一層で載置してその長手方向に搬送する搬送テーブルと、この搬送テーブルにより供給された前記棒鋼を複数本まとめてシャー切断するコールドシャーとを備えた棒鋼圧延設備に配置され、シャー切断後に得られる棒鋼群から所定の製品長に満たない端尺材を検出する端尺材検出装置であって、
シャー切断した直後の前記棒鋼の切断面を照らすよう、前記コールドシャーの出口側において前記切断面と対向する位置に設けられた照明装置と、
前記照明装置によって照らされた前記切断面の画像を取得するよう、前記コールドシャーの出口側において前記切断面と対向する位置に設けられた画像取得装置と、
前記画像取得装置による撮影で得られた前記切断面の画像に対して画像処理を行う画像処理装置と、
該画像処理装置により処理された画像に基づいて前記コールドシャーにより切断された前記棒鋼の本数を計測するとともに、連続する第1のシャー切断と第2のシャー切断による前記切断面の画像から計測された前記棒鋼の本数を用い、前記第1のシャー切断で切断された棒鋼の本数と前記第2のシャー切断で切断された棒鋼の本数との差に基づいて前記端尺材を検出するよう構成された演算装置と、を備えることを特徴とする端尺材検出装置。
【請求項2】
前記照明装置が、前記棒鋼の並べられた方向である幅方向において異なる位置から前記切断面に対して投光可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の端尺材検出装置。
【請求項3】
前記演算装置と通信可能に設けられ、前記端尺材を検出したことを示す検出信号を前記演算装置から受信したときに、その旨を表示する表示装置を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の端尺材検出装置。
【請求項4】
圧延後の複数本の棒鋼を一層で載置してその長手方向に搬送する搬送テーブルと、この搬送テーブルにより供給された前記棒鋼を複数本まとめてシャー切断するコールドシャーとを備えた棒鋼圧延設備において、シャー切断後に得られる棒鋼群から所定の製品長に満たない端尺材を検出する端尺材検出方法であって、
シャー切断した直後の前記棒鋼の切断面を照明装置で照らすことと、
前記照明装置によって照らされた前記切断面を画像取得装置で撮影することと、
前記撮影することにより得られた連続する第1のシャー切断と第2のシャー切断による前記切断面の画像に対して画像処理を行うことで第1のシャー切断により切断された棒鋼の本数と第2のシャー切断により切断された棒鋼の本数とを計測することと、
前記計測された前記第1のシャー切断で切断された棒鋼の本数と前記第2のシャー切断で切断された棒鋼の本数との差に基づいて前記端尺材を検出することと、を含むことを特徴とする端尺材検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒鋼の圧延設備において、複数本の棒鋼を切断する際に発生する製品長に満たない端尺材を検出する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
棒鋼の圧延設備において、所定の径に圧延されて圧延機から出てきた棒鋼は、規定製品長以上(一例としては、100m前後)の長尺であるので、この長尺製品は複数本まとめて、コールドシャーにより、所定の製品長(定尺製品長:一般的には、3.5~12m程度)に切断される。
【0003】
しかし、圧延機で圧延される元となる素材である連続鋳造機で鋳造された鋳片(例えば140角のビレット材等)の長さにはバラつきがあり、その結果、この鋳片を圧延して得られる棒鋼の長さにはバラつきが発生することになる。そのため、これらの棒鋼をシャー切断して得られる棒鋼群には、定尺製品長に満たない棒鋼(端尺材)が混入することがある。
【0004】
このような端尺材を検出するための装置には、例えば特許文献1(特開平5-149718号公報)や特許文献2(特許6340177号公報)に開示されたものがある。
これら特許文献1、2に開示された装置は、圧延設備内で複数本並べられた状態で長手方向に送られる棒鋼の所定位置での存在本数を、棒鋼の上方に設けられたセンサーまたは画像取得装置から得られた情報に基づいて計測することで端尺材を検出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平5-149718号公報
【文献】特許第6340177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数本並べられた棒鋼は一部重なり合っていることもある等の理由から、これらの装置によって精度よく端尺材を検出することは難しかった。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、簡単にかつ正確に端尺材の有無を検知できる端尺材検出装置及び端尺材検出方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る端尺材検出装置は、圧延後の複数本の棒鋼を一層で載置してその長手方向に搬送する搬送テーブルと、この搬送テーブルにより供給された前記棒鋼を複数本まとめてシャー切断するコールドシャーとを備えた棒鋼圧延設備に配置され、シャー切断後に得られる棒鋼群から所定の製品長に満たない端尺材を検出する端尺材検出装置であって、
シャー切断した直後の前記棒鋼の切断面を照らすよう、前記シャーの出口側において前記切断面と対向する位置に設けられた照明装置と、
前記照明装置によって照らされた前記切断面の画像を取得するよう、前記シャーの出口側において前記切断面と対向する位置に設けられた画像取得装置と、
前記画像取得装置による撮影で得られた前記切断面の画像に対して画像処理を行う画像処理装置と、
該画像処理装置により処理された画像に基づいて前記コールドシャーにより切断された前記棒鋼の本数を計測するとともに、連続する第1のシャー切断と第2のシャー切断による前記切断面の画像から計測された前記棒鋼の本数を用い、前記第1のシャー切断で切断された棒鋼の本数と前記第2のシャー切断で切断された棒鋼の本数との差に基づいて前記端尺材を検出するよう構成された演算装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記照明装置が、前記棒鋼の並べられた方向である幅方向において異なる位置から前記切断面に対して投光可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
(3)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、前記演算装置と通信可能に設けられ、前記端尺材を検出したことを示す検出信号を前記演算装置から受信したときに、その旨を表示する表示装置を更に備えることを特徴とするものである。
【0011】
(4)本発明に係る端尺材検出方法は、圧延後の複数本の棒鋼を一層で載置してその長手方向に搬送する搬送テーブルと、この搬送テーブルにより供給された前記棒鋼を複数本まとめてシャー切断するコールドシャーとを備えた棒鋼圧延設備において、シャー切断後に得られる棒鋼群から所定の製品長に満たない端尺材を検出する方法であって、
シャー切断した直後の前記棒鋼の切断面を照明装置で照らすことと、
前記照明装置によって照らされた前記切断面を画像取得装置で撮影することと、
前記撮影することにより得られた連続する第1のシャー切断と第2のシャー切断による前記切断面の画像に対して画像処理を行うことで第1のシャー切断により切断された棒鋼の本数と第2のシャー切断により切断された棒鋼の本数とを計測することと、
前記計測された前記第1のシャー切断で切断された棒鋼の本数と前記第2のシャー切断で切断された棒鋼の本数との差に基づいて前記端尺材を検出することと、を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
端尺材有無の検知の精度は、棒鋼の長手方向における特定の位置での棒鋼の存在有無の検知精度に依存するが、本発明においては、シャー切断直後の揃った切断面に対して、これらに対向する位置から照明、撮像を行うことで、二値化等の画像処理で本数計測を行うことに適した画像が得られ、特定の位置(シャーによる切断位置)での本数を精度よく計測することができる。そのため、精度よく端尺材を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る端尺材検出装置の概略側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る端尺材検出装置の概略平面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る端尺材検出装置における画像処理を説明するための説明図である。
図4】本発明の実施の形態に係る端尺材検出装置における演算処理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態に係る端尺材検出装置1は、図1図2に示すように、棒鋼圧延設備3に配置され、シャー切断後に得られる棒鋼群から所定の製品長に満たない端尺材を検出するものであって、照明装置5と、画像取得装置7と、コンピュータ8と、表示装置13とを備え、コンピュータ8に組み込まれたソフトウエアによって本発明の画像処理装置9と演算装置11とが実現されている。以下、各構成を詳細に説明する。
【0015】
<棒鋼圧延設備>
棒鋼圧延設備3は、圧延後の複数本の棒鋼14を一層で載置してその長手方向に搬送する搬送テーブル15と、この搬送テーブル15により供給された棒鋼14を複数本まとめてシャー切断する刃物17を有するコールドシャー19とを備えている。
本実施の形態の搬送テーブル15は、図2に示すように、棒鋼群を幅方向に3ラインで搬送するものである。本発明において、幅方向とは、棒鋼の並べられた方向であって、水平面内において棒鋼の長手方向(搬送方向)と直交する方向を意味している。
棒鋼14の搬送方向は、図1中の矢印で示す方向であり、搬送テーブル15の下流側すなわち矢印の先端方向の所定の位置には棒鋼14を受け止める移動可能なストッパーが設置され(図示なし)、ストッパーと刃物17の間隔が定尺製品長になるように、ストッパーの位置が決定されている。
【0016】
<照明装置>
照明装置5は、シャー切断した直後の棒鋼14の切断面を照らすよう、シャーの出口側において切断面と対向する位置に設けられている(図1参照)。
照明装置5の設置位置は、発した光ができる限り多く棒鋼14の切断面で反射して画像取得装置7に届く位置であることが好ましい。これは、画像取得装置7による撮影で得られた画像において切断面部分が明るければ明るいほど、当該画像に対して画像処理装置9で後述の二値化処理を行って得られた画像において棒鋼14の切断面の部分の識別が容易となり、棒鋼の本数の計測精度が向上するためである。
このことから、照明装置5の設置位置は、理想的には切断面に対して正対する位置であることが望ましいが、実際にはそのような位置には設置できないため、圧延設備を構成する他の装置等との関係で設置可能な場所に設けることとなる。通常、コールドシャーの下流側の搬送テーブル上には空間が存在するため、その空間の適当な位置に配置すればよい。例えば、本実施の形態のように、照明装置5の設置位置のシャー出口からの水平距離と、搬送テーブル上面を基準とした高さとの比が3:1程度となるように照明装置5の位置を設定してもよい。
【0017】
また、照明装置5は、群を構成している棒鋼14の全ての切断面を棒鋼群の全幅に渡りできる限り均一に照らすことが好ましく、そのため本実施の形態では発光ダイオード(LED)製で搬送テーブル15の幅方向に延びるライン照明装置が2台設けられている。なお、棒鋼群の全幅を均一に照明させることができる照明としては、LED製ライン照明以外にも、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等の他の半導体発光素子を用いたライン照明でもよく、また、白熱電球等を用いた投光器を幅方向に複数並べた形態でも良い。
言い換えると、照明装置5が、棒鋼14の並べられた方向である幅方向において異なる位置から棒鋼14の切断面に対して投光可能に構成されていることが好ましい。例えば、白熱電球等を用いた投光器であれば、2つの投光器を幅方向において位置の異なる2か所に設置すればよい。これによって、1つの投光器を1か所に設置して1点から切断面に対して投光するよりも、より均一に棒鋼群全体を照らすことができ、画像取得装置7による撮影で得られる画像において切断面部分をより明るくすることができる。
【0018】
<画像取得装置>
画像取得装置7は、照明装置5によって照らされた棒鋼14の切断面の画像を取得するよう、コールドシャー19の出口側において棒鋼14の切断面と対向する位置に設けられている。
本実施の形態の画像取得装置7は、図2に示すように、搬送テーブル15の幅方向に3台設置されたビデオカメラ7aによって構成されている。画像取得装置7の設置位置は、照明装置5の設置とほぼ同じである。
【0019】
なお、画像取得装置7を3台のビデオカメラ7aで構成した理由は以下の通りである。
本実施の形態における棒鋼群の搬送ラインは3ラインあり、1台のビデオカメラで棒鋼全幅を撮影しようとした場合、ビデオカメラをかなり後方に(切断面から離して)配置して撮影することになる。この場合、得られた画像において棒鋼の各切断面のサイズが小さくなり、画像処理によって棒鋼本数を計測することが困難となる。これに対して、複数台(本例では3台)のビデオカメラ7aを設置することで、ビデオカメラ7aを棒鋼断面の近くに配置して棒鋼の切断面を大きく撮影することが可能となり、画像処理による棒鋼本数の計測が容易となる。
【0020】
本実施の形態では、照明装置5から発せられて棒鋼14の切断面で反射した光ができる限り多く画像取得装置7に届くように、画像取得装置7の直上に照明装置5が設置されている(図1参照)。しかし、刃物17により切断された棒鋼14の断面はせん断破断された切断面をしているため、照明光は棒鋼14の切断面で乱反射して画像取得装置7に届くため、画像取得装置7と照明装置5との位置関係はそれほど厳密にする必要はない。
【0021】
<画像処理装置>
画像処理装置9は、画像取得装置7による撮影で得られた棒鋼14の切断面の画像に対して、棒鋼本数計測のための前処理として画像処理を行う装置であり、本実施の形態においては後述の演算装置11と共に1つのコンピュータ8に組み込まれたソフトウエアによって実現されている。
本実施の形態の画像処理装置9は、以下の(1)~(4)の画像処理を順次行う。
(1)画像取得装置7によって撮影されて取得された画像から棒鋼群の切断面を含む部分の適当な大きさの画像を切出す。
(2)画像の明暗を平滑化するため、カラー画像を二値化する。
(3)微小ノイズを除去するため、フィルタリング処理を実施する。
(4)足切り処理を実施することにより、大きな物体の除去を行う。
このうち、(3)の二値化処理においては、変動閾値法を用いることが好ましい。また、(4)のフィルタリング処理は、膨張処理と収縮処理を適宜繰り返し実施することで行うことが好ましい。
以上のような一連の画像処理を実施することにより、演算装置11による棒鋼14の本数の計測が可能となる。
【0022】
<演算装置>
演算装置11は、前述の通りコンピュータ8に組み込まれたソフトウエアによって実現されており、画像処理装置9により処理された画像に基づいてコールドシャー19により切断された棒鋼14の本数を計測する。具体的には、前記(4)までの画像処理が完了した画像において、大きさが所定の閾値範囲内に収まる白の領域の数を棒鋼14の本数として計数する。この際、白の領域の中に、大きさが1本の棒鋼の切断面の大きさに対応する大きさよりも一定以上の割合で大きいものが存在する場合には、その大きさに応じて、その領域が何本の棒鋼に対応するかを判定し、その判定結果に基づいて計数結果(本数)の補正を行う。例えば、白の領域が14個検出され、そのうちの1つの領域の最大幅が1本の棒鋼の切断面の大きさに対応する大きさより70%程度大きい場合には、その領域が2本の棒鋼に対応するものと判定し、棒鋼14の計数結果を補正して15本として出力する。
そして、連続する第1のシャー切断と第2のシャー切断による切断面の画像から計測された棒鋼14の本数を用い、第1のシャー切断で切断された棒鋼14の本数と第2のシャー切断で切断された棒鋼14の本数との差に基づいて端尺材14aを検出するよう構成されている。
また、演算装置11は、上記の演算により端尺材14aを検出すると、端尺材14aを検出したことを示す検出信号(以下、「端尺検出信号」という)を表示装置13に出力する。
【0023】
<表示装置>
表示装置13は、演算装置11と通信可能に設けられ、演算装置11から端尺検出信号を受信したときに、その旨を表示する装置であり、本実施の形態ではコンピュータ8に接続された画面表示(ディスプレイ)装置である。
【0024】
以上のように構成された本実施の形態の端尺材検出装置1を用いた端尺材検出方法を装置の動作と共に説明する。
搬送テーブル15上を上流側から搬送された棒鋼群は図示しないストッパーによって受け止められ、コールドシャー19の刃物17によって切断される。
シャー切断した直後の棒鋼14の切断面は照明装置5によって照らされ、照明装置5によって照らされた切断面が画像取得装置7によって撮影される。図3(a)は画像取得装置7によって撮影された棒鋼群の写真である。棒鋼群の各棒鋼14の切断面は光が乱反射するため、白く撮影されていることがわかる。このような撮影状態であると、前述した画像処理により、図3(b)に示すように、各棒鋼14の断面を検知し(拡大図の切断面を囲む枠参照)、棒鋼14群の本数を計測することが容易となる。
【0025】
演算装置11は、画像処理装置9によって処理された画像に基づいてコールドシャー19により切断された棒鋼14の本数を計測する。そして、前回のシャー切断(第1のシャー切断)による切断面の画像から計測された棒鋼14の本数と、今回のシャー切断(第2のシャー切断)による切断面の画像から計測された棒鋼14の本数を用い、前回のシャー切断で切断された棒鋼14の本数と今回のシャー切断で切断された棒鋼14の本数との差に基づいて端尺材14aを検出する。
【0026】
例えば、図4に示すように、前回のシャー切断による切断面の画像から計測された棒鋼14の本数がM本で、今回のシャー切断による切断面の画像から計測された棒鋼14の本数がN本とすると、図4(a)に示すように、N=Mの場合には、前回と今回のシャー切断によって所定長さに切断された棒鋼群の中には端尺材14aは含まれていないと判断する。他方、図4(b)に示すように、N<Mの場合には前回と今回のシャー切断によって所定長さに切断された棒鋼群の中に定尺製品長より短い端尺材14aがM-N本混入しているとして、端尺材検出信号を表示装置13に出力する。
表示装置13は、端尺材検出信号を受信すると、その旨を画面に表示し操作者に知らせる。
このようにコールドシャー19で切断される切断面を撮影して、棒鋼14の本数を計測することにより、端尺材14aが存在しているかどうかを検知することができ、後工程への端尺混入を防止することができる。
【0027】
端尺材14aの有無の検知の精度は、棒鋼14の長手方向における特定の位置での棒鋼14の存在有無の検出精度に依存するが、本実施の形態では、シャー切断直後の揃った切断面に対して、これらに対向する位置から照明、撮像を行うことで、2値化等の画像処理で本数計測を行うことに適した画像が得られ、特定の位置(シャーによる切断位置)での本数を精度よく計測することができる。そのため、精度よく端尺材14aを検出することが可能となる。
【0028】
以上、本発明を実施形態を用いて説明してきたが、本発明はこの実施の形態の構成には限られない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定まるものであり、その範囲内において実施の形態に示した構成要素の一部の省略や変形、またそれらの改良を施した構成の全てが本発明に含まれる。
【0029】
例えば、本発明においては、画像処理装置9と演算装置11は1つのコンピュータ8に組み込まれたソフトウエアによって実現されるものである必要はなく、それぞれの機能を有する別々のハードウェアによって実現されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では演算装置11が端尺材14aを検出した際に、表示装置13にその旨を視覚的に表示するようにしているが、本発明の表示装置はこれに限られるものではない。本発明の表示装置は、例えば、警報音等の音やランプの点灯等の光によって端尺材14aが検出された旨を操作者に知らせるものであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 端尺材検出装置
3 棒鋼圧延装置
5 照明装置
7 画像取得装置
7a ビデオカメラ
8 コンピュータ
9 画像処理装置
11 演算装置
13 表示装置
14 棒鋼
14a 端尺材
15 搬送テーブル
17 刃物
19 コールドシャー
図1
図2
図3
図4