(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】液体アルカロイド製剤を含むアルカロイド供与源を含むエアロゾル発生システムのためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240501BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240501BHJP
A24B 15/167 20200101ALI20240501BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
A24B15/167
(21)【出願番号】P 2020571827
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2019067496
(87)【国際公開番号】W WO2020002693
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-01
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】タウリノ イレーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィッチ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-502586(JP,A)
【文献】特表2017-538409(JP,A)
【文献】特表2017-533726(JP,A)
【文献】特表2017-536816(JP,A)
【文献】特表2017-500848(JP,A)
【文献】特表2015-527071(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0345621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24F 1/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジであって、前記カートリッジが、
アルカロイド供与源を含有する第一の区画であって、前記アルカロイド供与源が、少なくとも
10重量パーセントの多価アルコール含有量および少なくとも
10重量パーセントのアルカロイド含有量を有する液体アルカロイド製剤を含む、第一の区画と、
酸供与源を含有する第二の区画と、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量が、前記液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも
1.5倍である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記液体アルカロイド製剤の前記重量パーセントアルカロイド含有量が、前記液体アルカロイド製剤の前記重量パーセント多価アルコール含有量の
8倍以下である、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記液体アルカロイド製剤の前記重量パーセントアルカロイド含有量が、前記液体アルカロイド製剤の前記重量パーセント多価アルコール含有量の
2倍~4倍である、請求項1~3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記液体アルカロイド製剤の前記アルカロイド含有量が少なくとも
70重量パーセントである、請求項1~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記液体アルカロイド製剤の前記多価アルコール含有量が
10重量パーセント~30重量パーセントである、請求項1~5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記液体アルカロイド製剤が一つ以上の風味剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記アルカロイドがニコチンである、請求項1~7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記多価アルコールがグリセリンである、請求項1~8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記酸供与源が乳酸を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記アルカロイド供与源が、前記液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第一の担体材料が、
10マイクロリットル~25マイクロリットルの前記液体アルカロイド製剤で含浸されている、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記酸供与源が、酸で含浸された第二の担体材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記第二の担体材料が、
10マイクロリットル~25マイクロリットルの酸で含浸されている、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~14のいずれか一項に記載のカートリッジと、
エアロゾル発生装置であって、
前記カートリッジの少なくとも一部分を受けるように構成された装置くぼみを画定するハウジング、および、
前記カートリッジの前記第一の区画および前記第二の区画を加熱するための発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジ、および、こうしたカートリッジを含むエアロゾル発生システムに関する。特に、本発明は、エアロゾルのin situ発生用の、エアロゾル発生システムで使用するための酸供与源および液体アルカロイド製剤を含むアルカロイド供与源を備えるカートリッジ、およびこうしたカートリッジを備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン供与源および揮発性送達促進化合物供与源を備える、ニコチンをユーザーに送達するための装置が公知である。例えば、国際特許公開公報第2008/121610A1号は、ニコチンおよび酸(ピルビン酸など)が気相で相互に反応して、ユーザーによって吸入されるニコチン塩粒子のエアロゾルを形成する装置を開示している。
【0003】
このタイプの装置では、ニコチンおよび酸の反応によって発生されるエアロゾルは、吸入された時に感覚的えぐみがあるとユーザーによって知覚される可能性があり、これはユーザー経験に悪影響を与えうる。
【0004】
使用時に知覚される感覚的えぐみが改善されたエアロゾルを提供することができる、エアロゾルのin situ発生用の、エアロゾル発生システムで使用するためのニコチン供与源および酸供与源を含むカートリッジを提供することが望ましい。
【0005】
粒子または液滴のサイズおよびニコチン送達などの、エアロゾルのその他の特性に悪影響を与えることなく、使用時に知覚される感覚的えぐみが改善されたエアロゾルを提供することができる、エアロゾルのin situ発生用の、エアロゾル発生システムで使用するためのニコチン供与源および酸供与源を備えるカートリッジを提供することが特に望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明によると、アルカロイド供与源を含有する第一の区画と、酸供与源を含有する第二の区画とを備え、アルカロイド供与源は、少なくとも約10重量パーセントの多価アルコール含有量および少なくとも約10重量パーセントのアルカロイド含有量を有する液体アルカロイド製剤を含む、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジが提供されている。
【0007】
本発明によると、本発明によるカートリッジと、エアロゾル発生装置であって、カートリッジの少なくとも一部分を受けるように構成された装置くぼみを画定するハウジング、およびカートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱するための発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、を備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0008】
エアロゾル発生システムで使用される時、本発明によるカートリッジは、有利なことに、知覚される感覚的えぐみが改善された優れたニコチン送達を提供する、吸入のために最適な粒子または液滴のサイズを有するエアロゾルの発生を可能にする。
【0009】
以下にさらに詳述するように、本発明によるカートリッジに、少なくとも約10重量パーセントの多価アルコール含有量および少なくとも約10重量パーセントのアルカロイド含有量を有する液体アルカロイド製剤を含むアルカロイド供与源を含めることは、有利なことに、カートリッジを備えるエアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルの知覚される感覚的えぐみが、多価アルコールを含まない、少なくとも約10重量パーセントのアルカロイド含有量を有する液体アルカロイド製剤を含むアルカロイド供与源を含むカートリッジを備えるエアロゾル発生システムによって発生するエアロゾルと比較して低減されることが見出された。理論に束縛されることを望むものではないが、知覚される感覚的えぐみの改善は、多価アルコールによるアルカロイドの被覆または包み込みに起因すると考えられる。
【0010】
さらに、驚くべきことに、本発明によるカートリッジのアルカロイド供与源の液体アルカロイド製剤に、少なくとも約10重量パーセントの多価アルコールを含めることは、本発明によるカートリッジを備えるエアロゾル発生システムによって発生するエアロゾルの粒子または液滴のサイズに有意に影響しないことが見出された。これは、吸入によるエアロゾルのユーザーへの送達に悪影響を与えることなく、多価アルコールを含めることでカートリッジを備えるエアロゾル発生システムによって発生されるエアロゾルの知覚される感覚的えぐみが改善されることを可能にするため、特に重要である。
【0011】
また、驚くべきことに、本発明によるカートリッジのアルカロイド供与源の液体アルカロイド製剤に、少なくとも約10重量パーセントの多価アルコールを含めることは、有利なことに、本発明によるカートリッジを備えるエアロゾル発生システムによる使用に対するアルカロイド送達を改善しうることが見出された。特に、本発明によるカートリッジのアルカロイド供与源の液体アルカロイド製剤に、少なくとも約10重量パーセントの多価アルコールを含めることは、アルカロイド供与源の液体アルカロイド製剤の所与の量のアルカロイドから、吸煙毎により大きな量のアルカロイドを送達することを可能にしうることが見出された。
【0012】
本発明に関連して本明細書で使用される「液体アルカロイド製剤」という用語は、一つ以上のアルカロイドを含む液体製剤、または一つ以上のアルカロイドを含むゲル製剤を記述する。
【0013】
本発明に関連して本明細書で使用される「ゲル製剤」という用語は、定常状態の時に流れを示さない実質的に希釈した架橋システムを記述しうる。
【0014】
本発明に関連して本明細書で使用される「近位」「遠位」「上流」および「下流」という用語は、カートリッジおよびエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述する。
【0015】
本発明によるエアロゾル発生システムは、使用時にユーザーに送達するために、エアロゾルがエアロゾル発生システムを出る近位端を備える。近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸入するために、ユーザーはエアロゾル発生システムの近位端を吸う。エアロゾル発生システムは近位端と向かい合った遠位端を備える。
【0016】
ユーザーがエアロゾル発生システムの近位端で吸い込む時、空気はエアロゾル発生システムに引き出され、カートリッジを通過し、その近位端でエアロゾル発生システムから出る。エアロゾル発生システムの構成要素、または構成要素の部分は、エアロゾル発生システムの近位端と遠位端との間の相対的な位置に基づき、互いに上流または下流にあるものとして描写されうる。
【0017】
本発明に関連して本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの近位端と反対側の遠位端との間の方向を記述するために使用され、また「横断方向」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を記述するために使用される。
【0018】
本発明に関連して本明細書で使用される「長さ」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの近位端と反対側の遠位端との間の長軸方向軸に平行である、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の最大長軸方向寸法を記述するために使用される。
【0019】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「高さ」および「幅」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの長手方向軸に対して直角をなす、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの、構成要素または構成要素の部分の最大横断寸法を描写するために使用される。カートリッジまたはエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の高さと幅が同一ではない場合、「幅」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの長軸方向軸に対して直角を成す二つの横断寸法のうちのより大きい方を指すために使用される。
【0020】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上のアルカロイドを含んでもよい。
【0021】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上の天然アルカロイドを含んでもよい。
【0022】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上の合成アルカロイドを含んでもよい。
【0023】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上のたばこアルカロイドを含むことが好ましい。
【0024】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「たばこアルカロイド」という用語は、たばこ植物およびたばこ煙に見いだされるアルカロイドを記述するために使用される。
【0025】
例えば、液体アルカロイド製剤は、ニコチン、ノルニコチン、ニコチリン、ミオスミン、コチニン、アナバシン、およびアナタビンからなる群から選択される一つ以上のたばこアルカロイドを含んでもよい。
【0026】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上の天然たばこアルカロイドを含んでもよい。
【0027】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上の合成たばこアルカロイドを含んでもよい。
【0028】
液体アルカロイド製剤は、ニコチンを含むことが最も好ましい。
【0029】
本発明に関連して本明細書で使用される「ニコチン」という用語は、ニコチン、ニコチン塩基、またはニコチン塩を記述する。液体アルカロイド製剤がニコチン塩基またはニコチン塩を含む実施形態において、本明細書に列挙したニコチンの量は、それぞれ遊離塩基ニコチンの量またはプロトン化されたニコチンの量である。
【0030】
液体アルカロイド製剤は、天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。
【0031】
本発明に関連して本明細書で使用される「液体ニコチン製剤」という用語は、ニコチンを含む液剤またはニコチンを含むゲル製剤を記述する。
【0032】
液体アルカロイド製剤は、少なくとも約10重量パーセントの多価アルコール含有量および少なくとも約10重量パーセントのアルカロイド含有量を有する。
【0033】
別途指定されない限り、本明細書で列挙した液体アルカロイド製剤中の多価アルコールおよびアルカロイドの重量パーセントは、液体アルカロイド製剤の総重量に基づく。
【0034】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約1.5倍であることが好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約1.8倍であることがより好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約2倍であることが最も好ましい。
【0035】
すなわち、液体アルカロイド製剤中の多価アルコールの重量パーセントに対するアルカロイドの重量パーセントの比は、約1.5以上であることが好ましく、約1.8以上であることがより好ましく、約2以上であることが最も好ましい。
【0036】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約1.5倍であることが好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約1.8倍であることがより好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約2倍であることが最も好ましい。
【0037】
すなわち、液体ニコチン製剤中の多価アルコールの重量パーセントに対するニコチンの重量パーセントの比は、約1.5以上であることが好ましく、約1.8以上であることがより好ましく、約2以上であることが最も好ましい。
【0038】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約8倍以下であることが好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約7倍以下、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約6倍以下であることがより好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約4倍以下であることが最も好ましい。
【0039】
すなわち、液体アルカロイド製剤中の多価アルコールの重量パーセントに対するアルカロイドの重量パーセントの比は、約8以下であることが好ましく、約7以下または約6以下であることがより好ましく、約4以下であることが最も好ましい。
【0040】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約8倍以下であることが好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約7倍以下、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約6倍以下であることがより好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約4倍以下であることが最も好ましい。
【0041】
すなわち、液体ニコチン製剤中の多価アルコールの重量パーセントに対するニコチンの重量パーセントの比は、約8以下であることが好ましく、約7以下または約6以下であることがより好ましく、約4以下であることが最も好ましい。
【0042】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約1.5倍~約9倍であることが好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約9倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約9倍でありうる。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約8倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約8倍でありうる。
【0043】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.5倍~約7倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.5倍~約6倍であることがより好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約7倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約6倍でありうる。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約7倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約6倍でありうる。
【0044】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の少なくとも約1.5倍~約4倍であることが最も好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約4倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約4倍でありうる。
【0045】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.5倍~約9倍であることが好ましい。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約9倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約9倍でありうる。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約8倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約8倍でありうる。
【0046】
液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.5倍~約7倍であってもよく、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.5倍~約6倍であることがより好ましい。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約7倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約6倍でありうる。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約7倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約6倍でありうる。
【0047】
液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.5倍~約4倍であることが最も好ましい。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約1.8倍~約4倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセント多価アルコール含有量の約2倍~約4倍でありうる。
【0048】
液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、少なくとも約60重量パーセントであることが好ましい。液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、少なくとも約65重量パーセントまたは少なくとも70重量パーセントであることがより好ましい。
【0049】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、少なくとも約60重量パーセントであることが好ましい。液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、少なくとも約65重量パーセントまたは少なくとも70重量パーセントであることがより好ましい。
【0050】
液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約85重量パーセント以下であることが好ましい。液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約75重量パーセント以下または約80重量パーセント以下であることがより好ましい。
【0051】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約85重量パーセント以下であることが好ましい。液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約75重量パーセント以下または約80重量パーセント以下であることがより好ましい。
【0052】
液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約60重量パーセント~約90重量パーセントであることが好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約60重量パーセント~約85重量パーセント、約60重量パーセント~約80重量パーセント、または約60重量パーセント~約75重量パーセントでありうる。
【0053】
液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約65重量パーセント~約90重量パーセント、または約70重量パーセント~約90重量パーセントであることがより好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約65重量パーセント~約85重量パーセント、約65重量パーセント~約80重量パーセント、または約65重量パーセント~約75重量パーセントでありうる。例えば、液体アルカロイド製剤のアルカロイド含有量は、約70重量パーセント~約85重量パーセント、約70重量パーセント~約80重量パーセント、または約70重量パーセント~約75重量パーセントでありうる。
【0054】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約60重量パーセント~約90重量パーセントであることが好ましい。例えば、液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約60重量パーセント~約85重量パーセント、約60重量パーセント~約80重量パーセント、または約60重量パーセント~約75重量パーセントでありうる。
【0055】
液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約65重量パーセント~約90重量パーセントまたは約70重量パーセント~約90重量パーセントであることがより好ましい。例えば、液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約65重量パーセント~約85重量パーセント、約65重量パーセント~約80重量パーセント、または約65重量パーセント~約75重量パーセントでありうる。例えば、液体ニコチン製剤のニコチン含有量は、約70重量パーセント~約85重量パーセント、70重量パーセント~約80重量パーセント、または約70重量パーセント~約75重量パーセントでありうる。
【0056】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上の多価アルコールを含んでもよい。
【0057】
液体アルカロイド製剤は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンから成る群から選択される一つ以上の多価アルコールを含むことが好ましい。
【0058】
液体アルカロイド製剤はグリセリンを含むことがより好ましい。
【0059】
液体アルカロイド製剤は植物グリセリンを含むことが最も好ましい。
【0060】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約1.5倍であることが好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約1.8倍であることがより好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約2倍であることが最も好ましい。
【0061】
すなわち、液体アルカロイド製剤中のグリセリンの重量パーセントに対するアルカロイドの重量パーセントの比は、約1.5以上であることが好ましく、約1.8以上であることがより好ましく、約2以上であることが最も好ましい。
【0062】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の8倍以下であることが好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約7倍以下、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約6倍以下であることがより好ましい。液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約4倍以下であることが最も好ましい。
【0063】
すなわち、液体アルカロイド製剤中のグリセリンの重量パーセントに対するアルカロイドの重量パーセントの比は、約8以下であることが好ましく、約7以下または6以下であることがより好ましく、約4以下であることが最も好ましい。
【0064】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約9倍であることが好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約9倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約9倍でありうる。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約8倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約8倍でありうる。
【0065】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約7倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約6倍でありうる。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約7倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約6倍でありうる。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約7倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約6倍でありうる。
【0066】
液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の1.5倍~約4倍であることが最も好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の重量パーセントアルカロイド含有量は、液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約4倍、または液体アルカロイド製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約4倍でありうる。
【0067】
特に好ましい実施形態では、液体アルカロイド製剤は、少なくとも約10重量パーセントのグリセリン含有量と、少なくとも約10重量パーセントのニコチン含有量とを有する液体ニコチン製剤である。
【0068】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤であり、かつグリセリンを含む実施形態では、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約1.5倍であることが好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約1.8倍であることがより好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約2倍であることが最も好ましい。
【0069】
すなわち、液体ニコチン製剤中のグリセリンの重量パーセントに対するニコチンの重量パーセントの比は、約1.5以上であることが好ましく、約1.8以上であることがより好ましく、約2以上であることが最も好ましい。
【0070】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤であり、かつグリセリンを含む実施形態では、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の少なくとも約8倍以下であることが好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約7倍以下、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約6倍以下であることがより好ましい。液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約4倍以下であることが最も好ましい。
【0071】
すなわち、液体ニコチン製剤中のグリセリンの重量パーセントに対するニコチンの重量パーセントの比率は、約8以下であることが好ましく、約7以下または約6以下であることがより好ましく、約4以下であることが最も好ましい。
【0072】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤であり、かつグリセリンを含む実施形態では、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約9倍であることが好ましい。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約9倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約9倍でありうる。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約8倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約8倍でありうる。
【0073】
液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約7倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約6倍であることがより好ましい。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約7倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約6倍でありうる。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約7倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約6倍であってもよい。
【0074】
液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.5倍~約4倍であることが最も好ましい。例えば、液体ニコチン製剤の重量パーセントニコチン含有量は、液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約1.8倍~約4倍、または液体ニコチン製剤の重量パーセントグリセリン含有量の約2倍~約4倍でありうる。
【0075】
液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、少なくとも約15重量パーセントであることが好ましい。
【0076】
液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、少なくとも約20重量パーセントであることがより好ましい。
【0077】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は少なくとも約15重量パーセントであることが好ましい。
【0078】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は少なくとも約20重量パーセントであることがより好ましい。
【0079】
液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約40重量パーセント以下であることが好ましい。液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約35重量パーセント以下、または約30重量パーセント以下であることがより好ましい。
【0080】
これは、有利なことに、液体アルカロイド製剤中に多価アルコールを含めることが、カートリッジを備えるエアロゾル発生システムの使用中のアルカロイドと酸との間のin situ反応に悪影響を与えないことを確実にしうる。
【0081】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約40重量パーセント以下であることが好ましい。液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約35重量パーセント以下、または約30重量パーセント以下であることがより好ましい。
【0082】
液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約10重量パーセント~約40重量パーセントであることが好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約15重量パーセント~約40重量パーセント、または約20重量パーセント~約40重量パーセントでありうる。
【0083】
液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約10重量パーセント~約35重量パーセント、または約10重量パーセント~約30重量パーセントであることがより好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約15重量パーセント~約35重量パーセント、または約20重量パーセント~約35重量パーセントでありうる。例えば、液体アルカロイド製剤の多価アルコール含有量は、約15重量パーセント~約30重量パーセント、または約20重量パーセント~約30重量パーセントでありうる。
【0084】
液体アルカロイド製剤がグリセリンを含む実施形態では、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約10重量パーセント~約40重量パーセントであることが好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約15重量パーセント~約40重量パーセント、または約20重量パーセント~約40重量パーセントでありうる。
【0085】
液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約10重量パーセント~約35重量パーセント、または約10重量パーセント~約30重量パーセントであることがより好ましい。例えば、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約15重量パーセント~約35重量パーセント、または約20重量パーセント~約35重量パーセントでありうる。例えば、液体アルカロイド製剤のグリセリン含有量は、約15重量パーセント~約30重量パーセント、または約20重量パーセント~約30重量パーセントでありうる。
【0086】
液体アルカロイド製剤は、少なくとも約95重量パーセントの組み合わされた多価アルコール含有量およびアルカロイド含有量を有することが好ましい。液体アルカロイド製剤は、少なくとも約97重量パーセントの組み合わされた多価アルコール含有量およびアルカロイド含有量を有することがより好ましい。液体アルカロイド製剤は、少なくとも約99重量パーセントの組み合わされた多価アルコール含有量およびアルカロイド含有量を有することが最も好ましい。
【0087】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤であり、かつグリセリンを含む実施形態では、液体ニコチン製剤は、少なくとも約95重量パーセントの組み合わされたグリセリン含有量およびニコチン含有量を有することが好ましい。液体ニコチン製剤は、少なくとも約97重量パーセントの組み合わされたグリセリン含有量およびニコチン含有量を有することがより好ましい。液体ニコチン製剤は、少なくとも約99重量パーセントの組み合わされたグリセリン含有量およびニコチン含有量を有することが最も好ましい。
【0088】
液体アルカロイド製剤は、一つ以上の風味剤を含んでもよい。好適な風味剤としては、メントールが挙げられるが、これに限定されない。
【0089】
液体アルカロイド製剤は、約1重量パーセント以下の風味剤含有量を有することが好ましい。
【0090】
有利なことに、アルカロイド供与源は、液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含む。
【0091】
第一の担体材料は、液体アルカロイド製剤用の貯蔵部として作用する。
【0092】
有利なことに、第一の担体材料は、液体アルカロイド製剤に対して化学的に不活性である。
【0093】
第一の担体材料は、任意の好適な形状およびサイズを有してもよい。例えば、第一の担体材料はシートまたはプラグの形態であってもよい。
【0094】
有利なことには、第一の担体材料の形状は、カートリッジの第一の区画の形状およびサイズと同様である。
【0095】
第一の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第一の担体材料が望ましい量の液体アルカロイド製剤で含浸されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0096】
有利なことに、アルカロイド供与源は、約10マイクロリットル以上の液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含む。例えば、アルカロイド供与源は、約15マイクロリットル以上の液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含んでもよい。
【0097】
例えば、アルカロイド供与源は、約10マイクロリットル~約25マイクロリットルの液体アルカロイド製剤または約15マイクロリットル~約25マイクロリットルの液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含みうる。
【0098】
有利なことに、アルカロイド供与源は、約25マイクロリットル以下の液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含む。例えば、アルカロイド供与源は、約20マイクロリットル以下の液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含んでもよい。
【0099】
例えば、アルカロイド供与源は、約10マイクロリットル~約20マイクロリットルの液体アルカロイド製剤または約15マイクロリットル~約20マイクロリットルの液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料を含みうる。
【0100】
液体アルカロイド製剤が液体ニコチン製剤である実施形態では、液体ニコチン製剤は、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンを含んでもよい。例えば、液体ニコチン製剤は、約3ミリグラム~約30ミリグラムのニコチン、約6ミリグラム~約20ミリグラムのニコチン、または約8ミリグラム~約18ミリグラムのニコチンを含んでもよい。
【0101】
酸供与源は有機酸または無機酸を含んでもよい。
【0102】
酸供与源は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸を含むことがより好ましく、アルファケト酸もしくは2-オキソ酸または乳酸を含むことが最も好ましい。
【0103】
有利なことに、酸供与源は、3-メチル-2-オキソペンタン酸、ピルビン酸、2-オキソペンタン酸、4-メチル-2-オキソペンタン酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、2-オキソオクタン酸、乳酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された酸を含む。有利なことに、酸供与源は乳酸またはピルビン酸を含む。より有利なことに、酸供与源は乳酸を含む。
【0104】
有利なことには、カートリッジの第二の区画は、酸を浸み込ませた第二の担体材料を含む酸供与源を含有する。
【0105】
第二の担体材料は、酸用の貯蔵部として作用する。
【0106】
有利なことに、第二の担体材料は、酸に対して化学的に不活性である。
【0107】
第二の担体材料は、任意の好適な形状およびサイズを有してもよい。例えば、第二の担体材料はシートまたはプラグの形態であってもよい。
【0108】
有利なことに、第二の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジの第二の区画の形状およびサイズと類似している。
【0109】
第二の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第二の担体材料が望ましい量の酸で含浸されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0110】
有利なことに、酸供与源は、約10マイクロリットル以上の酸で含浸された第二の担体材料を含む。例えば、酸供与源は、約15マイクロリットル以上の酸で含浸された第二の担体材料を含んでもよい。
【0111】
例えば、酸供与源は、約10マイクロリットル~約25マイクロリットルの酸または約15マイクロリットル~約25マイクロリットルの酸で含浸された第二の担体材料を含みうる。
【0112】
有利なことに、酸供与源は、約25マイクロリットル以下の酸で含浸された第二の担体材料を含む。例えば、酸供与源は、約20マイクロリットル以下の酸で含浸された第二の担体材料を含んでもよい。
【0113】
例えば、酸供与源は、約10マイクロリットル~約20マイクロリットルの酸または約15マイクロリットル~約20マイクロリットルの酸で含浸された第二の担体材料を含みうる。
【0114】
酸供与源が乳酸を含む実施形態では、有利なことに、酸供与源は、約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含む。
【0115】
例えば、酸供与源は、約5ミリグラム~約50ミリグラムの乳酸、約8ミリグラム~約40ミリグラムの乳酸、または約10ミリグラム~約30ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含みうる。
【0116】
アルカロイド供与源が液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料と、酸で含浸された第二の担体材料とを含む実施形態では、第一の担体材料および第二の担体材料は同一であっても異なっていてもよい。
【0117】
第一の担体材料および第二の担体材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0118】
有利なことに、第一の担体材料および第二の担体材料は、約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0119】
有利なことに、第一の担体材料および第二の担体材料は、約15パーセント~約55パーセントの空隙率を有する。
【0120】
カートリッジの第一の区画の形状および寸法は、望ましい量の液体アルカロイド製剤がカートリッジ内に収容されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0121】
カートリッジの第二の区画の形状および寸法は、望ましい量の酸がカートリッジ内に収容されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0122】
カートリッジの第一の区画と第二の区画の形状および寸法は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0123】
カートリッジの第一の区画は、約8ミリメートル~約40ミリメートル、例えば約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さL1を有しうる。カートリッジの第一の区画は、約4ミリメートル~約6ミリメートルの幅W1を有しうる。カートリッジの第一の区画は、約0.5ミリメートル~約2.5ミリメートルの高さH1を有しうる。
【0124】
カートリッジの第一の区画は、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、第一の区画の横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形でありうる。
【0125】
カートリッジの第二の区画は、約8ミリメートル~約40ミリメートル、例えば約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さL2を有しうる。カートリッジの第二の区画は、約4ミリメートル~約6ミリメートルの幅W2を有しうる。カートリッジの第二の区画は、約0.5ミリメートル~約2.5ミリメートルの高さH2を有しうる。
【0126】
カートリッジの第二の区画は、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、第二の区画の横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形でありうる。
【0127】
適切な反応化学量論を達成するために必要なアルカロイドと酸の比は、第二の区画の容積と相対的に第一の区画の容積の変動を通して制御し、かつバランスを取ってもよい。
【0128】
有利なことに、第一の区画は、第一の空気吸込み口および第一の空気出口を含む。
【0129】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口は、カートリッジの第一の区画の近位端に位置する。カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の上流に位置する。
【0130】
有利なことに、第二の区画は、第二の空気吸込み口および第二の空気出口を含む。
【0131】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口は、カートリッジの第二の区画の近位端に位置する。カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の上流に位置する。
【0132】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「空気吸込み口」という用語は、空気がそれを通してカートリッジの構成要素または構成要素の部分の中へと引き出されうる一つ以上の開口部を記述する。
【0133】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「空気出口」という用語は、空気がそれを通してカートリッジの構成要素または構成要素の部分から外へ引き出されうる一つ以上の開口部を記述する。
【0134】
カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は各々、一つ以上の開口部を備えてもよい。例えば、カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は各々、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を備えてもよい。
【0135】
カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は、同一の数または異なる数の開口部を備えてもよい。
【0136】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、各々複数の開口部を含む。例えば、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、各々二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含み得る。
【0137】
複数の開口部を含む第一の空気吸込み口を有する第一の区画と、複数の開口部を含む第二の空気吸込み口を有する第二の区画とを提供することによって、有利なことに、それぞれ第一の区画内および第二の区画内で、より均一な気流がもたらされ得る。使用時に、これは第一の区画を通して引き出された気流中のアルカロイドの同伴を改善する場合があり、また第二の区画を通して引き出された気流中の酸の同伴を改善する場合がある。
【0138】
適切な反応化学量論を達成するために必要なアルカロイドと酸の比は、カートリッジの第一の区画を通る空気流量を、カートリッジの第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの一つ以上を、カートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御され得る。
【0139】
有利なことには、カートリッジを初めて使用する前に、第一の区画の第一の空気吸込み口および第二の区画の第二の空気吸込み口のうちの一方または両方が、一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアで封止されうる。例えば、第一の区画の第一の空気吸込み口および第二の区画の第二の空気吸込み口のうちの一つまたは両方が、一つ以上の剥ぎ取り式シールまたは貫通可能なシールで封止されてもよい。
【0140】
一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0141】
カートリッジの第一の区画の第一の空気出口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気出口は各々、一つ以上の開口部を備えてもよい。例えば、カートリッジの第一の区画の第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口とが、各々一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含み得る。
【0142】
カートリッジの第一の区画の第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口とが、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0143】
有利なことには、カートリッジの第一の区画の第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口とが、各々複数の開口部を含み得る。例えば、カートリッジの第一の区画の第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口とが、各々二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を含み得る。複数の開口部を含む第一の空気出口を有する第一の区画と、複数の開口部を含む第二の空気出口を有する第二の区画とを提供することによって、有利なことに、それぞれ第一の区画内および第二の区画内で、より均一な気流がもたらされ得る。使用時に、これは第一の区画を通して引き出された気流中のアルカロイドの同伴を改善する場合があり、また第二の区画を通して引き出された気流中の酸の同伴を改善する場合がある。
【0144】
上述のように、適切な反応化学量論を達成するために必要なアルカロイドと酸の比は、カートリッジの第一の区画を通る空気流量を、カートリッジの第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、カートリッジの第一の区画の第一の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの一つ以上を、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御され得る。
【0145】
有利なことには、カートリッジを初めて使用する前に、第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口のうちの一方または両方が、一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアで封止されうる。例えば、第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口のうちの一方または両方が、一つ以上の剥ぎ取り式シールまたは貫通可能なシールで封止されてもよい。
【0146】
一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0147】
第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で直列に配置されうる。
【0148】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「直列」という用語は、使用時にカートリッジを通して引き出される気流が、第一の区画と第二の区画のうちの一方を通過し、次いで第一の区画と第二の区画のうちのもう一方を通過するように、カートリッジ内に第一の区画と第二の区画とを配置することを意味する。アルカロイド蒸気および多価アルコール蒸気は、第一の区画中のアルカロイド供与源から、カートリッジを通して引き出された空気流の中に放出され、酸蒸気は、第二の区画中の酸供与源から、カートリッジを通して引き出された空気流の中に放出される。アルカロイド蒸気は気相で酸蒸気と反応して、エアロゾルを形成する。上述のように、エアロゾルの感覚的えぐみは、エアロゾル内の多価アルコールの存在によって、ユーザーによってより低いと知覚される。
【0149】
第一の区画と第二の区画とがカートリッジ内で直列に配置される場合、第二の区画は、第一の区画の下流に位置することができ、その結果、使用時にカートリッジを通して引き出される気流が、第一の空気吸込み口を通して第一の区画内に入り、第一の区画を通って流れ、第一の空気出口を通して第一の区画の外へ出るように、および、次に、第二の空気吸込み口を通して第二の区画内に入り、第二の区画を通って流れ、第二の空気出口を通して第二の区画の外へ出る。こうした実施形態では、アルカロイド蒸気は、第二の区画で酸蒸気と反応してエアロゾルを形成しうる。そのような実施形態では、カートリッジは、第二の区画の下流にある、ならびに第二の区画の第二の空気出口に流体連通した、第三の区画をさらに含みうる。アルカロイド蒸気は、第三の区画で酸蒸気と反応して、エアロゾルを形成しうる。
【0150】
別の方法として、第一の区画と第二の区画とがカートリッジ内で直列に配置される場合、第二の区画は、第一の区画の上流に位置することができ、その結果、使用時にカートリッジを通して引き出される気流が、第二の空気吸込み口を通して第二の区画内に入り、第二の区画を通って流れ、第二の空気出口を通して第二の区画の外へ出るように、および、次に、第一の空気吸込み口を通して第一の区画内に入り、第一の区画を通って流れ、第一の空気出口を通して第一の区画の外へ出る。こうした実施形態では、酸蒸気は、第二の区画でアルカロイド蒸気と反応してエアロゾルを形成しうる。こうした実施形態では、カートリッジは、第一の区画の下流にある、ならびに、第一の区画の第一の空気出口に流体連通した、第三の区画をさらに含みうる。酸蒸気は、第三の区画でアルカロイド蒸気と反応して、エアロゾルを形成しうる。
【0151】
有利なことには、第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で平行に配置される。
【0152】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「平行」とは、使用時にカートリッジを通して引き出される第一の気流が、第一の空気吸込み口を通して第一の区画内に入り、第一の区画を通って下流に流れ、第一の空気出口を通して第一の区画の外へ出るように、およびカートリッジを通して引き出される第二の気流が、第二の空気吸込み口を通して第二の区画内に入り、第二の区画を通って下流に流れ、第二の空気出口を通して第二の区画の外へ出るように、第一の区画と第二の区画とが、カートリッジ内に配置されることを意味する。アルカロイド蒸気および多価アルコール蒸気は、第一の区画内のアルカロイド供与源からカートリッジを通して引き出された第一の空気流内に放出され、酸蒸気は第二の区画内の酸供与源からカートリッジを通して引き出された第二の空気流内に放出される。第一の気流中のアルカロイド蒸気は、第二の気流中の酸蒸気と気相で反応して、エアロゾルを形成する。上述のように、エアロゾルの感覚的えぐみは、エアロゾル内の多価アルコールの存在によって、ユーザーによってより低いと知覚される。
【0153】
そのような実施形態では、カートリッジは、第一の区画および第二の区画の下流にある、ならびに第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口に流体連通した、第三の区画をさらに含みうる。第一の気流内のアルカロイド蒸気は、第二の気流内の酸蒸気と第三の区画で反応して、エアロゾルを形成しうる。
【0154】
カートリッジが第三の区画をさらに備える実施形態では、第三の区画は、一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、第三の区画は、一つ以上の吸収材、一つ以上の風味剤、一つ以上の化学感覚剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0155】
第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で互いに対して対称的に配置され得る。
【0156】
有利なことには、カートリッジは、細長いカートリッジである。カートリッジが細長いカートリッジである実施形態では、カートリッジの第一の区画と第二の区画とが、カートリッジの長軸方向軸を中心として対称的に配置され得る。
【0157】
カートリッジは任意の適切な形状を有しうる。例えば、カートリッジは実質的に円柱状であってもよい。
【0158】
カートリッジは、任意の好適な形状の横断断面を有し得る。例えば、カートリッジの横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形であり得る。
【0159】
カートリッジは任意の好適なサイズを有し得る。
【0160】
例えば、カートリッジは、約5ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有し得る。有利には、カートリッジは、約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有し得る。
【0161】
例えば、カートリッジは、約4ミリメートル~約10ミリメートルの幅と、約4ミリメートル~約10ミリメートルの高さと、を有し得る。有利には、カートリッジは、約6ミリメートル~約8ミリメートルの幅と、約6ミリメートル~約8ミリメートルの高さと、を有し得る。
【0162】
カートリッジは、本体部分と、一つ以上の端部キャップとを含みうる。
【0163】
カートリッジは、本体部分と、遠位端キャップとを含みうる。
【0164】
カートリッジは、本体部分と、近位端キャップとを含みうる。
【0165】
カートリッジは、本体部分と、遠位端キャップと、近位端キャップとを含みうる。
【0166】
カートリッジが遠位端キャップを含む実施形態では、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する一つ以上の開口部、およびカートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する一つ以上の開口部が、遠位端キャップで提供されうる。
【0167】
カートリッジが近位端キャップを含む実施形態では、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する一つ以上の開口部、およびカートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する一つ以上の開口部が、近位端キャップで提供されうる。
【0168】
カートリッジは任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料としては、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0169】
カートリッジが本体部分および一つ以上の端部キャップを含む実施形態では、本体部分および一つ以上の端部キャップは、同一または異なる材料から形成されうる。
【0170】
カートリッジは、耐アルカロイド性および耐酸性である一つ以上の材料から形成されてもよい。
【0171】
カートリッジの第一の区画は一つ以上の耐アルカロイド性材料で被覆されてもよく、カートリッジの第二の区画は一つ以上の耐酸性材料で被覆されてもよい。
【0172】
好適な耐アルカロイド性材料および耐酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられうるが、これらに限定されない。
【0173】
一つ以上の耐アルカロイド性材料を使用してカートリッジを形成すること、およびカートリッジの第一の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命が延長しうる。
【0174】
一つ以上の耐酸性材料を使用してカートリッジを形成すること、およびカートリッジの第二の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命が延長し得る。
【0175】
カートリッジは、一つ以上の熱伝導性材料から形成されうる。
【0176】
カートリッジの第一の区画およびカートリッジの第二の区画は、一つ以上の熱伝導性材料で被覆されうる。
【0177】
一つ以上の熱伝導性材料を使用してカートリッジを形成すること、ならびにカートリッジの第一の区画および第二の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、発熱体からアルカロイド供与源および酸供与源への熱伝達が増大しうる。
【0178】
適切な熱伝導性材料には、例えば、アルミニウム、クロミウム、銅、金、鉄、ニッケルおよび銀などの金属、黄銅および鋼などの合金、およびその組み合わせが含まれるがこれに限定されない。
【0179】
カートリッジは、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する一つ以上の材料で形成されうる。
【0180】
カートリッジの第一の区画およびカートリッジの第二の区画は、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する一つ以上の材料で被覆されうる。
【0181】
カートリッジは適切な任意の方法により形成されうる。好適な方法には、深絞り、射出成形、ブリスタリング、吹き込み成形、および押し出しが含まれるが、これらに限定されない。
【0182】
カートリッジは、第一の区画の液体アルカロイド製剤と第二の区画の酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0183】
カートリッジは、再充填可能になるように設計されうる。
【0184】
カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成された発熱体を含みうる。こうした実施形態では、有利なことに、発熱体は第一の区画と第二の区画との間に位置する。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、発熱体の両側に配設される。
【0185】
発熱体は、電気発熱体であってもよい。発熱体は、抵抗発熱体を含み得る。
【0186】
有利なことに、発熱体は、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、約250℃未満の温度に加熱するように構成されている。発熱体は、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、約80℃~約150℃の温度に加熱するように構成されていることが好ましい。
【0187】
有利なことに、発熱体は、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、実質的に同一の温度に加熱するように構成されている。
【0188】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「実質的に同一の温度」とは、発熱体に関して対応する場所で測定したカートリッジの第一の区画と第二の区画との間の温度の差異が約3℃未満であることを意味する。
【0189】
使用時に、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、周囲温度を上回る温度に加熱することは有利なことに、カートリッジの第一の区画中のアルカロイドの蒸気濃度と、カートリッジの第二の区画中の酸の蒸気圧とが制御され、かつ比例的にそのバランスが取られて、アルカロイドと酸との間の効率的な反応化学量論を得ることを可能にする。有利なことに、これはエアロゾル形成およびユーザーへのエアロゾル送達の一貫性を改善しうる。また有利なことに、未反応のアルカロイドおよび未反応の酸のユーザーへの送達が低減されうる。
【0190】
有利なことに、カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成された発熱体を受けるためのくぼみを含みうる。こうした実施形態では、くぼみは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、くぼみの両側に配置される。
【0191】
有利なことには、くぼみは、カートリッジの遠位端からカートリッジの長さに沿って少なくとも途中まで延びる。
【0192】
有利なことには、くぼみは、カートリッジの長手方向軸に沿って延びる。
【0193】
くぼみは、カートリッジの遠位端からカートリッジの近位端まで延びうる。こうした実施形態では、くぼみは開放遠位端と開放近位端とを有する。
【0194】
くぼみは、カートリッジの遠位端からカートリッジの長さに沿って途中まで延びうる。こうした実施形態では、くぼみは開放遠位端と閉鎖近位端とを有する。
【0195】
くぼみは、その長さに沿って囲まれうる。
【0196】
くぼみは、その長さに沿って少なくとも部分的に開放されてもよい。これは、有利なことに、発熱体のくぼみへの挿入を容易にしうる。
【0197】
有利なことには、カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを誘導的に加熱するためのサセプタを含みうる。こうした実施形態では、サセプタは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、サセプタの両側に配置される。
【0198】
本発明によると、本発明によるカートリッジと、エアロゾル発生装置であって、カートリッジの少なくとも一部分を受けるように構成された装置くぼみを画定するハウジング、およびカートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱するための発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、を備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0199】
有利なことに、エアロゾル発生システムは、本発明による消耗可能なカートリッジと、再利用可能なエアロゾル発生装置であって、カートリッジの少なくとも一部分を受けるように構成された装置くぼみを画定する装置ハウジングおよびカートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱するための発熱体とを備えうる。
【0200】
発熱体は、電気発熱体であってもよい。発熱体は、抵抗発熱体を含み得る。
【0201】
発熱体は、誘導発熱体であってもよい。誘導発熱体は、インダクタコイルを備えてもよい。こうした実施形態では、誘導発熱体は、有利なことに、エアロゾル発生装置の装置くぼみの少なくとも一部分を囲んでもよい。
【0202】
こうした実施形態では、使用中に、誘導発熱体は、交番磁界を発生させて、カートリッジのサセプタ中に渦電流およびヒステリシス損失を発生させ、サセプタの加熱を引き起こし、それによって、カートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0203】
発熱体は、エアロゾル発生装置の装置くぼみ内に位置し得る。
【0204】
有利なことに、発熱体は、エアロゾル発生装置の装置くぼみ内に位置することができ、カートリッジは、上述のように、発熱体を受けるためのくぼみを備えうる。使用時に、発熱体は、カートリッジのくぼみ内に受けられて、カートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0205】
こうした実施形態では、エアロゾル発生装置の発熱体は、有利なことに、その厚さよりも大きい幅を有する発熱体ブレードの形態の細長い発熱体とすることができ、カートリッジのくぼみは、細長いスロットとして構成されうる。
【0206】
発熱体は、装置くぼみの少なくとも一部分を囲み得る。
【0207】
こうした実施形態では、カートリッジの少なくとも一部分が装置くぼみ内に受けられた時、発熱体はカートリッジの少なくとも一部分を囲むように配置されうる。
【0208】
有利なことに、発熱体はインダクタヒーターとすることができ、カートリッジは、上述のように、カートリッジの第一の区画および第二の区画を誘導的に加熱するためのサセプタを備えうる。
【0209】
有利なことに、発熱体は、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、約250℃未満の温度に加熱するように構成されている。発熱体は、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、約80℃~約150℃の温度に加熱するように構成されていることが好ましい。
【0210】
有利なことに、発熱体は、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、実質的に同一の温度に加熱するように構成されている。
【0211】
本発明に関連して本明細書で使用される「実質的に同一の温度」とは、発熱体に関して対応する場所で測定したカートリッジの第一の区画と第二の区画の間の温度の差異が約3℃未満であることを意味する。
【0212】
使用時に、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、周囲温度を上回る温度に加熱することは有利なことに、カートリッジの第一の区画中のアルカロイドの蒸気濃度と、カートリッジの第二の区画中の酸の蒸気圧とが制御され、かつ比例的にそのバランスが取られて、アルカロイドと酸との間の効率的な反応化学量論を得ることを可能にする。有利なことに、これはエアロゾル形成およびユーザーへのエアロゾル送達の一貫性を改善しうる。また有利なことに、未反応のアルカロイドおよび未反応の酸のユーザーへの送達が低減されうる。
【0213】
エアロゾル発生システムは、発熱体に電力を供給するための電源と、電源から発熱体への電力供給を制御するように構成されたコントローラとをさらに備えてもよい。
【0214】
エアロゾル発生装置は、発熱体の温度と、カートリッジの第一の区画および第二の区画の温度とを、検出するように構成された一つ以上の温度センサーを含みうる。こうした実施形態では、コントローラは、感知された温度に基づいて発熱体への電力供給を制御するように構成されてもよい。
【0215】
エアロゾル発生システムは、マウスピースをさらに備えうる。このような実施形態では、カートリッジの第一の区画におけるアルカロイド供与源から放出されたアルカロイド蒸気と、カートリッジの第二の区画における酸供与源から放出された酸蒸気とが、マウスピースにおける気相で相互に反応してエアロゾルを形成しうる。
【0216】
マウスピースは、カートリッジと係合するように構成されうる。
【0217】
マウスピースがカートリッジと係合するように構成された実施形態において、カートリッジとマウスピースとの組み合わせは、紙巻たばこ、葉巻、または細い葉巻などの可燃性喫煙物品の形状および寸法をまねてもよい。有利なことには、こうした実施形態では、カートリッジとマウスピースとの組み合わせは、紙巻たばこの形状および寸法をまねてもよい。
【0218】
マウスピースは、エアロゾル発生装置のハウジングと係合するように構成されうる。
【0219】
マウスピースは、第一の区画におけるアルカロイドと、第二の区画における酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0220】
マウスピースは、再利用可能であるように設計されうる。マウスピースが再利用可能であるように設計された実施形態では、マウスピースは、有利なことに、カートリッジまたはエアロゾル発生装置のハウジングに取り外し可能に取り付けられるように構成されうる。
【0221】
誤解を避けるために、本発明の一つの態様に関する上述の特徴は、本発明の他の態様に適用可能であってもよい。特に、本発明によるカートリッジに対する上述の特徴はまた、本発明によるエアロゾル発生システムに、適切な場合、関連しうるとともに、逆もまた同じである。
【0222】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0223】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるカートリッジを示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムを示す。
【
図3】
図3A~
図3Cは、本発明によるエアロゾル発生システムおよび本発明によらない比較上のエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの、5ミクロン未満の粒子サイズを有する液滴の体積パーセント(
図3A)、透過率(
図3B)、および吸煙1回あたりに送達されるアルカロイド(ニコチン)の平均量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0224】
図1は、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムで使用するための、本発明の実施形態による細長いカートリッジ2の概略図を示す。
【0225】
カートリッジ2は、約15ミリメートルの長さと、約7ミリメートルの幅と、約5.2ミリメートルの高さとを有する。カートリッジ2は、細長い本体4と、遠位端キャップ6と、近位端キャップ8とを含む。
【0226】
本体4は、約13ミリメートルの長さと、約7ミリメートルの幅と、約5.2ミリメートルの高さとを有する。遠位端キャップ6および近位端キャップ8は、約2ミリメートルの長さと、約7ミリメートルの幅と、約5.2ミリメートルの高さとを有する。
【0227】
カートリッジ2は、本体4の近位端から本体4の遠位端まで延びる細長い第一の区画10を含む。第一の区画10は、18マイクロリットルの液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料12を含むアルカロイド供与源を含有する。液体アルカロイド製剤は、約32重量パーセントのグリセリン含有量および約68重量パーセントのニコチン含有量を有する液体ニコチン製剤である。
【0228】
カートリッジ2は、本体4の近位端から本体4の遠位端まで延びる細長い第二の区画14を含む。第二の区画14は、約18マイクロリットルの乳酸で含浸された第二の担体材料16を含む、乳酸供与源を含有する。
【0229】
第一の区画10および第二の区画14は、平行に配置される。
【0230】
カートリッジ2は、第一の区画10および第二の区画14を加熱するように構成された発熱体を受けるためのくぼみ18をさらに備える。くぼみ18は、第一の区画10と第二の区画14との間に位置し、本体4の近位端から本体4の遠位端まで延びる。くぼみ18は、実質的にスタジアム形状の横断断面を持ち、約6.3ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0231】
遠位端キャップ6は、間隙を介した三つの開口部の列を含む第一の空気吸込み口20と、間隙を介した五つの開口部の列を含む第二の空気吸込み口22とを含む。第一の空気吸込み口20と第二の空気吸込み口22とを形成する開口部の各々は、実質的に円形の横断断面を持ち、約0.3ミリメートルの直径を有する。
【0232】
遠位端キャップ6は、第一の空気吸込み口20と第二の空気吸込み口22との間に位置する第三の入口24をさらに含む。第三の入口24は、実質的にスタジアム形状の横断断面を持ち、約6.3ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0233】
近位端キャップ8は、間隙を介した三つの開口部の列を含む第一の空気出口26と、間隙を介した五つの開口部の列を含む第二の空気出口28とを含む。第一の空気出口26と第二の空気出口28とを形成する開口部の各々は、実質的に円形の横断断面を持ち、約0.3ミリメートルの直径を有する。
【0234】
図1に示すように、カートリッジ2を形成するために、第一の空気出口26が第一の区画10と整列し、第二の空気出口28が第二の区画14と整列するように、近位端キャップ8が本体4の近位端に挿入される。
【0235】
液体アルカロイド製剤で含浸された第一の担体材料12は第一の区画10に挿入され、乳酸で含浸された第二の担体材料16は第二の区画14に挿入される。
【0236】
遠位端キャップ6は、次いで、第一の空気吸込み口20が第一の区画10と整列し、第二の空気吸込み口22が第二の区画14と整列し、および第三の入口24がくぼみ18と整列するように、本体4の遠位端に挿入される。
【0237】
第一の区画10および第二の区画14は、実質的に同一の形状およびサイズである。第一の区画10および第二の区画14は、実質的に長方形の横断断面を持ち、約11ミリメートルの長さと、約4.3ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0238】
第一の担体材料12および第二の担体材料16は、PET/PBTの不織布シートを含み、また実質的に同一の形状およびサイズである。第一の担体材料12および第二の担体材料16の形状およびサイズは、それぞれ、カートリッジ2の第一の区画10および第二の区画14の形状およびサイズと同様である。
【0239】
第一の空気吸込み口20は、第一の気流が、第一の空気吸込み口20を通してカートリッジ2に入り、第一の区画10を通って、第一の空気出口26を通してカートリッジ2から外へ出ることができるように、第一の空気出口26と流体連通している。第二の空気吸込み口22は、第二の気流が、第二の空気吸込み口22を通してカートリッジ2に入り、第二の区画14を通って、第二の空気出口28を通してカートリッジ2から外へ出ることができるように、第二の空気出口28と流体連通している。
【0240】
カートリッジ2を初めて使用する前に、第一の空気吸込み口20および第二の空気吸込み口22は、遠位端キャップ6の外部面に貼り付けられた取り外し可能な剥ぎ取り式シールまたは貫通可能なシール(図示せず)で封止されうる。同様に、カートリッジ2を初めて使用する前に、第一の空気出口26および第二の空気出口28は、近位端キャップ8の外部面に貼り付けられた取り外し可能な剥ぎ取り式シールまたは貫通可能なシール(図示せず)で封止されうる。
【0241】
図2は、ニコチン乳酸塩粒子を含むエアロゾルを発生させるための、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システム200の概略図を示す。
【0242】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置202と、
図1に示す本発明の実施形態によるカートリッジ2と、マウスピース204とを備える。
【0243】
エアロゾル発生装置202は、カートリッジ2を受けるように構成された装置くぼみ208を画定するハウジング206と、カートリッジ2の第一の区画10および第二の区画14の両方を加熱するように構成された発熱体(図示せず)とを備える。
【0244】
発熱体は単一の細長い電気発熱体である。発熱体は、エアロゾル発生装置202の装置くぼみ208内に位置付けられ、装置くぼみ208の長軸方向軸に沿って延びる。エアロゾル発生装置202は、電源と、電源から発熱体への電力供給を制御するためのコントローラ(図示せず)とをさらに備える。
【0245】
カートリッジ2がエアロゾル発生装置202の装置くぼみ208に挿入される際に、発熱体はカートリッジ2の遠位端キャップ106の第三の入口24を通過して、カートリッジ2の第一の区画10と第二の区画14の間に位置するくぼみ18に受けられる。使用中に、エアロゾル発生装置202のコントローラは、エアロゾル発生装置202の電源から発熱体への電力供給を制御し、カートリッジ2の第一の区画10および第二の区画14を約115℃と実質的に同一の温度に加熱する。
【0246】
カートリッジ2がエアロゾル発生装置202の装置くぼみ208に挿入されると、マウスピース204の遠位端がエアロゾル発生装置202のハウジング206の近位端に接続される。
【0247】
使用時に、ユーザーがマウスピース204の近位端で吸い込み、カートリッジ2の第一の区画10を通る第一の気流と、カートリッジ2の第二の区画14を通る第二の気流とを引き出す。第一の気流がカートリッジ2の第一の区画10を通って引き出される際に、ニコチンおよびグリセリン蒸気が第一の担体材料12から第一の気流の中に放出される。第二の気流がカートリッジ2の第二の区画14を通って引き出される際に、乳酸蒸気が第二の担体材料16から第二の気流の中に放出される。
【0248】
第一の気流中のニコチン蒸気および第二の気流中の乳酸蒸気が、マウスピース204の気相で相互に反応して、ニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成し、これがマウスピース204の近位端を通してユーザーに送達される。上述のように、エアロゾルの感覚的えぐみは、エアロゾル内のグリセリンの存在によって、ユーザーによってより低いと知覚される。
【0249】
代替的実施形態(図示せず)において、マウスピース204の遠位端は、エアロゾル発生装置202のハウジング206の近位端ではなく、カートリッジ2の近位端に係合するように構成されうる。
【0250】
図2に示す発明によるエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生装置202は装置くぼみ208内に発熱体を備え、カートリッジ2は発熱体を受けるためのくぼみ18を備える。代替的実施形態(図示せず)において、第一の区画および第二の区画を加熱するように構成された発熱体を受けるためのくぼみではなく、カートリッジは第一の区画と第二の区画との間に位置する発熱体を含んでもよい。この代替的実施形態では、エアロゾル発生装置は、カートリッジの遠位端にある発熱体の一つ以上の接続点によって、カートリッジの発熱体に電力を供給するように構成されてもよい。
【0251】
図2に示す発明によるエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生装置202は装置くぼみ208内に電気発熱体を含み、カートリッジ2は発熱体を受けるためのくぼみ18を備える。代替的実施形態(図示せず)では、エアロゾル発生装置202は装置くぼみ208を囲む誘導発熱体を含んでもよく、カートリッジ2はくぼみ18内に位置付けられたサセプタを含んでもよい。この代替的実施形態では、使用中に、エアロゾル発生装置202のコントローラは、エアロゾル発生装置202の電源から誘導発熱体への電力供給を制御し、カートリッジ2のくぼみ18内のサセプタを加熱する。一旦加熱されると、サセプタは、カートリッジ2の第一の区画10および第二の区画14を加熱する。
【実施例】
【0252】
図3A~
図3Cは、本発明によるエアロゾル発生システムおよび本発明によらない比較上のエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの、5ミクロン未満の粒子サイズを有する液滴の体積パーセント(
図3A)、透過率(
図3B)、および吸煙1回あたりに送達されるアルカロイド(ニコチン)の平均量を示す。
【0253】
本発明によるエアロゾル発生システムは、アルカロイド供与源を含有する第一の区画であって、アルカロイド供与源が、5マイクロリットル(6.3ミリグラム)のグリセリンおよび13マイクロリットル(13.13ミリグラム)のニコチンを含む本発明による液体ニコチン製剤の18マイクロリットルで含浸された第一の担体材料を含む、第一の区画と、酸供与源を含有する第二の区画であって、酸供与源が、18マイクロリットルの乳酸で含浸された第二の担体材料を含む、第二の区画とを備える本発明によるカートリッジを備える。
【0254】
本発明による比較上のエアロゾル発生システムは、アルカロイド供与源を含有する第一の区画であって、アルカロイド供与源が、13マイクロリットル(13.13ミリグラム)のニコチンで含浸された第一の担体材料を含む、第一の区画と、酸供与源を含有する第二の区画であって、酸供与源が、18マイクロリットルの乳酸で含浸された第二の担体材料を含む、第二の区画とを備える本発明によらないカートリッジを備える。
【0255】
本発明によるエアロゾル発生システムおよび本発明によらない比較上のエアロゾル発生システムの全ての特徴は、アルカロイド供与源の液体ニコチン製剤を除いて同一である。
【0256】
カナダ保健省(Health Canada)喫煙方法(55ミリリットルの吸煙量および30秒の吸煙間隔において各2秒間の吸煙を12回)により、エアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルを収集し、5ミクロン未満の粒子サイズを有する液滴の体積パーセント(
図3A)、透過率(
図3B)および吸煙あたりに送達されたアルカロイド(ニコチン)の平均量が標準技術を使用して測定された。試験中、エアロゾル発生システムのカートリッジは、定常状態温度115℃を提供するように制御された発熱体によって加熱される。定常状態温度に達することを可能にするために、吸煙の開始前に1分の予熱期間が実行される。
【0257】
図3A~
図3Cに示す結果は、4つの試験の平均である。
図3A~3Cでは、本発明によるエアロゾル発生システムの結果は左側のバーによって示され、本発明によらない比較上のエアロゾル発生システムの結果は右側のバーによって示されている。
【0258】
本発明によるエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾル、および本発明によらないエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの知覚される感覚的えぐみも評価されている。
【0259】
本発明によるエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの感覚的えぐみは、有利なことに、本発明によらないエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの感覚的えぐみよりも低いと知覚される。
【0260】
図3Aおよび3Bに示されるように、本発明によるエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの、5ミクロン未満の粒子サイズを有する液滴のパーセント(
図3A)および透過率(吸煙1回あたりの液滴総数の尺度)(
図3B)は、本発明によらないエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルと同一である。
【0261】
図3Cに示すように、本発明によるエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルの吸煙1回あたりのニコチン送達は、本発明によらないエアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルのものよりも、有利なことに高い。