IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧 ▶ ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.の特許一覧

特許7481489冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット
<>
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図1
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図2
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図3
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図4
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図5
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図6
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図7
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図8
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図9
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図10
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図11
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図12
  • 特許-冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】冷媒漏洩センサを有する冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/36 20180101AFI20240501BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240501BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F11/89
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022564530
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 JP2021016412
(87)【国際公開番号】W WO2021215528
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】20171304.7
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510048875
【氏名又は名称】ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】DAIKIN EUROPE N.V.
【住所又は居所原語表記】Zandvoordestraat 300,Oostende 8400,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】コケシュ,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ズドヴォラノヴァ,アデラ
(72)【発明者】
【氏名】スレェィル,トマス
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060517(JP,A)
【文献】特開2017-015324(JP,A)
【文献】特開2016-084946(JP,A)
【文献】特開2016-090107(JP,A)
【文献】特許第3587326(JP,B2)
【文献】特開2008-064394(JP,A)
【文献】特開2004-085003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F25B 43/00-49/04
G01M 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調節室内ユニット(1)であって、
吸気口(2a)と少なくとも一の排気口(2b)とを有するケーシング(2)と、
前記ケーシング(2)の底部に位置するドレイン・パン(3)であって、第一リム(3a)と第二リム(3b)とを有するドレイン・パン(3)と、
前記冷媒回路の一部である熱交換器(4)であって、該熱交換器(3)から落下した水が前記ドレイン・パン(3)に蓄積されるよう前記ドレイン・パン(3)上方に配置される熱交換器(4)と、
空気を前記吸気口(2a)へと吸い込み前記熱交換器(4)を通し前記少なくとも一の排気口(2b)から排出するよう前記ケーシング(2)内に収容されるファン(5)と、
吸い込んだ空気を前記ファン(5)へと案内するよう前記吸気口(2a)に配置されるラッパ口(6)と、
前記冷媒回路から漏れる冷媒を検出するための冷媒漏洩検出センサ(7)と、
を備える天井設置型空気調節室内ユニットにおいて、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、前記ドレイン・パン(3)の前記第二リム(3b)の外面(8)と前記ラッパ口(6)の内面(9)との間に配置され、
前記ドレイン・パン(3)の前記第二リム(3b)の前記外面(8)と前記ラッパ口(6)の前記内面(9)とが互いに面しており、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、ハウジング(105)と、気体状態の冷媒が前記ハウジング(105)へと入っていくことができるよう前記ハウジング(105)の端部に位置する冷媒受入領域(106)と、を有している気体センサ(104)であり、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、さらに、センサ・ケーシング(102)、を有しており、
前記冷媒受入領域(106)が前記センサ・ケーシング(102)の外部に配置されるよう、前記ハウジング(105)は前記センサ・ケーシング(102)の開口部(107)において突出し、
前記ハウジング(105)は前記開口部(107)から下方に突出する、
天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項2】
連結管が、前記熱交換器の第一端部(4a)における前記熱交換器(4)の冷媒パイプを前記冷媒回路に流体連通状態で接続するよう配置され、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、前記第一端部と前記連結管とに隣接して配置される、
請求項1に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項3】
前記熱交換器(4)は、前記吸気口(2a)を周方向に囲繞するとともに、前記第一端部(4a)の反対側に第二端部(4b)を有しており、
前記第一端部(4a)と前記第二端部(4b)とは、互いの方向に向けられており、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、前記熱交換器(4)の前記第一端部(4a)および前記第二端部(4b)に隣接して配置される、
請求項2に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項4】
前記冷媒受入領域(106)は、前記ドレイン・パン(3)の前記第二リム(3b)の最上部および/または前記ラッパ口(6)の前記内面(9)の最上部よりも下方に配置される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項5】
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、さらに、
前記センサ・ケーシング(102)によって囲繞される回路基板(103)と、
を有しており、
前記気体センサ(104)は、前記回路基板(103)に実装されるとともに、さらに前記ハウジング(105)内に検出素子を有しており、
前記検出素子が前記センサ・ケーシング(102)内部に配置される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項6】
前記センサ・ケーシング(102)は、前記ラッパ口(6)に取り付けられる取付面(108)を有し、
前記開口部(107)は、前記取付面(108)に面するセンサ・ケーシング(102)の第一壁(102a)に配置され、
前記気体センサ(104)の前記ハウジング(105)は前記取付面(108)側へと向かって突出する、
請求項5に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項7】
前記センサ・ケーシング(102)は、前記センサ・ケーシング(102)を取付面(108)に接続する脚部(109)を有し、これにより、両端部が開口する通路が前記脚部(109)と、前記第一壁(102a)と、前記ラッパ口(6)、との間に形成される、
請求項6に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項8】
前記開口部(7)を有する前記第一壁(102a)の第一部分が、前記第一壁(102a)の第二部分よりも前記取付面(108)からさらに離間して配置され、
前記第一壁(102a)の前記第一部分および前記第一壁(102a)の前記第二部分は、傾斜面によって接続される、
請求項6または7に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項9】
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、前記第一部分が前記ラッパ口(6)の前記内面(9)に面するよう配置される、
請求項8に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項10】
前記ドレイン・パン(3)の前記第二リム(3b)の前記外面(8)に面する前記センサ・ケーシング(102)の第二壁(102b)に、貫通孔(112)が形成されており、
前記気体センサ(104)に電気的に接続される絶縁電気ケーブルが、前記第二壁(102b)の前記貫通孔(112)を通る、
請求項5から9のいずれか1項に記載天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項11】
さらに、電気ボックス(10)を備えており、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、センサケーブル(11)を介して前記電気ボックス(10)の構成部品に電気的に接続される、
請求項1から10のいずれか1項に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項12】
前記室内ユニット(1)の前記ケーシング(2)は四つの側壁を有し、
前記電気ボックス(10)は側壁のうちの一つの外側に配置され、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)は、前記電気ボックス(10)が配置されている前記側壁の内側の近傍に配置される、
請求項11に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項13】
前記ドレイン・パン(3)は吸気口側の面(3c)を有し、
前記冷媒漏洩検出センサ(7)と前記電気ボックス(10)の前記構成部品と接続している前記センサケーブル(11)は、前記冷媒漏洩検出センサ(7)から前記ドレイン・パン(3)の前記吸気口側の面(3c)へと延びるとともに、前記ドレイン・パン(3)の前記吸気口側の面(3c)に沿って前記電気ボックス(10)の前記構成部品へと延びている、
請求項11または12に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【請求項14】
溝部(12)が、前記ドレイン・パン(3)の前記第二リム(3b)から前記ドレイン・パン(3)の前記第一リム(3a)まで延設されるよう、前記ドレイン・パン(3)の前記吸気口側の面(3c)に形成されており、
前記センサケーブル(11)は前記溝部(12)に収容される、
請求項13に記載の天井設置型空気調節室内ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第3279590号公報(EP3279590A1)において記載されている通り、気化したときに空気よりも比重が大きい冷媒を使用する天井設置型室内ユニットを有する空調装置において、従来は、吸入ポートおよび吹き出しポートが室内ユニットに形成されている。室内ユニットは、吸入ポートから室内の空気を吸い込み吹き出しポートから空調された空気を吹き出すための室内ファンと、吸入温度センサと、冷媒を循環させることによって室内の空気を調節して空調された空気とする室内側冷媒回路と、室内側冷媒回路の冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサと、を有する。制御デバイスは、動作モードおよび/または冷媒温度センサの検出値に基づいて室内ファンを駆動するとともに、冷媒気体センサを用いることにより冷媒漏れを検出する。
【0003】
欧州特許出願公開第3279590号公報においては、冷媒気体センサは室内ユニット内部の空気流路に配置されている。記載されている冷媒気体センサは、部屋から吸い込んだ、漏洩冷媒を含んでいる空気を利用する。特に、記載されている室内ユニットにおいては、気化したときに空気よりも比重が大きい冷媒は部屋の空間の底部に蓄積されるので、室内ファンを動作させなければ、冷媒の漏洩を信頼性高く検出することができない。この課題は、主に、冷媒気体センサの位置、すなわち、ラッパ口の外面に起因する。冷媒の漏れは冷媒回路の配管で最も発生しやすいので、漏洩が発生する可能性が高い位置と冷媒気体センサとの間の距離があまりに大きいときや、その間に多くの障害物があるときには、室内ファンを連続的に回しておかないと冷媒漏洩についての信頼性のある検出はできない。
【0004】
したがって、要求される室温に達して室内ファンが停止されたときには、漏洩冷媒の出口と冷媒センサとの間に距離があるので、漏洩冷媒は検出されないことになる。このため、前記課題を解決するために、欧州特許出願公開第3279590号公報には、冷媒の漏洩を検出するために室内ファンを駆動するサンプリング動作の実行が提案されている。したがって、空調動作が必要でなくても室内ファンは動作し、ユーザの快適性が損なわれエネルギー消費が増加してしまう。さらに、室内ファンが機能を停止するような何らかの機械的問題が生じた場合、漏洩冷媒の検出への影響が危惧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第3279590号公報
【文献】欧州特許出願公開第2813777号公報
【文献】特開2012-77952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の点を考慮すると、室内ユニットの室内ファンの連続運転を回避しながら検出効率/精度が高くかつ検出信頼性が高い、室内ユニットのエネルギー消費を低減できる、冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調節室内ユニットの提供が要望されていると言えよう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の、冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調節室内ユニットによって達成できる。いくつかの態様は、従属項、以下の説明および添付図面にから理解されよう。
【0008】
本開示の第一の面では、ケーシングとドレイン・パンと熱交換器とファンとラッパ口と冷媒漏洩検出センサとを備える冷媒回路を備えるヒートポンプのための天井設置型空気調節室内ユニットを提供する。ケーシングは、吸気口と少なくとも一の排気口とを有する。ドレイン・パンは、ケーシングの底部に位置する。また、ドレイン・パンは、第一リム(外周リム)と第二リム(内周リム)とを有する。熱交換器は、冷媒回路の一部である。また、熱交換器は、熱交換器から落下した水がドレイン・パンに蓄積されるようドレイン・パン上方に配置される。ファンは、空気を吸気口へと吸い込み熱交換器を通し少なくとも一の排気口から排出するようケーシング内に収容される。ラッパ口は、吸い込んだ空気をファンへと案内するよう吸気口に配置される。冷媒漏洩検出センサは、冷媒回路から漏れる冷媒を検出する。冷媒漏洩検出センサは、ドレイン・パンの第二リムの外面とラッパ口の内面との間に配置される。ドレイン・パンの第二リムの外面とラッパ口の内面とが互いに面している。
【0009】
これにより、検出効率/精度および検出信頼性を改善可能な天井設置型空気調節室内ユニットを提供できる。特に、ラッパ口の、一般的に冷媒の漏れが発生する側に、すなわち冷媒回路側に冷媒気体センサを配置しているので、このような改善が可能である。
【0010】
さらに、冷媒漏洩検出センサがラッパ口に配置されるので、ラッパ口を通じて室内ユニットの外部から容易にセンサに手が届き(アクセスでき)、その結果、維持費(メインテナンスコスト)を低減できる。
【0011】
種々のタイプの天井設置型空気調節室内ユニットがある。例えば、本開示に含まれる室内ユニットは、例として二つの排気口または四つの排気口を有することができる。室内ユニットのタイプの違いは、出口の数だけではなく、例えば出口の設計または位置に関しても異なるものがある。
【0012】
例えば、欧州特許出願公開第2813777号公報(EP2813777A1)には、天井面Tから懸架されるよう設定された天井懸架タイプの室内ユニット(図11を参照)が記載されている。室内ユニットは、直方体形状を有しているケーシングと、ケーシング内に環状に配置される熱交換器と、熱交換器の内側の上に設定されるファンと、熱交換器の下方に配置されるドレイン・パンと、を有する。
【0013】
ケーシングは、底面図において矩形形状を有する。ケーシングは、吸入格子部(グリル)を有する装飾プレートと、最上部プレートと、装飾プレートと最上部プレートとの間に位置する四つの角(コーナー)カバーと、互いに隣接するコーナーカバー間で水平方向に延設される四つの上部装飾的フレームと、互いに隣接するコーナーカバー間で水平方向に延設される四つの下部装飾的なフレームと、を有する。
【0014】
フィルタが、吸入グリルとファンとの間に配置される。排気口は、ケーシングの四つの側壁にそれぞれ形成されている。上部装飾的フレームは、対応する排気口の上方に配置される。下部装飾的フレームは、対応する排気口の下方に配置される。断熱材が、上部装飾的なフレームの内側に、上部装飾的なフレームと、その上部装飾的フレームへと続いている最上部プレートと、に沿って、配置される。
【0015】
熱交換器として、例えば、互いに平行に配置される複数の熱伝導パイプに多数の平板状のフィンが直交状態で取り付けられる交差フィン・タイプを、使用することができる。なお、熱交換器はこれに限定されない。熱交換器は、冷房動作の際には蒸発器として機能し、暖房動作の際には凝縮器として機能する。
【0016】
ドレイン・パンは、熱交換器に発生して垂れてくる水(ドレイン水)を集める。ドレイン・パンは、発泡樹脂で例えば発泡ポリスチレンで形成される。ドレイン・パンは、熱交換器の真下に配置されドレイン水を一時的に蓄積することができる蓄積部と、蓄積部よりも排気口側にあるさらに離れた位置にあり排気口の下側エッジ部の一部を形成する側端部と、を有する。側端部は、下部装飾的フレームの内側(上側)に配置される。
【0017】
ファンとして、例えば、遠心ファン(ターボファン)、斜流(ダイアゴナル・フロー)ファン等を用いることができる。ファンは、円形ハブを有する羽根車(インペラ)と、中心にできた空気導入開口部を有する円形の囲い板(シュラウド)と、ハブとシュラウドとの間に保持される複数のブレードと、を有する。ファン・モータの回転シャフトは、ファンのハブに接続される。シュラウドの下側には、室内の空気をファンへと案内するためのラッパ口が配置される。ラッパ口は、中心に、シュラウドの開口部よりも多少小さい開口部を有する。ファンのインペラが回転すると、部屋の空気は装飾プレートの吸入グリルからケーシング内へと吸い込まれ、熱交換器を通過した後に排気口から側方へと吹き出される。
【0018】
排気口は開口部であり、その形状およびサイズはケーシングを形成する部材に応じて選択される。具体的には、排気口は、排気口の両側に配置されるコーナーカバーと上部装飾的フレームと下部装飾的なレームとに応じて選択される略矩形状の開口部である。排気口は、横に長い形状であり、その水平方向の開口寸法が上下方向の開口寸法より長い。空気の吹き出し方向を調整するルーバが、排気口に配置される。
【0019】
また、特開2012-77952号公報(JP2012-77952A)には、二つの排気口を有する室内ユニット(また、図12を参照)が記載されている。底板は、フィルタの下方に位置するとともにほとんど水平に配置される装飾的シートを有する。室内ユニットの吸入ポートは、装飾的シートの端に沿って入口の中心から外れた位置で延設される。さらに、案内(ガイド)部材が、吸入通路に配置される。吸入ポートから吸入される空気は、フィルタに向かって移動し、これにより、吸入ポートから吸入される空気がフィルタの入口の中央側の領域へと案内される。
【0020】
本開示のさらなる面では、連結管が、熱交換器の第一端部における熱交換器の冷媒パイプを冷媒回路に流体連通状態で接続するよう配置される。冷媒漏洩検出センサは、第一端部と連結管とに隣接して配置される。
【0021】
さらに、熱交換器は、吸気開口部を周方向に囲繞するとともに、第一端部の反対側に第二端部を有することができる。第一端部と第二端部とは、互いの方向に向けられる。冷媒漏洩検出センサは、熱交換器の第一端部および第二端部に隣接して配置される。
【0022】
これにより、冷媒漏洩検出センサを冷媒回路の近傍に特に冷媒漏れが発生する可能性が高い位置の近傍に配置することができ、したがって、冷媒漏洩検出センサと冷媒漏れが発生する可能性がある位置との間の、冷媒漏洩検出を妨げる虞がある障害物を排除することができる。こうして、冷媒漏洩検出センサの信頼性を確実に得ることができる。
【0023】
さらに、冷媒漏洩検出センサを、ハウジングと冷媒受入領域とを有する気体センサとすることができる。冷媒受入領域は、気体状態の冷媒がハウジングへと入っていくことができるようハウジングの端部に位置する。冷媒受入領域は、ドレイン・パンの第二リムの最上部および/またはラッパ口の内面の最上部よりも下方に配置される。
【0024】
これにより、ドレイン・パンにおいて自動的に蓄積される結露した水が、冷媒漏洩検出センサに向かって溢れて流れそうになる前に、排水される。したがって、センサを結露した水との接触から保護できる。
【0025】
「気体センサ」に関する「冷媒受入領域」という語は、本開示においては、気体センサのハウジングに、特にハウジングの端部または最上部に、冷媒が特に気体状冷媒が受け領域を通り抜けさせる、したがって、気体センサのハウジングへと入って行かせる領域または面が配置されていることをいう。こうして、冷媒受入領域によって、一方では、気体状冷媒がハウジングへと入ることができしたがってハウジング内部に配置される検出素子に達することができ、もう一方では、冷媒受入領域によって水分および水が特に結露した水がハウジングに入ってしまうことを防止する。言い換えれば、冷媒受入領域は、好ましくは膜であり、水分および水等の液体を透過させず、空気を透過させる。任意選択的に、冷媒受入領域は、シリカ・フィルタで形成される上側層と、活性炭で形成される下側層と、を有することができる。
【0026】
加えて、冷媒漏洩検出センサは、さらに、センサ・ケーシングと、センサ・ケーシングによって囲繞される回路基板と、を有することができる。気体センサは、回路基板に実装されるとともに、さらにハウジング内に検出素子(センシング・エレメント)を有する。冷媒受入領域がセンサ・ケーシングの外部に配置されるとともに検出素子がセンサ・ケーシング内部に配置されるよう、ハウジングはセンサ・ケーシングの開口部において突出する。
【0027】
「検出素子(センサエレメント)」という語は、本開示においては、温度、圧力または湿度のような物理パラメータを、特に気体状冷媒の存在を検出することができる任意の手段(気体センサ)をいう。
【0028】
本開示のさらなる面では、センサ・ケーシングは、ラッパ口に取り付けられる取付面を有することができる。開口部は、取付面に面するケーシングの底壁に配置される。気体センサのハウジングは、取付面側へと向かって突出する。
【0029】
天井設置型空気調節室内ユニットにおいて、センサ・ケーシングは、センサ・ケーシングを取付面に接続する脚部を有することができ、これにより、開口両端部を有する通路を脚部と、底壁と、ラッパ口、との間に形成することができる。
【0030】
さらに、開口部を有する底壁の第一部分を、底壁の第二部分よりも取付面からさらに離間して配置することができる。第一壁の第一部分および第一壁の第二部分は、好ましくは傾斜面によって接続される。
【0031】
これにより、センサ・ケーシングの周辺空気が容易に流れることができる、特に気体センサの冷媒受入領域の傍を流れることができる通路または空間を有するセンサ・ケーシングを提供できる。したがって、気体状冷媒は、センサ・ケーシング周辺をより円滑に移動でき、気体センサとより接触しやすくなる。この結果、漏れた冷媒をより迅速にかつ効果的に検出することができる。
【0032】
さらに、冷媒漏洩検出センサを、第一部がラッパ口の内面に面するよう、配置することができる。
【0033】
ラッパ口内壁の底部分に冷媒漏洩検出センサを配置することによって、空気よりも密度が高く室内ユニットの下側部分を通って移動する冷媒の検出が容易になる。
【0034】
本開示のさらなる面では、ドレイン・パンの第二リムの外面に面するセンサ・ケーシングの壁に、貫通孔を形成することができる。気体センサに電気的に接続される絶縁電気ケーブルが、壁の貫通孔を特に封止状態で通る。
【0035】
天井設置型空気調節室内ユニットはさらに、電気ボックスを備えることができる。冷媒漏洩検出センサは、センサケーブルを介して電気ボックスの構成部品に電気的に接続される。
【0036】
さらに、ケーシングは、四つの側壁を有することができる。電気ボックスは、側壁のうちの一つの外側に配置される。冷媒漏洩検出センサは、電気ボックスが配置されている側壁の内側の近傍に配置される。
【0037】
本開示のさらなる面では、ドレイン・パンは吸気口側の面を有することができる。冷媒漏洩検出センサと電気ボックスの構成部品と接続しているセンサケーブルは、冷媒漏洩検出センサからドレイン・パンの吸気口側の面へと延びるとともに、ドレイン・パンの吸気口側の面に沿って電気ボックスの構成部品へと延びている。
【0038】
さらに、溝部を、ドレイン・パンの第二リムからドレイン・パンの第一リムまで延設されるよう、ドレイン・パンの吸気口側の面に形成することができる。センサケーブルは溝部に収容される。
【0039】
さらに、不適当な働き(誤吸入)を回避するために、好ましくは、ラッパ口とドレイン・パンとの間に延設される溝部に封止(シーリング)を行うこともできる。
【0040】
センサケーブルが溝部に収容されるので、ドレイン・パンの下方の空間を節約できるようになり、これにより、室内ユニットの大きさを低減することができる。さらに、センサケーブルが溝部内で延びるので、設置作業の際の損傷から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示のより完全な認識およびそれによる多くの利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明から容易に得られ、より十分に理解されよう。
【0042】
図1図1は、冷媒漏洩検出センサを有する従来の天井設置型空気調節室内ユニットを示す概略断面図である。
図2図2は、本発明の一の面にかかる天井設置型空気調節室内ユニットを示す立体的な概略断面図である。
図3図3は、図2に示す天井設置型空気調節室内ユニット内の漏洩検出センサの位置を示している立体的な概略図である。
図4図4は、図2および図3に示す天井設置型空気調節室内ユニット内の漏洩検出センサを示している概略断面図である。
図5図5は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサを示す立体的な概略図である。
図6図6は、図5に示す冷媒漏洩検出センサの概略断面図である。
図7図7は、図6に示す断面図の立体的な概略図である。
図8図8は、本発明の他の面にかかる冷媒漏洩検出センサの立体的な概略図である。
図9図9は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサの電気ケーブルを示す立体的な概略図である。
図10図10は、図9に示す冷媒漏洩検出センサの電気ケーブルの配線経路を示す概略断面図である。
図11図11は、本発明の一の面にかかるドレイン・パンおよびラッパ口の設計をさらに詳細に示す概略断面図である。
図12図12は、天井面から懸架されるよう設定された天井懸架タイプの既知の室内ユニットを例示している概略断面図である。
図13図13は、二つの排気口を有する天井懸架タイプの既知の室内ユニットを例示している概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示のいくつかの実施形態を図面を参照して説明する。以下の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示を限定するものではないことは、本開示から、空調装置の分野の当業者には明らかであろう。
【0044】
図1は、冷媒漏洩検出センサを有する従来の天井設置型空気調節室内ユニットを示す概略図である。図示の室内ユニット40は、例えばオフィスビルまたは他の種々の建物の部屋の天井CEに埋設されるまたは懸架されることによって設置される天井設置型室内ユニットである。
【0045】
図1に示す通り、従来の天井設置型空気調節室内ユニットは、冷房動作の際には室内の空間を冷却するための使用側熱交換器として機能する室内熱交換器42と、室内の空気を室内ユニット40へと吸い込むための送風機として機能する室内ファン43(室内ファン43をターボファンとすることができる)と、ラッパ口403と、吸入温度センサ46と、室内側冷媒回路を循環する冷媒が周囲に漏れたときに漏れた気体冷媒を検出するための冷媒気体センサ45と、を有する。また、図1に示す従来の天井設置型空気調節室内ユニットは、下から見たとき正方形の形状であり、正方形の四辺に沿って配置される四つの吹き出しポート402を有する。室内熱交換器42は、正方形の四辺に沿って配置される。例えば、冷媒気体センサ45が吸入ポート401の左側の近傍に取り付けられている場合に、室内熱交換器42の右側に沿ってよう延びる点P1において漏れが発生し、室内ファン43が停止したときには、漏れた冷媒気体は例えば矢AR3の経路へと流れる。このように、冷媒気体センサ45が取り付けた点から離れた箇所を通って漏れた冷媒気体が流れるときには、冷媒気体センサ45が漏れた冷媒を検出しにくい。室内ファン43が駆動されると、空気は二点破線r1で示すように流れ、こうして、点P1から漏れ出た冷媒は空気流へと入り込んで、矢AR4によって示す経路を通って吹き出しポート402から吹き出される。したがって、冷媒気体センサ45の位置が漏れた冷媒の流路と必ずしも一致するわけではないので、漏洩した冷媒検出の信頼性は低い。
【0046】
図2は、本発明の一の面にかかる天井設置型空気調節室内ユニット1を示す立体的な概略断面図である。図2に示す通り、ヒートポンプのための天井設置型空気調和ユニット1は、好ましくは気化したときには空気よりも比重が大きい冷媒が流れる。冷媒回路を備える。また、天井設置型空気調和ユニット1は、ケーシング2とドレイン・パン3とを備える。ケーシング2は、一の吸気口2aと四つの排気口2bとを有する。ドレイン・パン3は、外周リム(第一リム)3aと内周リム(第二リム)3bとを有する。さらに、冷媒回路の一部分であり、設置姿勢にある天井設置型空気調和ユニットを示す図2で見てドレイン・パン3よりも上方に配置される熱交換器4を、室内ユニット1は有する。ドレイン・パン3が熱交換器4の下方に配置されるので、熱交換器4から落下する結露した水はドレイン・パン3に蓄積される。さらに、室内ユニット1は、ケーシング2内に配置されるファン5を有する。ファン5は、室内の空気を特に空調すべき空気を、吸気口2aを通じてケーシング2内へと吸い込むよう、そして空気と熱交換器3との間で熱を交換するために空気を熱交換器3を通過させるよう、そして四つの排気口2bから空気を吹き出すよう、動作する。室内ユニット1は、さらに、吸気口2aよりも上方に位置するまたは吸気口の少なくとも一部分を形成するとともにファン5によって吸い込まれる空気をファンへと案内するラッパ口を有する。また、室内ユニット1は、冷媒回路から漏れる冷媒を検出するための冷媒漏洩検出センサ7を有する。図2から分かる通り、そして図3および図4により詳細に示す通り、冷媒漏洩検出センサ7は、ドレイン・パン3の内周リム3bの外面8とラッパ口6の内面9との間に配置される。
【0047】
図3は、図2に示す天井設置型空気調節室内ユニット1内の漏洩検出センサ7の位置を示している立体的な概略図である。室内ユニット1内の冷媒漏洩検出センサ7の位置をより分かりやすく例示するために、室内ユニット1の特にドレイン・パン3およびラッパ口6の底部分のみを図示するよう、切断面を選んでいる。
【0048】
また、図3は、第一端部4aと第二端部4bとを有する熱交換器4を示す。連結管(マニホールド)(図示せず)が、熱交換器4の冷媒パイプを冷媒回路に流体連通状態で接続する。第一端部4aと第二端部4aとは、互いの方向に向けられており、互いに直交するよう配置される。冷媒漏洩検出センサ7は、熱交換器4の第一端部4aおよび第二端部4bとマニホールドとに隣接して配置される。
【0049】
図4は、図2および図3に示す天井設置型空気調節室内ユニット内の漏洩検出センサを示している概略断面図である。より分かりやすくするために、図4は、図3と同じ室内ユニットの底部分を示す。図4において、冷媒漏洩検出センサ7をラッパ口6の右側に示している。図4から分かる通り、冷媒漏洩検出センサ7は、ドレイン・パンの内周リム3bの外面8とラッパ口6の内面9との間に配置される。ここで、ラッパ口6の内面9は、ケーシング2の内側に面している。言い換えれば、ラッパ口6の内面9は、吸気口2aから離間する方向に面している。また、図4は、ドレイン・パン3の内周リム3bの外面8がラッパ口6の内面9に面している状態を示している。
【0050】
また、気体状冷媒がハウジングへと入ることができるよう冷媒検出センサ7のハウジングの端部に配置される冷媒検出センサ7の冷媒受入領域が、ドレイン・パン3の内周リム3bの最上部および/またはラッパ口6の内面9の最上部よりも下方に位置する配置を図4は示している。また、図4に示す通り、冷媒漏洩検出センサ7は、その第一部分(図5図7により詳細に説明する)が、ラッパ口6の内面9に面するよう、配置される。
【0051】
図5は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサ7の立体的な概略図である。図5に示す通り、冷媒漏洩検出センサ7は、センサ・ケーシング102と回路基板103(図6に図示)と気体センサ104とを有する。気体センサ104は、図6からさらに詳細に示すハウジング105と、ハウジング105の端部に例えばハウジング105の最上部に配置される冷媒受入領域106と、を有する。冷媒受入領域106は、気体状冷媒がハウジング105に入って行くのを可能にするよう、構成される。これにより、気体状冷媒がハウジング105に入って行くことができ、したがって、ハウジング105の内部に配置される検出素子(図示せず)に達することができる。
【0052】
また、図5から分かる通り、気体センサ104は、特にハウジング105は、センサ・ケーシング102に形成される開口部107を通って突出しており、これにより、冷媒受入領域106がセンサ・ケーシング102の外側に位置する。一方、ハウジング105の内部に配置される検出素子(図示せず)は、センサ・ケーシング102の内部に配置される。
【0053】
さらに、センサ・ケーシング102内の気体センサ104の位置をより分かりやすく示すために、図5においては、冷媒漏洩検出センサ7を、上下をひっくり返して示す。つまり、センサ・ケーシング102を外部構造要素に特にラッパ口6に取り付けるために用いられる取付面108を、センサ・ケーシング102の上側に示している。なお、一般的には、取付面108は、センサ・ケーシング102の下側に配置される。言い換えれば、冷媒漏洩検出センサ7の通常の取付状況においては、図6に示す通り、センサは180度回転している。
【0054】
図6は、図5に示す冷媒漏洩検出センサ7の概略断面図である。センサ7の断面図を見ることによって、センサ・ケーシング102における気体センサ104および関連要素の配置が理解されよう。図3に示す通り、センサ・ケーシング102は、センサの標準的な取付位置においてはセンサ・ケーシング102の下側部分となる本体116と、蓋部117と、を備える。蓋部117は、本体116に着脱可能に固定される。本体116と蓋部117との合わせ面は、固定方向に対して直交する方向において重なり合っている。図6においては、固定方向は上下方向であり、したがって、本体116と蓋部117との合わせ面は水平面において重なり合っている。
【0055】
図6に示す冷媒検出センサ7においては、蓋部117の合わせ面は、本体116の合わせ面の外側に配置される。つまり、蓋部117の合わせ面は、本体116の合わせ面を、特に全外周にわたって囲繞している。
【0056】
気体センサ104の回路基板103は、センサ・ケーシング102の内部に、かつセンサ・ケーシング102の第一壁102aと平行に配置される、特に、回路基板103から最も離間しておりかつ取付面108と平行である第一壁102aの一部と平行に配置される。図6に示すセンサ7の標準的な取付位置においては、第一壁102aは、センサ・ケーシング102の底壁であり、取付面108の側方に配置される。第一壁2aには開口部107が形成される。開口部107を通って、気体センサ104のハウジング105が取付面8側へと向かって突出する。
【0057】
さらに、図5および図7に示す通り、センサ・ケーシング102は、センサ・ケーシング102を取付面108に接続する二つの脚部109を有する。言い換えれば、取付面108は、脚部109の端面に配置されている。両端部が開口する通路が二つの脚部109と第一壁102aとの間に形成されるよう、脚部109は配置される。
【0058】
また、図6および図7から分かる通り、センサ・ケーシング102には、特に本体116には、リップ110が、本体116の一部分である第一壁102aの外周の自由端部に配置される。リップ110は、取付面108側へと向かって突出するよう、形成されている。
【0059】
また、図6は、回路基板103が、センサ・ケーシング102において第一壁102aと平行に特に回路基板103から最も離間しておりかつ取付面108と平行である第一壁102aの一部と平行に配置されるとともに、第三壁102cからよりも第一壁102aからの方がよりいっそう離間している配置を示している。第三壁102cは、図6に示すセンサ7の標準的な取付位置においては、最上部壁となり、第一壁102aの反対側にある。
【0060】
図7は、図6に示す断面図の立体的な概略図である。図7(また図6)から分かる通り、第一壁102aの第一部分は(図7における第一壁102aの左側部分)は、第一壁102aの第二部分(図7における第一壁102aの右側部分)よりも、取付面108からよりいっそう離間して配置される。したがって、センサ・ケーシング102の全高は、気体センサ103が配置されるセンサ・ケーシング102の側では低減されている。また、図7に示す通り、第一壁102aの第一部分と第一壁102aの第二部分とは、傾斜面によって接続される。したがって、傾斜面は、第一壁102aの中央に配置されている。
【0061】
また、図5図7に示す冷媒検出センサ7のセンサ・ケーシング102には、貫通孔112が形成されている。貫通孔112は、センサ・ケーシング102の第二壁102bに位置する。第二壁102bは、センサ・ケーシング102の側壁である。絶縁電気ケーブル113をセンサ・ケーシング102内へと通すために、貫通孔112が必要である。図5図7に示す実施形態では、絶縁電気ケーブル113は、センサ・ケーシング102の内部に位置する一方の端部に、ソケット114に挿入可能なプラグ115を有する。ソケット114は回路基板3に実装されており、これにより、絶縁電気ケーブル113を回路基板103に接続できる。
【0062】
図8は、本発明の他の面にかかる冷媒漏洩検出センサ1の立体的な概略図である。図示の冷媒漏洩検出センサ1は、図8に示すセンサ1がセンサ・ケーシング2を部分的に断熱する断熱部材20を追加的に有することを除いて、基本的に図5図7に関して記載した冷媒漏洩検出センサ1に対応する。
【0063】
断熱部材20には開口部21が形成される。開口部21を通って、気体センサ4のハウジング5が部分的に突出する。図示の実施形態においては、ハウジング5は封止状態で開口部21を通って突出することが好ましいが、ハウジング5を、隙間を空けて特に非封止状態で、センサ・ケーシング2の開口部7を通って突出させることもできる。断熱部材20と気体センサ4のハウジング5との間のこのような封止は、圧入によって達成できる。圧入による封止は、断熱部材20がポリエチレン・フォームのような弾性材料で形成される場合に、特に利点があるまたは実現が容易である。
【0064】
図9は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサ7の電気ケーブル11を示す立体的な概略図である。図9に示す通り、室内ユニット1は、例えば室内ユニット1の制御ユニットを収容できる電気ボックス10を有する。冷媒漏洩検出センサ7は、センサケーブル11を介して電気ボックス10の内部の構成部品(例えば制御ユニット)に電気的に接続される。センサケーブル11を絶縁電気ケーブルとできる。
【0065】
電気ボックス10は、室内ユニット1のケーシング2の四つの側壁のうちの一つの外側に配置される。内側に電気ボックス10が配置される側壁の近傍に、冷媒漏洩検出センサ7は配置される。これにより、センサケーブル11の必要な長さを最小限にできる。
【0066】
また、図9に示す通り、ドレイン・パン3は、吸気口側の面3cを有する。吸気口側の面3cを、説明の便宜上、図9の上側に面するよう示している。冷媒漏洩検出センサ7と電気ボックス10の構成部品と接続しているセンサケーブル11は、冷媒漏洩検出センサ7からドレイン・パン3の吸気口側の面3cへと延び、そこからドレイン・パン3の吸気口側の面3cに沿って電気ボックス10の構成部品へと延びる。このために、ドレイン・パン3の吸気口側の面3cには溝部12が形成される。溝部12は、ドレイン・パン3の内周リム3bからその外周リム3aまで延設されている。センサケーブル11は、溝部12に収容される。
【0067】
図10は、図9に示す冷媒漏洩検出センサ7の電気ケーブルすなわちセンサケーブル11の配線経路を示す概略断面図である。
【0068】
図9および図10から分かる通り、ドレイン・パン3に形成されている溝部12は、ドレイン・パン3の内周と外周とを接続する。センサケーブル11が溝部12に収容されるので、ドレイン・パンの上方の空間を節約でき、したがって、室内ユニットの全高を低減できる。
【0069】
また、図10は、点線によって、電気ケーブル13が従来配置されていた領域を示す。この領域においては、ケーブルは、尖ったエッジおよび熱交換器4のパイプからの高温のために損傷を受けやすかった。本開示が提案するセンサケーブル11の配線経路(ルーティング)によって、特にセンサケーブル11の溝部12内への収容によって、ケーブルをより良好に保護できる。
【0070】
図11は、ドレイン・パン3およびラッパ口6の設計をさらに詳細に示す概略断面図である。図11に示す通り、熱交換器に結露する水のための障壁(バリア)が形成されるよう、ドレイン・パン3およびラッパ口6は設計される。ドレイン・パン3は、ラッパ口6に面する第一バリア(内周リム3bの最上部)と、排気口2bに面する第二バリア(外周リム3aの最上部)と、を有する。第一バリアは、空気取り入れ方向における高さが、第二バリアの空気取り入れ方向における高さより大きい。これにより、ドレイン・パン3に、特に二つのバリアの間に、集められた結露水は、溢れる場合(オーバフローする場合)には、排気口へと向かって流れ、ラッパ口6へと向かっては流れない。こうして、ラッパ口に配置される冷媒検出センサ7は、結露した水との接触から保護される。
【0071】
図12は、天井面から懸架されるよう設定された天井懸架タイプの既知の室内ユニットを例示している概略断面図である。また、図13は、二つの排気口を有する天井懸架タイプの既知の室内ユニットを例示している概略断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 天井設置型空気調節室内ユニット
2 ケーシング
3 ドレイン・パン
3a 外周リム
3b 内周リム
3c 吸気口側の面
4 熱交換器
5 ファン
6 ラッパ口
7 冷媒漏洩検出センサ
8 内周リムの外面
9 ラッパ口の内面
10 電気ボックス
11 センサケーブル
12 溝部
102 センサ・ケーシング
102a 第一壁(底壁)
102b 第二壁(側壁)
102c 第三壁(最上部壁)
103 回路基板(PCB)
104 気体センサ
105 ハウジング(気体センサの)
106 冷媒受入領域
107 開口部(センサ・ケーシングの)
108 取付面
109 脚部
110 リップ
112 貫通孔(側壁の)
113 絶縁電気ケーブル
114 ソケットまたはプラグ
115 プラグまたはソケット
116 本体
117 蓋部
120 絶縁部材
121 開口部(絶縁部材の)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13