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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】食品用指示計の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/12 20060101AFI20240501BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240501BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240501BHJP
   B32B 37/02 20060101ALI20240501BHJP
   G01N 33/84 20060101ALI20240501BHJP
   A23B 4/00 20060101ALN20240501BHJP
【FI】
G01N33/12
B32B27/00 Z
B65D65/40 D
B32B37/02
B32B27/00 C
G01N33/84 A
A23B4/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022539244
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 KR2020019089
(87)【国際公開番号】W WO2021133098
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173831
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グレイス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ド・ワン・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン・シク・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ジュン・ホン
【審査官】中村 直子
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1771224(KR,B1)
【文献】特開2002-129139(JP,A)
【文献】特開2008-195445(JP,A)
【文献】特開平07-049656(JP,A)
【文献】国際公開第2009/060972(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/00-33/46
B32B 27/00
B65D 65/40
B32B 37/02
G01N 33/84
A23B 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面にpH感応型指示剤を含む指示層が形成された第1フィルムと一面に接着層が形成された第2フィルムを、前記第1フィルムの指示層と前記第2フィルムの接着層が互いに向かい合うように、前記第1フィルムと第2フィルムを結合させるステップを含み、
前記第2フィルムの接着層は、前記第2フィルムの一面に接着剤組成物をコーティングして形成され、前記第1フィルムと第2フィルムを結合させるステップは、前記第2フィルムの一面にコーティングされた前記接着剤組成物が乾燥した後に行われるものであり、
前記第1フィルムの指示層は、pH感応型変色インキ及び非変色インキを含んで形成されたものであり、前記非変色インキは、pH変化により色相が変化しない顔料であるものである、食品用指示計の製造方法。
【請求項2】
記接着剤組成物は、揮発性成分を含み、前記揮発性成分は、前記接着剤組成物の総重量対比1重量%以下となるように構成されるものである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項3】
前記第2フィルムの接着層は、前記第2フィルムの一面に水溶液系接着剤、エマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤、又はこれらの混合物をコーティングして形成されたものである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項4】
前記第1フィルムの指示層は、前記第1フィルムの一面に少なくとも1つのpH感応型変色インキと少なくとも1つの非変色インキを交互に印刷することにより形成されるものである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項5】
前記第1フィルムの指示層は、前記第1フィルムの一面に少なくとも1つのpH感応型変色インキと少なくとも1つの非変色インキを交互にグラビア方式で印刷して形成されたものである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項6】
前記指示層は、気体吸着物質を含む、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項7】
前記指示層は、前記接着層と向かい合う一面に白色インキ層をさらに含み、
前記第1フィルムと第2フィルムを結合させるステップは、前記白色インキ層と前記接着層が接触するように前記第1フィルムと第2フィルムが結合されることである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項8】
前記第2フィルムは、白色フィルムである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項9】
前記第1フィルムは、非通気性フィルムであり、
前記第2フィルムは、通気性フィルムである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項10】
前記第2フィルムの背面に離型紙を付着するステップをさらに含むものである、請求項1に記載の食品用指示計の製造方法。
【請求項11】
pH感応型指示剤を含む指示層が形成された第1フィルムと接着層が形成された第2フィルムで形成されている食品用指示計であって、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の食品用指示計の製造方法により製造されたものである、食品用指示計。
【請求項12】
請求項11に記載の食品用指示計を含む、食品用包装材。
【請求項13】
請求項12に記載の食品用包装材により包装された、食品。
【請求項14】
前記食品は、冷蔵肉、加工肉、醗酵食品のうち少なくとも1つの食品群を含む、請求項13に記載の食品。
【請求項15】
請求項11に記載の食品用指示計を用いて、食品の保管状態を確認する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、包装状態の食品の品質変化を目視で確認することができる食品用指示計及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水分、湿度、温度、pH、UV露出、圧力、気体接触などを変色因子として色相が変化する変色インキが絶え間なく研究開発されている。特に、食品分野においては、食品の品質確認又は食品の安全性確認のために、食品の保管及び流通中に食品の変化を感知して目視で確認することができる変色インキを用いた指示計が研究開発されている。
【0003】
食品の品質又は食品の安全性を確認するための指示計は、食品の変化を感知して目視で確認可能な形態で示さなければならないので、変色因子の小さい変化にも反応することができる敏感度、及び目視で確認が可能であるように視認性を確保することが重要な要素である。
【0004】
このように指示計の敏感度及び視認性を確保するためには、食品から発生する変色因子以外に、外部変色因子からの指示計の変色可能性を最小化することが必要である。例えば、pH変化を変色因子とするpH感応型変色インキを含む指示計の場合、食品から発生する変色因子以外にも、空気中の二酸化炭素又は多様な揮発性化合物など、周辺環境に存在するpHを変化させる外部変色因子を完全に除去することができないので、外部変色因子からの変色可能性を最小化することができる技術が要求される。
【0005】
よって、本発明者達は、pH感応型変色インキを含む食品用指示計を製造する過程において、外部のpH変色因子からの変色可能性を最小化する方案を考案すべく本出願を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一側面において、一面にpH感応型指示剤を含む指示層が形成された第1フィルムと一面に接着層が形成された第2フィルムを、前記第1フィルムの指示層と前記第2フィルムの接着層が互いに向かい合うように、前記第1フィルムと第2フィルムを結合させるステップを含む食品用指示計の製造方法を提供する。
【0007】
一側面において、pH感応型指示剤を含む指示層が形成された第1フィルムと接着層が形成された第2フィルムで形成されている食品用指示計であって、食品用指示計の製造方法により製造された食品用指示計を提供する。
【0008】
一側面において、前記食品用指示計を含む食品用包装材を提供する。
【0009】
一側面において、前記食品用包装材、及び食品用包装材により包装された食品を提供する。
【0010】
一側面において、前記食品用指示計を用いて、食品の保管状態を確認する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願の一側面によると、本出願は、一面にpH感応型指示剤を含む指示層が形成された第1フィルムと一面に接着層が形成された第2フィルムを、前記第1フィルムの指示層と前記第2フィルムの接着層が互いに向かい合うように、前記第1フィルムと第2フィルムを結合させるステップを含む、食品用指示計の製造方法を提供する。
【0012】
本明細書において、「指示層」は、pH感応型指示剤を含む層であって、pH感応型指示剤は、pH感応型変色インキを含む組成物により形成されてよい。前記「pH感応型変色インキ」は、pH変化により変色する顔料を用いるものであってよい。
【0013】
例えば、前記変色インキは、pHの増加又は減少により色相が変化するか、二酸化炭素、硫化水素(HS)、酢酸などのような揮発性気体及び/又はトリメチルアミン(Trimethylamine、TMA)、ジメチルアミン(Dimethylamine、DMA)、酸素(O)、アンモニア(Ammonia、NH)などのような揮発性塩基アミン全体(Total volatile basic amine)との接触によってpH増加又は減少により色相が変化するものであってよい。
【0014】
一方、前記変色インキは、魚、鶏肉、牛肉などの腐敗時に発生する塩基化合物により引き起こされるpH変化により変色するものであってよい。また、前記変色インキは、気体調節包装方法に用いられる設定された二酸化炭素濃度が食品の保管中に変化したとき、変化した二酸化炭素濃度により引き起こされたpH変化により変色するものであってよい。
【0015】
また、前記変色インキは、指示層内のPEIのような気体吸着物質と二酸化炭素が反応するときに形成されるカルバミン酸によって引き起こされるpH変化により変色するものであってよい。さらに、前記変色インキは、二酸化炭素と食品保管中に発生する物質の反応により生成された水(HO)とが反応して炭酸が形成される反応によって引き起こされたpH変化により変色するものであってよい。
【0016】
前記指示層を含む「食品用指示計」が、食品が保管された状態のpH変化を目視で確認できるようにするため、例えば、これを食品用包装材に適用する場合、包装された食品の保管状態を容易に測定することができる。食品用指示計の効果はこれに限定されるものではなく、指示層の構成に関しては後述する。
【0017】
先ず、食品用指示計を製造するためには、例えば、一面にpH感応型指示剤を含む指示層が形成された第1フィルムと一面に接着層が形成された第2フィルムを準備し、前記準備された第1フィルムと第2フィルムを、前記第1フィルムの指示層と前記第2フィルムの接着層が互いに向かい合うように結合させることができる。
【0018】
本明細書において、食品用指示計の各層が形成された構造を示すに際し、前記「形成」は、当該層が介在されていることを意味する。当該層は、積層工法により形成されたものであってよく、印刷工法により形成されたものであってもよく、形成方法が特に制限されるものではない。
【0019】
図1aに示されているように、食品用指示計は、第1フィルム、指示層、接着層、第2フィルムが順次形成された構造を含んでよい。また、前記各層とフィルムとの間には異なる機能を有する複数の層が含まれてよく、例えば、水分転移防止層、熱伝導防止層、気体透過防止層、光透過防止層などが追加で介在されていてよい。
【0020】
図1b及び図1cに示されているように、本出願による第1フィルムの一面には、pH感応型指示剤を含む指示層が形成されてよい。第2フィルムの一面には接着層が形成されてよく、この際、一実施形態により、第2フィルムの一面に接着剤組成物が塗布又は噴射コーティングされて乾燥され、前記接着層が形成されてよい。前記第1フィルムと第2フィルムは順次又は同時に形成されてよい。
【0021】
本出願の一実施形態において、前記第1フィルムと第2フィルムの付着は、前記第2フィルムの一面に接着剤組成物がコーティングされ乾燥された後に行われてよい。具体的に、第2フィルムの一面に接着層が形成された後、前記接着層が第1フィルムの指示層と向かい合うように前記第1フィルムと第2フィルムが付着され得る。これは、第2フィルムの接着層を形成する接着剤組成物が乾燥されていない状態で第1フィルムの指示層と付着される場合、接着剤組成物内のpH調整剤、酸成分又は揮発性成分の揮発などにより、pH感応型指示剤を含んだ指示層の色変化を引き起こし得るためである。
【0022】
前記第2フィルムの接着層を形成する接着剤組成物は、揮発してpHを変化させることができる成分を含んでいる接着剤組成物であれば限定されないが、具体的に、水溶液系接着剤、エマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤、無溶剤型接着剤、固相接着剤、フィルム型接着剤などの組成物であってよい。
【0023】
前記水溶液系接着剤は、例えば、ウレア系接着剤、メラミン系接着剤などであってよく、前記エマルジョン型接着剤は、ポリビニルアセテート系接着剤、アクリル系接着剤などであってよく、前記溶剤型接着剤は、アクリル系接着剤、クロロプレン系接着剤、セルロース系接着剤、ウレタン系接着剤などであってよく、前記無溶剤型接着剤は、エポキシ系接着剤などであってよく、前記固相接着剤は、エチレンビニルアセテート系接着剤、エポキシ系接着剤などであってよく、フィルム型接着剤は、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤などであってよい。より具体的には、接着剤が均一にコーティングされるようにするために、水溶液系接着剤、エマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤又はこれらの混合物を用いることであってよい。
【0024】
より具体的に、前記接着層を形成するために、水溶液系接着剤、エマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤又はこれらの混合物組成物を用いる場合、接着剤の乾燥時に接着剤組成物内の水、エタノールなどの溶媒と揮発性バインダーなどの揮発によるpH変化が引き起こされるので、前記指示層と接着層の接触は、接着層形成のために塗布した接着剤組成物が乾燥された後に行うことであってよい。前記接着層が十分乾燥されると、指示層に接合時に指示層に含まれている変色インキに組成物の変色を誘導し得る因子が伝達されて発生する変色を最小化することができる。
【0025】
このとき、前記接着剤組成物が十分乾燥されるか否かは、インキの色相の滲み有無に基づいて目視で確認することができる。さらに具体的には、接着層の接着剤組成物全体のうち溶媒を含めた揮発性成分が、乾燥前の接着剤組成物の重量対比1重量%以下、より具体的に0.5重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、又は0重量%(すなわち、全く残留しない)以下で残留した状態を示すことであってよい。前記接着剤組成物の乾燥方式は、接着層の形成に用いる接着剤組成物により変わることがあり、例えば、常温乾燥、熱乾燥、UV乾燥などの方法で行うことであってよく、これに制限されるものではない。
【0026】
一側面において、前記接着剤組成物を熱乾燥する場合、温度はこれに制限されるものではないが、例えば、接着剤内の溶媒の気化温度以上で行われることであってよい。例えば、前記接着剤の乾燥は、エタノールのような有機系溶媒を用いる接着剤組成物の場合、接着剤を塗布した後、60℃から100℃で行われることであってよい。
【0027】
このように第2フィルム上に形成された接着層が乾燥された後、前記接着層が第1フィルム上に形成された指示層と向かい合うように前記第2フィルムと第1フィルムを接触させることで、第1フィルムの指示層の変色を防止するという効果を奏することができる。
【0028】
また、図2に示されているように、また他の一側面による食品用指示計の指示層は、前記接着層と向かい合う一面に白色インキ層をさらに含んでよい。さらに、前記第1フィルムと第2フィルムを結合させるステップは、前記白色インキ層と前記接着層が接触するように前記第1フィルムと第2フィルムが結合されることであってよい。
【0029】
これにより、白色インキ層上に接着層と第2フィルムが順次積層されてよく、各層の間に異なる機能を有する他の層が介在された構造をさらに含んでよい。
【0030】
前記白色インキ層は、指示層の色相を明確に示すようにして、指示層の色相が変化するときの色相変化の視認性を高めるためのものであってよい。前記白色インキ層は、白色インキを含む組成物により形成されるものであって、前記白色インキは、二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン(Lothopon)、硫化亜鉛(ZnS)、鉛白(lead white)、酸化アンチモン(antimony shite)などの無機顔料及び白色有機顔料よりなる群から選択される1種以上の顔料を用いるものであってよい。
【0031】
前記のように、白色インキ層を含む食品用指示計を製造するため、前記食品用指示計の製造方法は、第1フィルムの一面に形成された指示層の一面を第2フィルムの接着層と接触させる前に、指示層の一面に白色インキを用いて白色インキ層を形成するステップを含むことであってよい。この場合、前記接着層と接触される面は、指示層の一面の最外側に介在された白色インキ層である。
【0032】
また他の一側面において、前記指示層の最外側に白色インキ層を形成するとき、白色インキ自体のpHにより、もしくは、白色インキ組成物の乾燥時の気体揮発により指示層が変色する問題があり得る。これにより、前記指示層の最外側に白色インキ層を形成せずに、前記第2フィルムを白色フィルムで形成することにより、指示層の色相変化の視認性を高め、食品品質の確認の正確性を優秀にするという効果を奏することもできる。
【0033】
食品用指示計において、前記第1フィルムの一面に形成された指示層は、pH感応型変色インキ及び非変色インキを含んで形成されたものであってよい。例えば、指示層は、単一層にpH感応型変色インキ及び非変色インキが混合された形態で形成されてよい。
【0034】
また、前記第1フィルムの一面に形成された指示層は、前記第1フィルムの一面の少なくとも1つのpH感応型変色インキと少なくとも1つの非変色インキを交互に印刷することにより形成されてよい。詳細には、交互は、変色インキと非変色インキの印刷を交互に進めることを意味し得る。また、交互は、変色インキと非変色インキが異なる断層を形成して繰り返された構造を示すことを意味し得る。
【0035】
さらに詳細には、前記第1フィルムの一面に形成された指示層は、前記第1フィルムの一面に少なくとも1つのpH感応型変色インキと少なくとも1つの非変色インキを交互にグラビア(gravure)方式で印刷して形成されたものであってよい。また、前記第1フィルムの一面に形成された指示層の印刷方式は、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、デジタルプリントなどの多様な印刷方式で行われてよく、これに制限されず、必要に応じて前述した方式以外の印刷方式で行われてよい。
【0036】
詳細には、前記指示層は、pH感応型変色インキと非変色インキを含む組成物から形成されるものであってよく、pH感応型変色インキを含む組成物と非変色インキを含む組成物のそれぞれから形成されるものであってよい。例えば、図3から図6に示されているように、前記食品用指示計は、少なくとも1つのpH感応型変色インキ層と少なくとも1つの非変色インキ層を含んでよい。本出願において、前記食品用指示計が変色インキ層と非変色インキ層をそれぞれ2つ以上含む場合、第1フィルムから近い順に第1変色インキ層、第2変色インキ層、第1非変色インキ層、第2非変色インキ層のように名付けることができる。
【0037】
図8は、第1フィルム上に2つのインキ層が指示層を構成する一例の模式図である。ここで、第1フィルム上に近いインキ層を変色インキ層、その次の層を非変色インキ層とすることもでき、又は、第1フィルム上に近いインキ層を非変色インキ層、その次の層を変色インキ層とすることができ、技術思想がこれに制限されるものではない。
【0038】
図8に示されているように、前記変色インキを含む組成物及び前記非変色インキを含む組成物のうち少なくとも1つをグラビア(gravure)方式で印刷するステップを含んでよい。例えば、第1フィルム上に二つのインキ層がグラビア方式で印刷されてよく、印刷されたインキ間の空間に変色因子が伝達されて変色インキの変色を誘導し得る。そして、このとき印刷された2つのインキ層の色相混合によって混合色が具現されることにより視認性を優秀にすることができる。具体的に、前記変色インキだけで形成される指示層は、色相の明度が下がり色相変化が明確に示され得ない問題があるところ、変色インキと非変色インキが混合して印刷され、又は、各層の色相が混合されて見える場合、色相変化をさらに明確に示すことができる。
【0039】
前記指示層は、変色インキと非変色インキを含む単一組成物から形成される単一層であってよく、変色インキ組成物から形成される変色インキ層と非変色インキ組成物から形成される非変色インキ層をそれぞれ含むものであってよい。一方、変色インキのみで指示層を構成する場合、変色インキと非変色インキが混合され単一層で同一の厚さで形成された指示層に比べ、変色インキと非変色インキのそれぞれから変色インキ層と非変色インキ層で形成された指示層を製造する場合に用いられる変色顔料の総量が増加し得る。この場合、食品用指示計のコストが高くなる問題を引き起こし得る。また、変色インキと非変色インキを混合して混合組成物から指示層を形成する場合、変色インキと非変色インキが均一に混合されなければならないので、これらインキの相溶性を考慮しなければならない問題があり得る。これにより、食品用指示計の製造時に経済性と工程の簡潔性を向上させるために、変色インキと非変色インキを混合して指示層を形成することができる。
【0040】
このように、変色インキと非変色インキの混合を介して指示層の視認性を向上させることができる。また、指示層の形成時に非変色インキを用いることにより、指示層を形成する過程で用いられる変色インキの使用量を減少させてコスト低減の効果を期待することができる。
【0041】
前記変色インキは、pH変化により色相が変化する顔料を用いることができる。その種類は特に制限されるものではないが、例えば、アリザリンブルー(Alizarin Blue)、メチルバイオレット(Methyl Violet)、o-クレゾールレッド(o-Cresol Red)、クリスタルバイオレット(Crystal Violet)、エリスロシン(Erythrosin)、チモールブルー(Thymol Blue)、m-クレゾールレッド(m-Cresol Red)、メチルバイオレット6B(Methyl Violet 6B)、アミノアゾベンゼン(Aminoazobenzene)、アリザリンイエローR(Alizarin Yellow R)、β-ジニトロフェノール(β-Dinitrophenol(2,6-Dinitrophenol))、メチルオレンジ(Methyl Orange)、コンゴレッド(Congo Red)、p-エチルオレンジ(p-Ethyl Orange)、ナフチルレッド(Naphthyl Red)、メチルレッド(Methyl Red)、カルミン酸(Carminic acid)、クロロフェノールレッド(Chlorophenol Red)、ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)、フェノールレッド(Phenol Red)、ニュートラルレッド(Neutral Red)、フェノールフタレイン(Phenolphthalein)よりなる群から選択される1種以上の顔料を含むものであってよい。
【0042】
前記非変色インキは、食品用指示計を用いて確認しようとする変色因子により色相が変化しないものであればいずれも用いることができ、具体的に、前記変色インキの変色因子により色相が変化しないものであればいずれも用いることができる。より具体的に、前記非変色インキは、pH変化により色相が変化しない顔料を用いることができる。
【0043】
前記非変色インキの種類は特に制限されないが、例えば、非変色インキは、外部環境要因により色が変化しないながらも、前記変色インキに用いられるインキと組み合わされる際に混合色の色相変化をさらに明確にして視認性を高めることができるものが選択され得る。例えば、非変色インキは、白色、黄色、赤色、茶色、緑色、青色、黒色、金色及び銀色の色相、又はこれらの混合色相を具現する少なくとも1つの顔料を単独で又は混合して用いることができる。
【0044】
前記指示層を形成するためのインキ組成物、例えば、変色インキ組成物、非変色インキ組成物、又は変色及び非変色インキの混合組成物内の顔料の含量は、これに限定されるものではないが、例えば、インキ組成物の総重量を基準として変色インキが1から10重量%、非変色インキが0.05から2重量%となるように顔料を含むものであってよい。
【0045】
例えば、インキ組成物において顔料の組成物が前記範囲で含まれ、変色インキと非変色インキが混合されて指示層を構成する場合、変色インキの含量を減らして指示層の変化の程度が減少するにもかかわらず、非変色インキを用いていないときと比べてみると、指示層の視認性が高くなり得る。さらに詳細には、変色インキと非変色インキが混合された指示層は、初期指示層の色相、明度、彩度などの条件が、最終指示層の色相、明度、彩度などの条件との対比が容易なので、指示層の変化を容易に識別することができる。
【0046】
前記指示層は、pH感応型変色インキと非変色インキの他にも、変色因子の吸着性を改善するために変色因子に対する吸着物質をさらに含んでよい。前記吸着物質は、食品から発生する気体を吸着することができる。その後、吸着物質と気体の間の反応を介して副産物又は水素イオンを生成させてpH感応型変色インキの変色を誘導することができる。このような吸着物質は、特定のガスに対して選択的に反応することができ、これを介して反応性を向上させることができる。
【0047】
例えば、前記吸着剤は、気体吸着物質を含んでよく、具体的に、水酸化物を含んでよい。前記水酸化物は、これに制限されるものではないが、例えば、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又はこれらの混合物であってよい。前記吸着剤は、これに限定されるものではないが、例えば、指示層を形成するためのインキ組成物の総重量を基準として1から10重量%の含量で含まれてよい。また、前記指示層が少なくとも1つの変色インキ層と少なくとも1つの非変色インキ層でなる場合、前記吸着剤は、少なくとも1つの変色インキ層に含まれるものであってよい。
【0048】
前記指示層は、第1フィルム上に直接塗布、あるいは噴射されて形成されるものであってよい。前記第1フィルムは、食品用指示計内で包装された食品ではない外部環境の側に配置されるようになるので、前記第1フィルムは、指示層の変色を誘導しないように非通気性フィルムであってよい。
【0049】
前記第1フィルムを非通気性で具現するために、非通気性素材で形成されるものであってよく、又はその厚さを厚く形成して変色因子が透過できないようにするか、低い気体透過量を誘導することができる。例えば、前記第1フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ナイロン(Nylon、Polyamide)及びポリビニルクロライド(Polyvinyl chloride、PVC)よりなる群から選択される1以上の素材で形成されるものであってよい。また、前記第1フィルムは、12から30μmの厚さで形成されるものであってよい。
【0050】
前記第2フィルムは、食品用指示計を用いて包装された食品の品質変化から引き起こされるpH変化、及び/又はpH変化を起こし得る気体の発生有無が第1フィルム上の指示層に伝達できるように通気性フィルムでなるものであってよい。
【0051】
前記第2フィルムは、通気性を示すために、通気性素材で形成されるものであってよく、薄層(thin layer)で形成されて通気性を示すようになるものであってよい。また、前記第2フィルムは、親水性素材で形成されて内部のpH変化、及び/又はpH変化を起こし得る気体の発生により生成された水分粒子を指示層に伝達させる性質を示すものであってよいが、第2フィルムが通気性を示すメカニズムがこれに制限されるものではない。
【0052】
前記第2フィルムが通気性素材で形成される場合、かかる通気性素材は、線形低密度ポリエチレン(Linear Low-density Polyethylene、LLDPE)、低密度ポリエチレン(Low-density Polyethylene、LDPE)、高密度ポリエチレン(High-density Polyethylene、HDPE)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、タイベック(Tyvek(登録商標))、紙、セルローストリアセテート及びペバックス弾性体(Pebax(登録商標) elastomer)よりなる群から選択される1以上の素材であってよい。
【0053】
一側面において、前記第2フィルムは、前記通気性素材の他にも食品用包装材内に包装される食品の腐敗期間が長期間必要となる食品の場合、遮断性素材で形成されるものであってよい。前記遮断性素材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ナイロン(Nylon、Polyamide)及びポリビニルクロライド(Polyvinyl chloride、PVC)よりなる群から選択される1以上の素材で形成されるものであってよい。そして、このとき形成される第2フィルムに穿孔を形成して通気性を示すように加工したものであってよく、このとき、かかる穿孔は、直径が0.5から50μmのものであってよい。また、第2フィルムを50から100μmの厚さに形成して通気性を示すようにするものであってよい。
【0054】
前述したとおり、前記第2フィルムは、白色フィルムで形成され、前記食品用指示計内に白色インキ層がなくとも、指示層の色相を明確に示す効果を奏し得る。
【0055】
前記食品用指示計は、食品用包装材に直接印刷されるものであってよく、ラベルの形態で製造されて食品用包装材に付着されるものであってよい。
【0056】
一側面において、前記食品用指示計の製造方法は、前記第2フィルムの背面に離型紙を付着するステップを含んでよい。これにより、図7に示されているように、前記食品用指示計は、第2フィルムの背面に粘着層を形成して離型紙を含み、食品用包装材に付着されるラベルの形態で製造されるものであってよい。
【0057】
一側面において、前記食品用指示計を含む食品用包装材を提供することができる。
【0058】
前記食品用包装材は、食品を包装するために用いられるものであれば特に制限されない。例えば、前記食品用指示計が含まれる食品用包装材は、紙、ガラス、缶(Can)、金属箔などの金属、セロハン、プラスチックなどの素材、及びこれを活用した多層素材を用いるものであってよい。一実施形態において、前記プラスチックは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA又はNylon)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)、セルロース、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などであってよい。
【0059】
一側面において、前記食品用包装材、及び食品用包装材の内部に含まれている食品を含む包装された食品を提供することができる。
【0060】
前記食品用包装材の内部に含まれる食品の種類は特に制限されないが、新鮮度の測定が必要な食品群、又は食品変質に対する確認が必要な食品群であってよい。かかる食品の種類は、例えば、冷蔵肉(牛肉、豚肉、鶏肉、鴨肉、魚など)、加工肉(ハム、かまぼこ、ベーコン、ソーセージ、塩蔵肉、ビーフジャーキー、ホットドッグ、チャーシュー、焼き魚など)、醗酵食品(キムチ、塩辛、醤油類など)などであってよい。
【0061】
一側面において、前述したように製造された食品用指示計を用いて食品の品質を確認する方法、例えば、食品の保管状態を確認する方法を提供することができる。
【0062】
一具現形態において、前記食品の保管状態を確認する方法は、指示層の色相変化を目視で感知することを含むことができる。そして、このような指示層の色相変化から食品の品質に変化があることを確認することであってよい。
【0063】
例えば、食品用指示計が食品の新鮮さを緑色で表現し、食品品質の変化を黄色で表現することができる。この場合、食品の保管状態を確認する方法を介して、緑色状態は、食品が安定的に保管されて品質の変化が示されない状態であることを確認することができ、黄色状態は、食品の腐敗、変性などを予測することができる。
【0064】
さらに詳細には、食品用指示計は、初期食品が包装されたpH範囲で緑色を示し、食品で発生した気体によりpHが変化して既に設定された基準を脱する場合、黄色に変更され得る。この場合、消費者は、食品用指示計の変色状態を介して食品の品質変化を認知することができ、これを介して食品の保管状態を確認することができる。一方、食品用指示計が示す色相は、前記例示に制限されず、指示層に含まれている変色インキ又は非変色インキの特性により変更されて適用され得る。
【0065】
このように、消費者は、食品用指示計の指示層に含まれている変色インキ及び非変色インキによる色相に基づき、貯蔵された食品の保管状態を確認することができる。
【発明の効果】
【0066】
食品用指示計の製造方法を用いると、包装された食品の品質変化、例えば、pH変化を確認することができる指示計が含まれている食品用指示計を提供することができる。
【0067】
また、食品用指示計の製造方法を用いると、食品用指示計の使用前に食品用指示計に含まれている変色インキが変色前の色相を維持することにより、食品品質に対する確認の正確性を優秀に改善した食品用指示計、及びそれを含む食品用包装材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。具体的に、前記食品用指示計は、図1b及び図1cに示されているように、先に準備された2つの構造を合紙して形成されるものであってよい。
図2】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。
図3】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。
図4】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。
図5】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。
図6】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。
図7】一実施形態に係る食品用指示計の構造を模式化した図である。
図8】一実施形態に係る第1フィルム上に指示層を印刷する方法を模式化した図である。
図9】実施例1(左側)及び比較例1(右側)の食品用指示計の色相を示す写真である。
図10】実施例2(左側)及び比較例2(右側)の食品用指示計の色相を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、実施例を聞いて本出願を詳細に説明する。
【実施例
【0070】
実施例1.食品用指示計の製造
【0071】
第1フィルム上に指示層を形成し、第2フィルム上に接着層を形成した後、接着層の乾燥が完了すると、既に形成された指示層を付着して食品用指示計を製造した。
【0072】
具体的に、エタノールを溶媒にするウレタン系バインダー100重量部、変色インキ2重量部及び気体吸着物質5から7重量部を撹拌することで変色インキ組成物を製造した。
【0073】
変色インキ組成物は、メチルレッド(Methyl Red)、ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)、チモールブルー(Thymol Blue)及びフェノールフタレイン(Phenolphtalein)の混合物からなっている。
【0074】
次に、12μmのPETフィルム(第1フィルム)に黄色の非変色インキ組成物を175ライングラビア方式で印刷した後に乾燥した。非変色インキが印刷したPETフィルムに、前記で製造した変色インキ組成物を175ライングラビア印刷工法で印刷した後に乾燥した。前記で形成した変色インキ層に白色インキ組成物を印刷した後に乾燥した(指示層形成)。
【0075】
次に、第2フィルムにウレタン系接着剤をコーティングした後、70℃で数秒間乾燥した。乾燥後の残留固形分は、塗布した接着剤組成物の20から30重量%となるようにした(接着層形成)。
【0076】
前記で形成された指示層と接着層をラミネートして合紙した後、第2フィルムの外面に粘着剤を塗布した後に離型紙を付着し、40から50℃の条件下でエイジングして食品用指示計を製造した。
【0077】
比較例1.食品用指示計の製造
【0078】
第1フィルム上に第1実施例に用いられた成分を用いて、指示層、接着層及び第2フィルムを順次形成して食品用指示計を製造した。
【0079】
実験の結果、前記で製造した実施例1と比較例1の写真を図9に示し、実施例1と比較例1の色相値を下表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】
図9と表1で確認できるとおり、接着剤を第2フィルムに印刷した後に乾燥して指示層と合紙した実施例1の食品用指示計が、比較例1の食品用指示計に比べ、pH変色区間による変色前の色相に比べた変色後の色相の差が表れた。特に、用いた変色インキは、変色時に黄色(H60)に変化するので、H値が120゜以下の比較例1は視認性が低下する一方、外部変色因子により変色が最小化された実施例1の食品用指示計が、食品の品質確認時に色相変化をより大きくして視認性が改善され得ることを確認した。
【0082】
実施例2.食品用指示計の製造
【0083】
エタノール系ウレタンバインダー100重量部、変色インキとしてメチルレッド(Methyl Red)、ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)、チモールブルー(Thymol Blue)及びフェノールフタレイン(Phenolphtalein)の混合物2重量部、非変色インキとして紅赤色顔料2重量部、及びガス吸着物質としてPEI 2.5重量部を混合して指示層を製造したこと以外、実施例1と同一の方法で食品用指示計を製造した。
【0084】
比較例2.食品用指示計の製造
【0085】
エタノール系ウレタンバインダー100重量部、変色インキとしてメチルレッド(Methyl Red)、ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)、チモールブルー(Thymol Blue)及びフェノールフタレイン(Phenolphtalein)の混合物2重量部、及びガス吸着物質としてPEI 2.5重量部を混合して指示層を製造したこと以外、実施例1と同一の方法で食品用指示計を製造した。
【0086】
前記で製造した実施例2と比較例2の写真を図10に、色相値を下表2に示した。
【0087】
【表2】
【0088】
図10と表2で確認できるとおり、変色インキと非変色インキをともに用いた実施例2が、比較例2の食品用指示計に比べて色相変化をさらに大きく示すことができるよう、変色前の初期色相を示すようにすることを確認した。
【0089】
実験の結果、図10と表2に示すように、実施例2は、紅赤色の顔料を含んで初期色は紫色に設定され、最終色は橙色に設定された。一方、比較例2は、紅赤色の顔料が含まれずに製造された食品用指示計であって、同一の条件で初期色は青色に設定され、最終色は黄色に設定された。このように、実施例2に含まれている非変色インキの一種である紅赤色の顔料により指示層の明度、彩度、色相が改善され、これを介して視認性が向上されることを確認した。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10