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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】直動機構
(51)【国際特許分類】
   B25J 18/02 20060101AFI20240501BHJP
   F16G 13/12 20060101ALI20240501BHJP
   F16G 13/20 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B25J18/02
F16G13/12 Z
F16G13/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022535307
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 JP2021025235
(87)【国際公開番号】W WO2022009816
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2020117777
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今坂 幸介
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-015885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0331204(US,A1)
【文献】特開昭62-241692(JP,A)
【文献】特開平05-142368(JP,A)
【文献】特開平04-029660(JP,A)
【文献】国際公開第2010/070915(WO,A1)
【文献】特開平08-169693(JP,A)
【文献】特開2001-165217(JP,A)
【文献】特開2001-253689(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0007232(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 5/02-18/06
B66F 3/28- 7/02
F16G 13/12-13/20
F16H 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在に多段に組まれる複数の直動要素と、
列状に連結される複数のブロックからなる単一のブロック列であって、前記複数のブロックのうち先頭のブロックは前記複数の直動要素のうち先頭の直動要素に接続される単一のブロック列と、
前記ブロック列を円弧状に収容する収容部と、
前記直動要素を伸長させるために前記ブロック列を前記収容部から送り出し、前記直動要素を収縮させるために前記ブロック列を前記収容部に引き戻すためのトルクを発生するトルク発生部と、
前記トルク発生部で発生したトルクを前記ブロック列に伝達するためアームとを具備し、
前記ブロック各々は、前記ブロック各々の前側又は後側の端部箇所において前記ブロック各々の前側又は後側に隣接する他のブロックの後側又は前側の端部箇所に当接することで、一方向への回動が規制され、他方向への回動を許容する構造を有し、
前記収容部は、前記ブロック列を前記円弧状に収容するとともに、前記収容部内において前記ブロック列の進行方向に直交する2つの方向への移動を規制するための第1部材と第2部材とを有し、前記第1部材は、前記ブロック列の一方の側面側に設けられ、前記第2部材は前記ブロック列の他方の側面側に設けられる、
直動機構。
【請求項2】
前記第1部材と前記第2部材とは、前記収容部から送り出され、直線状に配列された前記複数のブロック各々の連結軸により規定される直線方向が、前記収容部に円弧状に収容された複数のブロック各々の連結軸により規定される円弧の接線方向に一致するように前記収容部内に設けられる、
請求項1記載の直動機構。
【請求項3】
前記トルク発生部の回転軸は前記収容部の円弧中心に配置され、
前記アームの一端は前記トルク発生部の回転軸に接続され、他端は前記複数のブロックのうち最後尾のブロックに接続される、
請求項1又は請求項2記載の直動機構。
【請求項4】
前記アームの他端は、前記収容部に収容された前記ブロック列の連結軸が配列された円弧上において、前記最後尾のブロックに接続される、請求項3記載の直動機構。
【請求項5】
前記アームの他端と前記最後尾のブロックとは回転自在に接続される、請求項3記載の直動機構。
【請求項6】
前記アームの他端は前記第1部材と前記第2部材との間に挿し込まれている、請求項1記載の直動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
直動機構は、ロボット装置の肘関節を不要にできることから、ロボット装置の安全性を向上する有効な機構であり、人と協働して作業を行うことができる協働ロボットへの適用が期待されている。直動機構としては、複数の第1コマ(平板)が回動軸により屈曲可能に連結された第1コマ列と、同様に複数の第2コマ(ブロック)が屈曲可能に連結された第2コマ列とを接合させることにより、柱状体としてのアーム部を構成させるとともに、第1、第2のコマ列を分離させ屈曲可能な列状体として支柱部内に縦方向に収容させる構造が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5317362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直動機構において、構造の簡素化、小型化、軽量化をしながら、アームの伸縮長の拡大の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る直動機構は、伸縮自在に多段に組まれる複数の直動要素と、列状に連結される複数のブロックからなるブロック列であって、複数のブロックのうち先頭のブロックは複数の直動要素のうち先頭の直動要素に接続されるブロック列と、ブロック列を円弧状に収容する収容部と、直動要素を伸長させるためにブロック列を収容部から送り出し、直動要素を収縮させるためにブロック列を収容部に引き戻すためのトルクを発生するトルク発生部と、トルク発生部で発生したトルクをブロック列に伝達するためアームとを具備する。トルク発生部の回転軸は収容部の円弧中心に配置され、アームの一端はトルク発生部の回転軸に接続され、他端は複数のブロックのうち最後尾のブロックに接続される。
【発明の効果】
【0006】
一態様によれば、直動機構において、構造の簡素化、小型化、軽量化をしながら、アームの伸縮長の拡大を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る収縮時の直動伸縮機構の斜視図である。
図2図2は、伸長時の直動伸縮機構の斜視図である。
図3図3は、図1の直動伸縮機構を筐体と直動アームとを分離した状態で示す側面図である。
図4図4は、収縮時の直動伸縮機構の内部構造を示す側面図である。
図5図5は、伸長時の直動伸縮機構の内部構造を示す側面図である。
図6図6は、図5のブロックを斜め前方から示す斜視図である。
図7図7は、図5のブロックを斜め後方から示す斜視図である。
図8図8は、ガイドレールに沿って筐体内に収納された状態の直動アームを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る直動機構を説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。本実施形態に係る直動機構は、それ単独で使用することができるし、ロボットアーム機構の直動関節としても使用することができるものである。
【0009】
図1図2に示すように、直動機構1は伸縮自在な直動アーム20を有する。典型的には、直動アーム20は、多段に組まれた複数の直動要素からなる。本実施形態では、直動アーム20は、テレスコピック構造(多段入れ子構造)に組まれた複数、ここでは4つの直動要素(以下筒体という)21,22,23,24により構成される。筒体21,22,23,24としては典型的には円筒形状である。しかしながら、各筒体は角筒形状であってもよい。直動アーム20は筐体10に支持される。
【0010】
典型的には、筐体10は、上部の略1/4円の範囲が切り欠かれた略短円筒形に構成される。図3に示すように、筐体10の上部の切り欠き箇所にはマウント板19が取り付けられる。マウント板19には直動アーム20の後端、すなわち最後尾の筒体24の後縁に形成されたフランジ29が接合され、ボルト等により締結される。マウント板19には、開口191があけられている。それにより、筐体10の内部が筒体21,22,23,24の中空内部と連通する。図4図5に示すように、筐体10の内部から筒体21,22,23,24の中空内部にわたって連通する内部空間にはブロック列40が挿入されている。開口191はブロック列40が筐体10から出入りするための出入り口となる。ブロック列40は複数のブロック41が列状に連結されてなる。ブロック列40の先頭のブロック41は、複数の筒体21,22,23,24のうち先頭の筒体21に接続される。
【0011】
筐体10の内部にはブロック列40を筐体中心Rcを中心とした円弧軌道に沿って収容するための収容部を有する。収容部は、ブロック列40を一方の側面から規制する第1部材と他方の側面から規制する第2部材とを有する。典型的には、第1部材として、筐体10の一方の側板の内面には、収容部としての一対のガイドレール13,14が設けられる。同様に、第2部材として、筐体10の他方の側板の内面には、一対のガイドレール13,14が設けられる。ガイドレール13、14は、後述のブロック41に取り付けられたカムフォロア48,49をその内側と外側とからそれぞれ案内するように構成される。典型的には、ガイドレール13,14は、円弧形に湾曲した線条体に構成され、円弧中心が筐体中心Rcに一致するように配置される。外側のガイドレール14の案内面と内側のガイドレール13の案内面との間の間隔は、カムフォロア48,49の直径と等価又はカムフォロア48,49の直径よりも若干大きい。直動アーム20が最も収縮した状態において、ブロック列40は、そのほとんどが筐体10の内部に収容される。ブロック列40は、筐体10の内部において、ガイドレール13,14による規制を受けて、筐体中心Rcを中心とした円弧状に収容される。
【0012】
(筐体10の内部の駆動機構)
筐体10の内部には、ブロック列40の送り出し動作及び引き戻し動作を実現する駆動機構30が設けられる。駆動機構30は、トルク発生部と回転アーム35とを有する。トルク発生部は、モータ(図示しない)とその回転速度を減速する減速機31を有する。減速機31は、その回転軸33の回転中心が筐体中心Rcと一致するように配置される。減速機31の回転軸33に、棒状の回転アーム35の一端(基端)が接続される。回転アーム35の他端(先端)は、最後尾のブロック41に接続される。回転アーム35の先端と最後尾のブロック41との接続構造の詳細は後述する。
【0013】
(直動機構の動作説明)
上記のように構成された駆動機構30によれば、モータ、減速機31及び回転軸33により発生されたトルクは回転アーム35によりブロック列40に伝達され、それにより、ブロック列40を筐体10の内部から直動アーム20の内部に送り出し、直動アーム20の内部から筐体10の内部に引き戻すことができる。
【0014】
具体的には、モータの順方向への回転に伴って、回転アーム35の先端が筐体中心Rcを中心として順方向に回転する。回転アーム35の先端が接続された最後尾のブロック41は、回転アーム35の先端とともに、ガイドレール13,14により規定された円弧軌道に沿って、開口191に近づく向き(順方向)に移動される。最後尾のブロック41の移動に伴って、先頭側のブロック41から順に筐体10の内部から開口191を通じて直動アーム20の内部に送り出され、先頭のブロック41はアーム中心線CL1と平行な軸に沿って前方に移動される。先頭のブロック41は先頭の筒体21に接続されているため、先頭のブロック41の前方への移動に伴って、筐体10に固定された最後尾の筒体24から他の筒体21,22,23が次々に引き出され、その結果、直動アーム20は円筒中心線CL1に沿って前方に伸長される。
【0015】
モータの逆方向への回転に伴って、回転アーム35の先端が筐体中心Rcを中心として逆方向に回転する。回転アーム35の先端が接続された最後尾のブロック41は、回転アーム35の先端とともに、ガイドレール13,14により規定された円弧軌道に沿って、開口191から遠ざかる向き(逆方向)に移動される。最後尾のブロック41の移動に伴って、後端側のブロック41から順に直動アーム20の内部から開口191を通じて筐体10の内部に引き戻され、先頭のブロック41はアーム中心線CL1と平行な軸に沿って後方に移動される。先頭のブロック41の後方への移動に伴って、先頭の筒体21から順にその後方の筒体に収容され、その結果、直動アーム20は円筒中心線CL1に沿って後方に収縮される。
【0016】
このように、ブロック列40は、直動アーム20の伸縮を駆動するアクチュエータの一部を構成する。直動アーム20を多段入れ子構造に組まれた複数の筒体21,22,23,24で構成するとともに、その伸縮のアクチュエータを単一のブロック列40により構成することにより、構造が簡素化され、軽量化が実現され、多段入れ子構造とブロック列とにより相乗的に直動アーム20の強度が向上する。
【0017】
また、駆動機構30の回転アーム35はブロック列40の最後尾のブロック41に接続されているため、最後尾のブロック41に接続された回転アーム35が開口191に差し掛かるまで、ブロック列40を直動アーム20の内部に送り出すことができる。それにより、直動アーム20の伸長距離を、ブロック列40の全長とほぼ等価の長さにまで伸ばすことができる。さらに、回転アーム35の回転を利用してブロック列40の筐体10から押し出し、筐体10に引き戻す駆動機構30は、ブロック41に形成したギアと駆動ギアとの噛み合わせによりブロック列40を筐体10から送り出し、筐体10に引き戻す駆動機構に比べて、以下の点で優位である。すなわち、噛み合わせ不良などのギア特有の不良が発生しないため、ブロック列40の駆動不具合の発生リスクを低減することができる。また、モータの回転トルクをブロック列40に伝達する伝達機構にギアを使用していないため、ギア歯の欠損などによる屑の発生を抑えられる。それにより、衛生管理の厳しい食品の製造ラインでも活用できる。ブロック41にギアを形成する必要がないため、ブロック41を高い剛性を有する素材で形成する必要がなく、ブロック自体のコストを低減できるとともにブロック41を軽量化できる。特に、円弧軌道上においてブロック41のギアと駆動ギアとを噛み合わせる場合には、円弧状に湾曲した精密なギアを形成する必要があり、ブロック41の部品コストはさらに高い。このように、ブロック41にギアを形成しないことによるコスト低減の効果はさらに大きい。一方、直線軌道上においてブロック41のギアと駆動ギアとを噛み合わせる場合には、ブロック列40が直線状に整列する直動アーム20の内部に駆動ギアを設ける必要があるため、直動アーム20が大型化してしまう。本願の構成によれば、回転アーム35でブロック列40を押し引きするという非常に簡素な構造でブロック列40の移動を駆動することができる。また、ブロック列40を収容する円弧軌道の中心付近に駆動機構30の主要な構成要素を集中配置することができるため、直動機構1の不要な大型化、重量化を抑えられるとともに、他の部品配置の自由度を向上することができる。
【0018】
図6図7に示すように、ブロック41はブロック本体42を有する。ブロック本体42は、例えば直方体形の概形形状を有する。ブロック本体42の前端には前方に突出する2つの軸受け43,44が幅方向に離間して設けられる。ブロック本体42の後端には、ブロック本体42と一体的に形成された軸受け45,46,47が幅方向に離間して設けられる。ブロック本体42の前端の軸受け43,44の軸孔と後端の軸受け45,46,47の軸孔とはブロック本体42の高さ中央に位置する。隣り合う2つのブロック41のうち一方のブロック41の前端の軸受け43が他方のブロック41の後端の軸受け44,45の間に嵌め込まれ、一方のブロック41の前端の軸受け44が他方のブロック41の後端の軸受け45,46の間に嵌め込まれ、連続する孔に図示しない連結軸が挿入される。それにより隣接する2つのブロック41は高さ中央において回動可能に連結される。ブロック41は連結軸に直交する方向(連結方向)に沿って列状に連結される。
【0019】
ブロック列40の送り出し動作及び引き戻し動作の平滑性を向上しながら、直線状に並んだ状態のブロック列40の剛性を確保するために、直線状に並んだ状態で、隣接する2つのブロック41は互いの端面どうしが当接し、それ以上の上方への回動が規制され、下方への回動は許容されるように、ブロック本体42は構成される。
【0020】
ブロック本体42の両側面には、筐体10の内部に設けられたガイドレール13,14を転動する一対のカムフォロア48、49が突状に設けられる。
【0021】
カムフォロア48、49は、ブロック列40が円弧軌道に沿って平滑に移動することができるように、図8に示すように、側面視においてカムフォロア48(49)の外輪回転軸がブロック41を連結する連結軸とともに筐体中心Rcを中心とする円CO1上に配列される。典型的には、カムフォロア48、49は、それぞれの外輪回転軸がブロック41の連結軸と同軸になるようにブロック本体42に取り付けられている。それにより、ブロック列40はガイドレール13,14による規制を受けて筐体10内に円弧軌道に沿って平滑に移動する。
【0022】
回転アーム35の先端は、筐体10の内部に筐体中心Rcを中心とした円弧状に収容されたブロック列40の連結軸が配列された円CO1上において、最後尾のブロック41に接続される。具体的には、回転アーム35の先端は、ブロック41の先端と同様な軸受け構造を有する。回転アーム35の先端は、最後尾のブロック41の後端の軸受け45,46,47の間に嵌め込まれ、連続する軸孔に軸が挿入される。それにより、回転アーム35の先端は最後尾のブロック41に回転自在に接続される。
【0023】
ブロック同士の連結軸の遊びなどによってブロック列40にガタツキを生じさせ、筐体中心Rcに対する最後尾のブロック41の向きが変化する可能性がある。回転アーム35と最後尾のブロック41との間が固定されていないことで、回転アーム35を最後尾のブロック41の向きの変化に追従させることができる。これは、ブロック列40の送り出し動作及び引き戻し動作の平滑性の向上に寄与する。
【0024】
また、ブロック列40の連結軸と同一の円CO1上において、回転アーム35の先端が最後尾のブロック41に接続されていることで、ブロック41が回転アーム35から受ける荷重方向を連結軸に直交する連結方向に一致させることができるため、ブロック列40の高さ方向(上下方向)へのガタツキを抑えながら、回転アーム35によるブロック列40の送り出し動作及び引き戻し動作を実現できる。
【0025】
さらに、回転アーム35の先端は、筐体10の一方の側板の内面に設けられたガイドレール13と他方の側板の内面に設けられたガイドレール13との間に挿し込まれ、ブロック列40の最後尾のブロック41に接続される。回転アーム35の先端を、最後尾のブロック41の高さ中央、幅中央において接続することができることで、回転アーム35の先端が最後尾のブロック41の側面において接続される場合に比べて、ブロック列40の幅方向(左右方向)へのガタツキを抑えながら、回転アーム35によるブロック列40の送り出し動作及び引き戻し動作を実現できる。
【0026】
ブロック41がガイドレール13,14に沿って移動できるのであれば、ガイドレール13,14に係合する突状体48、49はカムフォロアに限定されることはない。突状体48、49としては、レール表面を転動する転動体やレール表面を摺動する摺動体を適宜採用することができる。転動体としては、円筒形状、針状、棒状、円錐状、球状などの各種軸受けが挙げられる。摺動体としては、少なくともガイドレール13,14に接触する面が自己潤滑性樹脂製の筒体、棒状体などが挙げられる。
【0027】
ブロック列40を円弧軌道に沿って収容することができるのであれば、その収容構造は本実施形態に限定されない。本実施形態では、ブロック41に取り付けられたカムフォロア48,49を筐体10の側板の内面に設けたガイドレール13,14で規制する構成としたが、筐体10の内面に円弧状に設けた溝にカムフォロア48,49を嵌め込み、規制するようにしてもよい。また、ブロック41にカムフォロア48,49を設けずに、ブロック41を直接的に規制し、円弧軌道に沿って収容するようにしてもよい。
【0028】
本実施形態に係る直動アーム20は、テレスコピック構造に限定されることはない。例えば、直動アーム20は縦続された複数の直動案内機構により構成されてもよい。複数の直動案内機構のうち最後尾の直動案内機構のレールを支持するベースがマウント板19に水平に固定され、先頭の直動案内機構のスライダに対して、ブロック列40の先頭のブロック41が接続される。ブロック列40の前後の移動に伴って、複数の直動案内機構からなる直動アームは伸縮される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0030】
1…直動機構1、10…筐体、13,14…ガイドレール、19…マウント板、191…開口、20…直動アーム、21,22,23,24…筒体、29…フランジ、30…駆動機構、31…減速機、33…回転軸、35…回転アーム、40…ブロック列、41…ブロック、42…ブロック本体、43,44,45,46、47…軸受け、48,49…カムフォロア。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8