(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20240501BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240501BHJP
A24D 3/10 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D3/04
A24D3/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022008549
(22)【出願日】2022-01-24
(62)【分割の表示】P 2020019263の分割
【原出願日】2016-08-26
【審査請求日】2022-01-31
(32)【優先日】2015-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】デルガド, シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】フジタ, ノリトシ
(72)【発明者】
【氏名】オノ, ヒロヨシ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/007400(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/179524(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/124242(WO,A1)
【文献】特表2014-532436(JP,A)
【文献】特表2014-510542(JP,A)
【文献】特表2015-519893(JP,A)
【文献】国際公開第2015/075804(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02
A24D 3/04
A24D 3/10
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品であって、
タバコロッド、
一つ又は複数のフィルター包装材により包装された少なくとも一つのフィルター材料プラグを含むフィルター、
前記タバコロッド及び前記フィルターを接続するチッピング材料、を含み、
前記チッピング材料は、少なくとも50g/m
2の坪量及び約40~約55ミクロンの間の厚さを有し、
前記一つ又は複数のフィルター包装材は、約25~約30g/m
2の坪量を有し、
前記フィルター材料は、約3.0~約5.0のフィラメント当たりのデニール(dpf)、約33,000未満のトータルデニール、及び約130mg~約138mgの範囲内のトウ重量を有し、
前記フィルターを構成する前記少なくとも一つのフィルター材料プラグは、7~9%の可塑剤量を有し、
前記チッピング材料は、前記チッピング材料を貫通する穿孔を有し、
前記
フィルターは、前記フィルター材料プラグを囲う前記一つ又は複数のフィルター包装材を貫く
穿孔を含む、喫煙物品。
【請求項2】
請求項1に記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料によってタバコロッドに結合されている前記喫煙物品について、前記フィルターの任意の点において測定される硬さは、約90%より低い、喫煙物品。
【請求項3】
請求項1~2のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料によってタバコロッドに結合されている前記喫煙物品について、前記フィルターの任意の点において測定される硬さは、約85%より高い、喫煙物品。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料によってタバコロッドに結合されている前記喫煙物品について、前記フィルターの任意の点において測定される硬さは、約85~約95%の間である、喫煙物品。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料は、約50g~約80g/m
2の間の坪量を有する、喫煙物品。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記一つ又は複数のフィルター包装材は、非多孔性包装材である、喫煙物品。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料は、約45~52ミクロンの間の厚さを有する、喫煙物品。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、一つのフィルター材料プラグが一つのフィルター包装材により包装されているものを含む、喫煙物品。
【請求項9】
請求項8に記載の喫煙物品であって、
前記フィルター材料プラグは、前記フィルターの全長に沿って延伸している、喫煙物品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、少なくとも一つの第一の非包装アセテートフィルター材料プラグを含む、喫煙物品。
【請求項11】
請求項10に記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、少なくとも一つの第二の非包装アセテートフィルター材料プラグを含み、
前記第一及び第二の非包装アセテートフィルター材料プラグは、当該第一及び第二のプラグの間に空洞が規定されるような配置関係を有して一つのフィルター包装材により上包みされている、喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターを含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットのような喫煙物品は、通常、タバコロッド又は他のエアロゾル形成材料を可燃性包装材(通常はシガレットペーパー)で包装したもの及びフィルターを含み、前記タバコロッドとフィルターは端部同士が繋がれて直線状になっている。フィルターは、少なくとも一つのセルロースアセテートトウプラグを含んでもよく、当該プラグは、フィルター及びタバコロッドの近接端部に亘るチッピング紙を介してタバコロッド又は他のエアロゾル形成材料に連結されており、タバコロッドの近接端部にフィルターが接合されている。チッピング紙を介してフィルターに穿孔をさらに設けて、喫煙時にフィルターを介して消費者が吸う煙を通すようにしてもよい。
【0003】
消費者は昨今、任意の消費者製品において可能な限り最高の消費者体験を可能にする最高の品質を期待し、製品のプレゼンテーションや見た目及び感触で知覚される品質により多くの注意が払われる。そして、時にはこれらの品質は他の特性、例えば製品の味又は機能上の利点と同様に重要となる。これは他の消費者製品と同様に喫煙物品にも当てはまり、消費者が喫煙物品の品質を判断する際に注目する特定の分野は、消費者が喫煙前及び喫煙中に自身の手や口に保持する際の喫煙物品の視覚的外観及び物理的挙動に及ぶ。
【0004】
特に、消費者は喫煙物品がタバコ内又は他のエアロゾル発生材料ロッド内において均一な密度であることを期待し、同様に、指又は唇の間に保持した際のフィルターの実質的な剛性又は硬度を期待し、フィルター及び喫煙物品が全体として良好な均一な丸みを帯びた形状であることも期待する。指及び唇からの押しつぶす力に対向するフィルターの耐性を介して消費者に高い品質を知覚させるためには、フィルターの適切な硬度が特に重要である。同時に、口において一定の柔らかさを保ち、消費者の喫煙時の快適さを保つためには、硬度が高すぎてもよくない。フィルター及び喫煙物品の規則的で均一な丸みも品質の知覚にとって重要である。なぜなら、不均一な形状は製品の品質が低い印象を与えるからである。
【0005】
喫煙物品フィルターの硬度及び丸みの両方に影響を及ぼす複数の因子があり、とりわけセルロースアセテートトウの重量、可塑剤量、及びフィルター包装材の品質(坪量、厚さ、気孔率)がこれに含まれる。適切なレベルの硬度及び丸みを得ると同時に期待される感覚及び目的とする味覚を製品において満足させるには、これらの因子の全てを適切に調整する必要がある。特に、セルロースアセテートフィルタープラグを形成するのに用いられる可塑剤(例えばトリアセチン)の量を増加させる対応のみでこの硬度を増加させることは、効果はあるものの、製品のニュートラルな味覚を損なう。実際に、高濃度のトリアセチンは酢酸へ分解される傾向があり、消費者は喫煙物品中の酢酸を知覚しこのにおいを感じることができる。
【0006】
先行技術において、本質的により厚いフィルタープラグ包装材(例えば、WO 2015007399 A1、WO 2015007400 A1及びWO 2015007401 A1に開示される包装材)を用いることでフィルター硬度を向上させる試みがなされている。これらの文献は、タバコロッド及びフィルター材料が下流の最末端(フィルターの口側の端とも呼ばれる)まで延伸しているプラグを有するフィルターを含む喫煙物品を開示しており、当該プラグは一つ又は複数のフィルター包装材により包まれ、チッピング材料によりタバコロッドとフィルターとがつながれている。一つ又は複数のフィルター包装材は、約50g/m2~約100g/m2の間の坪量を有し、その結果として得られるフィルターの硬さは少なくとも90%である。
【0007】
上記の特許出願は、基本的に、約50g/m2~約100g/m2の間の坪量を有する厚いフィルター包装材を使用することを提案するものであり、これはリセスドフィルターを製造する先行技術(例えば、WO 2011/117584 A1を参照)において知られ、用いられている。これは実に、リセスドフィルターにおいて期待され、達成されるようなフィルターの口側の端の抵抗の向上を、より大きな坪量及びフィルター包装材の厚さにより提供するものであり、これはセルロースアセテートがフィルターの口側の端の末端まで延伸することによりさらに向上されている。
【0008】
しかしながら、このような厚く、大きな坪量を有するフィルター包装材を含むフィルター構成にはいくつかの欠点があり、特に製造及びコストの観点において不利である。実際に、約50g/m2~約100g/m2の間の坪量を有する厚いフィルター包装材の使用は、20g/m2~30g/m2の間の坪量を有する標準的なフィルター包装材を製造するフィルター製造機器の通常のスピードと比較して25~30%までの実質的なスピード低下をもたらす。銘柄の変更に際してフィルター製造機の更なる調整が必要となり、あるいは特定の機器部品の交換が必要となる場合さえあり、生産性の低下及び製造コストの上昇をもたらす。
【0009】
厚いフィルター包装材の使用は、より頻繁なフィルター製造機の清掃をさらに必要とする。これは加工において塵が生成するためであり、生産性及びコストに更なる不利益をもたらす。さらに、厚いフィルター包装材は標準的な薄いフィルター包装材と比較して弾性が低いことから、一度フィルター包装材がフィルターのセルロースアセテートプラグの周囲に包装されると、包装材本来の剛性に起因してより丸みの少ないフィルターが得られることになる。
【0010】
従って、消費者による品質の知覚の向上のために、硬度の向上と均一な丸みを示しつつ、同時に前述の先行技術と比較して製造スピード及びコストへの影響が、仮に存在する場合においても限られている、別のフィルター構造を有する喫煙物品が求められている。
【0011】
本発明の目的は、上述の要求を満足するフィルターを含む、改良された喫煙物品を提供することである。
【0012】
<本発明の概要>
発明者らは、従来技術の喫煙物品の欠点を、喫煙物品、例えばシガレットであって、
タバコロッド、
一つ又は複数のフィルター包装材により包装された少なくとも一つのフィルター材料プラグを含むフィルター、
前記タバコロッド及び前記フィルターを接続するチッピング材料、を含み、
前記チッピング材料は、少なくとも50g/m2の坪量及び約40~約55ミクロンの間の厚さを有する、シガレットによって克服できることを見出した。
【0013】
チッピング材料によってタバコロッドに結合されている喫煙物品について、フィルターの任意の点において測定される硬さは、約85%~約98%の間であり得る。例えば、チッピング材料によってタバコロッドに結合されている喫煙物品について、フィルターの任意の点において測定される硬さは、約90%より低くてもよい。
【0014】
有利なことに、本発明者らは、90%未満という硬さの値は、単に50g/m2以上の坪量を有するチッピング材料を用いることによって、フィルター材料に用いられる可塑剤の含有量を増加させたり、先行技術において開示されるような50g/m2以上の坪量を有する非常に厚いフィルター包装材を使用したりせずに達成することができることを見出した。
【0015】
このようなチッピング材料を使用することの更なる利点は、喫煙物品の製造の工程が簡便であるために、機器コストを増大させることが無く、さらに、実質的にレーザ出力を増大させること無くフィルターのオンラインレーザパーフォレーションに適合できることである。これは50g/m2以上の厚いフィルター包装材を用いるフィルターにおいては、喫煙物品のフィルターの外側において最初に穿孔されるものがチッピング材料であることにより達成できないことであった。
【0016】
そのようなチッピング材料の厚みの範囲は、喫煙物品のフィルターの容易な機械加工性を確保するために好ましい。さらに、この厚みの範囲は、完成した喫煙物品においてフィルターに適切丸みを与えることに貢献する。
【0017】
本発明のさらなる例示的な実施形態は、従属請求項及び以下の詳細な説明に示されているが、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の特徴を理解し説明するのに役立つだけである。本発明の範囲から逸脱することなく、特に、本発明の他の態様に関して、これらの特定の特徴の変形及び修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本明細書を通じて用いられる硬さの値の定義を表すものである。
【
図2】
図2は、フィルター又は喫煙物品の硬さを測定する装置の第一の形状における斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の装置の第一の形状における側面図である。
【
図4】
図4は、
図2の装置の第二の形状における側面図である。
【0019】
<詳細な説明>
ここに開示される範囲は、反対の意に明確に定義されるか、又は文脈より明確でない限り、「約」という用語が追記されるものとする。
【0020】
本願における物質の量に関する全ての数値又は百分率は、反対の意に明確に定義されるか、又は文脈より明確でない限り、wt%で与えられるものとする。
【0021】
本発明は、喫煙物品に関し、例えば、シガレットであって、
タバコロッド、
一つ又は複数のフィルター包装材により包装された少なくとも一つのフィルター材料プラグを含むフィルター、
前記タバコロッド及び前記フィルターを接続するチッピング材料、を含み、
前記チッピング材料は、少なくとも50g/m2の坪量及び約40~約55ミクロンの間の厚さを有する、シガレットに関する。
チッピング材料によってタバコロッドに結合されているフィルターの任意の点において測定される喫煙物品の硬さは、約85%~約98%の間であり得る。
【0022】
有利なことに、本発明者らは、例えば90%未満という所望の硬さの値は、単に50g/m2以上の坪量を有するチッピング材料を用いることによって、フィルター材料に用いられる可塑剤の含有量を増加させたり、先行技術において開示されるような50g/m2以上の坪量を有する非常に厚いフィルター包装材を使用したりせずに達成することができることを見出した。このようなチッピング材料を使用することの更なる利点は、喫煙物品の製造の工程が簡便であるために、機器コストを増大させることが無く、さらに、実質的にレーザ出力を増大させること無くフィルターのオンラインレーザパーフォレーションに適合できることである。これは50g/m2以上の厚いフィルター包装材を用いるフィルターにおいては、喫煙物品のフィルターの外側において最初に穿孔されるものがチッピング材料であることにより達成できないことであった。標準的な多孔性フィルター包装材の使用は、必要に応じたフィルターの通気性の調整を可能にする。
【0023】
本開示を通して、本発明に係る喫煙物品について規定される硬さの値は、喫煙物品をDD60A測定、すなわち、既知のDD60Aデンシメーター(Heinr. Borgwaldt GmbH, Germanyにより製造販売されている)機器に付して得られる硬さの測定に対応する。
【0024】
本開示を通して用いられる用語「硬さ」は、変形への耐性を特徴づけるものである。硬さの値は、一般的に百分率で表される。
図1は、フィルター包装材102及びチッピング材料101を含むシガレットであって、荷重Fを付与される前のシガレット100及び荷重Fを付与されている同じシガレット110を示している。荷重を付与される前のシガレット100は、直径D
Sを有している。所定の荷重を所定の時間付与した後(ただし、荷重は付与され続けている)のシガレット110は、(減少した)直径D
Fを有している。直径の減少(r)は、r=D
S-D
Fである。
図1を参照し、硬さは次式のように定義される。
【0025】
【0026】
式中、DSは初期の(圧迫されていない)シガレットの直径であり、DFは所定の荷重を所定の時間付与された後の圧迫された直径である。材料が硬いほど、硬さは100%に近くなる。
【0027】
より詳細に後述されるように、そして本技術において一般的に知られるように、喫煙物品の一部分(例えばフィルター)の硬さを測定するためには、喫煙物品は一つの面において平行に並べられ、測定対象の各喫煙物品の同一部分に所定の荷重を所定の時間付与するべきである。この測定は、既知のDD60Aデンシメーター機器(Heinr. Borgwaldt GmbH, Germanyにより製造販売されている)にシガレット用の測定ヘッド及びシガレット容器を取り付けて行われる。荷重は、二本の荷重付与円筒ロッドによって付与されるが、当該荷重付与円筒ロッドは全ての喫煙物品の直径に一度に渡るように延伸している。この装置の標準的測定方法によれば、測定は、喫煙物品と荷重付与円筒ロッドとの間に20の接触点が生じるようにして行われるべきである。いくつかの場合において、測定対象のフィルターは十分に長く、20の接触点を形成するのに10の喫煙物品しか必要でないこともあり得、各喫煙物品は両方の荷重付与ロッドに接触している(なぜならば、喫煙物品はロッド間を延伸するのに十分な長さであるからである)。他の場合において、フィルターがこれを達成するには短すぎる場合には、20の接触点を形成するために20の喫煙物品を使用するべきであり、各喫煙物品は、以下に詳細に開示されるように荷重付与ロッドのうち一つのみに接触している。
【0028】
さらに二つの据付の円筒ロッドが喫煙物品の下に配置され、喫煙物品を支持し、各荷重付与円筒ロッドにより付与される荷重を打消す。そのような配置は以下においてより詳細に記載され、
図2~4に示され、例えばWO 2015/007400 A1及びWO 2015/007401 A1に開示される既知の先行技術における配置である。
【0029】
このような装置の標準的な操作手順においては、全体で2kgの荷重が20秒にわたって付与される。20秒が経過した後(そして、喫煙物品に当該荷重が依然として付与されている状態で)、荷重付与円筒ロッドにおける直径の減少(r)が測定され、これを用いて上述の式により硬さが算出される。温度は、22±2℃の範囲内に保たれる。上述の測定は、DD60A測定と称される。DD60A測定及び対応する装置は、
図2~4を参照してより詳細に以下に述べられる。以下においてより詳細に述べられるように、喫煙物品のフィルター部分の硬さは、喫煙物品が喫煙されているかいないかによる違いは大きくない。しかしながら、フィルターの硬さを測定する標準的な方法は、喫煙物品が喫煙されていない状態である。
【0030】
チッピング材料によってタバコロッドに結合されている喫煙物品について、フィルターの任意の点において測定される硬さは、約85%~約98%の間であり得る。
【0031】
本発明の実施形態において、チッピング材料によってタバコロッドに結合されているフィルターの任意の点において測定される喫煙物品の硬さは、約90%未満であるが約85%より大きく、例えば、硬さは約86%~約88%の間である。
【0032】
本発明者らは、興味深いことに、消費者の研究及び多様なフィルターの構造の実験を通じて、入手可能な標準的なフィルターシガレット(すなわち、約20g/m2~約30g/m2の間の坪量を有するフィルター包装材及び標準的な可塑剤の量であるフィルタートウ材料に対し4~6wt%の可塑剤の量という条件の組み合わせにより約85%の硬さを達成するフィルター包装材を含むフィルターを有するシガレット)と比較して、硬さの値が一度たった85%以上に達すると、消費者はフィルター硬さの増加を指及び唇において実際に感じることができることを見出した。さらに興味深い研究が発明者らにより行われ、消費者は90%以上のフィルター硬さにおいて実質的に硬さの増加を知覚しないことが示された。もちろん、85%~90%の間の硬さしか有さないフィルターと比較して、90%を超える硬さを有するフィルターの硬さの増加を知覚しない。
【0033】
90%以上の硬さを示す喫煙物品は、少なくとも約50g/m2の坪量を有する厚いフィルター包装材の使用及び/又はフィルタートウ材料におけるより多くの可塑剤の使用のいずれかが必要であり、これには上述の欠点を伴う。しかしながら、比較的厚いチッピング材料と、少なくとも約50g/m2の坪量を有する厚いフィルター包装材又はより多くの可塑剤との組み合わせは、90%より大きい硬さを示しつつ、欠点を軽減する。
【0034】
一つ又は複数のフィルター包装材は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含み得る。適切な材料の非限定的な例には、セルロース系材料、セルロース系フィルム、ダンボール、紙、再生タバコシート(recon)、及びこれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態によれば、一つ又は複数のフィルター包装材は紙を含む。
【0035】
本発明の実施形態において、一つ又は複数のフィルター包装材は約20~約50g/m2の間の坪量を有し、好ましくは約25~約30g/m2の間であり、最も好ましくは一つ又は複数のフィルター包装材は約27g/m2の坪量を有する。
【0036】
フィルターの一つ又は複数のフィルター包装材は、非多孔性包装材であり得る。
【0037】
フィルター材料は任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含み得る。フィルター材料の種類は、所望の硬さを付与するように選択され得る。適切な材料の非限定的な例には、セルロースアセテート、セルロース、再生セルロース、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリヒドロキシ酪酸、熱可塑性材料、例えば、澱粉、不織布材料、縦延伸繊維及びランダム延伸繊維、紙、クレープ、PLA繊維、及びこれらの組み合わせが含まれる。フィルターの全体又は一部は活性炭又は他の吸着材料を含み得る。フィルターは、接着剤又は可塑剤又はこれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態によれば、フィルター材料はセルロースアセテートを含む。
【0038】
フィルター材料は、任意の適切なフィラメント当たりのデニール(dpf)及びトータルデニール(td)を有し得る。特定の実施形態において、フィルター材料は1.5~6.0の間、例えば2.0~5.0、3.0~5.0の間のフィラメント当たりのデニール(dpf)、例えば3.8のフィラメント当たりのデニール(dpf)を有する。フィルターセグメントは、約40,000未満、例えば約38,000未満、約35,000未満、約33,000未満のトータルデニール、例えば約30,000のトータルデニールを有し得る。
【0039】
フィルターが約20mm~30mmの間の長さ及び約20mm~約25mmの間の円周を有する実施形態において、当該フィルターは、約90mg~約160mgの範囲内、例えば約100mg~約150mgの範囲内、約120mg~約140mgの範囲内、約130mg~約138mgの範囲内のトウ重量を有し、例えば約137.25mgのトウ重量を有する。
【0040】
フィルターを形成するフィルター材料の少なくとも一つのプラグは、フィルター材料の重量に対して約5%~10%の間、例えば6~9%の間、7~9%の間又は6~8%の間の可塑剤量を有し得る。例えば、可塑剤量は約8%であり得る。特定の実施形態によれば、可塑剤としてトリアセチンが用いられる。
【0041】
チッピング材料は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含み得る。適切な材料の非限定的な例には、セルロース系材料、セルロース系フィルム、ダンボール、紙、再生タバコシート(recon)、及びこれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態によれば、チッピング材料は紙を含む。
【0042】
一つの実施形態において、フィルター材料は可塑剤としてトリアセチンを有するセルロースアセテートを含み、一つ又は複数のフィルター包装材は紙を含み、そしてチッピング材料は紙を含む。
【0043】
チッピング材料は、50g/m2より大きい坪量を有する。一つの実施形態において、チッピング紙は、約50g/m2より大きく、約80g/m2までの範囲の坪量を有する。別の実施形態において、坪量の上限は約70g/m2であり、すなわちチッピング紙は、約50g/m2より大きく、約70g/m2までの範囲の坪量を有する。さらなる実施形態において、坪量の上限は約60g/m2であり、よって、チッピング紙は、約50g/m2より大きく、約60g/m2までの範囲の坪量を有する。
【0044】
チッピング材料は、約40~約55ミクロンの間の厚さを有し、約45~約52ミクロンの間であり得る。例えば、チッピング材料は、約50ミクロンの間の厚さを有し得る。このようなチッピング材料についての厚さの範囲は、喫煙物品のフィルターの機械加工性をさらに容易にし、加えて完成品としての喫煙物品のフィルターに適切な丸みを付与することに貢献する。
【0045】
チッピング材料は、フィルターの周囲の位置において通気領域を含み得る。通気領域は、チッピング材料を貫通する穿孔を含み得る。通気の量は、穿孔の数、レイアウト、位置及び大きさを含めて、所望のレベルの通気を付与するように選択し得る。
【0046】
穿孔は、フィルター材料プラグを囲う一つ又は複数のフィルター包装材を貫くように延伸し得る。あるいは、一つ又は複数のフィルター包装材は多孔性であり得る。チッピング材料は、標準的な予め穿孔されたチッピング材料であり得る。あるいは、チッピング材料は、所望の穿孔の数、大きさ、位置に応じて製造工程において順次穿孔されてもよい(例えば、レーザを用いて)。チッピング材料に対して順次穿孔がなされる場合、同時に一つ又は複数のフィルター包装材に対しても穿孔がなされてもよい。
【0047】
一つの実施形態において、フィルターは、一つのフィルター包装材に包まれた一つのフィルター材料プラグを含む。このような実施形態においては、フィルター材料プラグはフィルターの全長に沿って延伸している。
【0048】
本発明の喫煙物品のさらなる実施形態において、フィルターは、少なくとも一つの第一の非包装アセテートフィルター材料プラグを含む。非包装アセテートフィルター材料プラグは、標準的なセルロースアセテートフィルタープラグと比較して本来の硬さ及び丸みを示すため特に有利であり、これはフィルター作成時にアセテートプラグの外表面を蒸気硬化させることにより付与される。従って、フィルターの剛性を向上させるために厚いフィルター包装材を使用する必要はない。
【0049】
少なくとも一つの非包装アセテートフィルタープラグが使用される場合、本発明の別の実施形態においてフィルターに少なくとも一つの第二の非包装アセテートフィルター材料プラグを設けることがさらに有利である。この際、第一及び第二の非包装アセテートフィルター材料プラグは、当該第一及び第二のプラグの間に空洞が規定されるように一つのフィルター包装材により上包みされている。二つの非包装アセテートフィルター材料プラグを使用することは、剛性を向上させつつ、本発明に提案される坪量が比較的低い一つのフィルター包装材を有する空洞フィルターの形成を可能にするため特に有利である。通常は、複数プラグのフィルターは、二又はこれ以上のフィルター包装材の層を必要とする。
【0050】
一つの実施形態において、本発明の喫煙物品のフィルターは、空洞に配置された少なくとも一つの流体放出性部材を含み、好ましくは油性又は水性の液体を含有する破砕性カプセルである。
【0051】
一つの実施形態において、特にフィルターが流体放出性部材を含む場合、一つ又は複数のフィルター包装材は耐水性の非多孔性包装材を含む。
【0052】
フィルターの長さ(フィルター材料プラグを含み、喫煙物品の長手方向軸と実質的に平行な方向において測定されるフィルターの全長である)は、任意の適切な値をとり得る。ただし、フィルターの長さは、従来の喫煙物品と実質的に同様であることが便利であり得る。従って、喫煙物品のフィルターは約20mm~30mmの間の長さを有し得る。
【0053】
フィルターの円周(チッピング材料及び一つ又は複数のフィルター包装材を合わせたフィルター材料プラグの全円周である)は、任意の適切な値をとり得る。ただし、直径は、従来の喫煙物品と実質的に同様であることが便利であり得る。
【0054】
フィルターは、その任意の部位において約20mm~約25mmの間の円周を有し得る。したがって、フィルターの直径は、約6.4mm~約8.0mmの間であり得、喫煙物品の直径は、チッピング材料及び一つ又は複数のフィルター包装材を合わせたフィルター材料プラグの全直径であって、喫煙物品の長手方向軸と実質的に垂直な方向において測定される。
【0055】
フィルターは、約20mmWC~約140mmWCの間、例えば約40mmWC~約120mmWCの間、約50mmWC~約100mmWCの間の圧力降下又は引張耐性を有し得、例えば約70mmWCである。
【0056】
タバコロッドは、任意の適切な種類又は複数の種類のタバコ材料又はタバコ代替品を、任意の適切な形態で含み得る。タバコは、一種類のタバコもしくは二又はこれ以上の種類のタバコの混合物であり得る。タバコはカットフィラー(刻まれ、調整されたタバコ)の形態をとり得る。タバコロッドは、可燃性包装材、通常はシガレットペーパーに包装されている。
【0057】
<実施例>
本発明を、実施例を参照して説明するが、本発明の範囲はこれらの特定の実施例に限定されるものではない。
【0058】
あらゆる種類の喫煙物品の硬さを、既知のDD60Aデンシメーター(Heinr. Borgwaldt GmbH, Germanyにより製造販売されている)を用いて測定した。この際、前述のように、デンシメーターはシガレット用の測定ヘッド及びシガレット容器を取り付けられていた。既知のDD60Aデンシメーター(Heinr. Borgwaldt GmbH, Germanyにより製造販売されている)について推奨されている方法に従ってサンプルを測定した。すなわち、喫煙物品のサンプルを平行な配置に保持し、全体で2kgの荷重を20秒にわたって付与し、圧縮の前後における喫煙物品の直径を記録した。凹みを用いて各喫煙物品の硬さ(%)を決定した。喫煙物品のフィルターの硬さを測定する装置が
図2、3、及び4に示される。
【0059】
図2は、喫煙物品のフィルターの硬さを測定するための装置4(例えば、DD60Aデンシメーター)の斜視図である。この装置は、支持板30上に位置する二本の平行な荷重付与ロッド24を含む。支持板30は、二つの平行で離間した壁12を含み、各壁12は均等間隔で配置されたくぼみを10個有している。これらのくぼみは、喫煙物品10が測定の間互いに接触することを防ぐために配置されている。
【0060】
図2に示されるように、同じように設計された10本の喫煙物品が一つの平面上に平行に配置され、下にある円筒ロッド14の上に配置される。喫煙物品10は、壁12の対応するくぼみ間に延伸し、喫煙物品は所定の位置に保持されている。下にある円筒ロッド14は、壁12に対して平行に延伸する。各喫煙物品10は、2点において下にある円筒ロッド14と接触し、測定対象となる喫煙物品と下にある円筒ロッド14との間の接触点は全部で20となる。
【0061】
喫煙物品のフィルターの硬さを測定するためには、喫煙物品は、測定対象となる部分が下にある円筒ロッド14に接触するように配置されるべきである。フィルターが短すぎるために測定対象となる部分が両方のロッドに接触しないか、測定対象のフィルターの端に近い部分でロッドに接触する場合には、
図3に示されるような、シガレットを20本用いた背面対向の構成を用いることでこれを達成することができる。
【0062】
示されるように、DD60A測定のコンセプトは、下にある円筒ロッドが測定対象となるサンプル材料と20の接触点において接しているという点にある。フィルターが十分に長く、下にあるロッドにわたるように延伸している場合、10本のサンプルにより20の接触点を得ることができる(
図2に示される)。フィルターが十分に長くない場合、
図3に示されるように、20本のサンプルにより20の接触点を得ることができる。
【0063】
図3に示されるように、各喫煙物品10からタバコロッドの部分が取り除かれ、各喫煙物品10のフィルター部分が対応の円筒ロッド14上に置かれている。このような場合、口側の端のセグメントの硬さが測定対象であり、よってフィルターのこの部分がロッド14上に配置され、口側の端のセグメントがロッド14のおおよそ中心に位置する。フィルターが一つのフィルター材料プラグを含む場合、当該フィルターはロッド14のおおよそ中心に位置し、例えば24mmの長さを有するフィルターを用いる場合、ロッド14はフィルターの口側の端から約12mmの位置に配置される。二つのフィルター材料プラグを含むフィルターが用いられる場合、フィルターは、ロッド14の上にプラグのうち少なくとも一つがロッド14の中心上にあるように配置され、具体的には、ロッド14は二つのフィルター材料プラグの間に配置されることはない。必要に応じて、円筒ロッド14から遠ざかるように延伸する喫煙物品のチップは、下にある支持手段により支持されてもよい。これにより、喫煙物品が回転することを防ぐことができる。
【0064】
図3に示される第一の形状における装置は、二本の荷重付与円筒ロッド24が上昇されて喫煙物品10に接していない状態である。喫煙物品の硬さを測定するためには、荷重付与円筒ロッド24を下降させて第二の形状とし、
図4に示されるように喫煙物品10と接触させる。喫煙物品10と接触している時には、荷重付与ロッド24は全体で2kgの荷重を喫煙物品10の20の接触点にわたって20秒間付与する。20秒が経過した後(喫煙物品に荷重が付与され続けている状態で)、喫煙物品にわたる荷重付与円筒ロッド24による凹みが決定され、これを用いて硬さが算出される。
【0065】
<実施例1>
モノアセテートフィルターを有するフィルターシガレットであって、フィラメント当たりのデニールが3.80であり、トータルデニールが30,000であり、可塑剤としてトリアセチンを8wt%含み、セルロースアセテートトウの重量が137,25mgであるものを用意した。フィルター材料を、坪量が27g/m2で厚さが43ミクロンの非多孔性フィルター包装材で包装した。
【0066】
フィルターとタバコロッドは、50g/m2の坪量を有するチッピング紙によって端部同士において接続されている。
フィルターは、27mmの長さ及び24.2mmの円周(レーザ)を有する。
フィルターは70mmWCの圧力降下を示す。
フィルターシガレットは、上述の方法及び装置を用いて測定され、硬さの値として89%が測定された。
本発明は以下の実施態様を含む。
(1)喫煙物品であって、
タバコロッド、
一つ又は複数のフィルター包装材により包装された少なくとも一つのフィルター材料プラグを含むフィルター、
前記タバコロッド及び前記フィルターを接続するチッピング材料、を含み、
前記チッピング材料は、少なくとも50g/m
2
の坪量及び約40~約55ミクロンの間の厚さを有する、喫煙物品。
(2)(1)に記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料によってタバコロッドに結合されている前記喫煙物品について、前記フィルターの任意の点において測定される硬さは、約90%より低い、喫煙物品。
(3)(1)~(2)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料によってタバコロッドに結合されている前記喫煙物品について、前記フィルターの任意の点において測定される硬さは、約85%より高い、喫煙物品。
(4)(1)~(3)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料によってタバコロッドに結合されている前記喫煙物品について、前記フィルターの任意の点において測定される硬さは、約85~約95%の間である、喫煙物品。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料は、約50g~約80g/m
2
の間の坪量を有する、喫煙物品。
(6)(1)~(5)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料は、約20g~約50g/m
2
の間の坪量を有する、喫煙物品。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記一つ又は複数のフィルター包装材は、非多孔性包装材である、喫煙物品。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記フィルターを形成する前記少なくとも一つのフィルター材料プラグは、約5%~10%の間の可塑剤量を含有する、喫煙物品。
(9)(1)~(8)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記チッピング材料は、約45~52ミクロンの間の厚さを有する、喫煙物品。
(10)(1)~(9)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、一つのフィルター材料プラグが一つのフィルター包装材により包装されているものを含む、喫煙物品。
(11)(10)に記載の喫煙物品であって、
前記フィルター材料プラグは、前記フィルターの全長に沿って延伸している、喫煙物品。
(12)(1)~(11)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、少なくとも一つの第一の非包装アセテートフィルター材料プラグを含む、喫煙物品。
(13)(12)に記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、少なくとも一つの第二の非包装アセテートフィルター材料プラグを含み、
前記第一及び第二の非包装アセテートフィルター材料プラグは、当該第一及び第二のプラグの間に空洞が規定されるような配置関係を有して一つのフィルター包装材により上包みされている、喫煙物品。
(14)(13)に記載の喫煙物品であって、
前記フィルターは、前記空洞内に配置されている少なくとも一つの流体放出性部材を含む、喫煙物品。
(15)(1)~(14)のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記一つ又は複数のフィルター包装材は、耐水性の非多孔性包装材を含む、喫煙物品。