(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】セグメント化されたドラフトシリンダを有するロービングフレーム
(51)【国際特許分類】
D01H 5/82 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
D01H5/82
(21)【出願番号】P 2021524067
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 IB2019059482
(87)【国際公開番号】W WO2020095194
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】102018000010073
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518115263
【氏名又は名称】マルツォーリ・マシーンズ・テキスタイル・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MARZOLI MACHINES TEXTILE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】アッセンツァ,ロザリオ
(72)【発明者】
【氏名】サンガレッティ,ピエトロ
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/072641(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205999544(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維スライバーを処理し、ボビンに巻き付けられたロービングを得るための紡績ラインのロービングフレームであって、
クリール(6)と、
ドラフト装置(10)と、
レール(20)と、
を備え、
処理される前記スライバーは前記クリール(6)から前記レール(20)に向かって、前記ドラフト装置(10)を通過し、
前記ドラフト装置(10)は、長手方向に並んで配置される複数のドラフトポイントを有し、
前記ドラフト装置(10)は、処理される前記スライバーの供給方向(A)において、前記クリール(6)から前記スライバーを受け取る第3下部シリンダ(103)と、第2下部シリンダ(102)と、前記レール(20)に前記スライバーを供給する第1下部シリンダ(101)と、を備え、
前記第3下部シリンダ(103)と前記第2下部シリンダ(102)と前記第1下部シリンダ(101)とは、前記フレームの第1端部と第2端部との間に長手方向に延び、
前記第3下部シリンダ(103)は、同軸に分離された第1セクション(103’)と第2セクション(103’’)とからなり、
前記第2下部シリンダ(102)は、同軸に分離された第1セクション(102’)と第2セクション(102’’)とからなり、
前記第1下部シリンダ(101)は、前記第1端部と前記第2端部との間で連続しており、
前記第1下部シリンダ(101)には、第1モータ(52’)が接続され、前記第1モータ(52’)により前記第1下部シリンダを回転駆動し、
前記第1下部シリンダ(101)と前記第3下部シリンダ(103)の第1セクション(103’)とは、前記第1端部において第1変速グループ(56’)により接続され、
前記第1下部シリンダ(101)と前記第3下部シリンダ(103)の第2セクション(103’’)とは、前記第2端部においてさらなる第1変速グループ(56’’)により接続され、
前記第3下部シリンダ(103)の第1セクション(103’)および第2セクション(103’’)は、
前記第1下部シリンダ(101’)の回転が伝達されることにより回転駆動され、
変速グループ(58’)は、第3下部シリンダ(103)の第1セクション(103’)の動きを第2下部シリンダ(102)の第1セクション(102’)に伝達し、
さらなる変速グループ(58’’)は、第3下部シリンダ(103)の第2セクション(103’’)の動きを第2下部シリンダ(102)の第2セクション(102’’)に伝達する、
ロービングフレーム(1)。
【請求項2】
ドラフト装置(10)は、第2下部シリンダ(102)と第1下部シリンダ(101)との間に第4下部シリンダ(104)を備える、
請求項
1に記載のロービングフレーム(1)。
【請求項3】
前記第4下部シリンダ(104)は、前記フレームの前記第1端部と前記第2端部との間で連続している、
請求項
2に記載のロービングフレーム(1)。
【請求項4】
前記第4下部シリンダ(104)は、同軸に分離された第1セクション(104’)と第2セクション(104’’)とからなる、
請求項
2に記載のロービングフレーム(1)。
【請求項5】
前記フレームの構成要素に動作可能に接続されて制御信号を受信し命令信号を送信して、フレーム全体の動作を制御する電子ユニット、を備える
請求項1から
4のいずれか1項に記載のロービングフレーム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステープルファイバーを処理してボビンに巻き付けられた糸を得る、紡績工場用の機械の分野に関する。特に、本発明の主題は、紡績ライン用にボビンに巻き付けられたロービングを得るための、典型的にはドラフトフレームによる繊維スライバーの処理用のロービングフレームである。
【0002】
フレームでの動作中、スライバーは、蓄積容器からドラフト装置、さらに回転フィンまで移動し、そこで巻き取られてボビンを形成する。
【0003】
ドラフト装置は、機械に沿って連続的な長手方向延伸部を有し、一般的に3つの数のドラフトシリンダと、それぞれのドラフトシリンダへの圧力により結合される相対圧力シリンダと、を備え、それにより、並んで配置される複数のドラフトポイントを形成する。
【0004】
ドラフトシリンダはモータ駆動であるのに対して、圧力シリンダは、それぞれのドラフトシリンダの圧力結合により回転駆動される。
【0005】
工場の建設および立ち上げに高い初期投資コストのかかる紡績工場の収益性を改善するために、メーカーは個々の機械の性能改善に常に取り組んでいる。
【0006】
ロービングフレームの場合、機能の自動化に加えて、機械の時間当たりの生産性を向上させるために、ドラフトポイントの数を多くする解決策を開発する傾向にある。
【0007】
しかし、ドラフトポイントを増やすことにより、ドラフトシリンダおよびそれを動かすために使用される装置の破損が増えることが、経験的に判明している。
【0008】
本発明の目的は、ドラフト装置を備えるロービングフレームにおいて、ドラフトポイントの数が多く、構造的信頼性の高いものを作ることである。
【0009】
そのような目的は、請求項1によるロービングフレームにより達成される。従属請求項には、本発明のさらなる有利な実施の形態が記載されている。
【0010】
本発明によるロービングフレームの特徴および利点は、添付の図面に従って、非限定的な例として提供される、以下に与えられる説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるロービングフレームの模式図
【
図2a】3つのシリンダを有するドラフトの機械的調整を伴う、
図1のロービングフレームのドラフト装置の概略図
【
図2b】4つのシリンダを有するドラフトの機械的調整を伴う、
図1のロービングフレームのドラフト装置の概略図
【
図2c】3つシリンダを有するドラフトの機械的調整を伴う、
図1のロービングフレームのさらなるドラフト装置の概略図
【
図2d】4つのシリンダを有するドラフトの機械的調整を伴う、
図1のロービングフレームのさらなるドラフト装置の概略図
【
図3a】3つのシリンダを有するドラフトの電気的調整を伴う、
図1のロービングフレームのドラフト装置の概略図
【
図3b】4つのシリンダを有するドラフトの電気的調整を伴う、
図1のロービングフレームのドラフト装置の概略図
【
図3c】3つのシリンダを有するドラフトの電気的調整を伴う、
図1のロービングフレームのさらなるドラフト装置の概略図
【
図3d】4つのシリンダを有するドラフトの電気的調整を伴う、
図1のロービングフレームのさらなるドラフト装置の概略図
【0012】
添付の図面を参照すると、紡績ラインのロービングフレームをまとめて符号1で示している。
【0013】
一般的に、ロービングフレーム1の上流は、ロービングフレームに供給される延伸繊維スライバーを生成するドラフトフレームである。ロービングフレームは、スライバーを処理し、次の処理のためにロービングフレームの下流にある紡績フレームに移送されるボビンに巻き付けられたロービングを生成する。
【0014】
ロービングフレーム1は、機械の背面に配置される保管領域2を有する。保管領域2には、ドラフトフレームにより生成され、巻き付けられて容器4に収容されるスライバーが保管される。
【0015】
この保管領域2では、容器4の上方に配置され、長手方向Xに沿って主に延びるローラー8を備えるフレームからなるクリール(creel)6もまた配置されている。ローラー8は、一般的に六角形の断面を有し、典型的に電動式である。
【0016】
容器4から外に出るスライバーは、ローラー8の上に配置され、フレーム1に供給される。
【0017】
フレーム1は、上流から下流に向かって上昇する周辺回転速度で圧力係合される一対の多層シリンダからなるドラフト装置10を含む機械本体2を備え、結合したシリンダの間を通過するスライバーを徐々に引き出す。
【0018】
特に、ドラフト装置10は、例えば3つまたは4つの、それぞれがフレームに沿った長手方向Xに延びる電動下部シリンダを備える。それぞれの下部シリンダは、通常は一対の圧力アームにより支持される、複数の分離されたアイドル上部シリンダと協働する。
【0019】
好ましくは、圧力アームは空気圧で押されて、下部シリンダと上部シリンダとの間の圧力結合を確保する。
【0020】
ドラフト装置10の下流において、機械本体2は、フレームの全長にわたって長手方向に沿って延びるレール20を備え、レールの上方の上部領域とレールの下方の下部領域とを規定している。
【0021】
レール20は、長手方向に2列に整列され、長手方向にオフセットして配置され、レール20のレール床21から突出した複数のネック22を収容する。
【0022】
機械本体2はさらに、それぞれのネック22の下部領域に配置され、レール20により支持される複数のフィン30を備える。フィン30は、フィン電動モータによりそれぞれ垂直軸の周りを回転するのに適している。
【0023】
機械本体2はさらに、下部領域に配置され、それぞれのフィン30に対して同軸に配置される複数のスピンドル42を運ぶトロリー40を備える。トロリー40は、第1トロリー電動モータにより、ボビンの形成のために交互の動きで垂直移動可能である。
【0024】
さらに、トロリー40は、第2トロリー電動モータにより、ボビンを持ち上げる、および空のチューブを装填する操作のために、水平方向に平行移動可能および/または回転可能である。
【0025】
長手方向Xに沿って整列したスピンドル42もまた、スピンドル電動モータにより、フィン30に対して同軸に回転して移動可能である。
【0026】
フィン30もまた、適切な形成手段を備え、それぞれのスピンドル42に配置されるチューブに取り付けられた、または形成中のボビンに取り付けられたロービングを維持する。
【0027】
クリール6からのスライバーは、ドラフト装置10を通過し、それぞれのネック22に入り、ネック22を通ってフレームの下部領域に入る。
【0028】
ここで、ネック22を通って、スライバーはそれぞれのフィン30に入り、下端から出る。トロリー40を交互に垂直に動かすことで、ロービングはスピンドルに配置されるチューブに巻き取られ、ボビンを形成する。
【0029】
ボビンが形成されると、それらは、ピックアップされて、自動でまたは手動で、次の処理のために紡績フレームに移送される。
【0030】
最後に、ロービングフレームは、フレームの構成要素に動作可能に接続されて制御信号を受信し命令信号を送信して、フレーム全体の動作を制御する電子ユニットを備える。
【0031】
(ドラフトの機械的設定を伴う実施の形態)
本発明の第1の実施の形態によると(
図2a)、ドラフト装置10は、上流から下流に向かうスライバーの供給方向Aに従って、機械の全長にわたって長手方向に延びる、第3下部シリンダ103と、第2下部シリンダ102と、第1下部シリンダ101と、を備える。
【0032】
第3下部シリンダ103は、互いに同軸に分離され、典型的に長さの異なる、第1セクション103’と、第2セクション103’’と、を備える。
【0033】
同様に、第2下部シリンダ102は、互いに同軸に分離された、第1セクション102’と、第2セクション102’’と、を備える。
【0034】
言い換えると、第3ドラフトシリンダと第2ドラフトシリンダとは、セグメント化されている。
【0035】
好ましくは、第1セクション102’は、第3下部シリンダ103の第1セクション103’と同じ長さを有し、第2セクション102’’は、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’と同じ長さを有する。
【0036】
第1下部シリンダ101は、機械の両端の間で連続している。
【0037】
ドラフト装置10はさらに、機械の一端に配置され下部シリンダを移動させるための第1駆動グループ50’と、機械の他端に配置される第2駆動グループ50’’と、を備える。
【0038】
電子ユニットは、第1駆動グループ50’および/または第2駆動グループ50’’の動作制御信号を受信し、第1駆動グループ50’および/または第2駆動グループ50’’への命令信号を送信するために、第1駆動グループ50’および/または第2駆動グループ50’’に動作可能に接続される。
【0039】
第1駆動グループ50’は、相対減速機を有する第1電動モータ52’と、例えばギアにより形成される主変速グループ54’と、を備える。
【0040】
主変速グループ54’は、第1モータ52’と第1下部シリンダ101とに、好ましくはその第1端部で直接接続される。
【0041】
第1駆動グループ50’はさらに、第1下部シリンダ101と第3下部シリンダ103の第1セクション103’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、例えばギアにより形成される第1変速グループ56’またはドラフトグループを備える。
【0042】
最後に、第1駆動グループ50’は、第3下部シリンダ103の第1セクション103’と第2下部シリンダ102の第1セクション102’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第2変速グループ58’またはプレドラフトグループを備える。
【0043】
第2駆動グループ50’’はさらに、第1下部シリンダ101と第3下部シリンダ103の第2セクション103’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続され、例えばギアにより形成される第1変速グループ56’’を備える。
【0044】
さらに、第2駆動グループ50’’は、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’と第2下部シリンダ102の第2セクション102’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第2変速グループ58’’を備える。
【0045】
本発明の第2の実施の形態によると(
図2b)、上述した実施の形態に関して、ドラフト装置10はさらに、第1下部シリンダ101と第2下部シリンダ102との間に配置される第4下部シリンダ104を備える。
【0046】
第4下部シリンダ104は、機械の両端の間で連続している。
【0047】
さらに、第1駆動グループ50’は、第1下部シリンダ101と第4下部シリンダ104とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第3変速グループ60’を備える。
【0048】
本発明の第3の実施の形態によると(
図2c)、ドラフト装置10は、実質的に上述の第1の実施の形態(
図2a)で説明したものと同じであるが、第1下部シリンダ101がセグメント化されている。
【0049】
特に、第1下部シリンダ101は、互いに同軸に分離され、典型的に長さの異なる第1セクション101’と、第2セクション101’’と、を備える。
【0050】
好ましくは、第1セクション101’は、第2下部シリンダ102の第1セクション102’と同じ長さを有し、第2セクション101’’は、第2下部シリンダ102の第2セクション102’’と同じ長さを有する。
【0051】
この実施の形態では、主変速グループ54’は、第1モータ52’と第1下部シリンダ101の第1セクション101’とに、好ましくはその第1端部で直接接続される。
【0052】
第1駆動グループ50’はさらに、第1下部シリンダ101の第1セクション101’と第3下部シリンダ103の第1セクション103’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、例えばギアにより形成される第1変速グループ56’またはドラフトグループを備える。
【0053】
最後に、第1駆動グループ50’は、第3下部シリンダ103の第1セクション103’と第2下部シリンダ102の第1セクション102’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第2変速グループ58’またはプレドラフトグループを備える。
【0054】
第2駆動グループ50’’は、相対減速機を有する第2電動モータ52’’と、例えばギアにより形成される主変速グループ54’’と、を備える。
【0055】
主変速グループ54’’は、第2モータ52’’と第1下部シリンダ101の第2セクション101’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続される。
【0056】
第2駆動グループ50’’はさらに、第1下部シリンダ101の第2セクション101’’と第3下部シリンダ103の第2セクション103’’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、例えばギアにより形成される第1変速グループ56’’またはドラフトグループを備える。
【0057】
最後に、第2駆動グループ50’’は、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’と第2下部シリンダ102の第2セクション102’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第2変速グループ58’’またはプレドラフトグループを備える。
【0058】
本発明の第4の実施の形態によると(
図2d)、ドラフト装置10は、実質的に上述の第2の実施の形態(
図2b)で説明したものと同じであるが、第1下部シリンダ101がセグメント化され、第4下部シリンダ104がセグメント化されている。
【0059】
特に、第1下部シリンダ101は、互いに同軸に分離され、典型的に長さの異なる第1セクション101’と、第2セクション101’’と、を備える。
【0060】
好ましくは、第1セクション101’は、第2下部シリンダ102の第1セクション102’と同じ長さを有し、第2セクション101’’は第2下部シリンダ102の第2セクション102’’と同じ長さを有する。
【0061】
さらに、第4下部シリンダ104は、互いに同軸に分離され、典型的に長さの異なる第1セクション104’と、第2セクション104’’と、を備える。
【0062】
好ましくは、第1セクション104’は、第2下部シリンダ102の第1セクション02’と同じ長さを有し、第2セクション104’’は、第2下部シリンダ102の第2セクション102’’と同じ長さを有する。
【0063】
この実施の形態では、第1駆動グループ50’は、相対減速機を有する第1電動モータ52’と、例えばギアにより形成される主変速グループ54’と、を備える。
【0064】
主変速グループ54’は、第1モータ52’と第1下部シリンダ101の第1セクション101’とに、好ましくはその第1端部で直接接続される。
【0065】
第1駆動グループ50’はさらに、第1下部シリンダ101の第1セクション101’と第3下部シリンダ103の第1セクション103’とに、好ましくはその第1端部で、直接接続され、例えばギアにより形成される第1変速グループ56’またはドラフトグループを備える。
【0066】
さらに、第1駆動グループ50’は、第3下部シリンダ103の第1セクション103’と第2下部シリンダ102の第1セクション102’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第2変速グループ58’またはプレドラフトグループを備える。
【0067】
最後に、第1駆動グループ50’は、第1下部シリンダ101の第1セクション101’と第4下部シリンダ104の第1セクション104’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第3変速グループ60’を備える。
【0068】
第2駆動グループ50’’は、相対減速機を有する第2電動モータ52’’と、例えばギアにより形成される主変速グループ54’’と、を備える。
【0069】
主変速グループ54’’は、第2モータ52’’と第1下部シリンダ101の第2セクション101’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続される。
【0070】
第2駆動グループ50’’はさらに、第1下部シリンダ101の第2セクション101’’と第3下部シリンダ103の第2セクション103’’とに、好ましくはその第1端部で直接接続され、例えばギアにより形成される第1変速グループ56’’またはドラフトグループを備える。
【0071】
さらに、第2駆動グループ50’’は、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’と第2下部シリンダ102の第2セクション102’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第2変速グループ58’’またはプレドラフトグループを備える。
【0072】
最後に、第2駆動グループ50’’は、第1下部シリンダ101の第2セクション101’’と第4下部シリンダ104の第2セクション104’’とに、好ましくはその第2端部で直接接続され、好ましくはギアを含む第3変速グループ60’’を備える。
【0073】
上述の実施の形態は、特に、ドラフトの機械的調整に適している。言い換えると、処理されるスライバーの所望のドラフト比を得るよう下部シリンダの回転速度を変化させるために、駆動グループのギアが所望の変速比を達成するよう交換される。
【0074】
(ドラフトの電気的設定を伴う実施の形態)
本発明の第1の実施の形態によると(
図3a)、ドラフト装置10は、以下を除いて、上述の第1の実施の形態(
図2a)と構造的および機能的に同様である。
【0075】
第1駆動グループ50’は、第1下部シリンダ101だけを動かし、第3下部シリンダ103および第2下部シリンダ102からは機械的に切り離された第1電動モータ52’を備える。
【0076】
さらに、第1駆動グループ50’は、第1変速グループ56’により第3下部シリンダ103の第1セクション103’を直接動かす追加の電動モータ53’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第1セクション103’は、第2変速グループ58’により、第2下部シリンダ102の第1セクション102’を動かす。
【0077】
さらに、第2駆動グループ50’’は、第1変速グループ56’’により第3下部シリンダ103の第2セクション103’’を直接動かす追加の電動モータ53’’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’は、第2変速グループ58’’により、第2下部シリンダ102の第2セクション102’’を動かす。
【0078】
本発明の第2の実施の形態によると(
図3b)、ドラフト装置10は、以下を除いて、上述の第2の実施の形態(
図2b)の構造的および機械的に同様である。
【0079】
第1駆動グループ50’は、第1下部シリンダ101および第4下部シリンダ104だけを動かし、第3下部シリンダ103および第2下部シリンダ102からは機械的に切り離された第1電動モータ52’を備える。
【0080】
特に、第1モータ52’は、主変速グループ54’により、第1下部シリンダ101を直接動かす。一方、第1下部シリンダ101は、好ましくはその第1端部に配置される第3変速グループ60’により、第4下部シリンダ104を動かす。
【0081】
さらに、第1駆動グループ50’は、第1変速グループ56’により第3下部シリンダ103の第1セクション103’を直接動かす追加の電動モータ53’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第1セクション103’は、第2変速グループ58’により、第2下部シリンダ102の第1セクション102’を動かす。
【0082】
さらに、第2駆動グループ50’’は、第1変速グループ56’’により第3下部シリンダ103の第2セクション103’’を直接動かす追加の電動モータ53’’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’は、第2変速グループ58’’により、第2下部シリンダ102の第2セクション102’’を動かす。
【0083】
本発明の第3の実施の形態によると(
図3c)、ドラフト装置10は、以下を除いて、上述の第3の実施の形態(
図2c)の構造的および機械的に同様である。
【0084】
第1駆動グループ50’は、主変速グループ54’により、第1下部シリンダ101の第1セクション101’だけを動かす第1電動モータ52’を備える。第1モータ52’は、第3下部シリンダ103および第2下部シリンダ102から機械的に切り離されている。
【0085】
さらに、第1駆動グループ50’は、第1変速グループ56’により第3下部シリンダ103の第1セクション103’を直接動かす追加の電動モータ53’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第1セクション103’は、第2変速グループ58’により、第2下部シリンダ102の第1セクション102’を動かす。
【0086】
第2駆動グループ50’’は、第1変速グループ56’’により第3下部シリンダ103の第2セクション103’’を直接動かす追加の電動モータ53’’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’は、第2変速グループ58''により、第2下部シリンダ102の第2セクション102’’を動かす。
【0087】
さらに、第2駆動グループ50’’は、主変速グループ54’’により第1下部シリンダ101の第2セクション101’’だけを動かす追加の電動モータ52’’を備える。
【0088】
本発明の第4の実施の形態によると(
図3d)、ドラフト装置10は、以下を除いて、上述の第4の実施の形態(
図2d)の構造的および機械的に同様である。
【0089】
第1駆動グループ50’は、主変速グループ54’により第1下部シリンダ101の第1セクション101’を直接動かす第1電動モータ52’を備える。一方、第1下部シリンダ101の第1セクション101’は、好ましくはその第1端部に配置された第3変速グループ60’により、第4下部シリンダ104の第1セクション104’を動かす。
【0090】
第1モータ52’は、第3下部シリンダ103および第2下部シリンダ102から機械的に切り離されている。
【0091】
さらに、第1駆動グループ50’は、第1変速グループ56’により第3下部シリンダ103の第1セクション103’を直接動かす追加の電動モータ53’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第1セクション103’は、第2変速グループ58’により、第2下部シリンダ102の第1セクション102’を動かす。
【0092】
第2駆動グループ50’’は、第1変速グループ56’’により第3下部シリンダ103の第2セクション103’’を直接動かす追加の電動モータ53’’を備える。一方、第3下部シリンダ103の第2セクション103’’は、第2変速グループ58''により、第2下部シリンダ102の第2セクション102’’を動かす。
【0093】
さらに、第2駆動グループ50’’は、主変速グループ54’’により第1下部シリンダ101の第2セクション101’’を直接動かす追加の電動モータ52’’を備える。一方、第1下部シリンダ101の第2セクション101’は、第3変速グループ60’により第4下部シリンダ104の第2セクション104’’を動かす。
【0094】
上述の実施の形態は、特に、ドラフトの機械的調整に適している。言い換えると、処理されるスライバーの所望のドラフト比を得るよう下部シリンダの回転速度を変化させるために、駆動グループのモーターが電気的に制御される。
【0095】
革新的に、本発明にかかるロービングフレームによると、ドラフトポイントの数を増加させることができるため、セクターのニーズを満たすことができる。同時に、ドラフトシリンダの破損が検出されていないため、上述の欠点を克服することができる。
【0096】
有利なことに、本発明の解決策ではさらに、ドラフトシリンダを動かすのに使用される構成要素の破損も発見されていない。
【0097】
特に、公知技術の解決策では、ドラフトポイントの数を増やすことにより、特に最も高いトルク作用を想定した第2および第3のドラフトシリンダに関して、ドラフトシリンダの間の変速に使用されるギアの破損があることがわかっている。
【0098】
第2および第3のドラフトシリンダが近接しているため、それらのギアは、その全体的な寸法により制約されて大きさが小さくなる。
【0099】
しかし、本発明による解決策では、第2および第3のドラフトシリンダがセグメント化されている、すなわち、2つのセクションに分割されている。このため、この欠点を克服する。
【0100】
別の有利な態様によると、本発明による解決策では、公知技術の解決策でこれらのシリンダが遭遇するねじれに起因する、ドラフトシリンダの起動時の遅延がもはやない。
【0101】
当業者であれば、偶発的なニーズを満たすために、上述のロービングフレームに対する変更を加えることができ、それらはすべて、以下の特許請求の範囲により定義される保護の範囲に含まれることが明らかである。