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特許7481492制御装置、電極研磨方法、及び電極研磨システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】制御装置、電極研磨方法、及び電極研磨システム
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/30 20060101AFI20240501BHJP
   B24B 19/26 20060101ALI20240501BHJP
   B23K 11/11 20060101ALN20240501BHJP
【FI】
B23K11/30 350
B23K11/30 355
B24B19/26 Z
B23K11/11
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022565271
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 JP2021042302
(87)【国際公開番号】W WO2022113856
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2020194499
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】天方 康裕
【審査官】落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-181985(JP,A)
【文献】特開2001-246478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を加圧する第一駆動源と、前記電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、前記電極及び前記研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御する制御装置であって、
前記第一駆動源又は前記第三駆動源と前記第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させる動作指令生成部を備え
前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に延びる畝又は溝が形成される、制御装置。
【請求項2】
電極を加圧する第一駆動源と、前記電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、前記電極及び前記研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御する制御装置であって、
前記第一駆動源又は前記第三駆動源と前記第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させる動作指令生成部を備え、
前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝が形成される、制御装置。
【請求項3】
前記動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に小刻みに変化させる、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記動作指令を周期的に又はランダムに変化させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記動作指令は、電流、速度、及び位置のいずれか一つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
電極を加圧する第一駆動源と、前記電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、前記電極及び前記研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御して前記電極を研磨する電極研磨方法であって、前記第一駆動源又は前記第三駆動源と前記第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させるステップを含み、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に延びる畝又は溝が形成される、電極研磨方法。
【請求項7】
電極を加圧する第一駆動源と、前記電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、前記電極及び前記研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御して前記電極を研磨する電極研磨方法であって、前記第一駆動源又は前記第三駆動源と前記第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させるステップを含み、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝が形成される、電極研磨方法。
【請求項8】
電極を加圧する第一駆動源を備えた抵抗溶接機と、
前記電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源を備えた電極研磨装置と、
前記電極及び前記研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、
前記第一駆動源、前記第二駆動源、及び前記第三駆動源のうちの少なくとも一つを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は前記第一駆動源又は前記第三駆動源と前記第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させ、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に延びる畝又は溝が形成される、電極研磨システム。
【請求項9】
電極を加圧する第一駆動源を備えた抵抗溶接機と、
前記電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源を備えた電極研磨装置と、
前記電極及び前記研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、
前記第一駆動源、前記第二駆動源、及び前記第三駆動源のうちの少なくとも一つを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は前記第一駆動源又は前記第三駆動源と前記第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を前記研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させ、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝が形成される、電極研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗溶接の電極研磨技術に関し、特に電極寿命を延命する制御装置、電極研磨方法、及び電極研磨システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車体の軽量化を目的としてアルミニウム合金を用いることが多くなってきている。アルミ合金は電気抵抗が低いため、アルミ合金の抵抗溶接では大電流を必要とし、溶接時に電極が高熱になり易い。一方、アルミ合金は表面が酸化皮膜で被覆されているため、溶融した皮膜等の母材が高温の電極に溶着し易い。母材を溶着した電極は表面抵抗が次第に大きくなって溶接品質を悪化させる。従って、特に大電流を必要とするアルミ溶接では鋼板の場合と比べて電極が短命になるという問題がある。溶接品質を維持するため、従来から電極研磨装置による電極研磨が定期的に行われている。しかし、特にアルミ溶接では安定的に溶接を実施するため電極研磨を頻繁に行う必要があった。
【0003】
電極寿命を延命する方法としては、電極表面を粗面化する方法が知られている(例えば特許文献1~3を参照)。特許文献1では、電極チップ上に粗面を形成し、一方で、アルミ加工片の表面に高接着性の無機・非金属コーティングを人為的に施すことにより有効寿命を延命することが記載されている。電極の粗面化は砂吹きで達成される。電極の粗面化した凸部がアルミ加工片の表面の絶縁層を破壊し、電極とアルミ加工片との接触点を増大すると考えられている。
【0004】
特許文献2では、電極はクラウン付きの丸い円錐で終端し、クラウンにテクスチャーを有することが記載されている。電極面は小さなグリット鋼又は砂粒子でブラスト又は粗い研磨紙での研磨によって粗面化される。粗面化された電極面は溶接部品の酸化膜や汚染物質を貫通し、電極面と部品との接触界面の電気抵抗を低減し、界面温度を低下させることで、溶融材料の放出を低減する。
【0005】
特許文献3では、電極表面の中心から同心円状のリングの畝又は溝を形成することで電極寿命を延命することが記載されている。電極表面に同心円状の畝又は溝を切削するため、カッタブレードの刃先が波打った形状を有している。電極の中心軸回りにカッタブレードを回転させることで同心円状のリングが電極表面に形成される。
【0006】
特許文献4では、刃具を駆動する電動モータを備えたチップドレッサ装置が記載されている。電動モータは1回のチップ切削作業過程で、切削回転方向へ回転量A(例えば2~3回)の正転と、回転量B(例えば1/4~1/2回転)の逆転とを複数回繰返す。
【0007】
特許文献5では、上部電極及び下部電極を備えた抵抗溶接装置において、下部電極が中心から放射状に延びた8本の溝を備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第4972047号明細書
【文献】米国特許第6861609号明細書
【文献】米国特許第8436269号明細書
【文献】特開2001-287046号公報
【文献】特開2005-193298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電極寿命を延命する従来技術では、砂吹き、研磨紙、専用カッタ等を用いて電極表面を粗面化しているため、追加の部材を必要とし、工数やコストを増大させる。
【0010】
そこで本発明は、従来の問題点に鑑み、特別な装置や手間を必要とせずに電極寿命を延命可能な電極研磨技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様は、電極を加圧する第一駆動源と、電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、電極及び研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御する制御装置であって、第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させる動作指令生成部を備え、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に延びる畝又は溝が形成される、制御装置を提供する。
本開示の一態様は、電極を加圧する第一駆動源と、電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、電極及び研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御する制御装置であって、第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させる動作指令生成部を備え、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝が形成される、制御装置を提供する。
本開示の他の態様は、電極を加圧する第一駆動源と、電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、電極及び研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御して電極を研磨する電極研磨方法であって、第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させるステップを含み、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に延びる畝又は溝が形成される、電極研磨方法を提供する。
本開示の他の態様は、電極を加圧する第一駆動源と、電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源と、電極及び研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、のうちの少なくとも一つを制御して電極を研磨する電極研磨方法であって、第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させるステップを含み、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝が形成される、電極研磨方法を提供する。
本開示の別の態様は、電極を加圧する第一駆動源を備えた抵抗溶接機と、電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源を備えた電極研磨装置と、電極及び研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、第一駆動源、第二駆動源、及び第三駆動源の少なくとも一つを制御する制御装置と、を備え、制御装置は第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させ、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に延びる畝又は溝が形成される、電極研磨システムを提供する。
本開示の別の態様は、電極を加圧する第一駆動源を備えた抵抗溶接機と、電極を研磨する研磨工具を駆動する第二駆動源を備えた電極研磨装置と、電極及び研磨工具の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する第三駆動源と、第一駆動源、第二駆動源、及び第三駆動源の少なくとも一つを制御する制御装置と、を備え、制御装置は第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させ、前記電極の表面に前記電極の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝が形成される、電極研磨システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、第一駆動源又は第三駆動源と第二駆動源との少なくとも一方の動作指令を研磨工具が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させるだけで電極表面を粗面化できる。ひいては、特別な装置や手間を必要とせずに電極寿命を延命できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の電極研磨システムの概略構成図である。
図2】研磨工具の一例を示す側面図である。
図3】研磨工具の一例を示す平面図である。
図4】一実施形態の電極研磨システムの制御ブロック図である。
図5A】電極の加圧力の一例を示すグラフである。
図5B】研磨工具の速度の一例を示すグラフである。
図6A】一実施形態の電極研磨方法で研磨した電極の一例を示す側面図である。
図6B】一実施形態の電極研磨方法で研磨した電極の一例を示す平面図である。
図7A】電極の加圧力の変形例を示すグラフである。
図7B】研磨工具の速度の変形例を示すグラフである。
図8A】電極の加圧力の他の変形例を示すグラフである。
図8B】研磨工具の速度の他の変形例を示すグラフである。
図9】一実施形態の電極研磨方法を示す概略フローチャートである。
図10A】電極の加圧力の別の変形例を示すグラフである。
図10B】研磨工具の速度の別の変形例を示すグラフである。
図11A】電極の加圧力のさらに別の変形例を示すグラフである。
図11B】研磨工具の速度のさらに別の変形例を示すグラフである。
図12A】他の実施形態の電極研磨方法を示す研磨工具の側面図である。
図12B】他の実施形態の電極研磨方法を示す研磨工具の側面図である。
図13A】他の実施形態の電極研磨方法で研磨した電極の一例を示す側面図である。
図13B】他の実施形態の電極研磨方法で研磨した電極の一例を示す平面図である。
図14】他の実施形態の電極研磨方法を示す概略フローチャートである。
図15A】従来の電極の加圧力の一例を示すグラフである。
図15B】従来の研磨工具の速度の一例を示すグラフである。
図16A】従来の電極の加圧力の一例を示すグラフである。
図16B】従来の研磨工具の速度の一例を示すグラフである。
図17A】従来の電極研磨方法で研磨した電極の一例を示す側面図である。
図17B】従来の電極研磨方法で研磨した電極の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号が付与されている。また、以下に記載する実施形態は特許請求の範囲に記載される発明の技術的範囲及び用語の意義を限定するものではない。
【0015】
先ず、本実施形態における電極研磨システム1の構成について説明する。図1は電極研磨システム1の概略構成図である。電極研磨システム1は抵抗溶接機10の電極11を研磨するシステムである。電極研磨システム1は、電極11を加圧する第一駆動源12を備えた抵抗溶接機10と、電極11を研磨する研磨工具21を駆動する第二駆動源22を備えた電極研磨装置20と、第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方を制御する制御装置30と、を備えている。
【0016】
抵抗溶接機10は例えばC形スポット溶接ガンである。抵抗溶接機10は電極11を備え、電極11は例えば一対の電極、即ち第一電極11aと第二電極11bを備えている。第一電極11aと第二電極11bは互いに対向している。例えばC形スポット溶接ガンでは、第一電極11aが可動電極であり、第二電極11bが可動電極に対向する固定電極である。
【0017】
抵抗溶接機10は電極11を加圧する第一駆動源12をさらに備えている。第一駆動源12は第一電極11aと第二電極11bの少なくとも一方を駆動する。第一駆動源12は例えばサーボモータを備えている。例えばC形スポット溶接ガンでは、第一駆動源12が第一電極11aを矢印方向へ前進又は後退させる。つまり、第一駆動源12は第一電極11aを前進させて第一電極11aを第二電極11bに加圧し、一方で、第一電極11aを後退させて第一電極11aを第二電極11bから減圧する。電極研磨時は電極11を研磨工具21に加圧することで電極11を研磨する。
【0018】
電極研磨装置20は例えば研磨カッタである。電極研磨装置20は研磨工具21を備え、研磨工具21は例えば一対の刃、即ち第一刃21aと第二刃21bを備えている。第一刃21aと第二刃21bは互いに反対側を向いている。図2及び図3は研磨工具21の一例を示す側面図及び平面図である。研磨工具21は第一刃21aと第二刃21bを一体的に備えている。第一刃21aは第一電極11aに対向して第一電極11aを研磨し、第二刃21bは第二電極11bに対向して第二電極11bを研磨する。第一刃21aと第二刃21bの刃先は、例えばドームラジアス形、ラジアス形等の一般的な電極11の形状に倣った既存の刃形状を有していればよい。
【0019】
図1を再び参照すると、電極研磨装置20は研磨工具21を駆動する第二駆動源22をさらに備えている。例えば研磨カッタでは、第二駆動源22が第一刃21aと第二刃21bの少なくとも一方を駆動する。第二駆動源22は例えばサーボモータを備えている。例えば研磨カッタでは、第二駆動源22が図2に示す回転軸線X回りに研磨工具21を回転し、研磨工具21が電極11を研磨する。
【0020】
電極研磨装置20は例えば固定部材23によって定位置に設置される。例えばC形スポット溶接ガンでは、第一電極11aのみを研磨工具21に加圧するため、第一電極11aと同様に第二電極11bも研磨工具21によって均一に研磨されるように、固定部材23は、電極研磨装置20を上下方向に移動させるばね23aを備えているとよい。例えばばね23aは、例えば一対のばね、即ち第一ばねと第二ばねを備え、第一ばねと第二ばねは電極研磨装置20の表面と裏面に夫々固定される。固定部材23は、土台23cと、電極研磨装置20を土台23cに固定するブラケット23bをさらに備えている。例えばブラケット23bは、例えば一対のブラケット、即ち第一ブラケットと第二ブラケットを備え、第一ブラケットと第二ブラケットは第一ばねと第二ばねを夫々土台23cに固定する。土台23cは所定の場所に設置されて電極研磨装置20を支持する。
【0021】
抵抗溶接機10は例えばロボット等の搬送装置40に装着されて搬送される。搬送装置40は例えば垂直多関節ロボットである。搬送装置40は搬送装置40の駆動軸を駆動する第三駆動源41を備えている。例えば多関節ロボットの場合、ロボットの各関節軸に第三駆動源41が夫々設けられる。第三駆動源41は例えばサーボモータである。第三駆動源41は例えば制御装置30によって制御される。制御装置30は第三駆動源41を制御して搬送装置40を動作させる。例えば制御装置30は抵抗溶接機10の電極11の先端を電極研磨装置20の研磨工具21に位置決めするように第三駆動源41を制御する。これにより、搬送装置40は抵抗溶接機10を電極研磨装置20まで搬送する。
【0022】
制御装置30は例えばロボット制御装置である。制御装置30は、搬送装置40を駆動する第三駆動源41に加えて、第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方を制御する。つまり制御装置30は、第一駆動源12、第二駆動源22、及び第三駆動源41の少なくとも一つの電流、速度、位置等を制御する。これら駆動源が例えば回転式モータである場合、制御装置30はモータのトルク(電流)、回転速度、回転位置等を制御し、これら駆動源が例えばリニアモータである場合、制御装置30はモータの推進力(電流)、直進速度、直進位置等を制御する。また制御装置30は、例えばライン制御盤等の外部装置(図示せず)と通信を行うこともある。制御装置30は例えばプロセッサを内蔵したプログラマブルコントローラ(PLC)やモータを駆動するドライバ等を備えている。
【0023】
図4は本実施形態の電極研磨システム1の制御ブロック図である。制御装置30は、第一駆動源12、第二駆動源22、及び第三駆動源41の少なくとも一つの動作指令を生成する動作指令生成部31を備えている。なお、「動作指令」とは、これら駆動源の電流、速度、位置等のいずれか一つを意味する(以下同じ)。動作指令生成部31は例えばプログラムを実行可能なCPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)等のプロセッサを備えている。動作指令生成部31は第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方の動作指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させる。
【0024】
電極研磨システム1の上記構成は一例であり、他の構成も採用され得ることに留意されたい。例えば抵抗溶接機10は、C形スポット溶接ガンではなく、X形スポット溶接ガンでもよい。X形スポット溶接ガンの場合、第一電極11aと第二電極11bは第一駆動源12によって開閉可能な一対のガンアームに夫々取付けられる。また第一駆動源12は、サーボモータではなく、例えば電磁弁付き加圧シリンダ(エアシリンダ、油圧シリンダ等)でもよい。この場合、制御装置30は電磁弁の動作指令(電流、速度、位置等)を制御する。或いは、抵抗溶接機10は、スポット溶接機ではなく、プロジェクション溶接機、シーム溶接機等の他の重ね溶接機、又はアップセット溶接機、フラッシュ溶接機等の突合せ溶接機等の他の抵抗溶接機でもよい。
【0025】
また電極研磨装置20の研磨工具21は、研磨カッタではなく、研磨ローラ等の他の回転式研磨工具でもよいし、又は研磨パッド、研磨ブラシ等の他のリニア式研磨工具でもよい。さらに電極研磨装置20は、定位置に設置せず、例えばロボット等の搬送装置40で抵抗溶接機10まで搬送されてもよい。また第二駆動源22は、サーボモータではなく、例えば電磁弁付き加圧シリンダ等でもよい。この場合、制御装置30は電磁弁の動作指令(電流、速度、位置等)を制御する。
【0026】
また抵抗溶接機10は、搬送装置40に装着せず、定位置に設置されてもよい。この場合、ハンドを搬送装置40に装着し、ワーク溶接時には搬送装置40がハンドで把持したワークを抵抗溶接機10まで搬送する。一方、電極研磨時には搬送装置40がハンドで把持した電極研磨装置20を抵抗溶接機10まで搬送してもよい。また搬送装置40は、垂直多関節ロボットではなく、水平多関節ロボット、パラレルリンク型ロボット等の他の産業用ロボットでもよいし、又はヒューマノイド等の他の形態のロボットでもよい。或いは、また搬送装置40は、ロボットではなく、無人搬送車(AGV)、シャトル等の他の搬送装置でもよい。
【0027】
また制御装置30は、ロボット制御装置ではなく、抵抗溶接機10の第一駆動源12及び電極研磨装置20の第二駆動源22の少なくとも一方を専ら制御する専用制御装置でもよい。この場合、ロボット制御装置と専用制御装置は、有線又は無線を介して通信可能に接続され、互いに情報を送受信し、溶接や研磨のタイミング等を同期するとよい。さらに制御装置30の動作指令生成部31は、プログラムを実行するプロセッサではなく、プログラムを実行しないFPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)等の他の半導体集積回路で構成されてもよい。
【0028】
以下、動作指令生成部31で生成される動作指令の変化について説明する。図5A及び図5Bは夫々、電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の一例を示すグラフである。この例では、動作指令生成部31が第一駆動源12の動作指令(電流、速度、位置等)を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで電極11の加圧力32を小刻みに変化させている(図5Aを参照)。なお、「一周期」とは、回転式研磨工具21では一回転を意味し、リニア式研磨工具21では一往復を意味する(以下同じ。)。一方、動作指令生成部31は第二駆動源22の動作指令(電流、速度等)を一定に維持することで研磨工具21の速度33を一定に維持している(図5Bを参照)。つまり制御装置30は、研磨工具21の速度33を一定に維持しつつ、第一駆動源12の動作指令を小刻みに変化させることで電極11の加圧力32を小刻みに変化させる。
【0029】
図6A及び図6Bは本実施形態の電極研磨方法で研磨した電極11の一例を示す側面図及び平面図である。この例では、従来の回転式研磨カッタ(図2を参照)を研磨工具21として用いて、制御装置30が第一駆動源12の動作指令を周期的に変化させることで電極11の加圧力32を周期的に変化させ、電極11を研磨している。研磨した電極11の表面には電極11の中心から等間隔で放射状に延びる畝又は溝11cが形成される。或いは、従来のリニア式研磨パッド(図示せず)を研磨工具21として用いた場合であっても、電極11の表面には電極11の表面を横切って等間隔で平行に延びる畝又は溝が形成されることになる。つまり、第一駆動源12の動作指令を小刻みに変化させるだけで電極11の表面を粗面化できる。ひいては、特別な装置や手間を必要とせずに電極11の寿命を延命できる。
【0030】
図7A及び図7Bは夫々、電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の変形例を示すグラフである。この例では、動作指令生成部31が第二駆動源22の速度指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで研磨工具21の速度33を小刻みに変化させている(図7Bを参照)。一方、動作指令生成部31は第一駆動源12の動作指令(電流、速度、位置等)を一定に維持することで電極11の加圧力32を一定に維持している(図7Aを参照)。つまり制御装置30は、電極11の加圧力32を一定に維持しつつ、第二駆動源22の速度指令を小刻みに変化させることで研磨工具21の速度33を小刻みに変化させる。或いは制御装置30は、電極11の加圧力32を一定に維持しつつ、第二駆動源22の電流指令(トルク指令)を小刻みに変化させることで研磨工具21の研磨力(トルク)を小刻みに変化させてもよい。
【0031】
例えば従来の回転式研磨カッタ(図2を参照)を研磨工具21として用いた場合、電極11の加圧力32が一定であっても研磨工具21の速度33を周期的に変化させることで切削ムラが周期的に生じる。つまり電極11の表面には等間隔で放射状に延びる幅の広い畝又は溝11cが形成される。或いは、例えば従来のリニア式研磨パッド(図示せず)を研磨工具21として用いた場合、電極11の加圧力32が一定であっても研磨工具21の速度33を周期的に変化させることで同様に切削ムラが周期的に生じる。つまり電極11の表面には等間隔で平行に延びる幅の広い畝又は溝が形成される。このように第二駆動源22の動作指令を小刻みに変化させるだけで電極11の表面を粗面化できる。ひいては、特別な装置や手間を必要とせずに電極11の寿命を延命できる。
【0032】
図8A及び図8Bは夫々、電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の他の変形例を示すグラフである。この例では、動作指令生成部31が第一駆動源12と第二駆動源22の双方の動作指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の双方を小刻みに変化させている。つまり制御装置30は、第一駆動源12と第二駆動源22の双方の動作指令を小刻みに変化させることで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の双方を小刻みに変化させてもよい。
【0033】
また制御装置30は、第一駆動源12と第二駆動源22の双方の動作指令を同期させることで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33を同期させるとよい。これにより、意図した形状の畝又は溝が電極11の表面に綺麗に形成される。例えば第一駆動源12の動作指令の山部(即ち電極11の加圧力32の山部)と第二駆動源22の動作指令の谷部(即ち研磨工具21の速度33の谷部)を同期させることにより、より高い畝又はより深い溝が電極11の表面に形成される。また、例えば第一駆動源12の動作指令の山部(即ち電極11の加圧力32の山部)と第二駆動源22の動作指令の山部(即ち研磨工具21の速度33の山部)を同期させることにより、より幅の広い畝又はより幅の広い溝が電極11の表面に形成される。
【0034】
図9は本実施形態の電極研磨方法を示す概略フローチャートである。このフローチャートは制御装置30のプロセッサ又は他の半導体集積回路で実行されるプログラムで実現される。先ず、ステップS10では搬送装置40が抵抗溶接機10と電極研磨装置20の一方を他方まで搬送する。例えば抵抗溶接機10を装着したロボットが抵抗溶接機10を電極研磨装置20まで搬送するか、又は電極研磨装置20を把持したロボットが電極研磨装置20を抵抗溶接機10まで搬送する。
【0035】
ステップS11では制御装置30が研磨工具21を駆動する第二駆動源22を動作させる。例えば第二駆動源22が研磨工具21を回転運動又は往復運動させる。ステップS12では制御装置30が電極11を駆動する第一駆動源12を動作させる。例えば第一駆動源12が電極11を研磨工具21に加圧する。これにより電極11の研磨が開始される。
【0036】
ステップS13では制御装置30が第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方の動作指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで電極11の加圧力と研磨工具21の速度の少なくとも一方を小刻みに変化させる。例えば研磨工具21の速度を一定に維持しつつ電極11の加圧力を周期的に変化させる。これにより、電極11の加圧力と研磨工具21の速度の少なくとも一方を小刻みに変化させるだけで電極11の表面を粗面化できる。ひいては、特別な装置や手間を必要とせずに電極11の寿命を延命できる。
【0037】
図10A及び図10Bは夫々、電極11の加圧力32及び研磨工具21の速度33の別の変形例を示すグラフである。この例では、従来の電極研磨のように粗削りを先ず行い、その後、仕上げ削りとして電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の少なくとも一方を変化させている。つまり動作指令生成部31は、第一駆動源12と第二駆動源22の双方の動作指令(電流、速度、位置等)を所定時間一定に維持することで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の双方を所定時間一定に維持して粗削りを行う。その後、動作指令生成部31は、第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方の動作指令(電流、速度、位置等)を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の少なくとも一方を小刻みに変化させて仕上げ削りを行う。粗削りを行うことで電極11に溶着した母材や前回の研磨で形成された畝又は溝が取除かれ、一方で、仕上げ削りを行うことで電極11の表面に新たな畝又は溝が形成される。これにより、電極11の表面が綺麗に粗面化され、電極11の寿命をより延命することが可能になる。
【0038】
図11A及び図11Bは夫々、電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33のさらに別の変形例を示すグラフである。この例では、動作指令生成部31が第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方の動作指令(電流、速度、位置等)を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間にランダムに変化させることで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33の少なくとも一方をランダムに変化させている。このように電極11の加圧力と研磨工具21の速度の少なくとも一方をランダムに変化させても電極11の表面にはランダムな畝又は溝(図示せず)が形成され、電極11の表面を粗面化できる。従って、特別な装置や手間を必要とせずに電極11の表面を粗面化して電極11の寿命を延命できる。
【0039】
図12A及び図12Bは他の実施形態の電極研磨方法を示す研磨工具の側面図である。この例では、動作指令生成部31が抵抗溶接機10を搬送する搬送装置40の駆動軸を駆動する第三駆動源41の動作指令をさらに変化させることで研磨工具21に対する電極11の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更しながら電極11を研磨する。つまり、制御装置30は第三駆動源41の動作指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで研磨工具21に対する電極11の位置及び姿勢の少なくとも一方を小刻みに変化させる。或いは、動作指令生成部31は電極研磨装置20を搬送する搬送装置の駆動軸を駆動する第三駆動源の動作指令を小刻みに変化させることで電極11に対する研磨工具21の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更しながら電極11を研磨してもよい。
【0040】
図13A及び図13Bは夫々、この実施形態の電極研磨方法で研磨した電極11の一例を示す側面図及び平面図である。従来の回転式研磨カッタ(図2参照)を研磨工具21に用いた場合、電極11と研磨工具21の一方に対する他方の位置及び姿勢の少なくとも一方、例えば角度を小刻みに変更することで、研磨した電極11の表面には電極11の中心から放射状に湾曲して延びる畝又は溝11cが形成される。つまり制御装置30は電極11と研磨工具21の一方に対する他方の角度を変更する第三駆動源41の動作指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に小刻みに変化させるだけで、電極11の表面を粗面化できる。また、図2に示すように電極研磨装置20を上下方向に移動させるばね23aを備えていない場合であっても、第三駆動源41の動作指令を変化させることで、第一電極11a(例えば可動電極)と第二電極11bを均一に研磨することも可能になる。
【0041】
図14は他の実施形態の電極研磨方法を示す概略フローチャートである。図14に示すステップS10~ステップS13は図9に示すステップS10~ステップS13と同一であることに留意されたい。例えばステップS11において第二駆動源22が研磨工具21を回転運動又は往復運動させ、ステップS12において制御装置30が電極11を加圧する第一駆動源12を動作させる。例えば第一駆動源12は電極11を研磨工具21に加圧する。これにより電極11の研磨が開始される。ステップS14では制御装置30が電極11と研磨工具21の一方に対する他方の角度を変更する第三駆動源41を動作させる。そして、ステップS15において制御装置30が第三駆動源41と第二駆動源22の少なくとも一方の動作指令を研磨工具21が少なくとも一周期動作する間に山状及び谷状に変化させることで電極11と研磨工具21の一方に対する他方の角度を周期的に又はランダムに変化させる。これにより、例えば電極11の表面には電極11の中心から放射状に湾曲して延びた畝又は溝11cを形成することが可能である。ひいては、特別な装置や手間を必要とせずに電極11の寿命を延命できる。
【0042】
以下では、前述した実施形態の比較例として従来の電極研磨方法の一例について説明する。図15A及び図15Bは夫々、従来の電極11の加圧力32と従来の研磨工具21の速度33の一例を示すグラフである。従来の動作指令生成部31は第一駆動源12と第二駆動源22の双方の動作指令(電流、速度、位置等)を一定に維持することで電極11の加圧力32と研磨工具21の速度33を一定に維持し、電極11を研磨していた。これにより、電極11に溶着した母材を取除くことができるが、電極11の表面を粗面化することはできなかった。
【0043】
図16A及び図16Bも同様に夫々、従来の電極11の加圧力32と従来の研磨工具21の速度33の一例を示すグラフである。従来では、電極11の加圧力32を高め、研磨工具21の速度33を遅くすることで粗削りを先ず行い、その後、電極11の加圧力32を低くし、研磨工具21の速度33を速くすることで仕上げ削りを行うこともあった。粗削りを行うことで電極11に溶着した母材を取除き、一方で、仕上げ削りを行うことで電極11の表面を滑らかにできるが、電極11の表面を粗面化することはできなかった。
【0044】
図17A及び図17Bは夫々、従来の電極研磨方法で研磨した電極11の一例を示す側面図及び平面図である。従来の電極研磨方法で研磨した電極11の表面は溶着した母材が取除かれて滑らかであるものの、粗面化されていない。従って、再び抵抗溶接を行うことで電極11の表面に母材が溶着し、表面抵抗が次第に大きくなって溶接品質を悪化させてしまう。しかしながら、前述した実施形態の電極研磨技術によれば、第一駆動源12と第二駆動源22の少なくとも一方の動作指令を小刻みに変化させるだけで電極11の表面を粗面化できる。ひいては、特別な装置や手間を必要とせずに電極11の寿命を延命できる。
【0045】
前述したプロセッサ、他の半導体集積回路等で実行されるプログラム、又は前述したフローチャートを実行するプログラムは、コンピュータ読取り可能な非一時的記録媒体、例えばCD-ROM等に記録して提供してもよいし、或いは有線又は無線を介してWAN(wide area network)又はLAN(local area network)上のサーバ装置から配信して提供してもよい。
【0046】
本明細書において種々の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更を行えることを認識されたい。
【符号の説明】
【0047】
1 電極研磨システム
10 抵抗溶接機
11 電極
11a 第一電極
11b 第二電極
11c 畝又は溝
12 第一駆動源
20 電極研磨装置
21 研磨工具
21a 第一刃
21b 第二刃
22 第二駆動源
23 固定部材
23a ばね
23b ブラケット
23c 土台
30 制御装置
31 動作指令生成部
32 電極の加圧力
33 研磨工具の速度
40 搬送装置
41 第三駆動源
X 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B