(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】帳票出力制御装置、帳票出力制御方法、および帳票出力制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240501BHJP
【FI】
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2020198919
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小阪 康洋
(72)【発明者】
【氏名】後藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-172006(JP,A)
【文献】特開2020-052742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える帳票出力制御装置であって、
帳票に出力される項目と、商品の数量と金額を取得するための取得用情報を、オペレータの企業における役割と紐付けて管理する第一マスタと、
金額の帳票への出力可否を識別するための出力可否区分をオペレータ別に管理する第二マスタと、
商品の売上に関する数量と金額を保持する売上データ、商品の仕入に関する数量と金額を保持する仕入データ、および商品の入庫または出庫に関する数量と金額を保持する移動データのうちの少なくとも1つのデータと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
あるオペレータが指定した役割に紐付く項目と取得用情報を前記第一マスタから取得し、当該取得した取得用情報を基に前記少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目単位および商品単位に数量と金額を集計する集計手段と、
前記あるオペレータに紐付く出力可否区分を前記第二マスタから取得し、前記集計手段による集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した出力可否区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した帳票イメージデータを出力部に出力する出力実行手段と、
を備えること、
を特徴とする帳票出力制御装置。
【請求項2】
帳票に出力される項目と、商品の数量と金額を取得するための取得用情報を、オペレータの企業における役割と紐付けて管理する第一マスタと、金額の帳票への出力可否を識別するための出力可否区分をオペレータ別に管理する第二マスタと、商品の売上に関する数量と金額を保持する売上データ、商品の仕入に関する数量と金額を保持する仕入データ、および商品の入庫または出庫に関する数量と金額を保持する移動データのうちの少なくとも1つのデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される帳票出力制御方法であって、
前記制御部で実行される、
あるオペレータが指定した役割に紐付く項目と取得用情報を前記第一マスタから取得し、当該取得した取得用情報を基に前記少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目単位および商品単位に数量と金額を集計する集計ステップと、
前記あるオペレータに紐付く出力可否区分を前記第二マスタから取得し、前記集計ステップによる集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した出力可否区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した帳票イメージデータを出力部に出力する出力実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする帳票出力制御方法。
【請求項3】
帳票に出力される項目と、商品の数量と金額を取得するための取得用情報を、オペレータの企業における役割と紐付けて管理する第一マスタと、金額の帳票への出力可否を識別するための出力可否区分をオペレータ別に管理する第二マスタと、商品の売上に関する数量と金額を保持する売上データ、商品の仕入に関する数量と金額を保持する仕入データ、および商品の入庫または出庫に関する数量と金額を保持する移動データのうちの少なくとも1つのデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための帳票出力制御プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
あるオペレータが指定した役割に紐付く項目と取得用情報を前記第一マスタから取得し、当該取得した取得用情報を基に前記少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目単位および商品単位に数量と金額を集計する集計ステップと、
前記あるオペレータに紐付く出力可否区分を前記第二マスタから取得し、前記集計ステップによる集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した出力可否区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した帳票イメージデータを出力部に出力する出力実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする帳票出力制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票出力制御装置、帳票出力制御方法、および帳票出力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
在庫管理業務がある業種および業界において、在庫の受払に関する情報は、例えば販売管理システムや在庫管理システムなどのシステム(アプリケーションソフトウェア)で定義された定型形式で確認することが可能である。
【0003】
特許文献1には、商品他受払表(日報)出力処理について記載されている(段落0103-0115、
図5、
図8、
図13参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、自社の在庫の受払に関する情報について、それを確認する者の所属部署や職責に応じて、業務上、確認したい情報や確認させる必要のない情報が異なることが想定される。例えば、現場担当者であれば、業務上、入出庫や仕入の計上理由を細かく確認することが想定され、また、経理担当者であれは、業務上、原価算出に関わる要素を確認することが想定される。さらに、原価情報等の漏洩に繋がるおそれから、会社として、例えば現場担当者に金額情報を確認させないことが想定される。
【0006】
しかし、従来のシステムは上記した細かな想定に対応していないため、在庫の受払に関する情報は、様々な業務において、不必要な情報が混在した状態で各担当者に確認されることとなる。そして、このことが、担当者の業務効率や業務遂行精度を下げる方向に働く要因になっていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、在庫の受払に関する帳票の確認を必要とする様々な業務における業務効率や業務遂行精度の改善を図ることができる帳票出力制御装置、帳票出力制御方法、および帳票出力制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る帳票出力制御装置は、制御部を備える帳票出力制御装置であって、帳票に出力される項目と、商品の数量と金額を取得するための取得用情報を、オペレータの企業における役割と紐付けて管理する第一マスタと、金額の帳票への出力可否を識別するための出力可否区分をオペレータ別に管理する第二マスタと、商品の売上に関する数量と金額を保持する売上データ、商品の仕入に関する数量と金額を保持する仕入データ、および商品の入庫または出庫に関する数量と金額を保持する移動データのうちの少なくとも1つのデータと、にアクセス可能であり、前記制御部は、あるオペレータが指定した役割に紐付く項目と取得用情報を前記第一マスタから取得し、当該取得した取得用情報を基に前記少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目単位および商品単位に数量と金額を集計する集計手段と、前記あるオペレータに紐付く出力可否区分を前記第二マスタから取得し、前記集計手段による集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した出力可否区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する生成手段と、前記生成手段で生成した帳票イメージデータを出力部に出力する出力実行手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る帳票出力制御方法は、帳票に出力される項目と、商品の数量と金額を取得するための取得用情報を、オペレータの企業における役割と紐付けて管理する第一マスタと、金額の帳票への出力可否を識別するための出力可否区分をオペレータ別に管理する第二マスタと、商品の売上に関する数量と金額を保持する売上データ、商品の仕入に関する数量と金額を保持する仕入データ、および商品の入庫または出庫に関する数量と金額を保持する移動データのうちの少なくとも1つのデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される帳票出力制御方法であって、前記制御部で実行される、あるオペレータが指定した役割に紐付く項目と取得用情報を前記第一マスタから取得し、当該取得した取得用情報を基に前記少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目単位および商品単位に数量と金額を集計する集計ステップと、前記あるオペレータに紐付く出力可否区分を前記第二マスタから取得し、前記集計ステップによる集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した出力可否区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成した帳票イメージデータを出力部に出力する出力実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る帳票出力制御プログラムは、帳票に出力される項目と、商品の数量と金額を取得するための取得用情報を、オペレータの企業における役割と紐付けて管理する第一マスタと、金額の帳票への出力可否を識別するための出力可否区分をオペレータ別に管理する第二マスタと、商品の売上に関する数量と金額を保持する売上データ、商品の仕入に関する数量と金額を保持する仕入データ、および商品の入庫または出庫に関する数量と金額を保持する移動データのうちの少なくとも1つのデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための帳票出力制御プログラムであって、前記制御部に実行させるための、あるオペレータが指定した役割に紐付く項目と取得用情報を前記第一マスタから取得し、当該取得した取得用情報を基に前記少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目単位および商品単位に数量と金額を集計する集計ステップと、前記あるオペレータに紐付く出力可否区分を前記第二マスタから取得し、前記集計ステップによる集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した出力可否区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成した帳票イメージデータを出力部に出力する出力実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、在庫の受払に関する帳票の確認を必要とする様々な業務における業務効率や業務遂行精度の改善を図ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、帳票出力制御装置100の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、受払パターンマスタ106aに格納される情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、オペレータ別印字要素マスタ106bに格納される情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、売上実績データ106cに格納される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、仕入実績データ106dに格納される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、移動実績データ106eに格納される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、在庫データ106fに格納される情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、汎用受払表画面MAの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、受払表イメージデータMBの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、汎用受払表画面MCの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、受払表イメージデータMDの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る帳票出力制御装置、帳票出力制御方法、および帳票出力制御プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る帳票出力制御装置100の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、帳票出力制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
帳票出力制御装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、帳票出力制御装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0016】
帳票出力制御装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。帳票出力制御装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、帳票出力制御装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、帳票出力制御装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114(本発明の出力部に相当)が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0020】
記憶部106は、本発明の第一マスタに相当する受払パターンマスタ106a、本発明の第二マスタに相当するオペレータ別印字要素マスタ106b、本発明の売上データに相当する売上実績データ106c、本発明の仕入データに相当する仕入実績データ106d、本発明の移動データに相当する移動実績データ106e、および在庫データ106dなどを格納する。
【0021】
図2は、受払パターンマスタ106aに格納される情報の一例を示す図である。受払パターンマスタ106aは、パターン識別情報(例えばパターン区分やパターン名など)、受払区分、項目識別情報(例えば項目番号や項目タイトルなど)、データ種別、および区分識別情報(例えば区分番号や区分名など)を管理するためのマスタである。
【0022】
図3は、オペレータ別印字要素マスタ106bに格納される情報の一例を示す図である。オペレータ別印字要素マスタ106bは、オペレータコードおよび金額印字区分を管理するためのマスタである。
【0023】
図4は、売上実績データ106cに格納される情報の一例を示す図である。売上実績データ106cは、区分識別情報(例えば区分番号や区分名など)、商品識別情報(例えば商品コードや商品名など)、数量(売上数量)、および金額(売上金額)を管理するためのマスタである。ここで、商品の欄に記載されている「○○錠」「××錠」は医薬品の名称の一例である。
【0024】
図5は、仕入実績データ106dに格納される情報の一例を示す図である。仕入実績データ106dは、区分識別情報(例えば区分番号や区分名など)、商品識別情報(例えば商品コードや商品名など)、数量(仕入数量)、および金額(仕入金額)を管理するためのマスタである。
【0025】
図6は、移動実績データ106eに格納される情報の一例を示す図である。移動実績データ106eは、区分識別情報(例えば区分番号や区分名など)、商品識別情報(例えば商品コードや商品名など)、数量(移動数量)、および金額(移動金額)を管理するためのマスタである。
【0026】
図7は、在庫データ106fに格納される情報の一例を示す図である。在庫データ106fは、商品識別情報(例えば商品コードや商品名など)、月初在庫数量、月初在庫金額、月末在庫数量、および月末在庫金額を管理するためのマスタである。
【0027】
図1に戻り、制御部102は、帳票出力制御装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、機能概念的に、本発明の集計手段に相当する集計部102a、本発明の生成手段に相当する生成部102b、および本発明の出力実行手段に相当する出力実行部102cなどを備える。
【0029】
集計部102aは、あるオペレータが指定したパターン識別情報(本発明の「オペレータの企業における役割」に相当)に紐付く、項目識別情報と「データ種別と区分識別情報のペア(本発明の取得用情報に相当)」を受払パターンマスタ106aから取得し、当該取得したペアを基に、売上実績データ106c、仕入実績データ106d、および移動実績データ106eのうちの少なくとも1つのデータにアクセスして、当該取得した項目識別情報単位および商品識別情報単位に数量と金額を集計する。
【0030】
生成部102bは、前記あるオペレータに紐付く金額印字区分(本発明の出力可否区分に相当)をオペレータ別印字要素マスタ106bから取得し、集計部102aによる集計結果が出力されている帳票イメージデータであって当該取得した金額印字区分に従って金額の出力または非出力が制御されているものを生成する。
【0031】
出力実行部102cは、生成部102bで生成した帳票イメージデータを出力装置114に出力する。
【0032】
制御部102が備える各部で実行される処理の具体例は、[2.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0033】
[2.処理の具体例]
ここでは、帳票出力制御装置100で実行される処理の具体例を、
図2-11を参照して説明する。
【0034】
[2-1.金額印字不可のオペレータ「B」がパターン区分「1」を指定した場合(
図2-9参照)]
汎用受払表画面MA(
図8参照)にてオペレータ「B」がパターン区分「1」を指定した場合、集計部102aは、まず、受払パターンマスタ106aから、パターン区分「1」が含まれている受払パターンレコードを取得する(
図2参照)。本説明では、以下の受払パターンレコードが取得される。
●受払パターンマスタ106aの上から1行目のレコード(受払パターンレコード1)
●受払パターンマスタ106aの上から2行目のレコード(受払パターンレコード2)
●受払パターンマスタ106aの上から3行目のレコード(受払パターンレコード3)
●受払パターンマスタ106aの上から4行目のレコード(受払パターンレコード4)
●受払パターンマスタ106aの上から5行目のレコード(受払パターンレコード5)
●受払パターンマスタ106aの上から6行目のレコード(受払パターンレコード6)
●受払パターンマスタ106aの上から7行目のレコード(受払パターンレコード7)
【0035】
つぎに、集計部102aは、取得した受払パターンレコードごとに、データ種別と区分を基に、売上実績データ106c、仕入実績データ106d、または移動実績データ106eから実績レコードを取得する(
図4,5,6参照)。本説明では、以下の実績レコードが取得される。
●受払パターンレコード1に含まれるデータ種別「仕入」と区分「配送業者仕入」で特定される、仕入実績データ106dの上から3,5行目の実績レコード(仕入実績レコード3,5)
●受払パターンレコード2に含まれるデータ種別「仕入」と区分「直接仕入」で特定される、仕入実績データ106dの上から1,2,4行目の実績レコード(仕入実績レコード1,2,4)
●受払パターンレコード3に含まれるデータ種別「移動」と区分「Aライン製造入庫」で特定される、移動実績データ106eの上から1,3行目の実績レコード(移動実績レコード1,3)
●受払パターンレコード4に含まれるデータ種別「移動」と区分「Bライン製造入庫」で特定される、移動実績データ106eの上から2,6行目の実績レコード(移動実績レコード2,6)
●受払パターンレコード5に含まれるデータ種別「売上」と区分「自社出荷売上」で特定される、売上実績データ106cの上から1,2,4行目の実績レコード(売上実績レコード1,2,4)
●受払パターンレコード6に含まれるデータ種別「売上」と区分「他社倉庫出荷売上」で特定される、売上実績データ106cの上から3,5行目の実績レコード(売上実績レコード3,5)
●受払パターンレコード7に含まれるデータ種別「移動」と区分「サンプル出庫」で特定される、移動実績データ106eの上から4,5行目の実績レコード(移動実績レコード4,5)
【0036】
つぎに、集計部102aは、取得した実績レコードを基に、取得した受付パターンレコードに含まれる受払区分およびタイトルならびに商品の組み合わせ単位に、数量および金額を集計する。具体的には、以下の通り、受払区分、タイトル、および商品の組み合わせ単位に、数量および金額が集計される。
●仕入実績レコード3,5を基に集計された「受;配業仕入;○○錠;23;46,000」と「受;配業仕入;××錠;25;50,000」(集計結果11,12)
●仕入実績レコード1,2,4を基に集計された「受;直接仕入;○○錠;45;90,000」と「受;直接仕入;××錠;22;44,000」(集計結果21,22)
●移動実績レコード1,3を基に集計された「受;A製造;○○錠;64;128,000」(集計結果3)
●移動実績レコード2,6を基に集計された「受;B製造;××錠;68;136,000」(集計結果4)
●売上実績レコード1-5を基に集計された「出;売上;○○錠;38;76,000」と「出;売上;××錠;27;54,000」(集計結果51,52)
●移動実績レコード4,5を基に集計された「出;サンプル;○○錠;35;70,000」と「出;サンプル;××錠;34;68,000」(集計結果61,62)
【0037】
つぎに、生成部102bは、オペレータ別印字要素マスタ106bから、オペレータ「B」に紐付く金額印字区分を取得する(
図3参照)。本説明では、金額印字区分「不可」が取得される。
【0038】
つぎに、生成部102bは、取得した金額印字区分が「不可」の場合、金額を除く全集計結果が印字されている受払表イメージデータMBであって在庫データ106fの月初在庫数量と月末在庫数量が商品別にさらに印字されているものを生成する(
図9参照)。
【0039】
つぎに、出力実行部102cは、生成した受払表イメージデータMBをモニタ114に表示させる(
図9参照)。
【0040】
[2-2.金額印字可のオペレータ「A」がパターン区分「2」を指定した場合(
図2-7,10,11参照)]
汎用受払表画面MC(
図10参照)にてオペレータ「A」がパターン区分「2」を指定した場合、集計部102aは、まず、受払パターンマスタ106aから、パターン区分「2」が含まれている受払パターンレコードを取得する(
図2参照)。本説明では、以下の受払パターンレコードが取得される。
●受払パターンマスタ106aの下から7行目のレコード(受払パターンレコード8)
●受払パターンマスタ106aの下から6行目のレコード(受払パターンレコード9)
●受払パターンマスタ106aの下から5行目のレコード(受払パターンレコード10)
●受払パターンマスタ106aの下から4行目のレコード(受払パターンレコード11)
●受払パターンマスタ106aの下から3行目のレコード(受払パターンレコード12)
●受払パターンマスタ106aの下から2行目のレコード(受払パターンレコード13)
●受払パターンマスタ106aの下から1行目のレコード(受払パターンレコード14)
【0041】
つぎに、集計部102aは、取得した受払パターンレコードごとに、データ種別と区分を基に、売上実績データ106c、仕入実績データ106d、または移動実績データ106eから実績レコードを取得する(
図4,5,6参照)。本説明では、以下の実績レコードが取得される。
●受払パターンレコード8に含まれるデータ種別「仕入」と区分「配送業者仕入」で特定される、仕入実績データ106dの上から3,5行目の実績レコード(仕入実績レコード3,5)
●受払パターンレコード9に含まれるデータ種別「仕入」と区分「直接仕入」で特定される、仕入実績データ106dの上から1,2,4行目の実績レコード(仕入実績レコード1,2,4)
●、受払パターンレコード10に含まれるデータ種別「移動」と区分「Aライン製造入庫」で特定される、移動実績データ106eの上から1,3行目の実績レコード(移動実績レコード1,3)
●受払パターンレコード11に含まれるデータ種別「移動」と区分「Bライン製造入庫」で特定される、移動実績データ106eの上から2,6行目の実績レコード(移動実績レコード2,6)
●受払パターンレコード12に含まれるデータ種別「売上」と区分「自社出荷売上」で特定される、売上実績データ106cの上から1,2,4行目の実績レコード(売上実績レコード1,2,4)
●受払パターンレコード13に含まれるデータ種別「売上」と区分「他社倉庫出荷売上」で特定される、売上実績データ106cの上から3,5行目の実績レコード(売上実績レコード3,5)
●受払パターンレコード14に含まれるデータ種別「移動」と区分「サンプル出庫」で特定される、移動実績データ106eの上から4,5行目の実績レコード(移動実績レコード4,5)
【0042】
つぎに、集計部102aは、取得した実績レコードを基に、取得した受付パターンレコードに含まれる受払区分およびタイトルならびに商品の組み合わせ単位に、数量および金額を集計する。具体的には、以下の通り、受払区分、タイトル、および商品の組み合わせ単位に、数量および金額が集計される。
●仕入実績レコード1-5を基に集計された「受;仕入;○○錠;68;136,000」と「受;仕入;××錠;47;94,000」(集計結果71,72)
●移動実績レコード1-3,6を基に集計された「受;製造入庫;○○錠;64;128,000」と「受;製造入庫;××錠;68;136,000」(集計結果81,82)
●売上実績レコード1-5と移動実績レコード4,5を基に集計された「出;出庫;○○錠;73;146,000」と「出;出庫;××錠;61;122,000」(集計結果91,92)
【0043】
つぎに、生成部102bは、オペレータ別印字要素マスタ106bから、オペレータ「A」に紐付く金額印字区分を取得する(
図3参照)。本説明では、金額印字区分「可」が取得される。
【0044】
つぎに、生成部102bは、取得した金額印字区分が「可」の場合、金額を含む全集計結果が印字されている受払表イメージデータMDであって在庫データ106fの月初在庫数量・月初在庫金額と月末在庫数量・月末在庫金額が商品別にさらに印字されているものを生成する(
図11参照)。
【0045】
つぎに、出力実行部102cは、生成した受払表イメージデータMDをモニタ114に表示させる(
図11参照)。
【0046】
[3.本実施形態のまとめ]
以上、本実施形態によれば、自社における在庫の受払を担当業務に応じて、内訳毎にサマリした受払を一覧で確認することができる。例えば、現場担当者に対し、入出庫や仕入の発生パターンを最小の管理単位で表示することができる(上述した「2-1」参照)。また、例えば、現場監督者に対し、出庫に関しては廃棄やサンプル出庫など受払内容を細分化して表示し、仕入はサマリして表示することができる。また、例えば、経理担当者に対し、原価算出に関わる要素をピックアップして表示することができる(上述した「2-2」参照)。また、本実施形態によれば、所属部署や職責に応じて、金額要素の表示有無をオペレータごとに設定することができる。また、本実施形態によれば、受払パターンマスタ106aとオペレータ別印字要素マスタ106bを用いて、出力対象項目、並び順、印字要素(数量・金額)の制御を行うことができる。つまり、受払表にて、受払パターンマスタ106aとオペレータ別印字要素マスタ106bの設定を基に受払情報を印字することができる。
【0047】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0048】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0049】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0050】
また、帳票出力制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0051】
例えば、帳票出力制御装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて帳票出力制御装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0052】
また、このコンピュータプログラムは、帳票出力制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0053】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0054】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0055】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0056】
また、帳票出力制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、帳票出力制御装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0057】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、在庫管理業務がある業種および業界において特に有用である。
【符号の説明】
【0059】
100 帳票出力制御装置
102 制御部
102a 集計部
102b 生成部
102c 出力実行部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 受払パターンマスタ
106b オペレータ別印字要素マスタ
106c 売上実績データ
106d 仕入実績データ
106e 移動実績データ
106f 在庫データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク