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特許7481379情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240501BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/0968 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022022524
(22)【出願日】2022-02-17
(65)【公開番号】P2023119606
(43)【公開日】2023-08-29
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】二通 拓也
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-049500(JP,A)
【文献】特開2019-096314(JP,A)
【文献】特開2020-190412(JP,A)
【文献】特開2010-216955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に敷設された標識の位置を取得する位置取得手段と、
車両の現在の方向と前記車両の方向変更の状態とに基づいて前記車両が向かう方向を判定する方向判定手段と、
複数の標識の平均となる位置を原点とした場合における標識それぞれの位置を判定する相対関係判定手段と、
前記原点を基準とした場合における標識それぞれの位置の方向を示すベクトルを算出し、前記車両が向かう方向を示すベクトルに最も近い方向となるベクトルに対応する標識の位置を、前記車両の位置特定する特定手段と
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記位置取得手段が複数の標識の位置を取得した場合に、前記特定手段が特定した前記車両の位置を出力し、前記位置取得手段が一つの標識の位置を取得した場合に、前記位置取得手段が取得した標識の位置を出力する出力手段
をさらに含む請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
標識の情報を取得する標識情報取得手段と、
前記車両の現在の方向を取得する方向センサと、
前記車両の方向変更の状態を検知する方向変更検知手段と
をさらに含み、
前記位置取得手段は、前記標識情報取得手段が取得した情報から、標識の位置を取得する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記標識情報取得手段は、非接触に標識の情報を取得する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
道路に敷設された標識の位置を取得し、
車両の現在の方向と前記車両の方向変更の状態とに基づいて前記車両が向かう方向を判定し、
複数の標識の平均となる位置を原点とした場合における標識それぞれの位置を判定し、
前記原点を基準とした場合における標識それぞれの位置の方向を示すベクトルを算出し、前記車両が向かう方向を示すベクトルに最も近い方向となるベクトルに対応する標識の位置を、前記車両の位置特定する
情報処理方法。
【請求項6】
道路に敷設された標識の位置を取得する処理と、
車両の現在の方向と前記車両の方向変更の状態とに基づいて前記車両が向かう方向を判定する処理と、
複数の標識の平均となる位置を原点とした場合における標識それぞれの位置を判定する処理と、
前記原点を基準とした場合における標識それぞれの位置の方向を示すベクトルを算出し、前記車両が向かう方向を示すベクトルに最も近い方向となるベクトルに対応する標識の位置を、前記車両の位置特定する処理と
をコンピュータの実施させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の位置の特定に関し、特に、道路に敷設された標識を用いる位置の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、道路に敷設された磁気マーカーを用いて、車両に支援情報を提供する車両位置管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-124555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路には、磁気マーカーなどの標識が複数敷設されている。そのため、車両は、複数の標識から情報を取得する場合がある。この場合、車両は、複数の標識からの情報を用いて位置の特定する必要がある。しかし、特許文献1に記載の技術は、複数の標識から情報を取得した場合の動作を開示していない。
【0005】
本発明の目的は、複数の標識から情報を取得した場合において、車両の位置を適切に特定する情報処理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態における情報処理装置は、道路に敷設された標識の位置を取得する位置取得手段と、車両の現在の方向と車両の方向変更の状態とに基づいて車両が向かう方向を判定する方向判定手段と、複数の標識の位置に基づいて標識の相対関係を判定する相対関係判定手段と、車両が向かう方向と標識の相対関係とに基づいて車両の位置を特定する特定手段とを含む。
【0007】
本発明の一形態における情報処理方法は、道路に敷設された標識の位置を取得し、車両の現在の方向と車両の方向変更の状態とに基づいて車両が向かう方向を判定し、複数の標識の位置に基づいて標識の相対関係を判定し、車両が向かう方向と標識の相対関係とに基づいて車両の位置を特定する。
【0008】
本発明の一形態におけるプログラムは、道路に敷設された標識の位置を取得する処理と、車両の現在の方向と車両の方向変更の状態とに基づいて車両が向かう方向を判定する処理と、複数の標識の位置に基づいて標識の相対関係を判定する処理と、車両が向かう方向と標識の相対関係とに基づいて車両の位置を特定する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に基づけば、複数の標識から情報を取得した場合において、車両の位置を適切に特定するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態にかかる情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】八方位の場合における車両が向かう方向の判定の一例を示す図である。
図3】第2実施形態にかかる情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】第2実施形態にかかる情報処理装置の動作の一例を示すフロー図である。
図5】複数の標識の位置を取得した場合における位置を特定する動作の一例を示すフロー図である。
図6】ハードウェア構成の一例であるコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
車両の位置を取得する方法の一つとして、全地球測位システム(Global Positioning System (GPS))を利用する方法がある。しかし、車両がトンネルなどを走行する場合、車両は、トンネルなどの周囲の環境にGPSからの測位情報を遮られ、GPSの情報を取得できない。このような場合の解決策の一つとして、道路に敷設された標識から位置を取得する方法がある。道路に敷設された標識は、例えば、無線周波数識別子(Radio Frequency Identifier(RFID))タグ又は磁気マーカーがある。RFIDタグの場合、位置を取得する方法として、例えば、RFIDリーダを用いて道路に敷設されたRFIDタグに保存されている位置の情報を取得する方法がある。あるいは、磁気マーカーの場合、位置を取得する方法として、磁気センサを用いて道路に敷設された磁気マーカーの位置の情報を取得する方法がある。このように、無線又は磁気のような非接触な手段を用いて、道路に敷設された標識から位置の情報を取得することが行われている。なお、標識は、敷設する道路に応じて適宜選択されればよい。また、標識から位置の情報を取得する手段は、標識に応じて適宜定められればよい。
【0012】
しかし、道路には、一つではなく、複数の標識が、敷設されている。そのため、車両の位置によっては、車両は、複数の標識から位置を取得する場合がある。例えば、標識が車線ごとに敷設されている場合、車両は、車線変更において、複数の車線の標識から位置を取得する。そこで、各実施形態にかかる情報処理装置は、以下で説明するように、複数の標識からの位置を取得した場合でも、車両の位置を適切に特定する。
【0013】
次に、本発明における実施形態について図面を参照して説明する。ただし、各実施形態は、図面の記載に限られるわけではない。また、各図面の同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。
【0014】
<第1実施形態>
本発明における第1実施形態にかかる情報処理装置101は、車両に搭載され、車両が走行する道路に敷設された標識の位置に基づいて車両の位置を特定する装置である。まず、図面を参照して、情報処理装置101の構成について説明する。図1は、第1実施形態にかかる情報処理装置101の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
情報処理装置101は、位置取得部5と、方向判定部7と、相対関係判定部8と、特定部9とを含む。位置取得部5は、道路に敷設された標識の位置を取得する。例えば、位置取得部5は、RFIDリーダが取得した標識の位置の情報を取得する。位置取得部5は、一つの標識の位置を取得してもよいし、一度に複数の標識の位置を取得してもよい。ただし、以下の説明では、主として、位置取得部5が複数の標識の位置を取得する場合を説明する。なお、位置取得部5が一度に複数の標識の位置を取得するとは、位置取得部5が複数の標識の位置をまとめて取得すること、及び、位置取得部5がある所定の期間に複数の標識の位置を取得することのどちらでもよい。方向判定部7は、車両の現在の進行方向と、車両の方向変更の状態とを取得する。以下、車両の現在の進行方向を、単に「車両の現在の方向」と呼ぶ。そして、方向判定部7は、車両の現在の方向と、車両の方向変更の状態とに基づいて、車両が今後向かう方向を判定する。以下、車両が今後向かう方向を、単に「車両が向かう方向」と呼ぶ。相対関係判定部8は、位置取得部5から複数の標識の位置を取得する。そして、相対関係判定部8は、複数の標識の相対関係を判定する。特定部9は、車両が向かう方向と、標識の相対関係とに基づいて、車両の位置を特定する。
【0016】
複数の標識の位置を取得した場合、いずれの標識の位置が車両の位置として適切かを特定する必要がある。そこで、特定部9は、方向判定部7が判定した車両が向かう方向と、相対関係判定部8が判定した複数の標識の相対関係とに基づいて、車両の位置として適切な標識の位置を特定する。方向判定部7、相対関係判定部8、及び、特定部9の詳細についてさらに説明する。
【0017】
方向判定部7は、図示しない構成、又は、記憶部から車両の現在の方向と、車両の方向変更の状態とを取得する。例えば、方向判定部7は、車両に搭載されている方向センサから、車両の現在の方向を取得する。また、例えば、方向判定部7は、車両の方向変更に関連する機器から、方向変更の状態を取得する。車両の方向変更に関連する機器は、例えば、ウィンカーレバー又はハンドルなどである。なお、方向変更の状態は、例えば、直進、右折、及び、左折のいずれかである。ただし、方向変更の状態は、上記に限定されない。例えば、方向変更の状態は、右折及び左折として、複数の状態を含んでもよい。例えば、右折及び左折は、それぞれ、30°から60°の範囲、60°から120°の範囲、及び、120°を超える範囲に分けられていてもよい。なお、この場合、30°未満の範囲は、直進に含まれる。なお、上記の角度は一例であり、車両位置の特定に求められる精度及び処理時間などの条件に応じて適宜定められればよい。
【0018】
そして、方向判定部7は、車両の現在の方向と、車両の方向変更の状態とに基づいて、車両が向かう方向を判定する。方向判定部7は、例えば、車両が向かう方向として、車両が向かう方向に対応するベクトルを判定する。ただし、方向判定部7の判定結果は、ベクトルに限られない。図2は、八方位(東、西、南、北、北東、南東、南西、北西)の場合における車両が向かう方向の判定の一例を示す図である。例えば、車両の現在の方向が北であり、方向変更の状態が左折の場合、方向判定部7は、車両が北西に向かうと判定する。ただし、方向判定部7が判定する方向は、八方位に限定されない。例えば、方向判定部7は、十六方位、又は、三十二方位を用いてもよい。
【0019】
相対関係判定部8は、複数の標識の位置を取得する。そして、相対関係判定部8は、複数の標識の位置に基づいて、複数の標識の相対関係を判定する。例えば、相対関係判定部8は、相対関係として、適宜定めた基準となる位置からの、標識それぞれの位置を判定する。一例として、相対関係判定部8が、4つの標識の位置を取得した場合について説明する。以下、4つの標識の位置を、位置A(x、y)、位置B(x、y)、位置C(x、y)、位置D(x、y)とする。「x」は、経度である。また、「y」は、緯度である。相対関係判定部8は、まず、基準となる位置を決定する。今の場合、例えば、相対関係判定部8は、4つの標識の緯度(y、y、y、y)、及び、経度(x、x、x、x)それぞれの平均値となる位置を算出する。以下、平均値の位置を位置O(x、y)とする。つまり、xは、(x+x+x+x)/4である。また、yは、(y+y+y+y)/4である。
【0020】
そして、相対関係判定部8は、位置AないしDの相対関係として、位置Oを基準とした位置AないしDの位置を判定する。例えば、位置Oを原点とした場合の4つの標識の位置は、次のようになる。
位置A(x-x、y-y
位置B(x-x、y-y
位置C(x-x、y-y
位置D(x-x、y-y
なお、位置Oを始点とし、位置Oを原点とした場合の4つの標識の位置を終点としたベクトルは、位置Oを原点とした場合における各標識の位置を示すベクトルとなる。そのため、相対関係判定部8は、標識の相対関係として、位置Oを原点とした場合における各標識に対応するベクトルを判定してもよい。
【0021】
特定部9は、方向判定部7及び相対関係判定部8における判定結果に基づいて、車両の位置を特定する。例えば、特定部9は、車両の位置として、基準位置から標識への方向の中で、車両が向かう方向に最も近い方向となっている標識を、車両の位置として特定する。例えば、上記の4つの標識の場合を用いて説明する。
【0022】
まず、特定部9は、位置Oを原点とした場合における、4つの標識それぞれベクトルの方向となる単位ベクトルを算出する。なお、単位ベクトルとは、長さが1のベクトルである。そして、特定部9は、各標識の方向となる単位ベクトルと、車両が向かう方向の単位ベクトルとの内積を求める。単位ベクトル同士の内積の値は、方向が一致する場合に1となり、方向が異なるほど1より減少する。例えば、90度の位置関係では、内積の値は0となる。つまり、内積の値が大きいほど、2つのベクトルは、同じ方向となっている。言い換えると、車両が向かう方向の単位ベクトルとの内積の値が最も大きな値となる単位ベクトルに対応する標識は、車両が向かう方向に最も近い方向にある標識である。そこで、特定部9は、車両が向かう方向の単位ベクトルとの内積の値が最も大きくなる単位ベクトルに対応する標識の位置を、車両の位置と特定する。
【0023】
このように、方向判定部7は、適切な標識を特定するための情報をとして、車両が向かう方向を判定する。相対関係判定部8は、適切な標識を特定するための情報として、標識の相対関係を判定する。そして、特定部9は、方向判定部7及び相対関係判定部8の判定結果に基づいて、車両の位置を特定する。具体的には、特定部9は、車両が向かう方向と、複数の標識の相対関係とに基づいて、車両の位置を特定する。そのため、情報処理装置101は、複数の標識から情報を取得できた場合にも、車両の位置を適切に特定する。
【0024】
<第2実施形態>
まず、第2実施形態にかかる情報処理装置100の構成について、図面を参照して説明する。なお、第2実施形態にかかる情報処理装置100は、情報処理装置101と同様に、車両に搭載され、車両が走行する道路に敷設された標識の位置に基づいて車両の位置を特定する装置である。図3は、第2実施形態にかかる情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、標識情報取得部2と、方向センサ3と、方向変更検知部4と、位置取得部5と、車両情報取得部6と、方向判定部7と、相対関係判定部8と、特定部9と、出力部10とを含む。
【0025】
標識情報取得部2は、道路に敷設された標識の情報を取得する。例えば、標識情報取得部2は、RFIDリーダを含み、道路に敷設されたRFIDタグの情報を取得する。あるいは、標識情報取得部2は、磁気センサを含み、道路に敷設された磁気マーカーの情報を取得する。このように、標識情報取得部2は、無線又は磁気のような非接触な手段を用いて、標識から情報を取得する。ただし、道路に敷設される標識は、RFIDタグ及び磁気マーカーに限定されない。
【0026】
位置取得部5は、標識情報取得部2が取得した情報から標識の位置を取得する。例えば、位置取得部5は、標識情報取得部2が取得した情報に含まれる緯度及び経度を取得する。そして、位置取得部5は、標識の位置を相対関係判定部8に出力する。位置取得部5は、図示しない記憶部に、標識の位置を保存してもよい。
【0027】
方向センサ3は、車両の現在の方向を取得する。方向センサ3は、例えば、地磁気、又は、ジャイロなどを用いて、車両の進む方向を検知するセンサである。そして、方向センサ3は、検知した方向を方向判定部7に出力する。方向センサ3は、図示しない記憶部に、車両の方向を保存してもよい。なお、方向センサ3は、所定のタイミングで動作を繰り返してもよいし、方向判定部7からの指示に対応して動作してもよい。
【0028】
方向変更検知部4は、車両の方向変更の状態を検知する。例えば、方向変更検知部4は、車両の方向変更に関連する機器から、方向変更の状態を取得する。例えば、方向変更検知部4は、ウィンカーレバーの位置を検出して、ウィンカーレバーの位置に基づいて車両の方向変更の状態を検知する。例えば、方向変更検知部4は、ウィンカーレバーの状態として、直進、右折、及び、左折のいずれかを検知する。あるいは、方向変更検知部4は、方向変更の状態として、ハンドルの回転角に基づいて、直進、右折、及び、左折のいずれかを検知する。ただし、方向変更の状態は、上記に限定されない。例えば、方向変更検知部4は、方向変更の状態として、右折及び左折を複数の区分に分けて検知してもよい。例えば、方向変更検知部4は、ハンドルの回転角に基づいて、右折及び左折を、30°から60°の範囲、60°から120°の範囲、及び、120°を超える範囲に分けて検知してもよい。なお、この場合、方向変更検知部4は、30°未満の範囲を、直進と判定してもよい。なお、角度は一例であり、車両位置の特定に求められる精度や処理時間などの条件に応じて適宜定められればよい。そして、方向変更検知部4は、検知した方向変更の状態を方向判定部7に出力する。方向変更検知部4は、図示しない記憶部に、方向変更の状態を保存してもよい。なお、方向変更検知部4は、所定のタイミングで動作を繰り返してもよいし、方向判定部7からの指示に対応して動作してもよい。
【0029】
方向判定部7は、方向センサ3から車両の現在の方向を取得する。さらに、方向判定部7は、方向変更検知部4から車両の方向変更の状態を取得する。方向判定部7は、車両の現在の方向及び車両の方向変更の状態の少なくとも一方を、図示しない記憶部から取得してもよい。そして、方向判定部7は、車両の現在の方向と、車両の方向変更の状態とに基づいて、車両が向かう方向を判定する。相対関係判定部8は、位置取得部5から、複数の標識の位置を取得する。そして、相対関係判定部8は、複数の標識の位置を照合して、標識の相対関係を判定する。特定部9は、車両が向かう方向と、標識の相対関係とに基づいて、車両の位置を特定する。例えば、特定部9は、車両の位置として、車両が向かう方向に最も近い方向にある標識の位置を特定する。
【0030】
出力部10は、車両の位置を出力する。位置取得部5が複数の標識の位置を取得した場合、出力部10は、特定部9が特定した位置を出力する。位置取得部5が一つの標識の位置を取得した場合には、出力部10は、位置取得部5が取得した位置を出力する。
【0031】
次に、図面を参照して、情報処理装置100の動作を説明する。図4は、第2実施形態にかかる情報処理装置100の動作の一例を示すフロー図である。まず、標識情報取得部2は、標識の情報を取得する(ステップS201)。位置取得部5は、標識情報取得部2が取得した情報から、位置を取得する(ステップS202)。そして、次に説明する通り、情報処理装置100は、位置取得部5が複数の標識の位置を取得した場合と、一つの標識から位置を取得した場合とで、異なる動作を実行する。位置取得部5が一つの標識から情報を取得した場合(ステップS203でNo)、出力部10は、車両の位置として、位置取得部5が取得した位置を出力する(ステップS205)。位置取得部5が複数の標識の位置を取得した場合(ステップS203でYes)、情報処理装置100は、複数の標識の位置を用いて、車両の位置を特定する(ステップS204)。そして、出力部10は、車両の位置として、ステップS204で特定した位置を出力する(ステップS205)。
【0032】
次に、図面を参照して、ステップS204における複数の標識の位置を取得した場合における位置を特定する動作の詳細を説明する。図5は、複数の標識の位置を取得した場合における位置を特定する動作の一例を示すフロー図である。方向判定部7は、方向センサ3から、車両の現在の方向を取得する(ステップS212)。さらに、方向判定部7は、方向変更検知部4から、車両の方向変更の状態を取得する(ステップS213)。そして、方向判定部7は、車両の現在の方向と、車両の方向変更の状態とに基づいて、車両が向かう方向を判定する(ステップS214)。相対関係判定部8は、位置取得部5が取得した複数の標識の位置を取得する(ステップS215)。そして、相対関係判定部8は、位置取得部5が取得した複数の標識の位置に基づいて、標識の相対関係を判定する(ステップS216)。そして、特定部9は、車両の向かう方向と、標識の相対関係とに基づいて、車両の位置を特定する(ステップS217)。そして、特定部9は、車両の位置として、特定した標識の位置を出力部10に出力する。
【0033】
このように、情報処理装置100は、標識が一つの場合に限らず、複数の標識から情報を取得した場合にも、車両の位置を適切に特定して出力する。
【0034】
<ハードウェア構成>
次に、情報処理装置100及び101のハードウェア構成について、情報処理装置101を用いて説明する。情報処理装置101の各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。あるいは、情報処理装置101において、各構成部は、車両ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。あるいは、情報処理装置101において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。あるいは、情報処理装置101は、中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))と、読み取り専用メモリ(Read Only Memory(ROM))と、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory(RAM))とを含む装置として実現されてもよい。情報処理装置101は、上記構成に加え、さらに、ネットワークインターフェース回路(Network Interface Circuit(NIC))を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0035】
図6は、情報処理装置101のハードウェア構成の一例であるコンピュータ装置600の構成を示すブロック図である。コンピュータ装置600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、記憶装置640と、NIC650とを含む。CPU610は、ROM620及び記憶装置640の少なくとも一方からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、記憶装置640と、NIC650とを制御する。そして、CPU610を含むコンピュータ装置600は、これらの構成を制御し、図1に示されている、位置取得部5と、方向判定部7と、相対関係判定部8と、特定部9としての各機能を実現する。なお、CPU610を含むコンピュータは、図3に示されている、標識情報取得部2、方向センサ3、及び、方向変更検知部4の少なくとも一部としての機能を実現してもよい。
【0036】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は記憶装置640を、プログラム及びデータの一時的な記憶媒体として使用してもよい。また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記録媒体690が含むプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU610は、NIC650を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は記憶装置640に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0037】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、プログラマブルROM(Programmable-ROM(P-ROM))又はフラッシュROMである。RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、ダイナミックRAM(Dynamic-RAM(D-RAM))である。記憶装置640は、コンピュータ装置600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置640は、例えば、ソリッド・ステート・ドライブ(Solid State Drive(SSD))、又は、ハードディスク装置である。
【0038】
ROM620と記憶装置640とは、不揮発性(non-transitory)の記録媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記録媒体である。そして、CPU610は、ROM620、記憶装置640、又は、RAM630に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記録媒体及び揮発性記録媒体のどちらを用いても動作可能である。
【0039】
NIC650は、ネットワークを介した図示しない外部の装置とのデータのやり取りを中継する。NIC650は、例えば、コントローラ・エリア・ネットワーク(Controller Area Network(CAN))カードである。さらに、NIC650は、有線に限らず、無線を用いてもよい。このように構成されたコンピュータ装置600は、情報処理装置101の各構成における動作と同様の動作を実行して、情報処理装置101と同様の機能を実現する。
【0040】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、車両の位置を活用するサービス、及び、リアルタイムに高精度な位置を必要とする車両の自動運転分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
2 標識情報取得部
3 方向センサ
4 方向変更検知部
5 位置取得部
7 方向判定部
8 相対関係判定部
9 特定部
10 出力部
100 情報処理装置
101 情報処理装置
600 コンピュータ装置
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 記憶装置
650 NIC
690 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6