(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】振動装置およびこれを含む装置
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240501BHJP
B06B 1/06 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04R17/00
B06B1/06 Z
(21)【出願番号】P 2022170946
(22)【出願日】2022-10-25
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194790
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲ミン▼ 紙
(72)【発明者】
【氏名】朴 承 烈
(72)【発明者】
【氏名】金 治 完
(72)【発明者】
【氏名】咸 龍 洙
(72)【発明者】
【氏名】鄭 議 ▲ヒョン▼
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3043347(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 17/00
B06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カバー部材と、
第2カバー部材と、
前記第1カバー部材および前記第2カバー部材の間にある振動部と、
前記第1カバー部材および前記振動部の間にあるコンタクト部と、
前記コンタクト部を介して前記振動部の第1面に連結される第1信号ラインおよび前記振動部の第1面と反対の前記振動部の第2面に連結される第2信号ラインを含む信号ケーブルとを含
み、
前記コンタクト部の厚さは前記第1信号ラインの厚さよりも小さい、振動装置。
【請求項2】
前記振動部は、
第1電極層と、
第2電極層と、
前記第1電極層および前記第2電極層の間にあり、圧電物質を含む振動層とを含み、
前記第1信号ラインは、前記コンタクト部を介して前記第1電極層に電気的に連結されるように構成され、
前記第2信号ラインは、前記第2電極層に電気的に連結されるように構成された、請求項1に記載の振動装置。
【請求項3】
前記コンタクト部の第1部分は、前記第1電極層の一部と重なっている、請求項2に記載の振動装置。
【請求項4】
前記コンタクト部の第1部分は、前記第1電極層の一部と連結され、
前記コンタクト部の第2部分は、前記第1信号ラインに連結された、請求項2に記載の振動装置。
【請求項5】
前記第1信号ラインは、前記コンタクト部に連結され、
前記第2信号ラインは、前記第2電極層に連結された、請求項2に記載の振動装置。
【請求項6】
前記第1カバー部材上に配置され、前記第1電極層に連結された第1金属ラインと、
前記第2電極層上に配置された第2金属ラインとをさらに含み、
前記第1信号ラインは、前記コンタクト部を介して前記第1金属ラインに電気的に連結され、
前記第2信号ラインは、前記第2金属ラインに電気的に連結された、請求項2に記載の振動装置。
【請求項7】
前記第1カバー部材にあり、前記第1電極層に連結された第1金属ラインと、
前記第2カバー部材にあり、前記第2電極層に連結された第2金属ラインとをさらに含み、
前記第1信号ラインは、前記コンタクト部を介して前記第1金属ラインに電気的に連結され、
前記第2信号ラインは、前記第2金属ラインに電気的に連結された、請求項2に記載の振動装置。
【請求項8】
前記振動部は、第1振動部と、前記第1振動部に並んで配置された第2振動部とを含み、
前記信号ケーブルは、前記コンタクト部を介して前記第2振動部の第1面に電気的に連結される第3信号ラインと、前記第1面と反対の前記第2振動部の第2面と連結される第4信号ラインとをさらに含み、
前記第1信号ラインは、前記コンタクト部を介して前記第1振動部の第1面と電気的に連結され、
前記第2信号ラインは、前記第1振動部の第1面と反対の前記第1振動部の第2面と電気的に連結された、請求項1に記載の振動装置。
【請求項9】
前記第1振動部と前記第2振動部のそれぞれは、
圧電物質を含む振動層と、
前記振動層の第1面にある第1電極層と、
前記振動層の第1面と反対の第2面にある第2電極層とを含む、請求項8に記載の振動装置。
【請求項10】
前記第1信号ラインは、前記コンタクト部を介して前記第1振動部の前記第1電極層に電気的に連結され、
前記第2信号ラインは、前記第1振動部の前記第2電極層に電気的に連結され、
前記第3信号ラインは、前記コンタクト部を介して前記第2振動部の前記第1電極層に電気的に連結され、
前記第4信号ラインは、前記第2振動部の前記第2電極層に電気的に連結された、請求項9に記載の振動装置。
【請求項11】
前記コンタクト部は、
前記第1信号ラインを前記第1振動部の第1電極層と連結するための第1コンタクト部と、
前記第3信号ラインを前記第2振動部の第1電極層に連結するための第2コンタクト部とを含み、
前記第1コンタクト部は、前記第2コンタクト部から離隔された、請求項9に記載の振動装置。
【請求項12】
前記第1コンタクト部の一部は、前記第1振動部の第1電極層と重なっており、
前記第2コンタクト部の一部は、前記第2振動部の第1電極層と重なっている、請求項11に記載の振動装置。
【請求項13】
前記第1コンタクト部は、前記第1振動部の第1電極層と前記第1信号ラインとの両方に連結され、
前記第2コンタクト部は、前記第2振動部の第1電極層と前記第3信号ラインとの両方に連結された、請求項11に記載の振動装置。
【請求項14】
前記コンタクト部は、前記第1振動部の第1電極層と前記第2振動部の第1電極層との両方に共通して連結された、請求項9に記載の振動装置。
【請求項15】
前記第1信号ラインと前記第3信号ラインとは、共に前記コンタクト部に共通して連結された、請求項14に記載の振動装置。
【請求項16】
前記第1カバー部材に配置され、前記第1振動部の第1電極層に連結された第1金属ラインと、
前記第1振動部の第2電極層に形成された第2金属ラインと、
前記第1カバー部材に配置され、前記第2振動部の第1電極層に連結された第3金属ラインと、
前記第2振動部の第2電極層に形成された第4金属ラインとをさらに含む、請求項9に記載の振動装置。
【請求項17】
前記コンタクト部は、
前記第1信号ラインおよび前記第1金属ラインの両方に連結された第1コンタクト部材と、
前記第3信号ラインおよび前記第3金属ラインの両方に連結された第2コンタクト部材とを含み、
前記第2信号ラインは、前記第2金属ラインに連結され、
前記第4信号ラインは、前記第4金属ラインに連結され、
前記第1コンタクト部材は、前記第2コンタクト部材から離隔された、請求項16に記載の振動装置。
【請求項18】
前記第1カバー部材に配置され、前記コンタクト部を介して前記第1振動部の前記第1電極層と連結された第1金属ラインと、
前記第2カバー部材に配置され、前記第1振動部の前記第2電極層に連結された第1金属ラインと、
前記第1カバー部材に配置され、前記コンタクト部を介して前記第2振動部の前記第1電極層に連結された第3金属ラインと、
前記第2カバー部材に配置され、前記第2振動部の前記第2電極層に連結された第4金属ラインをさらに含む、請求項9に記載の振動装置。
【請求項19】
前記コンタクト部は、金属層、第1接着層、および第2接着層を含む伝導性両面接着部材を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項20】
前記第1および第2信号ラインは、銀または銅を含む、請求項6~7、16、18のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項21】
前記第1電極層は、前記第1信号ラインよりも薄い前記コンタクト部の一部と接触する、請求項3または12に記載の振動装置。
【請求項22】
前記振動層は、複数の第1部分および隣接する第1部分との間に位置する複数の第2部分を含み、
前記複数の第1部分は、圧電物質を含む無機物質を含み、
前記複数の第2部分は、有機物質を含む、請求項2または9に記載の振動装置。
【請求項23】
前記複数の第1部分および前記複数の第2部分は、前記振動層の縁方向に沿って交互に繰り返し配置され、
前記複数の第2部分のうちの最も広い第2部分は、前記振動層の中間部分に配置され、
前記複数の第2部分のうちの最も薄い第2部分は、前記振動層の外側の縁部分に配置された、請求項22に記載の振動装置。
【請求項24】
前記第1振動部は、約0.1mm~5mmの距離だけ前記第2振動部から離隔された、請求項8に記載の振動装置。
【請求項25】
受動振動部材と、
前記受動振動部材に連結され、前記受動振動部材を振動させる振動発生装置とを含み、
前記振動発生装置は、請求項1~18のいずれか一項の振動装置を含む、装置。
【請求項26】
前記コンタクト部は、金属層、第1接着層、および第2接着層を含む伝導性両面接着部材を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記受動振動部材の背面に配置され、前記振動発生装置を覆うエンクロージャをさらに含む、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記受動振動部材は、金属、プラスチック、木材、紙、繊維、布、皮革、ガラス、ゴム、カーボン、および鏡のうちの1つ以上の材質を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記受動振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投影されるスクリーンパネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡のうちの1つ以上を含む、請求項
25に記載の装置。
【請求項30】
第1電極層、第2電極層、および前記第1電極層と前記第2電極層との間に配置された振動層を含む振動部と、
導電性物質を含むコンタクト部と、
前記振動部の前記第1電極層と電気的に連結された第1信号ラインおよび前記振動部の前記第2電極層と電気的に連結された第2信号ラインを含む信号ケーブルと、
前記振動部は、前記信号ケーブルの前記第2信号ラインと前記コンタクト部との間に配置され
、
前記コンタクト部の厚さは前記第1信号ラインの厚さよりも小さい、振動装置。
【請求項31】
前記第2信号ラインの一部は、前記第1信号ラインの端部を
越えて延長され、
前記第2信号ラインの前記一部は、前記振動部と重畳され、
前記第1信号ラインは、前記振動部と重畳ならない、請求項30に記載の振動装置。
【請求項32】
前記振動部の前記第2電極層と前記第2信号ラインとの間に配置された第1金属ラインと、
前記振動部の前記第1電極層と前記コンタクト部を連結する第2金属ラインをさらに含み、
前記コンタクト部は、前記第2金属ラインと前記第1信号ラインとの間に配置された、請求項30に記載の振動装置。
【請求項33】
前記第1金属ラインおよび前記第2金属ラインは、前記振動部の長さ
の半分以上の長さを有する、請求項32に記載の振動装置。
【請求項34】
第1カバー部材と、
第2カバー部材とをさらに含み、
前記振動部、前記コンタクト部および前記信号ケーブルは、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材との間に配置され、
前記第1金属ラインは、前記第1カバー部材と接触し、前記第2金属ラインは、前記第2カバー部材と接触する、請求項32に記載の振動装置。
【請求項35】
前記コンタクト部は、前記第1カバー部材と接触する、請求項34に記載の振動装置。
【請求項36】
第1カバー部材と、
第2カバー部材とをさらに含み、
前記振動部、前記コンタクト部および前記信号ケーブルは、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材との間に配置された、請求項30に記載の振動装置。
【請求項37】
前記コンタクト部は、前記第1カバー部材と接触する、請求項36に記載の振動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、振動装置およびこれを含む装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、電子機器のスリム化と薄型化に対する要求が高まっている。また、電子機器などに適用されるスピーカーも、スリム化と薄型化に対する要求に応じて、ボイスコイルまたは大型スピーカーを使用する方式の代わりに薄い厚さを実現することができる圧電素子方式が注目されている。
【0003】
圧電素子を適用したスピーカーまたは振動装置は、信号ケーブルから駆動電源または駆動信号の供給を受けて駆動されるか、または振動することができる。しかし、振動装置内の多様な素子に対するはんだ付け工程は設計および製造が複雑で費用が多くかかり厚くなる原因となり得る。また、振動装置の振動特性により振動フィルムアクチュエータは、特にはんだボンディングで連結された場合、その信号ケーブルから分離され得る。
【0004】
振動装置(またはフィルムアクチュエータ)は、圧電素子に駆動電源を印加するための配線とパッド電極を有するフィルムを含む。このような振動装置を製造するためには、フィルム上に配線およびパッド電極をパターニングする工程、およびパッド電極と信号ケーブルとを電気的に連結するソルダリングなどの工程が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書の発明者らは、振動装置の構造および製造工程を簡素化することができる振動装置を実現するために、多くの実験を遂行した。多くの実験を遂行した結果、振動装置の構造および製造工程を簡素化することができる新構造の振動装置およびこれを含む装置を発明した。また、本明細書の一実施例は、振動装置の厚さを減少させ、振動装置の寿命を延長させ、振動装置による出力される音響の体積を増加させ、音質と忠実度を向上させ、 製造工程を簡素化させることができる優雅なデザインの対応する信号ケーブルにより安全に密着できる振動部を提供することである。
【0006】
本明細書の一実施例に係る解決しようとする課題は、振動装置の構造および製造工程を簡素化することができる振動装置およびこれを含む装置を提供することである。
【0007】
本明細書の一実施例に係る解決しようとする課題は、面抵抗の高い電極を使っても音響特性の低下が最小化され得る振動装置およびこれを含む装置を提供することである。
【0008】
本明細書の実施例に係る解決しようとする課題は、上で言及した課題に限定されず、言及していないその他の課題は、下記の記載内容から、本明細書の技術思想が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書の一実施例に係る振動装置は、第1カバー部材、第2カバー部材、第1カバー部材と第2カバー部材との間にある振動部、第1カバー部材と振動部との間にあるコンタクト部、およびコンタクト部を介して振動部の第1面に連結される第1信号ラインおよび振動部の第1面と反対の振動部の第2面と連結される第2信号ラインを含む信号ケーブルを含むことができる。
【0010】
本明細書の一実施例に係る装置は、受動振動部材、および受動振動部材に連結され、受動振動部材を振動させる振動発生装置とを含み、振動発生装置は、第1カバー部材、第2カバー部材、第1カバー部材と第2カバー部材との間にある振動部、第1カバー部材と振動部との間にあるコンタクト部、およびコンタクト部を介して振動部の第1面に連結される第1信号ラインおよび振動部の第1面と反対の振動部の第2面と連結される第2信号ラインを含む信号ケーブルを含むことができる。
【0011】
本明細書の一実施例に係る振動装置は、第1電極層、第2電極層、および第1電極層と第2電極層との間に配置された振動層を含む振動部、導電性物質を含むコンタクト部、および振動部の第1電極層と電気的に連結された第1信号ラインおよび振動部の第2電極層と電気的に連結された第2信号ラインを含む信号ケーブル、振動部は、信号ケーブルの第2信号ラインとコンタクト部との間に配置され得る。
【0012】
他のシステム、方法、特徴、および利点は、次の図面および詳細な説明を検討すると、当業者に明らかまたは明白になるだろう。これらすべての追加システム、方法、特徴、および利点は、この説明に含まれ、本開示内容の範囲内にあり、次の請求範囲によって保護されることを意図しています。このセクションのどのような内容も、これらの主張に対する制限と見なされてはなりません。追加の態様および利点は、本開示の態様とともに以下で議論される。
【0013】
上で言及した課題の解決手段以外の本明細書の様々な例による具体的な事項は、以下の記載内容および図面に含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書の実施例によれば、振動装置の構造および製造工程を簡素化することができる振動装置およびこれを含む装置を提供することができる。
【0015】
本明細書の実施例によれば、比抵抗の高い電極を使っても音響特性の低下が最小化され得る振動装置およびこれを含む装置を提供することができる。
【0016】
上で言及した解決しようとする課題、課題解決手段、効果の内容は、請求範囲の必須的な特徴を特定するものではなく、請求範囲の権利範囲は、発明の内容に記載された事項によって制限されない。
【0017】
本発明の追加理解を提供するために含まれ、本出願に統合され、その一部を構成する添付図面は、本発明の態様及び実施態様を例示し、説明と共に本発明の原理を説明する役割をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本明細書の第1実施例に係る振動装置を示す図である。
【
図2】
図1に示す線A-A’についての断面図である。
【
図3】
図1に示す線B-B’についての断面図である。
【
図4】
図1に示す線C-C’についての断面図である。
【
図5】本明細書の第2実施例に係る振動装置を示す図である。
【
図6】
図5に示す線D-D’についての断面図である。
【
図7】
図5に示す線E-E’についての断面図である。
【
図8】
図5に示す線D-D’についての他の断面図である。
【
図9】
図5に示す線E-E’についての他の断面図である。
【
図10】本明細書の他の実施例に係る振動部の振動層を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示す振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【
図12】
図10に示す振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【
図13】
図10に示す振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【
図14】本明細書の第4実施例に係る振動装置を示す図である。
【
図17】本明細書の第5実施例に係る振動装置を示す図である。
【
図19】本明細書の第6実施例に係る振動装置を示す図である。
【
図21】
図19に示す線I-I’についての他の断面図である。
【
図22】本明細書の一実施例に係る装置を示す図である。
【
図24】本明細書の第1および第2実施例に係る振動装置の音響出力特性を示す図である。
【
図25】本明細書の第1および第2実施例に係る振動装置の他の音響出力特性を示す図である。
【0019】
図面および詳細な説明全体にわたって特別な説明がない限り、同一の図面符号は同一の構成要素、特徴および構造について指すものと理解されなければならない。これらの要素の相対的なサイズと描写は、明確性、説明、および利便性のために誇張され得る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書の実施例を詳細に参照し、その例は添付図面に例示できる。以下の説明で、本文書に関連する公示機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇らせることができると判断される場合には、その詳細な説明を省略することができる。説明された段階および/または動作の進行は一例であるが、段階および/または動作の順序はここに説明されたものに制限されず、特定の順序で必ず発生する段階および/または動作を除いては、当業界に知られたように変更されることがある。同一の参照符号は、全体として同一の要素を示す。次の説明に使用された各要素の名前は明細書作成の便宜のために選択されたものであり、したがって実際の製品に使用された名前と異なり得る。
【0021】
本明細書の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている一実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形状で実現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0022】
本明細書の実施例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本明細書が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照の符号は同一の構成要素を指す。また、本明細書を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略され得る。本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」「コンテイン(contain)」、「構成する(constitute、configure、or make up of)」、「形成される(formed of)」などが使用されている場合、「だけ」が使用されていない限り、1つ以上の他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0023】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0024】
位置関係についての説明である場合、「上(on)または上方に(aboveまたはover)」、「上部に」、「下(under)または下方に(belowまたはbeneath)」、「下部に」、「近く(near)」、「隣接して(adjacent to)」、「横に(beside)」、または「次に(next to)」、などを使用して2つの部分の間に位置関係が説明されている場合、「すぐに(just)」、「即時(に)(immediate(ly))」、「密接(に)(close(ly))」、または「直接(に)(direct(ly))」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が配置され得る。例えば、構造物が、「上(on)または上に(aboveまたはover)」、「上部に」、「下(under)または下に(belowまたはbeneath)」、「下部に」、「近く(near)」、「隣接に(adjacent to)」、「横に(beside)」、または「次に(next to)」に位置していると説明されている場合、この説明は、構造物が互いに接触する場合、その間に第3構造物が配置される場合を含むものと解釈されなければならない。例えば、構造物が、「上(on)または上方に(aboveまたはover)」、「上部に」、「下(under)または下方に(belowまたはbeneath)」、「下部に」、「近く(near)」、「隣接に(adjacent to)」、「横に(beside)」、または「次に(next to)」に位置していると説明されている場合、この説明は、構造物が互いに接触する場合、その間に第3構造物が配置または介在される場合を含むものと解釈されなければならない。また、「前」、「後」、「背」、「左」、「右」、「上」、「底」、「下向」、「上向」、「上部」、「下部」などは、任意の参照フレームを参照します。
【0025】
時間の関係についての説明である場合、例えば、「後に(after)」、「に続いて(subsequent)」、「次に(next)」、「前に(before)」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに(just)」,)」、「即時(に)(immediate(ly))」、または「直接(に)direct(ly))」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0026】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0027】
本明細書の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」「結合」または「接着」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結するか、または連結することができるが、特に明示的な記載事項がない間接的に連結するか、または連結することができる各構成要素の間に、他の構成要素また他の層が「配置(disposed)」または「介在(interposed)」されることもあると理解されなければならない。
【0028】
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目各々だけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目のうちから2つ以上で提示され得るすべての項目の組み合わせを含むとすることができる。
【0029】
第1構成要素、第2構成要素「および/または」第3構成要素の表現は、第1構成要素、第2構成要素および第3構成要素の1つ、または第1構成要素、第2構成要素および第3構成要素のうちの任意またはすべての組み合わせを含むこともあると理解されなければならない。例として、A、Bおよび/またはCは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A、BおよびCの任意または何らかの組み合わせ、またはA、BおよびCのすべてと見なすことができる。
【0030】
本明細書の構成要素また層を説明するにあたって、ある構成要素が他の構成要素また他の層に「接触」または「重畳」などと記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素また他の層に直接に接触するか、または重畳されることができるが、特に明示的な記載事項がない間接的に接触するか、または重畳されることができる各構成要素また他の層の間に、他の構成要素また他の層が「配置(disposed)」または「介在(interposed)」されることもあると理解されなければならない。例えば、本明細書について、「重複するまたは重複し(overlap)」、「重なり合い(overlapping)」などの用語は、例えば、面と面との連結による「重複する、電気的および/または物理的に連結する」、例えば、面と面との連結による「重なり合い、電気的および/または物理的に連結する」と理解されなければならない。
【0031】
本明細書のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、連動および駆動が可能であり、各例を互いに対して独立的に実施することができ、関連の関係で一緒に実施することもできる。別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、例えば関連技術の文脈での意味と一致する意味を持っていると解釈されるべきであり、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されるべきではありません。例えば、「部分(part)」という用語は、例えば、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に理解されるように記載された機能を実行するように構成された別個の回路または構造、集積回路、回路装置の計算ブロック、または構造に適用され得る。
【0032】
以下、添付の図および実施例を介して本明細書の実施例を詳しく見ると、次の通りである。図に示した構成要素のスケール、大きさおよび厚さは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有し得るので、図に示したスケール、大きさおよび厚さに限定されない。本明細書のすべての実施例に係る各装置のすべての構成要素(components)は、動作可能に結合されるか、または構成され得る。
【0033】
図1は、本明細書の第1実施例に係る振動装置を示す図であり、
図2は、
図1に示す線A-A’についての断面図であり、
図3は、
図1に示す線B-B’についての断面図であり、
図4は、
図1に示す線C-C’についての断面図である。
【0034】
図1~
図4を参照すると、本明細書の第1実施例に係る振動装置1は、振動部10、第1カバー部材30、第2カバー部材50、コンタクト部70、および信号ケーブル90を含むことができる。
【0035】
振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。
【0036】
振動層11は、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら陽(+)イオンと陰(-)イオンの相対的な位置の変化による誘電分極によって電位差が発生され、逆に印加される電圧による電界によって振動が発生される特性を有することができる。例えば、振動層11は、圧電層、圧電物質層、電気活性層、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表現され得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0037】
振動層11は、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有する圧電セラミックで構成され得る。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の化学式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなることができる。本明細書の実施例として、ABO3の化学式で、AサイトおよびBサイトはカチオンであり得、Oはアニオンであり得る。例えば、ABO3の化学式は、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0038】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって中央イオン、例えば、PbTiO3の場合、チタン(Ti)のイオンの位置が変動して分極(polarizationまたはpoling)が変化して圧電効果を発生することができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁界によって対称的な構造であるキュービック(cubic)形状から非対称構造の矩形、正方形、または菱形などの形状に変わることにより、圧電効果を発生することができる。対称ではない構造を有する矩形または菱形(rhombohedral)のモルフォトロピック相境界(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易なので、高い圧電特性を有することができる。
【0039】
本明細書の他の実施例に係る振動層11は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)のうち1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0040】
本明細書の他の実施例に係る振動層11は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(lead zirconate titanate)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(lead zirconate nickel niobate)系物質を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。また、振動層11は、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0041】
第1電極層13は、振動層11の第1面(または下面)に配置され得る。第1電極層13は、振動層11と同じ大きさを有するか、または振動層11より小さい大きさを有することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11の縁部分を除いて残った第1面の全体に形成され得る。
【0042】
第2電極層15は振動層11の第1面と異なるか反対の第2面(または上面)に配置され得る。第2電極層15は、振動層11と同じ大きさを有するか、または振動層11より小さい大きさを有することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11の縁部分を除いて残った第2面の全体に形成され得る。例えば、第2電極層15は、振動層11と同じ形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0043】
本明細書の一実施例に係る第1電極層13と第2電極層15のそれぞれは、カーボン(carbon)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1電極層13と第2電極層15のうちの1つ以上は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。不透明導電性物質は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、またはガラスフリット(glass frit)を含む銀(Ag)などを含むか、またはこれらの合金からなることができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の他の実施例に係ると、第1電極層13と第2電極層15のそれぞれは、振動層11の電気的特性および/または振動特性を向上させるために、比抵抗の低い銀(Ag)を含むことができる。例えば、カーボンは、カーボンブラック(carbon black)、ケッチェンブラック(ketjen black)、カーボンナノチューブ、およびグラファイトを含む炭素材料からなることができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0044】
第1カバー部材30は、振動部10の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材30は、振動部10の第1電極層13を覆うように構成され得る。したがって、第1カバー部材30は、振動部10の第1面と第1電極層13を保護することができる。
【0045】
第2カバー部材50は、振動部10の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材50は、振動部10の第2電極層15を覆うように構成され得る。したがって、第2カバー部材50は、振動部10の第2面と第2電極層15を保護することができる。
【0046】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材30と第2カバー部材50のそれぞれは、プラスチック、繊維、布、紙、革、ゴム、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1カバー部材30と第2カバー部材50のそれぞれは、互いに同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材30と第2カバー部材50のそれぞれは、PI(Polyimide)フィルムまたはPET(Polyethylene terephthalate)フィルムであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0047】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材30と第2カバー部材50のうちの1つ以上は、接着部材を含むことができる。第1カバー部材30と第2カバー部材50のうちの1つ以上は、振動部10に結合されるか、または接着された接着部材、および接着部材を覆うか、または保護する保護部材(または剥離部材)を含むことができる。例えば、接着部材は、接着性を有しながら圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1カバー部材30は、振動部10に結合されるか、または接着された接着部材、および接着部材を覆うか、または保護する保護部材(または剥離部材)を含むことができる。
【0048】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材30は、第1接着層41を介して、振動部10の第1面に連結されるか、または結合され得る。例えば、第1カバー部材30は、上述した接着部材の一例として、第1接着層41を媒介とするフィルムラミネート工程により、振動部10の第1面または第1電極層13に連結されるか、または結合され得る。
【0049】
本明細書の一実施例に係る第2カバー部材50は、第2接着層42を介して、振動部10の第2面に連結されるか、または結合され得る。例えば、第2カバー部材50は、上述した接着部材の一例として、第2接着層42を媒介とするフィルムラミネート工程により、振動部10の第2面または第2電極層15に連結されるか、または結合され得る。
【0050】
本明細書の実施例に係る第1接着層41と第2接着層42のそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層41と第2接着層42のそれぞれは、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylic)樹脂、シリコーン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0051】
コンタクト部70は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に配置され、振動部10と電気的に連結され得る。例えば、コンタクト部70の一部は、振動部10の一部と重畳されるか、または重なることができる。例えば、コンタクト部70の一部は、振動部10の一部と電気的にコンタクトすることができる。例えば、コンタクト部70の一部は、振動部10の一部と直接的にコンタクトすることができる。例えば、コンタクト部70の 一部(または 第1部分)は、第1電極層13の一部と重畳し得る。例えば、コンタクト部70の一部は、第1電極層13の一部(または 第1部分)に連結され得る。例えば、コンタクト部70の一部は、振動部10の第1電極層13と電気的にコンタクトすることができる。例えば、コンタクト部70の半分は、振動部10の第1電極層13と直接的に接触され得る。コンタクト部70の残部は、振動部10と重畳するか、または重なることなしに、第1カバー部材30の一側縁部分上に露出され得る。例えば、コンタクト部70は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に島状に構成され得る(例えば、タブ型状の構造と同様に、コンタクト部70の半分程度は、振動部10の下から突出され得る)。
【0052】
コンタクト部70は、伝導性の両面接着部材を含むことができる。例えば、コンタクト部70は、伝導性両面テープ、伝導性両面接着パッド、または伝導性両面クッションテープであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の一実施例に係るコンタクト部70は、金属層71、金属層71の第1面に結合(または連結)され、振動部10の第1電極層13と電気的にコンタクトされるか、または連結された第1粘着層72(例えば、接着部材)、および金属層71の第2面に結合され、第1カバー部材30に結合されるか、または付着された第2粘着層73(例えば、接着部材)を含むことができる。
【0053】
金属層71は、銅(Cu)材料を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。第1粘着層72は、振動部10の第1電極層13と電気的にコンタクトされるか、または連結されるように、伝導性物質を含むか、または含有することができる。第2粘着層73は接着物質のみからなるか、または伝導性物質を含むか含有することができる。
【0054】
振動部10で、第1電極層13の一側縁部分の一部は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に配置され、コンタクト部70によって支持され得る。第1電極層13の一側縁部分の一部を除いて残った部分は、第1接着層41に支持されるか、または第1接着層41を介して第1カバー部材30の内面に結合されるか、または接着され得る。
【0055】
信号ケーブル90は、振動部10の一側で振動部10の第1および第2電極層13、15のそれぞれと電気的に連結され得る。信号ケーブル90の端部(または末端部)は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)と第2カバー部材50の一側縁部分(EP)との間の領域(または部分)に配置されるか、または挿入され得る。例えば、信号ケーブル90は、第2電極層15の上面と第2カバー部材50との間に挟まれてもよく、第2接着層42の一部は、第2カバー部材50と信号ケーブル90との間にあり得る。第1カバー部材30の一側縁部分(EP)と第2カバー部材50の一側縁部分(EP)は、信号ケーブル90の一部を収容するか、または信号ケーブル90の一部を上下に覆うことができる。これにより、信号ケーブル90は、振動部10と一体化され得る。例えば、本明細書の第1実施例に係る振動装置1は、信号ケーブル90が一体化された振動装置であり得る。例えば、信号ケーブル90は、フレキシブルケーブル、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路ボード、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路ボードで構成され得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動部10は、第1カバー部材30と第2カバー部材50との間の構造物を形成するように信号ケーブル90とコンタクト部70との間にサンドイッチされ得る。
【0056】
本明細書の一実施例に係る信号ケーブル90は、ベース部材91、第1信号ライン92a、および第2信号ライン92bを含むことができる。
【0057】
ベース部材91は、透明および/または不透明プラスチック材質を含むことができる。例えば、ベース部材91は、フッ素樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、ポリウレタン(polyurethane)系樹脂、ポリエステル(polyester)系樹脂、ポリエチレン(polyethylene)系樹脂、およびポリプロピレン(ploypropylene)系樹脂を含む合成樹脂のうちのいずれか1つ以上で実現され得るが、これに限定されるものではない。ベース部材91は、ベースフィルムまたはベース絶縁フィルムであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0058】
ベース部材91は、第1方向(X)に沿って一定の幅を有し、第1方向(X)と交差する第2方向(Y)に沿って長く延長され得る。
【0059】
第1信号ライン92aは、第2方向(Y)に平行になるようにベース部材91の第1面に配置され得る。第2信号ライン92bは、第2方向(Y)に平行になるようにベース部材91の第1面に配置され、第1信号ライン92aから離隔していることができる。第1信号ライン92aと第2信号ライン92bとは、ベース部材91の第1面で互いに平行に配置され得る。例えば、第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bは、ベース部材91の第1面に形成されるか、または蒸着された金属層(または導電層)のパターニングによってライン形状に実現され得る。
【0060】
第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bのうちのいずれか1つは、異なる長さを有することができる。例えば、第2信号ライン92bは、第1信号ライン92aの端部からもっと延びることができる(例えば、第2信号ライン92bの端部は、第1信号ライン92aの端部を越えて延在され得る。
図1および4を参照)。これにより、第2信号ライン92bと重畳するベース部材91の第1部分は、第1信号ライン92aの端部からもっと延びることで、ベース部材91または信号ケーブル90は、第2信号ライン92bの端部に対応する延長部90aを含むことができる。
【0061】
第1信号ライン92aの端部(または末端部)は、コンタクト部70と電気的に連結され得る。例えば、第1信号ライン92aの端部(または末端部)は、コンタクト部70と直接的に連結され得る。例えば、第1信号ライン92aの端部(または末端部)は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)でコンタクト部70と電気的に連結され得る。例えば、コンタクト部70の第2部分は、第1信号ライン92aに連結され得る。第1信号ライン92aは、コンタクト部70の第1粘着層72(例えば、接着部材)と付着されるか、またはコンタクトすることで、コンタクト部70の第1粘着層72および/または金属層71を介して振動部10の第1電極層13と電気的に連結されるか、または接続され得る。これにより、第1信号ライン92aは、振動駆動回路から供給される駆動信号を振動部10の第1電極層13に供給することができる。例えば、第1信号ライン92aは、振動部10の下方でコンタクト部70に連結されるために短く停止され、第2信号ライン92bは、振動部10の上面に連結されるためにさらに延在することができる。
【0062】
第2信号ライン92bの端部(または末端部)は、振動部10の第2電極層15と電気的に連結されるか、または接続され得る。例えば、信号ケーブル90の延長部90aは、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)を通過して第2カバー部材50と振動部10との間に配置され、延長部90aに配置された第2信号ライン92bは、振動部10の第2電極層15と直接的に連結されるか、または接続され得る。これにより、第2信号ライン92bは、振動駆動回路から供給される駆動信号を振動部10の第2電極層15に供給することができる。すなわち、信号ケーブル90は、第1信号ライン92aに対応する一側が振動部10の下方に連結され、第2信号ライン92bに対応する他側が振動部10の上方に連結される「分割型(split type)」の配置を有することができる(例えば、信号ケーブル90は、コンタクト部70とともに、振動部10の電極を信号ラインに連結するための「フォークトング(forked tongue)」型の連結構造を形成することができる。
【0063】
本明細書の一実施例に係る信号ケーブル90は、絶縁層93をさらに含むことができる(
図4を参照)。
【0064】
絶縁層93は、信号ケーブル90の端部(または末端部)を除いて残った第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bのそれぞれを覆うようにベース部材91の第1面に配置され得る。絶縁層93は、保護層、カバー層、カバー層フィルム、カバーフィルム、またはカバー絶縁フィルムであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bは、ベース部材91と絶縁層93との間に配置され得、絶縁層93の一部は、第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bの端部が露出されるようにパアバック(pared back)され得る。
【0065】
第1カバー部材30と第2カバー部材50との間に挿入された信号ケーブル90の端部(または末端部)は、第1カバー部材30に形成された第1接着層41および第2カバー部材50に形成された第2接着層42を媒介とするフィルムラミネーティング工程によって第1カバー部材30と第2カバー部材50との間に挿入されて固定され得る。これにより、第1信号ライン92aは、コンタクト部70と電気的に連結された状態で安定的に維持され、第2信号ライン92bは、振動部10の第2電極層15と電気的に連結された状態で安定的に維持され得る。また、信号ケーブル90の端部(または末端部)は、第1カバー部材30と第2カバー部材50との間に挿入されて固定されることで、信号ケーブル90の遊動による振動部10と信号ケーブル90との間の接続不良が防止され得る(例えば、第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bの端部は、振動部10が振動する場合にも、堅固に元の位置に固定され得る。
【0066】
コンタクト部70は、フィルムラミネーティング工程で第1信号ライン92aと第2信号ライン92bとの間の段差によって発生する振動部10のクラックまたは損傷を防止するか、または最小化するために実現され得る。例えば、コンタクト部70なしに、振動部10を挟んで第1信号ライン92aと第2信号ライン92bとを互いにずれて配置した後、フィルムラミネーティング工程を遂行する場合、第1信号ライン92aが振動層11に対して支点として作用し、第2カバー部材50の押圧によって第1信号ライン92aと第2信号ライン92bとの間の振動層11でクラックが発生することがあり、これにより振動装置の信頼性が低下され得る。例えば、コンタクト部70は、振動部10とベース部材91とのねじれ(twisting)またはクラック(cracking)を低減するのに役立つことができる。本明細書の一実施例によれば、振動部10の第1電極層13は、第1信号ライン92aより薄いコンタクト部70の一部とコンタクトされ、これにより、第2信号ライン92bとコンタクト部70との間の段差が減少することにより、フィルムラミネーティング工程で発生される振動部10のクラックまたは損傷が防止されるか、または最小化され得る。
【0067】
本明細書の第1実施例に係る振動装置1は、信号ケーブル90の第1信号ライン92aがコンタクト部70を介して振動部10の第1電極層13と連結され、信号ケーブル90の第2信号ライン92bが振動部10の第2電極層15と連結されることで、振動部10と信号ケーブル90との間の電気的な連結のためのソルダリング工程が不要であるので、振動装置1の構造および製造工程が簡素化され得る。また、本明細書の第1実施例に係る振動装置1は、信号ケーブル90を介して振動部10の第1電極層13および第2電極層15に駆動信号が供給されることで、比抵抗などの第1および第2電極層13、15の電気的な特性を補うことができる。
【0068】
図5は、本明細書の第2実施例に係る振動装置を示す図であり、
図6は、
図5に示す線D-D’についての断面図であり、
図7は、
図5に示す線E-E’についての断面図である。
図5~
図7は、
図1~
図4を参照して説明した振動装置の振動素子に金属ラインをさらに構成したものである。これにより、
図5~
図7についての説明では、金属ラインおよびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては同じ図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0069】
図5~
図7を参照すると、本明細書の第2実施例に係る振動装置2は、第1および第2金属ライン33、35を含むことができる。
【0070】
第1金属ライン33は、第1カバー部材30に配置され、振動部10の第1電極層13と電気的に接触するか、または連結され得る。例えば、第1金属ライン33は、振動部10と重畳するように第1カバー部材30の一側縁部分(EP)から第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。例えば、第1金属ライン33は、第2方向(Y)を基準に、振動部10の長さと同じ長さを有するか、または振動部10の長さの半分以上の長さを有することができる。例えば、第1金属ライン33は、振動部10の中央部に近くに配置され得る。
【0071】
第1金属ライン33は、第1電極層13の比抵抗による振動部10の電気的特性および振動特性の低下を抑制するか、または最小化するために、比抵抗の低い伝導性材料から実現され得る。例えば、第1金属ライン33は、第1電極層13が高比抵抗を有するときに適用され得る。例えば、第1金属ライン33は、銅(Cu)などの金属材料から形成され得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1電極層13が高比抵抗を有するとき、第1金属ライン33は振動部10の電気的特性(例えば、電圧降下の防止)および振動特性の低下を抑制するか、または最小化するために、相対的に大きな幅を有するように形成され得る。例えば、第1方向(X)(または横方向)を基準に、第1金属ライン33の幅は、振動部10の幅(または横幅)の1/20以上であり得る。例えば、振動部10の幅(または横幅)が6cmのとき、第1金属ライン33の幅は、0.3cm以上であり得る。
【0072】
第1金属ライン33は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)でコンタクト部70を介して信号ケーブル90の第1信号ライン92aと電気的に接触されるか、または連結され得る。したがって、第1信号ライン92aは、コンタクト部70および第1金属ライン33を介して振動部10の第1電極層13と電気的に接触されるか、または連結されることで、振動駆動回路から供給される駆動信号を振動部10の第1電極層13に伝達するか、または供給することができる。
【0073】
本明細書の第2実施例に係る振動装置2において、コンタクト部70は第1金属ライン33と第1信号ライン92aとの間に配置されるか、または介在され得る。コンタクト部70は、第1金属ライン33と第1信号ライン92aとを電気的に連結させるか、または接触させるために実現され、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)内で振動部10と電気的に接触せず、振動部10から離隔され得る。
【0074】
第2金属ライン35は、振動部10の第2電極層15と第2カバー部材50との間に配置され、振動部10の第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第2金属ライン35は、媒介物なしに振動部10の第2電極層15と直接的に接触するように形成され得る。第2金属ライン35は、振動部10と重畳されるように第2カバー部材50の一側縁部分(EP)から第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。例えば、第2金属ライン35は、第2方向(Y)を基準に、振動部10の長さと同じ長さを有するか、または振動部10の長さの半分以上の長さを有することができる。例えば、第2金属ライン35は、振動部10の中央部に近くに配置され得る。
【0075】
第2金属ライン35は、第2電極層15の比抵抗による振動部10の電気的特性(例えば、電圧降下の防止)および振動特性の低下を抑制するか、または最小化するために、比抵抗の低い伝導性材料から実現され得る。例えば、第2金属ライン35は、第1電極層13が高比抵抗を有するときに適用され得る。例えば、第1金属ライン33は、銅(Cu)などの金属材料から形成され得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1電極層13が高比抵抗を有するとき、第1金属ライン33は振動部10の電気的特性および振動特性の低下を抑制するか、または最小化するために、相対的に大きな幅を有するように形成され得る。例えば、第1方向(X)(または横方向)を基準に、第1金属ライン33の幅は、振動部10の幅(または横幅)の1/20以上であり得る。例えば、振動部10の幅(または横幅)が6cmのとき、第1金属ライン33の幅は、0.3cm以上であり得る。
【0076】
第2金属ライン35は,第2信号ライン92bの端部(または末端部)と電気的に接触するか、または連結され得る。第2信号ライン92bの端部(または末端部)は、振動部10上で第2金属ライン35と電気的に接触されるか、または連結され得る。したがって、第2信号ライン92bは、第2金属ライン35を介して振動部10の第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結されることで、振動駆動回路から供給される駆動信号を振動部10の第2電極層15に供給することができる。例えば、第2実施例での構成は、第1実施例と類似しているが、追加された第1および第2金属ライン33、35は、第1金属ライン33が振動部10の下部に連結され、第2金属ライン35が振動部10の上部に連結されるように振動部10の電極を信号ラインに連結するための「フォークトング(forked tongue)」型の連結構造を拡張され得る。また、第1および第2金属ライン33、35は、振動部10の中心付近に配置され、振動部10の長さと同じか半分以上の長さを有することができる。このような方式で、電圧は、振動部10にわたって均一に分布することができ、振動部10は、振動を提供する時により効果的に制御され得る。
【0077】
本明細書の第2実施例に係る振動装置2は、振動部10と信号ケーブル90との間の電気的な連結のためのソルダリング工程が不要であるので、振動装置2の構造および製造工程が簡素化され得る。また、本明細書の第2実施例に係る振動装置2は、比抵抗の低い金属ライン33、35を介して振動部10の第1電極層13と第2電極層15に駆動信号が供給されることで、比抵抗などの第1および第2電極層13、15の電気的な特性を補うことができる(例えば、電圧降下が防止されるか、または最小化され得、振動部10の面積が広い場合にも電圧が均一に分布され得る)。
【0078】
図8は、
図5に示す線D-D’についての他の断面図であり、
図9は、
図5に示す線E-E’についての他の断面図である。
図8および
図9は、
図5~
図7を参照して説明した振動装置において、第2金属ラインを変更したものである。これにより、
図8および
図9についての説明では、第2金属ラインおよびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては同じ図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0079】
図8および
図9を参照すると、本明細書の第3実施例に係る振動装置3において、第2金属ライン35は、第2カバー部材50に配置され、振動部10の第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第2金属ライン35は、振動部10と重畳されるように、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)ら第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。例えば、第2金属ライン35は、第2方向(Y)を基準に、振動部10の長さと同じ長さを有するか、または振動部10の長さの半分以上の長さを有することができる。
【0080】
第2金属ライン35は、第2電極層15の比抵抗による振動部10の電気的特性および振動特性の低下を抑制するか、または最小化するために、比抵抗の低い伝導性材料から実現され得る。例えば、第2金属ライン35は、第1電極層13が高比抵抗を有するときに適用され得る。例えば、第1金属ライン33は、銅(Cu)などの金属材料から形成され得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0081】
信号ケーブル90の第2信号ライン92bは、ベース部材91の第1面と反対の第2面に配置され得る。例えば、信号ケーブル90は、両面ライン構造を含むことができる。第2信号ライン92bは、第2絶縁層94によって覆われることができる。 例えば、ベース部材91は、第2電極層15と第2信号ライン92bとの間に配置され、第2信号ライン92bは、ベース部材91と第2金属ライン35との間に配置され得る。このような方式で、多重層(multiple layers)は、信号ケーブル90と振動部10との間に強い物理的連結を形成するように絡み合うことができる。
【0082】
第2信号ライン92bの端部(または末端部)は、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)と振動部10との間に配置されるか、または挿入され、第2金属ライン35と電気的に接触されるか、または連結され得る。
【0083】
第2カバー部材50の一側縁部分(EP)に配置された第2金属ライン35の一側縁部分は、信号ケーブル90の第2信号ライン92bと電気的に接触されるか、または連結され得る。第2金属ライン35の一側縁部を除いて残った部分は、第2接着層42を用いたフィルムラミネーティング工程によって振動部10の第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第2金属ライン35の一側縁部分を除いて残った部分は、フィルムラミネーティング工程による第2カバー部材50の押圧によって振動部10の第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。第2カバー部材50は、柔軟性を有するので、第2信号ライン92bの端部と振動部10の第2電極層15との間の段差部で曲面状に撓うことができ、これにより第2金属ライン35は、第2カバー部材50が撓うことによって振動部10の第2電極層15に撓うことができる。例えば、 様々な層は、インターリーブ(interleaved)され得る。
【0084】
本明細書の第3実施例に係る振動装置3は、振動部10と信号ケーブル90との間の電気的な連結のためのソルダリング工程が不要であるので、振動装置3の構造および製造工程が簡素化され得る。また、本明細書の第3実施例に係る振動装置3は、比抵抗の低い金属ライン33、35を介して振動部10の第1電極層13と第2電極層15に駆動信号が供給されることで、比抵抗などの第1および第2電極層13、15の電気的な特性を補うことができる。そして、本明細書の第3実施例に係る振動装置3は、本明細書の第2実施例に係る振動装置2と比較して、第1および第2金属ライン33、35が対応するカバー部材30、50に配置されるので、製造工程がさらに簡素化され得る。
【0085】
【0086】
図10を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動層11は、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bを含むことができる。例えば、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bは、第1方向(X)(または第2方向(Y))(例えば、交互にストライプパターン)に沿って交互に繰り返して配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動層11の横方向であり得る。第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動層11の縦方向であることができ、これに限定されず、第1方向(X)は、振動層11の縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動層11の横方向であり得る。
【0087】
複数の第1部分11aのそれぞれは、無機物質部で構成され得る。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。
【0088】
複数の第1部分11aのそれぞれは、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有する圧電セラミックで構成され得る。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の化学式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなることができる。本明細書の実施例として、ABO3の化学式で、AサイトおよびBサイトはカチオンであり得、Oはアニオンであり得る。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0089】
本明細書の一実施例に係る複数の第1部分11aのそれぞれは、複数の第2部分11bの間に配置され、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行の長さを有することができる。複数の第2部分11bのそれぞれは、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行の長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同一または異なり得る。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)よりも大きいことがあり得る。例えば、第1部分11aと第2部分11bは、互いに同一または異なる大きさを有するライン形状またはストライプ形状を含むことができる。したがって、振動層11は、2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体(composite)構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができ、これに限定されるものではない。例えば、振動層11の共振周波数は、形状、長さ、および厚さなど少なくとも1つ以上に基づいて変更され得る。
【0090】
振動層11で、複数の第1部分11aと複数の第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。複数の第2部分11bのそれぞれは、隣接する2つの第1部分11aの間のギャップを埋めるように構成されることによって、隣接する第1部分11aと連結されるか,または接着され得る。これにより、振動層11は、第1部分11aと第2部分11bの側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張され得る。
【0091】
振動層11で、複数の第2部分11bのそれぞれの幅(W2)は、振動層11または振動装置1、2、3の中間部分から両縁部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少することができる。
【0092】
本明細書の一実施例に係ると、複数の第2部分11bのうちで最も大きな幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11または振動装置1、2、3が上下方向(Z)(または厚さ方向)に振動するとき、最も大きな応力が集中され部分に位置することができる。複数の第2部分11bのうちで最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11または振動装置1、2、3が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さな応力が発生され部分に位置することができる。例えば、複数の第2部分11bのうちで最も大きな幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11の中間部分に配置され、複数の第2部分11bのうちで最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11の両縁部分(または外側の縁部分)に配置され得る。これにより、振動層11または振動装置1、2、3が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きな応力が集中され部分で発生される音波の干渉または共振周波数の重畳が最小化され得、これによって低音域帯で発生される音圧のディップ(dip)の現象か改善され得、低音域帯で音響特性の平坦度が改善され得る。
【0093】
振動層11で、複数の第1部分11aのそれぞれは、互いに異なる大きさ(または広さまたは幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれの大きさ(または広さまたは幅)は、振動層11または振動装置1、2、3の中間部分から両縁部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少、または増加することができる。この場合、振動層11は、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分11aのそれぞれの振動による様々な固有振動周波数によって音響の音圧特性が向上され得、音響の再生帯域が拡大され得る。
【0094】
複数の第2部分11bのそれぞれは、複数の第1部分11a間に配置され得る。これにより、振動層11または振動装置1、2、3は、第2部分11bによって第1部分11aの単位格子内のリンクによる振動エネルギーが増加され得るので、振動特性が増加することができ、圧電特性と柔軟性が確保され得る。例えば、第2部分11bは、エポキシ(epoxy)系ポリマー、アクリル(acrylic)系ポリマー、およびシリコーン(silicone)系ポリマーのうちの1つ以上であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0095】
本明細書の一実施例に係る複数の第2部分11bのそれぞれは、有機物質部で構成され得る。例えば、有機物質部は、無機物質部の間ごとに配置されることによって、無機物質部(または第1部分)に印加される衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中されるストレスを開放して振動層11または振動装置1、2、3の耐久性を向上させることができ、また振動層11または振動装置1、2、3に柔軟性を提供することができる。これにより、振動装置1、2、3は、柔軟性を有することにより、振動部材または振動対象物の曲面部の形状とマッチングされる形状に撓うことができる。例えば、振動発生器510は、柔軟性を有することにより、振動部材または振動対象物の曲面部の形状に沿って配置され得る。
【0096】
本明細書の一実施例に係る第2部分11bは、第1部分11aと比較して、低いヤング率(ヤング弾性率:Young‘s modulus)と粘弾性を有することができ、これにより、第1部分11aの脆性特性により衝撃に弱い第1部分11aの信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分11bは、0.01~1(例えば、0.5)の損失係数と0.1~10GPa(gigapascal)(例えば、5GPa)のモジュラスを有する物質で構成され得る。
【0097】
第2部分11bに構成される有機物質部は、第1部分11aである無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分11bは、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0098】
本明細書の実施例に係る振動層11は、複数の第1部分11aと第2部分11bが同一平面上に配置(または連結)されることにより、単一の薄いフィルム形状を有することができる。例えば、振動層11は、複数の第1部分11aが一側に連結された構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aは、振動層11の全体にわたる連結構造を有することができる。例えば、振動層11は、振動特性を有する第1部分11aによって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分11bによって曲面形状に撓うことができる。また、本明細書の実施例に係る振動層11において、第1部分11aの大きさおよび第2部分11bの大きさは、振動層11または振動装置1、2、3に要求される圧電特性および柔軟性によって設定され得る。本明細書の一実施例として、柔軟性より圧電特性を要求とする振動層11の場合、第1部分11aの大きさは、第2部分11bの大きさよりも大きく構成され得る。本明細書の他の実施例としては、圧電特性よりも柔軟性を要求とする振動層11の場合、第2部分11bの大きさは、第1部分11aの大きさよりも大きく構成され得る。したがって、振動層11の大きさが求められる特性によって調節され得るので、振動層11は、多様な要求を満たすように調整され得る。
【0099】
第1電極層13は、振動層11の第1面(または下面)に配置され得る。第1電極層13は、複数の第1部分11aのそれぞれの第1面と複数の第2部分11bのそれぞれの第1面に共通して配置されるか、または結合され得、複数の第1部分11aのそれぞれの第1面と電気的に連結され得る。例えば、第1電極層13、振動層11の第1面全体に配置された単一電極(または1つの電極)形状を有することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11と実質的に同一の形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0100】
第2電極層15は、振動層11の第1面とは異なる(または反対の)第2面(または上面)上に配置され得る。第2電極層15は、複数の第1部分11aのそれぞれの第2面と複数の第2部分11bのそれぞれの第2面に共通して配置されるか、または結合され得、複数の第1部分11aのそれぞれの第2面と電気的に連結され得る。例えば、第2電極層15は、振動層11の第2面全体に配置された単一電極(または1つの電極)形状を有することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11と同一の形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0101】
本明細書の一実施例に係る第1電極層13および第2電極層15のうちの1つ以上は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。不透明導電性物質は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、またはガラスフリット(glass frit)を含む銀(Ag)などを含むか、またはこれらの合金からなることができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の他の実施例に係ると、第1電極層13と第2電極層15のそれぞれは、振動層11の電気的特性および/または振動特性を向上させるために、比抵抗の低い銀(Ag)を含むことができる。例えば、第1電極層13および第2電極層15のうちの1つ以上は、カーボンを含むことができる。例えば、カーボンは、カーボンブラック(carbon black)、ケッチェンブラック(ketjen black)、カーボンナノチューブ、およびグラファイトを含む炭素材料からなることができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0102】
振動層11は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化される温度雰囲気で、第1電極層13と第2電極層15に印加される一定の電圧によって分極化(または冶金(poling)され得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動層11は、外部から第1電極層13と第2電極層15に印加される音響信号(またはボイス信号または駆動信号)による逆圧電効果により収縮および/または膨張を交互に繰り返すことにより、振動することができる。例えば、振動層11は、第1電極層13と第2電極層15に印加される音響信号によって垂直方向の振動および平面方向の振動により振動することができる。振動層11は、平面方向の収縮および/または膨張によって振動部材の変位を増加させることができ、これにより振動部材の振動をより向上させることができる。
【0103】
図11は、
図10に示した振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【0104】
図11を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分11a、および複数の第1部分11aとの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0105】
複数の第1部分11aのそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って互いに離隔されるように配置され得る。例えば、複数の第1部分11aそれぞれは、互いに同じ大きさを有する六面体の形状を有しながら格子の形態またはグリッド(grid)構造に配置され得る。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図10を参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなり得るので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0106】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分11a間に配置され得る。第2部分11bは、隣接した2つの第1部分11a間のギャップを埋めるか、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成されることによって、隣接した第1部分11aと連結されるか、または接着され得る。本明細書の一実施例に係ると、第1方向(X)に沿って隣接した2つの第1部分11a間に配置された第2部分11bの幅(W4)は、第1部分11aの幅(W3)と同じか異なっていて、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分11a間に配置された第2部分11bの幅(W4)は、第1部分11aの幅(W3)と同じか異なることができる。複数の第2部分11bは、
図10を参照して説明した第2部分11bと実質的に同じ有機物質からなり得るので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0107】
本明細書の他の実施例に係る振動層11は、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体構造を含むことにより、30MHz以下の共振周波数を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動層11の共振周波数は、形状、長さ、および厚さなど少なくとも1つ以上に基づいて変更され得る。
【0108】
図12は、
図10に示した振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【0109】
図12を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分11a、および複数の第1部分11aとの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0110】
複数の第1部分11aのそれぞれは、円の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、円板の形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状などを含む点形状を有することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図10を参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなり得るので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0111】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分11a間に配置され得る。第2部分11bは、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分11aのそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分11aと第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同じ層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分11bは、
図10を参照して説明した第2部分11bと実質的に同じ有機物質からなり得るので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0112】
図13は、
図10に示した振動部の他の実施例を示す斜視図である。
【0113】
図13を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分11a、および複数の第1部分11aとの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0114】
複数の第1部分11aのそれぞれは、三角の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、三角板の形状を有することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図10を参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなり得るので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0115】
本明細書の一実施例に係ると、複数の第1部分11aのうちの隣接した4つの第1部分11aは、四角の形状(または正四角の形状)をなすように隣接して配置され得る。四角の形状をなす隣接した4つの第1部分11aのそれぞれの頂点は、四角の形状の中央部(または真中部)に隣接して配置され得る。
【0116】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分11a間に配置され得る。第2部分11bは、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分11aのそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分11aと第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同じ層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分11bは、
図10を参照して説明した第2部分11bと実質的に同じ有機物質からなり得るので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0117】
本明細書の他の実施例に係ると、三角形状を有する複数の第1部分11aのうちの隣接する2N(Nは、2以上の自然数)個の第1部分11aは、2N角形状をなすように隣接して配置され得る。例えば、複数の第1部分11aのうちの隣接した6つの第1部分11aは、六角の形状(または正六角の形状)をなすように隣接して配置され得る。六角の形状をなす隣接した6つの第1部分11aのそれぞれの頂点は、六角の形状の中央部(または真中部)に隣接して配置され得る。第2部分11bは、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分11aのそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。
【0118】
図14は、本明細書の第4実施例に係る振動装置を示す図であり、
図15は、
図14に示した線F-F’の断面図であり、
図16は、
図14に示した線G-G’の断面図である。
図14に示す線C-C’についての断面図は、
図4に示されている。
【0119】
図4、
図14~
図16を参照すると、本明細書の第4実施例に係る振動装置4は、振動部10,第1カバー部材30、第2カバー部材50、コンタクト部70、および信号ケーブル90を含むことができる。
【0120】
振動部10は、第1振動部10Aおよび第2振動部10Bを含むことができる。
【0121】
第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、第1方向(X)に沿って互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、圧電効果によって収縮および/または膨張を交互にまたは繰り返すことにより、振動することができる。例えば、第1および第2振動部10A、10Bは、第1方向(X)に沿って一定の間隔(D1)で配置されるか、またはタイリングされ得る。これにより、第1および第2振動部10A、10Bがタイリングされた振動装置4は、振動アレイ、振動アレイ部、振動モジュールアレイ部、振動アレイ構造物、タイリング振動アレイ、タイリング振動アレイモジュール、またはタイリング振動フィルムであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0122】
本明細書の実施例に係る第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、四角の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、5cm以上の幅を有する四角の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、5cm×5cm以上の大きさを有する正方形の形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0123】
第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、同一平面上に配置されるか、またはタイリングされることにより、振動装置4は、相対的小さい大きさを有する第1および第2振動部10A、10Bのタイリングによって大面積化され得る。
【0124】
第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、一定の間隔(D1)で配置されるか、またはタイリングされることによって、独立して駆動せず、完全な1つの単一体の形態で駆動される1つの振動装置(または単一振動装置)として実現され得る。本明細書の一実施例に係ると、第1方向(X)を基準に、第1および第2振動部10A、10Bの間の間隔(または距離)(D1)は、0.1mm以上3cm(例えば、1.5cm)未満であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0125】
本明細書の実施例に係ると、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、0.1mm以上3cm(例えば、1.5cm)未満の間隔(D1)を有するように配置されるか、またはタイリングされることにより、1つの振動装置として駆動され得、第1および第2振動部10A、10Bの単一体振動に連動されて発生される音響の再生帯域および音響の音圧特性のそれぞれが増加され得る。例えば、第1および第2振動部10A、10Bの単一体振動に連動されて発生される音響の再生帯域を増加させ、低音域帯音響、例えば、500Hz以下での音圧特性を増加させるために、第1および第2振動部10A、10Bは、0.1mm以上5mm(例えば、0.25mm)未満の間隔(D1)で配置され得る。例えば、第1および第2振動部10A、10Bがあまりにも遠く離れると同期(sync)が合わないことがあり、第1および第2振動部10A、10Bがあまりにも近く離れると互いに損傷され得、クラックを発生させる原因になり得る。
【0126】
本明細書の一実施例に係ると、第1および第2振動部10A、10Bが0.1mm未満の間隔(D1)、または間隔(D1)なしに配置されるとき、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの振動時に互いの間の物理的な接触によるクラックの発生または破損によって、第1および第2振動部10A、10Bまたは振動装置4の信頼性が低下され得る。
【0127】
本明細書の一実施例に係ると、第1および第2振動部10A、10Bが3cm以上の間隔(D1)で配置されるとき、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの独立した振動によって、第1および第2振動部10A、10Bが1つの振動装置として駆動されないことがあり得る。これにより、第1および第2振動部10A、10Bの振動によって発生される音響の再生帯域および音響の音圧特性が低下され得る。例えば、第1および第2振動部10A、10Bが3cm以上の間隔(D1)で配置されるとき、低音域帯、例えば、500Hz以下での音響特性と音圧特性のそれぞれが低下され得る。
【0128】
本明細書の一実施例に係ると、第1および第2振動部10A、10Bが5mmの間隔(D1)で配置されるとき、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれが1つの振動装置として駆動されないため、低音域帯、例えば、200Hz以下で音響特性と音圧特性のそれぞれが低下され得る。
【0129】
本明細書の他の実施例に係ると、第1および第2振動部10A、10Bが1mmの間隔(D1)で配置されるとき、第1および第2振動部10A、10Bが1つの振動装置として振動されることにより、音響の再生帯域が増加して低音域帯の音響、例えば、500Hz以下での音圧特性が増加され得る。例えば、第1および第2振動部10A、10Bが1mmの間隔(D1)で配置されるとき、振動装置4は、第1および第2振動部10A、10B間の離隔距離が最適化されることによる大面積化された振動体で実現され得る(例えば、大型スピーカー)。これにより、第1および第2振動部10A、10Bの単一体振動による大面積の振動体として駆動することができ、これにより、振動装置4の大面積の振動に連動されて発生される音響の再生帯域と低音域帯の音響特性および音圧特性のそれぞれが増加されるが、または向上され得る。
【0130】
したがって、第1および第2振動部10A、10Bの単一体振動(または1つの振動装置)を実現するために、第1および第2振動部10A、10B間の間隔(D1)は、0.1mm以上3cm(例えば、1.5cm)未満に設定され得る。また、第1および第2振動部10A、10Bの単一体振動(または1つの振動装置)を実現して、低音域帯の音響の音圧特性を増加させるために、第1および第2振動部10A、10B間の間隔(D1)は、0.1mm以上5mm(例えば、2.5mm)未満に設定され得る。
【0131】
本明細書の一実施例に係る第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動層11、第1電極層13、および第2電極層15のそれぞれは、
図1~
図4を参照して説明した振動層11のうちのいずれかと実質的に同様に構成されるので、これについては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0132】
本明細書の一実施例に係ると、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、
図10~
図13を参照して説明した振動層11のうちのいずれかの振動層11を含むか、または異なる形状の構成を有する異なる振動層11を含むことができる。
【0133】
第1カバー部材30は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材30は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13を覆うことにより、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1面に共通して連結され得る。これにより、第1カバー部材30は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1面または第1電極層13を保護することができる。このような第1カバー部材30は、
図15および
図16に示すように、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1面に共通して連結されることを除き、
図1~
図9を参照して説明した第1カバー部材30と実質的に同一であるので、
図1~
図9に示す第1カバー部材30についての説明(または記載内容)は、
図14~
図16に示す第1カバー部材30についての説明に含まれ得るので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0134】
第1カバー部材30は、第1接着層41を介して、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材30は、第1接着層41を媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、一定の間隔(D1)を有するように、第1カバー部材30に一体化(または配置)されるか、またはタイリングされ得る。
【0135】
第2カバー部材50は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材50は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2電極層15を覆うことにより、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2面に共通して連結され得る。これにより、第2カバー部材50は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2面または第2電極層15を保護することができる。このような第2カバー部材50は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2面に共通して連結されることを除き、
図1~
図9を参照して説明した第2カバー部材50と実質的に同一であるので、
図1~
図9に示す第2カバー部材50についての説明(または記載内容)は、
図14~
図16に示す第2カバー部材50についての説明に含まれ得るので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0136】
第2カバー部材50は、第2接着層42を介して、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材50は、第2接着層42を媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれは、一定の間隔(D1)を有するように、第2カバー部材50に一体化(または配置)されるか、またはタイリングされ得る。
【0137】
コンタクト部70は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に配置され、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれと電気的に連結されるように構成され得る。例えば、コンタクト部70の一部は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれと重畳されるか、または重なるように構成され得る。
【0138】
本明細書の一実施例に係るコンタクト部70は、第1コンタクト部材70Aおよび第2コンタクト部材70Bを含むことができる。
【0139】
第1コンタクト部材70Aは、第1振動部10Aに隣接した第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に配置され得る。第1コンタクト部材70Aは、第1振動部10Aに隣接した第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に島状に構成され得る。例えば、第1コンタクト部材70Aの一部は、第1振動部10Aの一部と重畳されるか、または重なることができる。例えば、より具体的に、第1コンタクト部70Aの一部は、第1振動部10Aの一部と電気的にコンタクトすることができる。例えば、第1コンタクト部70Aの一部は、第1振動部10Aの第1電極層13と電気的にコンタクトすることができる。例えば、第1コンタクト部70Aの半分は、第1振動部10Aの第1電極層13と直接的に接触され得る。第1コンタクト部70Aの残部は、第1振動部10Aと重畳するか、または重なることなしに、第1カバー部材30の一側縁部分上に露出され得る。(例えば、タブ型状の構造と同様に、第1コンタクト部70Aの半分程度は、第1振動部10Aの下から突出され得る)。
【0140】
第2コンタクト部材70Bは、第2振動部10Bに隣接した第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に配置され得る。第2コンタクト部材70Bは、第2振動部10Bに隣接した第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に島状に構成され得る。例えば、第2コンタクト部材70Bの一部は、第2振動部10Bの一部と重畳されるか、または重なることができる。例えば、より具体的に、第2コンタクト部70Bの一部は、第2振動部10Bの一部と電気的にコンタクトすることができる。例えば、第2コンタクト部70Bの一部は、第2振動部10Bの第1電極層13と電気的にコンタクトすることができる。例えば、第2コンタクト部70Bの半分は、第2振動部10Bの第1電極層13と直接的に接触され得る。第2コンタクト部70Bの残部は、第2振動部10Bと重畳するか、または重なることなしに、第1カバー部材30の一側縁部分上に露出され得る。(例えば、タブ型状の構造と同様に、第2コンタクト部70Bの半分程度は、第2振動部10Bの下から突出され得る)。
【0141】
第1コンタクト部材70Aと第2コンタクト部材70Bのそれぞれは、伝導性の両面接着部材を含むことができる。第1コンタクト部材70Aと第2コンタクト部材70Bのそれぞれは、伝導性両面テープ、伝導性両面接着パッド、または伝導性両面クッションテープであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。第1コンタクト部材70Aと第2コンタクト部材70Bのそれぞれは、
図2に示すように、金属層71、第1粘着層72(例えば、第1接着部材)、および第2粘着層73(例えば、第2接着部材)を含むことで、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0142】
信号ケーブル90は、振動部10の一側で第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1および第2電極層13、15のそれぞれと電気的に連結され得る。信号ケーブル90の端部(または末端部)は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)と第2カバー部材50の一側縁部分(EP)との間の部分に配置されるか、または挿入され得る。第1カバー部材30の一側縁部分(EP)と第2カバー部材50の一側縁部分(EP)は、信号ケーブル90の一部を収容するか、または信号ケーブル90の一部を上下に覆うことができる。
【0143】
本明細書の一実施例に係る信号ケーブル90は、ベース部材91、および第1~第4信号ライン92a、92b、92c、92dを含むことができる。このような信号ケーブル90は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1および第2電極層13、15のそれぞれと個別的に連結される第1~第4信号ライン92a、92b、92c、92dを含むことを除き、
図1~
図4を参照して説明した信号ケーブル90と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0144】
ベース部材91は、透明または不透明プラスチック材質を含むことができる。ベース部材91は、第1方向(X)に沿って一定の幅を有し、第1方向(X)と交差する第2方向(Y)に沿って長く延長され得る。
【0145】
第1信号ライン92aは、第2方向(Y)に平行になるようにベース部材91の第1面に配置され得る。第1信号ライン92aは、第1コンタクト部材70Aを介して第1振動部10Aの第1電極層13と電気的に連結されるか、または接触するように構成され得る。第1信号ライン92aは、第1コンタクト部材70Aを介して第1振動部10Aの第1電極層13と電気的に連結されるかまたは接触するように構成されることを除き、
図1~
図4を参照して説明した第1信号ライン92aと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0146】
第2信号ライン92bは、第2方向(Y)に平行になるようにベース部材91の第1面に配置され得る。第2信号ライン92bは、第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に連結されるか、または接触するように構成され得る。第2信号ライン92bは、第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に連結されるかまたは接触するように構成されることを除き、
図1~
図4を参照して説明した第2信号ライン92bと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0147】
第3信号ライン92cは、第2方向(Y)に平行になるようにベース部材91の第1面に配置され得る(例えば、
図14および16を参照)。第3信号ライン92cは、第2コンタクト部材70Bを介して第2振動部10Bの第1電極層13と電気的に連結されるか、または接触するように構成され得る。第3信号ライン92cは、第2コンタクト部材70Bを介して第2振動部10Bの第1電極層13と電気的に連結されるかまたは接触するように構成されることを除き、
図1~
図4を参照して説明した第1信号ライン92aと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0148】
第4信号ライン92dは、第2方向(Y)に平行になるようにベース部材91の第1面に配置され得る(例えば、
図14および16を参照)。例えば、第4信号ライン92dは、第2信号ライン92bと第3信号ライン92cとの間に配置され得る。第4信号ライン92dは、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に連結されるか、または接触するように構成され得る。第4信号ライン92dは、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に連結されるかまたは接触するように構成されることを除き、
図1~
図4を参照して説明した第2信号ライン92bと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0149】
第1信号ライン92aおよび第2信号ライン92bは、異なる長さを有することができる。例えば、第2信号ライン92bは、第1信号ライン92aの端部からもっと延びることができる。第3信号ライン92cおよび第4信号ライン92dは、異なる長さを有することができる。例えば、第4信号ライン92dは、第3信号ライン92cの端部からもっと延びることができる。これにより、第2信号ライン92bと第4信号ライン92dのそれぞれと重畳するベース部材91の第1部分(または中間部分)は、第1信号ライン92aと第3信号ライン92cのそれぞれの端部からもっと延びることで、ベース部材91または信号ケーブル90は、第2信号ライン92bと第4信号ライン92dのそれぞれの端部に対応する延長部90aを含むことができる。また、第2信号ライン92bと第4信号ライン92dは、信号ケーブル90の中心を基準に、対称となる蝶型状の構成を有するように第1信号ライン92aと第3信号ライン92cとの間に配置され得る。
【0150】
第1信号ライン92aの端部(または末端部)は、コンタクト部70の第1コンタクト部材70Aと電気的に連結され得る。例えば、第1信号ライン92aの端部(または末端部)は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)で第1コンタクト部70Aと電気的に連結され得る。第1信号ライン92aは、第1コンタクト部70Aの第1粘着層72(例えば、接着部材)と付着されるか、または接触されることで、第1コンタクト部70Aの第1粘着層72および/または金属層71を介して第1振動部10Aの第1電極層13と電気的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第1信号ライン92aは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第1振動部10Aの第1電極層13に供給することができる。
【0151】
第2信号ライン92bの端部(または末端部)は、第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に連結されるか、または接触され得る。例えば、信号ケーブル90の延長部90aは、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)を通過して第2カバー部材50と第1振動部10Aとの間に配置され、延長部90aに配置された第2信号ライン92bは、第1振動部10Aの第2電極層15と直接的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第2信号ライン92bは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第1振動部10Aの第2電極層15に供給することができる。
【0152】
第3信号ライン92cの端部(または末端部)は、コンタクト部70の第2コンタクト部材70Bと電気的に連結され得る。例えば、第3信号ライン92cの端部(または末端部)は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)で第2コンタクト部70Bと電気的に連結され得る。第3信号ライン92cは、第2コンタクト部70Bの第1粘着層72(例えば、接着部材)と付着されるか、または接触されることで、第2コンタクト部70Bの第1粘着層72および/または金属層71を介して第2振動部10Bの第1電極層13と電気的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第3信号ライン92cは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第2振動部10Bの第1電極層13に供給することができる。
【0153】
第4信号ライン92dの端部(または末端部)は、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に連結されるか、または接触され得る。例えば、信号ケーブル90の延長部90aは、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)を通過して第2カバー部材50と第2振動部10Bとの間に配置され、延長部90aに配置された第4信号ライン92dは、第2振動部10Bの第2電極層15と直接的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第4信号ライン92dは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第2振動部10Bの第2電極層15に供給することができる。
【0154】
本明細書の一実施例に係る信号ケーブル90は、絶縁層93をさらに含むことができる。
【0155】
絶縁層93は、信号ケーブル90の端部(または末端部)を除いて残った第1~第4信号ライン92a、92b、92c、92dのそれぞれを覆うようにベース部材91の第1面に配置され得る。絶縁層93は、保護層、カバー層、カバー層フィルム、カバーフィルム、またはカバー絶縁フィルムであり得る。
【0156】
第1カバー部材30と第2カバー部材50との間に挿入された信号ケーブル90の端部(または末端部)は、第1カバー部材30に形成された第1接着層41および第2カバー部材50に形成された第2接着層42を媒介とするフィルムラミネーティング工程によって第1カバー部材30と第2カバー部材50との間に挿入されて固定され得る。これにより、第1信号ライン92aと第3信号ライン92cは、コンタクト部70と電気的に連結された状態で安定的に維持され、第2信号ライン92bと第4信号ライン92dは、振動部10の第2電極層15と電気的に連結された状態で安定的に維持され得る。また、信号ケーブル90の端部(または末端部)は、第1カバー部材30と第2カバー部材50との間に挿入されて固定されることで、信号ケーブル90の遊動による振動部10と信号ケーブル90との間の接続不良が防止され得る。
【0157】
本明細書の実施例に係ると、フィルムラミネーティング工程で発生される振動部10のクラックまたは損傷が防止されるか、または最小化され得る。
【0158】
本明細書の第4実施例に係る振動装置4は、振動部10と信号ケーブル90との間の電気的な連結のためのソルダリング工程が不要であるので、振動装置4の構造および製造工程が簡素化され得、比抵抗などの第1および第2電極層13、15の電気的な特性を補うことができる。また、本明細書の第4実施例に係る振動装置4は、独立して駆動せずに、1つの単一の振動体として実現されるように一定の間隔(D1)で配列(またはタイリング)された第1および第2振動部10A、10Bを含むことにより、第1および第2振動部10A、10Bの単一体振動による振動体または、大面積振動体として駆動され得る。
【0159】
図17は、本明細書の第5実施例に係る振動装置を示す図であり、
図18は、
図17に示す線H-H’についての断面図である。
図17および
図18は、
図14~
図16を参照して説明した振動装置4において、コンタクト部および信号ケーブルを変更したものである。これにより、
図17および
図18についての説明では、コンタクト部と信号ケーブルおよびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては同じ図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。例えば、本明細書の第5実施例は、第1信号ライン92aと第3信号ライン92cが、信号ケーブル90の中心を基準に、対称となる蝶型状の構成を有するように第2信号ライン92bと第4信号ライン92dとの間に配置されることを除いては本明細書の第4実施例と類似することができる。また、本明細書の第5実施例は、第1および第2コンタクト部70A、70Bに2つのタブ構造を使用する場合、本明細書の第6実施例は、単一のコンタクト部材70を使用することができる。
【0160】
図17および
図18を参照すると、本明細書の第5実施例に係る振動装置5において、コンタクト部70は、第1および第2振動部10A、10Bと重畳されるように、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)に島状に構成され得る。例えば、コンタクト部70は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの一部と共通して重畳されるか、または重なることができる。例えば、コンタクト部70の一部は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの一部と電気的にコンタクトすることができる。例えば、コンタクト部70の一部は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13と電気的にコンタクトすることができる。例えば、コンタクト部70の半分は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13と直接的に接触され得る。コンタクト部70の残部は、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれと重畳するか、または重なることなしに、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)上に露出され得る。
【0161】
信号ケーブル90は、第1および第3信号ライン92a、92cがコンタクト部70と共通して連結されるか接触され、第2および第4信号ライン92b、92dのそれぞれが第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第2電極層15とそれぞれ連結されるか、または接触されるように構成されるという点で、
図14~
図16を参照して説明した信号ケーブル90と異なる。
【0162】
第1および第3信号ライン92a、92cは、ベース部材91の第1面の中間部に互いに平行に配置され得る。第2および第4信号ライン92b、92dは、ベース部材91の第1面の両側の縁部分に互いに平行に配置され得る。例えば、第2および第4信号ライン92b、92dは、第1および第3信号ライン92a、92cを間に挟んで互いに平行に配置され得る。
【0163】
第2信号ライン92bおよび第4信号ライン92dのそれぞれと重畳されるベース部材91の両側の縁部分は、第1信号ライン92aおよび第3信号ライン92cのそれぞれの端部からもっと延長されることで、ベース部材91または信号ケーブル90は、第2信号ライン92bおよび第4信号ライン92dのそれぞれの端部に対応する一対の延長部90a、90bを含むことができる。一対の延長部90a、90bは、ベース部材91の中間部を間に挟んで第2方向(Y)に沿って延長され得る。
【0164】
第1および第3信号ライン92a、92cのそれぞれの端部(または末端部)は、コンタクト部70と電気的に連結され得る。例えば、第1および第3信号ライン92a、92cのそれぞれの端部(または末端部)は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)でコンタクト部70と電気的に連結され得る。例えば、第1および第3信号ライン92a、92cのそれぞれは、コンタクト部70の第1粘着層72(例えば、接着部材)と付着されるか、またはコンタクトすることで、コンタクト部70の第1粘着層72および/または金属層71を介して第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13と電気的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第1および第3信号ライン92a、92cのそれぞれは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13に供給することができる。
【0165】
選択的に、第1および第3信号ライン92a、92cのそれぞれが、コンタクト部70に共通して連結され、コンタクト部70が、第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13と共通して連結されるか、または接触するので、第1および第3信号ライン92a、92cのうちのいずれか1つは、省略されるか、または1つの信号ラインに結合され得、これにより信号ケーブル90の大きさ(または幅)を減少させることができる。
【0166】
第2信号ライン92bの端部(または末端部)は、第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に連結されるか、または接触され得る。例えば、信号ケーブル90の延長部(または第1延長部)90aは、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)を通過して第2カバー部材50と第1振動部10Aとの間に配置され、延長部(または第1延長部)90aに配置された第2信号ライン92bは、第1振動部10Aの第2電極層15と直接的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第2信号ライン92bは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第1振動部10Aの第2電極層15に供給することができる。
【0167】
第4信号ライン92dの端部(または末端部)は、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に連結されるか、または接触され得る。例えば、信号ケーブル90の延長部(または第2延長部)90bは、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)を通過して第2カバー部材50と第2振動部10Bとの間に配置され、延長部(または第2延長部)90bに配置された第4信号ライン92dは、第2振動部10Bの第2電極層15と直接的に連結されるか、または接触され得る。これにより、第4信号ライン92dは、振動駆動回路から供給される駆動信号を第2振動部10Bの第2電極層15に供給することができる。
【0168】
本明細書の第5実施例に係る振動装置5は、本明細書の第4実施例に係る振動装置4と同じ効果を有するか、または提供することができ、例えば、第4実施例のように第1および第2コンタクト部70A、70Bに2つのタブ構造を有するよりも、第1および第2振動部10A、10Bと共通してコンタクトされる1つのコンタクト部70を含むので、振動装置5の構造および製造工程をもっと簡素化され得る。
【0169】
図19は、本明細書の第6実施例に係る振動装置を示す図であり、
図20は、
図19に示す線I-I’についての断面図である。
図19および
図20は、
図14~
図16を参照して説明した振動装置の振動素子に金属ラインをさらに構成したものである。これにより、
図19および
図20についての説明では、金属ラインおよびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては同じ図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
図19に示す線E-E’についての断面図は、
図7に示されている。例えば、本明細書の第6実施例は、第1、第2、第3、第4金属ライン33、35、37、39が、信号ケーブル90の中心を基準に、対称的な構成の蝶型状に配列されるように二重化された構成を有することを除いては本明細書の第2実施例(例えば、
図5~
図7を参照)と類似することができる。
【0170】
図7、
図19、および
図20を参照すると、本明細書の第6実施例に係る振動装置6は、第1~第4金属ライン33、35、37、39を含むことができる。
【0171】
第1金属ライン33は、第1カバー部材30に配置され、第1振動部10Aの第1電極層13と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第1金属ライン33は、第1振動部10Aの中央部分に近くに配置され得る。このような第1金属ライン33は、第1振動部10Aの第1電極層13と連結されるか、または接触されるように第1カバー部材30に提供されることを除き、
図5~
図7を参照して説明した第1金属ライン33と実質的に同一であるので、
図5~
図7を参照して説明した第1金属ライン33についての説明(または記載内容)は、
図19および
図20に示す第1金属ライン33についての説明に含まれることができるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0172】
第1金属ライン33は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)でコンタクト部70の第1コンタクト部70Aを介して信号ケーブル90の第1信号ライン92aと電気的に接触されるか、または連結され得る。したがって、第1信号ライン92aは、コンタクト部70の第1コンタクト部70Aおよび第1金属ライン33を介して第1振動部10Aの第1電極層13と電気的に接触されるか、または連結されることで、振動駆動回路から供給される駆動信号を第1振動部10Aの第1電極層13に伝達するか、または供給することができる。
【0173】
本明細書の第6実施例に係る振動装置6において、コンタクト部70の第1コンタクト部材70Aは、第1金属ライン33と第1信号ライン92aとの間に配置されるか、または介在され得る。コンタクト部70の第1コンタクト部材70Aは、第1金属ライン33と第1信号ライン92aとを電気的に連結させるか、または接触させるために実現され、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)内で第1振動部10Aと電気的に接触せず、第1振動部10Aから離隔され得る。
【0174】
第2金属ライン35は、第1振動部10Aの第2電極層15と第2カバー部材50との間に配置され、第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第2金属ライン35は、媒介物なしに第1振動部10Aの第2電極層15と直接的に接触するように形成され得る。例えば、第2金属ライン35は、第1振動部10Aの中央部分に近くに配置され得る。第2金属ライン35は、第1振動部10Aの第2電極層15に形成されることを除き、
図5~
図7を参照して説明した第2金属ライン35と実質的に同一であるので、
図5~
図7を参照して説明した第2金属ライン35についての説明(または記載内容)は、
図19および
図20に示す第2金属ライン35についての説明に含まれることができるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0175】
第3金属ライン37は、第1カバー部材30に配置され、第2振動部10Bの第1電極層13と電気的に接触されるか、または連結され得る。第3金属ライン37は、第1金属ライン33に平行になるように第1カバー部材30に配置され得る。例えば、第3金属ライン37は、第2振動部10Bの中央部分に近くに配置され得る。このような第3金属ライン37は、第2振動部10Bの第1電極層13と連結されるか、または接触されるように第1カバー部材30に形成されることを除き、第1金属ライン33と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0176】
第3金属ライン37は、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)でコンタクト部70の第2コンタクト部70Bを介して信号ケーブル90の第3信号ライン92cと電気的に接触されるか、または連結され得る。したがって、第3信号ライン92cは、コンタクト部70の第2コンタクト部70Bおよび第3金属ライン37を介して第2振動部10Bの第1電極層13と電気的に接触されるか、または連結されることで、振動駆動回路から供給される駆動信号を第2振動部10Bの第1電極層13に伝達するか、または供給することができる。
【0177】
本明細書の第6実施例に係る振動装置6において、コンタクト部70の第2コンタクト部材70Bは、第3金属ライン37と第3信号ライン92cとの間に介在され得る。コンタクト部70の第2コンタクト部材70Bは、第3金属ライン37と第3信号ライン92cとを電気的に連結させるか、または接触させるために実現され、第1カバー部材30の一側縁部分(EP)内で第2振動部10Bと電気的に接触せず、第2振動部10Bから離隔され得る。
【0178】
第4金属ライン39は、第2振動部10Bの第2電極層15と第2カバー部材50との間に配置され、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。第4金属ライン39は、第2金属ライン35に平行になるように第2振動部10Bの第2電極層15に配置され得る。例えば、第4金属ライン39は、媒介物なしに第2振動部10Bの第2電極層15と直接的に接触するように形成され得る。例えば、第4金属ライン39は、第2振動部10Bの中央部分に近くに配置され得る。第4金属ライン39は、第2振動部10Bの第2電極層15に形成されることを除き、第2金属ライン35と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。例えば、第2金属ライン35および第4金属ライン39は、第1金属ライン33と第3金属ライン37との間に配置され、第2金属ライン35および第4金属ライン39は、対応される振動部の上部に配置され、第1および第3金属ライン33、37は、対応される振動部の下部に配置され得る。
【0179】
本明細書の第6実施例に係る振動装置6は、本明細書の第4実施例に係る振動装置4と同じ効果を有するか、または提供することができ、比抵抗の低い金属ライン33、35、37、39を介して第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13および第2電極層15に駆動信号が供給されることで、比抵抗などのような第1および第2電極層13、15の電気的な特性を補うことができる。
【0180】
図21は、
図19に示す線I-I’についての他の断面図である。
図21は、本明細書の第7実施例に係る振動装置を説明するための図面である。
図19に示す線E-E’についての断面図は、
図9に示されている。
【0181】
図9、
図20、および
図21を参照すると、本明細書の第7実施例に係る振動装置7は、
図19および
図20を参照して説明した振動装置6において、第2および第4金属ラインを変更したものである。これにより、
図19、
図20、および
図21についての説明では、金属ラインおよびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては同じ図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
図19に示す線E-E’についての断面図は、
図7に示されている。
【0182】
第2金属ライン35は、第2カバー部材50に配置され、第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第2金属ライン35は、第1振動部10Aと重畳されるように第2カバー部材50の一側縁部分(EP)から第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。第2金属ライン35は、
図5、
図8、および
図9を参照して説明した第2金属ライン35と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0183】
第4金属ライン39は、第2カバー部材50に配置され、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第4金属ライン39は、第2振動部10Bと重畳されるように第2カバー部材50の一側縁部分(EP)から第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。第4金属ライン39は、第2金属ライン35に平行になるように第2カバー部材50に配置され得る。第4金属ライン39は、第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結されることを除き、第2金属ライン35と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0184】
信号ケーブル90の第2および第4信号ライン92b、92dは、ベース部材91の第1面と反対の第2面に配置され得る。例えば、信号ケーブル90は、両面ライン構造を含むことができる。第2および第4信号ライン92b、92dは、第2絶縁層94によって覆われることができる(例えば、
図19の信号ラインに適用され得る
図9の絶縁構造を参照)。
【0185】
第2信号ライン92bの端部(または末端部)は、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)と第1振動部10Aとの間に配置されるか、または挿入され、第2金属ライン35と電気的に接触されるか、または連結され得る。第4信号ライン92dの端部(または末端部)は、第2カバー部材50の一側縁部分(EP)と第2振動部10Bとの間に配置されるか、または挿入され、第4金属ライン39と電気的に接触されるか、または連結され得る。
【0186】
第2カバー部材50の一側縁部分(EP)に配置された第2金属ライン35の一側縁部分は、信号ケーブル90の第2信号ライン92bと電気的に接触されるか、または連結され得る。第2金属ライン35の一側縁部を除いて残った部分は、第2接着層42を用いたフィルムラミネーティング工程によって第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第2金属ライン35の一側縁部分を除いて残った部分は、フィルムラミネーティング工程による第2カバー部材50の押圧によって第1振動部10Aの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。第2カバー部材50は、柔軟性を有するので、第2信号ライン92bの端部と第1振動部10Aの第2電極層15との間の段差部で曲面状に撓うことができ、これにより第2金属ライン35は、第2カバー部材50が撓うことによって第1振動部10Aの第2電極層15に撓うことができる。
【0187】
第2カバー部材50の一側縁部分(EP)に配置された第4金属ライン39の一側縁部分は、信号ケーブル90の第4信号ライン92dと電気的に接触されるか、または連結され得る。第4金属ライン39の一側縁部を除いて残った部分は、第2接着層42を用いたフィルムラミネーティング工程によって第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。例えば、第4金属ライン39の一側縁部分を除いて残った部分は、フィルムラミネーティング工程による第2カバー部材50の押圧によって第2振動部10Bの第2電極層15と電気的に接触されるか、または連結され得る。第2カバー部材50は、柔軟性を有するので、第4信号ライン92dの端部と第2振動部10Bの第2電極層15との間の段差部で曲面状に撓うことができ、これにより第4金属ライン39は、第2カバー部材50が撓うことによって第2振動部10Bの第2電極層15に撓うことができる。
【0188】
本明細書の第7実施例に係る振動装置7は、振動部10と信号ケーブル90との間の電気的な連結のためのソルダリング工程が不要であるので、構造および製造工程が簡素化され得る。また、本明細書の第7実施例に係る振動装置7は、比抵抗の低い金属ライン33、35、37、39を介して第1および第2振動部10A、10Bのそれぞれの第1電極層13と第2電極層15に駆動信号が供給されることで、比抵抗などの第1および第2電極層13、15の電気的な特性を補うことができる。そして、本明細書の第7実施例に係る振動装置7は、本明細書の第6実施例に係る振動装置6と比較して、第1~第4金属ライン33、35、37、39が全て対応するカバー部材30、50に配置されるので、製造工程がさらに簡素化され得る。例えば、第1~第4金属ライン33、35、37、39は、振動装置7の外側に配置され、振動部および信号ケーブルは、振動装置の中心部に向かってさらに内側に配置され得る。
【0189】
図22は、本明細書の一実施例に係る装置を示す図であり、
図23は、
図22に示す線J-J’についての断面図である。
【0190】
図22および
図23を参照すると、本明細書の一実施例に係る装置は、受動振動部材100および1つ以上の振動発生装置200を含むことができる。
【0191】
本明細書の実施例に係る「装置」は、表示装置、音響装置、音響発生装置、サウンドバー、アナログサイネージ、またはデジタルサイネージなどであり得るが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0192】
表示装置は、白黒またはカラー映像を実現する複数の画素を含む表示パネル、および表示パネルを駆動するための駆動部を含むことができる。例えば、表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、発光ダイオード表示パネル、電気泳動表示パネル、電子湿潤表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、または量子ドット発光表示パネルなどであるが、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、有機発光表示パネルにおいて、画素は、有機発光層などの有機発光素子を含むことができ、画素は、カラー映像を構成する複数の色のうちのいずれか1つを実現する副画素であり得る。これにより、本明細書の実施例に係る「装置」は、液晶表示パネルまたは有機発光表示パネルなどの表示パネルを含む完成品(complete productまたはfinal product)であるノートブックコンピュータ、テレビ、コンピュータモニタ、車両用または自動車用装置(automotive apparatus)または車両(vehicle)の他形態などを含む電装装置(equipment apparatus)、スマートフォンまたは電子パッドなどのモバイル電子装置(mobile electronic apparatus)などのようなセット電子装置(set electronic apparatus)またはセット装置(set deviceまたはset apparatus)も含むことができる。
【0193】
アナログサイネージは、広告用看板、ステッカー、ポスター、案内板などであり得る。アナログサイネージは、文章、絵、バナー、およびサインなどのコンテンツを含むことができる。サイネージコンテンツは、装置の受動振動部材100側から視認可能に配置され得る。サイネージコンテンツは、受動振動部材100に直接に付着され得、サイネージコンテンツが印刷などによって付着された紙などの媒体は、受動振動部材100に付着されることもできる。
【0194】
受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動(または振動)によって振動することができる。例えば、受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動によって振動および音響のうちの1つ以上を発生することができる。
【0195】
本明細書の一実施例に係る受動振動部材100は、黒白またはカラー映像を実現する複数の画素を有する表示部(または画面)を含む表示パネルであり得る。これにより、受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動によって振動および音響のうちの1つ以上を発生することができる。例えば、受動振動部材100は、表示部に映像を表示しながら振動発生装置200の駆動によって振動することで、表示部に映像と同期される音響を発生するか出力することができる。例えば、受動振動部材100は、振動対象物、表示部材、表示パネル、サイネージパネル、受動振動プレート、前面カバー、前面部材、振動パネル、サウンドパネル、受動振動パネル、音響出力プレート、音響振動プレート、または映像スクリーンなどであることができるが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0196】
本明細書の他の実施例に係る受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200によって振動することによって音響を出力するのに適した材料特性を有する金属材質を含むか、または非金属材質(または複合非金属材質)を含む振動プレートであり得る。例えば、受動振動部材100は、金属、プラスチック、木材、紙、繊維、布、皮革、ガラス、ゴム、カーボン、および鏡のうちの1つ以上の材質を含む振動プレートであり得る。例えば、紙は、スピーカー用コーン紙であり得る。例えば、コーン紙は、パルプまたは発泡プラスチックなどであり得るが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0197】
本明細書の他の実施例に係る受動振動部材100は、映像を表示する画素を有する表示パネルを含むか、または非表示パネルを含むことができる。例えば、受動振動部材100は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡のうちのいずれか1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、非表示パネルは、発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)、または無機発光照明パネル(または装置)を含むことができるが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0198】
1つ以上の振動発生装置200は、受動振動部材100を振動させるように構成され得る。1つ以上の振動発生装置200は、連結部材150を介して受動振動部材100の背面100aに連結されるように構成され得る。これにより、1つ以上の振動発生装置200は、受動振動部材100を振動させることで、受動振動部材100の振動によって振動および音響のうちの1つ以上を発生するか、または出力することができる。
【0199】
1つ以上の振動発生装置200は、
図1~
図21を参照して説明した振動装置1~7のうちの1つ以上を含むことができる。したがって、
図1~
図21に示す振動装置1~7についての説明は、
図22および
図23に示す振動発生装置200についての説明に含まれることができるので、これに対しては同じ図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略され得る。
【0200】
連結部材150は、振動発生装置200と受動振動部材100との間に配置され得る。 連結部材150は、振動発生装置200の少なくとも一部と受動振動部材100との間に連結され得る。本明細書の実施例に係る連結部材150は、振動発生装置200の縁部分を除いた振動発生装置200の中心部と受動振動部材100との間に連結され得る。例えば、連結部材150は、部分付着方式によって振動発生装置200の中心部と受動振動部材100との間に連結され得る。振動発生装置200の中心部(または真中部)は振動の中心となる部分であるので、振動発生装置200の振動が連結部材150を介して効率的に受動振動部材100に伝達され得る。振動発生装置200の縁部分は、連結部材150および/または受動振動部材100に連結されず、連結部材150および受動振動部材100のそれぞれから離隔されて浮かされた状態であるので、振動発生装置200の屈曲振動(またはベンディング振動)の際、振動発生装置200の縁部分の振動が連結部材150および/または受動振動部材100によって抑制(または減少)しないので、振動発生装置200の振動幅(または変位幅)が増大され得る。したがって、振動発生装置200の振動による受動振動部材100の振動幅(または変位幅)が増大され、これにより受動振動部材100の振動によって発生される低音域帯の音響特性および/または音圧特性がさらに向上され得る。
【0201】
本明細書の他の実施例に係る連結部材150は、全面接着方式によって1つ以上の振動発生装置200の前面全体と受動振動部材100の背面100aと連結されるか、または接着され得る。
【0202】
本明細書の実施例に係る連結部材150は、表示パネルまたは受動振動部材100の背面と1つ以上の振動発生装置200のそれぞれとに対して密着力または接着力が優れた接着層を含む材質から構成することができる。例えば、連結部材150は、フォームパッド、両面フォームパッド、両面テープ、または接着剤などを含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、連結部材150の接着層は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acrylic)、シリコーン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、連結部材150の接着層は、アクリルとウレタンのうちの相対的に接着力に優れ硬度の高い特性を有するアクリル系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、1つ以上の振動発生装置200の振動が受動振動部材100にうまく伝達され得る。
【0203】
本明細書の一実施例に係る装置は、支持部材300および結合部材350をさらに含むことができる。
【0204】
支持部材300は、受動振動部材100の背面100aに配置され得る。支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆うように受動振動部材100の背面100aに配置され得る。支持部材300は、受動振動部材100の背面100aおよび1つ以上の振動発生装置200の全部を覆うように受動振動部材100の背面100aに配置され得る。例えば、支持部材300は、受動振動部材100と同じ大きさを有することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200との間にギャップ空間(GS)を挟んで受動振動部材100の背面全体を覆うことができる。ギャップ空間(GS)は、互いに向き合う受動振動部材100と支持部材300との間に配置された結合部材350によって設けることができる。ギャップ空間(GS)は、エアギャップ、収納空間、振動空間、または音響箱などと表現することができるが、この用語に限定されるものではない。
【0205】
支持部材300は、グラス材質、金属材質、およびプラスチック材質のうちのいずれかの材質を含むことができる。支持部材300は、ガラス材質、金属材質、およびプラスチック材質のうちの少なくとも1つ以上の材質を積層した積層構造を含むことができる。
【0206】
受動振動部材100および支持部材300のそれぞれは、正方形または長方形を有することができるが、これに限定されず、多角形、非多角形、円形、または楕円形を有することができる。例えば、本明細書の一実施例に係る装置が音響装置またはサウンドバーに適用されるとき、受動振動部材100および支持部材300のそれぞれは、長辺の長さが短辺の長さより2倍以上長い長方形を有することができるが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0207】
結合部材350は、受動振動部材100の背面の縁部分と支持部材300の前面の縁部分との間に連結されるように構成されることで、互いに向き合う受動振動部材100と支持部材300との間にギャップ空間(GS)を設けることができる。
【0208】
本明細書の一実施例に係る結合部材350は、接着性を有しながら圧縮および復元が可能な弾性材料を含むことができる。例えば、結合部材350は、両面テープ、単面テープ、両面フォームテープ、または両面接着フォームパッドを含むことができるが、これらに限定されず、接着性を有しながら圧縮および復元が可能なゴムパッドまたはシリコンパッドなどのような弾性パッドを含むことができる。例えば、結合部材350は、エラストマー(elastomer)から形成され得る。
【0209】
代案として、支持部材300は、受動振動部材100の背面の縁部分を支持する側壁部をさらに含むことができる。支持部材300の側壁部は、支持部材300の前面の縁部分から受動振動部材100の背面の縁部分側に突出されるか、または折り曲げられることで、受動振動部材100と支持部材300との間にギャップ空間(GS)を設けることができる。結合部材350は、支持部材300の側壁部と受動振動部材100の背面の縁部分との間に連結されるように構成され得る。これにより、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の背面を支持することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の背面の縁部分を支持することができる。
【0210】
代案として、受動振動部材100は、支持部材300の前面の縁部分と連結される側壁部をさらに含むことができる。受動振動部材100の側壁部は、受動振動部材100の背面の縁部分から支持部材300の前面の縁部分側に突出されるか、または折り曲げられることで、受動振動部材100と支持部材300との間にギャップ空間(GS)を設けることができる。受動振動部材100は、側壁部によって剛性が増加され得る。この場合、結合部材350は、受動振動部材100の側壁部と支持部材300の前面の縁部分との間に連結されるように構成され得る。これにより、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の背面を支持することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の背面の縁部分を支持することができる。
【0211】
本明細書の一実施例に係る装置は、エンクロージャ250をさらに含むことができる。
【0212】
エンクロージャ250は、1つ以上の振動発生装置200を個別的に覆うように受動振動部材100の背面の縁部分に連結されるか、または結合され得る。例えば、エンクロージャ250は、結合部材251を介して受動振動部材100の背面100aに連結されるか、または結合され得る。エンクロージャ250は、受動振動部材100の背面100aに、1つ以上の振動発生装置200を覆うか、または囲む密閉空間を構成することができる。例えば、エンクロージャ250は、密閉部材、密閉キャップ、密閉ボックス、またはサウンドボックスであり得るが、本明細書の実施例は、これに限定されない。密閉空間は、エアギャップ、振動空間、音響空間、または響箱であり得るが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0213】
エンクロージャ250は、金属材質または非金属材質(または複合非金属材質)のうちの1つ以上の材質を含むことができる。例えば、エンクロージャ250は、金属材質、プラスチック、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができるが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0214】
本明細書の一実施例に係るエンクロージャ250は、受動振動部材100または1つ以上の振動発生装置200の振動時に、受動振動部材100に作用する空気(によるインピーダンス成分を一定に維持させることができる。例えば、受動振動部材100の周囲の空気は、受動振動部材100の振動に対して抵抗するようになり、周波数によって異なる抵抗とリアクタンス成分を有するインピーダンス成分として作用ことになる。これにより、エンクロージャ250は、受動振動部材100の背面100aに、1つ以上の振動発生装置200を囲む密閉空間を構成することで、空気(air)によって受動振動部材100に作用するインピーダンス成分(または、エアインピーダンスまたは弾性インピーダンス)を一定に維持させ、これにより低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させ、高音域帯の音響の音質を向上させることができる。
【0215】
図24は、本明細書の第1および第2実施例に係る振動装置の音響出力特性を示す図である。
図24において、横軸(例えば、X軸)は、周波数(Hz)を表し、縦軸(例えば、Y軸)は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。
【0216】
図24において、太い実線は、本明細書の第1実施例に係る振動装置で振動部の電極層を銀(Ag)で構成した場合の音響出力特性を示す。実線は、本明細書の第2実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成し、金属ラインの幅を15mmに構成した場合の音響出力特性を示す。太い点線は、本明細書の第2実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成し、金属ラインの幅を10mmに構成した場合の音響出力特性を示す。点線は、本明細書の第2実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成し、金属ラインの幅を5mmに構成した場合の音響出力特性を示す。一点鎖線は、本明細書の第1実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成した場合の音響出力特性を示す。金属ラインの幅が、本明細書の実施例に限定されない。
【0217】
図24から分かるように、150Hz以上8kHz以下での平均音圧は、太い実線の場合におよそ73.87dBであり、実線の場合におよそ73.24dBであり、太い点線の場合に73.11であり、点線の場合に72.08であり、一点鎖線の場合に67.72である。また、150Hz以上20kHz以下での平均音圧は、太い実線の場合におよそ77.46dBであり、実線の場合におよそ76.38dBであり、太い点線の場合に75.98であり、点線の場合に75.06であり、一点鎖線の場合に69.44である。
【0218】
図24から分かるように、本明細書の実施例に係る振動装置の場合、200Hz以上の音域帯で60dB以上の音圧を有することが分かる。また、実線および太い点線のそれぞれの平均音圧は、一点鎖線と比較して太い実線の平均音圧と類似した水準に増加することが分かる。
【0219】
したがって、本明細書の実施例に係る振動装置は、比抵抗が高いが相対的に安価なカーボンで構成された電極層を含んでも、60dB以上の音圧を有する音響を出力することができ、金属ラインをさらに含むことで、70dB以上の音圧を有する音響を出力することができる。
【0220】
図25は、本明細書の第1および第2実施例に係る振動装置の他の音響出力特性を示す図である。
図25において、横軸(例えば、X軸)は、周波数(Hz)を表し、縦軸(例えば、Y軸)は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。
【0221】
図25において、太い実線は、本明細書の第1実施例に係る振動装置で振動部の電極層を銀(Ag)で構成した場合の音響出力特性を示す。実線は、本明細書の第2実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成し、金属ラインを振動部の中央部分に構成した場合の音響出力特性を示す。点線は、本明細書の第2実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成し、金属ラインを振動部の縁部分に構成した場合の音響出力特性を示す。一点鎖線は、本明細書の第1実施例に係る振動装置で振動部の電極層をカーボンで構成した場合の音響出力特性を示す。
【0222】
図25から分かるように、150Hz以上8kHz以下での平均音圧は、太い実線の場合におよそ73.87dBであり、実線の場合におよそ72.93dBであり、点線の場合に72.85であり、一点鎖線の場合に67.72である。また、150Hz以上20kHz以下での平均音圧は、太い実線の場合におよそ77.46dBであり、実線の場合におよそ76.20dBであり、点線の場合に75.35であり、一点鎖線の場合に69.44である。
【0223】
図25から分かるように、本明細書の実施例に係る振動装置の場合、200Hz以上の音域帯で60dB以上の音圧を有することが分かる。また、実線および太い点線のそれぞれの平均音圧は、一点鎖線と比較して太い実線の平均音圧と類似した水準に増加することが分かる。そして、実線および点線のように、金属ラインが振動部の縁部分から中央部分に行くほど高音域帯での音圧が増加することが分かる。
【0224】
したがって、本明細書の実施例に係る振動装置は、比抵抗が高いが相対的に安価なカーボンで構成された電極層を含んでも、60dB以上の音圧を有する音響を出力することができ、金属ラインをさらに含むことで、70dB以上の音圧を有する音響を出力することができる。
【0225】
本明細書の実施例に係る振動装置およびこれを含む装置は、以下のように説明することができる。
【0226】
本明細書の実施例に係る振動装置は、第1カバー部材、第2カバー部材、第1カバー部材と第2カバー部材との間にある振動部、第1カバー部材と振動部との間にあるコンタクト部、およびコンタクト部を介して振動部の第1面に連結される第1信号ラインおよび振動部の第1面と反対の振動部の第2面と連結される第2信号ラインを含む信号ケーブルを含むことができる。
【0227】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1電極層、第2電極層、および第1電極層と第2電極層との間にあり、圧電物質を含む振動層を含み、第1信号ラインは、コンタクト部を介して第1電極層と電気的に連結されるように構成され、第2信号ラインは、第2電極層と電気的に連結されるように構成され得る。
【0228】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部の第1部分は、第1電極層の一部と重なることができる。
【0229】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部の第1部分は、第1電極層の一部と連結され、コンタクト部の第2部分は、第1信号ラインと連結され得る。
【0230】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1信号ラインは、コンタクト部と連結され、第2信号ラインは、第2電極層と連結され得る。
【0231】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、第1カバー部材上に配置され、第1電極層と連結された第1金属ライン、および第2電極層上に配置された第2金属ラインをさらに含み、第1信号ラインは、コンタクト部を介して第1金属ラインと電気的に連結され、第2信号ラインは、第2金属ラインと電気的に連結され得る。
【0232】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、第1カバー部材にあり、第1電極層と連結された第1金属ライン、および第2カバー部材にあり、第2電極層と連結された第2金属ラインをさらに含み、第1信号ラインは、コンタクト部を介して第1金属ラインと電気的に連結され、第2信号ラインは、第2金属ラインと電気的に連結され得る。
【0233】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部は、第1振動部および第1振動部と並んで配置された第1振動部と第2振動部を含み、信号ケーブルは、コンタクト部を介して第2振動部の第1面に電気的に連結される第3信号ライン、および第1面と反対の第2振動部の第2面と連結される第4信号ラインをさらに含み、第1信号ラインは、コンタクト部を介して第1振動部の第1面と電気的に連結され、第2信号ラインは、第1振動部の第1面と反対の第1振動部の第2面と電気的に連結され得る。
【0234】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部と第2振動部のそれぞれは、圧電物質を含む振動層、振動層の第1面にある第1電極層、および振動層の第1面と反対の第2面にある第2電極層を含むことができる。
【0235】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1信号ラインは、コンタクト部を介して第1振動部の第1電極層と電気的に連結され、第2信号ラインは、第1振動部の第2電極層と電気的に連結され、第3信号ラインは、コンタクト部を介して第2振動部の第1電極層と電気的に連結され、第4信号ラインは、第2振動部の第2電極層と電気的に連結され得る。
【0236】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、第1信号ラインを第1振動部の第1電極層と連結するための第1コンタクト部材、および第3信号ラインを第2振動部の第1電極層と連結するための第2コンタクト部材を含む、第1コンタクト部材は、第2コンタクト部材から離隔され得る。
【0237】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1コンタクト部材の一部は、第1振動部の第1電極層と重なっており、第2コンタクト部材の一部は、第2振動部の第1電極層と重なることができる。
【0238】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1コンタクト部材は、第1振動部の第1電極層と第1信号ラインの両方に連結され、第2コンタクト部材は、第2振動部の第1電極層と第3信号ラインの両方に連結され得る。
【0239】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、第1振動部の第1電極層と第2振動部の第1電極層との両方に共通して連結され得る。
【0240】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1信号ラインと第3信号ラインとは、共にコンタクト部に共通して連結され得る。
【0241】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、第1カバー部材に配置され、第1振動部の第1電極層と連結された第1金属ライン、第1振動部の第2電極層に形成された第2金属ライン、第1カバー部材に配置され、第2振動部の第1電極層と連結された第3金属ライン、および第2振動部の第2電極層に形成された第4金属ラインをさらに含むことができる。
【0242】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、第1信号ラインと第1金属ラインの両方に連結された第1コンタクト部材、および第3信号ラインと第3金属ラインの両方に連結された第2コンタクト部材を含み、第2信号ラインは、第2金属ラインと連結され、第4信号ラインは、第4金属ラインと連結され、第1コンタクト部材は、第2コンタクト部材から離隔され得る。
【0243】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、第1カバー部材に配置され、コンタクト部を介して第1振動部の第1電極層と連結された第1金属ライン、第2カバー部材に配置され、第1振動部の第2電極層に連結された第1金属ライン、第1カバー部材に配置され、コンタクト部を介して第2振動部の第1電極層と連結された第3金属ライン、および第2カバー部材に配置され、第2振動部の第2電極層に連結された第4金属ラインをさらに含むことができる。
【0244】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、金属層、第1接着層、および第2接着層を含む伝導性両面接着部材を含むことができる。
【0245】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1および第2信号ラインは、銀または銅を含むことができる。
【0246】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1電極層は、第1信号ラインよりも薄いコンタクト部の一部と接触することができる。
【0247】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動層は、複数の第1部分および隣接する第1部分との間に位置する複数の第2部分を含み、複数の第1部分は、圧電物質を含む無機物質を含み、複数の第2部分は、有機物質を含むことができる。
【0248】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の第1部分および複数の第2部分は、振動層の縁方向に沿って交互に繰り返し配置され、複数の第2部分のうちの最も広い第2部分は、振動層の中間部分に配置され、複数の第2部分のうちの最も薄い第2部分は、振動層の外側の縁部分に配置され得る。
【0249】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部は、約0.1mm~5mmの距離だけ第2振動部から離隔され得る。
【0250】
本明細書のいくつかの実施例に係る装置は、受動振動部材、および受動振動部材に連結され、受動振動部材を振動させる振動発生装置とを含み、振動発生装置は、振動装置を含み、振動装置は、振動部、振動部の第1面を覆う第1カバー部材、振動部の第1面と反対の第2面を覆う第2カバー部材、振動部の第1面に連結される第1信号ラインおよび振動部の第2面と連結される第2信号ラインを含む信号ケーブル、および第1カバー部材に配置され、第1信号ラインを振動部の第1面に連結するためのコンタクト部を含むことができる。
【0251】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、金属層、第1接着層、および第2接着層を含む伝導性両面接着部材を含むことができる。
【0252】
本明細書のいくつかの実施例によると、装置は、受動振動部材の背面に配置され、振動発生装置を覆うエンクロージャをさらに含むことができる。
【0253】
本明細書のいくつかの実施例によると、受動振動部材は、金属、プラスチック、木材、紙、繊維、布、皮革、ガラス、ゴム、および鏡のうちの1つ以上の材質を含むことができる。
【0254】
本明細書のいくつかの実施例によると、受動振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投影されるスクリーンパネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡のうちの1つ以上を含むことができる。
【0255】
本明細書のいくつかの実施例に係る振動装置は、第1電極層、第2電極層、および第1電極層と第2電極層との間に配置された振動層を含む振動部、導電性物質を含むコンタクト部、および振動部の第1電極層と電気的に連結された第1信号ラインおよび振動部の第2電極層と電気的に連結された第2信号ラインを含む信号ケーブル、振動部は、信号ケーブルの第2信号ラインとコンタクト部との間に配置され得る。
【0256】
本明細書のいくつかの実施例によると、第2信号ラインの一部は、第1信号ラインの端部を通って延長され、第2信号ラインの一部は、振動部と重畳され、第1信号ラインは、振動部と重畳ならないことができる。
【0257】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、振動部の第2電極層と第2信号ラインとの間に配置された第1金属ライン、および振動部の第1電極層とコンタクト部を連結する第2金属ラインをさらに含み、コンタクト部は、第2金属ラインと第1信号ラインとの間に配置され得る。
【0258】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1金属ラインおよび第2金属ラインは、振動部の長さを横切って半分以上延長され得る。
【0259】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、第1カバー部材、および第2カバー部材をさらに含み、振動部、コンタクト部および信号ケーブルは、第1カバー部材と第2カバー部材との間に配置され、第1金属ラインは、第1カバー部材と接触し、第2金属ラインは、第2カバー部材と接触することができる。
【0260】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、第1カバー部材と接触することができる。
【0261】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、第1カバー部材、および第2カバー部材をさらに含み、振動部、コンタクト部および信号ケーブルは、第1カバー部材と第2カバー部材との間に配置され得る。
【0262】
本明細書のいくつかの実施例によると、コンタクト部は、第1カバー部材と接触することができる。
【0263】
本明細書の実施例に係る振動装置は、装置に配置される振動装置に適用され得る。本明細書の実施例に係る装置(または表示装置)は、モバイルデバイス、映像電話器、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブルデバイス(flexible apparatus)、カーブ・ド・機器(curved apparatus)、スライディング機器(sliding apparatus)、可変機器(variable apparatus)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション、(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)機器、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用され得る。そして、本明細書のいくつかの実施例に係る振動発生装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用され得る。振動発生装置が照明装置に適用される場合、照明装置は、照明およびスピーカーの役割をすることができる。そして、本明細書のいくつかの実施例に係る振動発生装置がモバイルデバイスなどに適用される場合、振動発生装置は、スピーカー、レシーバー、およびハプティックのうちの1つ以上であり得るが、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0264】
以上で説明した本明細書は、前述した実施例および添付された図に限定されるものではなく、本明細書の技術的思想を逸脱しない範囲内で、多様に置換、変形および変更が可能であることが本明細書の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が、本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0265】
次の特徴は、例えば、本技術の1つ以上またはすべての実施例に適用され得る。
【0266】
本明細書の実施例によると、振動部10の第1電極層13と第1カバー部材30との間に重畳または挿入または配置されたコンタクト部70またはコンタクト部70の少なくとも一部は、第1信号ライン92aより相対的に薄い。言い換えれば、コンタクト部70 またはコンタクト部70の一部の高さまたは厚さは、第1信号ライン92aの高さまたは厚さよりも小さい。
【0267】
同様に、選択的に、振動部10の第1電極層13と第1カバー部材30との間に重畳または挿入または配置された第1金属ライン33または第1金属ライン33の少なくとも一部は、第1信号ライン92aより相対的に薄い。言い換えれば、第1金属ライン33または第1金属ライン33の少なくとも一部の高さまたは厚さは、第1信号ライン92aの高さまたは厚さよりも小さい。
【0268】
同様に、選択的に、第1振動部10Aの第1電極層13と第1カバー部材30との間に重畳または挿入または配置された(共通)コンタクト部70または第1コンタクト部材70A、または第1コンタクト部70Aまたは第1コンタクト部材70Aの少なくとも一部は、第1信号ライン92aより相対的に薄い。言い換えれば、コンタクト部70または第1コンタクト部材70A、または第1コンタクト部70Aまたは第1コンタクト部材70Aの少なくとも一部の高さまたは厚さは、第1信号ライン92aの高さまたは厚さよりも小さい。
【0269】
同様に、選択的に、第1振動部10Aの第1電極層13と第1カバー部材30との間に重畳または挿入または配置された第1金属ライン33または第1金属ライン33の少なくとも一部は、第1信号ライン92aより相対的に薄い。言い換えれば、第1金属ライン33または第1金属ライン33の少なくとも一部の高さまたは厚さは、第1信号ライン92aの高さまたは厚さよりも小さい。
【0270】
同様に、選択的に、第2振動部10Bの第1電極層13と第1カバー部材30との間に重畳または挿入または配置された(共通)コンタクト部70または第2コンタクト部材70B、または第2コンタクト部70Bまたは第2コンタクト部材70Bの少なくとも一部は、第3信号ライン92cより相対的に薄い。言い換えれば、コンタクト部70または第2コンタクト部材70B、または第2コンタクト部70Bまたは第2コンタクト部材70Bの少なくとも一部の高さまたは厚さは、第3信号ライン92cの高さまたは厚さよりも小さい。
【0271】
同様に、選択的に、第2振動部10Bの第1電極層13と第1カバー部材30との間に重畳または挿入または配置された第3金属ライン37または第3金属ライン37の少なくとも一部は、第3信号ライン92cより相対的に薄い。言い換えれば、第3金属ライン37または第3金属ライン37の少なくとも一部の高さまたは厚さは、第3信号ライン92cの高さまたは厚さよりも小さい。
【0272】
さらに、選択的に、本明細書の実施例によると、振動部10または第1振動部10Aの第2電極層15と第2カバー部材50との間に重畳または挿入または配置された第2金属ライン35または第2金属ライン35の少なくとも一部は、第2信号ライン92bより相対的に薄い。言い換えれば、第2金属ライン35または第2金属ライン35の少なくとも一部の高さまたは厚さは、第2信号ライン92bの高さまたは厚さよりも小さい。
【0273】
同様に、本明細書の実施例によると、第2振動部10Bの第2電極層15と第2カバー部材50との間に重畳または挿入または配置された第4金属ライン39または第4金属ライン39の少なくとも一部は、第4信号ライン92dより相対的に薄い。言い換えれば、第4金属ライン39または第4金属ライン39の少なくとも一部の高さまたは厚さは、第4信号ライン92dの高さまたは厚さよりも小さい。
【0274】
上述のように、8つまたは厚さは、第1カバー部材30から第2カバー部材50に延長されるか、またはその逆に延長される方向(垂直方向)に沿って測定され得る。
【符号の説明】
【0275】
1~7 振動装置
10 振動部
10A 第1振動部
10B 第2振動部
11 振動層
13 第1電極層
15 第2電極層
30 第1カバー部材
50 第2カバー部材
70 コンタクト部
71 第1コンタクト部材
72 第2コンタクト部材
90 信号ケーブル
100 受動振動部材
200 振動発生装置
300 支持部材