(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】構造化水性組成物中に懸濁された粒子を含むフレッシュニング組成物を製造する方法
(51)【国際特許分類】
D06M 15/03 20060101AFI20240501BHJP
A61L 9/012 20060101ALI20240501BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20240501BHJP
D06M 23/12 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
D06M15/03
A61L9/012
A61L9/14
D06M23/12
(21)【出願番号】P 2022564784
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 US2021031207
(87)【国際公開番号】W WO2021236349
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-25
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、チャールズ・エル
(72)【発明者】
【氏名】コリナ、カーラ・ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ハイルマン、ローラ・リン
(72)【発明者】
【氏名】ホレンジアク、スティーブン・アントニー
(72)【発明者】
【氏名】イリー、ブランドン・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】リンチ、マシュー・ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ステフィー、メリンダ・フィリス
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-522546(JP,A)
【文献】特開2014-198070(JP,A)
【文献】特表2019-528133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0123166(US,A1)
【文献】米国特許第06464384(US,B2)
【文献】特開2014-037549(JP,A)
【文献】特表2020-510720(JP,A)
【文献】特開2008-106000(JP,A)
【文献】特開2005-120056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L9/00-9/22
D06M13/00-15/715
C11D1/00-19/00
B01F21/00-25/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレッシュニング組成物を製造する方法であって、
水性キャリアと、前記フレッシュニング組成物
に含まれる全てのイオン形成水溶性成分
の少なくとも80重量%とを混合して、水性プレミックスを形成する、工程と、
続いて、第1の多糖類を前記水性プレミックスに混合する工程と、
前記第1の多糖類を前記水性プレミックスに混合した後に、第2の多糖類を前記水性プレミックスに混合して、構造化水性組成物を形成する、工程と、
複数の粒子を前記構造化水性組成物に分散させて、前記フレッシュニング組成物を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の多糖類を前記水性プレミックスに混合する前記工程の前に、前記第1の多糖類を水と混合して第1の多糖類プレミックスを形成する工程と、前記第2の多糖類を前記水性プレミックスに混合する前記工程の前に、前記第2の多糖類を水と混合して第2の多糖類プレミックスを形成する工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオン形成水溶性成分の一部を前記構造化水性組成物に導入して、前記構造化水性組成物の粘度を低下させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水性プレミックス、
前記構造化水性組成物、及び
前記フレッシュニング組成物が、40℃を超えない温度に維持される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記水性プレミックス、前記構造化水性組成物、前記フレッシュニング組成物、前記第1の多糖類プレミックス及び第2の多糖類プレミックスが、40℃を超えない温度に維持される、請求項
2に記載の方法。
【請求項6】
前記イオン形成水溶性成分が、悪臭中和剤、酸緩衝剤、防腐剤、塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の多糖類を前記水性プレミックスに混合する工程の前に、前記水性プレミックスのpHを7以下に調整する工程を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の多糖類が、キサンタンガムであり、前記第2の多糖類が、コンニャク由来のグルコマンナンを含むグルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の粒子が、有益剤及び前記有益剤を封入する壁材料を有する複数の有益剤送達粒子を含み、前記有益剤が、香料混合物、悪臭中和剤、抗菌剤、防虫剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、100Kg/hr超のフレッシュニング組成物を生成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、連続プロセス、バッチプロセス、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の多糖類を前記水性プレミックスに混合した後に、前記第2の多糖類を前記水性プレミックスに混合する前記工程が、0超
~2,000mPaの範囲の降伏応力と
、2mPa-s
~100mPa-sの範囲の粘度とを有する構造化水性組成物を形成する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
追加の剪断エネルギーを前記フレッシュニング組成物に与える工程を更に含み、前記フレッシュニング組成物が
、1mPa-s
~20mPa-sの範囲の粘度と、0超
~500mPaの範囲の降伏応力とに低減される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記混合が、バッフル幅によって画定される複数のバッフルと、インペラ幅によって画定される複数のブレードを有するインペラと、粒子インジェクタとを備える混合タンク内で行われ、前記インペラ幅が、タンク直径
の0.3
~0.6倍であり、前記混合タンクが、タンク高さ及びタンク直径によって画定され、前記タンク高さが、前記タンク直径
の0.8
~2.0倍であり、前記バッフル幅が、前記インペラ幅
の0.05
~0.2倍である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、懸濁粒子を含むフレッシュニング組成物を製造する方法、より具体的には、多糖類構造化剤系及び懸濁粒子を含むフレッシュニング組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面上及び空気中の長時間持続するかつ/又は制御された清浄感に対する継続的な需要が存在する。繊維や家具などの表面及び空気に清浄感をもたらすための様々な異なる製品形態が存在する。例えば、清浄感製品は、ろうそく、スプレー、手動エアフレッシュナーディスペンサ、自動エアフレッシュナーディスペンサ、及び受動エアフレッシュナーディスペンサ、ランドリー洗剤、ランドリーエンハンサ、並びにドライヤーシートの形態、並びに様々な他の形態を取り得る。悪臭を隠す若しくは悪臭に反応する比較的高濃度の香料、悪臭を捕捉する若しくは悪臭に反応する悪臭中和剤、及び/又はプロ香料により、長時間持続する清浄感を与えようと試みる噴霧可能な組成物が存在する。香料の制御放出のための封入された香料粒子などの有益送達粒子を包含する様々なランドリー製品が市場に存在する。香料の封入は、手で又は布地のいたるところから擦られるなど、カプセルが移動時に壊れるまで香料の遅延放出を提供する。したがって、香料カプセルは、香料カプセルが布地又は表面に送達された何日か後又は何週間か後に香料を放出することができる。
【0003】
噴霧可能な組成物は、ユーザーがフレッシュニング組成物を特定の表面に迅速かつ容易に適用するための方法を提供するので、懸濁香料カプセルを含む噴霧可能な組成物を提供する試みがなされてきた。フレッシュニング組成物の製造は、商用目標を満たすために、単位時間当たりの体積又は重量で測定されるように、大規模で最良に行われる。この理由から、メートルトンの材料を含むタンク、又は1時間当たりのメートルトンを製造するデバイス内でフレッシュニング組成物を製造することが一般的である。当業者は、大規模製造が、小規模製造と非常に異なる作製工程及び混合プロファイルを必要とし得ることを認識している。フレッシュニング組成物を作製する既知の方法は、大きな商用規模の量のフレッシュニング組成物を作製する際に効果がない場合があることが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、懸濁粒子を有するフレッシュニング組成物を製造する大規模な商業的方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
「組み合わせ」
A.フレッシュニング組成物を製造する方法であって、
水性キャリアと、フレッシュニング組成物の少なくとも80重量%のイオン形成水溶性成分とを混合して、水性プレミックスを形成する、工程と、
続いて、第1の多糖類を水性プレミックスに混合する工程と、
第1の多糖類を水性プレミックスに混合した後に、第2の多糖類を水性プレミックスに混合して、構造化水性組成物を形成する、工程と、
複数の粒子を構造化水性組成物に分散させて、フレッシュニング組成物を形成する工程と、を含む、方法。
B.第1の多糖類を水性プレミックスに混合する工程の前に、第1の多糖類を水と混合して第1の多糖類プレミックスを形成する工程と、第2の多糖類を水性プレミックスに混合する工程の前に、第2の多糖類を水と混合して第2の多糖類プレミックスを形成する工程と、を更に含む、段落Aに記載の方法。
C.イオン形成水溶性成分の一部を構造化水性組成物に導入して、構造化水性組成物の粘度を低下させる工程を更に含む、段落A又は段落Bに記載の方法。
D.水性プレミックス、構造化水性組成物、及びフレッシュニング組成物が、40℃を超えない温度に維持される、段落A~Cのいずれかに記載の方法。
E.第1の多糖類プレミックス及び第2の多糖類プレミックスが、40℃を超えない温度に維持される、段落Dに記載の方法。
F.イオン形成水溶性成分が、悪臭中和剤、酸緩衝剤、防腐剤、塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落A~Eのいずれかに記載の方法。
G.第1の多糖類を水性プレミックスに混合する工程の前に、水性プレミックスのpHを7以下に調整する工程を更に含む、段落A~Fのいずれかに記載の方法。
H.第1の多糖類が、キサンタンガムであり、第2の多糖類が、コンニャク由来のグルコマンナンを含むグルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落A~Gのいずれかに記載の方法。
I.複数の粒子が、有益剤及び有益剤を封入する壁材料を有する複数の有益剤送達粒子を含み、有益剤が、香料混合物、悪臭中和剤、抗菌剤、防虫剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、段落Hに記載の方法。
J.方法が、100Kg/hr超のフレッシュニング組成物を生成する、段落A~Iのいずれかに記載の方法。
K.方法が、連続プロセス、バッチプロセス、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落A~Jのいずれかに記載の方法。
L.フレッシュニング組成物を製造する方法であって、
水性キャリアと、高いイオン強度を有するフレッシュニング組成物の水溶性成分とを混合して、水性プレミックスを形成する、工程と、
続いて、第1の多糖類を水性プレミックスに混合して、第1の構造化組成物を形成する工程と、
第1の多糖類を水性プレミックスに混合した後に、第2の多糖類を水性プレミックスに混合して、0超~約2,000mPaの範囲の降伏応力と、約2mPa-s~約100mPa-sの範囲の粘度とを有する第2の構造化組成物を形成する工程と、
複数の粒子を構造化水性組成物に分散させて、フレッシュニング組成物を形成する工程と、を含む、方法。
M.追加の剪断エネルギーをフレッシュニング組成物に与える工程を更に含み、フレッシュニング組成物が、約1mPa-s~約20mPa-sの範囲の粘度と、0超~約500mPaの範囲の降伏応力とに低減される、段落Lに記載の方法。
N.イオン形成水溶性成分の一部をフレッシュニング組成物に導入する工程を更に含み、フレッシュニング組成物が、約1mPa-s~約20mPa-sの範囲の粘度と、0超~約500mPaの範囲の降伏応力とに低減される、段落Lに記載の方法。
O.水性プレミックス、構造化水性組成物、及びフレッシュニング組成物が、40℃を超えない温度に維持される、段落L~Nのいずれかに記載の方法。
P.第1の多糖類を水性プレミックスに混合する工程の前に、水性プレミックスのpHを5以下に調整する工程を更に含む、段落L~Oのいずれかに記載の方法。
Q.第1の多糖類が、キサンタンガムであり、第2の多糖類が、コンニャク由来のグルコマンナンを含むグルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落L~Pのいずれかに記載の方法。
R.方法が、100Kg/hr超のフレッシュニング組成物を生成し、方法が、連続プロセス、バッチプロセス、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落L~Qのいずれかに記載の方法。
S.フレッシュニング組成物を製造する方法であって、
水性キャリアと、フレッシュニング組成物のイオン形成水溶性成分とを混合タンク内で混合する工程であって、混合タンクが、
バッフル幅によって画定される複数のバッフルと、インペラ幅によって画定される複数のブレードを有するインペラと、粒子インジェクタとを備え、インペラ幅が、タンク直径の約0.3~約0.6倍であり、混合タンクが、タンク高さ及びタンク直径によって画定され、タンク高さが、タンク直径の約0.8~約2.0倍であり、バッフル幅が、インペラ幅の約0.05~約0.2倍である、工程と、
続いて、第1の多糖類を水性プレミックスに混合する工程と、
第1の多糖類を水性プレミックスに混合した後に、第2の多糖類を水性プレミックスに混合して、構造化水性組成物を形成する、工程と、
インペラのブレードに隣接する複数の粒子を導入して、フレッシュニング組成物を形成する工程と、を含む、方法。
T.混合タンクが、混合タンクの内部に高剪断ロータステータミキサーを備える、又はスタティックミキサーが混合タンクの外部に配置されている、段落Sに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の製造方法によって作製されたフレッシュニング組成物は、複数の粒子及び粒子を懸濁させる構造化剤系を含む。フレッシュニング組成物は、噴霧可能であり、粒子は、長時間懸濁したままであり、使用前に製品を激しく振る必要がなくなる。
【0008】
構造化剤系は、多糖類系の形態であってもよい。多糖類系は、第1の多糖類及び第2の多糖類を含んでもよい。第1の多糖類は、キサンタンガムを含む。第2の多糖類は、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。多糖類系は、非常に小さな濃度で粒子を懸濁するため、この用途にはよく適しており、残留物が最小限であるか全くない安定したフレッシュニング組成物をもたらす。
【0009】
粒子は、有益剤送達粒子の形態であってもよい。有益剤送達粒子は、有益剤を封入する壁材料を含んでもよい。有益剤は、香料混合物の形態であってもよい。本明細書で使用される場合、「香料混合物」は、少なくとも2つの香料原材料を含む。
【0010】
フレッシュニング組成物の製造は、商用目標を満たすために、単位時間当たりの体積又は重量で測定されるように、大規模で最良に行われる。組成物中の成分を添加する順序、入力剪断、及び流体の得られるレオロジー特性は、大規模なフレッシュニング組成物の製造に影響を与える。
【0011】
本発明の製造方法は、最初に、水性キャリアと、フレッシュニング組成物の少なくとも80重量%のイオン形成水溶性成分とを混合して、水性プレミックスを形成する工程を含む。イオン形成水溶性成分を水中で混合した後、第1の多糖類を水性プレミックスに混合する。続いて、第2の多糖類を水性プレミックスに混合して、構造化水性組成物を形成する。2つの多糖類が組み合わされると、複数の粒子を懸濁することができるポリマーネットワークが形成される。構造化水性組成物が形成されると、複数の粒子が構造化水性組成物に分散されて、フレッシュニング組成物を形成する。更なる処理は、スプレーディスペンサから噴霧可能な粘度までフレッシュニング組成物の粘度を低下させることを含み得る。
【0012】
本発明の製造方法は、1つの若しくは複数の連続プロセス、1つの若しくは複数のバッチプロセス、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0013】
複数の粒子を構造化水性組成物に添加する前に、複数の粒子を分散させるのに必要な混合エネルギーの量を低減するために、構造化水性組成物の降伏応力を0超~約2,000ミリパスカル(mPa)の範囲及び/又は約2ミリパスカル秒(mPa-s)~約100mPa-sの範囲の粘度に維持することが有益であり得る。粘度及び降伏応力は、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定される。複数の粒子を分散させるのに必要な混合エネルギーが大きいほど、第1の多糖類及び第2の多糖類から生じるポリマーネットワークに悪影響を与える可能性が高い。
【0014】
フレッシュニング組成物
本開示のフレッシュニング組成物は、複数の粒子及び粒子を懸濁させる構造化剤系を含む。
【0015】
フレッシュニング組成物は、約0.02mol/L未満のイオン強度を有してもよい。イオン強度は、以下の式に従って測定される。
【0016】
【数1】
(式中、c
iは、イオンiのモル濃度と等しく、単位mol/Lを有し、
z
i
2は、イオンの電荷数と等しい)。Basic Physical Chemistry,Walter J.Moore,p.370(1983)を参照されたい。
【0017】
粒子
フレッシュニング組成物は、複数の粒子を含有してもよい。本明細書で使用される場合、「粒子」は、固体又は半固体材料の少なくとも一部を含む。粒子は、様々な異なる形態を取り得る。粒子は、100重量%中実であってもよく、又は中空状であってもよい。粒子として、例えば、メソ細孔性粒子、活性炭、ゼオライト、有益剤送達粒子、ワックス、ハイドロゲル、及び/又は粉砕ナットシェルを挙げることができる。好ましくは、粒子は、有益剤送達粒子を含んでもよい。
【0018】
複数の粒子は、約0.1ミクロン~約500ミクロン、又は約1ミクロン~約100ミクロン、又は約5ミクロン~約50ミクロン、又は100ミクロン未満の範囲の平均最長突出寸法を有してもよい。複数の粒子内の任意の単一粒子の最長突出寸法は、単一粒子の外周内部に全体的に内接し得る最長長さ寸法の長さとされる。複数の粒子の平均最長突出寸法は、複数の粒子内の全ての粒子にわたって単一粒子内部に全体的に内接し得るとされてもよい。この平均はまた、複数の粒子から統計的に関連する粒子のサンプル全体で平均を取ることによって反映され得ることは当業者により理解されるだろう。
【0019】
上述のように、フレッシュニング組成物は、有益剤送達粒子の形態で粒子を含んでもよい。有益剤送達粒子は、有益剤を封入する壁材料を含んでもよい。有益剤は、本明細書で「有益剤」又は「封入された有益剤」と呼ばれることがある。有益剤は、香料混合物、防虫剤、悪臭中和剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。一態様では、香料送達技術は、壁材料を有する有益剤で少なくとも部分的に包み込むことによって作られる有益剤送達粒子を含んでいてもよい。有益剤は、3-(4-t-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(4-t-ブチルフェニル)-プロパナール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-メチルプロパナール、及び2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、α-ダマスコーン、β-ダマスコーン、γ-ダマスコーン、β-ダマセノン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチル-7,3-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、2-[2-(4-メチル-3-シクロヘキセニル-1-イル)プロピル]シクロペンタン-2-オン、2-sec-ブチルシクロヘキサノン、及びβ-ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、及びジヒドロミルセノールのような香料原材料;シリコーン油、ポリエチレンワックスなどのワックス;魚油、ジャスミン、カンファー、ラベンダーなどの精油;メントールなどの皮膚冷却剤、乳酸メチル;ビタミンA及びEなどのビタミン類;日焼け止め剤;グリセリン;マンガン触媒又は漂白剤触媒などの触媒;過ホウ酸塩などの漂白剤粒子;シリコンジオキシド粒子;制汗剤活性物質;カチオン性ポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられ得る。好適な有益剤は、Givaudan Corp.(Mount Olive,New Jersey,USA)、International Flavors & Fragrances Corp.(South Brunswick,New Jersey,USA)、又はFirmenich Company(Geneva,Switzerland)から入手することができる。本明細書で使用される場合、「香料原料」とは、以下の成分のうちの1つ以上を指す:芳香性精油;芳香化合物;プロ香料;安定化剤、希釈剤、加工剤、及び混入物質を含む、芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料とともに供給される材料;並びに芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料に一般的に付随する任意の材料。
【0020】
有益剤送達粒子の壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリル酸エステル系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物を含んでもよい。メラミン壁材料には、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン-ジメトキシエタノール、及びこれらの混合物が含まれ得る。ポリスチレン壁材料には、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンが含まれ得る。ポリ尿素壁材料には、ホルムアルデヒドで架橋された尿素、グルタルアルデヒドで架橋された尿素、ポリアミドと反応したポリイソシアネート、アルデヒドと反応したポリアミン、及びこれらの混合物が含まれ得る。ポリアクリレート系壁材料には、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレート、並びにこれらの混合物が含まれ得る。
【0021】
ポリアクリル酸エステル系壁材料は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキル及び/又はグリシジルエステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基及びアリルグルコンアミドを有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、並びにこれらの混合物を含んでもよい。
【0022】
芳香族アルコール系壁材料には、アリールオキシアルカノール、アリールアルカノール、及びオリゴアルカノールアリールエーテルが含まれ得る。更に、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル基を有する、特に好ましくは直接芳香族結合した少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含んでもよく、少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基が、特に芳香族環に直接結合していることが好ましく、より特に互いにメタ位にあることが好ましい。芳香族アルコールが、フェノール、クレゾール(o-、m-、及びp-クレゾール)、ナフトール(α-及びβ-ナフトール)及びチモール、並びに、エチルフェノール、プロピルフェノール、フルオロフェノール及びメトキシフェノールから選択されることが好ましい。
【0023】
ポリ尿素壁材料は、ポリイソシアネートを含んでもよい。ポリイソシアネートは、フェニル、トルオイル、キシリル、ナフチル、若しくはジフェニル部分を含有する芳香族ポリイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、若しくはキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物)、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、若しくはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット)、又はこれらの混合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット及びキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の混合物)であってもよい。更に他の実施形態では、ポリイソシアネートは架橋されていてもよく、架橋剤は、ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、ビス(ヘキサメチレン(hexanethylene))トリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、分岐状ポリエチレンイミン、キトサン、ナイシン、ゼラチン、1,3-ジアミノグアニジン一塩酸塩、1,1-ジメチルビグアニド塩酸塩、又はグアニジン炭酸塩)である。
【0024】
ポリビニルアルコール系壁材料は、架橋された、疎水的に改質されたポリビニルアルコールを含んでもよく、このポリビニルアルコールは、i)2,000~50,000Daの分子量を有する第1デキストランアルデヒドと、ii)50,000超~2,000,000Daの分子量を有する第2デキストランアルデヒドとを含む架橋剤を含む。
【0025】
香料有益剤送達粒子は、付着助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又はこれらの混合物でコーティングされてよい。好適なポリマーは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。フレッシュニング組成物は、1以上の種類の有益剤送達粒子、例えば2種類の有益剤送達粒子であって、第1又は第2の有益剤送達粒子のうちの一方が、(a)他方とは異なる壁材料からなる壁を有する;(b)他方とは異なる量の壁材料若しくはモノマーを含む壁を有する、又は(c)他方とは異なる量の香油成分を含有する、(d)異なる香油を含有する、(e)異なる温度で硬化される壁部を有する、(f)異なるcLogP値を有する香油を含有する、(g)異なる揮発度を有する香油を含有する、(h)異なる沸点を有する香油を含有する、(i)異なる重量比の壁材料で作製された壁部を有する、(j)異なる硬化時間で硬化される壁部を有する;かつ(k)異なる速度で加熱される壁部を有する、有益剤送達粒子を含み得る。
【0026】
好ましくは、香料有益剤送達粒子は、アクリル酸のポリマー又はその誘導体を含む壁材料、及び香料混合物を含む有益剤を有する。
【0027】
フレッシュニング組成物は、任意の量の粒子を含んでもよい。有益剤送達粒子に関して、フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物の約0.001重量%~約2.0重量%の、有益剤送達粒子の壁材料を含んだ有益剤を含有してもよい。又は、フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物の約0.01重量%~約1.0重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%~約0.5重量%の、有益剤送達粒子の壁材料内に含まれた有益剤を含有してもよい。
【0028】
封入されていない香料に関して、フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物の約0.001重量%~約2.0重量%、又は約0.01重量%~約1.0重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%~約0.5重量%の封入されていない香料を含んでもよい。
【0029】
構造化剤系
フレッシュニング組成物は、少なくとも1つの構造剤を有する構造化剤系を含む。構造剤は、1つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。そのようなバイオポリマーの非限定例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、グルクロン酸及びこれらの混合物のポリマーなどの多糖類が挙げられる。
【0030】
構造化剤系は、多糖類系の形態であってもよい。好ましい多糖類としては、キサンタンガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。グルコマンナンは、コンニャクガムなどの天然ガム由来であり得る。ガラクトマンナンは、ローカストビーンガム及び/又はタラガムなどの天然ガム由来であってもよい。多糖類は、カラギーナンを含んでいてもよい。多糖類は、脱アセチル化などによって修飾されてもよい。
【0031】
フレッシュニング組成物は、第1の多糖類及び第2の多糖類など少なくとも2つの多糖類を含む多糖類系を含んでもよい。第1の多糖類は、キサンタンガムであり得る。第2の多糖類は、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。第2の多糖類は、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0032】
好ましくは、第1の多糖類は、キサンタンガムであり、第2の多糖類は、コンニャクガムである。
【0033】
第1の多糖類は、多糖類系の10重量%超かつ90重量%未満、あるいは約20重量%~約80重量%、あるいは約40重量%~約60重量%の濃度で存在してもよい。
【0034】
第2の多糖類は、多糖類系の約15重量%~約85重量%、あるいは約20重量%~約80重量%、あるいは約40重量%~約60重量%の濃度で存在してもよい。
【0035】
フレッシュニング組成物中に存在する多糖類の総濃度は、約0.5重量%未満、又は好ましくは約0.2重量%未満、又は好ましくは約0.1重量%未満、より好ましくは0.08重量%未満、及び最も好ましくは0.06重量%未満であってもよい。理論に束縛されるものではないが、フレッシュニング組成物中に存在する総多糖類濃度の最小化は、残留物を減少させ、かつ/又は噴霧特性を最適化すると考えられている。
【0036】
多糖類系は、約10,000ダルトン~約15,000,000ダルトン、好ましくは約200,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、より好ましくは約500,000ダルトン~約9,000,000ダルトン、より好ましくは約750,000ダルトン~約8,000,000ダルトン、より好ましくは約1,000,000ダルトン~約7,000,000ダルトン、より好ましくは約2,000,000ダルトン~約6,000,000ダルトン、より好ましくは約3,500,000ダルトン~約6,000,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有していてよい。
【0037】
多糖類は、アセチル化率によって特徴付けられてもよい。キサンタンガムなどの多糖類のうちの1つ以上のアセチル化率は、約5.0~約0.2の範囲、好ましくは約3.5~約0.3の範囲、好ましくは約2.0~約0.35の範囲、好ましくは約1.5~約0.37の範囲、好ましくは約1.0~約0.39の範囲であってよい。
【0038】
フレッシュニング組成物は、約100百万分率(ppm)未満、好ましくは50ppm未満、好ましくは25ppm未満、より好ましくは10ppm未満の総タンパク質濃度を有していてよい。フレッシュニング組成物を適用する表面の退色を最小化するために、フレッシュニング組成物中の総タンパク質濃度を制限することが望ましい場合がある。
【0039】
緩衝剤
フレッシュニング組成物は、緩衝剤を含んでいてもよく、緩衝剤は、カルボン酸、又はマレイン酸のようなジカルボン酸、又はクエン酸若しくはポリアクリル酸のような多塩基酸であってもよい。この酸は立体的に安定していてもよく、所望のpHを維持するために、本フレッシュニング組成物で使用してもよい。緩衝剤は、トリエタノールアミンのような塩基、又はクエン酸ナトリウムのような有機酸塩を含んでいてもよい。フレッシュニング組成物は、典型的には約3.0~約7.0、好ましくは約4.0~約6.5、より好ましくは約4.0~約6.0のpHを有し得る。
【0040】
クエン酸のようなカルボン酸は、金属イオンキレートとして機能する場合があり、水溶性の低い金属塩を形成することができる。フレッシュニング組成物は、本質的にクエン酸を含まなくてもよい。緩衝剤は、アルカリ性、酸性、又は中性であってもよい。
【0041】
フレッシュニング組成物用の他の好適な緩衝剤としては、生物学的緩衝剤が挙げられる。一部の例は、窒素含有物質、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)又はN-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)のようなスルホン酸緩衝剤であり、これらのpKaは中性付近の6.2~7.5であり、中性のpHにおいて十分な緩衝力を発揮する。他の例は、リシンのようなアミノ酸、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンのような低級アルコールアミンである。他の窒素含有緩衝剤は、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン(HOCH2)3CNH3(TRIS)、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパノール、グルタミン酸二ナトリウム、N-メチルジエタノールアミド、2-ジメチルアミノ-2-メチルプロパノール(DMAMP)、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、1,3-ジアミノ-プロパノール、N,N’-テトラ-メチル-1,3-ジアミノ-2-プロパノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、及びN-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)である。上記のいずれかの混合物も許容可能である。
【0042】
フレッシュニング組成物は、当該フレッシュニング組成物の少なくとも約0重量%、好ましくは少なくとも約0.001重量%、より好ましくは少なくとも約0.01重量%の緩衝剤を含有していてよい。また、フレッシュニング組成物は、当該フレッシュニング組成物の約1重量%以下、好ましくは約0.75重量%以下、より好ましくは約0.5重量%以下の緩衝剤を含有していてもよい。
【0043】
可溶化剤
フレッシュニング組成物は、透明な透光性溶液を生成するために、過剰な疎水性有機材料、特に、ある種の悪臭中和剤、香料材料、更に、フレッシュニング組成物に加えてもよいが、フレッシュニング組成物に容易に溶解しない任意成分(例えば、害虫忌避剤、酸化防止剤など)を可溶化するために、可溶化助剤を含んでもよい。好適な可溶化助剤は、非起泡性又は低起泡性界面活性剤などの界面活性剤である。好適な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物である。
【0044】
フレッシュニング組成物は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びそれらの混合物を含有することができる。フレッシュニング組成物は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することができる。フレッシュニング組成物中で使用可能な1種類の好適な硬化ヒマシ油は、Basophor(商標)(BASFから入手可能)として販売される。
【0045】
アニオン性界面活性剤及び/又は洗剤用界面活性剤を含むフレッシュニング組成物では、布地が汚れの影響を受けやすくなる場合があり、及び/又は、溶液が布地から蒸発すると、許容できない目に見える染みが布地上に残る場合がある。フレッシュニング組成物は、アニオン性界面活性剤及び/又は洗剤用界面活性剤を含まなくてもよい。
【0046】
フレッシュニング組成物は、可溶化剤(solublizing agent)を約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.4重量%~約1重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.5重量%、最も好ましくは約0.1重量%~約0.3重量%含有してもよい。好ましくは、可溶化剤は、界面活性剤、溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み、好ましくは、溶媒は、アルコール、ポリオール、及びこれらの混合物を含む。
【0047】
表面張力低下剤
フレッシュニング組成物は、ポリエステル及びナイロンのような疎水性表面上に、フレッシュニング組成物が容易かつより均一に広がるような低い表面張力を与える湿潤剤を含んでもよい。本フレッシュニング組成物は、このような湿潤剤を使用しない場合、十分には広がり得ないことが見出されている。フレッシュニング組成物を広げると、フレッシュニング組成物を迅速に乾燥させることが可能となり、その結果、処理された材料は直ちに使える状態になる。更に、湿潤剤を含有するフレッシュニング組成物は、改善された悪臭中和のために、疎水性の油性汚れによりよく浸透することができる。湿潤剤を含有するフレッシュニング組成物は、「衣服着用中」の静電気制御性を向上させることもできる。濃縮フレッシュニング組成物の場合、湿潤剤は、濃縮フレッシュニング組成物中の抗菌性活性物質及び香料などの多くの活性物質の分散を促進する。
【0048】
湿潤剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられる。好適なブロックポリオキシエチレン-ポリプロピレンポリマー界面活性剤としては、初期の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。初期化合物とC12~18脂肪族アルコールなどの単一の反応性水素原子との連続したエトキシ化及びプロポキシ化により作製されるポリマー化合物は、一般に、シクロデキストリンと相溶性ではない。特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、BASF-Wyandotte Corp.(Wyandotte,Michigan)製のPluronic(登録商標)及びTetronic(登録商標)を含む。
【0049】
この種の湿潤剤の非限定的な例は、米国特許第5,714,137号に記載されており、Momentive Performance Chemical,Albany,New Yorkから入手可能なSilwet(登録商標)界面活性剤が挙げられる。例示的なSilwet界面活性剤は、以下のとおりである。
【0050】
【表1】
及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0051】
フレッシュニング組成物は、例えば、表面の外観(しわの減少、改善された色外観、改善又は回復された布地の形状)など布地の回復をもたらし得る。布地の外観の回復に役立つ補助成分は、安定で分離しないフレッシュニング組成物を生成するのに必要な界面活性剤、乳化剤及び溶媒と合わせて、水溶性又は混和性の四級アンモニウム界面活性剤及び水不溶性油成分から選択される。ある種の非限定的な好ましい乳化剤は、ソルビタンエステル、及びアルキレンオキシドで修飾されたソルビタンエステル、例えば、Tween(登録商標)20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、分岐状界面活性剤、例えばGuerbetアルコール、又はGuergetアルコールで修飾されたアルキレンオキシド、例えば、Lutensol(登録商標)XL 70(オキシラン、2-メチル-、オキシランとのポリマー、モノ(2-プロピルヘプチル)エーテル、BASF)である。湿潤剤は、成分を広げるのに役立ち、噴霧中のフレッシュニング組成物の起泡を減らすのに役立つ。ある種の好ましい湿潤剤としては、超湿潤剤として当該技術分野で知られる種類の湿潤剤が挙げられる。理論によって束縛されないが、超湿潤剤は、表面に非常に効率よく充填され、極めて低い平衡表面張力が得られる。このような界面活性剤の非限定的な例としては、Surfynol(登録商標)465及びSurfynol(登録商標)104PG 50のようなSurfynols(登録商標)が挙げられる(Dow Chemicals)。
【0052】
水溶性又は混和性の四級アンモニウム界面活性剤:
典型的には、フレッシュニング組成物に含まれる水溶性第四級アンモニウム化合物の最低濃度は、当該フレッシュニング組成物の合計重量を基準として、少なくとも約0.01重量%、好ましくは少なくとも約0.05重量%、より好ましくは少なくとも約0.1重量%、更により好ましくは少なくとも約0.2重量%である。典型的には、フレッシュニング組成物に含まれる最大濃度の水溶性四級剤は、フレッシュニング組成物の合計重量を基準として、約20重量%まで、好ましくは、約10重量%未満、更に好ましくは、約3重量%未満である。典型的には、水溶性四級剤は、フレッシュニング組成物中に約0.2重量%~約1.0重量%の量で存在する。
【0053】
具体的には、好ましい水溶性四級化合物は、ジアルキル四級界面活性剤化合物である。適切な四級界面活性剤としては、限定されないが、下式を有する四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、
【0054】
【化1】
式中、R
1及びR
2は、独立して、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ヒドロキシアルキル、ベンジル、及び-(C
2H
4O)
xHからなる群から選択され、xは、約2~約5の値を有し;Xは、アニオンであり;(1)R
3及びR
4は、それぞれ、C
6~C
14アルキルであるか、又は(2)R
3は、C
6~C
18アルキルであり、R
4は、C
1~C
10アルキル、C
1~C
10ヒドロキシアルキル、ベンジル、及び-(C
2H
4O)
xHからなる群から選択され、xは、2~5の値を有する。好ましい非対称性四級化合物は、R3及びR4が同一ではなく、好ましくは一方が分岐状で、もう一方が直鎖状の化合物である。
【0055】
非対称性四級化合物の一例は、Xがメチルサルフェートイオンであり、R1及びR2がメチル基であり、R3が、モノ不飽和部が5%未満の水素添加タロー基であり、R4が2-エチルヘキシル基である、ARQUAD HTL8-MSである。ARQUAD HTL8-MSは、オランダのArnhemのAkzo Nobel Chemicalから入手できる。
【0056】
対称性四級化合物の一例は、Xが炭酸塩及び重炭酸塩であり、R1及びR2がメチル基であり、R3及びR4がC10アルキル基である、UNIQUAT 22c50である。UNIQUAT 22c50は、北アメリカのLonzaの登録商標であり、アレンデール、ニュージャージーのLonza Incorporatedから入手可能である。
【0057】
適切な水溶性四級化合物の別の例は、Lonzaから入手可能であり、以下の構造を有するN-セチルエチルモルホリニウムエトサルフェートであるBARQUAT CME-35である。
【0058】
【0059】
抗菌性化合物
フレッシュニング組成物は、空気中又は無生物表面上の生存微生物の数を減少させる化合物を有効量含んでもよい。抗菌性化合物は、カウチ、枕、ペットの寝具、及びカーペットなどの、ヒトの皮膚又はペットと接触した室内表面上に典型的に存在するグラム陰性菌若しくはグラム陽性菌、又は真菌に対して有効である。そのような微生物種としては、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureus、Aspergillus niger、Klebsiella pneumoniae、Steptococcus pyogenes、Salmonella choleraesuis、Escherichia coli、Trichophyton mentagrophytes、及びPseudomonoas aeruginosaが挙げられる。抗菌性化合物はまた、H1-N1、ライノウイルス、呼吸系発疹ウイルス、1型ポリオウイルス、ロタウイルス、A型インフルエンザ、1型及び2型単純ヘルペス、A型肝炎、及びヒトコロナウイルスなどの生存ウイルスの数を低減するうえで有効であり得る。
【0060】
フレッシュニング組成物に好適な抗菌性化合物は、布地の外観を損傷(例えば、変色、黄ばみなどの着色、脱色)させない任意の有機材料とすることができる。水溶性抗菌性化合物としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、四級化合物、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
四級化合物が使用されてもよい。フレッシュニング組成物に使用するのに好適な市販の第四級化合物の例として、Lonza Corporationから入手可能なBarquat;及び商標名Bardac(登録商標)2250でLonza Corporationから入手可能な塩化アンモニウムジメチルジデシルクアットがある。
【0062】
抗菌性化合物は、フレッシュニング組成物の約500重量ppm~約7000重量ppm、あるいは約1000重量ppm~約5000重量ppm、あるいは約1000重量ppm~約3000重量ppm、あるいは約1400重量ppm~約2500重量ppmの量で存在してもよい。
【0063】
防腐剤
フレッシュニング組成物は、防腐剤を含有してもよい。防腐剤は、特定の期間にわたって腐敗を防ぐか、又は意図せず混入した微生物の増殖を防ぐのに十分であるが、フレッシュニング組成物の悪臭中和性能に寄与するのに十分ではない量で存在し得る。換言すれば、防腐剤は、微生物によって生じる臭気を消すために、フレッシュニング組成物を堆積させる表面上の微生物を死滅させる抗菌性化合物として使用されているのではない。むしろ、フレッシュニング組成物の保存寿命を長くする目的で、フレッシュニング組成物の腐敗を防ぐために防腐剤が用いられる。
【0064】
防腐剤は、布地の外観に損傷(例えば変色、着色、脱色)を生じさせない任意の有機防腐剤材料とすることができる。好適な水溶性防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール(diaol)物質、イソチアゾリノン、四級化合物、ベンゾエート、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0065】
市販の水溶性防腐剤の非限定的な例としては、Rohm and Haas Co.によって商標名Kathon(登録商標)CGで1.5%水溶液として入手可能な広域スペクトル防腐剤である、約77%の5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと約23%の2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物;HenkelからBronidox L(登録商標)の商品名で入手可能な5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;InolexからBronopol(登録商標)の商品名で入手可能な2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール;クロロヘキシジン、並びにその例えば酢酸及びジグルコン酸との塩として一般的に知られている、1,1’-ヘキサメチレンビス(5-(p-クロロフェニル)ビグアニド);LonzaからGlydant Plus(登録商標)の名称で入手可能な、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオンと3-ブチル-2-ヨードプロピニルカルバメートとの95:5混合物;Sutton Laboratories,Inc.からGermall(登録商標)IIの商品名で入手可能であり、ジアゾリジニルウレアとして一般的に知られる、N-[1,3-ビス(ヒドロキシメチル)2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]-N,N’-ビス(ヒドロキシ-メチル)ウレア;例えば、3V-Sigmaから商標名Abiol(登録商標)として、InduchemからUnicide U-13(登録商標)として、Sutton Laboratories,Inc.からGer-mall 115(登録商標)として入手可能な、イミダゾリジニルウレアとして一般的に知られる、N,N’’-メチレンビス{N’-[1-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]ウレア};Nuosept(登録商標)Cの商品名でHuls Americaから入手可能なポリメトキシ二環オキサゾリジン;ホルムアルデヒド;グルタルアルデヒド;ICI Americas,Inc.から商標名Cosmocil CQ(登録商標)として、又はBrooks,Incから商標名Mikrokill(登録商標)として入手可能なポリアミノプロピルビグアニド;デヒドロ酢酸;並びにRohm and Hass Corporationから商標名Koralone(商標)B-119として入手可能なベンズイソチアゾリノン;1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン;Acticide MBSが挙げられる。
【0066】
防腐剤の好適な濃度は、フレッシュニング組成物の約0.0001重量%~約0.5重量%、あるいは約0.0002重量%~約0.2重量%、あるいは約0.0003重量%~約0.1重量%である。
【0067】
悪臭中和剤
フレッシュニング組成物は、他の悪臭低減技術を含んでもよい。限定されないが、アミン官能性ポリマー、金属イオン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体(deriviatives)、ポリオール、酸化剤、活性炭及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0068】
香料送達技術
フレッシュニング組成物は、香料成分の処理された基材に付着し、基材から放出されるのを安定化し向上させる1つ以上の香料送達技術を含み得る。かかる香料送達技術を使用して、処理された基材からの香料の放出寿命を延長することもできる。香料送達技術、特定の香料送達技術を作製する方法、及びかかる香料送達技術の使用法は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0069】
フレッシュニング組成物は、約0.001重量%~約20重量%、好ましくは約0.01重量%~約10重量%、好ましくは約0.05重量%~約5重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.5重量%の香料送達技術を含んでいてよい。一態様において、香料送達技術は、プロ香料、ポリマー粒子、可溶性シリコーン、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、繊維支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、デンプン封入アコード、ゼオライト、及び無機キャリア、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0070】
香料送達技術は、アミン反応製品(amine reaction product、ARP)又はチオ反応製品を含み得る。アミン官能基及び/又はチオール官能基が1つ以上のPRMと予備反応して反応生成物を生成する、「反応性」ポリマー性アミン及び、又はポリマーチオールを用いてもよい。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマー又はモノマー(非ポリマー)の一部であり得る。また、そのようなARPを追加のPRMと混合して、ポリマー支援型送達及び/又はアミン支援型送達の効果を提供することもできる。ポリマー性アミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(polyvinylamine、PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン、例えば、2-アミノエタノール及びそのアルキル置換誘導体、並びに芳香族アミン、例えば、アントラニレートが挙げられる。ARPは、香料と予混合しておいてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加してもよい。窒素及び/又は硫黄以外のヘテロ原子(例えば、酸素、リン又はセレンなど)を含有する材料を、アミン化合物の代替として使用してもよい。上述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。単一の分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン、及びセレノール)のうちの1つ以上とを含んでもよい。その効果としては、香料の送達の改善に加えて、香料の徐放を挙げることができる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願公開第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0071】
封入されていない香料
フレッシュニング組成物は、快楽効果を供給するだけの(すなわち、悪臭を中和しないが、快い香りは供給する)1つ以上の香料原材料を含む封入されていない香料を含んでもよい。好適な香料は、米国特許第6,248,135号に開示されている。例えば、フレッシュニング組成物は、悪臭を中和するための揮発性アルデヒドと快楽をもたらす香料アルデヒドの混合物を含んでよい。
【0072】
悪臭制御成分中の揮発性アルデヒド以外の香料がフレッシュニング組成物に配合される場合、封入されていない香料及び揮発性アルデヒドの総量は、当該フレッシュニング組成物の約0.015重量%~約3重量%、好ましくは約0.01重量%~約1.0重量%、より好ましくは約0.015重量%~約0.5重量%であってよい。
【0073】
水性キャリア
フレッシュニング組成物は、水性キャリアを含有してもよい。使用される水性キャリアは、蒸留水、脱イオン水又は水道水であり得る。水は、水溶液であるフレッシュニング組成物に任意の量で存在していてもよい。水は、フレッシュニング組成物の約85重量%~99.5重量%、好ましくは約90重量%~約99.5重量%、より好ましくは約92重量%~約99.5重量%、より好ましくは約95重量%の量で存在していてよい。少量の低分子量の一価アルコール、例えば、エタノール、メタノール、及びイソプロパノール、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのポリオールを含有する水も有用であり得る。しかし、エタノール及び/又はイソプロパノールなどの揮発性の低分子量一価アルコールは制限すべきであり、これは、これらの揮発性有機化合物が、引火性の問題及び環境汚染の問題の双方の一因になるからである。少量の低分子量一価アルコールを、香料として、及び一部の防腐剤の安定化剤としてフレッシュニング組成物に添加したために、少量の低分子量一価アルコールがフレッシュニング組成物中に存在する場合、一価アルコールの濃度は、フレッシュニング組成物の約1重量%~約5重量%、あるいは約6重量%未満、あるいは約3重量%未満、あるいは約1重量%未満とすることができる。
【0074】
希釈剤
フレッシュニング組成物は更に希釈剤を含んでもよい。例示的な希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及び3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
アジュバント
アジュバントを公知の目的で、本明細書のフレッシュニング組成物に加えることができる。そのようなアジュバントとしては、限定されるものではないが、亜鉛塩、銅塩、及びこれらの混合物を含む水溶性金属塩;帯電防止剤;害虫忌避剤及び蛾忌避剤;着色剤;酸化防止剤;アロマセラピー剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
噴霧可能な製品
フレッシュニング組成物は、スプレーディスペンサに包装されて、噴霧可能な製品を形成することができる。噴霧可能な製品は、空気中及び表面上での使用に好適であり得る。
【0077】
噴霧可能な製品は、微細な霧状液を送達するように構成され得る。スプレーディスペンサは、直接圧縮型トリガー噴霧器、事前圧縮型トリガー噴霧器、又はエアゾール型スプレーディスペンサなどの様々な方法で構成され得る。1つの好適なスプレーディスペンサは、TS800トリガー噴霧器(Exxon Mobil PP1063、material classification 10003913、製造業者:Calmar)である。
【0078】
別の好適なスプレーディスペンサには、Afa Dispensing Group製のFLAIROSOL(商標)ディスペンサなど連続動作式スプレー装置が挙げられる。FLAIROSOL(商標)ディスペンサは、事前圧縮スプレーエンジンを備えたバッグ・イン・バッグ又はバッグ・イン・缶型容器、及びフレッシュニング組成物のエアゾール樣圧縮器を含む。
【0079】
噴霧可能な製品は、スプレーエンジン及び容器を含んでいてよい。フレッシュニング組成物は、容器内に配置されてもよい。フレッシュニング組成物を含む容器は、例えば、リフィル容器のように、スプレーエンジンとは別に利用可能であってもよい。
【0080】
性能特性
本開示のフレッシュニング組成物は、安定であり、消費者に受け入れられる噴霧を呈し、最小限の残留物を有することが判明した。理論に束縛されるものではないが、本開示の構造化剤系は、非常に低い多糖類濃度で安定性を提供し、最小限の残留物で消費者に受け入れられる噴霧品質を可能にするように極めて効果的に一意に結合すると考えられている。
【0081】
フレッシュニング組成物は、噴霧液滴の形態でスプレーディスペンサから吐出し得る。本開示のフレッシュニング組成物は、粒子を懸濁させることができ、比較的均一、かつ十分に小さなサイズの噴霧液滴の送達も行いながら安定なフレッシュニング組成物を形成する。より大きくかつ非均一の噴霧液滴は、消費者に受け入れらない外観をもたらすことがあり、空気中又は表面上にフレッシュニング組成物の十分な被覆を提供しないことがある。
【0082】
フレッシュニング組成物はまた、フレッシュニング組成物が噴霧され、表面上で乾燥した後に表面上に十分に低く、かつ消費者に受け入れられるレベルの残留物をもたらし得る。例えば、本開示の好ましいフレッシュニング組成物は、残留物値試験方法に従って測定して、0~20未満又は好ましくは0~15未満の範囲の残留物値を提供し得る。
【0083】
本開示の構造化剤系は、粒子がフレッシュニング組成物の上面に浮かばない又はフレッシュニング組成物の底部に沈まないようにフレッシュニング組成物中に粒子を懸濁させ得る。例えば、本開示のフレッシュニング組成物は、本明細書に開示された相安定性試験方法に従って測定される、少なくとも1又は2の相安定性グレードを提供し得る。フレッシュニング組成物中で粒子を安定させることにより、フレッシュニング組成物を吐出する前にスプレーディスペンサを激しく振る必要がなくなる。粒子を安定させることはまた、粒子をフレッシュニング組成物中により均一に分布する助けになり得、その結果スプレーディスペンサからの各噴霧は、比較的一定レベルの粒子を提供する。
【0084】
レオロジー特性
最終フレッシュニング組成物の降伏応力は、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定されるように、0超~約1,000mPa、好ましくは0超~約500mPa、好ましくは0超~約300mPa、好ましくは0超~約100mPa、より好ましくは0超~約50mPaの範囲であり得る。
【0085】
フレッシュニング組成物の粘度は、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定されるように、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは約1mPa-s~約15mPa-s、好ましくは約1mPa-s~約10mPa-s、より好ましくは約1mPa-s~約5mPa-sの範囲であり得る。
【0086】
使用方法
本発明のフレッシュニング組成物は、散布することによって、例えば、スプレーディスペンサのような分配手段の中に本発明の水溶液を入れ、有効量を空気中、又は所望の表面若しくは物品上に噴霧することによって、使うことができる。有効量とは、本明細書における定義では、ヒトの臭覚によって認識できないうえに、物品又は表面に液体が染みこんだり、又は液体の水溜りができたりして、乾いたときに、容易には認識可能な目に見える堆積物ができることのない濃度で、空気若しくは表面をフレッシュニングするかつ/又は悪臭を中和するのに十分な量を意味する。散布は、スプレーデバイスを使用することによって達成することができる。
【0087】
本開示は、悪臭を減少させるかつ/又は家庭内表面をフレッシュニングするために家庭内表面上にフレッシュニング組成物を有効量散布する方法を包含する。家庭内表面は、カウンタートップ、キャビネット、壁、床、カーペット又はラグ、浴室の表面、ごみ及び/又はリサイクル容器、電化製品、並びにキッチンの表面からなる群から選択される。
【0088】
本開示は、悪臭を減少させるかつ/又は布地及び/若しくは布地物品をフレッシュニングするために、布地及び/又は布地物品上にフレッシュニング組成物の霧状液を有効量散布する方法を包含する。布地及び/又は布地物品としては、布、カーテン、掛け布、布張りの家具、カーペット、ベッド用リネン、浴室用リネン、テーブルクロス、寝袋、テント、車内、例えば、車用カーペット、車の布地製シート、シャワーカーテン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
本開示は、悪臭の印象を減少させるかつ/又はフレッシュニングするために、靴の上及び靴の中にフレッシュニング組成物の霧状液を有効量散布する方法であって、靴に浸透するまで噴霧しない方法を包含する。
【0090】
本開示は、フレッシュニングかつ/又は悪臭を中和するために空気中にフレッシュニング組成物の霧状液を有効量散布する方法に関する。
【0091】
本開示は、フレッシュニングかつ/又は悪臭を中和するために猫用トイレ、ペットの寝具及びペットハウス上にフレッシュニング組成物の霧状液を有効量散布する方法に関する。
【0092】
本開示は、フレッシュニングかつ/又は悪臭を中和するために家庭内のペットにフレッシュニング組成物の霧状液を有効量散布する方法に関する。
【0093】
製造方法
フレッシュニング組成物のレオロジー特性(剪断減粘性及び高降伏応力)のために、大きな商業規模での製造は、添加の順序、剪断速度、混合時間、通気、及び/又はプロセス機器設計を含む様々なプロセス条件に敏感であることが見出された。フレッシュニング組成物を商業規模で製造する方法は、100Kg/hr超、より好ましくは1,000Kg/hr超、最も好ましくは10,000Kg/hr超のフレッシュニング組成物を生成することができる。製造方法は、1つの若しくは複数の連続プロセス、1つの若しくは複数のバッチプロセス、又は連続処理とバッチ処理の組み合わせを含み得る。
【0094】
添加順
フレッシュニング組成物の成分を添加する順序は、商業規模で作製するとき、フレッシュニング組成物の長期安定性及び/又は残留物値に影響を及ぼし得ることが見出された。特に、多糖類が添加される前に、イオン形成水溶性成分の大部分をフレッシュニング組成物に添加することが有利であることが見出された。イオン形成水溶性成分は、例えば、緩衝剤、悪臭中和剤、防腐剤、塩、及びこれらの組み合わせを含み得る。多糖類が組み合わされて構造化水性組成物を形成した後に、イオン形成水溶性成分の大部分が添加される場合、予測不可能な時間減衰ポリマー構造は、最終粘度に達するのに数週間かかる可能性がある。イオン形成水溶性成分の大部分が添加された後に多糖類成分を添加すると、より時間的に安定した、降伏応力が予測可能である、及び/又はより残留物の少ないフレッシュニング組成物が得られる。
【0095】
水性プレミックス
水性プレミックスは、イオン形成水溶性成分、水、可溶化剤、pH及び緩衝剤を含み得る。例示のみを目的として
図1を参照すると、最初に水性キャリアを混合タンク10に添加し、次いでインペラ12を中等度の強度で始動させる。混合タンクが乱流になると、少なくとも80重量%のイオン形成水溶性成分を混合タンクの上部に1つずつ添加することができる。各成分を添加した後、成分は、水性プレミックスの次の成分を添加する前に、少なくとも1分間混合され得る。混合強度は、水性プレミックスの通気及び発泡を回避するように選択されるべきである。水性プレミックスの成分は、任意の順序で1つずつ添加され得る。ヒドロキシプロピルベータ-シクロデキストリンなどの悪臭中和剤の任意の添加に続いて、緩衝剤を用いてpH調整工程を実施する。
【0096】
pHは、約4.0~約7.0、又は約4.0~約6.5、又は約4.0~約6.0の最終値に調整され得る。安定したpHの読み取りが達成されると、水性プレミックスの形成が完了する。
【0097】
例示的な非限定的かつ例示的な水性プレミックス組成物を、以下の表1A及び1Bに示す。
【0098】
【0099】
【0100】
構造化水性組成物
水性プレミックスが形成されると、構造化剤系の成分を水性プレミックスに添加して、構造化水性組成物を形成することができる。
【0101】
構造化剤系の多糖類は、様々な形態で水性プレミックスに添加され得る。例えば、多糖類は、粉末として、又は粉末が水及び任意選択的に防腐剤と混合され、少なくとも2時間及び最大2週間の期間にわたって静置される多糖類プレミックスとして添加され得る。多糖類プレミックスとして添加される場合、各多糖類系は、別個の多糖類プレミックスとして調製され得る。
【0102】
水性プレミックスが形成された後、ポリマーネットワークが、多糖類を1つずつ添加することによって水性プレミックス中に形成される。
【0103】
第1の多糖類及び第2の多糖類が組み合わされると、それらは粘弾性ポリマーネットワークを形成し、驚くほど低濃度の総多糖類で製品に降伏応力を与える。理想的なプロセス結果は、プロセス及び材料の変異にもかかわらず(キサンタン、コンニャク、ローカストビーン、及びタラガムなどの多糖類ガムは、変異を受けやすい天然材料である)、信頼性の高い降伏応力で、完全に均質なポリマーネットワークを形成することである。
【0104】
好ましいポリマーネットワークは、多糖類が一緒に完全に均質化され、低局所濃度で、及び低剪断速度及び時間で混合されるときに形成される。
【0105】
例えば、多糖類のいずれかは、最初に水性プレミックスに添加される第1の多糖類として選択されて、第1の多糖類プレミックスを形成することができる。第1の多糖類は、多糖類を水性プレミックスに分散させる中程度の混合強度でゆっくりと添加されるべきである。水性プレミックスの通気は、最小化又は防止され得る。多糖類は、混合タンクの上部又は様々な他の入口点に添加され得る。水性プレミックス及び第1の多糖類は、第1の多糖類が水性プレミックス中に完全に分散するまで混合され得る。しかしながら、混合時間は、水性プレミックスの増大する降伏応力を維持するために最小に保たれるべきである。
【0106】
各多糖類が添加されると、水性プレミックスの粘度が上昇する。したがって、第2の多糖類が水性プレミックスに添加される前に、粘度の上昇を考慮して混合強度を高めることができる。
【0107】
次に、第2の多糖類が、水性プレミックスにゆっくりと混合され得る。水性プレミックス並びに第1の多糖類及び第2の多糖類は、第1の多糖類及び第2の多糖類が完全に分散して構造化水性組成物を形成するまで混合され得る。しかしながら、混合時間は、水性プレミックスの増大する降伏応力を維持するために最小に保たれるべきである。ポリマーネットワークが形成されるときの粘度及び降伏応力の増加を考慮して、第2の多糖類が添加されるにつれて、混合強度を増加させることができる。第2の多糖類の添加は、制御された速度で完了する。構造化水性組成物は、軽い通気を伴う均質で透明な液体であり得る。
【0108】
構造化水性組成物の粘度は、約2mPa-s~約100mPa-s、好ましくは約2mPa-s~約75mPa-s、好ましくは約2mPa-s~約50mPa-s、より好ましくは約2mPa-s~約20mPa-sの範囲であり得る。構造化水性組成物の降伏応力は、0超~約2,000mPa、好ましくは0超~約1,000mPa、より好ましくは0超~約500mPaの範囲であり得る。最小粘度及び降伏応力は、粒子を懸濁させるのに役立つが、100mPa-s以下の粘度と、1,000mPa以下の降伏応力とを維持することで、複数の粒子を組み込むために必要な剪断が低減する。
【0109】
フレッシュニング組成物の形成
構造化水性組成物が形成されると、複数の粒子を構造化水性組成物に分散させて、フレッシュニング組成物を形成することができる。複数の粒子は、粒子プレミックスとして構造化水性組成物にブレンドされ得る。粒子プレミックスは、キャリア流体及び複数の粒子を含み得る。構造化水性組成物と粒子プレミックスは、実質的に異なる粘度を有する。構造化水性組成物全体に複数の粒子を均一に分散させるために、高い混合強度が必要とされ得る。混合強度が高いため、構造化水性組成物に付与される剪断を最小限に抑えるように、複数の粒子を構造化水性組成物に混合する時間を監視する必要がある。構造化水性組成物の通気及び発泡は、最小化され得る。
【0110】
粒子プレミックスの代わりに、粒子自体が構造化水性組成物に添加され得る。
【0111】
構造化水性組成物中の粒子を分散させるために利用される混合時間は、25分未満、又は好ましくは20分未満、より好ましくは15分未満に低減され得る。
【0112】
有益剤送達粒子のスラリーなどの粒子プレミックスについて、粒子プレミックスは、残りのプレミックスよりも高い粘度の凝集領域を有し得る。より高い粘度の凝集領域は、約50μm~約400μmの範囲のサイズを有し得る。構造化水性組成物中の凝集領域のサイズを100μm未満に低減するために、高い混合強度を利用することが有益であり得る。
【0113】
フレッシュニング組成物の粘度は、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは約1mPa-s~約15mPa-s、好ましくは約1mPa-s~約10mPa-s、より好ましくは約1mPa-s~約5mPa-sの範囲であり得る。フレッシュニング組成物の降伏応力は、0超~約1,000mPa、好ましくは0超~約500mPa、好ましくは0超~約300mPa、好ましくは0超~約100mPa、より好ましくは0超~約50mPaの範囲であり得る。複数の粒子を構造化水性組成物に分散させるために適用される剪断は、粘度及び降伏応力を低減する。低い粘度及び降伏応力は、フレッシュニング組成物が噴霧可能であることを可能にし得る、又は場合によっては、噴霧ディスペンサから噴霧可能な範囲まで粘度及び降伏応力を更に低下させるために追加の工程が必要とされ得る。
【0114】
粘度調整工程
フレッシュニング組成物の粘度は、噴霧ディスペンサから噴霧可能なフレッシュニング組成物を作製するために、低減する必要があり得る。イオン形成水溶性成分の一部を使用して、フレッシュニング組成物の粘度を低下させ得る。この工程は、複数の粒子が構造化水性組成物全体に分散されてフレッシュニング組成物を形成した後に行われ得る。例えば、フレッシュニング組成物の最終粘度を調整するために、最大500mg/L又は最大200mg/Lの一価又は二価塩が添加され得る。
【0115】
フレッシュニング組成物の粘度は、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは約1mPa-s~約15mPa-s、好ましくは約1mPa-s~約10mPa-s、より好ましくは約1mPa-s~約5mPa-sの範囲であり得る。フレッシュニング組成物の降伏応力は、0超~約500mPa、好ましくは0超~約300mPa、好ましくは0超~約100mPa、より好ましくは0超~約50mPaの範囲であり得る。
【0116】
フレッシュニング組成物は、0~20未満、好ましくは0~15未満の範囲の残留物値を有し得る。フレッシュニング組成物の相安定性グレードは、1又は2であり得、より好ましくは、相安定性グレードは、2であり得る。
【0117】
プロセス機器設計
図1及び2を参照すると、上記のように、フレッシュニング組成物は、混合タンク10内で混合され得る。混合タンク10は、タンク高さT
H及びタンク直径T
Dによって画定され得る。タンク高さT
Hは、タンク直径T
Dの約0.8~約2.0倍、又は約0.8~約1.4倍であり得る。
【0118】
混合タンク10は、長手方向軸LAを画定するインペラ12を含み得る。インペラ12は、複数のブレードを備え得る。
図2を参照すると、ブレードのうちの少なくとも2つは、軸方向に互いに離間していてもよい。ブレードは、インペラ幅I
wを画定し得る。インペラ幅は、タンク直径T
Dの約0.3~約0.6倍であり得る、又は、インペラ幅は、タンク直径T
Dの約0.34~約0.5倍であり得る。インペラは、フレッシュニング組成物を広範囲の混合強度で混合するために、可変周波数駆動(「VFD」)モータによって駆動され得る。インペラのブレードは、タンク直径T
Dの約1/3である混合タンクの底部からの距離(「インペラ高さI
H」)に位置付けられ得る。インペラの2つ以上のブレードが軸方向に離間している場合、下側ブレードは、タンク直径T
Dの約1/3であるインペラ高さI
Hに位置付けられ得、上側ブレードは、タンク直径T
Dの約2/3であるインペラ高さI
Hに位置付けられ得る。
【0119】
インペラは、下方に圧送するPBT型インペラであり得る。インペラは、約45度の角度で下方に圧送し得る。インペラのブレードは、矩形形状を含む様々な形状であり得る。
【0120】
混合タンク10は、1つ以上のバッフル14を備え得る。バッフル14は、バッフル幅Bwによって画定され得る。混合タンク10は、2つのバッフル14を含み得る、又は混合タンクは、3つ以上のバッフル14を含み得る。バッフル幅Bwは、タンク直径TDの約0.05~約0.2倍であり得る。
【0121】
混合タンク10は、混合タンク10内の特定位置にフレッシュニング組成物の成分を注入するための1つ以上の側部ノズル16を含み得る。側部ノズルを使用して、粒子を構造化水性組成物に注入することができる。粒子は、インペラが粒子プレミックスを分離するのを助けることができるように、インペラの領域内で比較的高速で混合タンクに入り得る。粒子は、インペラの下降気流に向けられた約2m/秒~約5m/sの速度で混合タンクに入り得る。容量型ポンプを使用して、所望の速度で粒子プレミックスを計量することができる。
【0122】
このプロセスは、フレッシュニング組成物の様々な成分を混合するために、混合タンクの内側に位置する高剪断ロータステータミキサーを含み得る。
【0123】
プロセスは、混合タンクに加えて、又は混合タンクの代わりに、スタティックミキサーを含み得る。プロセスがスタティックミキサー及び混合タンクを含む場合、スタティックミキサーは、プロセスの様々な異なる段階でフレッシュニング組成物の様々な成分を混合するために、混合タンクの上流又は下流に配置され得る。
【0124】
試験方法
レオロジー試験法
サンプルの降伏応力及び/又は粘度を測定するには、TA Discovery HR-2 Hybrid Rheometer(TA Instruments(New Castle,Delaware,U.S.A.)及び付随するTRIOSソフトウェアバージョン4.2.1.36612、又は同等のものを用いて測定を行う。器具は、同心シリンダダブルギャップカップ(例えば、TA Instrument,cat.#546050.901)、ダブルギャップロータ(例えば、TA Instruments,cat.#546049.901)及び分割カバー(例えば、TA Instruments, cat.#545626.001)を装備する。較正を、製造業者の推奨に従って行う。25℃に設定された冷却循環水浴を同心円筒に取り付ける。同心円筒温度を25℃に設定する。機器が設定温度に達するまでコントロールパネル内で温度を監視し、そのとき、平衡を確実にするために、更に5分間経過後、Double Gap Cupの中にサンプル材料を装填してもよい。
【0125】
Double Gap Cup用のパラメータは、以下のとおりである。内側カップ直径は30.2mmであり、内側ボブ直径は、32mmであり、外側ボブ直径は、35mmであり、外側カップ直径は、37mmであり、内側円筒高さは、55mmであり、浸漬高さは、53mmであり、操作間隙は、2,000.0μmであり、装填間隙は、90,000.0μmであり、環境システムはペルチェであり、サンプル容量は12mL~15mL(好ましくは12mL)である。
【0126】
サンプルを装填するには、シリンジを使用して最低12mLのサンプルをDouble Gap Cupに添加し、次いでサンプルを15分間静置し、捕捉されたあらゆる気泡が表面に浮かび上がるように徹底する。Double Gap Rotorを、次いで適切な間隙まで下げ、次の設定及び手順に従ってデータを収集する。
【0127】
正確に以下の順序で行われる一連の工程で、データを収集する。以下の機器設定を使用して、サンプル調整工程を行う。25℃の温度に環境制御を設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを0.0sに設定する;Wait for TemperatureをOnとして選択する;Wait for axial forceをOffとして選択する;Perform PreshearをOffとして選択してPreshear Optionsを設定する;Perform EquilibrationをOnとして選択してEquilibriumを設定し、Durationを600.0sに設定する。
【0128】
フローピーク保持工程は、以下の機器設定を使用して行われる。Environmental Controlを25℃の温度で設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを0.0sに設定する;Wait for TemperatureをOffとして選択する;Test Parametersを600.0sのDurationで設定する;Shear Rateを選択し、0.01s-1に設定する;Inherit initial valueをOffとして選択する;Sampling intervalを選択し、3.0s/ptに設定する;Motor modeをAutoとして選択して、Controlled Rate Advancedを設定する;End of stepをZero torqueとして選択してData acquisitionを設定する;Fast SamplingをOffとして設定する;Save imageをOffとして選択する;Onとして選択したLimit checking EnabledによってStep Terminationを設定する;Strain(%)を選択し、>を選択し、500%に設定してTerminate step whenを設定する;Equilibrium EnabledをOffとして選択する;Step Repeat EnabledをOffとして選択する。
【0129】
サンプル調整工程は、以下の機器設定を使用して行われる。Environmental Controlを25℃のTemperatureで設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを10.0sに設定する;Wait for TemperatureをOffとして選択する;Wait for axial forceをOffとして選択する;Perform PreshearをOffとして選択してPreshear Optionsを設定する;Perform EquilibrationをOnとして選択してEquilibriumを設定し、Durationを600.0sに設定する。
【0130】
フロースイープ工程は、以下の機器設定を使用して行われる。Environmental Controlを25℃の温度で設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを0.0sに設定する;Wait For TemperatureをOffとして選択する;Logarithmic Sweepを選択してTest Parametersを設定する;Shear Rateを選択し、1.0e-3s-1~1000.0s-1に設定する;Points Per Decadeを5に設定する;Steady State SensingをOnとして選択する;Max Equilibration Timeを45.0sに設定する;Sample Periodを5.0sに設定する;%Toleranceを5.0に設定する;Consecutive Withinを3に設定する;Scaled Time AverageをOffとして選択する;Motor ModeをAutoとして選択して、Controlled Rate Advancedを設定する;Save Point DisplayをOffとして選択してData Acquisitionを設定する;Save imageをOffとして選択する;Limit Checking EnabledをOffとして選択してStep Terminationを設定する;Equilibrium EnabledをOffとして選択する;Step Repeat EnabledをOffとして選択する。
【0131】
試験終了の調整工程は、以下の機器設定を使用して行われる。Set TemperatureをOffとして選択する;Set Temperature System Idle(軸力管理がアクティブである場合のみ)をOnとして選択する。
【0132】
フローピーク保持工程中に収集したデータから降伏応力を以下の方法で計算する。x軸上のステップ時間(s)に対するy軸上の応力(mPa)としてデータ点をプロットする。降伏応力を、「Analysis」タブを選択し、次いでFunctionドロップダウンリストから「Signal max」を選択し、及びCommandsカテゴリ内で「Analyze」を最後に選択することによって決定する。連続データセット(各時間値に対してゼロを超える単一の応力値を含む)については、「最大Y」の値が最初の250秒間に発生した場合、降伏応力は「最大Y」の値に等しく、「最大Y」の値が250秒後に発生した場合、降伏応力はゼロに等しい。
【0133】
粘度は、mPa・sで表され、プログラムの分析部分における粘度曲線について「最良フィットフロー(粘度対速度)」を選択することによって「無限速度粘度」であると決定される。
【0134】
熱安定性試験方法
相安定性グレードを、以下の指示に従って、貯蔵の1週間後に試料の目視観測により決定した。150mL試料の製品を、試料の調製後1時間以内に、無菌の8オンス広口瓶(例えば、VWR、カタログ番号16195-805、又は同等のもの)内に入れ、金属製キャップ(例えば、VWR、カタログ番号89204-934、又は同等のもの)で緊密に封止した。広口瓶を、25℃及び相対湿度60%に設定された、制御された温度/制御された湿度の部屋に置いた。封止した試料の広口瓶を、その後1週間静止したままにした(例えば、振らない又は混合しない)。
【0135】
1週間後、古くなった製品を、安定性に関して視覚的に評価し採点した。試料を評価し採点するために、観察者は、あらゆる努力をして試料内に濁りの層又は不均質性があるかどうかを判定した。この努力には、明るい光を使用すること及び照明方向を調節すること、並びに観察の方向を変更することを含んだ。層は、より混濁した(より白い)領域として観察され得る。層は、製品の上面付近に発生する場合があり、層は非常に薄い場合がある。観察及び評価プロセスの前又は間に、製品をいかなるようにも振らない又は混合しないことを確実にするように注意を払った。次の相安定性評価段階で相安定性を採点した。
層又は相分離が観察されず、試料が全体にわたって均質の混濁であるとみなされたとして、試料が安定であるように見えた場合、2のグレードを与えた;
考えられる相分離層が、区別しにくいと観察された、かつ試料内の混濁が1週間の貯蔵の間に大きく変化しなかったとして、試料が中程度に安定であるように見えた場合、1のグレードを与えた。
試料内で明らかな層又は分離が観察された、又は1週間の貯蔵の間に混濁に著しい変化が発生したとして、試料が不安定であるように見えた場合、0のグレードを与えた。
【0136】
新しく作製された試料を全て、調製の1時間以内に、最小限の撹拌で貯蔵室の中に置いた。試験のための試料を、組成物を吐出するスプレーを用いないで得た。分析される試料は、「実施例製品」を含んだ。これは、本発明によって可能になった、かつ本明細書の「実施例」セクションで指定した詳細に従って調製した試料であった。
【0137】
残留物値試験方法
残留物値試験方法は、試験組成物の制御された噴霧から残った黒色布地見本上の白色残留物を測定する。試験方法の実施の前及び間、全ての手順及び製品を25℃(±5℃)に維持する。
【0138】
黒色布地見本は、70%ポリエステル及び30%レーヨン(Black Amaretto,UPC400068889522、SKU6888952、Jo-AnnStores,Inc.、又は同等物)から構成され、約9.75×8.75インチの連続矩形寸法に切断される。
【0139】
黒色布地見本をプレキシガラススタンド(写真)に取り付ける。プレキシガラススタンドは、約21インチの正方形寸法を有する1/4インチ厚のプレキシガラス片からなる。スタンドを、ベンチに対して45度に取り付ける。プレキシガラスは、エタノール減衰紙タオル又はSanti-wipeのいずれかで清掃される。乾燥すると、プレキシガラスは最初に紙タオルで覆われ、次に黒色布地見本で覆われる。それらは、左側及び右側の衣類ピンでしっかりと固定される。
【0140】
試験組成物を噴霧し、黒色布地見本上で乾燥させる。試験組成物を、噴霧器(Silgan Dispensing,Richmond,VA.;パーツ:TS800、標準シュラウド、微細ミストノズル、1.30ml出力の標準トリガー、及び28-400キャップ)に装着可能であるボトル内に配置する。ボトルは、噴霧器を通じて廃棄物容器まで、7つのフルストローク(1回のフルストロークは、非圧縮状態から完全圧縮状態へのトリガーの圧縮として定義される)を噴霧することによってプライミングされる。プライミングスプレーからのこれらの組成物のいずれも、黒色布地見本に届く必要はない。ボトル及び噴霧器は、黒色布地見本に対して位置付けられており、それにより、1)ノズルの出力は、黒色布地見本上の意図された噴霧スポットから8インチにあり、2)ボトル及び噴霧器の組み合わせは、ベンチに直交して常に直立しており、3)噴霧がベンチとほぼ平行に、及び噴霧器を離れる際には黒色布地見本に対して135度で移動するように位置付けられている。この時点で、組成物は、3回のフルストロークで適用され、第1のストロークは、黒色布地見本の上部3分の1上に製品を分注し、第2のストロークは、黒色布地見本の中央3分の1に製品を分注し、第3のストロークは、黒色布地見本の下部3分の1に製品を分注する。各ストロークは、典型的には、消費者によって適用される1分当たり95噴霧のストロークを反映するべきである。これら3つのストロークを分配するための合計時間は、60秒を超えるべきではない。第3のストロークの直後に、布地をベンチ上に水平に置き、アルミホイルで覆い、最低4時間完全に乾燥させる。3つのストロークのいずれかが噴霧品質において不完全又は不均一である場合、新しい黒色布地見本で本方法を繰り返すべきである。
【0141】
残留物の量は、画像分析で黒色布地見本の白色度を測定することによって決定される。画像処理の当業者は、次の方法で各画像を取得及び分析することによって同等の結果を達成することができる。
【0142】
処理された黒色布地見本を、処理される側をスキャナ床に向けて、EPSON Perfection V 600フォトカラースキャナ(又は同等物)に置く。グレースケール較正階段くさび(DGK Color Tools DKC-Pro Color Calibration & White Balance Chart Set,MFR #DKC-PRO SET OF 2)を、同じ画像スキャンではあるが、いかなる方法でも黒色布地見本を遮らないように、黒色布見本に隣接するスキャナ床に配置する。黒色布地見本が完全に平坦になり、布地にしわ又は折れがないように注意する。一旦配置されると、スキャナの上部は、黒色布地見本及び階段くさびで閉鎖される。
【0143】
黒色布地見本のスキャン画像は、各スキャンに対して正確な同じ設定を使用して、EPSONスキャンソフトウェアv.3.9.3.0(プロフェッショナルモード)を使用してキャプチャされる。スキャンの設定は次のとおりである。元のセクションでは、文書タイプは「反射」であるように選択され、文書ソースは「文書テーブル」と選択され、自動露出タイプは「光」であるように選択される。宛先セクションでは、画像タイプは「16ビットグレースケール」に選択され、速度優先スキャンは選択されず、分解能は「600dpi」に設定され、文書サイズは「W8.48,H11.68インチ」に選択され、目標サイズは「オリジナル」に選択され、Wは「8.48」に設定され、Hは「11.68」に設定され、「インチ」が選択され、倍率は「100%」に設定され、トリミングは「オフ」に設定される。調節セクションでは、UnSharpマスクは選択されず、レベルは「中」に選択され、デスクリーニングは選択されず、スクリーニング規則は「一般」として選択され、色復元は選択されず、バックライト修正は選択されず、レベルは「中」に選択され、ダスト除去は選択されず、レベルは「中」に選択され、デジタルICE技術は選択されず、レベルは「標準」に選択される。
【0144】
次いで、構成ボタンを選択し、新しいウィンドウを開く。プレビュータブでは、プレビュー画像回転は選択されず、単位は「インチ」に選択され、品質プレビューは選択されず、密度計サンプリング領域は「1×1ピクセル」に選択され、スポイトサンプリング領域は「1×1ピクセル」に選択され、自動フォト配向は選択されず、サムネイルクロッピング領域は、小の上方で左までのスライダーを有する。カラータブでは、色制御が選択され、連続自動曝露は選択されず、ディスプレイガンマは「2.2」に選択され、自動曝露レベルは「高」として選択され、ICMは選択されず、そのセクション内のフィールドはグレーアウトされ、色補正は選択されない。フィルムサイズタブでは、中フォーマットフィルムサイズは、「6×4.5」に選択される。その他のタブでは、正しい文書スキューが選択されず、テクスチャ表示が選択されず、設定保存が選択され、作業領域はCドライブとして設定される。プレビュー画面では、画像の全領域が選択され、その後、スキャン画像が捕捉され、TIFFファイルとして保存される。
【0145】
TIFF画像ファイルは、以下の工程でカスタムソフトウェアによって分析される。
【0146】
1. 16ビット、600dpiのグレースケールスキャン画像を、上記のように良好なコントラストでスキャナから取得する。画像は、スキャナの輝度が変化する場合、強度が1つの画像から次の画像に標準化され得るように、グレースケール較正階段くさびを含む必要がある。
2. 次に、標準化画像は、較正用の階段くさびを使用して、黒色布地見本のスキャン画像内の全てのピクセルの強度を標準化する必要がある。各ピクセルの強度を標準化するために、スキャン画像の階段くさび内の6つの工程の各々について平均強度(グレーレベル)を測定する。これらの測定値は、暗い方から明るい方へ、それぞれX1、X2、X3、X4、X5、及びX6として表される。較正工程の各々についての所望の(標準化された)強度値は、暗い方から明るい方へ、それぞれY1=6175、Y2=14220、Y3=20062、Y4=27550、Y5=35369、及びY6=58710である。これは、6つの点(X1、Y1)、(X2、Y2)、(X3、Y3)、(X4、Y4)、(X5、Y5)、及び(X6、Y6)を生成し、これを使用して、式y=A*(x*x)+B*(x)+Cを適合させることによって決定されたフィッティング定数A、B、及びCを決定する。
3. 次に、スキャン画像から標準化画像が作成され、工程2の式を、スキャン画像の全ピクセルのグレーレベル(X)に適用して、標準化強度(Y)画像を得る。
4. 次に、標準化画像を閾値化及びフィルタリングすることによって、閾値画像を作成する。最初に、標準化画像を、17×17ピクセルの窓幅を有する中央フィルタで処理して、布地の織りによるノイズを低減する。第2に、閾値フィルタを三角形の閾値を使用し適用して、閾値を上回るグレーレベルを有するピクセルが選択され(白色)、閾値未満の背景ピクセルが選択されない(黒色)。閾値技術は、Zacketal.(ZackG.W.,Rogers W.E.and LattS.A.(1977)、「Automatic Measurement of Sister Chromatid Exchange Frequency」、J.Histochem.Cytochem.1977,25(7):741-53を参照)に概説されている。参考文献に記載されているように、ヒストグラムの最大値(b)とヒストグラムの最低値(コンテキストに応じて最高)値(a)との間にラインが構築される。ラインに垂直な距離L及びラインとヒストグラムh[b]との間の距離Lは、aからbの全ての値について計算される。ヒストグラムと線との間の距離が最大であるレベルは、閾値レベルである。第3に、内部ノイズ(白色ブロブの小さい黒色穴)は、小さな黒色の穴(4個の接続領域において15ピクセル未満)を充填することによって除去される。次に、白色の外部ノイズ(黒色の背景上の白色ブロブ)を、1121ピクセル未満の小さな領域(2平方mm)をノイズと考えることによって除去する。これらを除去して(黒色にして)、2平方mm以上の残留物領域のみを残す。閾値画像は、この3工程のノイズ除去プロセス後に得られた最終白黒バイナリ画像である。
【0147】
最後に、閾値画像内の白色領域から測定値を計算する。対象領域は、画像の布地部分のみであると想定され、強度較正チャート又は他の非布地領域を含まないと想定される。対象領域の明るい(白色)領域が望ましくない残留物であると仮定することによって開始し、黒色領域は、可視の残留物を有さない布地であると想定される。ブロブの数は、連続する明るい(白色)領域の総数に等しい。残留物の面積(白色)は、平方ミリメートルで表される総白色領域である。報告された残留値=平方ミリメートル単位での、残留物/ブロブの面積。
【実施例】
【0148】
【0149】
(実施例A)
実施例Aは、イオン形成水溶性成分の添加後に構造化剤系が添加される添加順序による、布地処理組成物の調製を実証する本発明の実施例である。イオン形成水溶性成分が水に添加された後にポリマーネットワークを形成することにより、ネットワークは、純粋な水溶液中よりも降伏応力が弱く、粘度が低い。このことは、高粘度液体有益剤の適切な粒径への分散を助け、布地上に低い残留スコアをもたらす。ポリマーネットワーク強度は、経時的に粒子に安定性を提供する。
【0150】
本実施例では、製品に含める前に、ストック溶液に多糖類を最初に分散させた。次に、水及びイオン形成水溶性成分の大部分を含有する水性プレミックスを、7L混合タンク内で調製する。次いで、構造化剤系を、所定の混合強度及び時間下で、水性プレミックスに注意深く添加した。ネットワーク形成後、粒子プレミックスを分散させて、高剪断速度で構造化水性組成物中の粒子プレミックスの凝集領域を最小化する。非水性湿潤剤(Silwet)を、最終工程においてより低い混合強度で添加した。合計バッチ時間は28分であった。
【0151】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
500グラムのキサンタンガム溶液を、Hauppague NYのCharles Ross & Son Company製の微細スクリーンローターステータアタッチメントを備えたRos高高剪断ミキサー、モデルLCI-100T SN 109209を使用して調製した。清浄な混合タンク(1Lガラスビーカー、VWR)に494.61グラムの水を添加した。0.39グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌した。混合ブレード(4ブレードステンレス鋼、直径2.5インチ)を備えたRoss高剪断ミキサーを使用して、5000RPMで混合しながら、5.0グラムのキサンタンガムをビーカーに素早く添加した。溶液が増粘するにつれて撹拌速度を8000RPMに上げ、8000rpmで更に300秒間混合を続けた。
【0152】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
Ross高剪断ミキサーを使用して、500グラムのコンニャクガム溶液を調製した。清浄な混合タンク(1Lガラスビーカー、VWR)に494.61グラムの水を添加した。0.39グラムのKoralone B-119を容器に添加し、均質に混合されるまで撹拌した。混合ブレード(4ブレードステンレス鋼、直径2.5インチ)を備えたRossミルミキサーを使用して、5000RPMで混合しながら、5.0グラムのコンニャクガムを容器に素早く添加した。溶液が増粘するにつれて8000RPMまで撹拌速度を上げ、8000RPMで更に300秒間継続して混合した。
【0153】
水性プレミックスの調製
図1に示す混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造系を水性プレミックスに混合する。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表3に列挙する。表3のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0154】
この実施例Aでは、
図1の混合タンクは、7リットルの総容積、10インチのタンク直径T
D、タンク直径T
Dと等しいタンク高さT
H、タンク直径T
Dの0.45倍のインペラ幅I
w、タンク直径T
Dの0.0625倍のバッフル幅B
wによって定義することができ、インペラの高さI
Hは、タンク直径T
Dの0.333倍であり得る。
【0155】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガムストック溶液、この実施例における構造化剤系の第1の多糖類を、混合タンク内で水性プレミックスに添加した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表4に列挙する。表4のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0156】
構造化水性組成物の調製
次いで、この実施例における構造化剤系の第2の多糖類であるキサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加して、構造化水性組成物を形成した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表5に列挙する。表5のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0157】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L 7600を構造化水性組成物に添加して、フレッシュニング組成物を形成した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表6に列挙する。表6のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0158】
パラメータ測定
表3~6の組成物を、以下の方法に従って試験した。
レオロジー試験方法によって粘度を測定した。
レオロジー試験方法によって降伏応力を測定した。
残留物値試験方法によって残留物値を測定した。
相安定性試験方法によって相安定性グレードを測定した。
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
(実施例B)
実施例Bは、イオン形成水溶性成分の導入の前に、多糖類ポリマーネットワークが形成される添加順序によって、布地処理組成物の調製を実証する比較例を提供する。純粋な水性キャリア溶液内にネットワークを形成することにより、非常に強くなり、高い降伏応力及び粘度をもたらす。このことは安定性にとって良好であるが、高非ニュートン流体はより大規模な処理が困難である。粒子を許容可能なサイズ未満に分散させることが困難になり、高い布地残留物スコアをもたらす。
【0164】
この例では、イオン形成水溶性成分の添加前に、構造化剤系を最初にストック溶液に分散させた。次に、水性キャリア、この場合は水を
図1に示すように7L混合タンクに添加した。次いで、多糖類構造を、所定の混合強度及び時間下で水に注意深く添加した。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造内の小さな粒径に分散させた。次に、イオン形成水溶性成分の大部分を、低エネルギーで懸濁粒子組成物に添加した。合計バッチ時間は25分であった。
【0165】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
500グラムのキサンタンガム溶液を、Ross高剪断ミキサーを使用して調製した。清浄な混合タンク(1Lガラスビーカー、VWR)に494.61グラムの水を添加した。0.39グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌した。混合ブレード(4ブレードステンレス鋼、直径2.5インチ)を備えたRossミルミキサーを使用して、5000RPMで混合しながら、5.0グラムのキサンタンガムをビーカーに素早く添加した。溶液が増粘するにつれて撹拌速度を8000RPMに上げ、8000rpmで更に300秒間混合を続けた。
【0166】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
500グラムのキサンタンガム溶液を、Ross高剪断ミキサーを使用して調製した。清浄な混合タンク(1リットルガラスビーカー、VWR)に494.61グラムの水を添加した。0.39グラムのKoralone B-119を容器に添加し、均質に混合されるまで撹拌した。混合ブレード(4ブレードステンレス鋼、直径2.5インチ)を備えたRossミルミキサーを使用して、5000RPMで混合しながら、5.0グラムのコンニャクガムを容器に素早く添加した。溶液が増粘するにつれて8000 RPMまで撹拌速度を上げ、8000 RPMで更に300秒間継続して混合した。
【0167】
第1の多糖類プレミックスの調製
水及びコンニャクガムストック溶液を混合タンクに添加した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表7に列挙する。表7のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0168】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表8に列挙する。表8のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0169】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤を構造化水性組成物に添加した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表9に列挙する。表9のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0170】
イオン形成水溶性成分で希釈されたフレッシュニング組成物の調製
表4に列挙された水溶性成分を懸濁粒子組成物に添加し、混合物を完成した調製物に希釈した。希釈の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表10に列挙する。表10のパラメータの測定のために、小さな50gの試料を採取した。
【0171】
パラメータ測定
表1~3の組成物を、以下の方法に従って試験した。
レオロジー試験方法によって粘度を測定した。
レオロジー試験方法によって降伏応力を測定した。
残留物値試験方法によって残留物値を測定した。
相安定性試験方法によって相安定性グレードを測定した。
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
消費者の好ましい製品特性は、布地上への微細かつ均一な噴霧で(低粘度によって補助される)、布地残留物の少ない、安定した製品(高降伏応力値によって補助される)をもたらす。表11に示すように、実施例Aの製品は、全ての測定基準において好ましい特性を示す。
【0178】
(実施例C)
実施例Cは、水性イオン含有量の添加後に多糖類ネットワークが形成される、最終バッチに直接多糖類ガムを添加することによって、布地処理組成物の調製を実証する発明例である。
【0179】
まず、
図1に示すように、水を7L混合タンクに添加する。次に、水及び水性塩の大部分を含有する水性プレミックスを、混合タンク内で調製する。次いで、多糖類構造を、高剪断IKA T25ロータステーターミル(N25 Sディスペンサヘッドを備えたIKA Works T25 Digital Ultra Turrax、IKA Works、Inc,Wilmington,NC28405,USA)を用いて、所定の混合強度及び時間で注意深く水性プレミックスに添加して、粉末を組み込む。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造中の小さな粒子サイズに分散させる。非水性湿潤剤(Silwet)を、最終工程においてより低い混合強度で添加する。合計バッチ時間は29分である。
【0180】
この実施例Cでは、混合タンクは、7リットルの総容積、10インチのタンク直径TD、タンク直径TDと等しいタンク高さTH、タンク直径TDの0.45倍のインペラ幅Iw、タンク直径TDの0.0625倍のバッフル幅Bwを有することができ、インペラの高さIHは、タンク直径TDの0.333倍であり得る。
【0181】
水性プレミックスの調製
図1に記載の混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造を水性プレミックスに混合する。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表12に列挙する。
【0182】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガム粉末を、混合タンク内で水性プレミックスに添加する。インペラRPM及びロータステーターミル操作RPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表13に列挙する。
【0183】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガム粉末を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表14に列挙する。
【0184】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L7600を、構造化水性組成物に添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表15に列挙する。
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
(実施例D)
実施例Dは、水性イオン含有量の添加後に多糖類ネットワークが形成される添加順序によって、布地処理組成物の調製を実証する発明例である。
【0190】
多糖類を、最初に製品に含める前にストック溶液に分散させる。次に、水を含有する水性プレミックス及び水性塩の大部分を、例えば
図2に示す100L混合タンクで調製する。次いで、多糖類構造を、所定の混合強度及び時間で水性プレミックスに注意深く添加する。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造中の小さな粒子サイズに分散させる。非水性湿潤剤(Silwet)を、最終工程においてより低い混合強度で添加する。合計バッチ時間は、47分である。
【0191】
以下の実施例の目的のために、
図2の混合タンクは、100リットルの総容積、18インチのタンク直径T
D、タンク直径T
Dの1.1倍のタンク高さT
H、タンク直径T
Dの0.40倍のインペラ幅I
w、タンク直径T
Dの0.0625倍のバッフル幅B
wによって定義することができ、下側インペラの高さI
Hは、タンク直径T
Dの1/3であり得、及び上側インペラI
Hの高さは、タンク直径T
Dの2/3であり得る。
【0192】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
5000グラムのキサンタンガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサー(Ytron Y-0ミキサー、Quadro Engineering Corp of Waterloo、Canada、0.25 HP、50mmインペラ直径)を用いて調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加し、3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均一に混合するまで撹拌する。50グラムのキサンタンガムを漏斗及びバイパス管を通じて迅速に添加して、4900RPMで混合しながら、Ytron Y0高剪断ミキサーのインペラの領域にキサンタンガムを導入する。高剪断での混合を、粉末が完全に分散するまで45秒間継続する。
【0193】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
5000グラムのコンニャクガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサーを使用して調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加する。3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌する。50グラムのコンニャクガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通じて迅速に添加する。粉末が完全に分散するまで、高剪断での混合を45秒間続ける。
【0194】
水性プレミックスの調製
図2に記載の混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造を水性プレミックスに混合する。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表16に列挙する。
【0195】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガムストック溶液を、混合タンク内の水性プレミックスに添加した。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表17に列挙する。
【0196】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表18に列挙する。
【0197】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L7600を、構造化水性組成物に添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表19に列挙する。試料をpH測定のために取得する。
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
(実施例E)
実施例Eは、水性イオン含有量の添加後に多糖類ネットワークが形成される添加順序によって、布地処理組成物の調製を実証する発明例である。
【0203】
多糖類を、最初に製品に含める前にストック溶液に分散させる。次に、水及び水性塩の大部分を含有する水性プレミックスを、
図2に示す100L混合タンク内で調製する。次いで、多糖類構造を、所定の混合強度及び時間で水性プレミックスに注意深く添加する。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造中の小さな粒子サイズに分散させる。非水性湿潤剤(Silwet)を、より低い混合強度で最終工程で添加する。合計バッチ時間は、47分である。
【0204】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
5000グラムのキサンタンガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサーを使用して調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加する。3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌する。50グラムのキサンタンガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通じて迅速に添加する。粉末が完全に分散するまで、高剪断での混合を45秒間続けた。
【0205】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
5000グラムのコンニャクガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサーを使用して調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加する。3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌する。50グラムのコンニャクガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通じて迅速に添加する。粉末が完全に分散するまで、高剪断での混合を45秒間続けた。
【0206】
水性プレミックスの調製
図2に記載の混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造を水性プレミックスに混合する。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表20に列挙する。
【0207】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガムストック溶液を、混合タンク内の水性プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表21に列挙する。
【0208】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表22に列挙する。
【0209】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L7600を、構造化水性組成物に添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表23に列挙する。
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
(実施例F)
実施例Fは、水性イオン含有量の添加後に多糖類ネットワークが形成される添加順序によって、布地処理組成物の調製を実証する発明例である。
【0215】
多糖類を、最初に製品に含める前にストック溶液に分散させる。次に、水及び水性塩の大部分を含有する水性プレミックスを、
図2に示す100L混合タンク内で調製する。次いで、多糖類構造を、所定の混合強度及び時間で水性プレミックスに注意深く添加する。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造中の小さな粒子サイズに分散させる。非水性湿潤剤(Silwet)を、最終工程においてより低い混合強度で添加する。合計バッチ時間は74分である。
【0216】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
5000グラムのキサンタンガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサーを使用して調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加し、3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均一に混合するまで撹拌する。50グラムのキサンタンガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通して迅速に添加する。粉末が完全に分散するまで、高剪断での混合を45秒間続けた。
【0217】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
5000グラムのコンニャクガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサーを使用して調製する。清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に4946.1グラムの水を添加した。3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌した。50グラムのコンニャクガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通して迅速に添加する。高剪断での混合を、粉末が完全に分散するまで45秒間継続する。
【0218】
水性プレミックスの調製
図2に示す混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造を水性プレミックスに混合する。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表24に列挙する。
【0219】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガムストック溶液を、混合タンク内の水性プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表25に列挙する。
【0220】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表26に列挙する。
【0221】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L7600を、構造化水性組成物に添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表27に列挙する。
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
(実施例G)
実施例Gは、水性イオン含有量の添加後に多糖類ネットワークが形成される添加順序によって、布地処理組成物の調製を実証する発明例である。
【0227】
多糖類を、最初に製品に含める前にストック溶液に分散させる。次に、水を含有する水性プレミックス及び水性塩の大部分を
図2に示す100L混合タンクで調製する。次いで、多糖類構造を、所定の混合強度及び時間で水性プレミックスに注意深く添加する。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造中の小さな粒子サイズに分散させる。非水性湿潤剤(Silwet)を、最終工程においてより低い混合強度で添加する。合計バッチ時間は36分である。
【0228】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
5000グラムのキサンタンガム溶液を、Ytron Y0高剪断ミキサーを使用して調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加し、3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均一に混合するまで撹拌する。50グラムのキサンタンガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通して迅速に添加する。高剪断での混合を、粉末が完全に分散するまで45秒間継続する。
【0229】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
5000グラムのコンニャクガム溶液を、YtronY0高剪断ミキサーを使用して調製する。清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に4946.1グラムの水を添加した。3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌した。50グラムのコンニャクガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通して迅速に添加する。高剪断での混合を、粉末が完全に分散するまで45秒間継続する。
【0230】
水性プレミックスの調製
図2に記載の混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造を水性プレミックスに混合した。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表28に列挙する。
【0231】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガムストック溶液を、混合タンク内の水性プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表29に列挙する。
【0232】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表30に列挙する。
【0233】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L7600は、構造化水性組成物に添加される。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表31に列挙する。
【0234】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
(実施例H)
実施例Hは、水性イオン含有量の添加後に多糖類ネットワークが形成される添加順序によって、布地処理組成物の調製を実証する発明例である。
【0239】
多糖類を、最初に製品に含める前にストック溶液に分散させる。次に、水及び水性塩の大部分を含有する水性プレミックスを、
図2に示す100L混合タンク内で調製する。次いで、多糖類構造を、所定の混合強度及び時間で水性プレミックスに注意深く添加する。ネットワーク形成後、有益粒子を、高剪断速度で構造内の小さな粒子サイズに分散させる。非水性湿潤剤(Silwet)を、最終工程においてより低い混合強度で添加する。合計バッチ時間は36分である。
【0240】
1重量%キサンタンガムストック溶液の調製
5000グラムのキサンタンガム溶液を、YtronY0高剪断ミキサーを使用して調製する。4946.1グラムの水を清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に添加し、3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均一に混合するまで撹拌する。50グラムのキサンタンガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通じて迅速に添加する。粉末が完全に分散するまで、高剪断での混合を45秒間継続する。
【0241】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製
5000グラムのコンニャクガム溶液を、YtronY0高剪断ミキサーを使用して調製する。清浄な混合タンク(10Lガラスビーカー)に4946.1グラムの水を添加した。3.9グラムのKoralone B-119をビーカーに添加し、均質に混合されるまで撹拌した。50グラムのコンニャクガムガムを、4900RPMで混合しながら、漏斗及びバイパスチューブを通して迅速に添加する。粉末が完全に分散するまで、高剪断での混合を45秒間続けた。
【0242】
20重量%塩化ナトリウムストック溶液
800グラムの塩化ナトリウム溶液を1Lビーカー中で調製する。640.07グラムのDI水を容器に添加し、次いで160.05gの塩化ナトリウムを添加する。溶液を2分間穏やかに撹拌した。
【0243】
水性プレミックスの調製
図2に記載の混合タンクを使用して、水性プレミックスを調製し、続いて多糖類構造を水性プレミックスに混合した。水性プレミックス作製の各工程について、インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表32に列挙する。
【0244】
第1の多糖類プレミックスの調製
コンニャクガムストック溶液を、混合タンク内の水性プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表33に列挙する。
【0245】
構造化水性組成物の調製
キサンタンガムストック溶液を、混合タンク内で第1の多糖類プレミックスに添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表34に列挙する。
【0246】
フレッシュニング組成物の調製
Voyager PAC PMC有益剤及びSilwet L7600を、構造化水性組成物に添加する。インペラRPMによって測定される材料の量、混合時間、及び混合強度を表35に列挙する。
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
本明細書において範囲の両端として開示される値は、列挙される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、特に明記しない限り、各数値範囲は、列挙された値、明記された範囲内の、及び明記された範囲を有する任意の範囲内の任意の整数の両方を意味するよう意図されている。例えば、「1~10」として開示される範囲は、「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10」を意味するものとする。
【0252】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0253】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0254】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0255】
本開示の特定の実施形態について例示し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。